JP2004085186A - 冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法。 - Google Patents
冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】冷却性能が高く、フレキシビリティーの高い冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】冷却装置1には、冷却対象物を冷却するエバポレータ2、エバポレータ2で冷却した際の熱を外部に放熱するコンデンサ3とが設けられており、エバポレータ2とコンデンサ3との間には、フッ素樹脂からなり作動流体を流通させる管である気相路4及び液相路5が接続され、作動流体が循環するようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】冷却装置1には、冷却対象物を冷却するエバポレータ2、エバポレータ2で冷却した際の熱を外部に放熱するコンデンサ3とが設けられており、エバポレータ2とコンデンサ3との間には、フッ素樹脂からなり作動流体を流通させる管である気相路4及び液相路5が接続され、作動流体が循環するようになっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータの中央演算処理部や音響装置のアンプに用いられるパワートランジスタ等に用いられる冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータでは、中央演算処理部(Central Processing Unit、以下CPUとも言う)の高性能化が著しい。このようなCPUの高性能化に伴い、発生する熱量も増加し、動作不良を起こす、という問題が発生している。
【0003】
従来から、ファンを用いた空冷によりCPUを冷却することが行われているが、それでも冷却が十分に行われないという問題があり、しかもファンの性能を上げようとすると騒音の問題も大きくなる。
【0004】
そこで、冷媒を循環させてCPUを冷却することも考えられるが、十分な冷却性能を得ることはできない。また、このような冷媒循環系では、冷却のための装置構成が大型化してしまい、これらの機器の小型薄型化を阻害することになる。このような問題はPCばかりでなく、例えばハイパワーのパワートランジスタを搭載するオーディオ機器においても同様に発生している。
【0005】
そこで、本発明者らは、これら機器の冷却手段としてヒートパイプを用いることを提唱している。ヒートパイプとは、管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端(気化部)を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部(液化部)へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0006】
ヒートパイプを用いた冷却装置としては、例えば、冷媒を循環させる流路にワイヤーの束、あるいは粒状の部材を設けることにより、多数のギャップを形成して毛細管作用を促進させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−310580号公報(段落[0009]、[0012]、図2、図3、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
現在用いられているヒートパイプの多くは小型のものであり、例えば上述のCPUやオーディオ機器等、例えば50〜100W以上のワット数の大きなデバイスを一つのヒートパイプで冷却することが困難であるという問題がある。
【0009】
また、通常のヒートパイプの形状では液相/気相になった作動流体の輸送流路と気化部、液化部が一体となっている場合が多く、冷却対象物やその他周辺デバイスの配置によっては効率良く冷却・放熱ができないという問題もある。
【0010】
更に、上記特許文献1に記載の冷却装置では、冷媒を流通させるチューブ内にワイヤーを挿通させている。チューブは、一般に流路の気密性を確保するため金属等の硬い材料でなっているので、例えばチューブが曲がっている場合には、その曲がった部位に上記ワイヤーを挿通することは困難であり製造が容易でない。
【0011】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、冷却性能が高く、しかも配置のフレキシビリティーが高い冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の別の目的は、小型化を図ることができ、容易に製造することができる冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る冷却装置は、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と具備する。
