JP2004088857A - 入力過電圧保護回路およびそれを備えた電気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ACラインL1,L2のうちの少なくとも1本に突入電流防止回路25を介挿し、検出回路24によって各ACラインL1,L2の電圧を検出する。その検出電圧が所定値を越えた時にスイッチ回路26がオンになり、それを伝達回路27のフォトトライアックカプラ41によって突入電流防止回路25に伝達する。突入電流防止回路25は、温度ヒューズ付き抵抗43と半導体スイッチ素子であるトライアック42が並列に接続され、トライアック42は常時は導通しており、伝達回路27によりスイッチ回路26がオンになった情報が伝達されると開放し、温度ヒューズ付き抵抗43に電流を流してその温度ヒューズの溶断により給電回路を遮断する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流電源から負荷装置又は負荷回路に給電する給電回路に設けられ、外来サージや入力過電圧が発生した場合に給電回路を遮断して負荷装置又は負荷回路の破壊を防ぐための入力過電圧保護回路と、その入力過電圧保護回路を給電回路に備えたスイッチングレギュレータ等の電気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スイッチングレギュレータ、そのスイッチングレギュレータを用いたDC負荷装置、ヒータ等のAC負荷装置、インバータなどの商用周波数の交流電源から給電される負荷装置や負荷回路(これらを電気装置と称す)が多用されている。そして、その交流の給電回路には一般に、外来サージ等による入力過電圧からこれらの電気装置を保護するために保護回路が設けられている。
この外来サージとは、落雷などによって電力線に誘起される異常電圧のことであり、短時間に急激に立ち上がる非周期的な過渡電圧である。この外来サージが交流電源からの給電回路に入ると、負荷装置の電気的な磨耗、早期故障の原因になる。また、サージは静電気や他の装置のスイッチやリレーなどの接点の接触時にも発生し、入力源に戻って他の装置に影響を及ぼすことがある。
【0003】
一方、入力過電圧とは、電気装置に過大な交流電圧が印加され続ける状態のことで、電気装置を構成する回路素子の延焼破損の原因になって大変危険である。なお、例えば日本のように、AC100V電源とAC230V電源とでコンセント及び電源プラグの形状を変えているところでは、AC100Vを使用する装置に誤ってAC230Vを給電してしまう可能性は非常に低い。しかし、電源プラグ取り付け前の製造時には、交流電源の誤接続により入力過電圧が発生して事故が起こる可能性がある。
入力過電圧保護回路とは、このような外来サージおよび入力過電圧が発生した場合に回路を遮断して装置の故障を防止すると共に、電気装置の破壊による事故も防止する回路である。
【0004】
図20に、従来のスイッチングレギュレータ用の給電回路の一例を示す。この給電回路は、交流電源に接続する2つの交流入力端子IN101,IN102をもつ2本の電源ラインL1,L2と、一次ヒューズ101とバリスタ102による過電圧保護回路と、ノイズフィルタ103と、ダイオードブリッジ104と平滑用コンデンサC101による整流・平滑回路と、その一次側に介挿した突入電流防止回路105とからなり、直流出力端子OUT101,OUT102から直流を図示していないスイッチングレギュレータに出力する。
ノイズフィルタ103は、コモンモードチョークコイルおよびノーマルモードチョークコイル、XコンデンサやYコンデンサなどで構成したフィルタであり、交流入力端子IN101,IN102から入力した交流の電源ラインL1,L2間に発生するノーマルモードノイズおよび電源ラインL1,L2とグランド間に発生するコモンモードノイズを減少させる。
【0005】
ノイズフィルタ103を経た交流はダイオードブリッジ104で全波整流され、アルミ電解コンデンサである平滑用コンデンサC101で平滑されて、負荷がなければほぼ直流電圧に変換される。その直流を直流出力端子OUT101,OUT102からスイッチングレギュレータに出力する。なお、ダイオードブリッジ104と平滑用コンデンサC101との間にアクティブフィルタ回路を設けて、直流出力端子OUT101,OUT102間の電圧を定電圧に近づけるように制御するとともに、入力電流の高周波ひずみを少なくする場合もある。
【0006】
この給電回路には、一般的には何らかの原因による装置負荷や回路の異常あるいは誤動作等による入力過電流保護のために一次ヒューズが設けられるが、その際に回路素子が異常な過電圧あるいは過電流によって素子の耐圧をオーバし、破損あるいは発火するような状態になるのを回避するために、給電をなるべく早い時点でストップするために保護回路として、一方の電源ラインL1に一次ヒューズ(電源ヒューズ)101を介挿している。上述の異常や誤動作の原因としては、結露、強磁場、ほこり、異物の混入、衝撃によるハングクラック、熱(高温)などの環境により、回路素子がショートあるいはオープンとなったり、負荷自体がショートになったりしたときなど考えられる。
また、そのときに入力に戻されるサージ電圧がノイズフィルタ103で充分取りきれなかった場合にその吸収用として動作するように、一次ヒューズ101の直後の電源ラインL1,L2間にバリスタ102を接続して、供電を同じにする電気機器に悪影響を及ぼさないようにしている。
【0007】
一次ヒューズ101は過大な電流が流れた時に溶断する過電流保護素子であり、バリスタ102は端子間に印加される電圧の上昇に伴って非直線的に抵抗値が減少する抵抗器である。
そして、電源ラインL1,L2間にバリスタ102の耐電圧(サージ耐量)以上の過電圧が入力した時には、バリスタ102が電圧破壊して電源ラインL1,L2間を短絡させ、一次ヒューズ101に過大な電流を流して溶断させるので、この給電回路が遮断され、この給電回路によって給電されるスイッチングレギュレータが安全停止する。
【0008】
また、突入電流防止回路105は整流・平滑回路に流れる突入電流を制限する回路である。突入電流とは、図示していない電源スイッチを投入した直後に、比較的大きな容量値を持つ平滑用コンデンサC101が充電完了するまで流れる過大な初期電流のことである。この初期電流が大き過ぎると、ダイオードブリッジ104を構成する各ダイオードや、平滑用コンデンサC101が焼損したり、一次ヒューズ101が溶断する恐れがある。また、ブリッジ電圧に悪影響わ及ぼすばかりか、給電の瞬時停止を招くこともある。
そのため、ダイオードブリッジ104の入力側に、温度ヒューズ付き抵抗106あるいはパワーサーミスタ、トライアック、サイリスタなどによる突入電流防止回路105を介挿して、突入電流の大きさを小さくしている。
【0009】
ところで、中国を除く主要各国においては、バリスタ102と一次ヒューズ101による従来の過電圧保護回路が、外来サージまたは入力過電圧を原因として作動して、バリスタ102が電圧破損(ショート)して一次ヒューズ101が溶断し、スイッチングレギュレータへの給電が遮断されて安全停止することが、年間数件報告されている。つまり、中国を除く主要各国においてはこの過電圧保護回路が有効に機能していることになる。
【0010】
この過電圧保護回路は、スイッチングレギュレータへの給電回路に限らず、その他のDC負荷への給電回路や、整流・平滑回路を設けずにAC負荷に給電する給電回路に設けても有効である。AC負荷への給電においても過電圧保護回路(突入電流防止回路)が特に必要なのは、負荷がハロゲンランプや放電管などのランプや、定着ヒータなどの負荷である場合などで、供電開始当初は抵抗値が小さく温度が上がると抵抗値が大きくなるため突入電流が過大に流れ、温度制御が安定するまで入力過電流が流れる場合である。
これは、供電に過電圧が印加されたときに、それが負荷であるハロゲンランプや放電管にそのまま印加されることになり、過電圧又は過電流状態となり、供電の瞬時停止やフリッカ電圧が生じ、負荷が破損する恐れがある。これはエネルギー量が大きいため火災が発生する可能性もあるからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電源事情が悪く、入力過電圧が頻繁に発生する中国市場では、このような過電圧保護回路を搭載した給電回路を使用するスイッチングレギュレータなどの装置でも焼損事故および発煙事故が発生する可能性があるという問題があった。
図21に中国の配電システムを示す。中国の配電システムは単相三線式(1φ3W、AC220V)であり、電柱などに設置される変圧器111からの3本の給電線でAC110VとAC220Vの両方を供給している。変圧器111の二次巻線の中点からの電源線が接地したニュートラル線(中性線)Nであり、その二次巻線の両端からの2本の電源線が交流電圧が印加されるホット線(電圧線)L101、L102である。中国では、ニュートラル線Nがホット線L101、L102よりも細く、インピーダンスが高くなっている。
【0012】
そして、この図21で、ニュートラル線Nとホット線L101との間に接続される負荷113には電圧V1が、ニュートラル線Nとホット線L102との間に接続される負荷114には電圧V2が印加され、ホット線L101とL102との間に接続される負荷112には電圧V3が印加される。正常な給電状態では、V1とV2はAC110V、V3はAC220V(いずれも2相の場合の実効値)になっている。
この状態のときの電圧V3の波形例を図22に示す。図21に示した負荷113と114のインピーダンスのバランスがとれていれば、ニュートラル線Nに流れる電流は略0Aである。そして、電圧V3の波形の中点は0V(接地電位)で、正負の波形が均等であり、その波高値は±220√2Vになる。
【0013】
しかし、負荷113と114のインピーダンスのバランスが悪い場合はニュートラル線Nに大きな電流が流れてしまう。
このとき、中国では、インピーダンスが高いニュートラル線Nが発熱し、その熱疲労によって、縒り線半田となっているブレーカの接続箇所で断線してしまう中性線欠相事故がしばしば発生するようである。
このように中性線欠相すると、交流波形の中点が不安定になり、負荷113と114のインピーダンスが均等でない場合、電圧V1,V2が均等でなくなり偏った電圧波形になる。それによって、電圧V3も図22にV3′で示すように本来のAC0Vの中点から正又は負側にずれた波形になる。そのため、例えば正側にずれると正側の波高値は+380√2Vのように大きくなり、負側の波高値は−60√2Vのように小さくなる。負側にずれるとこの反対になる。その交流の中点が変動すると図23に示すように本来のAC0Vの中点に対して変動した波形になる。したがって、負荷112には周期的に過電圧が繰り返し印加されることになる。
【0014】
このように、中国は入力電源事情が極端に悪く、入力過電圧が頻繁に発生する。さらに、今後改善されていくとは思われるが、日本国内や欧州の電源インピーダンスは1Ω以下であるのに対し、中国の電源インピーダンスは数十Ω程度と格段に大きいので電源インピーダンスによる電源電圧変動も大きい。
そのため、入力過電圧に対して図20に示したような従来の過電圧保護回路を設けた給電回路を介してスイッチングレギュレータなどの負荷装置に給電するようにしても、設計値通りの安全停止が出来なくなることがあり、バリスタ102の発火に伴う延焼事故や、アルミ電解コンデンサである平滑用コンデンサC101の発火および発煙、延焼などの事故が発生する可能性がある。
