JP2004085864A - 半導体装置の製造方法およびそれに用いるフォトマスクの製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法およびそれに用いるフォトマスクの製造方法 Download PDF

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Yoshikane Shishida
宍田 佳謙
Mitsuaki Morigami
森上 光章
Satoshi Shimada
嶋田 聡
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Abstract

【課題】半導体装置の信頼性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】この半導体装置の製造方法は、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、Si基板上のレジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、ホールパターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られるパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値を閾値として決定する工程と、Si基板上のレジストに形成されたホールパターンのパターンサイズの設計寸法からのずれ量が許容可能なずれ量になるように、パターンピッチに応じて、閾値に基づいて所定のパターンサイズを選択してフォトマスク3上にホールパターン3a〜3cを形成する工程と、フォトマスク3上のホールパターン3a〜3cを用いて、Si基板上のレジストにホールパターンを形成する工程とを備えている。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置の製造方法およびそれに用いるフォトマスクの製造方法に関し、特に、半導体基板上に穴(孔)または柱パターンが形成される半導体装置の製造方法およびそれに用いるフォトマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造方法において、光リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、半導体基板上に半導体素子用の穴パターン(以下、ホールパターンという)または柱パターン(以下、ピラーパターンという)などのパターンを形成する方法が知られている。従来では、光リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてホールパターンまたはピラーパターンを形成する場合、まず、半導体基板上の所定の層上に、レジストを塗布する。そして、光露光技術を用いて、フォトマスク上のパターンをレジストに転写した後、レジストを現像することによって、レジストに所定のパターン(レジストパターン)を形成する。次に、レジストパターンをマスクとして半導体基板上の所定の層をエッチングすることによって、半導体基板上の所定の層に半導体素子用のパターンが形成される。なお、光リソグラフィ技術では、レンズを用いてパターンを縮小投影する縮小投影露光装置が用いられる。
【0003】
また、近年の半導体装置の微細化に伴って、半導体基板上に形成される半導体素子用のホールパターンまたはピラーパターンの微細化が求められている。たとえば、露光に使用する光の波長よりも小さいホール径を有する回路パターン(ホールパターン)が必要になってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような極めて微細なホールパターンを光リソグラフィ技術を用いて複数形成する場合に、隣接するパターン間の間隔であるパターンピッチが小さくなると、レジストへの露光の際に、隣接するパターンからの回折光の影響が大きくなることが知られている。この場合、隣接するパターンからの回折光の影響により各パターンの光の強度が変化するので、レジストパターンを設計寸法通りに形成するのは困難である。そして、このようなレジストパターンを用いて半導体基板上の所定の層にパターンを形成すると、そのパターンも設計寸法とは異なるパターンサイズになるという問題点があった。
【0005】
以下、この問題点を図15〜図17を参照して、より詳細に説明する。なお、図15には、小さいパターンピッチを有する2つのホールパターン101aと、大きいパターンピッチを有する2つのホールパターン101cと、中間の大きさのパターンピッチを有する2つのホールパターン101bとを含むフォトマスク101が示されている。また、図16には、図15に示したフォトマスク101のホールパターン101a、101bおよび101cが転写されたホールパターン102a、102bおよび102cを有するレジスト102が示されている。図15および図16を参照して、フォトマスク101上の小さいパターンピッチを有するホールパターン101aに対応するレジスト102のホールパターン102aは、隣接するホールパターン101aからの回折光の影響が大きいため、設計寸法よりも大きいパターンサイズになる。その一方、フォトマスク101上の大きいパターンピッチを有するホールパターン101cに対応するレジスト102のホールパターン102cは、隣接するパターン101cからの回折光の影響が小さいので、設計寸法のパターンサイズに近くなる。つまり、パターンピッチの大小(パターンの疎密)に依存して、半導体基板上に形成されるパターンのパターンサイズが変動するという問題点がある。
【0006】
図17には、パターンピッチと、レジストに形成されるパターンのパターンサイズとの関係が示されている。図17に示すように、パターンサイズの設計寸法が0.18μmの場合、パターンピッチが大きくなるほど、レジスト102に形成されるホールパターン102c(図16参照)のパターンサイズが0.18μmに近くなる。その一方、パターンピッチが小さくなるほど、フォトマスク101上の隣接するホールパターン101a(図15参照)からの回折光の影響が大きくなることに起因して光の強度が大きくなるので、レジスト102に形成されるホールパターン102c(図16参照)のパターンサイズは、大きくなる。特に、ホールパターン(またはピラーパターン)は、ラインパターンに比べて少ない光で露光するため、回折光の影響が大きい。この場合、パターンサイズの設計寸法(0.18μm)からの許容可能な範囲を0.18μm〜0.19μmとすると、パターンピッチが0.54μmよりも小さい場合には、許容範囲内のパターンサイズを得ることが困難になる。たとえば、パターンピッチが0.34の場合には、レジスト102に形成されるホールパターン102cのパターンサイズは、0.24μm以上となり、完全に許容範囲外になる。
【0007】
また、パターンピッチがより小さい場合には、隣接するホールパターン同志が繋がるなどの不都合が生じる。また、回折光の影響を小さくするために露光量を小さくすると、光の強度が小さすぎることに起因して、大きいパターンピッチを有するホールパターンが形成されにくくなるという新たな問題点が発生する。
【0008】
上記のように、従来では、小さいパターンピッチを有するホールパターンでは、パターンサイズを設計寸法の許容範囲内にするのが困難であった。このため、半導体基板上に種々のパターンピッチを有する同一のパターンサイズのホールパターンを形成する場合に、形成されるホールパターンのパターンサイズがばらつくという不都合があった。そして、このようなパターンサイズにばらつきのあるホールパターン内にプラグ電極を形成すると、上層または下層とのコンタクト抵抗がばらつき、その結果、半導体装置の信頼性が低下するという問題点があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、半導体装置の信頼性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【0010】
