JP2004087957A - 部品内蔵プリント配線板、およびその部品内蔵プリント配線板の製造方法 - Google Patents

部品内蔵プリント配線板、およびその部品内蔵プリント配線板の製造方法 Download PDF

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林 伸之
Tomoyuki Abe
阿部 知行
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Abstract

【課題】部品内蔵プリント配線板の最表面の電極は凹凸のバラツキを有する。従って上述した最表面の電極と回路部品の端子とをハンダ付け実装した時に凹凸による間隙の大きな電極と端子とは導電接続不良となる。
【解決手段】本発明は芯材に樹脂を保持した第1のプリプレグと、該第1のプリプレグの両面または片面に、芯材を有しない樹脂製の第2プリプレグとを配置して成るプリプレグを介して、部品実装プリント配線板相互を接着した部品内蔵プリント配線板において、前記第1のプリプレグの樹脂の溶融温度は前記第2のプリプレグの樹脂の溶融温度より高いことを特徴とする部品内蔵プリント配線板である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路、抵抗、コンデンサ、接続部材、補強部材などの部品を実装した各プリント配線基板を絶縁接着剤であるプリプレグを介して接着した部品内蔵プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高誘電率の基板を複数枚積層した多層回路基板が使用されている。この多層回路基板はプリプレグが各積層間隙に設けられる。該間隙に設けられるプリプレグは例えば特開平6−322157号公報に記載されている。同公報記載のプリプレグは3層構造であり、繊維基材にワニスを含浸して得た芯材と、該芯材の上下面に配置される樹脂層よりなる。
【0003】
一方、電子機器の高性能化と小型化の要求に伴ってプリント配線板上の電子部品の高密度実装が望まれている。そのためにプリント板に電子部品を表面実装し、このプリント板をプリプレグを介して積層した部品内蔵プリント配線板が有る。これら電子部品は高さは約0.2mm〜0.5mmである。そしてこの部品内蔵プリント配線板に同公報記載のプリプレグが使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで電子部品を表面実装した回路基板面は電子部品を有する凸領域と電子部品を有しない凹領域とが混在する。これらの回路基板は前記公報記載のプリプレグを介して加熱加圧されて積層される。そして前記プリプレグの樹脂層に電子部品が埋設される。しかし積層工程の加熱加圧処理時に各回路基板間の寸法管理をしていない。このために前記プリプレグと電子部品とが接触する位置の芯材が硬化された状態で電子部品に押圧される。このためプリプレグが回路基板の凹凸領域に沿って撓む。そして回路基板が凹凸に撓んだプリプレグに追従して凹凸に撓む。その後、熱硬化性樹脂が硬化する。そして各層の回路基板面の凹凸が累積され部品内蔵プリント配線板の最表面に凹凸状を生じる。従って部品内蔵プリント配線板の最表面に設けられた各電極の高さにバラツキを生じる。この該最表面は電子部品が表面実装される。詳細には最表面の電極と電子部品の端子とをハンダ付けされる。しかし最表面の各電極の高さのバラツキにより電極と端子との間隙が一定で無くなる。このために間隙の大小のバラツキが発生し、バラツキの大きな基板電極と部品端子とは導電接続不良となる。
【0005】
