JP2004085949A - 感光材料処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理薬品の補充不良による感光材料の現像不良を未然に防ぐことのできる感光材料処理装置を提供する。
【解決手段】感光材料を浸漬処理する処理液を満たす処理槽(474、476、478)と、顆粒状もしくは粉体状の処理剤を貯留する貯留部(100)と、前記処理槽の少なくとも一つに前記処理剤を補充する処理剤補充手段(88)と、補充水を供給する補充水補充手段とを有する感光材料処理装置であって、前記感光材料の処理量情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報に応じて前記処理剤補充手段と前記補充水補充手段を制御する制御手段(17)とを有し、前記貯留部が、貯留部内処理剤残量を計量するための計量手段(104、106)を少なくとも1つ有する感光材料処理装置(400)。
【選択図】 図1
【解決手段】感光材料を浸漬処理する処理液を満たす処理槽(474、476、478)と、顆粒状もしくは粉体状の処理剤を貯留する貯留部(100)と、前記処理槽の少なくとも一つに前記処理剤を補充する処理剤補充手段(88)と、補充水を供給する補充水補充手段とを有する感光材料処理装置であって、前記感光材料の処理量情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報に応じて前記処理剤補充手段と前記補充水補充手段を制御する制御手段(17)とを有し、前記貯留部が、貯留部内処理剤残量を計量するための計量手段(104、106)を少なくとも1つ有する感光材料処理装置(400)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、劣化又は減少した露光済みハロゲン化銀写真感光材料の処理液の補充に顆粒状もしくは粉体状の写真感光材料処理薬品を補充する補充装置及び前記の写真感光材料処理薬品を貯留する貯留部を備えた感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルム等の感光材料は、一般的に発色現像液、漂白定着液等の処理液の貯留された複数の処理槽を順に搬送されることによって発色現像処理される。これらの処理液は、感光材料の処理、上流側の処理液の持ち込み等によって劣化するため、感光材料処理装置では、感光材料の処理量等に基づいて補充用の溶液が補充されるようなシステムになっている。
【0003】
近年、処理薬品の補充については、取扱いの簡便性、溶液の減量化等の観点から、粉末、顆粒、錠剤状等の固形の写真処理薬品を装置に補給する方法が提案されている。例えば、特開平7−248597号公報及び特開平7−271000号公報に記載の装置では、貯槽(ホッパー)に入れられた錠剤状または顆粒状の固形写真薬品をスクリューフィーダーで溶解槽に搬送する構成である。
【0004】
ところで、粉体または顆粒形状をした固形写真薬品は、その成分であるチオ硫酸アンモニウム、苛性ソーダ、炭酸カリウム等の吸湿により潮解、固化しやすい薬品を含んでいる。他方、感光材料自動現像機は、中に現像や漂白定着のための写真薬品の水溶液の入った処理槽があるため、内部が高温多湿の状態になる。このため、粉体又は顆粒形状をした写真薬品補充装置においては、排出口部で薬品の固化や潮解トラブルが生じ易く、閉塞が生じる懸念がある。
【0005】
排出部で閉塞が生じても例えば補充装置がロータリーフィーダーであった場合でローターが回転し続けた場合、一見補充装置は正常に動作しているかのようであっても、ロータリーフィーダーのローターの升(ローターの羽と羽の間の空間部分)に粉体又は顆粒が詰まったまま、投入点に達しても落下しないでローター部が回り続けるトラブルが生じる。また、粉体又は顆粒形状をした写真薬品は、排出口で閉塞が生じなくてもローターの各升で固着することもあり、補充動作が不安定になったり、極端な場合には補充装置が破損することもある。
【0006】
特開平7−248597号公報及び特開平7−271000号公報に記載の装置では、固形写真薬品の詰まり等の搬送不良を警報する手段が無いため、搬送不良が生じると、処理液の劣化が進み、除々に現像不良が拡大する。例えば、現像剤が不足する場合は充分に現像進行が進まないため、特に濃度の高い部分の濃度が低くなり、また、漂白剤・定着材が不足する場合は脱銀が完全に行われず、絵が黒ずむか灰色がかかって見える。したがって、オペレーターは現像された写真用感光材料(フィルムまたはプリント等)の品質が劣化してから、始めて処理剤が適正に補充されなかった事に気づくことになり、手遅れになるという問題があった。
【0007】
上記の問題を解決するために、コニカ(株)製のエコジェット(商品名)では、補充装置内部に検出装置として光電管方式(発光部と受光部がある方式)が採用されている。しかし、この装置は固形写真薬品として錠剤を用いており、粉末又は顆粒状の固形写真薬品を用いた場合には、光電管方式では発光部及び/又は受光部の表面に粉末や顆粒から発生する粉塵が付着し、誤検が発生したり不安定になることがあるという問題があった。
【0008】
写真薬品補充装置内の粉体又は顆粒を精度よく計量するためのレベル検出手段としては、粉体技術ポケットブック(工業調査会)第12編 計測・制御 12.1 レベル検出器(pp.423〜431)に記載の方法を適用することが考えられる。レベル検出器の種類について表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
しかし、表1に記載された従来の方式では重量式でホッパー全体を計量する以外に正確に検出する方法が見当たらない。また、重量式は、計量値を電気的に処理する必要があるので電気抵抗線式秤(ロードセル)を用いる必要があるが、これは精度は高いものの高価である。また、一般に自動現像機からは処理槽から揮発してくる微量の亜硫酸ガスやアンモニアガスがあるため、ロードセルの心臓部に入り込み腐食させることがあり、著しく精度が低下するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、処理薬品の補充不良による感光材料の現像不良を未然に防ぐことのできる感光材料処理装置を提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
ところで、秤における重量の検出手段の一つに静電容量式(空気コンデンサー式)のものが知られている(特開2002−71443号等)。これは重量に比例して変形する板ばねや起歪体といった弾性体の特性を生かし、弾性体の変形量に応じて静電容量式センサからの電気的信号から重量値を算出するものである。この弾性体や電極板からなる静電容量式のセンサユニット部は、僅かな荷重でも検出可能なように弾性体が変形し、それに応じて電極板間隔が変化するように設計された精密なものである。
【0013】
また、オートフォーカスカメラに用いられている測距センサーは、赤外投光による三角測量の原理を応用したセンサーであり、受光素子上での反射光の位置を測定することで対象物までの距離を測定できることが知られている(特開2001−208538号等)。このセンサーは、対象物からの反射光の光量で判定する反射光量式センサーに比べて対象物の反射率への依存度が低く、また、温度変化を検出する焦電センサーに比べて動かない人間や温度差のない物体の検出が可能であり、各種装置の省エネ用センサー、サニタリ・自動ドア用人体感知センサー、在室・通過検知用センサー、自動証明用人体検知センサー、ハンドドライヤー用手検知センサー等の用途に応用されている。
【0014】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記の空気コンデンサー式の重量センサーを用いて処理剤補充装置内の処理剤残量を計量することにより、低コストかつ高精度で処理剤補充装置内を監視することができ、低コストで感光材料の現像不良を未然に防ぐことができることを見い出した。また本発明者は、オートフォーカスカメラ等に用いられている測距センサーを用いて処理剤補充装置内の処理剤残量を計量することによっても、低コストで感光材料の現像不良を未然に防止できることを見い出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、
(1)感光材料を浸漬処理する処理液を満たす処理槽と、
顆粒状もしくは粉体状の処理剤を貯留する貯留部と、
前記処理槽の少なくとも一つに前記処理剤を補充する処理剤補充手段と、
補充水を供給する補充水補充手段とを有する感光材料処理装置であって、
前記感光材料の処理量情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報に応じて前記処理剤補充手段と前記補充水補充手段を制御する制御手段とを有し、
前記貯留部が、貯留部内処理剤残量を計量するための計量手段を少なくとも1つ有することを特徴とする感光材料処理装置、
