JP2004086049A - カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】固定筒内への漏光を簡易な構成により防止することのできるカメラを提供すること。
【解決手段】光軸に沿って直進動作する直進筒11aを有するレンズ鏡胴11を収納すると共に、前記直進筒11aに設けられたカムピン14を前記レンズ鏡胴11の光軸に沿って直進動作可能に挿通させる駆動溝13を有する固定筒1と、前記固定筒1の上面に設けられ、前記カムピン14と嵌合して該カムピン14の直進動作に伴って前記レンズ鏡胴11の光軸と交差する方向に摺動可能とされたカム板2と、前記カム板2上に設けられ、該カム板2の摺動に連動してファインダーレンズ群32をその光軸方向に移動させるファインダーユニット3とを有するカメラにおいて、前記固定筒1上面又は前記ファインダーユニット下面3aの少なくとも一方に、該ファインダーユニット3から前記固定筒1の駆動溝13内への漏光を防止する遮光用リブ16を一体に形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】光軸に沿って直進動作する直進筒11aを有するレンズ鏡胴11を収納すると共に、前記直進筒11aに設けられたカムピン14を前記レンズ鏡胴11の光軸に沿って直進動作可能に挿通させる駆動溝13を有する固定筒1と、前記固定筒1の上面に設けられ、前記カムピン14と嵌合して該カムピン14の直進動作に伴って前記レンズ鏡胴11の光軸と交差する方向に摺動可能とされたカム板2と、前記カム板2上に設けられ、該カム板2の摺動に連動してファインダーレンズ群32をその光軸方向に移動させるファインダーユニット3とを有するカメラにおいて、前記固定筒1上面又は前記ファインダーユニット下面3aの少なくとも一方に、該ファインダーユニット3から前記固定筒1の駆動溝13内への漏光を防止する遮光用リブ16を一体に形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定筒内への漏光を簡易な構成により防止するようにしたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
焦点距離を調整可能な撮影レンズ群をレンズ鏡胴内に収容したカメラは、直進筒が撮影レンズの光軸に沿って直進動作を行うことでレンズ鏡胴をカメラ本体から進退させる構造である。直進筒内には、更にその直進筒の進退動作に連動して回転しながら進退動作を行う回転筒を備えている。
【0003】
かかるカメラでは、撮影レンズ群の焦点距離が調整されることにより撮影時の画角が変化する。このため、ファインダーから覗いた際の画角を撮影レンズ群による撮影時の画角と一致させるため、直進筒の進退動作に連動するカム板を介してファインダーユニットに備えられたファインダーレンズ群を光軸に沿って移動させ、ファインダーから覗いた際の画角を調整可能としている。即ち、上記レンズ鏡胴を収納した固定筒の上面には、該レンズ鏡胴の光軸に沿って延びる溝が開口形成されており、この溝から直進筒に突設されたカムピンを挿通させて固定筒上に突出させると共に、カム板の下面には上記カムピンに嵌合する曲線状のカム溝が形成されており、上記直進筒の進退動作に連動するカムピンの直進動作によってカム板をレンズ鏡胴の光軸と交差する方向に摺動可能としている。また、カム板の表面には、ファインダーユニットに設けられたカム軸と噛合するギヤが設けられ、カム板の摺動によってギヤを介してファインダーユニット側のカム軸が回動し、このカム軸に案内されるファインダーレンズ群をその光軸に沿って移動させ、ファインダーから覗いた際の画角を調整するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、固定筒には、レンズ鏡胴の直進筒に突設されたカムピンを挿通させると共に該直進筒の進退動作に連動して直進動作するための溝(駆動溝)が開口形成されるため、該固定筒の上面側に載置状に設けられるファインダーユニットから漏れ出た光がカム板下面と固定筒上面との間の隙間から該溝を通って固定筒内に侵入する恐れがある。このため、従来のカメラでは、カム板の側縁又は下面に遮光用のモルトや植毛シート等を貼着し、固定筒上面との間の隙間からの漏光の侵入を防止するようにしている。
【0005】
しかし、カム板に遮光用のモルトや植毛シート等を貼着する場合、その貼着作業を必要とするため、部品点数の増加及びカム板の製造工程の工数増加にもつながり、それだけコスト高を招く問題があるばかりでなく、レンズ鏡胴の頻繁な進退動作に連動してカム板も頻繁に摺動を繰り返すため、それだけモルトや植毛シート等も損耗し易く、経時的に遮光性が低下したり、損耗したモルトや植毛のカスが溝内に入り込んでしまう恐れもあった。