【0014】
このような構成によれば、冷却部で対象物の熱を作動流体により冷却し、その熱で気相となった作動流体が管を介して物理的に分離した液化部へ流通して放熱することができるので、冷却性能も高くなる。しかも冷却部と液化部とが物理的に分離しているので、配置のフレキシビリティーが高くなる。
【0015】
本発明の一の形態によれば、前記冷却部は、ウイック以外の溝を設けた第1の基板と、金属又は金属にほぼ相当する熱伝導率を有する材料からなり、少なくとも前記ウイックの溝を設けた第2の基板と、前記第2の基板が組み込まれ、前記第1の基板と接合する第3の基板とを有する。このような構成によれば、効率良く作動流体を気化することができるので、対象物を効率良く冷却することができる。本発明において、ウイックとは、作動流体に対し積極的に毛細管力を与えるための構造をいう。ウイック以外の溝とは、冷却部と第1及び第2の管との間で作動流体を流通させるために設けられた必要最低限の流路である。したがって、ウイック以外の溝であっても、毛細管力である表面張力が多少働いてもよい。以下、同様である。
【0016】
本発明の一の形態によれば、前記第2の基板が銅からなり、前記第2の基板が銅からなり、前記ウイックの溝表面は、酸化第一銅の薄膜が形成されている。このような構成によれば、ウイック溝表面の酸化第一銅からなるので、表面の親水性が向上し、毛細管力が向上する。従って作動流体の気化量が向上し、冷却効率も向上する。また、耐腐食性も向上し、金属材料の腐食を防止できるので、金属材料の腐食分の厚みを考慮して形成していた従来と比較し、本発明では、腐食分の厚みを削減して形成できる。従って、小型薄型化が可能となる。また、酸化第一銅となった表面は、抗菌作用を有するため、作動流体が常に清浄に保たれ、作動流体の変質を防止することができる。
【0017】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管及び第2の管は、フッ素樹脂からなることを特徴とする。フッ素樹脂は可撓性を有し、フレキシブルに折り曲げ可能なため、冷却部と液化部をそれぞれフレキシブルに配置することができる。また、フッ素樹脂は気相/液相の作動流体の流動性が高く、気/液耐性も高いので、作動流体の輸送効率を向上することが可能となる。
【0018】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管内に設けられ、前記作動流体に毛細管力を与える毛細管機構を更に具備する。このような構成によれば、冷却部から液化部へ作動流体を流通させるときの流通効率を高めることができ、熱輸送の効率を向上させることができる。また、毛細管機構により、作動流体を確実に冷却部へ供給することができるのでドライアウトを防止することができる。
【0019】
本発明の一の形態によれば、前記毛細管機構は、前記作動流体を流通させ、表面がひだ状の流路を有する流路部材を有する。このような構成によれば、毛細管力を極力上げることができ、熱輸送の高効率化に寄与する。あるいは、毛細管機構は、例えば、作動流体を流通させ、第1の管の流路断面より小さい流路断面を有する複数の流路部材を有するようにしてもよい。
【0020】
本発明の一の形態によれば、流路部材は、例えば樹脂でなる。樹脂はフレキシブルなので、例えば第1の管が金属でなる場合であって、その金属管が曲がった部位を有する場合、その曲がった部位にも容易に流路部材を挿通することができ、製造が容易となる。また、流路部材がフレキシブルであることから、金属管の形状の設計の自由度が制限されないという利点もある。更に、流路部材を樹脂製とすることより、小型化を図ることができる。
【0021】
本発明の一の形態によれば、前記毛細管機構は、少なくとも前記第1の管内の一部であって前記冷却部に近い側に設けられている。このような構成によれば、冷却部に気泡が流入することをより確実に防止できる。
【0022】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管は、前記作動流体を流通させ、該作動流体に毛細管力を与える樹脂製の流路部材と、前記流路部材を覆う金属皮膜とを有する。これにより、樹脂製の流路部材にバリア性を持たせ、流路部材内からの作動流体の漏れ等を防止することができる。また、本発明では、流路部材自体を第1の管としており、流路部材自体に金属皮膜するだけでよいので製造が更に容易となる。さらに、金属皮膜の厚さによっては、流路部材のフレキシブル性を維持することができるので、上述したように配置のフレキシビリティーが高くなる。