(2)前記貯留部内処理剤残量を計量するのに処理剤の上面位置を計測できる測距センサーを用いることを特徴とする(1)項に記載の感光材料処理装置、
(3)前記測距センサーとして赤外線投光式測距センサーを用いることを特徴とする(2)項に記載の感光材料処理装置、
(4)前記貯留部内処理剤残量を計量するのに処理剤と貯留部との合計の重量を計測できる重量センサーを用いることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の感光材料処理装置、および
(5)前記重量センサーとして空気コンデンサー式重量センサーを用いることを特徴とする(4)項に記載の感光材料処理装置
を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感光材料処理装置の好ましい一実施態様について、図1〜3にしたがって説明する。各図の説明において同一の要素には同一の符号を付す。
【0017】
図1は、本発明の感光材料処理装置の好ましい一実施態様の概略構成図である。この感光材料処理装置400のプリンタ部を構成する写真焼付部412は、ペーパーPが収納されたペーパマガジン414を装填できるような構造となっている。このペーパマガジン414の図1上、左上側には、ペーパーPの先端部付近が巻き掛けられる駆動ローラ416が回転自在に支持されており、写真焼付部412内の図示しないモータの駆動力をこの駆動ローラ416が受けて回転する。また、駆動ローラ416に対向した位置には、ペーパーPを介して一対のニップローラ418が配置されている。この為、駆動ローラ416がこれらニップローラ418との間でペーパーPを挟持して、ペーパーPを写真焼付部412内へ送り出すことになる。
【0018】
他方、写真焼付部412内には、上下一対の刃からなると共にモータ420によりこの刃が移動されるカッタ422が設置されており、ペーパマガジン414から出て来たペーパーPをこのカッタ422が即座に切断することになる。図1上、カッタ422に対して右側であるペーパーPの搬送方向下流側には、上面が水平方向(図1上、左右方向)に沿うように形成された支持台446が配置されている。この支持台446とカッタ422との間には、無端ベルト444が巻き掛けられる巻掛ローラ452が水平方向(図1上、紙面に対して直交する方向)に配置されている。また、この巻掛ローラ452の上側には、巻掛ローラ452との間で無端ベルト444を挟持するニップローラ454が配置されている。
【0019】
この支持台446に対してペーパーPの搬送方向下流側には、無端ベルト444が巻き掛けられる案内ローラ456が位置している。この案内ローラ456に隣接した位置には、下面側が巻掛ローラ452上面側とほぼ同一の高さとなるような押さえローラ458が配置されており、この押さえローラ458が無端ベルト444の外周を押圧している。すなわち、図1に示すように、この部分の無端ベルト444をS字状としている。さらに、無端ベルト444は、案内ローラ456の下側でテンションローラ462へ巻き掛けられて、逆三角形の移動軌跡が形成されている。そして、案内ローラ456は、図示しないモータの駆動力によって駆動回転され、無端ベルト444を図1上、時計回転方向に回転させる。
【0020】
一方、無端ベルト444にはその全域に亘って多数の小孔(図示せず)が形成されており、この無端ベルト444の一部が載置される支持台446の上面には、無端ベルト444の小孔に対応して多数の孔部(図示せず)が形成されている。さらに、この支持台446の内部は空洞状に形成されており、無端ベルト444の幅方向両端に対応して形成された一対の連通ダークト466(図1上、一方のみ示す)がこの支持台446に接続されている。これらの連通ダークト466は、支持台446の下側を通過する無端ベルト444の部分を迂回して無端ベルト444の下方へと至り、吸引ファン468が設けられたファンボックス470へと接続されている。他方、図1に示される如く、支持台446上を移動する無端ベルト444の上部には、イーゼル装置464が設けられており、縁有画像をペーパーP上に焼付露光する場合に、このイーゼル装置464内の図示しない可動片でペーパーPの周囲を覆うようになっている。
【0021】
また、感光材料処理装置400の外枠を構成するケーシング400A外であってイーゼル装置464の直上の位置には、光を拡散する拡散ボックス428が配置されており、その右隣に、それぞれ光路への挿入フィルタ量を変え得るよう移動可能なC、M、Yの3組のフィルタから構成されるCCフィルタ424が配置されている。従って、このCCフィルタ424に隣合って位置する光源426から照射された光線がCCフィルタ424を通過した後、拡散ボックス428により拡散されつつ屈曲されて、直下に送られることになる。そして、このケーシング400Aの上面に載置されているネガキャリア430上のネガフィルムNをこの光線が透過する。
【0022】
さらに、写真焼付部412内に設置されたガイドレール432に、支持板434が水平方向(図1上、紙面に対して直交する方向)に移動可能に支持されており、前記光線の光軸線S上にそれぞれ配置されるようにプリズム436及びズームレンズ438がこの支持板434に取り付けられている。従って、ネガフィルムNを透過して露光光線となった光線は、プリズム436を通過した後、さらに拡大倍率を変更可能なズームレンズ438を通過してイーゼル装置464の下に位置するペーパーP上に、ネガフィルムNの画像を結像させる。
【0023】
また、写真焼付部412内には、ネガフィルムNの濃度を測定する例えば色フィルタとCCD等の光センサにより構成される濃度測定器440が配置されており、プリズム436により水平方向に屈曲された光線がこの濃度測定器440に送られるようになっている。この濃度測定器440は、図示しないコントローラに接続されており、濃度測定器440によって測定されたデータ及び、作業者によりキー入力されたデータに基づいて、焼付露光時の露光補正値が設定される。さらに、ズームレンズ438とイーゼル装置464の間の光路には、CCフィルタ424で色と強度が調光されネガフィルムNを透過した光を、所定時間の間焼付露光するブラックシャッタ441が設けられている。
【0024】
以上のような構造に写真焼付部412がなっている為、ペーパマガジン414から送り出されたペーパーPは、カッタ422で所望長さに切断された後に、無端ベルト444に乗せられて露光光線の光軸線S上の位置である画像焼付位置へと搬送される。そして、光源426側からの露光光線がプリズム436及びズームレンズ438等を介してペーパーPに到達し、ブラックシャッタ441が所定時間開くことにより、ネガフィルムNに記録された画像がペーパーP上に焼付露光され、この画像が焼き付けられた部分が画像部分となる。この際、支持台446内の空気は、連通ダークト466を介して無端ベルト444のループ内から幅方向両端へ抜け出し、吸引ファン468で吸引されて外部へ吹き出されるので、支持台446内が負圧となる。この負圧は支持台446の孔部、無端ベルト444の小孔を介して無端ベルト444上のペーパーPへと伝達され、ペーパーPが矢印Aで示すように、無端ベルト444へ吸引される。この為、ペーパーPが単に無端ベルト444に乗せられるだけでなく、無端ベルト444側に吸引されるので、ペーパーPが、確実に無端ベルト444により搬送されると共に、画像焼付位置上で水平状態に配置されることになる。
【0025】
さらに、画像の焼付露光が終了したペーパーPは、案内ローラ456と押さえローラ458との間に挟持されて、その搬送方向が水平方向から垂直方向へと変更されて垂直方向に送り出される。この後、ペーパーPの搬送経路を表す経路Kで示されるように、ペーパーPは、複数対のローラによって構成される搬送路460を介して、発色現像、漂白定着、水洗及び乾燥の各処理を行うプロセッサ部472へ搬送される。なお、搬送路460には、ペーパーPを検出するセンサ16Aが設けられており、制御装置17は、ペーパーPの先端及び後端をセンサ16Aで検出した時間、ペーパーPの搬送速度、予め分かっているペーパーPの幅に基づいて処理面積を計算することができるようになっている。
【0026】
以上でネガフィルムNの画像1コマ分の焼付露光処理が終了する。これを繰り返すことにより、焼付露光処理されたペーパーPが1枚づつ順次プロセッサ部472に搬送される。このプロセッサ部472の内の発色現像槽474には発色現像液が溜められていて、ペーパーPをこの発色現像液に浸して発色現像処理を行う。
【0027】
発色現像処理されたペーパーPは発色現像槽474と隣接する漂白定着槽476へ搬送される。漂白定着槽476には漂白定着液が溜められていて、ペーパーPをこの漂白定着液に浸して漂白処理及び漂白定着処理を行う。
【0028】
漂白定着処理されたペーパーPは、漂白定着槽476に隣接すると共にそれぞれ水洗水が溜められた複数の第1水洗槽478A、第2水洗槽478B、第3水洗槽478C、第4水洗槽478Dからなる水洗部478へ搬送され、ペーパーPを水洗槽内の水洗水に浸して水洗処理を行う。