【0015】
しかし、バリスタ102が劣化した時に一次ヒューズ101を確実に断線できるよう、バリスタ102のサージ耐量を一次ヒューズ101の耐量以上にすれば、バリスタ102や平滑用コンデンサC101が破壊するよりも早い時点で一次ヒューズ101が耐量を越えて断線するので、このような事故を防ぐことができる。
ところが、一次ヒューズの耐量は、スイッチングレギュレータなどの装置の出力の大きさと力率効率による入力電流によって決定されてしまう。そのため、例えばAC100Vの場合一次ヒューズの耐量を8Aとした場合、事故防止のためには、バリスタのサージ耐量を一次ヒューズの耐量の8A以上に設定する必要がある。
【0016】
さらにこのバリスタは、外来サージ電圧を交流電圧の2倍程度の大きさにクランプして吸収できるサージ耐量を持つものを選択する必要がある。雷や入力サージなどによる外来サージのエネルギー量は不明確であるため、吸収量は経験値で決定する。
しかし、バリスタのサージ耐量と外形寸法は略比例し、サージ耐量が大きいバリスタは外形が大きくなる。そのため、例えば耐量8Aの一次ヒューズよりもサージ耐量が大きく、その一次ヒューズを溶断させることができるバリスタの大きさは径が10mm程度以上にもなり、スイッチングレギュレータなどの装置の小型化の妨げになってしまうという問題があった。
【0017】
さらに、現在、各種装置のデジタル化によってスイッチングレギュレータなどの電気装置がますます大出力化している。それに伴い、一次ヒューズ101の耐量やバリスタ102の耐量も大きくする必要がある。しかし、耐量8A以上の一次ヒューズを溶断させることが可能なサージ耐量を持つバリスタは拡販されていない。
そこで、耐量8A以上の一次ヒューズと前述した外形がφ10程度の大きさのバリスタとを用いた入力過電圧保護回路に、過電圧を入力させる実験をした結果、必ず一次ヒューズが断線する前にバリスタが延焼してしまった。
つまり、スイッチングレギュレータなどの負荷装置が大出力化した場合、従来の一次ヒューズとバリスタのみに依存した入力過電圧保護回路では限界があり、上述した延焼事故や延焼破損事故を確実に防止することはできないという問題があった。
【0018】
ところで、従来の入力過電圧保護回路としては、例えば特開2001−339844号公報に記載されているように、バリスタ102の代りにツェナーダイオード(定電圧ダイオード)などの過電圧保護用素子を用い、過電圧が入力した場合にその過電圧保護用素子をショート破損(ブレークダウン)させてヒューズを溶断するようにしたものもある。
その過電圧保護用素子は、例えば図20に示したダイオードブリッジ104と平滑用コンデンサC101との間に、平滑用コンデンサC101と並列になるように接続し、その過電圧保護用素子と、ダイオードブリッジ104との間にヒューズを介挿する。そして、平滑用コンデンサC101とダイオードブリッジ104の出力点との間にダイオードを接続する。
【0019】
このような入力過電圧保護回路では、過電圧保護用素子のブレークダウン電圧以上の過電圧が入力すると、過電圧保護用素子がショートして破損し、平滑用コンデンサC101に蓄えられている電荷をダイオードおよびヒューズを通して流し、その放電電流によってヒューズが溶断して給電回路を遮断する。
その過電圧保護用素子としては、定電圧ダイオード、シリコンバリスタ、アバランシェダイオード、あるいはサイリスタと定電圧ダイオードを組合せたものなどが提案されている。
【0020】
しかし、定電圧ダイオードとシリコンバリスタは、高耐圧の素子があまり無く、応答性も悪いという欠点がある。また、アバランシェダイオードについてはショートモード(接続モード)で破損する場合とオープンモード(開放モード)で破損する場合があり、オープンモードで破損したときは過電圧保護素子として機能しなくなるので、回路遮断が確実でないという欠点がある。
つまり、上記のような入力過電圧保護回路は応答性が悪い上に、動作が過電圧保護用素子の特性のバラツキによって左右されてしまうので、回路遮断の確実性に欠けるという問題点があった。
【0021】
この発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、たとえ電源事情が悪く入力過電圧が頻繁に発生する環境条件下であっても、外来サージや入力過電圧が発生したときに、給電回路を確実に遮断して負荷装置又は負荷回路(電気装置)を安全停止させ、回路素子の焼損事故や発煙事故などの発生を未然に防ぐようにすると共に、その給電回路の遮断がバリスタやヒューズあるいは定電圧ダイオードなどの過電圧保護用素子の性能や信頼性に依存しないようにすることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明は、交流電源に接続する複数本の電源ラインを有し、その複数本の電源ラインを通して負荷装置又は負荷回路に給電する給電回路に設ける入力過電圧保護回路であって、上記の目的を達成するため、上記複数本の電源ラインのうちの少なくとも1本に突入電流防止回路を介挿するとともに、上記複数本の各電源ラインの電圧を検出する検出回路と、その検出回路によって検出された電圧が所定値を越えた時にスイッチ動作するスイッチ回路と、そのスイッチ回路のオン/オフの状態を上記突入電流防止回路に伝達する伝達回路とを設ける。
【0023】
そして、上記突入電流防止回路が、温度ヒューズ付き抵抗と半導体スイッチ素子とを並列に接続してなり、常時は該半導体スイッチ素子が導通しており、上記検出回路によって検出された電圧が上記所定値を越えた時に上記伝達回路によって伝達される上記スイッチ回路のオン/オフ状態により上記半導体スイッチ素子が開放し、上記温度ヒューズ付き抵抗に電流を流してその温度ヒューズの溶断により給電回路を遮断するようにしたものである。
【0024】
上記検出回路は、上記複数本の電源ラインのいずれかの電圧を検出する検出回路であってもよい。あるいは、上記複数本の電源ライン間の電圧を検出する検出回路であってもよい。
また、これらの入力過電圧保護回路において、上記複数本の電源ラインのうち上記突入電流防止回路を介挿した電源ラインの該突入電流防止回路の入力側に一次ヒューズを介挿し、その電源ラインの突入電流防止回路の出力側と他の電源ラインとの間にバリスタを設けるとよい.
なお、上記スイッチ回路をツェナーダイオードで構成し、上記電圧の所定値をそのツェナーダイオードのツェナー電圧の値にすることもできる。
この発明はまた、これらの入力過電圧保護回路を給電回路に備えたスイッチングレギュレータ等の電気装置も提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、この発明の第1の実施形態を示す入力過電圧保護回路を設けたDC/DCコンバータ用の給電回路の回路図である。
【0026】
この給電回路は、商用の交流電源のコンセントに電源プラグを挿着することによって交流電源に接続する2つの交流入力端子IN1,IN2をもつ2本の電源ラインであるACラインL1,L2を有する点は、図20によって説明した従来例と同様である。以下、この給電回路を説明する上で、便宜上ACラインL1,L2の交流入力端子IN1、IN2に近い方を「入力側」と云い、反対側(負荷であるダイオードブリッジ4に近い方)を「出力側」と云う。また、一点鎖線で囲った部分2は交流が伝送されるAC部分であり、それ以外の部分はほぼ直流(脈流)が伝送されるDC又はDC/AC部分である。
【0027】
ACラインL1の入力側上には電流保護素子である一次ヒューズ21を直列に介挿している。さらにその出力側の2本のACラインL1とL2間にバリスタ22を接続し、その出力側にノイズフィルタ23を並列に設けている。
さらに、ノイズフィルタ23の出力側のACラインL1には突入電流防止回路25が設けられており、その突入電流防止回路25の出力側は全波整流を行うダイオードブリッジ4の一方のAC入力端子4aに接続され、ノイズフィルタ23の出力側のACラインL2は、ダイオードブリッジ4の他方のAC入力端子4bに接続されている。
【0028】
このダイオードブリッジ4のDC出力端子4c,4dには、電源ラインのDCラインL3とL4がそれぞれ接続されている。さらに、DCラインL3,L4間にアルミ電解コンデンサである平滑用コンデンサC1を接続し、その平滑用コンデンサC1の出力側のDCラインL3,L4に設けた直流出力端子OUT1,OUT2にDC/DCコンバータ3を接続している。
一方、ACラインL1とL2は前述したノイズフィルタ23の出力側でそれぞれ分岐し、そのACラインL1およびL2の電圧値をそれぞれ検出する検出回路24に接続されている。その検出回路24の出力側には、検出回路24で検出したACラインL1の電圧値とACラインL2の電圧値が所定値より大きいか小さいかを判断してオン/オフするスイッチ回路26と、そのオン/オフの状態を突入電流防止回路25に伝達する伝達回路27とが設けられている。さらに、スイッチ回路26に並列になるように補助電源28およびアルミ電解コンデンサである補助電源用コンデンサC2が設けられている。
【0029】
この給電回路は、交流入力端子IN1,IN2から入力した交流を、ACラインフィルタであるノイズフィルタ23によってノーマルモードノイズ、コモンモードノイズなどを抑制した後、ダイオードブリッジ4によって整流し、平滑用コンデンサC1によって平滑してほぼ直流(脈流)に変換し、そのほぼ直流をDC/DCコンバータ3に供給する。DC/DCコンバータ3は、入力したほぼ直流を発振回路とスイッチング回路とトランスと整流回路等によって、低圧または高圧の直流に変換する公知の回路である。
このDC/DCコンバータ3の代りにDC/ACコンバータに置き替えることも可能である。この場合、トランスと整流回路によって低圧または高圧の交流に変換する公知の回路である。
【0030】
また、ノイズフィルタ23とダイオードブリッジ4と平滑用コンデンサC1については、前述した従来のスイッチングレギュレータのノイズフィルタ103とダイオードブリッジ104と平滑用コンデンサC101と同等であるので、詳細な説明は省略する。
この給電回路における入力過電圧保護回路は、一次ヒューズ21とバリスタ22による従来と同様な保護回路と、検出回路24とスイッチ回路26と伝達回路27と突入電流防止回路25とからなる新たな保護回路とからなる。
一次ヒューズ21およびバリスタ22による保護回路については、図20によって説明した従来例の一次ヒューズ101とバリスタ102による保護回路と同等であるので、その説明を省略する。
【0031】
以下に、新たな保護回路について詳細に説明する。
検出回路24は、ACラインL1およびL2にそれぞれアノードを接続してカソードを共通接続したダイオードD1およびD2と、その共通接続点に接続した抵抗R1と、その抵抗R1に直列に接続した抵抗R2と、抵抗R2に直列に接続した抵抗R3とからなる。なお、抵抗R1とR2は1個の抵抗にしてもよい。また、抵抗R3はブリーダ抵抗であり、あった方がよいが省略することもできる。さらに、図2の(A),(B)に示すように、抵抗R1を抵抗R1a,R1bに分けて、ダイオードD1,D2のカソード側あるいはアノード側にそれぞれ直列に接続するようにしてもよい。要はACラインL1およびL2の電圧をそれぞれ検出できればよい。
そして、抵抗R3の両端にスイッチ回路26を接続する。スイッチ回路26は、抵抗R3の両端の電圧と予め設定した所定の電圧値とを比較し、抵抗R3の両端の電圧の方が所定の電圧値よりも小さいときにOFFになり、大きいときにONになる。なお、スイッチ回路26の詳細な構成および上記所定の値については、別の図を用いて後述する。