本発明の目的は、電子部品を内蔵した部品内蔵プリント配線板の最表面の各電極高さのバラツキを抑制して、電極と端子との間隙を一定にする。従ってハンダ付けの導電接続不良を防止する。結果として高品質な部品内蔵プリント配線板を得ることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は芯材に樹脂を保持した第1のプリプレグと、該第1のプリプレグの両面または片面に、芯材を有しない樹脂製の第2プリプレグとを配置して成るプリプレグを介して、部品実装プリント配線板相互を接着した部品内蔵プリント配線板において、前記第1のプリプレグの樹脂の溶融温度は前記第2のプリプレグの樹脂の溶融温度より高いことを特徴とする部品内蔵プリント配線板を提供する。従って回路基板は2種類の溶融温度の異なる第1、2のプリプレグを介して加熱加圧されて積層される。このために第1のプリプレグと第2のプリプレグが加熱され溶融するタイミングを異にすることができる。電子部品が第2のプリプレグに埋設される時に、第2のプリプレグが溶融し、更に電子部品が第1のプリプレグに埋設される時に、第1のプリプレグが溶融することができる。このために電子部品が第1、2プリプレグに埋設される時に樹脂が溶融して埋設部分から流出する。従ってプリプレグに過度な押圧が無く、プリプレグは凹凸状に撓むことが無い。このために回路基板間は凹凸状に撓むことが無い。
【0007】
結果として電子部品を内蔵した部品内蔵プリント配線板の最表面の各電極高さのバラツキを抑制して、電極と端子との間隙を一定にする。従ってハンダ付けの導電接続不良を防止する。結果として部品内蔵プリント配線板の品質を向上させることができる。
【0008】
次に請求項2に記載の発明は芯材に樹脂を保持した第1のプリプレグと、該第1のプリプレグの両面または片面に、芯材を有しない樹脂製の第2プリプレグとを配置して成るプリプレグを介して、部品実装プリント配線板相互を位置合わせする工程と、次に第1の温度で前記部品実装プリント配線板相互を加熱加圧する工程と、続いて第1の温度より高い第2の温度で前記部品実装プリント配線板相互を加熱加圧する工程とを、有することを特徴とする部品内蔵プリント配線板の製造方法を提供する。従って最初に第1の温度で各部品実装プリント配線板を加熱するため第1のプリプレグが硬化状態で第2プリプレグの樹脂が溶融する。次に第1のプリプレグと部品実装プリント配線板とが水平の状態で加圧される。続いて部品実装プリント配線板に実装された電子部品が第2プリプレグの樹脂に埋設し、電子部品の周囲に第2プリプレグの樹脂が流出する。更に第2の温度で各部品実装プリント配線板を加熱するために第1のプリプレグが部品実装プリント配線板と水平の状態で溶融する。このために第1のプリプレグが部品実装プリント配線板と水平の状態で電子部品が第1のプリプレグの内部に埋設される。その後第1、第2のプリプレグが硬化する。結果として電子部品を内蔵した部品内蔵プリント配線板の最表面の各電極高さのバラツキを抑制して、電極と端子との間隙を一定にする。従ってハンダ付けの導電接続不良を防止する。結果として部品内蔵プリント配線板の品質を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
<実施例1>
図1は本実施例に係る部品内蔵プリント配線板の断面図である。
【0010】
部品内蔵プリント配線板20は部品実装プリント配線板25とプリプレグPRPとを介して積層したものである。そして部品実装プリント配線板25はプリント配線基板21に電子部品23を実装したものである。この部品内蔵プリント配線板20の最表面に電子部品23が表面実装されている。
【0011】
図2は本実施例に係るプリプレグの断面図である。
PRPは本実施例に係るプリプレグであり、プリプレグPPとプリプレグPP1とから成る。プリプレグPPは布に樹脂を保持したフィルム状の布製プリプレグであり具体的には松下電工株式会社製造の製品名R−5610であり、樹脂の溶融温度は150度Cである。PP1は心材を含まない樹脂プリプレグである。具体的には味の素株式会社製造の製品名ABF−SHであり、樹脂の溶融温度は130度Cである。
【0012】
図2(a)は樹脂層PP1がプリプレグPPの片面に設けられている。また図2(b)は樹脂層PP1がプリプレグPPの両面に設けられている。
【0013】
<プリプレグPRPの製造方法>
続いてプリプレグPRPの製造方法について説明する。
1]最初にフィルム状樹脂層PP1を作成する。具体的には液状の樹脂を常圧ローラによって加熱加圧してフィルム状にする。製造条件はロール温度100 度C、圧力5kgf/ 平方cmである。
