JP2004090804A - 車両のステアリングロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止し、防犯性を高める。
【解決手段】ハウジング12には収容部16が長手方向に延びるように設けられ、収容部16にはカムシャフト17がその軸心が収容部16の軸心と一致する状態で回転可能に配設されている。ステアリングシャフト20に対して係合、離脱するロックピン21を係合位置と離脱位置とに駆動するカム部材19が、収容部16内に収容されている。カム部材19の作動を規制するソレノイド25は、取付け部25aがねじ27によって支持部26に固定されている。カムシャフト17の一端にノブ18が一体回転可能に固定されている。ノブ18が回動操作されることにより、ノブ18とカムシャフト17は、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びSTART位置のいずれかに回動されるようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】ハウジング12には収容部16が長手方向に延びるように設けられ、収容部16にはカムシャフト17がその軸心が収容部16の軸心と一致する状態で回転可能に配設されている。ステアリングシャフト20に対して係合、離脱するロックピン21を係合位置と離脱位置とに駆動するカム部材19が、収容部16内に収容されている。カム部材19の作動を規制するソレノイド25は、取付け部25aがねじ27によって支持部26に固定されている。カムシャフト17の一端にノブ18が一体回転可能に固定されている。ノブ18が回動操作されることにより、ノブ18とカムシャフト17は、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びSTART位置のいずれかに回動されるようになっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のステアリングロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両において、操作性を向上させるための機構として、運転者が電子キーを所持したままの状態でスイッチ(操作部)を操作するだけでエンジンの始動を可能にするスマートイグニッション装置が用いられるようになってきた。このような車両用エンジン始動装置では、操作部が回動操作自在に設けられており、この操作部を回動操作すると、内部に設けられたイグニッションスイッチが、LOCK位置、ACC(アクセサリ)位置、ON位置及びSTART位置に操作可能となっている。
【0003】
また、図7に示すように、ステアリングロック装置41は、ハウジング42を備え、ハウジング42と一体形成された取付け部42aと、該取付け部42aと別体の締付け部材42bとをセキュリティボルト43で、ステアリングコラム44(ステアリングポスト)に締付け固定されるようになっている。なお、「セキュリティボルト」とは、特殊な工具を使用することにより締付け、取外しが可能なボルト、あるいは所定以上のトルクで締め付けるとボルトの頭部43aが取れてしまい、緩めることが難しいボルトを意味する。
【0004】
ハウジング42内には長尺状のカムシャフト45がその軸心を中心に回動自在に収容され、カムシャフト45の端部には操作部46が一体形成されている。そして、操作部46が回動操作されることにより、操作部46とカムシャフト45は、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びSTART位置のいずれかに回動されるようになっている。
【0005】
ハウジング42内にはロックピン47がカムシャフト45とほぼ直交する状態で、第1端部がステアリングコラム44側に突出してステアリングシャフト44aの凹部に対して係合可能に、第2端部がカムシャフト45に形成されたカム(図示せず)と係合可能に収容されている。ロックピン47は、図示しないバネにて、第1端部がステアリングシャフト44aとの係合が解除される方向へ付勢されており、カムシャフト45に形成されたカムの回転に応じて、前記バネのバネ力に抗して、ステアリングコラム44側に突出して、ステアリングシャフト44aの凹部に係合するようになっている。
【0006】
ハウジング42の外側には、カムシャフト45に形成された凹部と係合してカムシャフト45をLOCK位置に保持するソレノイド48がビス49で固定されている。また、ソレノイド48を金属カバー50で覆い、金属カバー50をセキュリティボルト51を使用してハウジング42に固定したものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、カムシャフト45、即ち操作部46の回動の規制・許容を行うためのソレノイド48を、単にハウジング42の外面に対してビス止め固定した構成では、ドライバ等を用いればビス49は簡単に取り外され、ソレノイド48もハウジング42から取り外されてしまう。ソレノイド48がハウジング42から外されると、操作部46の回動を規制することができず、携帯機(電子キー)を有していなくても操作部46をLOCK位置からACC位置に回すことが可能になる。すると、操作部46がACC位置に移動されたことに伴い、ステアリングシャフト44aとロックピン47との係合関係が解除され、ステアリングホイールが操作可能になる。従って、ソレノイド48がハウジング42から外されると、携帯機を有する車両の所有者がいないにも関わらず、車両の操作が可能になるという問題が起こり得る。
【0008】
ソレノイド48を金属カバー50で覆い、金属カバー50をセキュリティボルト51を使用してハウジング42に固定する構成では、金属カバー50及びセキュリティボルト51の分、部品点数が増えるとともに、金属カバー50をセキュリティボルト51で固定するため工数が増えるという問題がある。
【0009】
また、従来のステアリングロック装置41は、ステアリングシャフト44aとロックピン47とが直交し、ロックピン47を駆動させるカムシャフト45がロックピン47と直交する構成となる。従って、ステアリングロック装置41は、大型となり、配置位置によっては運転者の膝と干渉する虞がある。