【0023】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管に接続され、前記液化された作動流体を流通させるバイパス管と、前記バイパス管内に設けられ、前記作動流体に毛細管力を与える毛細管機構を更に具備する。例えば、液下部で液化されなかった作動流体の気泡が第1の管内に気泡が発生した場合には、その気泡により作動流体の流れが寸断され滞るおそれがある。しかしながら、本発明によれば、例えば第1の管内に気泡の作動流体が混入したとしても、バイパス管に設けられた毛細管機構により確実に冷却部へ液化された作動流体を供給することができる。したがって、熱輸送の効率を高めることができ、特に、ドライアウトを防止することができる。
【0024】
本発明に係る電子機器装置は、中央演算処理部と、前記中央演算処理部に近接して配置され、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0025】
このような構成によれば、冷却性能が高く、かつ、配置のフレキシビリティーの高い冷却装置を搭載することになるので、電子機器装置自体の動作不良等を生じることもなく、小型薄型化を図ることができる。
【0026】
また、本発明の一の形態によれば、前記冷却部は、前記中央演算処理部とほぼ同じ面積であることを特徴とする。このような構成によれば容量が大型化した中央演算処理部から生じる熱を効率良く冷却することが可能となり、動作不良を効率良く防止することができる。
【0027】
本発明の別の観点に係る電子機器装置は、フラッシュメモリとドライバとを有するカード型の記憶装置が着脱可能なスロットを有する電子機器装置であって、前記スロットに近接するように配置され、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0028】
このような構成によれば、上述した冷却装置を中央演算処理部のみならず、その他ワット数の大きな内蔵デバイスに対しても効率良く冷却でき、かつフレキシブルに配置できできるので、電子機器装置の性能を向上させることができる。
【0029】
本発明の別の観点に係る電子機器装置は、少なくとも中央演算処理部を有する操作部と、前記中央演算処理部に近接して設けられ、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化する液化部が設けられた表示部と、前記操作部の一辺と前記表示部の一辺との間を折り畳み可能に連結する連結部と、前記連結部を介して前記液化部と前記冷却部との間で配設され、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記連結部を介して前記液化部と前記冷却部との間で配設され、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0030】
このような構成によれば、折り畳み可能な形状の電子機器装置において、操作部で、中央演算処理部等の冷却対象物となる対象物の冷却を行い、表示部において該対象物から奪った熱を放熱するといった配置が可能となるため、電子機器の冷却効率を向上させ、該冷却装置の配置のフレキシビリティーも向上させることができる。
【0031】
本発明に係る音響装置は、パワートランジスタを有する音響装置であって、対象物からの熱により作動流体を気化させることで前記パワートランジスタを冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0032】
このような構成によれば、パワートランジスタを、上述した冷却性能が高く、配置のフレキシビリティーの高い冷却装置を用いて冷却することが可能となるため、音響装置の性能が向上し、しかも小型化を図ることができる。更に、ファンによる騒音を防止することもできるため、装置の音質を向上することも可能となる。
【0033】
本発明に係る冷却装置の製造方法は、(a)対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部を形成する工程と、(b)前記気化した作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部を形成する工程と、(c)前記冷却部と液化部との間に、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管を接続する工程と、(d)前記冷却部と液化部との間に、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管を接続する工程とを具備する。