【0029】
水洗処理されたペーパーPは水洗部478の上部に位置する乾燥部480へ搬送される。乾燥部480は、ペーパーPの搬送経路の下側に配置された図示しないチャンバより上方に向かって送風される熱風にペーパーPをさらして、ペーパーPを乾燥させる。
【0030】
乾燥部480に対してペーパーPの搬送方向下流側には複数対のローラによって構成される搬送路484が配設されており、乾燥処理が終了して乾燥部480から排出されたペーパーPは、これら複数対のローラにそれぞれ挟持されて感光材料処理装置400の外部へ排出され、製品ストック部486に積み重ねられる。
【0031】
以下に各処理槽について説明する。まず発色現像槽について図2を参照しながら説明する。図2は、処理剤貯留部及びマスフィーダーの拡大概略構成図である。
発色現像槽474の側部には図2に示す補助槽40が設けられている。発色現像槽474と補助槽40との間の隔壁には、開口(図示せず)が形成されており、発色現像液が発色現像槽474と補助槽40との間を行き来できるようになっている。
【0032】
また、補助槽40には、補助槽の内部の発色現像液を加温するヒーターを備えた配管の一端が連結されており、配管の他端は発色現像槽474の底部に設けられた開口部に接続され、発色現像液は、循環ポンプの作動により、補助槽40、配管及び発色現像槽474を経由し、再び補助槽40へと循環し、ヒーターによって所定の温度に加温され、また、組成が均一化されるようになっている。
【0033】
補助槽40の上部は天面54によって塞がれており、天面54には、後述するマスフィーダー88から補充される顆粒状の補充剤93を槽内に投入するための開口56が形成されている。また、補助槽40には、補充水を補充するための配管(図示せず)も接続されている。
【0034】
補助槽40の天面54の上には、マスフィーダー88が搭載されている。マスフィーダー88は駆動装置70を備えており、駆動装置70は、モータ74、モータで回転されるピニオン76及びシャッター板68に連結されてピニオン76と噛み合うラック78を備えている。なお、図2に示した態様では、発色現像用処理剤と漂白定着用処理剤とをひとつのマスフィーダー88で補充しているが、図1に示したように一種の処理剤をひとつのマスフィーダーで補充してもよい。マスフィーダー88の内部には、マス移動フィーダー90が配置されている。マス移動フィーダー90は、駆動装置70によって矢印L方向及び矢印R方向に移動する。マス移動フィーダー90には処理薬品補充1回分の体積に相当する孔61が設けられている。孔61は上部および下部が開口しており、マス移動フィーダー90の移動により、孔61の上側には顆粒状の補充剤93を貯留する処理剤貯留部100の出口63が連結されたり、また、マスフィーダー88の移動により、孔61の下側には補助槽40の天面54に設けられた開口56が連結されたりする。
【0035】
また、マス移動フィーダー90には、ボールが入るポケット部67が設けられている。ポケット部67は下部が開口しており、ここに補助槽40の天面54に設けられた開口56がマス移動フィーダー90の移動により連結される。このポケット部67には、表面が軟質部材で覆われた球状の弁体(ボールシャッター)69が設けられる。球状の弁体69の直径は開口56よりも大きく、マス移動フィーダー90が補充動作のために移動するとき、ボールシャッター69も一緒に転がり移動して開口56を塞いでシャッターの役割を果たす。
また、マス移動フィーダー90にはシャッター板68が付設されている。シャッター板68はマスフィーダー88と補助槽40の天面54との間に設けられ、駆動装置70によるマス移動フィーダー90の移動に合わせて連動する。
【0036】
なお、処理剤貯留部100の上部開口は開閉可能な蓋103によって覆われており、蓋103を閉めることによって内部を密閉することができる。この発色現像槽474の処理剤貯留部100には、顆粒状とされた発色現像用の補充剤93が入れられる。
【0037】
顆粒状とされた発色現像用の補充剤93としては、例えば、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−〔β−(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸塩、ポリエチレングリコール、N−ラウロイルアラニンナトリウム、ジスルホエチルヒドロキシルアミン2ナトリウム塩、チノパールSFP(チバガイギー社製、商品名)、亜硫酸ナトリウム、臭化カリウム、ジエチレントリアミン5酢酸、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、水酸化カリウム、マンニトール、炭酸カリウム、ジエチレントリアミン5酢酸第2鉄アンモニウム1水塩、エチレンジアミン4酢酸、マレイン酸、パインフロー(松谷化学社製、商品名)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が含まれるが、これら以外の成分であっても良い。
【0038】
ここでいう顆粒とは、溶解性確保のため、好ましくは直径0.3〜10mmに成形した球形状であり、さらには直径が1〜2mmであることがより好ましい。顆粒の直径が10mmを越えると、溶解に時間がかかるため好ましくない。また、顆粒の直径が0.3mmよりも小さいと、搬送性が良くない。
【0039】
次に、処理剤貯留部100に取り付けることができる貯留部内の処理剤残量を計量するための計量手段について説明する。
本発明は、貯留部内の処理剤残量を計量するための計量手段として、重量センサー及び/又は測距センサーを利用することを特徴とする。
【0040】
重量センサーとしては任意のものが適用できるが、空気コンデンサー式の重量センサーが好ましい。空気コンデンサー式重量センサーは起歪体や板ばねといった弾性体の変形量に応じて電気的信号を出力する一対の電極板からなるものであり、本発明には任意の空気コンデンサー式重量センサーを適用することができる(特開2002−71443号等)。空気コンデンサーに用いられている2枚の金属板は多少腐食しても精度に影響が出ることは無いため、低コストで精度も充分な方式であり、このセンサーを自動現像機に搭載するのが最も好ましい。
【0041】
本実施態様では、図2に示すように、処理剤貯留部100の中央部付近および下部付近の外側に重量センサー104が設けられている。本発明では重量センサー104により処理剤貯留部100と貯留部内に装填された処理剤93との合計の重量を計測する。この重量センサー104は制御装置17(図1参照)に連結されており、処理剤補充手段を動作させる信号が制御装置17より発せられ補充動作が行われたときに、補充動作により処理剤貯留部より処理剤が排出されて生じる重量変化を検出し、1回の動作で排出される所定量と比較し、誤差が定められた量以上になった時に補充異常があったと判断する。なお、制御装置17はモータ74の駆動も制御しており、重量センサー104の補充剤検知結果と、モータ74の動作とに基づいて異常を判断し、異常であると判断したときに、制御装置17は警報機(図示せず。オペレータの視覚、聴覚等に訴えるものであれば特に種類は問わず、例えば、ブザー、ランプ、液晶表示装置による文字表示等であっても良い。)によりオペレーターに警告を発する。
【0042】
また、貯留部内の処理剤残量を計量するための計量手段として、測距センサーを利用することもできる。測距センサーとしては任意のものが適用できるが、赤外線投光式の測距センサーが好ましい。赤外線投光式測距センサーは三角測距の原理を応用した測距装置であり、本発明には任意の赤外線投光式測距センサーを適用することができる(特開2001−208538号等)。
赤外線投光式測距センサーを用いることで、超音波式では測定できなかったコーン部まで測定が可能であり、ホッパーの出口近傍まで精度よく測定することができる。
【0043】
重量センサーと測距センサーとはいずれか一方のみの使用でもよいが、同時に使用することにより、例えば、測距センサーのレンズ表面が粉塵等で汚れた場合にも重量センサーにより補完することができ、また、重量センサーが振動や何かの接触でエラー信号を出しても測距センサーの信号と照らし合わせ、エラー情報を確認してキャンセルすることもできる。
【0044】
本実施態様では、図2に示すように、処理剤貯留部100の上部に測距センサー106が設けられている。本発明では測距センサー106により処理剤貯留部100内に装填された処理剤93の上面位置を計測する。この測距センサー106も重量センサー104と同様に制御装置17(図1参照)に連結されており、処理剤補充手段を動作させる信号が制御装置17より発せられ補充動作が行われたときに、補充動作により処理剤貯留部より処理剤が排出されて生じる処理剤93の上面位置変化を検出し、1回の動作で排出される所定量と比較し、誤差が定められた量以上になった時に補充異常があったと判断する。また、測距センサー106の補充剤検知結果と、モータ74の動作とに基づいて異常を判断し、異常であること判断したときに、重量センサー104の場合と同様に制御装置17は警報機によりオペレーターに警告を発する。