【0010】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる車両のステアリングロック装置を提供することにある。また、第2の目的は、前記目的に加えて、装置全体を小型化して運転者の膝と干渉し難い車両のステアリングロック装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ステアリングシャフトに対して係合、離脱するロック部材を係合位置と離脱位置とに駆動する駆動機構を収容するとともにステアリングコラムに固定されるハウジング内に、前記駆動機構の作動を規制する規制状態と、作動を許容する許容状態とに制御されるソレノイドの少なくとも取付け部を収容した。
【0012】
この発明では、ロック部材は、ステアリングシャフトに係合してステアリングシャフトをロックする係合位置と、ステアリングシャフトとの係合が解除される離脱位置とに駆動機構により駆動される。そして、駆動機構の作動がソレノイドにより規制あるいは許容される。ソレノイドの取付け部はステアリングコラムに固定されるハウジング内に収容されている。従って、ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる。
【0013】
第2の目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ハウジングは、ステアリングコラムに固定される側に収容部を開放する開口部が設けられ、前記取付け部は、前記収容部に設けられている支持部に、該取付け部を固定する締結具が前記収容部の開口部から真っ直ぐに挿入して固定可能に形成されている。
【0014】
この発明では、ソレノイドをハウジングの所定位置に固定する際、ソレノイドの取付け部をハウジングの支持部に固定するボルト、ねじ等の締結具を、ハウジングの開口部から真っ直ぐ挿入して締め付けることができる。従って、ハウジング内で締結具の向きを変えたり、ドライバ等の十分な操作スペースを設ける必要が無く、装置全体を小型化できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ソレノイドは、エンジン始動許可に必要なIDコードを含む信号を送信可能な送信部を備えたキーからの前記IDコードを含む送信信号を駆動の条件として、前記駆動機構との係合状態が解除されるように制御される。この発明では、ソレノイドは所謂スマートキーの送信電波により、駆動機構の駆動規制状態から解除される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記駆動機構はスマートイグニッション装置の操作部の回動操作と連動可能に構成されている。この発明では、一般的なスマートイグニッション装置に装備された操作部の操作と同じ操作で、ステアリングシャフトのロック及びロック解除を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をスマートイグニッション機能を有する車両に使用されるステアリングロック装置に具体化した一実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図1はステアリングロック装置の模式断面図、図2はステアリングコラムに取り付けられた状態の模式平面図である。図3はカム部材とロック部材の関係を示す模式斜視図、図4は図2のA−A線における一部省略断面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、ステアリングロック装置11のハウジング12は、基端に取付け部12aが膨出形成されている。取付け部12aはステアリングコラム(ステアリングポスト)13の外周面とほぼ同じ曲率半径の当接面12bを備え、取付け部12aがステアリングコラム(ステアリングポスト)13に当接した状態で、締付け部材14及びセキュリティボルト15により、ステアリングコラム13に締付け固定される。セキュリティボルト15としては所定の締付けトルクより大きなトルクで締め付けると、レンチなどの締付け工具と係合する頭部15aが切断されるタイプの特殊ボルトが使用される。なお、図2では15aがまだ切断除去される前の状態を示している。
【0019】
ハウジング12には収容部16が、長手方向に延びるように設けられており、収容部16にはカムシャフト17がその軸心が収容部16の軸心と一致する状態で、軸受部材16bにより回転可能に支承されている。カムシャフト17の一端には操作部としてのノブ18が一体回転可能に固定されており、ノブ18は、ハウジング12の先端側において収容部16の開口端から外部に突出している。そして、ノブ18が回動操作されることにより、ノブ18とカムシャフト17は、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びSTART位置のいずれかに回転移動されるようになっている。
【0020】
カムシャフト17にはハウジング12の基端寄りに、端面カムを構成するカム部材19が一体回転可能に固定されている。収容部16の下部にはステアリングコラム13に挿通されているステアリングシャフト20に対して係合、離脱するロック部材としてのロックピン21が、ステアリングシャフト20と直交する方向に移動可能に配置されている。ロックピン21は、収容部16の下部に配設されたガイドブロック22のガイド溝22aに沿って摺動可能に配設されている。
【0021】
ロックピン21にはカムフォロア23が回転自在に取り付けられ、カムフォロア23がカム部材19のカム面19aに当接する方向、即ちステアリングシャフト20から離脱する方向に付勢手段としての引っ張りバネ24(図1にのみ図示)により付勢されている。カム面19aは、ノブ18がLOCK位置に配置された状態においてカムフォロア23と当接する箇所が最もハウジング12の基端側に近づく形状に形成され、その状態でロックピン21がステアリングシャフト20と係合する係合位置(ロック位置)に保持されるように形成されている。また、カム面19aは、ノブ18がLOCK位置以外の位置(ACC位置、ON位置及びSTART位置)に回動された状態では、ロックピン21がステアリングシャフト20との係合が解除された離脱位置に保持されるように形成されている。カムシャフト17、ノブ18、カム部材19及び引っ張りバネ24が、ロックピン21を係合位置と離脱位置とに駆動する駆動機構を構成する。
【0022】
ハウジング12にはカム部材19の上方にソレノイド25を支持する支持部26が形成されている。支持部26にはカムシャフト17と垂直な面が形成され、その面に締結具としてのねじ27が螺合されるねじ穴28が、ねじ27を収容部16の開口部16aから頭部が開口部16a側となるように真っ直ぐに挿入して螺合可能に形成されている。この実施の形態ではねじ穴28はカムシャフト17と平行に形成されている。