【0034】
このような構成によれば、上述した冷却性能が高く、配置のフレキシビリティーが高い冷却装置を効率よく確実に製造することが可能となる。
【0035】
また、例えば、樹脂製でなり作動流体に毛細管力を与える流路部材を第1の管内に挿通するようにして、第1の管を製造するようにしてもよい。これにより、ドライアウトを確実に防止することができる。また、例えば第1の管が金属でなる場合であって、その金属管が曲がった部位を有する場合、その曲がった部位にも容易に流路部材を挿通することができ、製造が容易となる。また、流路部材がフレキシブルであることから、金属管の形状の設計の自由度が制限されないという利点もある。
【0036】
更に、作動流体を流通させ該作動流体に毛細管力を与える樹脂製の流路部材を金属皮膜で覆うことによって、第1の管を形成することも可能である。これにより、樹脂製の流路部材にバリア性を持たせ、流路部材内からの作動流体の漏れ等を防止することができる。また、流路部材自体に金属皮膜するだけでよいので製造が更に容易となる。
【0037】
本発明の一の形態によれば、前記工程(a)の途中で、ウイック以外の溝を設けた第1の基板と、金属又は金属にほぼ相当する熱伝導率を有する材料からなり、少なくとも前記ウイックの溝を設けた第2の基板が組み込まれた第3の基板とを接合する工程と、前記第2の基板のウイックの溝表面に酸化第一銅の薄膜を形成する工程とを更に具備する。これによりウイック溝表面の親水性を向上させることができるので作動流体の流動性が向上するウイックを製造することができる。
【0038】
また、本発明の一の形態によれば、前記第1及び第2の管は、フッ素樹脂からなることを特徴とする。これにより、フレキシビリティーのある管を用いて冷却部と液化部を接続することができるので、様々な装置に配置可能な冷却装置を製造することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0040】
(冷却装置)
図1は本発明の一実施形態に係る冷却装置1の全体構成図である。図2は該冷却装置を分解した図であり、本発明に用いられる冷却装置1の構造を詳細に示したものである。
【0041】
図1に示すように、冷却装置1には、パーソナルコンピュータの中央演算処理部等の冷却対象物を冷却するエバポレータ2、エバポレータ2で冷却した際の熱を外部に放出するコンデンサ3とが設けられており、エバポレータ2及びコンデンサ3の間には、作動流体(図示せず)を循環させる気相路4、液相路5が接続されている。
【0042】
図3、図4、及び図5は、冷却装置1を構成するそれぞれの基板についての図である。図6は、これらの基板を貼り付けた際の断面を表した図である。図7は、基板を貼り付けた際の内部の様子を示した図である。
【0043】
図2に示すように、エバポレータ2は作動流体を流通させる流路基板21、対向基板22、作動流体を気化させるウイック基板24からなり、対向基板22には、ウイック基板24を組み込むための孔23が形成されている。
【0044】
流路基板21はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、リザーバ26、溝27、結合部28aが形成されている。リザーバ26は、ヒートパイプがドライアウトしないように液体を貯蔵しておく部分である。溝27は、作動流体を流通させる流路である。結合部28aは、気相路4及び液相路5を組み込むための部分である。
【0045】
対向基板22はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、エバポレータ孔23、及び結合部28bが形成されている。エバポレータ孔23は、ウイック基板24を組み込むための孔である。結合部28bは、上述した結合部28aと対向する位置に設けられ、気相路4及び液相ライン5を組み込む結合部28を形成するために設けられ、該結合部28は例えばスウェジロック(図示せず)等の接続部材を介して気相路4若しくは液相路5を接続するようになっている。
【0046】
ウイック基板24は、熱伝導性の良い、例えばニッケル、銅等の金属からなり、ここでは銅が用いられている。また、その表面24aには溝25が形成されている。
【0047】
このウイックの溝25表面上には、酸素イオンが注入され、酸化第一銅の膜が形成されている。
【0048】
このように銅に酸素イオンを注入して表面を酸化第一銅とすることにより、親水性を向上することができる。すなわち、酸素イオン注入前の銅表面の水の接触角はだいたい60度程度であるが、イオン注入を行い、酸化第一銅膜を形成した場合、酸化第一銅の水との接触角は概ね15度程度まで引き下げることができる。このように溝25表面の親水性が向上することによりウイックの毛細管力が向上し、それにより作動流体の気化量も向上する。