この発明のもう1つの目的は、半導体装置の信頼性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体装置の製造方法は、フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られるフォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程と、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からのずれ量が許容可能なずれ量になるように、パターンピッチに応じて、閾値に基づいて所定のパターンサイズを選択してフォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程と、フォトマスク上の穴または柱パターンを用いて、半導体基板上に穴または柱パターンを形成する工程とを備える。
【0012】
この第1の局面による半導体装置の製造方法では、上記のように、閾値に基づいて、穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られるパターンサイズを選択してフォトマスク上に穴または柱パターンを形成した後に、そのフォトマスク上の穴または柱パターンを用いて、半導体基板上に穴または柱パターンを形成することによって、半導体基板上に形成される穴または柱パターンのパターンサイズのずれ量を、設計寸法からの許容可能なずれ量の範囲内にすることができる。これにより、半導体基板上に形成される穴または柱パターンのパターンサイズが大きくばらつくのを抑制することができるので、穴パターン内にプラグ電極が形成された場合に、そのプラグ電極と上層または下層とのコンタクト抵抗がばらつくのを抑制することができる。その結果、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、単一のパターン形状を有する穴または柱パターンを形成する場合のみに限定することによって、複数の形状のパターンが存在するラインパターンの場合と異なり、パターンピッチとパターンサイズとの関係に基づいて、容易に、パターンピッチの閾値を決定することができる。
【0013】
上記第1の局面による半導体装置の製造方法において、好ましくは、閾値を決定する工程は、フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上に形成されたレジストの穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、レジストに形成された穴または柱パターンのパターンサイズの許容可能な設計寸法からのずれ量が得られるフォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程を含む。このように構成すれば、レジストに形成される穴または柱パターンのパターンサイズのずれ量を、設計寸法からの許容可能なずれ量の範囲内にすることができる。
【0014】
上記第1の局面による半導体装置の製造方法において、好ましくは、閾値を決定する工程は、フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上のエッチング後の穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、エッチング後の穴または柱パターンのパターンサイズの許容可能な設計寸法からのずれ量が得られるフォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程を含む。このように構成すれば、半導体基板上のエッチング後の穴または柱パターンのパターンサイズのずれ量を、設計寸法からの許容可能なずれ量の範囲内にすることができる。
【0015】
上記第1の局面による半導体装置の製造方法において、好ましくは、閾値を決定する工程は、複数の閾値を決定する工程を含み、フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程は、複数の閾値に基づいて多段階に所定のパターンサイズを選択してフォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程を含む。このように構成すれば、閾値としてのパターンピッチの値が複数設けられるので、半導体基板上に形成される穴または柱パターンのパターンサイズのずれ量を、設計寸法からの許容可能なずれ量の範囲内にすることが可能なパターンピッチの範囲を大きくすることができる。
【0016】
上記第1の局面による半導体装置の製造方法において、好ましくは、閾値を決定する工程は、複数のパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するフォトマスク上の穴または柱パターンを半導体基板上に形成することによって、フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係を取得する工程を含む。このように構成すれば、実際に半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズに基づいて閾値が決定されるので、正確な閾値を得ることができる。
【0017】
上記第1の局面による半導体装置の製造方法において、好ましくは、フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程は、第1の深さを有する第1の穴パターンと第1の深さよりも大きい第2の深さを有する第2の穴パターンとを半導体基板上に形成する場合に、第2の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさを第1の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさよりも大きくなるように形成する工程を含む。このように構成すれば、半導体基板上に形成される第1の穴パターンのボトムサイズと第2の穴パターンのボトムサイズとの差を小さくすることができる。これにより、半導体基板上に複数の深さを有する穴パターンを形成したとしても、穴パターンのボトムサイズがばらつくのを抑制することができる。その結果、穴パターンにプラグ電極を形成した場合に、第1の穴パターンと第2の穴パターンとにおけるプラグ電極と下層とのコンタクト抵抗の差を小さくすることができる。
【0018】
上記第1の局面による半導体装置の製造方法において、好ましくは、フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程は、第1のパターンサイズを有する第1の穴または柱パターンと、第1のパターンサイズよりも大きい第2の穴または柱パターンとを半導体基板上に形成する場合に、第1の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴または柱パターンの大きさと第2の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴またはパターンの大きさとの差が、第1のパターンサイズと第2のパターンサイズとの差よりも小さくなるように形成する工程を含む。このように構成すれば、複数のパターンサイズが混在する穴または柱パターンを同一の露光条件でレジストに転写した場合に、転写された穴または柱パターンの各パターンサイズが設計寸法から大きくずれるのを抑制することができる。