【0045】
次に漂白定着槽について説明するが、漂白定着槽476が発色現像槽474と異なる点は、処理液の種類が異なる点のみであり、その他の構成は発色現像槽474と同一であるので漂白定着槽476の構成の説明は省略する。また、漂白定着槽476に連結されている補助槽40の処理剤貯留部100には、顆粒状とされた漂白定着用の補充剤93が入れられる。顆粒状とされた漂白定着用の補充剤93としては、例えば、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、臭化カリウム、p−トルエンスルフィン酸、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が含まれるが、これら以外の成分であっても良い。
【0046】
次に水洗槽について説明する。図1に示すように、第4水洗槽478Dには、発色現像槽474及び漂白定着槽476と同様に補助槽40(図1では図示せず)、シャッター装置64(図1では図示せず)及びマスフィーダー88が連結されている。なお、第4水洗槽478Dに連結されている補助槽40の処理剤貯留部100には、顆粒状とされた水洗用の補充剤93が入れられる。顆粒状とされた水洗用の補充剤93(安定剤)としては、例えば、炭酸ナトリウム・1水塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム、チノパールSFP(チバガイギー社製、商品名)、亜硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛7水塩、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、硫酸アンモニウム、o−フェニルフェノール、パインフロー(松谷化学社製、商品名)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が含まれるが、これら以外の成分であっても良い。
【0047】
次に、本実施態様の作用を説明する。
ペーパマガジン414から供給され、露光部によって潜像が形成されたペーパーPは、発色現像槽474の発色現像液によって発色現像処理され、漂白定着槽476の漂白定着液によって漂白定着処理され、さらに第1水洗槽478A、第2水洗槽478B、第3水洗槽478C、第4水洗槽478Dの各々の水洗水によって水洗が行われる。水洗の終了したペーパーPは、乾燥部480で温風乾燥された後、製品ストック部486に排出される。なお、何れの槽の循環ポンプも常に作動しており、槽内の処理液を攪拌循環している。
【0048】
ペーパーPの処理を行うと、発色現像液、漂白定着液、及び水洗水が劣化するので、処理量に応じて各処理液に必要な補充剤93を補充する必要がある。制御装置17は、ペーパーPの先端及び後端をセンサ16Aで検出した時間、ペーパーPの搬送速度、予め分かっているペーパーPの幅に基づいて処理面積を計算し、処理面積に応じた規定量の補充剤93(発色現像用、漂白定着用及び水洗用)及び補充剤93の量に応じた希釈水の補充を予め定めた処理面積毎に行うように各固形写真薬品補充装置の制御を行う。ここで、固形写真薬品補充装置の動作は同じなので、代表して発色現像液に補充剤93を補充する場合を説明する。
【0049】
以下に図3を参照しながら補充機構を説明する。図3はマスフィーダーの拡大断面図であり、図3(a)は孔61に処理剤貯留部出口63が連結した状態を示し、図3(b)は孔61に開口56が連結した状態を示す。通常は、図3(a)に示すように、補助槽40の開口56は、球状の弁体(ボールシャッター)69によって塞がれ、さらにシャッター板68(図2参照)により塞がれている。したがって、温められた発色現像液から発生する水蒸気は、シャッター板68及びボールシャッター69によって補助槽40の外部へ発散することが確実に防止され、処理剤貯留部100に入れられた顆粒状の補充剤93が発色現像液から発生した水蒸気によって固化したり、内壁面に付着する等のトラブルを防止することができる。
【0050】
制御装置17は以下の手順でマスフィーダー88を作動させ、補充剤93の補充を行う。なお、図3に示した態様では、図2に示した態様と同様に、発色現像用処理剤と漂白定着用処理剤とをひとつのマスフィーダー88で補充しているが、図1に示したように一種の処理剤をひとつのマスフィーダーで補充してもよい。
【0051】
まず、図3(a)に示すように、マスフィーダー88を作動してマス移動フィーダー90を移動させ、孔61に処理剤貯留部出口63を連結させる。このとき補助槽40(図示せず)の開口56は、上述のようにシャッター板68及びボールシャッター69によって塞がれる。孔61に処理剤貯留部出口63を連結させることにより、処理剤貯留部100から処理剤貯留部出口63を経て補充剤93が孔61に落下して、処理薬品補充1回分の体積の補充剤93が孔61に貯められる。
【0052】
次に、マスフィーダー88を作動してマス移動フィーダー90を移動させ、図3(b)に示すように、孔61に開口56を連結させる。このときマス移動フィーダー90の上面91により処理剤貯留部出口63が塞がれると同時にボールシャッター69の移動により開口56が開き、さらにマス移動フィーダー90に連動してシャッター板68が開き、孔61から開口56を経て補充剤93が補助槽40に補充される。また、補充剤93の補充と同時に図示しないポンプが作動し、水が補充剤93の量に見合った量だけ補助槽40に補充され、循環ポンプの作動によって槽内の発色現像液の濃度及び温度が一定にされる。
マス移動フィーダー90の移動を繰り返すことによって所定量の補充剤を補充することができる。
【0053】
ここで、処理剤貯留部100が空になった場合及びマスフィーダー88が搬送不良を生じた場合、補充剤93が補助槽40に補充されなくなり、現像処理能力の低下を招く。本実施態様では、上述したようにマス移動フィーダー90の上面部91並びにシャッター板68及びボールシャッター69で補充剤93の固化を防ぐ構成となっているが、補充剤93の搬送経路で補充剤93が万が一にも固化する場合も考えられ、さらにオペレーターが処理剤貯留部100への補充剤93の補給を忘れることも考えられ、このような場合に、制御装置17は警報機によりオペレーターに警告を発する。
【0054】
例えば、マスフィーダー88の動作中に、重量センサー104が重量変化異常を検出し、かつ測距センサー106が上面位置変化異常を検出した場合には、制御装置17はホッパー排出口やマスフィーダーで詰まりが生じていると判断し、警報機で警報を発する。
【0055】
また、マスフィーダー88が動作中に、重量センサー104が重量変化を検出せず、かつ測距センサー106が上面位置変化を検出しない場合には、制御装置17はマスフィーダー88に補充剤93が落下していないか(例えば、処理剤貯留部100の中で補充剤93が固化等している場合。)、または処理剤貯留部100の中の補充剤93が無くなったと判断し、警報機で警報を発する。
【0056】
なお、マスフィーダー88が動作中に重量センサー104が重量変化異常を検出せず、かつ測距センサー106が上面位置変化異常を検出しない場合には、制御装置17は正常動作中であると判断し、警報は発しない。
【0057】
このように、本実施態様では、補充剤93の補充不良が生じた場合に直ちに警報を発してオペレーターへ注意を促すので、オペレーターは直ちに適正な処置を施すことができ、現像不良を未然に防ぐことができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の感光材料処理装置は、処理剤補充装置内の粉体又は顆粒を低コストで精度よく計量することができる検出手段を備えているので、固形写真薬品が感光材料処理装置の処理槽に対して適正に搬送されないような場合に警告を発することができ、これにより低コストで感光材料の現像不良を未然に防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の感光材料処理装置の好ましい一実施態様の概略構成図である。
【図2】図2は、処理剤貯留部及びマスフィーダーの拡大概略構成図である。
【図3】図3は、マスフィーダーの拡大断面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、劣化又は減少した露光済みハロゲン化銀写真感光材料の処理液の補充に顆粒状もしくは粉体状の写真感光材料処理薬品を補充する補充装置及び前記の写真感光材料処理薬品を貯留する貯留部を備えた感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルム等の感光材料は、一般的に発色現像液、漂白定着液等の処理液の貯留された複数の処理槽を順に搬送されることによって発色現像処理される。これらの処理液は、感光材料の処理、上流側の処理液の持ち込み等によって劣化するため、感光材料処理装置では、感光材料の処理量等に基づいて補充用の溶液が補充されるようなシステムになっている。