【0032】
また、伝達回路27は、抵抗R2とR3の接続点にアノードを接続したダイオードD3と、そのカソードに一端を接続した抵抗R6と、その他端にアノードを接続した信号伝達素子であるフォトトライアックカプラ41の発光素子であるLED(発光ダイオード)41aとからなる。そのLED41aのカソードは、抵抗R3とダイオードブリッジ4のDC出力端子4dと接続するスイッチング回路26のアース側接続点に接続している。さらに、その抵抗R6とLED41aの直列回路に並列に、補助電源28と補助電源用コンデンサC2とが接続されている。
【0033】
なお、フォトトライアックカプラ41とは、発光素子であるLED41aと受光素子であるフォトトライアック41bを組合せて1つのケースの中に配置した半導体素子であり、LED41aに電流が流れるとその電流信号を一度光信号に変換して伝送し、フォトトライアック41bでその光信号を受信して再度電流信号に戻す。つまり、信号を伝送しながら入出力間を電気的に完全に絶縁できる高耐圧の信号伝達素子である。
【0034】
このフォトトライアックカプラ41のフォトトライアック41bは突入電流防止回路25に組み込まれている。
突入電流防止回路25は、ACラインL1上に直列に接続した突入電流防止用素子である温度ヒューズ付き抵抗43と、それに並列に接続した半導体スイッチ素子であるトライアック42と、その一方の端子T1とゲート端子Gとの間に接続した抵抗R4と、トライアック42のゲート端子Gと他方の端子T2との間に接続したフォトトライアック41bと抵抗R5との直列回路とからなる。
【0035】
なお、トライアック42は上記3端子(T1、T2、G)を持つ交流制御用素子であり、ゲート端子Gに印加する電圧によって端子T1とT2との間を短絡又は開放する半導体スイッチ素子である。ゲート端子Gに電圧を印加しないときは端子T1とT2間は非導通状態(OFF状態)であり、ゲート端子Gに電圧をかけると端子T1とT2間が導通状態(ON状態)になる。また、導通状態にある端子T1とT2の間の電位差が無くなって電流が流れなくなったときには、端子T1とT2間は非導通状態に戻る。
【0036】
次に、この入力過電圧保護回路の動作について説明する。交流入力端子IN1,IN2からACラインL1,L2に入力する交流電圧は、検出回路24のダイオードD1およびD2によってそれぞれ整流して検出され、抵抗R1およびR2と抵抗R3とによって分圧される。
しかし、電源投入時には、トライアック42はOFF状態になっており、平滑用コンデンサC1が未充電のため、温度ヒューズ付き抵抗43を通して突入電流が流れるが、温度ヒューズ付き抵抗43によってその平滑用コンデンサC1に流れる電流が制限される。コンデンサC1が充電されると、その正常な電圧のほぼ直流が出力されて、DC/DCコンバータ3が動作し、それに関連して補助電源28が直流電圧を出力する。
【0037】
一方、入力した交流電圧が過電圧を含まない正常な値である場合は、検出回路24の抵抗R3の両端間に発生する電圧が予めスイッチ回路26に設定されている所定の電圧値以下になるので、スイッチ回路26はオフの状態にある。それによって、補助電源28から伝達回路27の抵抗R6を介してフォトトライアックカプラ41のLED41aに電流が流れ、LED41aが発光する。
すると、フォトトライアック41bがその光信号を受光して導通し、突入電流防止回路25の抵抗R4に電流を流すので、トライアック42はゲート端子Gに電圧が印加されて端子T1とT2間を導通(ON)状態にする。したがって、ACラインL1からダイオードブリッジ4に流れる電流は、トライアック42を通して流れ、温度ヒューズ付き抵抗43には電流が流れなくなる。
【0038】
その後、ACラインL1,L2の少なくとも一方に過電圧を含んだ異常な交流電圧が入力して、抵抗R3の両端の電圧差が予めスイッチ回路26に設定されている所定の電圧値以上になったときには、スイッチ回路26がオンになり、伝達回路27のLED41aのアノード・カソード間を短絡するため、LED41aに電流が流れなくなり、発光しなくなる。
それによって、フォトトライアックカプラ41の受光素子であるフォトトライアック41bがオフになり、抵抗R4に電流が流れなくなり、トライアック42のゲート端子Gに電圧が印加されなくなるため、トライアック42の端子T1とT2間が非導通(OFF)状態になる。すると、温度ヒューズ付き抵抗43に電流が流れて温度ヒューズ付き抵抗43の温度が上昇し、温度ヒューズが溶断する。この動作時間は、過電圧が入力してから数秒もかからないため、バリスタ22や平滑用コンデンサC1が破壊に至らない前に安全に給電回路を遮断することができる。
【0039】
なお、実際にはトライアック42の端子T1とT2間に印加される電圧は交流波形であるため、その各半波ごとに、波形の立ち上がり又は立下りの初期にゲート端子Gにトリガ電圧が印加されてトライアック42がON状態になり、その後は印加されている交流電圧波形がゼロクロスするまでON状態を維持し、ゼロクロス時に一旦OFF状態になるが、その後次の半波ですぐにゲート端子Gにトリガ電圧が印加されてトライアック42が再びON状態になることを繰り返す。そのため、トライアック42はON状態になり続けているかのように見える。
しかし、フォトトライアック41bがオフになると、交流電圧波形のゼロクロス時にトライアック42がOFF状態になった後、ゲート端子Gにトリガ電圧が印加されなくなるため、OFF状態のままになる。
【0040】
このように、この図1に示す給電回路では、入力過電圧保護回路が入力過電圧を検知すると速やかに回路を遮断して、負荷回路であるダイオードブリッジ4及び平滑用コンデンサC1への給電を停止し、負荷装置であるDC/DCコンバータ3(実際には入力は完全な直流ではなく脈流であるから、AC+DC/DCコンバータともいえる)を安全に停止させるので、入力過電圧保護素子であるバリスタ22の特性や信頼性のバラツキに左右されることなく、確実に事故の発生を防ぐことができる。
よって、バリスタ22は、従来のように入力過電圧に対して充分なサージ耐量(一次ヒューズ21の耐量より大きいサージ耐量)を持つ大型なものを使用する必要は無く、短時間の非周期的な過渡電圧である雷や入力サージなどの外来サージをクランプして吸収するだけのサージ耐量を持つものを使用すれば良いので、比較的外形寸法が小さく、拡販されている安価なものを選択することができる。
【0041】
また、過電圧が印加されない定常状態においては、交流入力端子IN1,IN2からACラインL1,L2に入力した交流が、温度ヒューズ付き抵抗43で減衰することなく短絡しているトライアック42を通してダイオードブリッジ4へ印加されるので、電力の利用効率が低下することはない。
なお、この実施形態ではDC/DCコンバータに直流を給電する給電回路の例について説明したが、この入力過電圧保護回路はこれに限るものではなく、他のスイッチングレギュレータ(AC/DCコンバータ、DC/ACコンバータ:高電圧ランプレギュレータ、AC/ACコンバータ)や、アクティブフィルタ、シリーズレギュレータなどそれ以外の直流負荷、直流に交流を重畳して用いる負荷、その逆に交流に直流を重畳して用いる負荷、あるいは交流負荷に交流を供給する給電回路にも適用できる。交流負荷に給電する場合には、図1のAC部分2のみを用いて給電すればよく、ダイオードブリッジ4および平滑用コンデンサC1は不要である。
【0042】
アクティブフィルタを設ける場合には、例えば図3に示すように、ダイオードブリッジ4と平滑用のコンデンサC1との間に設ける。この図3に示すアクティブフィルタ5は、ダイオードブリッジ4の一方の出力端子4cとコンデンサC1の+側端子との間に直列に接続したチョークコイル51とダイオードD1(アノードをチョークコイル51と接続し、カソードをコンデンサC1と接続する)と、スイッチング素子52とによって構成されている。そのスイッチング素子52は、チョークコイル51とダイオードD1の接続点にドレインを、ダイオードブリッジ4の他方の出力端子4cとコンデンサC1の−側端子との接続ラインにソースをそれぞれ接続し、制御回路6からの制御信号がゲートに印加される。そのため、制御回路6からの制御信号によってこのアクティブフィルタ5のフィルタ特性が制御され。その制御回路6には、補助電源28からの直流電圧がダイオードD6を介して供給される。
【0043】
このアクティブフィルタ5の目的は、入力の力率向上と入力電流の高周波電流を抑制するためであり、昇圧型チョッパ方式をとっている。制御回路6によるスイッチング素子52の制御は、入力電流を入力電圧の波形状に制御しつつ、出力電圧を予め決めた入力電圧の最大値(100Vであれば100√2V)を越える設定した電圧になるように、ほぼ定電圧制御する。
また、回路の説明上、突入電流防止回路25はACラインL1上に設けたが、これに限るものではなく、ACラインL2上、DCラインL3上、DCラインL4上に設けてもよい。
【0044】
さらに、検出回路24では、抵抗R3の両端に発生する電圧と予めスイッチ回路26に設定した所定電圧とを比較するようにしたが、これに限るものではなく、抵抗R3を省略して、ダイオードD1又はD2によって検出した電圧値を直接所定の電圧値と比較してスイッチ回路26を動作させるようにしてもよい。
スイッチ回路26のON/FFの論理は逆でもよい。要は過電圧が入力したときに、突入電流防止回路25のトライアック42がOFFになればよい。
【0045】
<第1の実施形態のより具体的な回路例>
次に、上述したこの発明の第1の実施形態のより具体的な回路例を図4によって説明する。図4はその入力過電圧保護回路を設けた給電回路を、負荷装置であるスイッチングレギュレータと共に示す回路図である。
この例では、図1に示したスイッチングレギュレータであるDC/DCコンバータ3と、スイッチ回路26およびノイズフィルタ23の具体的な回路例を示している。なお、図4において、図1と対応する部分には同一符号を付してあり、それらの説明は省略する。また、図面を見やすくするため、図1に示したAC部分2を表す一点鎖線は図示を省略している。
【0046】
図4に示すスイッチ回路26は、トランジスタ44と、トランジスタ44のベースに一端を接続した第1の抵抗R7と、その第1の抵抗R7の他端と検出回路の抵抗R2とR3の接続点との間に接続した第2の抵抗R8と、同じく第1の抵抗R7の他端と抵抗R3と直流出力端子OUT2との接続点との間に接続した第3の抵抗R9とからなる。そして、トランジスタ44のコレクタは、伝達回路27のフォトトライアックカプラ41のLED41aのアノードに接続し、同じくエミッタはカソードに接続する。
【0047】
そして、トランジスタ44がオンする時のベース−エミッタ間電圧をVBEは、温度によって異なるが大略0.7V程度である。そして、抵抗R1,R2と第2の抵抗R8と第3の抵抗R9の抵抗値をそれぞれR1,R2,R8,R9とし、入力電圧をVin(波高値はVin√2)とすると、抵抗R3がない場合、トランジスタ44のベース電流IBおよび所定の電圧値は次式によって求められる。
IB=(Vin√2)/(R1+R2+R8+R9)
所定の電圧値=IB×R9=(Vin√2)×R9/(R1+R2+R8+R9)<VBE
抵抗R8とR9の間の電圧はコンデンサC2の容量にも影響されるが、定常時においてはコンデンサC2の端子間の電圧はある決った変動をするだけであるので、その影響は無視する。