【0019】
この発明の第2の局面による半導体装置の製造方法は、第1の深さを有する第1の穴パターンと第1の深さよりも大きい第2の深さを有する第2の穴パターンとを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法であって、第2の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさを第1の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさよりも大きくなるように形成する工程と、フォトマスク上の穴パターンを用いて、半導体基板上に第1の穴パターンと第2の穴パターンとを形成する工程とを備える。
【0020】
この第2の局面による半導体装置の製造方法では、上記のように、第2の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさを第1の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさよりも大きくなるように、フォトマスク上に穴パターンを形成した後に、そのフォトマスク上の穴パターンを用いて、半導体基板上に穴パターンを形成することによって、半導体基板上に形成される第1の穴パターンのボトムサイズと第2の穴パターンのボトムサイズとの差を小さくすることができる。これにより、半導体基板上に複数の深さを有する穴パターンを形成したとしても、穴パターンのボトムサイズがばらつくのを抑制することができる。その結果、穴パターンにプラグ電極を形成した場合に、第1の穴パターンと第2の穴パターンとにおけるプラグ電極と下層とのコンタクト抵抗の差を小さくすることができる。その結果、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0021】
この発明の第3の局面による半導体装置の製造方法は、第1のパターンサイズを有する第1の穴または柱パターンと、第1のパターンサイズよりも大きい第2の穴または柱パターンとを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法であって、第1の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴または柱パターンの大きさと第2の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴または柱パターンの大きさとの差が、第1のパターンサイズと第2のパターンサイズとの差よりも小さくなるように形成する工程と、フォトマスクを用いて、半導体基板上に第1の穴または柱パターンと、第2の穴または柱パターンとを形成する工程とを備える。
【0022】
この第3の局面による半導体装置の製造方法では、上記のように、第1の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴または柱パターンの大きさと第2の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴または柱パターンの大きさとの差が、第1のパターンサイズと第2のパターンサイズとの差よりも小さくなるようにフォトマスク上に穴または柱パターンを形成した後に、そのフォトマスク上の穴または柱パターンを用いて、半導体基板上に穴または柱パターンを形成することによって、複数のパターンサイズが混在する穴または柱パターンを同一の露光条件でレジストに転写した場合に、転写された穴または柱パターンの各パターンサイズが設計寸法から大きくずれるのを抑制することができる。その結果、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0023】
この発明の第4の局面によるフォトマスクの製造方法は、フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られるフォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程と、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からのずれ量が許容可能なずれ量になるように、パターンピッチに応じて、閾値に基づいて所定のパターンサイズを選択してフォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程とを備える。
【0024】
この第4の局面による半導体装置の製造方法では、上記のように、閾値に基づいて、穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法に対して許容可能なずれ量が得られるパターンサイズを選択してフォトマスク上に穴または柱パターンを形成することによって、半導体基板上に形成される穴または柱パターンのパターンサイズのずれ量を、設計寸法に対して許容可能なずれ量の範囲内にすることが可能な穴または柱パターンを有するフォトマスクを形成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作製方法を説明するためのフローチャートである。図1を参照して、第1実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作製方法について説明する。
【0027】
まず、ステップS1において、フォトマスク上に、複数のパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するホールパターンを形成する。また、半導体基板上の所定の層上に、レジストを形成する。この後、露光法を用いて、フォトマスク上のホールパターンをレジストに転写した後、現像することによって、レジストをパターニングする。この際、実際の露光条件に即した条件下で露光を行う。
【0028】
次に、ステップS2において、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの相関関係を取得する。
【0029】
次に、ステップS3において、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズを有するホールパターンをレジストに形成することが可能なフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズをパターンピッチ毎に調べる。そして、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズが得られるフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズが、他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値を閾値として決定する。
【0030】
次に、ステップS4において、ステップS3で決定された閾値に基づいて、レジストに形成されるホールパターンのパターンサイズが、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズになるように、フォトマスク作製ルールを作成する。そして、パターンピッチに応じてフォトマスク上に形成するホールパターンのパターンサイズを選択する。そして、選択されたパターンサイズを有するホールパターンを含むフォトマスクを作製する。このようにして、第1実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクが作製される。
