JP2004088953A - イオン発生器用の高電圧発生回路及びイオン発生用とイグナイタ用とに兼用の高電圧発生回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高電圧発生回路10は、DC電源2を駆動源として、非安定マルチバイブレータMVと、その出力パルスにより駆動されるパルストランスTとを備え、パルストランスTの1次側コイルN1に直列順方向にダイオードD1が挿入されている。このダイオードD1の挿入により、パルストランスTの2次側コイルN2に現れる高電圧パルスは正負に振動しながら単調に減衰していく整形された波形となる。このため、イオン発生が安定し、しかもオゾンの発生が抑制され、イオン発生器用に適したものとなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン発生器用の高電圧発生回路及びイオン発生用と石油暖房機器などの点火(イグナイタ)用とに兼用の高電圧発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、石油燃焼機器の灯芯への点火装置として、電池を電源とする高電圧発生回路を用いた、火花放電を利用するイグナイタが知られている(例えば、特開平06−341644号公報参照)。
【0003】
この種のイグナイタ用高電圧パルス発生回路の例を図11に示す。この高電圧パルス発生回路1は、電池からなるDC電源2を動作源とし、発振動作する非安定マルチバイブレータMVと、その出力でもってスイッチング動作されるスイッチング用トランジスタQ3,Q4と、トランジスタQ4のスイッチング動作により高電圧を発生するパルストランスTとを備えている。非安定マルチバイブレータMVはトランジスタQ1,Q2と、抵抗R1〜R4と、コンデンサC2,C3とから構成される。また、パルストランスTの1次コイルN1に並列にコンデンサC4が接続され、2次コイルN2の両端には点火用電極3が接続される。なお、DC電源にはスイッチSWを介して平滑用のコンデンサC1が並列接続されている。
【0004】
上記高電圧パルス発生回路1において、マルチバイブレータMVの発振周期に従い、トランジスタQ4がオン・オンし、パルストランスTの1次側電流が断続されることで、コンデンサC4とパルストランスTの1次コイルN1とから成る閉回路に振動電流が発生する。この振動電流により、パルストランスTの2次コイルN2の両端に高電圧が発生し、点火用電極3間に火花放電が発生する。
【0005】
ところで、空気清浄機器としてのイオン発生器にも、イオン発生用の高電圧パルス発生回路が用いられている。このイオン発生器により発生される負イオンは人間をリラックスさせ、正イオンは殺菌する効果があり、正負両イオンを同時に発生させると、室内雰囲気の改善に効果がある。そこで、上述したようなイグナイタ用高電圧パルス発生回路をイオン発生に用いて、石油燃焼機器にイオン発生器を組み込むことが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図11に示したような従来の、電池を電源としたイグナイタ用高電圧パルス発生回路1を、イオン発生器に用いた場合、以下のような問題がある。パルストランスTの2次コイルN2に現れるイグナイタ用の電圧パルスVN2は、例えば図12及び図13に示されるように、正負に同程度に振動し、片側振幅5〜6kV、パルス周期1.2msecの波形を有している。2次コイルN2に現れるパルスの振動電圧は、エネルギの散逸に従い時間と共に減衰するが、本回路においては、図の矢印aで示した期間で一様に減衰せずに、ある一定値以上の電圧パルスが持続し、これが放電時のノイズとなる。このような電圧パルスVN2によりイオンを発生させると、イオン量がばらつき、しかも、電流が多過ぎてa期間の持続するパルスの波高値が−2kVを越えると、有害なオゾンが発生し易くなる。このため、図11に示したような従来のイグナイタ用の高電圧パルス発生回路をそのままイオン発生器に適用することは好ましくない。また、低電圧の電池電源での動作のため、スイッチングのトリガーが外部ノイズの影響を受け易い。
【0007】
上述では電池電源を用いた高電圧パルス発生回路を示したが、100V商用交流電源を用いた高電圧パルス発生回路もある。この場合、一般にスイッチング動作のためにサイリスタを用いており、トリガー動作電圧が高いので、比較的、外部ノイズの影響を受けにくい。ところが、このような商用交流電源を用いた高電圧パルス発生回路をイオン発生器に適用した場合、商用交流電源の電圧変動があると、それによりイオンの発生量にばらつきが生じ、電圧が高過ぎると、オゾンが発生し易くなるといった問題がある。また、商用交流電源に安定化電源回路を備える場合は、コスト高となる。
【0008】