【0023】
ソレノイド25に設けられた取付け部(取付け片)25aには、ねじ27をプランジャ29と直交する方向に挿通可能な孔が形成されている。そして、ソレノイド25は、取付け部25aに挿通されるねじ27により支持部26に締め付け固定されている。ソレノイド25は前記駆動機構の作動を規制あるいは許容する役割を果たす。この実施の形態ではソレノイド25のプランジャ29が駆動機構の一部であるカム部材19に係合した状態で駆動機構の作動を規制するようになっている。
【0024】
カム部材19の外周面には、ノブ18がLOCK位置に配置された状態で、プランジャ29が嵌合可能な係合部30が形成されている。また、カム部材19の外周面には、ノブ18がLOCK位置以外の位置(ACC位置、ON位置、START位置及びその間の位置)に配置された状態において突出状態のプランジャとの干渉を回避するための溝31が形成されている。
【0025】
ソレノイド25は消磁状態においてプランジャ29が突出位置に保持されてプランジャ29の先端部が係合部30又は溝31内に進入し、励磁状態においてプランジャ29が引き込まれて前記先端部が係合部30又は溝31内から離脱するように形成されている。
【0026】
この実施の形態においては、スマートイグニッション機能を有する車両に使用されるステアリングロック装置11に具体化しているため、以下の場合に図示しない通信制御装置からの制御によりソレノイド25が励磁される。即ち、運転者が有する図示しない携帯機からの送信信号に含まれたIDコードと、車両内に搭載される図示しない通信制御装置に格納されたIDコードが一致した場合と、図示しないシフトレバー装置のシフトレバーがパーキング位置若しくはニュートラル位置に配置された場合に励磁される。
【0027】
次に、前記のように構成されたステアリングロック装置11の作用を説明する。
図1はノブ18がLOCK位置に配置され、ロックピン21がステアリングシャフト20と係合するロック位置に配置されている状態を示す。また、ソレノイド25は消磁され、プランジャ29が突出してカム部材19の係合部30に係合した状態に保持されている。この状態では、ノブ18を回動操作しようとしても、突出状態(規制状態)に保持されたプランジャ29によってカム部材19の回動が規制され、ステアリングシャフト20がロック状態に保持される。
【0028】
ソレノイド25は運転者が有する携帯機からの送信信号に含まれたIDコードと、車両内に搭載される通信制御装置に格納されたIDコードとが一致すると励磁され、プランジャ29の係合部30との係合状態が解除される。その状態でノブ18をLOCK位置以外の位置に回動操作することにより、カムシャフト17の回動に伴ってロックピン21がステアリングシャフト20との係合が解除された離脱位置に配置され、ステアリングシャフト20のロック状態が解除される。
【0029】
ソレノイド25を励磁せずにステアリングシャフト20のロック状態を解除するには、ソレノイド25を取り外せばよい。しかし、ソレノイド25はハウジング12の収容部16内に収容され、ハウジング12はセキュリティボルト15及び締付け部材14を介してステアリングコラム13に固定されている。そして、収容部16内へソレノイド25を収容する際の開口部16aはステアリングコラム13によって覆われた状態にある。従って、ソレノイド25を取り外すにはセキュリティボルト15を取り外さなければならず、特殊な工具を用いて長時間かけなければセキュリティボルト15を取り外せず、結果として、ソレノイド25を取り外すことはできない。
【0030】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) ステアリングシャフト20に対して係合、離脱するロックピン21を駆動する駆動機構を収容するハウジング12内に、前記駆動機構の作動を規制するソレノイド25が収容されている。従って、ソレノイド25をセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイド25がハウジング12から取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる。
【0031】
(2) ソレノイド25を収容部16内に挿入する開口部16aが、ステアリングコラム13によって覆われるため、ハウジング12をステアリングコラム13から取り外すか、ハウジング12を破壊しなければソレノイド25をハウジング12から取り外すことはできない。従って、防犯性がより向上する。
【0032】
(3) ハウジング12は、ステアリングコラム13に固定される側に収容部16を開放する開口部16aが設けられ、ソレノイド25の取付け部25aは、収容部16に設けられている支持部26にねじ27を介して固定される。取付け部25aは、ねじ27をその頭部が開口部16a側となるように、収容部16の開口部16aから真っ直ぐに挿入して固定可能に形成されている。従って、ハウジング12内でねじ27の向きを変えたり、ドライバ等を収容部16の軸線と交差する状態で操作するための十分なスペースを設ける必要が無く、ハウジング12、ひいてはステアリングロック装置11全体を小型化できる。
【0033】
(4) ソレノイド25は、エンジン始動許可に必要なIDコードを含む信号を送信可能な送信部を備えたキーからの前記IDコードを含む送信信号を駆動の条件として、前記駆動機構との係合状態が解除されるように制御される。従って、ソレノイド25は所謂スマートキーの送信電波により、駆動機構の駆動規制状態から解除される。
【0034】
(5) 前記駆動機構はスマートイグニッション装置の操作部(ノブ18)の回動操作と連動可能に構成されている。従って、一般的なスマートイグニッション装置に装備された操作部の操作と同じ操作で、ステアリングシャフト20のロック及びロック解除を行うことができる。
【0035】
(6) カム部材19にプランジャ29と係合する係合部30と、プランジャ29の移動を許容する溝31とが形成され、ロック状態を解除する時にのみソレノイド25を励磁する構成となっている。従って、一般的なスマートイグニッション装置に装備された操作部の操作と同じ操作で、ステアリングシャフト20のロック及びロック解除を行う構成を簡単に形成できる。
【0036】