【0003】
近年、処理薬品の補充については、取扱いの簡便性、溶液の減量化等の観点から、粉末、顆粒、錠剤状等の固形の写真処理薬品を装置に補給する方法が提案されている。例えば、特開平7−248597号公報及び特開平7−271000号公報に記載の装置では、貯槽(ホッパー)に入れられた錠剤状または顆粒状の固形写真薬品をスクリューフィーダーで溶解槽に搬送する構成である。
【0004】
ところで、粉体または顆粒形状をした固形写真薬品は、その成分であるチオ硫酸アンモニウム、苛性ソーダ、炭酸カリウム等の吸湿により潮解、固化しやすい薬品を含んでいる。他方、感光材料自動現像機は、中に現像や漂白定着のための写真薬品の水溶液の入った処理槽があるため、内部が高温多湿の状態になる。このため、粉体又は顆粒形状をした写真薬品補充装置においては、排出口部で薬品の固化や潮解トラブルが生じ易く、閉塞が生じる懸念がある。
【0005】
排出部で閉塞が生じても例えば補充装置がロータリーフィーダーであった場合でローターが回転し続けた場合、一見補充装置は正常に動作しているかのようであっても、ロータリーフィーダーのローターの升(ローターの羽と羽の間の空間部分)に粉体又は顆粒が詰まったまま、投入点に達しても落下しないでローター部が回り続けるトラブルが生じる。また、粉体又は顆粒形状をした写真薬品は、排出口で閉塞が生じなくてもローターの各升で固着することもあり、補充動作が不安定になったり、極端な場合には補充装置が破損することもある。
【0006】
特開平7−248597号公報及び特開平7−271000号公報に記載の装置では、固形写真薬品の詰まり等の搬送不良を警報する手段が無いため、搬送不良が生じると、処理液の劣化が進み、除々に現像不良が拡大する。例えば、現像剤が不足する場合は充分に現像進行が進まないため、特に濃度の高い部分の濃度が低くなり、また、漂白剤・定着材が不足する場合は脱銀が完全に行われず、絵が黒ずむか灰色がかかって見える。したがって、オペレーターは現像された写真用感光材料(フィルムまたはプリント等)の品質が劣化してから、始めて処理剤が適正に補充されなかった事に気づくことになり、手遅れになるという問題があった。
【0007】
上記の問題を解決するために、コニカ(株)製のエコジェット(商品名)では、補充装置内部に検出装置として光電管方式(発光部と受光部がある方式)が採用されている。しかし、この装置は固形写真薬品として錠剤を用いており、粉末又は顆粒状の固形写真薬品を用いた場合には、光電管方式では発光部及び/又は受光部の表面に粉末や顆粒から発生する粉塵が付着し、誤検が発生したり不安定になることがあるという問題があった。
【0008】
写真薬品補充装置内の粉体又は顆粒を精度よく計量するためのレベル検出手段としては、粉体技術ポケットブック(工業調査会)第12編 計測・制御 12.1 レベル検出器(pp.423〜431)に記載の方法を適用することが考えられる。レベル検出器の種類について表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
しかし、表1に記載された従来の方式では重量式でホッパー全体を計量する以外に正確に検出する方法が見当たらない。また、重量式は、計量値を電気的に処理する必要があるので電気抵抗線式秤(ロードセル)を用いる必要があるが、これは精度は高いものの高価である。また、一般に自動現像機からは処理槽から揮発してくる微量の亜硫酸ガスやアンモニアガスがあるため、ロードセルの心臓部に入り込み腐食させることがあり、著しく精度が低下するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、処理薬品の補充不良による感光材料の現像不良を未然に防ぐことのできる感光材料処理装置を提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
ところで、秤における重量の検出手段の一つに静電容量式(空気コンデンサー式)のものが知られている(特開2002−71443号等)。これは重量に比例して変形する板ばねや起歪体といった弾性体の特性を生かし、弾性体の変形量に応じて静電容量式センサからの電気的信号から重量値を算出するものである。この弾性体や電極板からなる静電容量式のセンサユニット部は、僅かな荷重でも検出可能なように弾性体が変形し、それに応じて電極板間隔が変化するように設計された精密なものである。
【0013】
また、オートフォーカスカメラに用いられている測距センサーは、赤外投光による三角測量の原理を応用したセンサーであり、受光素子上での反射光の位置を測定することで対象物までの距離を測定できることが知られている(特開2001−208538号等)。このセンサーは、対象物からの反射光の光量で判定する反射光量式センサーに比べて対象物の反射率への依存度が低く、また、温度変化を検出する焦電センサーに比べて動かない人間や温度差のない物体の検出が可能であり、各種装置の省エネ用センサー、サニタリ・自動ドア用人体感知センサー、在室・通過検知用センサー、自動証明用人体検知センサー、ハンドドライヤー用手検知センサー等の用途に応用されている。
【0014】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、前記の空気コンデンサー式の重量センサーを用いて処理剤補充装置内の処理剤残量を計量することにより、低コストかつ高精度で処理剤補充装置内を監視することができ、低コストで感光材料の現像不良を未然に防ぐことができることを見い出した。また本発明者は、オートフォーカスカメラ等に用いられている測距センサーを用いて処理剤補充装置内の処理剤残量を計量することによっても、低コストで感光材料の現像不良を未然に防止できることを見い出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、
(1)感光材料を浸漬処理する処理液を満たす処理槽と、
顆粒状もしくは粉体状の処理剤を貯留する貯留部と、
前記処理槽の少なくとも一つに前記処理剤を補充する処理剤補充手段と、
補充水を供給する補充水補充手段とを有する感光材料処理装置であって、
前記感光材料の処理量情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報に応じて前記処理剤補充手段と前記補充水補充手段を制御する制御手段とを有し、
前記貯留部が、貯留部内処理剤残量を計量するための計量手段を少なくとも1つ有することを特徴とする感光材料処理装置、
(2)前記貯留部内処理剤残量を計量するのに処理剤の上面位置を計測できる測距センサーを用いることを特徴とする(1)項に記載の感光材料処理装置、
(3)前記測距センサーとして赤外線投光式測距センサーを用いることを特徴とする(2)項に記載の感光材料処理装置、
(4)前記貯留部内処理剤残量を計量するのに処理剤と貯留部との合計の重量を計測できる重量センサーを用いることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の感光材料処理装置、および
(5)前記重量センサーとして空気コンデンサー式重量センサーを用いることを特徴とする(4)項に記載の感光材料処理装置
を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感光材料処理装置の好ましい一実施態様について、図1〜3にしたがって説明する。各図の説明において同一の要素には同一の符号を付す。
【0017】
図1は、本発明の感光材料処理装置の好ましい一実施態様の概略構成図である。この感光材料処理装置400のプリンタ部を構成する写真焼付部412は、ペーパーPが収納されたペーパマガジン414を装填できるような構造となっている。このペーパマガジン414の図1上、左上側には、ペーパーPの先端部付近が巻き掛けられる駆動ローラ416が回転自在に支持されており、写真焼付部412内の図示しないモータの駆動力をこの駆動ローラ416が受けて回転する。また、駆動ローラ416に対向した位置には、ペーパーPを介して一対のニップローラ418が配置されている。この為、駆動ローラ416がこれらニップローラ418との間でペーパーPを挟持して、ペーパーPを写真焼付部412内へ送り出すことになる。
【0018】
他方、写真焼付部412内には、上下一対の刃からなると共にモータ420によりこの刃が移動されるカッタ422が設置されており、ペーパマガジン414から出て来たペーパーPをこのカッタ422が即座に切断することになる。図1上、カッタ422に対して右側であるペーパーPの搬送方向下流側には、上面が水平方向(図1上、左右方向)に沿うように形成された支持台446が配置されている。この支持台446とカッタ422との間には、無端ベルト444が巻き掛けられる巻掛ローラ452が水平方向(図1上、紙面に対して直交する方向)に配置されている。また、この巻掛ローラ452の上側には、巻掛ローラ452との間で無端ベルト444を挟持するニップローラ454が配置されている。