2]続いてフィルム状のプリプレグPPと前記樹脂層PP1とを真空積層プレスにて貼り合わせる。製造条件は約60Torr以下、180 度Cにて70分間、30kgf/平方cmである。
【0014】
この樹脂層PP1の厚みTは下記の式の値である。
【0015】
T ≧( S×h ー N×W×D×h ) / S
T;樹脂層の厚み、 S;プリント配線基板の面積、 h;内蔵部品の高さ
D;内蔵部品の奥行き、 W;内蔵部品の幅、 N;部品個数
しかしこの樹脂層の厚みTと内蔵部品の高さhとは略同等値と考えられる。例えば余剰分の樹脂は加熱加圧された時にプリント配線基板の所定面積外に流出するためである。この規定面積外とは所定の必要面積の外に設けられたダミー部分であり、製造最終工程で切断され廃棄される。しかしプリント配線基板の所定面積外に流出する樹脂が多いと材料費の無駄であり、部品高さの約1.2倍であることが望ましい。
【0016】
実施例は常圧ローラを使用してフィルム状樹脂層PP1を製作した。この他に樹脂層PP1は例えばフィルム状に形成し、プリプレグPPに貼付けてもよい。またはスピンコート、刷毛塗り、カーテンコート、浸漬法等にて製造されてもよい。
【0017】
この樹脂層PP1はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シアネート樹脂の熱硬化性樹脂の少なくとも1つを含む樹脂を使用できる。さらに熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリフェニレンサルファイド樹脂の少なくとも1つを含む樹脂を使用しても良い。
【0018】
次に樹脂層PP1中に二酸化珪素、炭化珪素、窒化アルミ、硫酸バリウム、ダイヤモンド、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネウシム,赤燐等の内少なくとも1つを含むフィラーを混合しても良い。
【0019】
<プリント配線基板の製造方法>
続いてプリント配線基板の製造方法について説明する。
1]最初に基板としての両面銅張り板FR−4基板、例えば松下電工株式会社製造のの製品名R−1766を用意した。
2]次に前記FR−4基板上にエッチングレジストをラミネートした。エッチングレジスト材は日合モートン株式会社製造の製品名NIT215であり、厚みは約40μm である。製造条件は密着ロール温度 105度C、圧力4kg/ 平方cmである。
3]続いて前記レジスト上に所望するパターンを形成した。製造条件は平行光の紫外線露光を使用した。
4]更に炭酸ナトリウム1wt% 水溶液にて現像形成した。
5]次にFR−4基板上のパターン部の銅板をエッチングした。エッチング液は過酸化水素−硫酸系エッチング液を各10vol%混合したものである。その後、エッチングレジスト材を剥離した。そしてプリント配線基板21に所望するパターンを得た。該パターンは電子部品23の端子24と接続される電極22である。
<部品実装プリント配線板の製造方法>
続いて、上記プリント配線基板に電子部品23を実装して部品実装プリント配線板25が製造される。
6]電極22上に錫−鉛共晶はんだペーストを塗布し、この各電極22と電子部品23の端子24とを位置合わせする。そしてリフロー装置にてハンダ付け処理される。この電子部品23は例えば、村田製作所株製の積層セラミックコンデンサ製品名GRP03−01で形状サイズ;幅0.6mm ×縦0.3mm ×高さ0.3mm と、シリコン製メモリチップで形状サイズ;幅0.6mm ×縦0.3mm ×高さ0.1mm との計2個である。
<部品内蔵プリント配線板の製造方法>
7]次に図示しない金型に、これらの部品実装プリント配線板25とプリプレグPRPとを積層状態に維持して加熱、加圧する。
【0020】
詳細説明すると次の2工程から成っている。