(7) ソレノイド25として消磁状態でプランジャ29が突出し、励磁状態でプランジャ29が引き込まれる構成のものを採用している。そして、一般のユーザーの場合、1日の時間の内、車両が使用されている時間は使用されていない時間より少ないため、励磁状態で突出する構成に比較して、ステアリングシャフト20のロックのための消費電力が少なくなる。
【0037】
(8) カム部材19として端面カムを使用し、ロックピン21及びソレノイド25のプランジャ29が、カムシャフト17の軸線を含む平面内に位置するように構成されている。従って、ロックピン21及びソレノイド25のプランジャ29が、カムシャフト17の軸線を含む平面と交差する状態となるように構成されたものより、小型化が容易になる。
【0038】
(9) ソレノイド25はプランジャ29がステアリングシャフト20の軸線を含む面内に位置する状態に配設されている。従って、プランジャ29がステアリングシャフト20の軸線を含む面と交差する状態でソレノイド25が配設された場合に比較してハウジング12の幅を狭くできる。
【0039】
なお、実施の形態は前記に限らず、例えば次のように構成してもよい。
・ ソレノイド25は必ずしも全体が収容部16内に収容されている必要はなく、少なくとも取付け部25aが収容された構成であればよい。例えば、図5(a),(b)に示すように、ハウジング12の上壁にソレノイド25の本体及び取付け部25aの挿入を可能にする孔32及び溝32aを形成する。そして、ソレノイド25は、本体の一部がハウジング12の上壁から突出する状態で孔32に挿通され、収容部16内に収容された取付け部25aがねじ27により支持部26に固定される。この場合、ソレノイド25全体を収容部16に収容する構成に比較して収容部16の容積を小さくできるためハウジング12も小さくでき、ステアリングロック装置11のより小型化が可能となる。
【0040】
・ 図5(a),(b)に示すように、ソレノイド25を孔32から挿入して収容部16内に取付け部25aが位置するように配設する構成において、支持部26にねじ穴28に代えて取付け部25aの孔と同じ径の穴を形成する。取付け部25aはハウジング12に形成された孔32に連続する溝32aに嵌合される。そして、取付け部25aの孔及び前記穴に嵌挿されるピンでソレノイド25をハウジング12に固定してもよい。この場合、ねじ27で締め付け固定するより作業が簡単になる。
【0041】
・ ロックピン21がカムシャフト17と平行に延びる構成に限らず、ロックピン21がカムシャフト17と直交する方向に延びる構成としてもよい。例えば、図6に示すように、カム部材19として端面カムではなく従来と同様のカムが使用される。また、ソレノイド25はカムシャフト17の途中に固定された図示しない係合部材に形成された係合穴にプランジャ29の先端が係合可能な位置に配設される。図6の構成ではソレノイド25は一部がハウジング12の外に突出する状態で配設され、ねじ33により固定されている。ねじ33が挿通される孔34はステアリングコラム13と対向する箇所ではなく、ハウジング12の締付け部材14と対向する箇所に形成されている。
【0042】
・ ソレノイド25は励磁状態でプランジャ29が引き込まれる構成のものに限らず、消磁状態でプランジャ29が引き込まれる構成のものを使用してもよい。
【0043】
・ ソレノイド25はプランジャ29がステアリングシャフト20の軸線を含む面内に位置すれば、ロックピン21がステアリングシャフト20と直交する状態に配置せずに斜めに交差する状態に配設しても、小型化が可能となる。
【0044】
・ スマートイグニッション機能を有する車両に搭載したステアリングロック装置11に具体化したが、機械鍵(メカキー)を用いる装置に具体化してもよい。この場合、ソレノイド25は、機械鍵がキー挿入孔に挿着された状態と、シフトレバー装置のシフトレバーがパーキング位置若しくはニュートラル位置に配置された状態で駆動機構の規制を解除するように、励磁又は消磁される。
【0045】
・ ステアリングロック装置11を車両用エンジン始動装置と独立した構成としてもよい。
・ カムシャフト17をノブ18を操作して回動させる構成に代えて、カムシャフト17をモータにより回動させる構成としてもよい。
【0046】
・ 締付け部材14を締め付け固定するセキュリティボルト15は、頭部が切断されるタイプのものに限らず、頭部にガードリングを備えたり、頭部を特殊形状として、特殊な工具を使用しないと締付け状態を弛めることができないタイプのものを使用してもよい。
【0047】
前記実施の形態から把握される発明(技術的思想)について、以下に記載する。
(1) 請求項2に記載の発明において、前記ソレノイドはプランジャがステアリングシャフトの軸線を含む面内に位置する状態に配設されている。
【0048】
(2) 請求項1〜請求項4及び技術的思想(1)のいずれか一項に記載の発明において、前記ソレノイドは一部が前記ハウジングから露出する状態で、取付け部が収容部内に位置するように固定されている。
【0049】
(3) 技術的思想(2)に記載の発明において、前記取付け部はハウジングに形成された溝に嵌合され、収容部の開口部側から挿通されるピンにより固定されている。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる。また、請求項2に記載の発明によれば、装置全体を小型化して運転者の膝と干渉し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態のステアリングロック装置の模式断面図。
【図2】同じく模式平面図。
【図3】ロックピンとカム部材との関係を示す模式斜視図。
【図4】図2のA−A線における部分模式断面図。
【図5】(a)は別の実施の形態の模式平面図、(b)は(a)のB−B線における部分断面図。
【図6】別の実施の形態の模式平面図。
【図7】従来のステアリングロック装置の模式平面図。
【符号の説明】
12…ハウジング、13…ステアリングコラム、16…収容部、16a…開口部、17…駆動機構を構成するカムシャフト、18…同じく操作部としてのノブ、19…同じくカム部材、20…ステアリングシャフト、21…ロック部材としてのロックピン、25…ソレノイド、25a…取付け部、26…支持部、27…締結具としてのねじ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のステアリングロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両において、操作性を向上させるための機構として、運転者が電子キーを所持したままの状態でスイッチ(操作部)を操作するだけでエンジンの始動を可能にするスマートイグニッション装置が用いられるようになってきた。このような車両用エンジン始動装置では、操作部が回動操作自在に設けられており、この操作部を回動操作すると、内部に設けられたイグニッションスイッチが、LOCK位置、ACC(アクセサリ)位置、ON位置及びSTART位置に操作可能となっている。