また、イオン発生器で使用する高電圧パルス発生回路の出力電圧は、オゾン発生を抑えるために±4kV程度以下にする必要があるのに対して、イグナイタ用の高電圧パルス発生回路の出力電圧は、着火のために10kV程度にする必要がある。このようにイオン発生器用とイグナイタ用とでは、使用する出力電圧が異なることから、一つの高電圧パルス発生回路を両者に兼用することは困難であった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解消するものであって、電池電源を用いた簡単で安価な構成により、イオン発生器用としてオゾンの発生を抑制でき、ノイズの影響を受けることがなく、電圧変動がなくイオン発生量の安定化が図れるイオン発生器用の高電圧発生回路を提供することを目的とする。また、回路動作の切り替えにより容易にイオン発生用とイグナイタ用とに適した高電圧パルスを得ることが可能で、イオン発生用とイグナイタ用とに兼用でき、安価な高電圧発生回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の課題を達成するために、請求項1の発明は、非安定マルチバイブレータと、この非安定マルチバイブレータのパルス出力によりスイッチングされるスイッチング素子と、このスイッチング素子により1次側コイルに流れる電流が制御され、2次側に高電圧パルスを出力するパルストランスと、このパルストランスの1次側コイルに並列に接続されたコンデンサとを備え、このパルストランスの2次側に得られる高電圧パルスをイオン発生器に用いる高電圧発生回路において、前記パルストランスの駆動電源が直流電源であり、前記パルストランスの1次側コイルに直列にダイオードを順方向に挿入したものである。
【0011】
上記構成においては、電池を駆動源として、非安定マルチバイブレータのパルス出力によりパルストランスが駆動され、このパルストランスの1次側コイルに現れるノイズ成分をパルストランスの1次側コイルに直列順方向に挿入したダイオードによって遮断する。これにより、パルストランスの2次側コイルに現れる高電圧パルスの波形は正負に振動しながら単調に減衰していくものとなり、高電圧パルスに持続するノイズ成分がなくなる。このため、イオン発生量のばらつきがなくなり、しかもオゾンの発生が抑制される。よって、本高電圧発生回路はイオン発生器用に適したものとなる。また、電池を駆動源とした安定直流電源を用いているので、出力が安定し、商用交流電源を用いた場合に比べてイオン発生量が安定し、かつオゾン発生がなくなる。
【0012】
請求項2の発明は、非安定マルチバイブレータと、この非安定マルチバイブレータのパルス出力によりスイッチングされるスイッチング素子と、このスイッチング素子により1次側コイルに流れる電流が制御され、2次側に高電圧パルスを出力するパルストランスと、このパルストランスの1次側コイルに並列に接続されたコンデンサとを備え、このパルストランスの2次側に得られる高電圧パルスをイオン発生器に用いる高電圧発生回路であって、前記パルストランスの駆動電源が直流電源であり、前記パルストランスの1次側コイルに直列にダイオードを順方向に挿入し、前記非安定マルチバイブレータのパルス出力幅を少なくとも二段に切り替え可能な構成とし、短いパルス出力幅のときに前記パルストランスから出力される高電圧パルスをイオン発生器用とし、長いパルス出力幅のときに前記パルストランスから出力される高電圧パルスをイグナイタ用とすることを特徴とするイオン発生用とイグナイタ用とに兼用したものである。
【0013】
上記構成においては、請求項1と同等の作用効果が得られることに加えて、非安定マルチバイブレータのパルス出力幅を切り替えることにより、短いパルス出力幅のときに得られる高電圧パルスをイオン発生器用とし、長いパルス出力幅のときに得られる高電圧パルスをイグナイタ用とする。これにより、イオン発生器用とイグナイタ用とに高電圧発生回路を兼有することができる。その結果、灯心式石油燃焼機に、電池式イグナイタと安定したイオン発生器とを安価に搭載することができる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2に記載のイオン発生用とイグナイタ用とに兼用の高電圧発生回路において、非安定マルチバイブレータは、2つのトランジスタの出力がそれぞれのコレクタからたすき掛けに互いに他のトランジスタのベースにコンデンサを介して正帰還され、前記各ベースが充放電時定数を決める抵抗を介して電源ラインに結ばれているものであり、前記非安定マルチバイブレータのパルス出力幅を二段に切り替え可能とする構成は、前記抵抗のそれぞれを異なる値の抵抗に切り替えるための抵抗及び切り替えスイッチから成るものである。
【0015】