抵抗R3を考慮した場合には、上記の式におけるR8+R9を、
1/{(1/R3)+1/(R8+R9)}に代えればよい。
【0048】
検出回路24による検出電圧がこの所定の電圧値以上になると、トランジスタ44がオンになってコレクタからエミッタへ電流を流す。それによって、前述した通り、伝達回路27のフォトトライアックカプラ41のLED41aには電流が流れなくなって発光しなくなるため、突入電流防止回路25のフォトトライアック41bがオフになり、トライアック42を開放して温度ヒューズ付き抵抗43に電流を流す。それによって温度ヒューズ付き抵抗43の温度が上昇し、温度ヒューズが溶断して給電回路を開放する。
【0049】
一方、DC/DCコンバータ3は、トランス31と、そのトランス31の2次側に設けるDC負荷(整流回路を含む)33と、トランス31の1次側を断続させて2次側に電圧を誘起させるためのスイッチング回路(スイッチ回路26と区別するために「電圧誘起用スイッチング回路」と云う)34と、そのスイッチング回路34を制御する信号を出力する制御回路35と、トランス31の1次側に設けてスイッチング回路34がオン/オフするときに生じるサージ電圧のピーク値を抑えるクランパタイプのスナバ回路32とからなる。また、DC/DCコンバータ3の起動抵抗は前述した検出回路24の抵抗R1,R2,(若しくはR3)が兼用している。なお、電圧誘起用スイッチング回路34およびスナバ回路32については、その詳細を後述する。
【0050】
トランス31は、励磁巻線である1次巻線31aと、出力を得るための2次巻線31bと、補助電源用の出力を得るための補助巻線31cの3つの巻線を持つ。そして、その1次巻線31aの一端は、前述した給電回路の直流出力端子OUT1に接続し、他端は電圧誘起用スイッチング回路34を介して給電回路の直流出力端子OUT2に接続するとともに、その両端にスナバ回路32を接続している。2次巻線31bの両端には整流・平滑回路を含むDC負荷33を接続し、補助巻線31cの両端には整流回路等からなる補助電源28を接続している。補助電源用コンデンサC2は、補助電源28から供給される電圧を平滑して安定させるための容量の大きいコンデンサであり、これに並列にノイズ除去用の容量の小さいコンデンサC3が接続されている。この補助電源28からの電圧は、伝達回路27と制御回路35にそれぞれ供給される。
【0051】
その制御回路35は、信号ラインL5とコモンラインL6を介して電圧誘起用スイッチング回路34と接続し、コモンラインL6は、直流出力端子OUT2および検出回路24とスイッチ回路26と伝達回路27と補助電源28の共通接続線とも接続している。この制御回路35内には、矩形波のパルス信号を発生する発振回路とそのパルス幅を変調するパルス幅変調回路などが設けられており、出力端子PSから信号ラインL5とコモンラインL6との間にパルス信号を出力する。さらに、この制御回路35には、定電圧監視用フォトカプラ37の受光素子37bが接続されている。
【0052】
電圧誘起用スイッチング回路34は、半導体スイッチ素子であるNチャネルMOS形FET36を備え、そのドレイン(D)をトランス31の1次巻線31aに、ソース(S)を直流出力端子OUT2および制御回路35などに接続しているコモンラインL6にそれぞれ接続している。また、そのFET36のゲート(G)は抵抗R10を介して制御回路35からの信号ラインL5に接続し、そのゲートとソース間に抵抗R11を、ドレインとソース間に抵抗R12とスナバ用コンデンサC4との直列回路をそれぞれ接続している。
【0053】
そして、制御回路35から信号ラインL5とコモンラインL6との間に矩形のパルス信号が出力され、それがFET36のゲート・ソース間に印加されることによって、そのレベルH/Lの変化に応じてFET36がソース・ドレイン間を周期的にオン/オフする。
それによって、このFET36のドレイン電流すなわちトランス31の1次巻線31aに流れる電流が断続されるので、2次巻線31bに交流電圧が誘起される。それをDC負荷33に供給して内部の整流・平滑回路によって直流に変換し、真のDC負荷回路に給電する。なお、その直流電圧を検出して定電圧監視用フォトカプラ37によって制御回路35にフィードバックして、フィードバック制御するが、これについては後述する。
【0054】
なお、抵抗R12とスナバ用コンデンサC4の直列回路は、ダンパタイプのスナバ回路を形成している。このスナバ回路は、FET36がターンオフするときのドレイン・ソース間電圧の過大な上昇(サージ電圧)を防いで、FET36を破壊から保護する回路である。ダンパタイプのスナバ回路は、特にサージ電圧の立ち上りを緩やかにするので、低雑音化の効果もある。
一方、トランス31の1次巻線31aの両端間に接続したスナバ回路32はクランパタイプのスナバ回路であり、スナバ用コンデンサC5と抵抗R13の並列回路と、その共通接続点の一方にカソードを接続したダイーオードとからなり、そのコンデンサC5と抵抗R13の共通接続点の他方をトランス31の1次コイル31aの一端に接続し、ダイオードD4のアノードを1次巻線31aの他端に接続している。
これらのスナバ回路は、サージ電圧のピーク電圧を抑える働きをする。このクランプレベルは抵抗R13の抵抗値により設定される。
【0055】
この給電回路によるDC/DCコンバータ3への電源投入時には、抵抗R1,R2,R3が起動抵抗の役目を果たし、これらの抵抗とダイオードD1又はD2とダイオードD3を通して、制御回路35の電源端子Vccに直流起動電圧を供給するため、制御回路35が動作を開始してパルス信号を出力し、電圧誘起用スイッチング回路34のFET36をオン/オフさせる。それによってこのDC/DCコンバータ3が起動して、トランス31の2次巻線31bおよび補助巻線31cに交流電圧を発生する。
【0056】
その補助巻線31cおよび補助電源28とコンデンサC2は、DC/DCコンバータ3が起動した後に、制御回路35と前述した伝達回路27とを安定して動作させるための電源回路を構成している。この補助電源28から制御回路35及び伝達回路27に所定の直流電圧が供給されるようになると、ダイオードD3が逆バイアスされて非導通になる。それによって、検出回路24の抵抗R1,R2,R3は制御回路35及び伝達回路27の電源ラインから切り離される。
【0057】
また、制御回路35に接続した定電圧監視用フォトカプラ37の発光素子は図示を省略しているが、例えばDC負荷33内の整流・平滑回路の出力回路に接続されており、その出力電圧に応じた明るさで発光し、その光を受光素子37bが受光することによってその抵抗値が変化し、制御回路35にフィードバックをかける。それによって、制御回路35は出力するパルス信号のパルス幅をパルス幅変調によって変化させ、スイッチング回路34のオン/オフ時間のデューティを変えてトランス31によって発生させる交流電圧を制御し、入力変動や負荷変動に対して出力電圧を安定化し、負荷に定電圧を供給することができる。
あるいはまた、DC負荷33に異常電圧が発生したり、異常電流が流れたときに定電圧監視用フォトカプラ37の発光素子が発光するようにし、受光素子37bがその光を受光してオン状態になったときには、パルス信号の出力を停止して、DC/DCコンバータ3の動作を停止させるようにすることもできる。
【0058】
図2には、ノイズフィルタ23の具体的な構成例も示している。このノイズフィルタ23は、ACラインL1およびL2にそれぞれ介挿する2個のコイルを備えたコモンモードチョークコイル45と、その入力側にACラインL1,L2間に接続したXコンデンサC6と、出力側のACラインL1,L2とフレームグランドFGとの間にそれぞれ接続したYコンデンサC7,C8とによって構成されている。そして、XコンデンサC6によってノーマルモードノイズを吸収し、YコンデンサC7,C8によってコモンモードノイズを吸収するACラインフィルタである。
しかし、ノイズフィルタ23はこれに限るものではなく、どのようなタイプのACラインフィルタを用いても良い。例えば、コモンモードチョークコイル45の代りに複合チョークコイルを使用したり、XコンデンサC6およびYコンデンサC7,C8を省略してコモンモードチョークコイル45のみを使用してもよい。
また、ノイズフィルタとしてこのようなフィルタ回路を多段に設けてもよい。
【0059】
<第2の実施形態>
次に、この発明の第2の実施形態を説明する。図5はその入力過電圧保護回路を設けた給電回路を、負荷装置であるスイッチングレギュレータと共に示す図2と同様な回路図である。この実施形態は上述した図4に示した第1の実施形態と大部分共通しており、その共通部分には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。なお、図5においては、図4に示したDC/DCコンバータ3の部分を示す一点鎖線の図示を省略している。
【0060】
この図5に示す実施形態で図4に示した実施形態と異なる点は、DC/DCコンバータのトランス31に代えて駆動用巻線31dを追加した4巻線のトランス31′を使用した点と、突入電流防止回路55および伝達回路57が、図4における突入電流防止回路25および伝達回路27と幾分相違することと、バリスタ22の接続位置が異なる点である。
図5に示す伝達回路57は、図4に示した伝達回路27と同じく、ダイオードD3と抵抗R6とフォトトライアックカプラ41の発光素子であるLED41aとからなる。しかし、この伝達回路57では、抵抗R6とLED41aをトランジスタ44のコレクタ・エミッタ間と直列にして補助電源28の出力線間に接続している。
【0061】
したがって、この伝達回路57は、スイッチ回路26のトランジスタ44がオフの状態のとき、すなわちACラインL1,L2のいずれにも過電圧を含まない正常な交流電圧を入力している場合には、フォトトライアックカプラ41のLED41aに電流が流れないので、LED41aは発光しない。
一方、ACラインL1,L2の少なくとも一方に過電圧を含んだ異常な交流電圧が入力して、スイッチ回路26のトランジスタ44がオン状態になると、補助電源28の出力線間に接続された抵抗器R6とLED41aとトランジスタ44のコレクタ・エミッタ間の直列回路に電流が流れるので、LED41aが発光する。
つまり、伝達回路57のLED41aは正常な給電時には非発光で、過電圧発生時に発光し、図4における伝達回路27とは逆の動作を行う。
【0062】
また、図5に示す突入電流防止回路55は、図4に示した突入電流防止回路25と同様に接続した温度ヒューズ付き抵抗43と、トライアック42と、検出用抵抗R4と、フォトトライアックカプラ41の受光素子であるフォトトライアック41bとを備えている。しかし、突入電流防止回路25における抵抗R5は設けずに、フォトトライアック41bの一端とトライアック42の端子T2とを直接接続している。そして、トランス31′の駆動用巻線31dの一端を抵抗R15を介してトライアック42のゲート端子Gと抵抗R4とフォトトライアック41bの他端との接続点に接続し、その駆動用巻線31dの他端を、温度ヒューズ付き抵抗43とフォトトライアック41bの一端とトライアック42の端子T2との接続点(ダイオードブリッジ4の接続点4a)に接続し、その両接続点間に抵抗R14を接続している。
【0063】