【0003】
また、図7に示すように、ステアリングロック装置41は、ハウジング42を備え、ハウジング42と一体形成された取付け部42aと、該取付け部42aと別体の締付け部材42bとをセキュリティボルト43で、ステアリングコラム44(ステアリングポスト)に締付け固定されるようになっている。なお、「セキュリティボルト」とは、特殊な工具を使用することにより締付け、取外しが可能なボルト、あるいは所定以上のトルクで締め付けるとボルトの頭部43aが取れてしまい、緩めることが難しいボルトを意味する。
【0004】
ハウジング42内には長尺状のカムシャフト45がその軸心を中心に回動自在に収容され、カムシャフト45の端部には操作部46が一体形成されている。そして、操作部46が回動操作されることにより、操作部46とカムシャフト45は、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びSTART位置のいずれかに回動されるようになっている。
【0005】
ハウジング42内にはロックピン47がカムシャフト45とほぼ直交する状態で、第1端部がステアリングコラム44側に突出してステアリングシャフト44aの凹部に対して係合可能に、第2端部がカムシャフト45に形成されたカム(図示せず)と係合可能に収容されている。ロックピン47は、図示しないバネにて、第1端部がステアリングシャフト44aとの係合が解除される方向へ付勢されており、カムシャフト45に形成されたカムの回転に応じて、前記バネのバネ力に抗して、ステアリングコラム44側に突出して、ステアリングシャフト44aの凹部に係合するようになっている。
【0006】
ハウジング42の外側には、カムシャフト45に形成された凹部と係合してカムシャフト45をLOCK位置に保持するソレノイド48がビス49で固定されている。また、ソレノイド48を金属カバー50で覆い、金属カバー50をセキュリティボルト51を使用してハウジング42に固定したものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、カムシャフト45、即ち操作部46の回動の規制・許容を行うためのソレノイド48を、単にハウジング42の外面に対してビス止め固定した構成では、ドライバ等を用いればビス49は簡単に取り外され、ソレノイド48もハウジング42から取り外されてしまう。ソレノイド48がハウジング42から外されると、操作部46の回動を規制することができず、携帯機(電子キー)を有していなくても操作部46をLOCK位置からACC位置に回すことが可能になる。すると、操作部46がACC位置に移動されたことに伴い、ステアリングシャフト44aとロックピン47との係合関係が解除され、ステアリングホイールが操作可能になる。従って、ソレノイド48がハウジング42から外されると、携帯機を有する車両の所有者がいないにも関わらず、車両の操作が可能になるという問題が起こり得る。
【0008】
ソレノイド48を金属カバー50で覆い、金属カバー50をセキュリティボルト51を使用してハウジング42に固定する構成では、金属カバー50及びセキュリティボルト51の分、部品点数が増えるとともに、金属カバー50をセキュリティボルト51で固定するため工数が増えるという問題がある。
【0009】
また、従来のステアリングロック装置41は、ステアリングシャフト44aとロックピン47とが直交し、ロックピン47を駆動させるカムシャフト45がロックピン47と直交する構成となる。従って、ステアリングロック装置41は、大型となり、配置位置によっては運転者の膝と干渉する虞がある。
【0010】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる車両のステアリングロック装置を提供することにある。また、第2の目的は、前記目的に加えて、装置全体を小型化して運転者の膝と干渉し難い車両のステアリングロック装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ステアリングシャフトに対して係合、離脱するロック部材を係合位置と離脱位置とに駆動する駆動機構を収容するとともにステアリングコラムに固定されるハウジング内に、前記駆動機構の作動を規制する規制状態と、作動を許容する許容状態とに制御されるソレノイドの少なくとも取付け部を収容した。
【0012】
この発明では、ロック部材は、ステアリングシャフトに係合してステアリングシャフトをロックする係合位置と、ステアリングシャフトとの係合が解除される離脱位置とに駆動機構により駆動される。そして、駆動機構の作動がソレノイドにより規制あるいは許容される。ソレノイドの取付け部はステアリングコラムに固定されるハウジング内に収容されている。従って、ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる。
【0013】
第2の目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ハウジングは、ステアリングコラムに固定される側に収容部を開放する開口部が設けられ、前記取付け部は、前記収容部に設けられている支持部に、該取付け部を固定する締結具が前記収容部の開口部から真っ直ぐに挿入して固定可能に形成されている。
【0014】