【0006】
また、固定筒とカメラ本体との取り付け部分の隙間から侵入した光が、固定筒上面の溝から固定筒内に侵入してしまう問題もある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、固定筒内への漏光を簡易な構成により防止することのできるカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、光軸に沿って直進動作する直進筒を有するレンズ鏡胴を収納すると共に、前記直進筒に設けられたカムピンを前記レンズ鏡胴の光軸に沿って直進動作可能に挿通させる駆動溝を有する固定筒と、前記固定筒の上面に設けられ、前記カムピンと嵌合して該カムピンの直進動作に伴って前記レンズ鏡胴の光軸と交差する方向に摺動可能とされたカム板と、前記カム板上に設けられ、該カム板の摺動に連動してファインダーレンズ群をその光軸方向に移動させるファインダーユニットとを有するカメラにおいて、前記固定筒上面又は前記ファインダーユニット下面の少なくとも一方に、該ファインダーユニットから前記固定筒の駆動溝内への漏光を防止する遮光用リブを一体に形成したことを特徴とするカメラである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記遮光用リブは、前記レンズ鏡胴の光軸に沿い、且つ前記レンズ鏡胴の光軸に沿う駆動溝の長さ以上の長さで設けられることを特徴とする請求項1記載のカメラである。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記カム板の摺動を案内する摺動レールが前記固定筒上面における前記駆動溝の長さ方向の両端部近傍にそれぞれ突設され、前記遮光用リブは、前記各摺動レールの一端と連結されていることを特徴とする請求項2記載のカメラである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
最初に、本明細書における「前方側」と「後方側」について定義する。本明細書において「前方側」とは、カメラの正面側、即ち撮影レンズを収納したレンズ鏡胴が突出する側をいい、「後方側」とは、カメラの背面側、即ち撮影者により接眼される側をいう。
【0013】
図1は本発明におけるカメラの主要部を示す分解斜視図であり、図において1は固定筒、2はカム板、3はファインダーユニットである。
【0014】
固定筒1は、内部に撮影レンズ群(図示せず)が設けられたレンズ鏡胴11を、図示しない駆動手段によって撮影レンズの光軸方向に沿って進退動作可能に収納しており、図示しないカメラ本体内に取り付けられるようになっている。このレンズ鏡胴11は、撮影レンズ群の光軸に沿って直進動作する直進筒11aと、更にこの直進筒11aの内部にその直進筒11aの進退動作に連動して回転しながら撮影レンズ群の光軸に沿って進退動作を行う1又は2以上の回転筒11bとを有して構成される。なお、12はフロント地板である。
【0015】
固定筒1の上面はレンズ鏡胴11の光軸と直交する方向に亘って湾曲する円弧状を呈しており、その前方側及び後方側にそれぞれ円弧面に沿った立壁部1a、1bが形成されている。また、この固定筒1の上面には、図2に示すように、上記後方側の立壁部1bから前方側の立壁部1aのやや手前に亘って、レンズ鏡胴11の光軸に沿って延びる駆動溝13が開口形成され、この駆動溝13に前記直進筒11aから突設するカムピン14が挿通することで、該直進筒11aの直進動作に伴ってこの駆動溝13内をカムピン14が光軸方向に沿って直進動作するようになっている。
【0016】
更に、固定筒1の上面には、レンズ鏡胴11の光軸とほぼ直交する方向に沿ってカム板摺動レール15が所定高さで突設されている。このカム板摺動レール15は、上記カムピン14が挿通する駆動溝13の長さ方向両端部近傍にそれぞれ位置しており、本実施形態では、前方側の立壁部1aのやや手前に位置する駆動溝13の前方側の端部に配設されたレール15aと、駆動溝13の後方側端部近傍において、後方側の立壁部1bから若干の間隙をおいて位置するレール15bとの2本のレールからなる。なお、上記駆動溝13は、その長さ方向の両端部が各レール15a、15bの配設位置をそれぞれを越える長さに形成されているため、各レール15a、15bは該駆動溝13の部分において一部途切れている。
【0017】
カム板2は、上記駆動溝13全体を覆い隠すように上記固定筒1の各立壁部1a、1b間に亘る長さに形成された板部21と、該板部21の前方側において、カム板2が固定筒1の上面に添着された際に、前方側の立壁部1aと前方側のカム板摺動レール15aとの間に配置され、該カム板摺動レール15aの配設方向に沿うように板部21の側方に延びるギヤ部22とを有しており、このギヤ部22の上面にはギヤ22aが刻設されている。カム板2は、これら板部21、ギヤ部22が上記固定筒1上面の湾曲形状に合致する湾曲形状を呈している。