したがって、この突入電流防止回路55では、この給電回路に電源が投入されてから、DC/DCコンバータが起動して正常に動作するまでは、駆動用巻線31dに充分な交流電圧が誘起されないそのため、トライアック42のG端子に充分なトリガ電圧が印加されないので、トライアック42は非導通状態のままである。したがって、温度ヒューズ付き抵抗43を通してダイオードブリッジ4に交流電流が流れ、その整流出力によってコンデンサC1を充電する。この起動時に発生する突入電流を温度ヒューズ付き抵抗43によって抑制する点は、図4に示した突入電流防止回路25の機能と同じである。
【0064】
その後、コンデンサC1が充電されてほぼ直流電圧が出力され、制御回路35が検出回路24の抵抗R1,R2,R3による起動電圧をダイオードD3を通して印加されて動作し、パルス信号を出力することによって前述の実施形態の場合と同様にDC/DCコンバータが起動すると、その2次巻線31bに交流電圧が誘起されるとともに、補助巻線31cおよび駆動用巻線31dにも交流電圧が誘起される。
【0065】
そして、ACラインL1,L2のいずれの交流電圧も過電圧を含まない正常な場合は、検出回路24が検出する電圧値がスイッチ回路26の設定電圧値より小さく、トランジスタ44がオフになっているため、伝達回路57のフォトトライアックカプラ41のLED41aが発光しないので、フォトトライアック41bはオフになっている。そのため、トランス31′の駆動用巻線31dに発生した電圧がトライアック42のG端子にトリガ電圧として印加されるので、交流波形の各半波の初期にトライアック42がON状態になり、このトライアック42の端子T1,T2間を通してダイオードブリッジ4に交流電流が流れ、温度ヒューズ付き抵抗43には電流が殆ど流れなくなる。そのため、温度ヒューズ付き抵抗43が過熱して温度ヒューズが溶断するようなことはない。
【0066】
ところが、ACラインL1,L2の少なくとも一方に、過電圧を含んだ異常な交流電圧が入力し、検出回路24による検出電圧値がスイッチ回路26の設定電圧値を超えると、トランジスタ44がオンになり、伝達回路57のフォトトライアックカプラ41のLED41aが発光するため、フォトトライアック41bがオンになる。すると、トライアック42のゲート端子Gにトリガ電圧が印加されなくなるので、トライアック42がOFF状態になる。そのため、温度ヒューズ付き抵抗43に電流が流れてその温度が上昇し、温度ヒューズが溶断して給電回路を遮断する。
【0067】
ところで、この給電回路ではバリスタ22をヒューズ21とノイズフィルタ23の間ではなく、ダイオードブリッジ4の整流出力側に、平滑用コンデンサC1と並列に接続している。
前述の実施形態について述べたのと同様に、突入電流防止回路55の位置はACラインL1,L2、DCラインL3,L4、図示しないニュートラル線のいずれに設けてもよい。また、バリスタ22は、突入電流防止回路55の出力側と入力側のどちらに設けてもよく、どちらに設けた場合でも検出回路24、スイッチ回路26、伝達回路57、および突入電流防止回路55の動作は同じである。
【0068】
しかし、バリスタ22を突入電流防止回路55の入力側に設けた場合には、過電圧を含んだ異常な交流電圧が入力したとき、入力過電圧保護回路の動作中(検出回路24が過電圧を検出し、スイッチ回路26が切り換わり、フォトトライアックカプラ41による伝達信号によってトライアック42がOFF状態になり、温度ヒューズ付き抵抗43が溶断するまで)は、バリスタ22に過電圧が印加され続ける。但し、前述したように、この給電回路の遮断までに要する動作時間は数秒もかからないので、バリスタ22が破壊されることはない。
【0069】
一方、この実施形態のようにバリスタ22を突入電流防止回路55の出力側に設けた場合には、温度ヒューズ付き抵抗43による電圧降下があるので、バリスタ22に印加される過電圧は上記の場合と比較して小さくなる。また、過電圧がバリスタ電圧を越えてバリスタ22がブレークダウンしても、温度ヒューズ付き抵抗43によって電流が制限されるので、バリスタ22が許容損失を超えて発火するより必ず先に温度ヒューズ付き抵抗43が溶断する。つまり、突入電流防止回路55の出力側にバリスタ22を設けると、より一層確実にバリスタ22の破壊を防止することができる。
【0070】
しかし、バリスタ22を突入電流防止回路55の出力側に設けた場合は、雷および入力サージなどの外来サージが発生したときに、検出回路24が外来サージを含む電圧を検出するので、外来サージによってスイッチ回路26がオンになって、突入電流防止回路55のトライアック42がOFF状態になり、温度ヒューズ付き抵抗43が溶断してしまう可能性がある。そのため、外来サージが比較的低いエネルギー(低い電圧)のときには、温度ヒューズ付き抵抗43が溶断しないように、バリスタ22と突入電流防止回路55の配置に気を配る必要がある。雷に起因するサージ電圧に対しては、6KV以上のときに温度ヒューズ付き抵抗43が溶断するようにすればよい。
【0071】
一方、バリスタ22を突入電流防止回路55の入力側に設けた場合は、先にバリスタ22が外来サージをクランプして制限し、検出回路24はその制限された電圧値を検出するので、外来サージによってスイッチ回路26がオンになることはなく、温度ヒューズ付き抵抗43が溶断することもない。よって、バリスタ22と突入電流防止回路55の配置に注意する必要はない。
つまり、バリスタ22を突入電流防止回路55の入力側に設けても出力側に設けても、両方共に確実に回路を遮断して事故の発生を防止することができるので、スイッチングレギュレータなどの装置を設置する環境等を考慮して、そのどちらかを適宜選択すればよい。
例えば、非常に高電圧の入力過電圧が入力する恐れがある場合はバリスタ22を突入電流防止回路55の出力側に設けた方がよい。また、頻繁に外来サージが発生する可能性がある場合は、バリスタ22を突入電流防止回路55の入力側に設けた方がよい。
【0072】
<第3の実施形態>
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。図6はその入力過電圧保護回路を設けた給電回路を、負荷装置であるスイッチングレギュレータと共に示す図4,図5と同様な回路図である。この実施形態は上述した図5に示した第2の実施形態と大部分共通しており、その共通部分には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。なお、図6においても、図4に示したDC/DCコンバータ3の部分を示す一点鎖線の図示を省略している。
【0073】
この図6に示す実施形態で図5に示した実施形態と異なる点は、検出回路54とスイッチ回路56と伝達回路67が、図5における検出回路24とスイッチ回路26と伝達回路57とそれぞれ相違すること、制御回路35への起動電圧供給回路を検出回路とは別に設けたこと、およびバリスタ22の接続位置が異なることである。
この実施形態における検出回路54は、図1、図4および図5に示した検出回路24における抵抗R3を省略した構成である。
また、スイッチ回路56はツェナーダイオードZD5のみからなり、そのカソードを検出回路54の出力端である抵抗R2の抵抗R1と接続していない方の端子に接続し、アノードを伝達回路67に接続している。
【0074】
その伝達回路67は、フォトトライアックカプラ41の発光素子であるLED41aのみからなり、そのアノードをツェナーダイオードZD5のアノードに接続し、カソードをダイオードブリッジ4の出力側のDCラインL4に接続している。
つまり、検出回路54の抵抗器R1およびR2と、スイッチ回路56のツェナーダイオードZD5と、伝達回路67のLED41aとが全て直列に接続され、さらにツェナーダイオードZD5は検出回路54のダイオードD1,D2および伝達回路67のLED41aと逆バイアスに接続されている。
【0075】
この給電回路の入力過電圧保護回路では、検出回路54がACラインL3およびL4の電圧を検出し、それに応じた電圧をツェナーダイオードZD5のカソードに印加し、ツェナーダイオードZD5に逆電圧をかける。したがって、スイッチ回路56がオン/オフする所定の電圧値はツェナーダイオードZD5のツェナー電圧になる。
そして、ACラインL1およびL2に過電圧を含まない正常な電圧が入力しているときは、検出回路54の出力電圧(検出電圧)がツェナーダイオードZD5のツェナー電圧より小さいので、スイッチ回路56のツェナーダイオードZD5はオフ状態になっており、伝達回路67のLED41aには電流が流れないので発光しない。
【0076】
しかし、ACラインL1,L2の少なくとも一方に過電圧を含んだ異常な電圧が入力すると、検出回路54の出力電圧(検出電圧)がツェナーダイオードZD5のツェナー電圧より大きくなり、スイッチ回路56のツェナーダイオードZD5がオン状態になってツェナー電流が流れるため、伝達回路67のLED41aが発光する。すると、前述の第2の実施形態の場合と同様に、フォトトライアックカプラ41の突入電流防止回路55内のフォトトライアック41bがオン状態になり、トライアック42がOFF状態になるため、温度ヒューズ付き抵抗43に電流が流れて温度が上昇し、その温度ヒューズが溶断して給電回路が遮断される。
【0077】
なお、この検出回路54の抵抗器R1,R2の抵抗値は、ACラインL1,L2の電圧が正常な場合には、検出回路54の検出電圧がツェナーダイオードZD5のツェナー電圧より小さくなるように予め設定する。そして、この抵抗R1,R2の抵抗値とツェナーダイオードZD5のツェナー電圧を調整することにより、何ボルト以上の過電圧が入力したときに給電回路を遮断するかを予め設定することができる。また、この検出回路54は、その検出電圧がスイッチ回路56のツェナーダイオードZD5のツェナー電圧を超えるまでは抵抗R1,R2に電流が流れないので、電力損失を低減することができる。
【0078】
また、これらの抵抗R1,R2の抵抗値とツェナーダイオードZD5およびLED41aは、接続順序を入れ換えてもよい。例えば、ツェナーダイオードZD5とLED41aの位置を逆にしても、その動作は当然のことながら同じである。
さらに、この実施形態では、検出回路54の抵抗R1,R2をDC/DCコンバータの起動抵抗に兼用せず、別に起動用の抵抗として抵抗R16とR17の直列回路を、ダイオードブリッジ4の出力側のDCラインL3と制御回路35の電源端子Vccとの間に接続している。なお、共用にする場合は、たとえばツエナーダイオードZD5のカソードから、電圧調整用の抵抗又はダイオードあるいはその組合せを介して制御回路35の電源端子Vccに接続すればよい。
【0079】
起動用の抵抗R16およびR17は、電源投入後DC/DCコンバータ(AC/DCコンバータ、AC/ACコンバータなど他のスイッチングレギュレータでもよい)が起動して、補助電源28から正常な電圧が出力されるようになるまでの間、ダイオードブリッジ4の出力側のDCラインL3から制御回路35に直流電圧を供給してパルス信号を発生させるために設けている。
また、この実施形態では、バリスタ22を図1および図4に示した第1の実施形態と同じく、ヒューズ21とノイズフィルタ23との間のACラインL1,L2間に接続している。
【0080】
<第4,第5の実施形態>
次に、この発明の第4の実形態と第5の実施形態について説明する。図7および図8は、それぞれこの発明の第4の実施形態および第5の実施形態の図4〜図6と同様な回路図である。
これらの実施形態は上述した図6に示した第3の実施形態と殆ど同じであり、起動用の抵抗R16とR17の直列回路の接続を変更しただけである。