【0049】
また、酸化第一銅は作動流体に対する耐腐食も高いので、従来は腐食を考慮して厚く形成していたところ、本実施形態では小型薄型のエバポレータを形成することが可能となる。
【0050】
なお、この酸化第一銅とされた溝表面にDLC薄膜を形成し、耐腐食性を向上させるようにしても構わない。
【0051】
コンデンサ3は、コンデンサ基板31(流路基板31)、対向基板32から形成されている。結合部35aは、上述したエバポレータ2の結合部28aと同様に、気相路4及び液相路5を組み込むために設けられる。
【0052】
コンデンサ基板31はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、エバポレータ2で気相化された作動流体を流通させる気相流路34a、作動流体を液化する溝33、液化した作動流体をエバポレータ2へと流通させる液相流路34bとが設けられている。また、液相路5及び気相路4とをコンデンサに接続するための結合部35aが設けられている。
【0053】
対向基板32はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、コンデンサ基板31と接合することにより、コンデンサ基板31とコンデンサとして機能するようになっている。
【0054】
気相路4及び液相路5は、フッ素樹脂からなる管状をなしている。液相路5は、コンデンサ3で液相になった作動流体がエバポレータ2へ移動するための流路である。気相路4は、エバポレータ2で蒸発した気体がコンデンサ3に移動するための流路である。
【0055】
エバポレータ2は流路基板21、対向基板22を接合し、ウイック基板24を対向基板22に設けられた孔23に組み込まれるようになっている。また、コンデンサ3は、コンデンサ基板31及び対向基板32とが接合されている。このようにして形成されたエバポレータ2若しくはコンデンサ3どちらかに、作動流体として例えば水を封入した後、上記気相路4及び液相路5がそれぞれ結合部24及び25に組み込まれて冷却装置1を構成する。組み込み及び貼り付けには例えば接着剤としてポリイミド樹脂36が使用されている。
【0056】
このように、冷却装置1では、フレキシブルな液相路5及び気相路4を用いてエバポレータ2とコンデンサ3とを接続しているため、様々な配置の冷却対象物にフレキシブルに対応して配置可能となり、該冷却対象物を効率よく冷却することができる。
【0057】
次に、図7を用いて、このように構成された冷却装置1による冷却動作について便宜上液相路5を起点に説明する。
【0058】
液相路5から輸送された作動流体は、エバポレータ2から吸収された熱によって、ウイック基板24において蒸発して気体になる。この気体となった作動流体は、気相路4を通ってコンデンサ3の気相流路34aに流入し、溝33を流通する際に熱を放出して再び液体になる。この液体は液相流路34bを介して、液相路5を通ってエバポレータ2に流入する。そしてエバポレータ2が吸収した熱により再び気体になってコンデンサ3に流入する。このような液体及び気体の循環により、エバポレータ2からコンデンサ3に熱を移動させて冷却を行う。
【0059】
(冷却装置の製造方法)
次に、本発明に用いられる冷却装置の製造方法について図8から図14を用いて説明する。
【0060】
図8は、冷却装置1の製造の工程を示したものである。
【0061】
まず、例えばノート型パーソナルコンピュータに該冷却装置を搭載する場合、設けられるコンデンサ3の大きさ及びCPU等に対応して設けられるエバポレータ2の大きさ、また、エバポレータ2とコンデンサ3との距離を考慮して、気相路4及び液相路5を形成する(ステップ1)。これらは、例えば型などを利用して作成する。
【0062】
次に、ヒートパイプとして機能するためのエバポレータ2及びコンデンサ3の流路基板21、31の溝及び対向基板22、32を形成する(ステップ2)。例えばフッ素樹脂からなる流路基板21の表面には溝27を形成し、同じくフッ素樹脂からなる流路基板31の表面には溝33、及び気相流路34a、液相流路34bを形成する。フッ素樹脂からなる対向基板22の表面上にはエバポレータ孔25を形成し、対向基板19は所定の形状に形成する。このとき、エバポレータ2の大きさは、冷却対象物、例えばCPUの面積とほぼ同じ面積を有する形状とすることが好ましい。そのような形状とすることで、熱容量の大きなデバイスを用いた場合でも、一つのエバポレータで効率良く冷却することができる。
【0063】
流路基板21、31及び対向基板22、32は例えばTIEGA(Teflon Included Etching Galvanicforming)法によって形成される。以下、図9に基づき、TIEGA法について具体的に説明する。