【0018】
このカム板2の裏面(固定筒1上面と対向する面)には、上記駆動溝13から突出するカムピン14が嵌合するカム溝23が凹設されており、レンズ鏡胴11の光軸に沿って曲線状に延びていると共に、上記各カム板摺動レール15a、15bに嵌合する直線状の摺動溝24(24a、24b)がそれぞれ凹設されている。従って、カム板2は、上記カム溝23が上記駆動溝13から突出するカムピン14に嵌合すると共に、上記摺動溝24が上記カム板摺動レール15と嵌合するように固定筒1の上面に添着され、この状態で上記カムピン14が駆動溝13内を直進動作するのに伴って、このカムピン14と嵌合するカム溝23に案内されながら、カム板摺動レール15に沿って固定筒1上面を、レンズ鏡胴11の光軸とほぼ直交する方向に移動可能とされている。
【0019】
図3(a)はレンズ鏡胴11がワイド位置にある時のカム板2の位置を示している。なお、ここではレンズ鏡胴11は図示省略している。この状態ではカムピン14は最も後方側(図示下側)に位置しており、カム板2の板部21は、カム溝23が上記カムピン14と嵌合することにより、カム板摺動レール15における図示左側端部に位置している。この状態からレンズ鏡胴11がテレ位置に移動すると、直進筒11aの直進動作に伴ってカムピン14は駆動溝13を前方側(図示上側)に移動し、この移動に伴って、カム板2は曲線状のカム溝23に案内されながらカム板摺動レール15に沿って図示右方向に移動する。
【0020】
カム板2が固定筒1の上面に添着された状態で、その上方からファインダーユニット3が装着される。ファインダーユニット3は、対物レンズ31から取り込まれた被写体像をファインダーレンズ群32、プリズム33、反射ミラー34を介して接眼レンズ35から出射させるように構成され、上記ファインダーレンズ群32は、該ファインダーレンズ群32に併設されたカム軸36の回動によって光軸方向に沿って移動することで間隔が調整され、接眼レンズ35から出射される被写体像の画角が調整されるようになっている。
【0021】
カム軸36の一端には、カム板2のギヤ部22上面に刻設されているギヤ22aと噛合するギヤ36aが形成されており、ファインダーユニット3がカム板2上面に装着された際に、このギヤ36aがカム板2のギヤ部22上面のギヤ22aと噛合することで、カム板2のカム板摺動レール15に沿う摺動に連動してファインダーユニット3のカム軸36が回動し、ファインダーレンズ群32を移動させるようになっている。
【0022】
固定筒1の上面におけるカム板摺動レール15の一方端部には、レンズ鏡胴11の光軸に沿い、駆動溝13と平行に遮光用リブ16が固定筒1の上面に一体に突出形成されている。この遮光用リブ16の突出高さは、図4に示すように、この上面に装着されるファインダーベース3の下面3aまで達する程度の高さとされ、また、レンズ鏡胴11の光軸に沿う長さは、駆動溝13の長さ以上の長さを有しており、これが各レール15a、15bの端部に連接されている。
【0023】
この遮光用リブ16が突設されるカム板摺動レール15の一方端部は、図4に示すように、固定筒1の上面にファインダーユニット3が装着された際に、該ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32が配設される部位と、固定筒1に開設された駆動溝13との間に位置しており、この遮光用リブ16がファインダーユニット3の下面3aまで達する程度の高さに形成されることで、ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32から駆動溝13側への漏光が阻止される。
【0024】
この遮光用リブ16は、固定筒1の上面に一体形成されるため、従来のように別部材として組み付ける必要がなく、また、非摺動部であるため、レンズ鏡胴11の度重なる進退動作によって損耗等することがない。特に、この遮光用リブ16は、本実施形態に示すように、レンズ鏡胴11の光軸に沿う駆動溝13の長さ以上の長さで設けられていると、駆動溝13全体に亘って漏光の侵入を阻止する効果が高いために好ましい。また、遮光用リブ16がカム板摺動レール15a、15bの一方端部と連結されていることで、ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32側からの漏光を遮光用リブ16と各カム板摺動レール15a、15bとで囲むように阻止するため、漏光阻止効果が高く好ましい。