【0019】
この支持台446に対してペーパーPの搬送方向下流側には、無端ベルト444が巻き掛けられる案内ローラ456が位置している。この案内ローラ456に隣接した位置には、下面側が巻掛ローラ452上面側とほぼ同一の高さとなるような押さえローラ458が配置されており、この押さえローラ458が無端ベルト444の外周を押圧している。すなわち、図1に示すように、この部分の無端ベルト444をS字状としている。さらに、無端ベルト444は、案内ローラ456の下側でテンションローラ462へ巻き掛けられて、逆三角形の移動軌跡が形成されている。そして、案内ローラ456は、図示しないモータの駆動力によって駆動回転され、無端ベルト444を図1上、時計回転方向に回転させる。
【0020】
一方、無端ベルト444にはその全域に亘って多数の小孔(図示せず)が形成されており、この無端ベルト444の一部が載置される支持台446の上面には、無端ベルト444の小孔に対応して多数の孔部(図示せず)が形成されている。さらに、この支持台446の内部は空洞状に形成されており、無端ベルト444の幅方向両端に対応して形成された一対の連通ダークト466(図1上、一方のみ示す)がこの支持台446に接続されている。これらの連通ダークト466は、支持台446の下側を通過する無端ベルト444の部分を迂回して無端ベルト444の下方へと至り、吸引ファン468が設けられたファンボックス470へと接続されている。他方、図1に示される如く、支持台446上を移動する無端ベルト444の上部には、イーゼル装置464が設けられており、縁有画像をペーパーP上に焼付露光する場合に、このイーゼル装置464内の図示しない可動片でペーパーPの周囲を覆うようになっている。
【0021】
また、感光材料処理装置400の外枠を構成するケーシング400A外であってイーゼル装置464の直上の位置には、光を拡散する拡散ボックス428が配置されており、その右隣に、それぞれ光路への挿入フィルタ量を変え得るよう移動可能なC、M、Yの3組のフィルタから構成されるCCフィルタ424が配置されている。従って、このCCフィルタ424に隣合って位置する光源426から照射された光線がCCフィルタ424を通過した後、拡散ボックス428により拡散されつつ屈曲されて、直下に送られることになる。そして、このケーシング400Aの上面に載置されているネガキャリア430上のネガフィルムNをこの光線が透過する。
【0022】
さらに、写真焼付部412内に設置されたガイドレール432に、支持板434が水平方向(図1上、紙面に対して直交する方向)に移動可能に支持されており、前記光線の光軸線S上にそれぞれ配置されるようにプリズム436及びズームレンズ438がこの支持板434に取り付けられている。従って、ネガフィルムNを透過して露光光線となった光線は、プリズム436を通過した後、さらに拡大倍率を変更可能なズームレンズ438を通過してイーゼル装置464の下に位置するペーパーP上に、ネガフィルムNの画像を結像させる。
【0023】
また、写真焼付部412内には、ネガフィルムNの濃度を測定する例えば色フィルタとCCD等の光センサにより構成される濃度測定器440が配置されており、プリズム436により水平方向に屈曲された光線がこの濃度測定器440に送られるようになっている。この濃度測定器440は、図示しないコントローラに接続されており、濃度測定器440によって測定されたデータ及び、作業者によりキー入力されたデータに基づいて、焼付露光時の露光補正値が設定される。さらに、ズームレンズ438とイーゼル装置464の間の光路には、CCフィルタ424で色と強度が調光されネガフィルムNを透過した光を、所定時間の間焼付露光するブラックシャッタ441が設けられている。
【0024】
以上のような構造に写真焼付部412がなっている為、ペーパマガジン414から送り出されたペーパーPは、カッタ422で所望長さに切断された後に、無端ベルト444に乗せられて露光光線の光軸線S上の位置である画像焼付位置へと搬送される。そして、光源426側からの露光光線がプリズム436及びズームレンズ438等を介してペーパーPに到達し、ブラックシャッタ441が所定時間開くことにより、ネガフィルムNに記録された画像がペーパーP上に焼付露光され、この画像が焼き付けられた部分が画像部分となる。この際、支持台446内の空気は、連通ダークト466を介して無端ベルト444のループ内から幅方向両端へ抜け出し、吸引ファン468で吸引されて外部へ吹き出されるので、支持台446内が負圧となる。この負圧は支持台446の孔部、無端ベルト444の小孔を介して無端ベルト444上のペーパーPへと伝達され、ペーパーPが矢印Aで示すように、無端ベルト444へ吸引される。この為、ペーパーPが単に無端ベルト444に乗せられるだけでなく、無端ベルト444側に吸引されるので、ペーパーPが、確実に無端ベルト444により搬送されると共に、画像焼付位置上で水平状態に配置されることになる。
【0025】
さらに、画像の焼付露光が終了したペーパーPは、案内ローラ456と押さえローラ458との間に挟持されて、その搬送方向が水平方向から垂直方向へと変更されて垂直方向に送り出される。この後、ペーパーPの搬送経路を表す経路Kで示されるように、ペーパーPは、複数対のローラによって構成される搬送路460を介して、発色現像、漂白定着、水洗及び乾燥の各処理を行うプロセッサ部472へ搬送される。なお、搬送路460には、ペーパーPを検出するセンサ16Aが設けられており、制御装置17は、ペーパーPの先端及び後端をセンサ16Aで検出した時間、ペーパーPの搬送速度、予め分かっているペーパーPの幅に基づいて処理面積を計算することができるようになっている。
【0026】
以上でネガフィルムNの画像1コマ分の焼付露光処理が終了する。これを繰り返すことにより、焼付露光処理されたペーパーPが1枚づつ順次プロセッサ部472に搬送される。このプロセッサ部472の内の発色現像槽474には発色現像液が溜められていて、ペーパーPをこの発色現像液に浸して発色現像処理を行う。
【0027】
発色現像処理されたペーパーPは発色現像槽474と隣接する漂白定着槽476へ搬送される。漂白定着槽476には漂白定着液が溜められていて、ペーパーPをこの漂白定着液に浸して漂白処理及び漂白定着処理を行う。
【0028】
漂白定着処理されたペーパーPは、漂白定着槽476に隣接すると共にそれぞれ水洗水が溜められた複数の第1水洗槽478A、第2水洗槽478B、第3水洗槽478C、第4水洗槽478Dからなる水洗部478へ搬送され、ペーパーPを水洗槽内の水洗水に浸して水洗処理を行う。
【0029】
水洗処理されたペーパーPは水洗部478の上部に位置する乾燥部480へ搬送される。乾燥部480は、ペーパーPの搬送経路の下側に配置された図示しないチャンバより上方に向かって送風される熱風にペーパーPをさらして、ペーパーPを乾燥させる。
【0030】
乾燥部480に対してペーパーPの搬送方向下流側には複数対のローラによって構成される搬送路484が配設されており、乾燥処理が終了して乾燥部480から排出されたペーパーPは、これら複数対のローラにそれぞれ挟持されて感光材料処理装置400の外部へ排出され、製品ストック部486に積み重ねられる。
【0031】
以下に各処理槽について説明する。まず発色現像槽について図2を参照しながら説明する。図2は、処理剤貯留部及びマスフィーダーの拡大概略構成図である。
発色現像槽474の側部には図2に示す補助槽40が設けられている。発色現像槽474と補助槽40との間の隔壁には、開口(図示せず)が形成されており、発色現像液が発色現像槽474と補助槽40との間を行き来できるようになっている。
【0032】
また、補助槽40には、補助槽の内部の発色現像液を加温するヒーターを備えた配管の一端が連結されており、配管の他端は発色現像槽474の底部に設けられた開口部に接続され、発色現像液は、循環ポンプの作動により、補助槽40、配管及び発色現像槽474を経由し、再び補助槽40へと循環し、ヒーターによって所定の温度に加温され、また、組成が均一化されるようになっている。
【0033】
補助槽40の上部は天面54によって塞がれており、天面54には、後述するマスフィーダー88から補充される顆粒状の補充剤93を槽内に投入するための開口56が形成されている。また、補助槽40には、補充水を補充するための配管(図示せず)も接続されている。
【0034】