第1の工程はプリプレグPRPを介して、部品を実装した各部品実装プリント配線板25を積層した部品内蔵プリント配線板20を図示しない上金型と下金型とで挟持する。そして加熱加圧する。具体的には加圧値は約30Kg/ 平方cmであり加熱温度は約170度Cで約15分間である。従って、最初にプリプレグPPが硬化状態で樹脂層PP1が溶融される。電子部品23が加圧され樹脂層PP1に埋設される。そして埋設部分の樹脂が電子部品の周囲に流出する。この時、布製プリプレグPPの樹脂は溶融していないために各部品実装プリント配線板25と水平な状態で維持されている。
【0021】
続いて第2の工程で更に加熱、加圧する。具体的には加圧値は約30Kg/ 平方cmであり加熱温度は約190度Cで約15分間である。従って、プリプレグPPの樹脂が溶融する。そしてプリプレグPPが各部品実装プリント配線板25と水平な状態を維持して各電子部品がプリプレグPP内に埋設される。従ってプリプレグPRPは撓みの無い状態である。その後にプリプレグPRPが硬化し、各部品実装プリント配線板25と各電子部品を絶縁接着する。
【0022】
従って、プリプレグが回路基板の凹凸領域に沿って撓むことが無く。そして回路基板が撓むことが無い。このために部品内蔵プリント配線板の最表面の各電極高さのバラツキを抑制して、電極と端子との間隙を一定にすことができる。
<実施例2>
実施例例1、2共に積層工程で複数枚のプリプレグPRPと複数枚のプリント配線基板21とから構成される部品実装プリント配線板25を一括して加熱、加圧する積層方法で説明した。しかし1枚のプリプレグPRPと1枚のプリント配線基板21とから構成される部品実装プリント配線板25を加熱、加圧して部品内蔵プリント配線板20を製造する。その後に、これら複数の部品内蔵プリント配線板20をプリプレグPRPを介して積層し加熱、加圧して部品内蔵プリント配線板20を積層する方法でも同様な効果が得られる。
<部品内蔵プリント配線板の評価試験結果>
続いて部品内蔵プリント配線板の凹凸のバラツキと部品内蔵プリント配線板の最表面の凹凸のバラツキとを顕微鏡で計測した。バラツキは共に約0.1μm 以下である。且つ導通試験を行い基板電極と部品端子との導電接続不良の無いことを確認した。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプリプレグを使用した部品内蔵プリント配線板は電子部品を部品内蔵プリント配線板に内蔵しても部品内蔵プリント配線板の最表面の各電極高さのバラツキを抑制して、電極と端子との間隙を一定にすことができる。従ってハンダ付けの導電接続不良を防止する。結果として高品質な部品内蔵プリント配線板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る部品内蔵プリント配線板の断面図、
【図2】本実施例に係るプリプレグの断面図である。
【符号の説明】
PRP 本実施例に係るプリプレグ、
PP 従来のプリプレグ、
PP1 本実施例に係るプリプレグの樹脂層、
20 部品内蔵プリント配線板、
21 プリント配線基板、
22 プリント配線基板の電極、
23 電子部品、
24 電子部品の端子、
25 部品実装プリント配線板、

Claims (2)

  1. 芯材に樹脂を保持した第1のプリプレグと、該第1のプリプレグの両面または片面に芯材を有しない樹脂製の第2プリプレグとを配置して成るプリプレグを介して、部品実装プリント配線板相互を接着した部品内蔵プリント配線板において、
    前記第1のプリプレグの樹脂の溶融温度は前記第2のプリプレグの樹脂の溶融温度より高いことを特徴とする部品内蔵プリント配線板。
  2. 芯材に樹脂を保持した第1のプリプレグと、該第1のプリプレグの両面または片面に芯材を有しない樹脂製の第2プリプレグとを配置して成るプリプレグを介して、部品実装プリント配線板相互を位置合わせする工程と、
    次に第1の温度で前記部品実装プリント配線板相互を加熱加圧する工程と、
    続いて第1の温度より高い第2の温度で前記部品実装プリント配線板相互を加熱加圧する工程とを、
    有することを特徴とする部品内蔵プリント配線板の製造方法。
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