【0025】
本実施形態では、図4に示すように、ファインダーユニット3の下面3aに、固定筒1の上面に向けて突出するリブ37をレンズ鏡胴11の光軸方向に沿って一体形成し、ファインダーユニット3が固定筒1の上面に装着された時に、このリブ37が遮光用リブ16の側面に当接するように構成し、ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32から駆動溝13側へ至る光路を屈曲させることで、漏光阻止効果をより高めている。
【0026】
ファインダーユニット3の下面3aから突出するリブ37を固定筒1の上面に達する程度の高さに突設することで、このリブ37が単独で遮光用リブとして機能するようにしてもよく、この場合は必ずしも固定筒1上面に遮光用リブ16を突設しなくてもよい。
【0027】
なお、図示しないが、遮光用リブ16に遮光用のモルトや植毛を設けることで、漏光阻止効果を更に高めるようにしてもよい。この場合、遮光用リブ16にモルトや植毛を設けても摺動することがないため、従来のようにモルトや植毛が摺動により損耗するような問題はない。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、固定筒上面又はファインダーユニット下面の少なくとも一方に、該ファインダーユニットから固定筒の駆動溝内への漏光を防止する遮光用リブを一体に形成したことにより、固定筒内への漏光を簡易な構成で防止することのできるカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラの主要部を示す分解斜視図
【図2】固定筒の構造を示す平面図
【図3】(a)はレンズ鏡胴がワイド位置にあるときのカム板の位置を示す固定筒の平面図、(b)はレンズ鏡胴がテレ位置にあるときのカム板の位置を示す固定筒の平面図
【図4】固定筒上にファインダーユニットを装着した状態の部分断面図
【符号の説明】
1:固定筒
1a、1b:立壁部
11:レンズ鏡胴
11a:直進筒
11b:回転筒
12:フロント地板
13:駆動溝
14:カムピン
15:カム板摺動レール
16:遮光用リブ
2:カム板
21:板部
22:ギヤ部
22a:ギヤ
23:カム溝
24:摺動溝
3:ファインダーユニット
3a:下面
31:対物レンズ
32:ファインダーレンズ群
33:プリズム
34:反射ミラー
35:接眼レンズ
36:カム軸
36a:ギヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定筒内への漏光を簡易な構成により防止するようにしたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
焦点距離を調整可能な撮影レンズ群をレンズ鏡胴内に収容したカメラは、直進筒が撮影レンズの光軸に沿って直進動作を行うことでレンズ鏡胴をカメラ本体から進退させる構造である。直進筒内には、更にその直進筒の進退動作に連動して回転しながら進退動作を行う回転筒を備えている。
【0003】
かかるカメラでは、撮影レンズ群の焦点距離が調整されることにより撮影時の画角が変化する。このため、ファインダーから覗いた際の画角を撮影レンズ群による撮影時の画角と一致させるため、直進筒の進退動作に連動するカム板を介してファインダーユニットに備えられたファインダーレンズ群を光軸に沿って移動させ、ファインダーから覗いた際の画角を調整可能としている。即ち、上記レンズ鏡胴を収納した固定筒の上面には、該レンズ鏡胴の光軸に沿って延びる溝が開口形成されており、この溝から直進筒に突設されたカムピンを挿通させて固定筒上に突出させると共に、カム板の下面には上記カムピンに嵌合する曲線状のカム溝が形成されており、上記直進筒の進退動作に連動するカムピンの直進動作によってカム板をレンズ鏡胴の光軸と交差する方向に摺動可能としている。また、カム板の表面には、ファインダーユニットに設けられたカム軸と噛合するギヤが設けられ、カム板の摺動によってギヤを介してファインダーユニット側のカム軸が回動し、このカム軸に案内されるファインダーレンズ群をその光軸に沿って移動させ、ファインダーから覗いた際の画角を調整するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、固定筒には、レンズ鏡胴の直進筒に突設されたカムピンを挿通させると共に該直進筒の進退動作に連動して直進動作するための溝(駆動溝)が開口形成されるため、該固定筒の上面側に載置状に設けられるファインダーユニットから漏れ出た光がカム板下面と固定筒上面との間の隙間から該溝を通って固定筒内に侵入する恐れがある。このため、従来のカメラでは、カム板の側縁又は下面に遮光用のモルトや植毛シート等を貼着し、固定筒上面との間の隙間からの漏光の侵入を防止するようにしている。