すなわち、図7に示す第4の実施形態では、DC/DCコンバータ起動用の抵抗R16とR17の直列回路(1個の抵抗でもよい)を、ダイオードブリッジ4の交流入力側のACラインL2と制御回路35の電源端子Vccとの間に接続して、起動時にはACラインL2の交流電圧を制御回路35に印加するようにしている。なお、コンデンサC2の放電を防ぐためにこの起動用の抵抗R16,R17と直列にダイオードを接続した方が好ましいが、この例のようにダイオードがなくても、抵抗R16,R17は高抵抗(例えば20kΩ〜100kΩ)なので充分起動する。
【0081】
また、図8に示す第5の実施形態では、DC/DCコンバータ起動用の抵抗R16とR17の直列回路を、検出回路54のダイオードD1,D2と抵抗R1との接続点と制御回路35の電源端子Vccとの間に接続して、起動時にはACラインL1,L2の交流電圧をそれぞれダイオードD1,D2で整流したほぼ直流電圧を制御回路35に印加するようにしている。
これらの各実施形態によっても、前述した第1乃至第3の実施形態の給電回路およびDC/DCコンバータと同様に機能する。
【0082】
<第6の実施形態>
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。図9は、この発明の第6の実施形態の図4〜図8と同様な回路図である。
この第6の実施形態は、図7に示した第4の実施形態とかなり共通しているが、DC/DCコンバータのトランスは、図1および図4に示した第1の実施形態と同じ3巻線のトランス31を使用している。そして、図7に示した第4の実施形態の突入電流防止回路55に代えて突入電流防止回路65を設け、補助電源28の出力端子間にコンデンサC2と並列に、抵抗R18とフォトトライアックカプラ46のLED46aとの直列回路を接続している。
【0083】
そして、突入電流防止回路65は、第1の実施形態の突入電流防止回路25を一部変更して、その抵抗R5を省略し、フォトトライアックカプラ41のフォトトライアック41bをトライアック42のゲート端子Gと端子T2との間に直接接続するとともに、それに並列に、抵抗R19と新たに設けたフォトトライアックカプラ46のフォトトライアック46bとの直列回路を接続して構成している。
この第6の実施形態によれば、DC/DCコンバータが起動してトランス31の補助巻線31cに交流電圧が誘起され、補助電源28から制御回路35に所定の直流電圧が印加されるようになるまでは、フォトトライアックカプラ46のLED46aが発光せず、突入電流防止回路65内のフォトトライアック46bがオフ状態になっているため、トライアック42のゲート端子Gにトリガ電圧が印加されず、トライアック42がOFF状態になっているので、温度ヒューズ付き抵抗43を通してダイオードブリッジ4に交流電流が流れる。
【0084】
しかし、DC/DCコンバータが起動して補助電源28から所定の直流電圧が出力されると、フォトトライアックカプラ46のLED46aに電流が流れて発光するので、突入電流防止回路65に設けたフォトトライアック46bがオン状態になり、抵抗器R19に電流を流すので、トライアック42のゲート端子Gにトリガ電圧が印加され、トライアック42がON状態になる。したがって、その後はこのトライアック42を通してダイオードブリッジ4に交流電流が流れ、温度ヒューズ付き抵抗43には電流が殆ど流れなくなる。
ACラインL1又はL2に過電圧を含む異常電圧が入力したときの入力過電圧保護動作は、図5に示した第4の実施形態の場合と同じである。
【0085】
なお、この実施形態においても、DC/DCコンバータ起動用の抵抗R16とR17の直列回路を、ダイオードブリッジ4の入力側のACラインL2と制御回路35の電源端子Vccとの間に接続している。この場合も、起動用の抵抗R16とR17を1個の抵抗にまとめてもよく、コンデンサC2の放電を防ぐためにこの抵抗R16,R17に直列にダイオードを介挿した方がよい。
しかし、これに限るものではなく、図6に示した第3の実施形態のように、抵抗R16の一端をダイオードブリッジ4の出力側のACラインL3に接続してもよく、図8に示した第5の実施形態のように、抵抗R16の一端を検出回路54のダイオードD1とD2のカソード側の共通接続点に接続してもよい。
【0086】
また、バリスタ22を突入電流防止回路65の入力側に設けているが、それに限るものではなく、図3で説明したようにバリスタ22を突入電流防止回路65の出力側に設けてもよい。
さらに、その突入電流防止回路65をACラインL1上に設けたが、それに限るものではなく、ACラインL2上、DCラインL3またはL4(ニュートラル線:パワーグランドである基準線)上に設けてもよい。
【0087】
<第7の実施形態>
次に、この発明の第7の実施形態について説明する。図10は、この発明の第7の実施形態の図4〜図9と同様な回路図である。
この第7の実施形態は、前述の図9に示した第6の実施形態とかなり共通しているが、突入電流防止回路75をダイオードブリッジ4の整流出力側のDCラインL4(ニュートラル線:パワーグランドである基準線)上に設けている。また、伝達回路としてフォトトライアックカプラ41に代えて、スイッチ回路56のツエナーダイオードZD5の状態によってオン/オフ制御されるトランジスタ47を設け、そのベース・エミッタ間に抵抗R20を接続した点が相違している。
【0088】
この第7の実施形態の突入電流防止回路75は、図9に示した第6の実施形態における突入電流防止回路65のフォトトライアックカプラ41のフォトトライアック41bの代りにトランジスタ47を設け、そのコレクタをトライアック42のゲート端子Gに接続し、エミッタをトライアック42の端子T2(温度ヒューズ付き抵抗43と平滑用コンデンC1との接続点)に接続している。また、そのトランジスタ47のベース・エミッタ間に抵抗R20を接続し、ベースをスイッチ回路56のツェナーダイオードZD5のアノードに直接接続している。
このように、突入電流防止回路75をニュートラル線上に設ける場合は、トライアック42とスイッチ回路56とを絶縁する必要がないので、図4から図9に示した実施形態のように伝達回路にフォトトライアックカプラを使用する必要がなく、直接接続できる。
【0089】
この実施形態において、ACラインL1,L2に入力する交流電圧が過電圧を含まない正常な電圧である場合は、前述した第6の実施形態の場合と同様に、スイッチ回路56のツェナーダイオードZD5には電流が流れないので、トランジスタ47はオフ状態になっている。
DC/DCコンバータが起動するまでは、ダイオードブリッジ4による整流電流が、温度ヒューズ付き抵抗43を通して平滑用コンデンサC1に流れてそれを充電する。DC/DCコンバータが起動して、補助電源28から所定の直流電圧が出力されると、それが制御回路35に供給されるとともに、フォトトライアックカプラ46のLED46aが発光し、その光を突入電流防止回路75に設けたフォトトライアック46bが受光してオン状態になり、抵抗R19に電流を流すことによってトライアック42のゲート端子Gにトリガ電圧を印加するので、トライアック42がON状態になり、温度ヒューズ付き抵抗器43には電流が流れなくなる。この場合も起動用の抵抗R16,R17に直列にダイオードを介挿した方が好ましい。
【0090】
しかし、ACラインL1,L2の少なくとも一方に過電圧を含む異常な交流電圧が入力すると、スイッチ回路56のツェナーダイオードZD5にツェナー電流が流れ、突入電流防止回路75に設けたトランジスタ47にベース電流が流れてオンになり、コレクタ・エミッタ間を導通させるので、トライアック42のゲート端子Gと端子T2が同電位になる。そのため、トライアック42はOFF状態になり、温度ヒューズ付き抵抗器43に電流が流れ、温度が上昇してその温度ヒューズが溶断し、給電回路を遮断する。
【0091】
<第8の実施形態>
前述の第1から第7の各実施形態は、負荷装置としてスイッチングレギュレータの一種であるDC/DCコンバータを接続するかあるいは一体に設けた場合の例について説明した。以下に、負荷装置としてAC負荷装置を接続するか一体に設けた場合の実施形態について説明する。なお、そのAC負荷装置はスイッチングレギュレータの一種であるAC/ACコンバータであってもよい。
図11は、その第8の実施形態による入力過電圧保護回路を設けたAC負荷装置への給電回路の回路図である。この図11において、図1乃至図10と同等な部分には同一符号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0092】
この第8の実施形態の給電回路は、例えば図6に示した第3の実施形態のダイオードブリッジ4と平滑用コンデンサC1を除いて交流出力端子OUT3,OUT4を設け、そこにAC負荷装置40を接続しており、DC/DCコンバータを構成するトランス31′、スナバ回路32、電圧誘起用スイッチ回路34、および制御回路35などを除いた構成になっている。
また、AC負荷装置40に直列に電流制限用チョークコイル39の1次巻線39aを接続している。そのチョークコイル39に2次巻線39bを設け、これを図4におけるトランス31′の駆動巻線31dの代わりに、この2次巻線39bに誘起される電圧を突入電流防止回路85の駆動用に使用する。突入電流防止回路85のその他の構成および機能は、図6に示した突入電流防止回路55と同じである。
【0093】
そして、AC負荷装置40への交流の給電開始後、チョークコイル39の2次巻線39bに電圧が誘起されるまでの僅かな期間だけ、突入電流防止回路85のトライアック42がOFF状態になっているため、温度ヒューズ付き抵抗43を通してAC負荷装置40へ交流電流が流れる。
常時は伝達回路67のフォトトライアックカプラ41のLED41aは点灯せず、フォトトライアック41bはオフ状態になっているので、チョークコイル39の2次巻線39bに電圧が発生すると、突入電流防止回路85のトライアック42のゲート端子Gにトリガ電圧が印加されて、トライアック42がON状態になる。したがって、AC負荷装置40に給電する交流はトライアック42を通して流れ、温度ヒューズ付き抵抗43には電流が流れなくなるので、温度ヒューズが溶断することはない。
【0094】
ACラインL1,L2の少なくとも一方に過電圧を含む異常電圧が入力すると、スイッチ回路56のツェナーダイオードZD5にツェナー電流が流れる。それによって、伝達回路67を構成するフォトトライアックカプラ41のLED41aが発光し、突入電流防止回路85内のフォトトライアック41bがオン状態になるため、トライアック42がOFF状態になり、温度ヒューズ付き抵抗43に電流が流れ、その温度上昇によって温度ヒューズが溶断して給電回路を遮断する。
しかし、ツェナーダイオードZD5を省略することもできる。その場合、通常は入力電圧と抵抗R1,R2(1個でもよい)の抵抗値に応じた電流がフォトトライアックカプラ41のLED41aに流れてそれを発光させるが、電流が少ないため、その発光量は少なくフォトトライアック41bはオン状態になりきれず、トライアック42のゲート端子Gにはトリガ電圧がかかり、トライアック42はON状態になっている。入力が過電圧になると、LED41aに充分な電流が流れて発光し、フォトトライアック41bが完全にオン状態になるため、トライアック42のゲート端子Gにはトリガ電圧がかからなくなり、トライアック42はOFF状態になる。そのため、温度ヒューズ付き抵抗43に電流が流れ、その温度上昇によって温度ヒューズが溶断して給電回路を遮断する。