【0031】
図2は、第1実施形態によるフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチとレジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの関係を示したグラフである。図3および図4は、第1実施形態による半導体装置の製造方法を説明するためのフォトマスクおよびレジストの平面図である。次に、図2〜図4を参照して、図1に示したフォトマスクの作製方法を含む本発明の半導体装置の製造方法を、設計寸法が0.185μmのパターンサイズを有するホールパターンを半導体基板上のレジストに形成する場合に適用した例について説明する。なお、設計寸法(0.185μm)に対するパターンサイズの許容範囲は、0.18μm〜0.19μmとする。
【0032】
まず、0.16μm、0.17μmおよび0.18μmのパターンサイズを有するホールパターンをそれぞれのパターンサイズに対して複数のパターンピッチ(0.3μm〜1.4μm)でフォトマスク上に形成する。また、Si基板(図示せず)上に、約600nmの厚みを有するTEOS膜からなる層間絶縁膜(図示せず)、約63nmの厚みを有する反射防止膜(図示せず)および約550nmの厚みを有するポジ型レジスト(図示せず)を順次形成する。なお、Si基板は、本発明の「半導体基板」の一例である。
【0033】
この後、フォトマスク上のホールパターンをレジストに転写する。この場合の露光条件は、krfエキシマレーザ波長:0.248μm、レンズ開口率:0.68、コヒーレンシファクタ:0.75、露光量:33.5mJである。これにより、レジストに、0.16μm、0.17μmおよび0.18μmのパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するホールパターンが形成される。
【0034】
次に、図2に示すように、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの相関関係を取得する。
【0035】
次に、図2に示す相関関係に基づいて、閾値AおよびBを決定する。具体的には、図2に示すように、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズが0.16μmである場合には、パターンピッチが約0.39μmよりも小さければ、レジストに許容範囲内のパターンサイズ(0.18μm〜0.19μm)を有するホールパターンを形成可能であることがわかる。また、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズが0.17μmである場合には、パターンピッチが約0.39μm〜約0.50μmの範囲内であれば、レジストに許容範囲内のパターンサイズ(0.18μm〜0.19μm)を有するホールパターンを形成可能であることがわかる。また、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズが0.18μmである場合には、パターンピッチが約0.50μmよりも大きければ、レジストに許容範囲内のパターンサイズ(0.18μm〜0.19μm)を有するホールパターンを形成可能であることがわかる。このことから、約0.39μmおよび約0.50μmのパターンピッチをそれぞれパターンサイズを選択するための閾値AおよびBとすることができる。
【0036】
そして、図2に示した閾値AおよびBに基づいて、パターンピッチに応じて、許容範囲内のパターンサイズ(0.18μm〜0.19μm)が得られるパターンサイズを選択した後、そのパターンサイズを有するホールパターンをフォトマスク上に形成する。具体的には、図3に示すように、約0.39μmよりも小さいパターンピッチを有するホールパターン3aでは、0.16μmのパターンサイズを選択する。また、約0.39μm〜約0.50μmの範囲内のパターンピッチを有するホールパターン3bでは、0.17μmのパターンサイズを選択する。また、約0.50μmよりも大きいパターンピッチを有するホールパターン3cでは、0.18μmのパターンサイズを選択する。
【0037】
そして、上記のようにして作製したフォトマスク3を用いて、光露光技術により露光を行えば、図4に示すような設計寸法の許容範囲(0.18μm〜0.19μm)内のホールパターン4a、4bおよび4cを有するレジスト4が形成される。そして、そのようなホールパターン4a〜4cが形成されたレジスト4をマスクとして、Si基板上の反射防止膜およびTEOS膜からなる層間絶縁膜をエッチングすれば、層間絶縁膜に設計寸法の許容範囲(0.18μm〜0.19μm)内のパターンサイズを有するホールパターン(コンタクトホール)が形成される。
【0038】
第1実施形態では、上記のように、パターンピッチの閾値AおよびBに基づいて、ホールパターンのパターンサイズの設計寸法(0.185μm)からの許容可能なずれ量(±0.005μm)が得られるパターンサイズを選択してフォトマスク3上にホールパターン3a〜3cを形成した後に、そのホールパターン3a〜3cを有するフォトマスク3を用いて、レジスト4にホールパターン4a〜4cを形成することによって、レジスト4に形成されるホールパターン4a〜4cのパターンサイズのずれ量を、設計寸法(0.185μm)からの許容可能なずれ量(±0.005μm)の範囲内にすることができる。これにより、レジスト4に形成されるホールパターン4a〜4cのパターンサイズが大きくばらつくのを抑制することができるので、そのレジスト4をマスクとしてエッチングすることにより形成される層間絶縁膜のコンタクトホールのパターンサイズが大きくばらつくのを抑制することができる。これにより、層間絶縁膜のコンタクトホール内にプラグ電極が形成された場合に、そのプラグ電極と上層または下層とのコンタクト抵抗がばらつくのを抑制することができる。その結果、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0039】
また、第1実施形態では、複数の閾値AおよびBに基づいて多段階に所定のパターンサイズを選択してフォトマスク3上にホールパターン3a〜3cを形成することによって、閾値としてのパターンピッチの値が複数設けられるので、レジスト4に形成されるホールパターン4a〜4cのパターンサイズのずれ量を、設計寸法(0.185μm)からの許容可能なずれ量(±0.005μm)の範囲内にすることが可能なパターンピッチの範囲を大きくすることができる。
【0040】
さらに、第1実施形態では、実際にレジストに形成されたホールパターンのパターンサイズに基づいてパターンピッチの閾値AおよびBが決定されるので、正確な閾値AおよびBを得ることができる。
【0041】
図5は、本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作製方法を説明するためのフローチャートである。図5を参照して、この第1実施形態の変形例では、エッチング後のパターンサイズに基づいて閾値を決定する。具体的には、ステップS11において、フォトマスク上に、複数のパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するホールパターンを形成する。また、半導体基板上の所定の層上に、レジストを形成する。この後、露光法を用いて、フォトマスク上のホールパターンをレジストに転写した後、現像することによって、レジストをパターニングする。この際、実際の露光条件に即した条件下で露光を行う。そして、ホールパターンが形成されたレジストをマスクとして半導体基板上の所定の層をエッチングすることによって、半導体基板上の所定の層にホールパターンを形成する。この際、実際のエッチング条件に即した条件下でエッチングを行う。