この発明では、ソレノイドをハウジングの所定位置に固定する際、ソレノイドの取付け部をハウジングの支持部に固定するボルト、ねじ等の締結具を、ハウジングの開口部から真っ直ぐ挿入して締め付けることができる。従って、ハウジング内で締結具の向きを変えたり、ドライバ等の十分な操作スペースを設ける必要が無く、装置全体を小型化できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ソレノイドは、エンジン始動許可に必要なIDコードを含む信号を送信可能な送信部を備えたキーからの前記IDコードを含む送信信号を駆動の条件として、前記駆動機構との係合状態が解除されるように制御される。この発明では、ソレノイドは所謂スマートキーの送信電波により、駆動機構の駆動規制状態から解除される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記駆動機構はスマートイグニッション装置の操作部の回動操作と連動可能に構成されている。この発明では、一般的なスマートイグニッション装置に装備された操作部の操作と同じ操作で、ステアリングシャフトのロック及びロック解除を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をスマートイグニッション機能を有する車両に使用されるステアリングロック装置に具体化した一実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図1はステアリングロック装置の模式断面図、図2はステアリングコラムに取り付けられた状態の模式平面図である。図3はカム部材とロック部材の関係を示す模式斜視図、図4は図2のA−A線における一部省略断面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、ステアリングロック装置11のハウジング12は、基端に取付け部12aが膨出形成されている。取付け部12aはステアリングコラム(ステアリングポスト)13の外周面とほぼ同じ曲率半径の当接面12bを備え、取付け部12aがステアリングコラム(ステアリングポスト)13に当接した状態で、締付け部材14及びセキュリティボルト15により、ステアリングコラム13に締付け固定される。セキュリティボルト15としては所定の締付けトルクより大きなトルクで締め付けると、レンチなどの締付け工具と係合する頭部15aが切断されるタイプの特殊ボルトが使用される。なお、図2では15aがまだ切断除去される前の状態を示している。
【0019】
ハウジング12には収容部16が、長手方向に延びるように設けられており、収容部16にはカムシャフト17がその軸心が収容部16の軸心と一致する状態で、軸受部材16bにより回転可能に支承されている。カムシャフト17の一端には操作部としてのノブ18が一体回転可能に固定されており、ノブ18は、ハウジング12の先端側において収容部16の開口端から外部に突出している。そして、ノブ18が回動操作されることにより、ノブ18とカムシャフト17は、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びSTART位置のいずれかに回転移動されるようになっている。
【0020】
カムシャフト17にはハウジング12の基端寄りに、端面カムを構成するカム部材19が一体回転可能に固定されている。収容部16の下部にはステアリングコラム13に挿通されているステアリングシャフト20に対して係合、離脱するロック部材としてのロックピン21が、ステアリングシャフト20と直交する方向に移動可能に配置されている。ロックピン21は、収容部16の下部に配設されたガイドブロック22のガイド溝22aに沿って摺動可能に配設されている。
【0021】
ロックピン21にはカムフォロア23が回転自在に取り付けられ、カムフォロア23がカム部材19のカム面19aに当接する方向、即ちステアリングシャフト20から離脱する方向に付勢手段としての引っ張りバネ24(図1にのみ図示)により付勢されている。カム面19aは、ノブ18がLOCK位置に配置された状態においてカムフォロア23と当接する箇所が最もハウジング12の基端側に近づく形状に形成され、その状態でロックピン21がステアリングシャフト20と係合する係合位置(ロック位置)に保持されるように形成されている。また、カム面19aは、ノブ18がLOCK位置以外の位置(ACC位置、ON位置及びSTART位置)に回動された状態では、ロックピン21がステアリングシャフト20との係合が解除された離脱位置に保持されるように形成されている。カムシャフト17、ノブ18、カム部材19及び引っ張りバネ24が、ロックピン21を係合位置と離脱位置とに駆動する駆動機構を構成する。
【0022】
ハウジング12にはカム部材19の上方にソレノイド25を支持する支持部26が形成されている。支持部26にはカムシャフト17と垂直な面が形成され、その面に締結具としてのねじ27が螺合されるねじ穴28が、ねじ27を収容部16の開口部16aから頭部が開口部16a側となるように真っ直ぐに挿入して螺合可能に形成されている。この実施の形態ではねじ穴28はカムシャフト17と平行に形成されている。
【0023】
ソレノイド25に設けられた取付け部(取付け片)25aには、ねじ27をプランジャ29と直交する方向に挿通可能な孔が形成されている。そして、ソレノイド25は、取付け部25aに挿通されるねじ27により支持部26に締め付け固定されている。ソレノイド25は前記駆動機構の作動を規制あるいは許容する役割を果たす。この実施の形態ではソレノイド25のプランジャ29が駆動機構の一部であるカム部材19に係合した状態で駆動機構の作動を規制するようになっている。
【0024】
カム部材19の外周面には、ノブ18がLOCK位置に配置された状態で、プランジャ29が嵌合可能な係合部30が形成されている。また、カム部材19の外周面には、ノブ18がLOCK位置以外の位置(ACC位置、ON位置、START位置及びその間の位置)に配置された状態において突出状態のプランジャとの干渉を回避するための溝31が形成されている。
【0025】
ソレノイド25は消磁状態においてプランジャ29が突出位置に保持されてプランジャ29の先端部が係合部30又は溝31内に進入し、励磁状態においてプランジャ29が引き込まれて前記先端部が係合部30又は溝31内から離脱するように形成されている。
【0026】
この実施の形態においては、スマートイグニッション機能を有する車両に使用されるステアリングロック装置11に具体化しているため、以下の場合に図示しない通信制御装置からの制御によりソレノイド25が励磁される。即ち、運転者が有する図示しない携帯機からの送信信号に含まれたIDコードと、車両内に搭載される図示しない通信制御装置に格納されたIDコードが一致した場合と、図示しないシフトレバー装置のシフトレバーがパーキング位置若しくはニュートラル位置に配置された場合に励磁される。
【0027】
次に、前記のように構成されたステアリングロック装置11の作用を説明する。