【0095】
なお、AC負荷装置40が電圧誘起用のスイッチング回路を持たない場合には、補助電源28と補助電源用コンデンサC2、およびその直流出力端子と突入電流防止回路85の出力側の交流ラインL1との間に接続した起動用抵抗R16,R17の直列回路は不要であり、フォトトライアックカプラ41のLED41aのカソード側は回路内基準電位(パワーグランド)に接続すればよい。
しかし、AC負荷装置40が、AC/ACコンバータやAC/DCコンバータのようなスイッチングレギュレータ、AC安定化電源(AVR)、高周波点灯ランプ、あるいは無停電電源(UPS)などの場合には、前述した各実施形態の場合と同様に、その電圧誘起用のスイッチング回路を動作させるためのパルス信号を発生する制御回路が必要であり、その制御回路の電源電圧をトランスの補助巻線に誘起される交流電圧を整流して供給するための補助電源28(トランスや制御回路は図示を省略している)。また、そのスイッチングレギュレータが起動するまでの間、制御回路に電源電圧を供給するために、起動用の抵抗R16,R17による給電回路を設けている(制御回路とその給電線は図示を省略している)。
【0096】
<第9の実施形態>
次に、この発明の第9の実施形態について説明する。これから説明する第9から第12の実施形態は、AC負荷装置に交流を給電するとともに、複数のACラインのうちの1本の電圧のみを検出回路が検出して入力過電圧保護を行うようにした入力過電圧保護回路を設けたものである。
図12は、その第9の実施形態を示す図1と同様な図であり、図1と同等な部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
【0097】
この図12に示す第9の実施形態の給電回路は、図1に示した第1の実施形態におけるダイオードブリッジ4と平滑用コンデンサC2を除去して、交流出力端子OUT3,OUT4を設け、そこにDC/DCコンバータ3に代えてAC負荷装置40を接続している。この給電回路をAC負荷装置40と一体に設けてもよいことは、これまでの各実施形態と同様である。
また、この実施形態における検出回路64は、図1に示した検出回路24におけるACラインL1に接続したダイオードD1を省略した構成であり、一方のACラインL2のノイズフィルタ23の出力側にアノードを接続したダイオードD2、およびそのダイオードD2のカソードに順に直列接続した抵抗R1,R2,(若しくはR3)からなる。この過電圧検出用の抵抗R1,R2,(若しくはR3)は、AC負荷装置40がスイッチングレギュレータである場合には、その起動用の電源を供給する起動抵抗としても兼用可能なことも、これまでの各実施形態の場合と同じである。
【0098】
この第3の検出回路64では、ACラインL2の電圧をダイオードD2が検出し、抵抗R1とR2の直列回路と抵抗R3によって分圧し、R3の両端の電圧を出力する。なお、この抵抗R3を省略して、ダイオードD2によって検出した電圧を抵抗R1とR2を通してスイッチ回路26に印加するようにしてもよい。
補助電源28は、AC負荷装置40がスイッチングレギュレータである場合は、図4に示した第1の実施形態と同様に、トランスの補助巻線に誘起される交流電圧を整流して直流電圧を発生する回路にすればよい。さもなければ、ACラインL1,L2の少なくとも一方の交流電圧を整流して直流電圧を出力する回路にすればよい。
【0099】
この実施形態による入力過電圧保護動作は、ACラインL2に過電圧を含む異常電圧が入力した時にのみ、トライアック42をオフ状態にして、温度ヒューズ付き抵抗43に電流を流してその温度ヒューズを溶断させる以外は、第1の実施形態の場合と同様である。
この第9の実施形態の入力過電圧保護回路の場合、電源ラインのうち一本のみ(図12の例ではACラインL2であるが、他方のACラインL1にしてもよい)の電圧を検出しているので、全てのACラインの電圧を検出する場合と比べて検出時間が長くかかる。しかし、それでもその検出時間は数100msec程度である。したがって、入力過電圧保護回路の動作時間(過電圧を含む異常な電圧を入力してから温度ヒューズ付き抵抗器43が溶断するまで)は数秒もかからないため、バリスタ22が破壊する前に速やかに給電回路を遮断することができ、確実に事故を防止することができる。
しかも、このように構成にすることによって部品点数を節減できる。
【0100】
<第10の実施形態>
続いて、この発明の第10の実施形態について説明する。図13は、この発明の第10の実施形態を示す図1及び図12と同様な回路図である。この図13において、図1及び図12と同等な部分には同一の符号を付してあり、スイッチ回路26は図4に示した第1の実施形態のスイッチ回路26と同じであるから、これらの説明は省略する。
この第10の実施形態は、図12に示した第9の実施形態と比べて、突入電流防止回路25をACラインL1の一次ヒューズ21及びバリスタ22よりも交流入力端子IN1側に介挿した点が異なるだけである。したがって、その入力過電圧保護機能も第9の実施形態と同様であるが、異常電圧によるバリスタの破壊をより確実に防ぐことができる。
【0101】
<第11,第12の実施形態>
次に、この発明の第11および第12の実施形態について説明する。図12および図15は、それぞれこの発明の第11,第12の実施形態を示す図11と同様な回路図である。この図13および図14において、図11と同等な部分には同一の符号を付してあり、スイッチ回路26および伝達回路57は、図5に示した第2の実施形態のスイッチ回路26および伝達回路57と同じであるから、これらの説明は省略する。
この第11および第12の実施形態における検出回路74は、図13に示した検出回路64のダイオードD2を省略したものである。このように、過電圧検出用の抵抗R1およびR2の抵抗値が充分大きくても動作上問題が無い場合(負荷の容量や入力電圧範囲等による)は、ダイオードを省略することができる。
【0102】
そして、図14に示す第11の実施形態では、この検出回路74の抵抗R1の一端をACラインL2のノイズフィルタ23の出力側に接続している。また、図15に示す第12の実施形態では、この検出回路74の抵抗R1の一端をACラインL1のノイズフィルタ23の入力側に接続している。
これらも各実施形態におけるスイッチ回路26と伝達回路57は図5に示した第2の実施形態と同様に動作し、突入電流防止回路85は図11に示した第8の実施形態と同様に動作する。
なお、これらの実施形態では、突入電流防止回路85の出力側にバリスタ22を設けているが、これに限るものではなく、突入電流防止回路85の入力側にバリスタ22を設けることもできる。
【0103】
<第13の実施形態>
次に、この発明の第13の実施形態について説明する。図16はこの発明の第13の実施形態を示す図5と同様な回路図である。この第13の実施形態は、図5に示した第2の実施形態と殆ど同じであり、DC負荷であるDC/DCコンバータに給電する給電回路である。
この実施形態において図5に示した第2の実施形態と異なる点は、検出回路74が、図5に示した検出回路24のダイオードD1,D2を省略し、抵抗R1の一端をACラインL1のノイズフィルタ23の出力側にのみ接続している点だけである。
【0104】
このようにしても、前述の第11,第12の実施形態の場合と同様にACラインL1に過電圧を含む異常電圧が入力するとそれを検出して突入電流防止回路55を作動させ、温度ヒューズ付き抵抗43の温度ヒューズを溶断させて、給電回路を遮断することができる。その動作の詳細は、図3に示した第2の実施形態について説明したのと同様であるから省略する。
検出回路74の抵抗R1の一端をACラインL2に接続して、その異常電圧を検出するようにしてもよい。
また、突入電流防止回路55の入力側にバリスタ22を設けているが、これに限るものではなく、突入電流防止回路55の出力側にバリスタ22を設けることもできる。
【0105】
<第14,第15の実施形態>
次に、この発明の第14および第15の実施形態について説明する。図17および図18は、それぞれこの発明の第14および第15の実施形態を示す図8と同様な回路図である。これらの図において、図8と同等な部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
図17に示す第14の実施形態において、図8に示した第5の実施形態と異なる点は、検出回路84がノイズフィルタ23の出力側のACラインL1とL2の間に、スイッチ回路56であるツェナーダイオードZD5と、伝達回路67を構成するフォトトライアックカプラ41のLED41aと直列に接続している点だけである。そして、ダイオードD1のアノードをACラインL1に、フォトトライアックカプラ41のLED41aのカソードをACラインL2にそれぞれ接続している。
【0106】
この実施形態による入力過電圧保護動作は、ACラインL1とL2との間の電圧を検出して、それがスイッチ回路56としてのツェナーダイオードZD5のツェナー電圧を超えると、そのツェナーダイオードZD5がON状態になってツェナー電流が流れ、伝達回路67を構成するフォトトライアックカプラ41のLED41aに電流が流れて発光する。それによって突入電流防止回路55内のフォトトライアック41bがオン状態になり、トライアック42をOFF状態にして、温度ヒューズ付き抵抗43に電流を流し、その温度ヒューズの溶断により給電回路が遮断される。
【0107】
図18に示す第15の実施形態は、図17に示した第14の実施形態における検出回路84のダイオードD1を省略した検出回路94を使用し、スイッチ回路56であるツェナーダイオードZD5と、伝達回路67を構成するフォトトライアックカプラ41のLED41aと直列に接続して、抵抗R1の一端をACラインL2に、フォトトライアックカプラ41のLED41aのカソードをACラインL1にそれぞれ接続している。
この場合の入力過電圧保護動作も、上述した第14の実施形態の場合と同様である。
【0108】
<第16の実施形態>
次に、この発明の第16の実施形態について説明する。図19は、この発明の第16の実施形態を示す図9と同様な回路図である。この図19において、図9と同等な部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この第16の実施形態において、図9に示した第6の実施形態と異なる点は、検出回路として上述した第15の実施形態と同じくダイオードを省略した検出回路94を使用し、スイッチ回路56であるツェナーダイオードZD5と、伝達回路67を構成するフォトトライアックカプラ41のLED41aと直列に接続して、抵抗R1の一端をACラインL2に、フォトトライアックカプラ41のLED41aのカソードをACラインL1にそれぞれ接続している点だけである。
【0109】
この第16の実施形態によっても、前述の第14および第15の実施形態と同様に、ACラインL1,L2間に異常電圧が生じた場合にそれを検知して給電回路を遮断することができる。また、図9に示した第6の実施形態と同様に、負荷装置であるDC/DCコンバータが起動するまでの間、突入電流防止回路65のトライアック42をオフ状態に保持するためのフォトトライアックカプラ46を設けて、起動時の突入電流の制限(温度ヒューズ付き抵抗43による)を確実にしている。
【0110】
<補足説明>
以上、第1から第16の実施形態においては、説明の便宜上入力過電圧保護回路を設けた給電回路と負荷装置又は負荷回路とを分けて説明したが、これらを電気装置内に一体に備えてもよいことは勿論である。