【0042】
次に、ステップS12において、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、エッチングにより形成された所定の層のホールパターンのパターンサイズとの相関関係を取得する。
【0043】
次に、ステップS13において、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズを有するホールパターンを所定の層にエッチングにより形成することが可能なフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズをパターンピッチ毎に調べる。そして、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズが得られるフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズが、他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値を閾値として決定する。
【0044】
次に、ステップS14において、ステップS13で決定された閾値に基づいて、半導体基板上の所定の層にエッチングにより形成されるホールパターンのパターンサイズが、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズになるように、フォトマスク作製ルールを作成する。そして、パターンピッチに応じてフォトマスク上に形成するホールパターンのパターンサイズを選択する。そして、選択されたパターンサイズを有するホールパターンを含むフォトマスクを作製する。
【0045】
第1実施形態の変形例では、上記のように、閾値に基づいて、エッチング後のホールパターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られるパターンサイズを選択してフォトマスク上にホールパターンを形成した後に、そのホールパターンを有するフォトマスクを用いて、半導体基板上の所定の層にエッチングによりホールパターンを形成することによって、半導体基板上の所定の層にエッチングにより形成されるホールパターンのパターンサイズのずれ量を、設計寸法からの許容可能なずれ量の範囲内にすることができる。
【0046】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作製方法を説明するためのフローチャートである。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、ホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチに加えて、ホールパターンの深さおよびホールパターンに充填されるプラグ電極のコンタクト抵抗も考慮して、閾値を決定する例について説明する。
【0047】
すなわち、この第2実施形態では、図6に示すように、ステップS21において、フォトマスク上に、複数のパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するホールパターンを形成する。また、半導体基板上に形成された所定の層上に、レジストを塗布する。この後、露光法を用いて、フォトマスク上のホールパターンをレジストに転写する。この際、実際の露光条件に即した条件下で露光を行う。そして、ホールパターンが形成されたレジストをマスクとして半導体基板上の所定の層をエッチングすることによって、半導体基板上の所定の層に複数の深さを有するホールパターンを形成する。この際、実際のエッチング条件に即した条件下でエッチングを行う。
【0048】
次に、ステップS22において、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、エッチング後のホールパターンのボトムサイズ(底部の径)、トップサイズ(頂部の径)またはホールパターンに充填されるプラグ電極のコンタクト抵抗との相関関係を、ホールパターンの深さ毎に取得する。
【0049】
次に、ステップS23において、エッチング後のホールパターンのパターンサイズが設計値の許容範囲内のボトムサイズまたはトップサイズになるようなフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズをホールパターンの深さ毎に調べる。または、エッチング後のホールパターンに充填されるプラグ電極のコンタクト抵抗が設計値の許容範囲内になるようなフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズをホールパターンの深さ毎に調べる。そして、設計値の許容範囲内のボトムサイズ、トップサイズまたはコンタクト抵抗が得られるパターンサイズが、他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値を閾値として決定する。
【0050】
次に、ステップS24において、ステップS23で決定された閾値に基づいて、エッチング後のホールパターンのボトムサイズ、トップサイズまたはコンタクト抵抗が、設計値の許容範囲内のボトムサイズ、トップサイズまたはコンタクト抵抗になるように、フォトマスク作製ルールを作成する。そして、パターンピッチに応じてフォトマスク上に形成するホールパターンのパターンサイズを選択する。そして、選択されたパターンサイズを有するホールパターンを含むフォトマスクを形成する。このようにして、第2実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクが作製される。
【0051】
図7および図9〜図13は、図6に示したフォトマスクの作製方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。図8は、第2実施形態によるホールパターンの深さとE−Lサイズとの関係を示したグラフである。次に、図7〜図13を参照して、図6に示したフォトマスクの作製方法を用いて、電界効果型トランジスタの異なる深さのコンタクトホールのボトムサイズを、ほぼ同じ大きさに形成する例について説明する。
【0052】
まず、図7および図8を参照して、フォトマスクの作製方法について説明する。フォトマスクを作製するためのデータを取得するために、図7に示すように、半導体基板21の表面上に、一対のソース/ドレイン領域22とゲート絶縁膜23とゲート電極24とを含む電界効果型トランジスタを形成する。そして、一対のソース/ドレイン領域22およびゲート電極24を覆うように、層間絶縁膜25を形成する。そして、層間絶縁膜25上にレジスト26を形成した後、ホールパターンを有するフォトマスクを用いて、光露光技術によりレジスト26にホールパターン26aおよび26bを形成する。そして、ホールパターン26aおよび26bを有するレジスト26をマスクとして、層間絶縁膜25をエッチングすることによって、層間絶縁膜25にソース/ドレイン領域22およびゲート電極24にそれぞれ達するコンタクトホール25aおよび25bを形成する。コンタクトホール25aは、約0.8μmの深さを有するとともに、コンタクトホール25bは、約0.6μmの深さを有する。なお、コンタクトホール25aは、本発明の「第2の穴パターン」の一例であり、コンタクトホール25bは、本発明の「第1の穴パターン」の一例である。
【0053】