上記構成においては、切り替えスイッチを操作するだけで、非安定マルチバイブレータの充放電時定数を決める抵抗を、イオン発生器用に適したものと、イグナイタ用に適したものとに切り替えることができる。従って、簡単な構成及び操作により、一つの高電圧発生回路をイオン発生器用とイグナイタ用とに切り替えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るイオン発生器用の高電圧発生回路について、図1を参照して説明する。このイオン発生器用の高電圧発生回路10は、前述の図11の回路と同様に、電池からなるDC電源2を動作源とし、発振動作する非安定マルチバイブレータMVと、その出力でもってスイッチング動作されるスイッチング用トランジスタQ3,Q4と、トランジスタQ4のスイッチング動作により高電圧を発生するパルストランスTとを備えている。そして、前述の図11の回路と相違する点は、パルストランスTの1次コイルN1の正電源側に、ダイオードD1を電源に対し順方向となるように挿入したことである。
【0017】
非安定マルチバイブレータMVは、2つのトランジスタQ1,Q2の出力がそれぞれのコレクタからたすき掛けに互いに他のトランジスタのベースにコンデンサC2,C3を介して正帰還され、各ベースが充放電時定数を決める抵抗R3,R2を介して電源ラインに接続されたものである。なお、トランジスタQ1とトランジスタQ2の各コレクタは抵抗R1,R4を介して正側の電源ラインに接続され、エミッタは負側の電源ラインに接続されている。
【0018】
非安定マルチバイブレータMVの出力は、トランジスタQ2のコレクタに取り出され、トランジスタQ3のベースに入力される。トランジスタQ3のベースとコレクタはそれぞれ抵抗R5,R6を介して正側の電源ラインに接続され、エミッタはトランジスタQ4のベースに接続されている。トランジスタQ4のコレクタはパルストランスTの1次コイルN1を介して正側の電源ラインに接続され、エミッタは負側の電源ラインに接続されている。これらトランジスタQ3,Q4は、パルストランスTの1次側を断続するスイッチング素子となっている。ダイオードD1及びパルストランスTの1次コイルN1に対し、コンデンサC4が並列接続されている。2次コイルN2には、点火用電極3が接続されている。
【0019】
上記のように構成された高電圧発生回路10において、スイッチSWを投入すると、コンデンサC1が充電されるとともに、マルチバイブレータMVが作動し、大きさが略一定の正のパルス電位がトランジスタQ2のコレクタに周期的に現れる。そのパルス電位が、オフ又は低電位である間はトランジスタQ3,Q4がカットオフとなり、高電位となる間はトランジスタQ3,Q4が導通する。そして、パルストランスTの1次コイルN1には、トランジスタQ4の導通とともに立ち上り、トランジスタQ4のカットオフとともに立ち下がる電流がマルチバイブレータMVの発振周波数と同じ周期で流れる。また、トランジスタQ4の導通とともにコンデンサC4に電荷が蓄積される。このように、マルチバイブレータMVにより、トランジスタQ3,Q4を介してパルストランスTの1次側電流が断続される。トランジスタQ4を通過して流れている1次コイルの電流が、トランジスタQ4のカットオフにより遮断されると、コンデンサC4に蓄積されていた電荷と1次コイルN1の逆起電力により、コンデンサC4とダイオードD1と1次コイルN1とから成る閉回路に大電流が流れ、この電流により1次コイルN1の両端には高い電圧が発生し、そのため、2次コイルN2の両端には、コイルの巻線比(例えば、N1:N2=1:100)に従い、さらに高い電圧が出力される。パルストランスTの1次コイルN1を流れる電流は、ダイオードD1が存在するため、一方向だけの電流となるが、2次コイルN2における電流は、コイルに発生する逆起電力により正負に振動する電流となる。この正負に振動する電流(放電電流)により、正負のイオンを発生することできる。
【0020】
図2及び図3に上記パルストランスTの2次コイルN2に現れるイグナイタ用の電圧パルスVN2を示す。電圧パルスVN2は、正負に同程度に振動し、片側振幅4kV程度、パルス周期1.2msecの波形を有している。この振動電圧のパルス波形には、前述した従来の回路による図12又は図13に見られるような持続する雑音成分が全く見られず、矢印bで示されるように、時間と共に単調に減衰するきれいな整形波形になっている。このように、減衰しない有害な電圧成分を除去できたのは、ダイオードD1をパルストランスTの1次コイルN1に挿入したことによる。このように整形された波形とし、かつパルス周期を長くした電圧パルスVN2を出力することができることで、本回路をイオン発生器に適用すると、イオン発生量のばらつきがなくなると共に、オゾンの発生が抑制される。
【0021】