補助槽40の天面54の上には、マスフィーダー88が搭載されている。マスフィーダー88は駆動装置70を備えており、駆動装置70は、モータ74、モータで回転されるピニオン76及びシャッター板68に連結されてピニオン76と噛み合うラック78を備えている。なお、図2に示した態様では、発色現像用処理剤と漂白定着用処理剤とをひとつのマスフィーダー88で補充しているが、図1に示したように一種の処理剤をひとつのマスフィーダーで補充してもよい。マスフィーダー88の内部には、マス移動フィーダー90が配置されている。マス移動フィーダー90は、駆動装置70によって矢印L方向及び矢印R方向に移動する。マス移動フィーダー90には処理薬品補充1回分の体積に相当する孔61が設けられている。孔61は上部および下部が開口しており、マス移動フィーダー90の移動により、孔61の上側には顆粒状の補充剤93を貯留する処理剤貯留部100の出口63が連結されたり、また、マスフィーダー88の移動により、孔61の下側には補助槽40の天面54に設けられた開口56が連結されたりする。
【0035】
また、マス移動フィーダー90には、ボールが入るポケット部67が設けられている。ポケット部67は下部が開口しており、ここに補助槽40の天面54に設けられた開口56がマス移動フィーダー90の移動により連結される。このポケット部67には、表面が軟質部材で覆われた球状の弁体(ボールシャッター)69が設けられる。球状の弁体69の直径は開口56よりも大きく、マス移動フィーダー90が補充動作のために移動するとき、ボールシャッター69も一緒に転がり移動して開口56を塞いでシャッターの役割を果たす。
また、マス移動フィーダー90にはシャッター板68が付設されている。シャッター板68はマスフィーダー88と補助槽40の天面54との間に設けられ、駆動装置70によるマス移動フィーダー90の移動に合わせて連動する。
【0036】
なお、処理剤貯留部100の上部開口は開閉可能な蓋103によって覆われており、蓋103を閉めることによって内部を密閉することができる。この発色現像槽474の処理剤貯留部100には、顆粒状とされた発色現像用の補充剤93が入れられる。
【0037】
顆粒状とされた発色現像用の補充剤93としては、例えば、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−〔β−(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸塩、ポリエチレングリコール、N−ラウロイルアラニンナトリウム、ジスルホエチルヒドロキシルアミン2ナトリウム塩、チノパールSFP(チバガイギー社製、商品名)、亜硫酸ナトリウム、臭化カリウム、ジエチレントリアミン5酢酸、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、水酸化カリウム、マンニトール、炭酸カリウム、ジエチレントリアミン5酢酸第2鉄アンモニウム1水塩、エチレンジアミン4酢酸、マレイン酸、パインフロー(松谷化学社製、商品名)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が含まれるが、これら以外の成分であっても良い。
【0038】
ここでいう顆粒とは、溶解性確保のため、好ましくは直径0.3〜10mmに成形した球形状であり、さらには直径が1〜2mmであることがより好ましい。顆粒の直径が10mmを越えると、溶解に時間がかかるため好ましくない。また、顆粒の直径が0.3mmよりも小さいと、搬送性が良くない。
【0039】
次に、処理剤貯留部100に取り付けることができる貯留部内の処理剤残量を計量するための計量手段について説明する。
本発明は、貯留部内の処理剤残量を計量するための計量手段として、重量センサー及び/又は測距センサーを利用することを特徴とする。
【0040】
重量センサーとしては任意のものが適用できるが、空気コンデンサー式の重量センサーが好ましい。空気コンデンサー式重量センサーは起歪体や板ばねといった弾性体の変形量に応じて電気的信号を出力する一対の電極板からなるものであり、本発明には任意の空気コンデンサー式重量センサーを適用することができる(特開2002−71443号等)。空気コンデンサーに用いられている2枚の金属板は多少腐食しても精度に影響が出ることは無いため、低コストで精度も充分な方式であり、このセンサーを自動現像機に搭載するのが最も好ましい。
【0041】
本実施態様では、図2に示すように、処理剤貯留部100の中央部付近および下部付近の外側に重量センサー104が設けられている。本発明では重量センサー104により処理剤貯留部100と貯留部内に装填された処理剤93との合計の重量を計測する。この重量センサー104は制御装置17(図1参照)に連結されており、処理剤補充手段を動作させる信号が制御装置17より発せられ補充動作が行われたときに、補充動作により処理剤貯留部より処理剤が排出されて生じる重量変化を検出し、1回の動作で排出される所定量と比較し、誤差が定められた量以上になった時に補充異常があったと判断する。なお、制御装置17はモータ74の駆動も制御しており、重量センサー104の補充剤検知結果と、モータ74の動作とに基づいて異常を判断し、異常であると判断したときに、制御装置17は警報機(図示せず。オペレータの視覚、聴覚等に訴えるものであれば特に種類は問わず、例えば、ブザー、ランプ、液晶表示装置による文字表示等であっても良い。)によりオペレーターに警告を発する。
【0042】
また、貯留部内の処理剤残量を計量するための計量手段として、測距センサーを利用することもできる。測距センサーとしては任意のものが適用できるが、赤外線投光式の測距センサーが好ましい。赤外線投光式測距センサーは三角測距の原理を応用した測距装置であり、本発明には任意の赤外線投光式測距センサーを適用することができる(特開2001−208538号等)。
赤外線投光式測距センサーを用いることで、超音波式では測定できなかったコーン部まで測定が可能であり、ホッパーの出口近傍まで精度よく測定することができる。
【0043】
重量センサーと測距センサーとはいずれか一方のみの使用でもよいが、同時に使用することにより、例えば、測距センサーのレンズ表面が粉塵等で汚れた場合にも重量センサーにより補完することができ、また、重量センサーが振動や何かの接触でエラー信号を出しても測距センサーの信号と照らし合わせ、エラー情報を確認してキャンセルすることもできる。
【0044】
本実施態様では、図2に示すように、処理剤貯留部100の上部に測距センサー106が設けられている。本発明では測距センサー106により処理剤貯留部100内に装填された処理剤93の上面位置を計測する。この測距センサー106も重量センサー104と同様に制御装置17(図1参照)に連結されており、処理剤補充手段を動作させる信号が制御装置17より発せられ補充動作が行われたときに、補充動作により処理剤貯留部より処理剤が排出されて生じる処理剤93の上面位置変化を検出し、1回の動作で排出される所定量と比較し、誤差が定められた量以上になった時に補充異常があったと判断する。また、測距センサー106の補充剤検知結果と、モータ74の動作とに基づいて異常を判断し、異常であること判断したときに、重量センサー104の場合と同様に制御装置17は警報機によりオペレーターに警告を発する。
【0045】
次に漂白定着槽について説明するが、漂白定着槽476が発色現像槽474と異なる点は、処理液の種類が異なる点のみであり、その他の構成は発色現像槽474と同一であるので漂白定着槽476の構成の説明は省略する。また、漂白定着槽476に連結されている補助槽40の処理剤貯留部100には、顆粒状とされた漂白定着用の補充剤93が入れられる。顆粒状とされた漂白定着用の補充剤93としては、例えば、チオ硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、臭化カリウム、p−トルエンスルフィン酸、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が含まれるが、これら以外の成分であっても良い。
【0046】
次に水洗槽について説明する。図1に示すように、第4水洗槽478Dには、発色現像槽474及び漂白定着槽476と同様に補助槽40(図1では図示せず)、シャッター装置64(図1では図示せず)及びマスフィーダー88が連結されている。なお、第4水洗槽478Dに連結されている補助槽40の処理剤貯留部100には、顆粒状とされた水洗用の補充剤93が入れられる。顆粒状とされた水洗用の補充剤93(安定剤)としては、例えば、炭酸ナトリウム・1水塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム、チノパールSFP(チバガイギー社製、商品名)、亜硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛7水塩、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、硫酸アンモニウム、o−フェニルフェノール、パインフロー(松谷化学社製、商品名)、N−ラウロイルサルコシンナトリウム等が含まれるが、これら以外の成分であっても良い。