ここで、第2実施形態では、フォトマスク(図示せず)上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、エッチングにより形成されたコンタクトホール25aのボトムサイズとの相関関係を取得する。
【0054】
また、上記のコンタクトホール25aおよび25bの形成の際に、エッチングにより形成されたホールパターン(コンタクトホール25aおよび25b)のボトムサイズからフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズを差し引いた値(以下、E−Lサイズという)と、ホールパターンの深さとの関係を調べた。その結果が図8に示される。図8を参照して、横軸のNo.3、4、11、12、18、19および22は、約0.6μmの深さを有するホールパターンであり、それ以外のホールパターンは、約0.8μmの深さを有する。そして、図8の結果から、コンタクトホール25bのボトムサイズとほぼ同じボトムサイズを有するコンタクトホール25aを形成することが可能なフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズを調べる。具体的には、図8に示すように、約0.6μmの深さを有するコンタクトホール25bのE−Lサイズは、約−0.05μmである。また、約0.8μmの深さを有するコンタクトホール25aのE−Lサイズは、約−0.085μmである。これにより、コンタクトホール25aのボトムサイズとコンタクトホール25bのボトムサイズとをほぼ同じにするためには、コンタクトホール25bに対応するフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズよりも約0.035μm大きくしたパターンサイズを、約0.8μmの深さを有するコンタクトホール25aに対応するフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズにすればよいことがわかる。
【0055】
上記のようなホールパターンの深さに対するフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズの調整を行った後、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、コンタクトホール25aのボトムサイズとの相関関係に基づいて、許容範囲内のボトムサイズが得られるフォトマスク上のホールパターンのパターンピッチの閾値(図示せず)を決定する。
【0056】
そして、この閾値に基づいて、パターンピッチに応じて所定のパターンサイズを選択した後、そのパターンサイズを有するホールパターンを含むフォトマスクを作製する。
【0057】
上記のようにして、フォトマスクを作製した後、図9〜図13に示す工程により、半導体装置を形成する。具体的には、まず、図9に示すように、一対のソース/ドレイン32が形成された半導体基板31上に、ゲート絶縁膜33、ゲート電極34、層間絶縁膜35およびレジスト36を順次形成する。
【0058】
次に、図10に示すように、露光法を用いて、上述した方法により作製したフォトマスク37上のホールパターンをレジスト36に転写する。そして、ホールパターンが転写されたレジスト36を現像することによって、図11に示すような、ホールパターン36aおよび36bを有するレジスト36が形成される。
【0059】
この後、レジスト36をマスクとして層間絶縁膜35をエッチングすることによって、図12に示すように、層間絶縁膜35に、コンタクトホール35aおよび35bが形成される。このコンタクトホール35aのボトムサイズは、コンタクトホール35bのボトムサイズとほぼ同じ大きさに形成される。なお、コンタクトホール35aは、本発明の「第2の穴パターン」の一例であり、コンタクトホール35bは、本発明の「第1の穴パターン」の一例である。この後、レジスト36を除去する。
【0060】
最後に、図13に示すように、コンタクトホール35aおよび35b内にそれぞれプラグ電極38aおよび38bを形成する。これにより、第2実施形態による電界効果型トランジスタを含む半導体装置が形成される。
【0061】
第2実施形態では、上記のように、約0.8μmの深さを有するコンタクトホール25a(35a)に対応するフォトマスク上のホールパターンの大きさを、約0.6μmの深さを有するコンタクトホール25b(35b)に対応するフォトマスク上のホールパターンの大きさよりも約0.035μm大きくなるように、フォトマスク上にホールパターンを形成した後に、そのフォトマスク上のホールパターンを用いて、層間絶縁膜35にコンタクトホール35aおよび35bを形成することによって、コンタクトホール35aのボトムサイズとコンタクトホール35bのボトムサイズとをほぼ同じにすることができる。これにより、層間絶縁膜35に異なる深さを有するコンタクトホール35aおよび35bを形成したとしても、コンタクトホール35aおよび35bのボトムサイズがばらつくのを抑制することができる。その結果、層間絶縁膜35のコンタクトホール35aおよび35b内にそれぞれ形成されるプラグ電極38aおよび38bのソース/ドレイン領域32に対するコンタクト抵抗をほぼ同じにすることができる。
【0062】
(第3実施形態)
図14は、本発明の第3実施形態によるフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの関係を示したグラフである。この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、複数のパターンサイズのホールパターンが混在する場合の例について説明する。なお、パターンサイズの設計寸法は、0.17μmおよび0.19μmとする。また、パターンピッチの設計寸法は、0.6μm以上とする。
【0063】
この第3実施形態では、まず、0.17μm、0.18μmおよび0.19μmの3つのパターンサイズを有するホールパターンを、それぞれのパターンサイズに対して複数のパターンピッチ(0.4μm〜1.15μm)でフォトマスク上に形成する。また、Si基板(図示せず)上に、約600nmの厚みを有するTEOS膜からなる層間絶縁膜(図示せず)、約63nmの厚みを有する反射防止膜(図示せず)および約550nmの厚みを有するポジ型レジスト(図示せず)を順次形成する。
【0064】
この後、フォトマスク上のホールパターンをレジストに転写する。この場合の露光条件は、krfエキシマレーザ波長:0.248μm、レンズ開口率:0.68、コヒーレンシファクタ:0.75、露光量:33.5mJである。これにより、レジストに、0.17μm、0.18μmおよび0.19μmのパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するホールパターンが形成される。
【0065】
そして、図14に示すように、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの相関関係を取得する。
【0066】
次に、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズを有するホールパターンをレジストに形成することが可能なフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズをパターンピッチ毎に調べる。具体的には、図14に示したように、0.17μmのパターンサイズを有するフォトマスク上のホールパターンを用いて露光した場合、パターンピッチが0.6μm以上であれば、レジストに形成されるホールパターンのパターンサイズは、0.17μm程度になる。また、0.19μmのパターンサイズを有するフォトマスク上のホールパターンを用いた場合、パターンピッチが0.6μm以上であれば、レジストに形成されるホールパターンのパターンサイズは、0.2μm程度になる。この場合、0.19μmのパターンサイズを有するフォトマスク上のホールパターンでは、設計寸法(0.19μm)に対して約0.01μm大きくなる。なお、0.18μmのパターンサイズを有するフォトマスク上のホールパターンを用いた場合、パターンピッチが0.6μm以上であれば、レジストに形成されるホールパターンのパターンサイズは、約0.19μmになる。