【0005】
しかし、カム板に遮光用のモルトや植毛シート等を貼着する場合、その貼着作業を必要とするため、部品点数の増加及びカム板の製造工程の工数増加にもつながり、それだけコスト高を招く問題があるばかりでなく、レンズ鏡胴の頻繁な進退動作に連動してカム板も頻繁に摺動を繰り返すため、それだけモルトや植毛シート等も損耗し易く、経時的に遮光性が低下したり、損耗したモルトや植毛のカスが溝内に入り込んでしまう恐れもあった。
【0006】
また、固定筒とカメラ本体との取り付け部分の隙間から侵入した光が、固定筒上面の溝から固定筒内に侵入してしまう問題もある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、固定筒内への漏光を簡易な構成により防止することのできるカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、光軸に沿って直進動作する直進筒を有するレンズ鏡胴を収納すると共に、前記直進筒に設けられたカムピンを前記レンズ鏡胴の光軸に沿って直進動作可能に挿通させる駆動溝を有する固定筒と、前記固定筒の上面に設けられ、前記カムピンと嵌合して該カムピンの直進動作に伴って前記レンズ鏡胴の光軸と交差する方向に摺動可能とされたカム板と、前記カム板上に設けられ、該カム板の摺動に連動してファインダーレンズ群をその光軸方向に移動させるファインダーユニットとを有するカメラにおいて、前記固定筒上面又は前記ファインダーユニット下面の少なくとも一方に、該ファインダーユニットから前記固定筒の駆動溝内への漏光を防止する遮光用リブを一体に形成したことを特徴とするカメラである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記遮光用リブは、前記レンズ鏡胴の光軸に沿い、且つ前記レンズ鏡胴の光軸に沿う駆動溝の長さ以上の長さで設けられることを特徴とする請求項1記載のカメラである。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記カム板の摺動を案内する摺動レールが前記固定筒上面における前記駆動溝の長さ方向の両端部近傍にそれぞれ突設され、前記遮光用リブは、前記各摺動レールの一端と連結されていることを特徴とする請求項2記載のカメラである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
最初に、本明細書における「前方側」と「後方側」について定義する。本明細書において「前方側」とは、カメラの正面側、即ち撮影レンズを収納したレンズ鏡胴が突出する側をいい、「後方側」とは、カメラの背面側、即ち撮影者により接眼される側をいう。
【0013】
図1は本発明におけるカメラの主要部を示す分解斜視図であり、図において1は固定筒、2はカム板、3はファインダーユニットである。
【0014】
固定筒1は、内部に撮影レンズ群(図示せず)が設けられたレンズ鏡胴11を、図示しない駆動手段によって撮影レンズの光軸方向に沿って進退動作可能に収納しており、図示しないカメラ本体内に取り付けられるようになっている。このレンズ鏡胴11は、撮影レンズ群の光軸に沿って直進動作する直進筒11aと、更にこの直進筒11aの内部にその直進筒11aの進退動作に連動して回転しながら撮影レンズ群の光軸に沿って進退動作を行う1又は2以上の回転筒11bとを有して構成される。なお、12はフロント地板である。
【0015】
固定筒1の上面はレンズ鏡胴11の光軸と直交する方向に亘って湾曲する円弧状を呈しており、その前方側及び後方側にそれぞれ円弧面に沿った立壁部1a、1bが形成されている。また、この固定筒1の上面には、図2に示すように、上記後方側の立壁部1bから前方側の立壁部1aのやや手前に亘って、レンズ鏡胴11の光軸に沿って延びる駆動溝13が開口形成され、この駆動溝13に前記直進筒11aから突設するカムピン14が挿通することで、該直進筒11aの直進動作に伴ってこの駆動溝13内をカムピン14が光軸方向に沿って直進動作するようになっている。
【0016】
更に、固定筒1の上面には、レンズ鏡胴11の光軸とほぼ直交する方向に沿ってカム板摺動レール15が所定高さで突設されている。このカム板摺動レール15は、上記カムピン14が挿通する駆動溝13の長さ方向両端部近傍にそれぞれ位置しており、本実施形態では、前方側の立壁部1aのやや手前に位置する駆動溝13の前方側の端部に配設されたレール15aと、駆動溝13の後方側端部近傍において、後方側の立壁部1bから若干の間隙をおいて位置するレール15bとの2本のレールからなる。なお、上記駆動溝13は、その長さ方向の両端部が各レール15a、15bの配設位置をそれぞれを越える長さに形成されているため、各レール15a、15bは該駆動溝13の部分において一部途切れている。