図1はノブ18がLOCK位置に配置され、ロックピン21がステアリングシャフト20と係合するロック位置に配置されている状態を示す。また、ソレノイド25は消磁され、プランジャ29が突出してカム部材19の係合部30に係合した状態に保持されている。この状態では、ノブ18を回動操作しようとしても、突出状態(規制状態)に保持されたプランジャ29によってカム部材19の回動が規制され、ステアリングシャフト20がロック状態に保持される。
【0028】
ソレノイド25は運転者が有する携帯機からの送信信号に含まれたIDコードと、車両内に搭載される通信制御装置に格納されたIDコードとが一致すると励磁され、プランジャ29の係合部30との係合状態が解除される。その状態でノブ18をLOCK位置以外の位置に回動操作することにより、カムシャフト17の回動に伴ってロックピン21がステアリングシャフト20との係合が解除された離脱位置に配置され、ステアリングシャフト20のロック状態が解除される。
【0029】
ソレノイド25を励磁せずにステアリングシャフト20のロック状態を解除するには、ソレノイド25を取り外せばよい。しかし、ソレノイド25はハウジング12の収容部16内に収容され、ハウジング12はセキュリティボルト15及び締付け部材14を介してステアリングコラム13に固定されている。そして、収容部16内へソレノイド25を収容する際の開口部16aはステアリングコラム13によって覆われた状態にある。従って、ソレノイド25を取り外すにはセキュリティボルト15を取り外さなければならず、特殊な工具を用いて長時間かけなければセキュリティボルト15を取り外せず、結果として、ソレノイド25を取り外すことはできない。
【0030】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) ステアリングシャフト20に対して係合、離脱するロックピン21を駆動する駆動機構を収容するハウジング12内に、前記駆動機構の作動を規制するソレノイド25が収容されている。従って、ソレノイド25をセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイド25がハウジング12から取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる。
【0031】
(2) ソレノイド25を収容部16内に挿入する開口部16aが、ステアリングコラム13によって覆われるため、ハウジング12をステアリングコラム13から取り外すか、ハウジング12を破壊しなければソレノイド25をハウジング12から取り外すことはできない。従って、防犯性がより向上する。
【0032】
(3) ハウジング12は、ステアリングコラム13に固定される側に収容部16を開放する開口部16aが設けられ、ソレノイド25の取付け部25aは、収容部16に設けられている支持部26にねじ27を介して固定される。取付け部25aは、ねじ27をその頭部が開口部16a側となるように、収容部16の開口部16aから真っ直ぐに挿入して固定可能に形成されている。従って、ハウジング12内でねじ27の向きを変えたり、ドライバ等を収容部16の軸線と交差する状態で操作するための十分なスペースを設ける必要が無く、ハウジング12、ひいてはステアリングロック装置11全体を小型化できる。
【0033】
(4) ソレノイド25は、エンジン始動許可に必要なIDコードを含む信号を送信可能な送信部を備えたキーからの前記IDコードを含む送信信号を駆動の条件として、前記駆動機構との係合状態が解除されるように制御される。従って、ソレノイド25は所謂スマートキーの送信電波により、駆動機構の駆動規制状態から解除される。
【0034】
(5) 前記駆動機構はスマートイグニッション装置の操作部(ノブ18)の回動操作と連動可能に構成されている。従って、一般的なスマートイグニッション装置に装備された操作部の操作と同じ操作で、ステアリングシャフト20のロック及びロック解除を行うことができる。
【0035】
(6) カム部材19にプランジャ29と係合する係合部30と、プランジャ29の移動を許容する溝31とが形成され、ロック状態を解除する時にのみソレノイド25を励磁する構成となっている。従って、一般的なスマートイグニッション装置に装備された操作部の操作と同じ操作で、ステアリングシャフト20のロック及びロック解除を行う構成を簡単に形成できる。
【0036】
(7) ソレノイド25として消磁状態でプランジャ29が突出し、励磁状態でプランジャ29が引き込まれる構成のものを採用している。そして、一般のユーザーの場合、1日の時間の内、車両が使用されている時間は使用されていない時間より少ないため、励磁状態で突出する構成に比較して、ステアリングシャフト20のロックのための消費電力が少なくなる。
【0037】
(8) カム部材19として端面カムを使用し、ロックピン21及びソレノイド25のプランジャ29が、カムシャフト17の軸線を含む平面内に位置するように構成されている。従って、ロックピン21及びソレノイド25のプランジャ29が、カムシャフト17の軸線を含む平面と交差する状態となるように構成されたものより、小型化が容易になる。
【0038】
(9) ソレノイド25はプランジャ29がステアリングシャフト20の軸線を含む面内に位置する状態に配設されている。従って、プランジャ29がステアリングシャフト20の軸線を含む面と交差する状態でソレノイド25が配設された場合に比較してハウジング12の幅を狭くできる。
【0039】
なお、実施の形態は前記に限らず、例えば次のように構成してもよい。
・ ソレノイド25は必ずしも全体が収容部16内に収容されている必要はなく、少なくとも取付け部25aが収容された構成であればよい。例えば、図5(a),(b)に示すように、ハウジング12の上壁にソレノイド25の本体及び取付け部25aの挿入を可能にする孔32及び溝32aを形成する。そして、ソレノイド25は、本体の一部がハウジング12の上壁から突出する状態で孔32に挿通され、収容部16内に収容された取付け部25aがねじ27により支持部26に固定される。この場合、ソレノイド25全体を収容部16に収容する構成に比較して収容部16の容積を小さくできるためハウジング12も小さくでき、ステアリングロック装置11のより小型化が可能となる。
【0040】
・ 図5(a),(b)に示すように、ソレノイド25を孔32から挿入して収容部16内に取付け部25aが位置するように配設する構成において、支持部26にねじ穴28に代えて取付け部25aの孔と同じ径の穴を形成する。取付け部25aはハウジング12に形成された孔32に連続する溝32aに嵌合される。そして、取付け部25aの孔及び前記穴に嵌挿されるピンでソレノイド25をハウジング12に固定してもよい。この場合、ねじ27で締め付け固定するより作業が簡単になる。