【0064】
図9(a)において、流路基板21、31及び対向基板22、32上に、マスクとして、パターンニングされたメタルマスク37を配置する。
【0065】
次に、図9(b)において、例えばシンクロトロン光を照射することによって、フッ素樹脂を加工し、流路基板21、31及び対向基板22、32上に形成された溝又は孔を形成する。ここで、シンクロトロン光とは、電子又は陽電子を光速近くまで加速し、磁場の中で進行方向を曲げることにより発生する電磁波をいう。
【0066】
次に、図9(c)において、メタルマスク37を除去し、流路基板21、31及び対向基板22、32の溝又は孔の形成が完了する。
【0067】
次に、図9(d)において、熱圧着時に必要な接着層の形成を行う。流路基板21、31及び対向基板22、32上に形成された溝又は孔の部分にレジスト層39を形成する。更に、フッ素樹脂表面に、FCVA(Filtered Cathodic Vacuum Arc)法によって注入層を形成する。本実施例では注入層として銅層38が用いられているが、シリコンを注入層として用いてもよい。
【0068】
次に、図9(e)において、レジスト層39を剥離し、接着層が形成され、流路基板21、31及び対向基板22、32が完成する。
【0069】
なお、流路基板21、31及び対向基板22、32の溝や孔等はシンクロトロン光の照射により形成されているが、例えばエキシマレーザー等のレーザー光の照射による形成や金型成型による形成、又は反応性イオンエッチング法等により形成しても良い。更に、銅層38を形成する際には、エキシマレーザーなどによってフッ素樹脂の表面を改質させた後に、蒸着やスパッタリングなどの方法によって形成しても良い。この方法により、効率的に基板を形成することができる。
【0070】
次に、ウイック基板24を形成する(ステップ3)。溝を有するウイック基板24は例えばUV−LIGAと呼ばれる方法によって形成される。以下、図10に基づきUV−LIGAの工程について具体的に説明する。
【0071】
まず、図10(a)に示すように、プレート43上例えば有機材料であるSU−8からなるレジスト層42を形成し、その上にパターンニングされたレジスト膜41を形成する。これをパターン基板40と呼ぶ。
【0072】
次に、図10(b)に示すように、パターン基板40の上方からUVを照射し、レジスト層42のエッチングを行う。
【0073】
次に、図10(c)に示すように、このパターン基板40からレジスト膜41を剥離し、この表面に例えば銅の電鋳で銅層44を形成する。
【0074】
そして、図10(d)に示すように、パターン基板40から銅層44を剥離する。剥離した銅層44が溝を有するウイック基板24となる。
【0075】
次に、このようにして得られたウイック基板24の溝表面にプラズマベースイオンインプランテーション(Plasema−based Ion Implantation、PBIIとも言う)技術を用いて銅表面に酸素イオンを注入し、酸化第一銅(Cu2O)膜を形成する。
【0076】
図11は、ウイック基板24の溝25へのPBII(プラズマベーストイオンインプランテーション)技術を用いた表面処理装置を示している。また、図12は、図11の処理におけるパルス電圧を示した図である。
【0077】
図11に示すように、エバポレータ用基板40は、真空装置124内の中心部に絶縁碍子120を介しパルス電源121に接続されている。真空装置124は、真空ポンプ123により排気され、更に、イオン源122により、目的に応じて酸素、メタン、窒素、チタン等がパルスに同期して供給されるようになっていて、ここでは酸素イオンが供給されるようになっている。
【0078】
PBII技術は、被処理物としてのウイックの溝25を真空装置124内に中心部に配置し、その周囲をプラズマで囲み、ウイックの溝25表面に負の高電圧パルス電圧を印加することにより、プラズマ中のイオンをウイックの溝25表面に誘引衝突堆積させ、3次元の表面の機能を改質させようとする技術である。
【0079】
熱伝導のよい無酸素銅からなるウイックの溝25に、イオン源122より供給された酸素イオンを図12のパルス条件でパルスプラズマ化させる。例えば、深さ20μm、間隔100μm、幅40μmのウイックを用い、時間は約1分間、温度は35度で、パルスイオン電流は0.7Aの条件で、酸素イオンの注入を行い、ウイックの溝25表面にイオン注入を施した。これによって、ウイックの溝25表面は、無酸素銅から第1酸化第一銅に改質される。無酸素銅の表面の接触角は水玉により測定され未処理では60度であったが酸素イオン注入により接触角が15度に改質された、すなわち親水性が向上することが確認された。これによりウイックの毛細管力が向上し、よりポンプ力を大きくすることができた。