したがって、この発明は入力過電圧保護回路だけでなく、それを給電回路に備えたスイッチングレギュレータやその他の各種電気装置(回路も含む)にも及ぶものである。
また、この発明による入力過電圧保護回路の構成は、各実施形態に示したものに限るものではない。また、その回路に使用する素子も上記のものに限らない。しかし、突入電流防止回路の突入電流防止用素子としては、温度ヒューズ付き抵抗が、回路を確実に遮断でき、しかも安価に入手できるので最適である。
【0111】
また、伝達回路の伝達素子としてフォトトライアックカプラを用いた例で示したが、それに限るものではなく、フォトカプラとトランジスタを用いたり、トランスを用いても同様の効果が得られる。
さらに、過電圧保護素子としてバリスタを用いた例を示したが、それに限るものではなく、バリスタの代りにツェナーダイオード(定電圧ダイオード)、シリコンバリスタ、アバランシェダイオード、サイリスタとツェナーダイオードの組合せなどを用いてもよい。
なお、スイッチ回路26も、上記各実施形態に用いた回路に限らず、トランジスタ回路を多段に用いたり、デジタルIC(NAND回路)を用いたりすることもできる。
【0112】
また、複数例示した検出回路、突入電流防止回路、スイッチ回路、伝達回路の組合せを実施形態に示したものとは変えて、入力過電圧保護回路を構成してもよい。さらに、それぞれの組合せにおいて、検出回路に設けるダイオードの有無、検出回路に設ける抵抗器を起動抵抗として兼用するかどうか、起動抵抗を別途設けた場合にその抵抗器の接続位置、突入電流防止回路の位置、バリスタの位置などを、負荷装置の仕様や環境条件などに応じて選択できる。
なお、図1および図2に示した第1の実施形態における伝達回路27と突入電流防止回路25は、この組合せで使用する。何故ならば、伝達回路27および突入電流防止回路25は、他の伝達回路および突入電流防止回路とそれぞれ逆の動作をするため、片方のみで使用すると過電圧を含まない正常な交流電圧を入力しているときに回路が遮断されてしまうからである。
【0113】
そして、上述した各実施形態の給電回路は、負荷装置または負荷回路としてDC/DCコンバータ等のスイッチングレギュレータあるいはAC負荷装置に給電する例について説明したが、これに限るものではなく、交流又は直流電圧を必要とする装置全般に適用することができる。例えば、ヒータやインバータなどにも使用することができる。
また、上述した各実施形態では、単相2線式の交流を入力する給電回路にこの発明を適用した例について説明したが、それに限るものではなく、電源ラインを3本以上持つ単相3線式あるいは3相3線式や3相4線式の交流を入力する給電回路にも適用することができる。その場合、過電圧の検出を各電源ラインの少なくとも1本に対して行うか、いずれか2本の電源線ライン間について行えばよいが、全てのて電源ラインあるいは2本ずつの全ての電源ライン間の電圧を検出するようにすればなおよい。
【0114】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明による入力過電圧保護回路を適用すれば、給電回路の電源ラインに過電圧を含む異常電圧が入力した時に、直ちにそれを検出して突入電流防止回路に伝達し、突入電流防止回路の温度ヒューズを溶断させて給電回路を遮断するので、バリスタ、一次ヒューズ、ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)などの過電圧又は過電流保護素子の特性や信頼性に左右されることなく、確実に負荷装置(電気装置)を保護することができる。
【0115】
しかも、過電圧が入力してから給電回路が遮断するまでに数秒もかからないため、他の過電圧又は過電流保護素子が破壊する前に迅速に回路を遮断することができるので、たとえ電源事情が悪く入力過電圧が頻繁に発生するような環境条件下であっても、上述のような保護素子の焼損事故や発煙事故などの発生を防ぐことができる。
さらに、給電回路を遮断すべき過電圧の値を、スイッチ回路の動作電圧によって予め設定することができるので、使用する電気装置の種類や設置環境などに応じてその設定値を適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す入力過電圧保護回路を設けた給電回路の回路図である。
【図2】図1における検出回路の異なる例を示す回路図である。
【図3】図1の給電回路にアクティブフィルタを設ける場合の例を示す回路図である。
【図4】同じく、図1に示した給電回路とDC/DCコンバータのより具体的な回路例を示す回路図である。
【図5】この発明の第2の実施形態を示す図4と同様な回路図である。
【図6】この発明の第3の実施形態を示す図4よび図5同様な回路図である。
【図7】この発明の第4の実施形態を示す図4至図6と同様な回路図である。
【図8】この発明の第5の実施形態を示す図4乃至図7と同様な回路図である。
【図9】この発明の第6の実施形態を示す図4乃至図8と同様な回路図である。
【図10】この発明の第7の実施形態を示す図4乃至図8と同様な回路図である。
【図11】この発明の第8の実施形態による入力過電圧保護回路を設けたAC負荷装置への給電回路の回路図である。
【図12】この発明の第9の実施形態を示す図11と同様な回路図である。
【図13】この発明の第10の実施形態を示す図1及び図12と同様な回路図である。
【図14】この発明の第11の実施形態を示す図11と同様な回路図である。
【図15】この発明の第12の実施形態を示す図11及び図14と同様な回路図である。
【図16】この発明の第13の実施形態を示す図5と同様な回路図である。
【図17】この発明の第14の実施形態を示す図8と同様な回路図である。
【図18】この発明の第15の実施形態を示す図8と同様な回路図である。
【図19】この発明の第16の実施形態を示す図9と同様な回路図である。
【図20】従来の入力過電圧保護回路を設けた給電回路の一例を示す回路図である。
【図21】中国の配電システムの例を示す説明図である。
【図22】図21における電圧V3の交流波形を示す波形図である。
【図23】同じく電圧V3の中点が変動動した場合の波形図である。
【符号の説明】
2:給電回路のAC部分 3:DC/DCコンバータ
4:ダイオードブリッジ 5:アクティブフィルタ
6:制御回路 21:一次ヒューズ
22:バリスタ
24,54,64,74,84,94:検出回路
25,55,65,75,85:突入電流防止回路
26,56:スイッチ回路
27,57,67:伝達回路 28:補助電源
31,31′:トランス 32:スナバ回路
39:電流制限用チョークコイル
40:AC負荷装置
41,46:フォトトライアックカプラ
41a,46a:LED
41b,46b:フォトトライアック
42:トライアック(半導体スイッチ素子)
43:温度ヒューズ付き抵抗(突入電流防止用素子)
44,47:スイッチング用のトランジスタ
45:コモンモードチョークコイル
51:チョークコイル 52:FET
IN1,IN2:交流入力端子
OUT1,OUT2:直流出力端子
OUT3,OUT4:交流出力端子
C1:平滑用コンデンサ
C2:補助電源用コンデンサ
D1〜D6:ダイオード R1〜R20:抵抗
ZD5:ツェナーダイオ−ド(定電圧ダイオード)
L1,L2:ACライン(電源ライン)
L3,L4:DCライン(電源ライン)
Claims (6)
- 交流電源に接続する複数本の電源ラインを有し、該複数本の電源ラインを通して負荷装置又は負荷回路に給電する給電回路に設ける入力過電圧保護回路であって、
前記複数本の電源ラインのうちの少なくとも1本に突入電流防止回路を介挿するとともに、前記複数本の各電源ラインの電圧を検出する検出回路と、該検出回路によって検出された電圧が所定値を越えた時にスイッチ動作するスイッチ回路と、そのスイッチ回路のオン/オフの状態を前記突入電流防止回路に伝達する伝達回路とを設け、
前記突入電流防止回路が、温度ヒューズ付き抵抗と半導体スイッチ素子とを並列に接続してなり、常時は該半導体スイッチ素子が導通しており、前記検出回路によって検出された電圧が前記所定値を越えた時に前記伝達回路によって伝達される前記スイッチ回路のオン/オフ状態により前記半導体スイッチ素子が開放し、前記温度ヒューズ付き抵抗に電流を流してその温度ヒューズの溶断により前記給電回路を遮断するようにしたことを特徴とする入力過電圧保護回路。 - 交流電源に接続する複数本の電源ラインを有し、該複数本の電源ラインを通して負荷装置又は負荷回路に給電する給電回路に設ける入力過電圧保護回路であって、
前記複数本の電源ラインのうちの少なくとも1本に突入電流防止回路を介挿するとともに、前記複数本の電源ラインのいずれかの電圧を検出する検出回路と、該検出回路によって検出された電圧が所定値を越えた時にスイッチ動作するスイッチ回路と、そのスイッチ回路のオン/オフの状態を前記突入電流防止回路に伝達する伝達回路とを設け、
前記突入電流防止回路が、温度ヒューズ付き抵抗と半導体スイッチ素子とを並列に接続してなり、常時は該半導体スイッチ素子が導通しており、前記検出回路によって検出された電圧が前記所定値を越えた時に前記伝達回路によって伝達される前記スイッチ回路のオン/オフ状態により前記半導体スイッチ素子が開放し、前記温度ヒューズ付き抵抗に電流を流してその温度ヒューズの溶断により前記給電回路を遮断するようにしたことを特徴とする入力過電圧保護回路。 - 交流電源に接続する複数本の電源ラインを有し、該複数本の電源ラインを通して負荷装置又は負荷回路に給電する給電回路に設ける入力過電圧保護回路であって、
前記複数本の電源ラインのうちの少なくとも1本に突入電流防止回路を介挿するとともに、前記複数本の電源ライン間の電圧を検出する検出回路と、該検出回路によって検出された電圧が所定値を越えた時にスイッチ動作するスイッチ回路と、そのスイッチ回路のオン/オフの状態を前記突入電流防止回路に伝達する伝達回路とを設け、
前記突入電流防止回路が、温度ヒューズ付き抵抗と半導体スイッチ素子とを並列に接続してなり、常時は該半導体スイッチ素子が導通しており、前記検出回路によって検出された電圧が前記所定値を越えた時に前記伝達回路によって伝達される前記スイッチ回路のオン/オフ状態により前記半導体スイッチ素子が開放し、前記温度ヒューズ付き抵抗に電流を流してその温度ヒューズの溶断により前記給電回路を遮断するようにしたことを特徴とする入力過電圧保護回路。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の入力過電圧保護回路において、
前記複数本の電源ラインのうち前記突入電流防止回路を介挿した電源ラインの該突入電流防止回路の入力側に一次ヒューズを介挿し、該電源ラインの該突入電流防止回路の出力側と他の電源ラインとの間にバリスタを設けたことを特徴とする入力過電圧保護回路。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の入力過電圧保護回路において、
前記スイッチ回路がツェナーダイオードであり、前記電圧の所定値が該ツェナーダイオードのツェナー電圧の値であることを特徴とする入力過電圧保護回路。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の入力過電圧保護回路を給電回路に備えた電気装置。
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