【0067】
ここで、この第3実施形態では、約0.19μmのパターンサイズのホールパターンを約0.18μmのパターンサイズに変更している。このように、変更されたパターンサイズを有するホールパターンを含むフォトマスクを用いて露光すれば、約0.19μmのパターンサイズを有するホールパターンが得られる。このように、設計寸法が0.17μmのパターンサイズと0.19μmのパターンサイズとが混在する場合には、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズ差を、0.19−0.17=0.02μmから、0.18−0.17=0.01μmに小さくすれば、レジストに設計寸法の許容範囲内のパターンサイズを有するホールパターンを形成することができる。そして、このレジストをマスクとして、Si基板上の反射防止膜および層間絶縁膜をエッチングすれば、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズを有するホールパターン(コンタクトホール)を含む層間絶縁膜を形成することができる。これにより、設計寸法が0.17μmおよび0.19μmのパターンサイズが混在するホールパターンを同一の露光条件でレジストに転写した場合にも、転写されたホールパターンの各パターンサイズが設計寸法から大きくずれるのを抑制することができる。
【0068】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、本発明をホールパターン(穴パターン)を形成する際に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、ピラーパターン(柱パターン)を形成する際に適用しても、同様の効果を得ることができる。このように、本発明を単一のパターン形状を有するホールまたはピラーパターンに限定することによって、複数の形状のパターンが存在するラインパターンの場合と異なり、パターンピッチとパターンサイズとの関係に基づいて、容易に、パターンピッチの閾値を決定することができる。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、エッチング面積の増加に伴ってエッチング速度が低下するローディング効果による影響を考慮せずに閾値を決定したが、本発明はこれに限らず、閾値を決定する際に、ローディング効果を考慮するようにしてもよい。
【0071】
また、上記第2実施形態では、電界効果型トランジスタ(MOSFET)を含む半導体装置を形成する例について説明したが、本発明はこれに限らず、他の半導体素子を含む半導体装置を形成する場合にも適用可能である。
【0072】
また、上記第2実施形態では、コンタクトホール25aと25bとのボトムサイズ(底部の径)をほぼ同じにするようにしたが、本発明はこれに限らず、コンタクトホール(ホールパターン)のトップサイズ(頂部の径)をほぼ同じにするようにしてもよい。
【0073】
また、上記第2実施形態では、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズが、他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値を閾値として決定した後に、閾値に基づいてパターンサイズを選択するようにしたが、本発明はこれに限らず、第2実施形態において、閾値を用いずにE−Lサイズのみに基づいて、パターンサイズを選択するようにしてもよい。
【0074】
また、上記第3実施形態では、複数のパターンサイズのホールパターンが混在する場合に、閾値を決定せずに、各ホールパターンの設計寸法差よりもフォトマスクの各ホールパターンのパターン寸法差が小さくなるようにした例を示したが、本発明はこれに限らず、第3実施形態において、設計寸法の許容範囲内のパターンサイズが、他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として各々のパターンサイズについて決定した後に、その閾値に基づいて各々のパターンサイズについてパターンサイズを選択するようにしてもよい。
【0075】
また、上記第3実施形態では、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、各ホールパターンの設計寸法差よりもフォトマスクの各ホールパターンのパターン寸法差が小さくなるようにした例を示したが、本発明はこれに限らず、フォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、エッチング後のホールパターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、各ホールパターンの設計寸法差よりもフォトマスクの各ホールパターンのパターン寸法差が小さくなるようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、半導体装置の信頼性を向上させることが可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作製方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】第1実施形態によるフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの関係を示したグラフである。
【図3】第1実施形態による半導体装置の製造方法を説明するためのフォトマスクの平面図である。
【図4】第1実施形態による半導体装置の製造方法を説明するためのレジストの平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作製方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法に用いるフォトマスクの作成方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示したフォトマスクの作成方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】第2実施形態によるホールパターンの深さとE−Lサイズとの関係を示したグラフである。
【図9】図6に示したフォトマスクの作製方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】図6に示したフォトマスクの作製方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】図6に示したフォトマスクの作製方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】図6に示したフォトマスクの作製方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】図6に示したフォトマスクの作製方法を含む第2実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるフォトマスク上のホールパターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成されたホールパターンのパターンサイズとの関係を示したグラフである。