【0017】
カム板2は、上記駆動溝13全体を覆い隠すように上記固定筒1の各立壁部1a、1b間に亘る長さに形成された板部21と、該板部21の前方側において、カム板2が固定筒1の上面に添着された際に、前方側の立壁部1aと前方側のカム板摺動レール15aとの間に配置され、該カム板摺動レール15aの配設方向に沿うように板部21の側方に延びるギヤ部22とを有しており、このギヤ部22の上面にはギヤ22aが刻設されている。カム板2は、これら板部21、ギヤ部22が上記固定筒1上面の湾曲形状に合致する湾曲形状を呈している。
【0018】
このカム板2の裏面(固定筒1上面と対向する面)には、上記駆動溝13から突出するカムピン14が嵌合するカム溝23が凹設されており、レンズ鏡胴11の光軸に沿って曲線状に延びていると共に、上記各カム板摺動レール15a、15bに嵌合する直線状の摺動溝24(24a、24b)がそれぞれ凹設されている。従って、カム板2は、上記カム溝23が上記駆動溝13から突出するカムピン14に嵌合すると共に、上記摺動溝24が上記カム板摺動レール15と嵌合するように固定筒1の上面に添着され、この状態で上記カムピン14が駆動溝13内を直進動作するのに伴って、このカムピン14と嵌合するカム溝23に案内されながら、カム板摺動レール15に沿って固定筒1上面を、レンズ鏡胴11の光軸とほぼ直交する方向に移動可能とされている。
【0019】
図3(a)はレンズ鏡胴11がワイド位置にある時のカム板2の位置を示している。なお、ここではレンズ鏡胴11は図示省略している。この状態ではカムピン14は最も後方側(図示下側)に位置しており、カム板2の板部21は、カム溝23が上記カムピン14と嵌合することにより、カム板摺動レール15における図示左側端部に位置している。この状態からレンズ鏡胴11がテレ位置に移動すると、直進筒11aの直進動作に伴ってカムピン14は駆動溝13を前方側(図示上側)に移動し、この移動に伴って、カム板2は曲線状のカム溝23に案内されながらカム板摺動レール15に沿って図示右方向に移動する。
【0020】
カム板2が固定筒1の上面に添着された状態で、その上方からファインダーユニット3が装着される。ファインダーユニット3は、対物レンズ31から取り込まれた被写体像をファインダーレンズ群32、プリズム33、反射ミラー34を介して接眼レンズ35から出射させるように構成され、上記ファインダーレンズ群32は、該ファインダーレンズ群32に併設されたカム軸36の回動によって光軸方向に沿って移動することで間隔が調整され、接眼レンズ35から出射される被写体像の画角が調整されるようになっている。
【0021】
カム軸36の一端には、カム板2のギヤ部22上面に刻設されているギヤ22aと噛合するギヤ36aが形成されており、ファインダーユニット3がカム板2上面に装着された際に、このギヤ36aがカム板2のギヤ部22上面のギヤ22aと噛合することで、カム板2のカム板摺動レール15に沿う摺動に連動してファインダーユニット3のカム軸36が回動し、ファインダーレンズ群32を移動させるようになっている。
【0022】
固定筒1の上面におけるカム板摺動レール15の一方端部には、レンズ鏡胴11の光軸に沿い、駆動溝13と平行に遮光用リブ16が固定筒1の上面に一体に突出形成されている。この遮光用リブ16の突出高さは、図4に示すように、この上面に装着されるファインダーベース3の下面3aまで達する程度の高さとされ、また、レンズ鏡胴11の光軸に沿う長さは、駆動溝13の長さ以上の長さを有しており、これが各レール15a、15bの端部に連接されている。
【0023】
この遮光用リブ16が突設されるカム板摺動レール15の一方端部は、図4に示すように、固定筒1の上面にファインダーユニット3が装着された際に、該ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32が配設される部位と、固定筒1に開設された駆動溝13との間に位置しており、この遮光用リブ16がファインダーユニット3の下面3aまで達する程度の高さに形成されることで、ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32から駆動溝13側への漏光が阻止される。
【0024】