図4は他の実施形態に係るイオン発生器用の高電圧発生回路11を示す。この実施形態の高電圧発生回路11は、上記ダイオードD1をパルストランスTの1次コイルN1における負の電源ライン側に挿入した構成が先の図1に示した実施形態と相違している。この構成においても、先の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0022】
図5はさらに他の実施形態に係る高電圧発生回路12を示す。この高電圧発生回路12は、イオン発生器用とイグナイタ用とに兼用可能としたものである。この高電圧発生回路12は、前述図1の実施形態の構成に、さらに、非安定マルチバイブレータMVのパルス出力幅(以下、単にパルス出力幅という)を少なくとも二段に切り替え可能な構成としたものである。そして、短いパルス出力幅のときにパルストランスTの2次コイルN2に出力される高電圧パルスをイオン発生器用とし、長いパルス出力幅のときにパルストランスTの2次コイルN2に出力される高電圧パルスをイグナイタ用とする。
【0023】
上記のパルス出力幅を二段に切り替え可能とするための構成としては、図1の実施形態における充放電時定数を決める抵抗R2、R3の抵抗値を切り替え得るように構成した。図5に示す本実施形態においては、抵抗R2、R3の各々に、抵抗21,31を直列に挿入し、かつ、この抵抗21,31に並列に短絡用の開閉スイッチSW1,SW2を接続している。スイッチSW1,SW2の切り替えにより、イグナイタ用とイオン発生用とに切り替えることができるようになっている。
【0024】
ここに、図5に示したスイッチSW1,SW2が実線状態にあるときは、一方の抵抗R21がスイッチSW1により短絡されないので、抵抗R2,R21とコンデンサC2の時定数は大きくなり(他方の抵抗31はスイッチSW2により短絡された状態となるので、抵抗R3とコンデンサC3の時定数は小さい)、このため、非安定マルチバイブレータMVの出力ハイ期間は1周期内で相対的に長くなり(1周期に対するON時間比であるデューティ比が変わる)、パルストランスTを駆動するパルス幅は長くなり、電流量は多く、イグナイタ用となる。このときの非安定マルチバイブレータMVの出力波形を図6(a)に示している。一方、スイッチSW1,SW2が破線状態にあるときは、上記とは逆になり、イオン発生器用となる。このときの非安定マルチバイブレータMVの出力波形を図6(b)に示している。
【0025】
上記のように、コンデンサC2,C3に関する充放電時定数をスイッチSW1,SW2により切り替えることで、以下に説明するように、パルストランスTの2次コイルN2に発生する高電圧パルスの電圧とパルス周期とが、イグナイタ用とイオン発生器用に最適化される。図5(a)(b)は、トランジスタQ2のコレクタ電圧VCQ2(マルチバイブレータMVの出力)の時間変化を示し、H1、L1及びT1(T1=H1+L1)は、それぞれイグナイタ用回路のトランジスタQ2のオフ時間、オン時間、及びマルチバイブレータMVの周期であり、H2、L2及びT2(T2=H2+L2)は、それぞれイオン発生器用回路のトランジスタQ2のオフ時間、オン時間、及びマルチバイブレータMVの周期である。H1,H2は、トランジスタQ3,Q4の導通時間になるので、コンデンサC4への電荷蓄積時間となる。また、コンデンサC4に蓄積された電荷量の大小によって、パルストランスTの2次コイルN2に発生する電圧が高低する。そこで、トランジスタQ2のオフ時間H1,H2を切り替えることにより、パルストランスTの2次コイルN2に発生する電圧の高低を切り替えることができる。また、マルチバイブレータMVの一般的な理論により、H1≒0.7・C2・(R2+R21)であり、H2≒0.7・C2・R2であり、従って、H1>H2となるので、イグナイタ用回路で高いパルス電圧を、イオン発生器用回路で低いパルス電圧とすることができる。
【0026】
また、パルス周期の調整は、マルチバイブレータMVの一般的な理論により、トランジスタQ2の導通時間L1,L2、換言するとトランジスタQ1のオフ時間で調整でき、L1≒0.7・C3・R3であり、L2≒0.7・C3・(R3+R31)であり、従って、L1<L2またT1<T2となるので、イグナイタ用回路で短いパルス周期、イオン発生器用回路で長いパルス周期とすることができる。
【0027】
上記のパルス電圧切り替えの様子は、図7及び図8に示されるように、トランジスタQ2のオフ時間がH1=400μsからH2=100μsに変えられた結果(図中、下段のコレクタ電圧VCQ2波形参照)、パルス電圧がイグナイタ用のパルス電圧4kVから、イオン発生器用のパルス電圧2kVに下がっていることが分かる(図中、上段の2次コイルパルス電圧VN2波形参照)。さらに、パルス周期の切り替えが行われ、イオン発生用として得られる電圧パルスは、図9及び図10に示されるように、パルス電圧2kV、パルス周期3.5msecのきれいに減衰する正負振動波形となる。