【図15】従来の半導体装置の製造方法の問題点を説明するためのフォトマスクの平面図である。
【図16】従来の半導体装置の製造方法の問題点を説明するためのレジストの平面図である。
【図17】従来の半導体装置の製造方法の問題点を説明するためのフォトマスク上の穴パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、レジストに形成された穴パターンのパターンサイズとの関係を示したグラフである。
【符号の説明】
3、37 フォトマスク
4、26、36 レジスト
21、31 半導体基板
25a、35a コンタクトホール(第2の穴パターン)
25b、35b コンタクトホール(第1の穴パターン)

Claims (10)

  1. フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、前記半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られる前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程と、
    前記半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からのずれ量が許容可能なずれ量になるように、前記パターンピッチに応じて、前記閾値に基づいて所定のパターンサイズを選択して前記フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程と、
    前記フォトマスク上の穴または柱パターンを用いて、前記半導体基板上に穴または柱パターンを形成する工程とを備えた、半導体装置の製造方法。
  2. 前記閾値を決定する工程は、
    前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、前記半導体基板上に形成されたレジストの穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、前記レジストに形成された穴または柱パターンのパターンサイズの許容可能な設計寸法からのずれ量が得られる前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記閾値を決定する工程は、
    前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、前記半導体基板上のエッチング後の穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、前記エッチング後の穴または柱パターンのパターンサイズの許容可能な設計寸法からのずれ量が得られる前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記閾値を決定する工程は、
    複数の閾値を決定する工程を含み、
    前記フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程は、
    前記複数の閾値に基づいて多段階に所定のパターンサイズを選択して前記フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記閾値を決定する工程は、
    複数のパターンサイズのそれぞれに複数のパターンピッチを有するフォトマスク上の穴または柱パターンを前記半導体基板上に形成することによって、前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、前記半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係を取得する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程は、
    第1の深さを有する第1の穴パターンと前記第1の深さよりも大きい第2の深さを有する第2の穴パターンとを前記半導体基板上に形成する場合に、前記第2の穴パターンに対応する前記フォトマスク上の穴パターンの大きさを前記第1の穴パターンに対応する前記フォトマスク上の穴パターンの大きさよりも大きくなるように形成する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程は、
    第1のパターンサイズを有する第1の穴または柱パターンと、前記第1のパターンサイズよりも大きい第2の穴または柱パターンとを前記半導体基板上に形成する場合に、前記第1の穴または柱パターンに対応する前記フォトマスク上の穴または柱パターンの大きさと前記第2の穴または柱パターンに対応する前記フォトマスク上の穴または柱パターンの大きさとの差が、前記第1のパターンサイズと前記第2のパターンサイズとの差よりも小さくなるように形成する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 第1の深さを有する第1の穴パターンと前記第1の深さよりも大きい第2の深さを有する第2の穴パターンとを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法であって、
    前記第2の穴パターンに対応するフォトマスク上の穴パターンの大きさを前記第1の穴パターンに対応する前記フォトマスク上の穴パターンの大きさよりも大きくなるように形成する工程と、
    前記フォトマスク上の穴パターンを用いて、前記半導体基板上に前記第1の穴パターンと前記第2の穴パターンとを形成する工程とを備える、半導体装置の製造方法。
  9. 第1のパターンサイズを有する第1の穴または柱パターンと、前記第1のパターンサイズよりも大きい第2の穴または柱パターンとを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の穴または柱パターンに対応するフォトマスク上の穴または柱パターンの大きさと前記第2の穴または柱パターンに対応する前記フォトマスク上の穴または柱パターンの大きさとの差が、前記第1のパターンサイズと前記第2のパターンサイズとの差よりも小さくなるように形成する工程と、
    前記フォトマスク上の穴または柱パターンを用いて、前記半導体基板上に前記第1の穴または柱パターンと、前記第2の穴または柱パターンとを形成する工程とを備える、半導体装置の製造方法。
  10. フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズおよびパターンピッチと、半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズとの相関関係に基づいて、前記半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からの許容可能なずれ量が得られる前記フォトマスク上の穴または柱パターンのパターンサイズが他のパターンサイズに切り替わるときのパターンピッチの値をそのパターンサイズの閾値として決定する工程と、
    前記半導体基板上に形成された穴または柱パターンのパターンサイズの設計寸法からのずれ量が許容可能なずれ量になるように、前記パターンピッチに応じて、前記閾値に基づいて所定のパターンサイズを選択して前記フォトマスク上に穴または柱パターンを形成する工程とを備えた、フォトマスクの製造方法。
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