【0041】
・ ロックピン21がカムシャフト17と平行に延びる構成に限らず、ロックピン21がカムシャフト17と直交する方向に延びる構成としてもよい。例えば、図6に示すように、カム部材19として端面カムではなく従来と同様のカムが使用される。また、ソレノイド25はカムシャフト17の途中に固定された図示しない係合部材に形成された係合穴にプランジャ29の先端が係合可能な位置に配設される。図6の構成ではソレノイド25は一部がハウジング12の外に突出する状態で配設され、ねじ33により固定されている。ねじ33が挿通される孔34はステアリングコラム13と対向する箇所ではなく、ハウジング12の締付け部材14と対向する箇所に形成されている。
【0042】
・ ソレノイド25は励磁状態でプランジャ29が引き込まれる構成のものに限らず、消磁状態でプランジャ29が引き込まれる構成のものを使用してもよい。
【0043】
・ ソレノイド25はプランジャ29がステアリングシャフト20の軸線を含む面内に位置すれば、ロックピン21がステアリングシャフト20と直交する状態に配置せずに斜めに交差する状態に配設しても、小型化が可能となる。
【0044】
・ スマートイグニッション機能を有する車両に搭載したステアリングロック装置11に具体化したが、機械鍵(メカキー)を用いる装置に具体化してもよい。この場合、ソレノイド25は、機械鍵がキー挿入孔に挿着された状態と、シフトレバー装置のシフトレバーがパーキング位置若しくはニュートラル位置に配置された状態で駆動機構の規制を解除するように、励磁又は消磁される。
【0045】
・ ステアリングロック装置11を車両用エンジン始動装置と独立した構成としてもよい。
・ カムシャフト17をノブ18を操作して回動させる構成に代えて、カムシャフト17をモータにより回動させる構成としてもよい。
【0046】
・ 締付け部材14を締め付け固定するセキュリティボルト15は、頭部が切断されるタイプのものに限らず、頭部にガードリングを備えたり、頭部を特殊形状として、特殊な工具を使用しないと締付け状態を弛めることができないタイプのものを使用してもよい。
【0047】
前記実施の形態から把握される発明(技術的思想)について、以下に記載する。
(1) 請求項2に記載の発明において、前記ソレノイドはプランジャがステアリングシャフトの軸線を含む面内に位置する状態に配設されている。
【0048】
(2) 請求項1〜請求項4及び技術的思想(1)のいずれか一項に記載の発明において、前記ソレノイドは一部が前記ハウジングから露出する状態で、取付け部が収容部内に位置するように固定されている。
【0049】
(3) 技術的思想(2)に記載の発明において、前記取付け部はハウジングに形成された溝に嵌合され、収容部の開口部側から挿通されるピンにより固定されている。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、ソレノイドをセキュリティボルトで固定される金属カバーで覆わずに、ソレノイドがハウジングから取り外されることを防止でき、防犯性を高めることができる。また、請求項2に記載の発明によれば、装置全体を小型化して運転者の膝と干渉し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態のステアリングロック装置の模式断面図。
【図2】同じく模式平面図。
【図3】ロックピンとカム部材との関係を示す模式斜視図。
【図4】図2のA−A線における部分模式断面図。
【図5】(a)は別の実施の形態の模式平面図、(b)は(a)のB−B線における部分断面図。
【図6】別の実施の形態の模式平面図。
【図7】従来のステアリングロック装置の模式平面図。
【符号の説明】
12…ハウジング、13…ステアリングコラム、16…収容部、16a…開口部、17…駆動機構を構成するカムシャフト、18…同じく操作部としてのノブ、19…同じくカム部材、20…ステアリングシャフト、21…ロック部材としてのロックピン、25…ソレノイド、25a…取付け部、26…支持部、27…締結具としてのねじ。
Claims (4)
- ステアリングシャフトに対して係合、離脱するロック部材を係合位置と離脱位置とに駆動する駆動機構を収容するとともにステアリングコラムに固定されるハウジング内に、前記駆動機構の作動を規制する規制状態と、作動を許容する許容状態とに制御されるソレノイドの少なくとも取付け部を収容した車両のステアリングロック装置。
- 前記ハウジングは、ステアリングコラムに固定される側に収容部を開放する開口部が設けられ、前記取付け部は、前記収容部に設けられている支持部に、該取付け部を固定する締結具が前記収容部の開口部から真っ直ぐに挿入して固定可能に形成されている請求項1に記載の車両のステアリングロック装置。
- 前記ソレノイドは、エンジン始動許可に必要なIDコードを含む信号を送信可能な送信部を備えたキーからの前記IDコードを含む送信信号を駆動の条件として、前記駆動機構の作動を阻止しない状態となるように制御される請求項1又は請求項2に記載の車両のステアリングロック装置。
- 前記駆動機構はスマートイグニッション装置の操作部の回動操作と連動可能に構成されている請求項3に記載の車両のステアリングロック装置。
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Cited By (3)
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JP2010274712A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Yuhshin Co Ltd | 電動ステアリングロック装置 |
JP2016101821A (ja) * | 2014-11-27 | 2016-06-02 | 株式会社ユーシン | ステアリングロック装置 |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002255510A patent/JP2004090804A/ja active Pending
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