【0047】
次に、本実施態様の作用を説明する。
ペーパマガジン414から供給され、露光部によって潜像が形成されたペーパーPは、発色現像槽474の発色現像液によって発色現像処理され、漂白定着槽476の漂白定着液によって漂白定着処理され、さらに第1水洗槽478A、第2水洗槽478B、第3水洗槽478C、第4水洗槽478Dの各々の水洗水によって水洗が行われる。水洗の終了したペーパーPは、乾燥部480で温風乾燥された後、製品ストック部486に排出される。なお、何れの槽の循環ポンプも常に作動しており、槽内の処理液を攪拌循環している。
【0048】
ペーパーPの処理を行うと、発色現像液、漂白定着液、及び水洗水が劣化するので、処理量に応じて各処理液に必要な補充剤93を補充する必要がある。制御装置17は、ペーパーPの先端及び後端をセンサ16Aで検出した時間、ペーパーPの搬送速度、予め分かっているペーパーPの幅に基づいて処理面積を計算し、処理面積に応じた規定量の補充剤93(発色現像用、漂白定着用及び水洗用)及び補充剤93の量に応じた希釈水の補充を予め定めた処理面積毎に行うように各固形写真薬品補充装置の制御を行う。ここで、固形写真薬品補充装置の動作は同じなので、代表して発色現像液に補充剤93を補充する場合を説明する。
【0049】
以下に図3を参照しながら補充機構を説明する。図3はマスフィーダーの拡大断面図であり、図3(a)は孔61に処理剤貯留部出口63が連結した状態を示し、図3(b)は孔61に開口56が連結した状態を示す。通常は、図3(a)に示すように、補助槽40の開口56は、球状の弁体(ボールシャッター)69によって塞がれ、さらにシャッター板68(図2参照)により塞がれている。したがって、温められた発色現像液から発生する水蒸気は、シャッター板68及びボールシャッター69によって補助槽40の外部へ発散することが確実に防止され、処理剤貯留部100に入れられた顆粒状の補充剤93が発色現像液から発生した水蒸気によって固化したり、内壁面に付着する等のトラブルを防止することができる。
【0050】
制御装置17は以下の手順でマスフィーダー88を作動させ、補充剤93の補充を行う。なお、図3に示した態様では、図2に示した態様と同様に、発色現像用処理剤と漂白定着用処理剤とをひとつのマスフィーダー88で補充しているが、図1に示したように一種の処理剤をひとつのマスフィーダーで補充してもよい。
【0051】
まず、図3(a)に示すように、マスフィーダー88を作動してマス移動フィーダー90を移動させ、孔61に処理剤貯留部出口63を連結させる。このとき補助槽40(図示せず)の開口56は、上述のようにシャッター板68及びボールシャッター69によって塞がれる。孔61に処理剤貯留部出口63を連結させることにより、処理剤貯留部100から処理剤貯留部出口63を経て補充剤93が孔61に落下して、処理薬品補充1回分の体積の補充剤93が孔61に貯められる。
【0052】
次に、マスフィーダー88を作動してマス移動フィーダー90を移動させ、図3(b)に示すように、孔61に開口56を連結させる。このときマス移動フィーダー90の上面91により処理剤貯留部出口63が塞がれると同時にボールシャッター69の移動により開口56が開き、さらにマス移動フィーダー90に連動してシャッター板68が開き、孔61から開口56を経て補充剤93が補助槽40に補充される。また、補充剤93の補充と同時に図示しないポンプが作動し、水が補充剤93の量に見合った量だけ補助槽40に補充され、循環ポンプの作動によって槽内の発色現像液の濃度及び温度が一定にされる。
マス移動フィーダー90の移動を繰り返すことによって所定量の補充剤を補充することができる。
【0053】
ここで、処理剤貯留部100が空になった場合及びマスフィーダー88が搬送不良を生じた場合、補充剤93が補助槽40に補充されなくなり、現像処理能力の低下を招く。本実施態様では、上述したようにマス移動フィーダー90の上面部91並びにシャッター板68及びボールシャッター69で補充剤93の固化を防ぐ構成となっているが、補充剤93の搬送経路で補充剤93が万が一にも固化する場合も考えられ、さらにオペレーターが処理剤貯留部100への補充剤93の補給を忘れることも考えられ、このような場合に、制御装置17は警報機によりオペレーターに警告を発する。
【0054】
例えば、マスフィーダー88の動作中に、重量センサー104が重量変化異常を検出し、かつ測距センサー106が上面位置変化異常を検出した場合には、制御装置17はホッパー排出口やマスフィーダーで詰まりが生じていると判断し、警報機で警報を発する。
【0055】
また、マスフィーダー88が動作中に、重量センサー104が重量変化を検出せず、かつ測距センサー106が上面位置変化を検出しない場合には、制御装置17はマスフィーダー88に補充剤93が落下していないか(例えば、処理剤貯留部100の中で補充剤93が固化等している場合。)、または処理剤貯留部100の中の補充剤93が無くなったと判断し、警報機で警報を発する。
【0056】
なお、マスフィーダー88が動作中に重量センサー104が重量変化異常を検出せず、かつ測距センサー106が上面位置変化異常を検出しない場合には、制御装置17は正常動作中であると判断し、警報は発しない。
【0057】
このように、本実施態様では、補充剤93の補充不良が生じた場合に直ちに警報を発してオペレーターへ注意を促すので、オペレーターは直ちに適正な処置を施すことができ、現像不良を未然に防ぐことができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の感光材料処理装置は、処理剤補充装置内の粉体又は顆粒を低コストで精度よく計量することができる検出手段を備えているので、固形写真薬品が感光材料処理装置の処理槽に対して適正に搬送されないような場合に警告を発することができ、これにより低コストで感光材料の現像不良を未然に防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の感光材料処理装置の好ましい一実施態様の概略構成図である。
【図2】図2は、処理剤貯留部及びマスフィーダーの拡大概略構成図である。
【図3】図3は、マスフィーダーの拡大断面図である。
Claims (5)
- 感光材料を浸漬処理する処理液を満たす処理槽と、
顆粒状もしくは粉体状の処理剤を貯留する貯留部と、
前記処理槽の少なくとも一つに前記処理剤を補充する処理剤補充手段と、
補充水を供給する補充水補充手段とを有する感光材料処理装置であって、
前記感光材料の処理量情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報に応じて前記処理剤補充手段と前記補充水補充手段を制御する制御手段とを有し、
前記貯留部が、貯留部内処理剤残量を計量するための計量手段を少なくとも1つ有することを特徴とする感光材料処理装置。 - 前記貯留部内処理剤残量を計量するのに処理剤の上面位置を計測できる測距センサーを用いることを特徴とする請求項1記載の感光材料処理装置。
- 前記測距センサーとして赤外線投光式測距センサーを用いることを特徴とする請求項2記載の感光材料処理装置。
- 前記貯留部内処理剤残量を計量するのに処理剤と貯留部との合計の重量を計測できる重量センサーを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光材料処理装置。
- 前記重量センサーとして空気コンデンサー式重量センサーを用いることを特徴とする請求項4記載の感光材料処理装置。
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JP2002247626A JP2004085949A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 感光材料処理装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020230187A1 (ja) * | 2019-05-10 | 2020-11-19 | 三菱電機株式会社 | 成形品排出判定装置、成形品排出判定システム、および成形品排出判定方法 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247626A patent/JP2004085949A/ja active Pending
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WO2020230187A1 (ja) * | 2019-05-10 | 2020-11-19 | 三菱電機株式会社 | 成形品排出判定装置、成形品排出判定システム、および成形品排出判定方法 |
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