この遮光用リブ16は、固定筒1の上面に一体形成されるため、従来のように別部材として組み付ける必要がなく、また、非摺動部であるため、レンズ鏡胴11の度重なる進退動作によって損耗等することがない。特に、この遮光用リブ16は、本実施形態に示すように、レンズ鏡胴11の光軸に沿う駆動溝13の長さ以上の長さで設けられていると、駆動溝13全体に亘って漏光の侵入を阻止する効果が高いために好ましい。また、遮光用リブ16がカム板摺動レール15a、15bの一方端部と連結されていることで、ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32側からの漏光を遮光用リブ16と各カム板摺動レール15a、15bとで囲むように阻止するため、漏光阻止効果が高く好ましい。
【0025】
本実施形態では、図4に示すように、ファインダーユニット3の下面3aに、固定筒1の上面に向けて突出するリブ37をレンズ鏡胴11の光軸方向に沿って一体形成し、ファインダーユニット3が固定筒1の上面に装着された時に、このリブ37が遮光用リブ16の側面に当接するように構成し、ファインダーユニット3のファインダーレンズ群32から駆動溝13側へ至る光路を屈曲させることで、漏光阻止効果をより高めている。
【0026】
ファインダーユニット3の下面3aから突出するリブ37を固定筒1の上面に達する程度の高さに突設することで、このリブ37が単独で遮光用リブとして機能するようにしてもよく、この場合は必ずしも固定筒1上面に遮光用リブ16を突設しなくてもよい。
【0027】
なお、図示しないが、遮光用リブ16に遮光用のモルトや植毛を設けることで、漏光阻止効果を更に高めるようにしてもよい。この場合、遮光用リブ16にモルトや植毛を設けても摺動することがないため、従来のようにモルトや植毛が摺動により損耗するような問題はない。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、固定筒上面又はファインダーユニット下面の少なくとも一方に、該ファインダーユニットから固定筒の駆動溝内への漏光を防止する遮光用リブを一体に形成したことにより、固定筒内への漏光を簡易な構成で防止することのできるカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラの主要部を示す分解斜視図
【図2】固定筒の構造を示す平面図
【図3】(a)はレンズ鏡胴がワイド位置にあるときのカム板の位置を示す固定筒の平面図、(b)はレンズ鏡胴がテレ位置にあるときのカム板の位置を示す固定筒の平面図
【図4】固定筒上にファインダーユニットを装着した状態の部分断面図
【符号の説明】
1:固定筒
1a、1b:立壁部
11:レンズ鏡胴
11a:直進筒
11b:回転筒
12:フロント地板
13:駆動溝
14:カムピン
15:カム板摺動レール
16:遮光用リブ
2:カム板
21:板部
22:ギヤ部
22a:ギヤ
23:カム溝
24:摺動溝
3:ファインダーユニット
3a:下面
31:対物レンズ
32:ファインダーレンズ群
33:プリズム
34:反射ミラー
35:接眼レンズ
36:カム軸
36a:ギヤ
Claims (3)
- 光軸に沿って直進動作する直進筒を有するレンズ鏡胴を収納すると共に、前記直進筒に設けられたカムピンを前記レンズ鏡胴の光軸に沿って直進動作可能に挿通させる駆動溝を有する固定筒と、前記固定筒の上面に設けられ、前記カムピンと嵌合して該カムピンの直進動作に伴って前記レンズ鏡胴の光軸と交差する方向に摺動可能とされたカム板と、前記カム板上に設けられ、該カム板の摺動に連動してファインダーレンズ群をその光軸方向に移動させるファインダーユニットとを有するカメラにおいて、前記固定筒上面又は前記ファインダーユニット下面の少なくとも一方に、該ファインダーユニットから前記固定筒の駆動溝内への漏光を防止する遮光用リブを一体に形成したことを特徴とするカメラ。
- 前記遮光用リブは、前記レンズ鏡胴の光軸に沿い、且つ前記レンズ鏡胴の光軸に沿う駆動溝の長さ以上の長さで設けられることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- 前記カム板の摺動を案内する摺動レールが前記固定筒上面における前記駆動溝の長さ方向の両端部近傍にそれぞれ突設され、前記遮光用リブは、前記各摺動レールの一端と連結されていることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
Priority Applications (1)
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-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002249363A patent/JP2004086049A/ja active Pending
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