【0028】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、抵抗R2,R3の抵抗値切り替えのための構成は、図5に示された抵抗R21,R31を直列的に挿入するか否かの構成に限られず、例えば、並列的に別個の抵抗を挿入するか否かをスイッチ回路によって切り替えるような構成であってもよい。また、スイッチング素子であるトランジスタQ3とトランジスタQ4の間を電気的に絶縁するために、トランジスタQ3に代えて、フォトカプラを用いてもよい。さらにまた、高電圧発生回路が、灯心式石油燃焼機器のイグナイタとしての着火動作後に、自動的にイオン発生器用に切り替るものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る高電圧発生回路の回路図。
【図2】同上回路により発生されたパルス電圧波形図。
【図3】同パルス電圧波形の時間軸を拡大して示したパルス電圧波形図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る高電圧発生回路の回路図。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係るイオン発生用とイグナイタ用とで回路を兼用する高電圧発生回路の回路図。
【図6】(a)はイグナイタ用としたときの非安定マルチバイブレータの出力波形図、(b)はイオン発生器用としてときの非安定マルチバイブレータの出力波形図。
【図7】イグナイタ用としたときのパルス電圧波形と非安定マルチバイブレータの出力波形の関係を示す出力波形図。
【図8】イオン発生器用としたときのパルス電圧波形と非安定マルチバイブレータの出力波形の関係を示す出力波形図。
【図9】イオン発生用としたときに発生されるパルス電圧波形図。
【図10】同波形の時間軸を拡大して示したパルス電圧波形図。
【図11】従来のイグナイタ用高電圧発生回路の回路図。
【図12】同回路により発生されるパルス電圧波形図。
【図13】同波形の時間軸を拡大して示したパルス電圧波形図。
【符号の説明】
10,11,12 高電圧発生回路
2 DC電源
3 電極
MV 非安定マルチバイブレータ
C2,C3 コンデンサ
R2,R3,R21,R31 抵抗
Q1,Q2 トランジスタ
Q3,Q4 スイッチング素子
T パルストランス
N1 1次コイル
N2 2次コイル
D1 ダイオード
SW1,SW2 切り替えスイッチ
Claims (3)
- 非安定マルチバイブレータと、この非安定マルチバイブレータのパルス出力によりスイッチングされるスイッチング素子と、このスイッチング素子により1次側コイルに流れる電流が制御され、2次側に高電圧パルスを出力するパルストランスと、このパルストランスの1次側コイルに並列に接続されたコンデンサとを備え、このパルストランスの2次側に得られる高電圧パルスをイオン発生器に用いる高電圧発生回路において、
前記パルストランスの駆動電源が直流電源であり、
前記パルストランスの1次側コイルに直列にダイオードを順方向に挿入したことを特徴とするイオン発生器用の高電圧発生回路。 - 非安定マルチバイブレータと、この非安定マルチバイブレータのパルス出力によりスイッチングされるスイッチング素子と、このスイッチング素子により1次側コイルに流れる電流が制御され、2次側に高電圧パルスを出力するパルストランスと、このパルストランスの1次側コイルに並列に接続されたコンデンサとを備え、このパルストランスの2次側に得られる高電圧パルスをイオン発生器に用いる高電圧発生回路であって、
前記パルストランスの駆動電源が直流電源であり、
前記パルストランスの1次側コイルに直列にダイオードを順方向に挿入し、
前記非安定マルチバイブレータのパルス出力幅を少なくとも二段に切り替え可能な構成とし、短いパルス出力幅のときに前記パルストランスから出力される高電圧パルスをイオン発生器用とし、長いパルス出力幅のときに前記パルストランスから出力される高電圧パルスをイグナイタ用とすることを特徴とするイオン発生用とイグナイタ用とに兼用の高電圧発生回路。 - 前記非安定マルチバイブレータは、2つのトランジスタの出力がそれぞれのコレクタからたすき掛けに互いに他のトランジスタのベースにコンデンサを介して正帰還され、前記各ベースが充放電時定数を決める抵抗を介して電源ラインに結ばれているものであり、
前記非安定マルチバイブレータのパルス出力幅を二段に切り替え可能とする構成は、前記抵抗のそれぞれを異なる値の抵抗に切り替えるための抵抗及び切り替えスイッチから成ることを特徴とする請求項2に記載のイオン発生用とイグナイタ用とに兼用の高電圧発生回路。
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