【0080】
なお、ウイック基板24の形成は、反応性イオンエッチング法によっても可能である。
【0081】
次にこのように形成されたウイック基板24を、対向基板22に貫通して開けられたエバポレータ孔23に組み込み接着剤などを介して接合する(ステップ4)。
【0082】
また、図13に示すように、対向基板22の結合部28b、対向基板32の結合部35bには、それぞれ気相路4、及び液相路5が組み込まれる(ステップ5)。
【0083】
そして、図14に示すように、エバポレータ2及びコンデンサ3、気相路4及び液相路5が組み込まれた対向基板22,32に、流路基板21、31を貼り合せる(ステップ6)。
【0084】
ステップ4からステップ6までの工程は、それぞれの基板の間、また、基板と気相ライン12及び液相ライン13との間の隙間をなくすため、ポリイミド樹脂36を接着層として、真空中(例えば約2660Pa)で、例えば約350℃の熱を加えて接着固定される。
【0085】
以上の方法により冷却装置1を製造することにより、精度良く、確実に製造することができる。
【0086】
なお、本実施形態では基板をフッ素樹脂から形成したが、例えばポリイミドやジメチルシロキサン樹脂等のその他の樹脂や、ガラスを用いて形成しても良い。
【0087】
(電子機器装置)
図15は本発明に係る冷却装置が搭載されたノート型パーソナルコンピュータの概略斜視図である。
【0088】
パソコン150は、フラッシュメモリ153とドライバ152とを有する記録媒体154を着脱するためのスロット151、及び中央演算処理部(Central Processing Unit、CPU)156を有する操作部158と、画面を表示する表示面159aと電気信号処理などを行う回路が形成された回路面(図示せず)とを有する表示部159とが、連結部157を介して接続され、ノート型パーソナルコンピュータを構成している。
【0089】
ここで、本発明に係る冷却装置1は、該中央演算処理部156に近接して該中央演算処理部とほぼ同じ面積のエバポレータ2が位置するように配置されている。また、コンデンサ3は、表示部159の表示面裏に設けられており、エバポレータ2及びコンデンサ3の間には気相/液相の作動流体を流通させるパイプ4、5が連結部157を介して接続するように設けられ、ヒートパイプを形成している。
【0090】
このように、冷却装置1は、エバポレータ2とコンデンサ3との配置を内蔵するデバイスの配置に応じて種々対応することが可能となるため、効率良く冷却することができるとともに、電子機器装置の小型薄型化を図ることができる。
【0091】
また、冷却装置1は、上記スロット151を介して装着された記録媒体154の例えばドライバ152の直下にウイックが位置するようにパソコン150内に配置するようにしても良い。
【0092】
(音響装置)
図16は、本発明に係る冷却装置が搭載されたオーディオセットの概略構成図である。
【0093】
オーディオセット160には、音楽を記録した媒体を再生したり、音量・音質等を調整したりする本体部161及び本体部161と接続して音を出力する一対のスピーカ162が設けられている。本体部161には、音量・音質調整のためのアンプ163が設けられており、その内部にはパワートランジスタ164が設けられている。
【0094】
ここで、該パワートランジスタ164に近接するように冷却装置1のエバポレータ2が配置され、パイプ4、5を介して所定の位置に配置されたコンデンサ3と接続されている。このパイプ4及び5はフレキシブルに折り曲げ可能なため、少ないスペースでもコンデンサ3を配置することができ、効率良くパワートランジスタ164から生じた熱を放出することができる。オーディオセット160の本体部161では、このようにしてエバポレータ2が効率良くパワートランジスタ164を冷却し、そのときに奪った熱をコンデンサ3から効率良く放出することができる。
【0095】
次に、上記液相路5である液相管の他の実施の形態について説明する。
【0096】
図17は、一実施の形態に係る液相管の断面図である。この液相管50は、例えば外管52の内側に、毛細管機構として例えば樹脂製のチューブ51を有する。樹脂の材料としては例えばポリプロピレン等が挙げられる。樹脂製のチューブ51のフレキシブル性を利用することで、例えば外管52が金属でなる場合であって、その金属管が曲がった部位を有する場合、その曲がった部位にも容易にチューブ51を挿通することができる。したがって製造が容易となり製造コストを削減できる。また、チューブ51がフレキシブルであることから、外管52の形状の設計の自由度が制限されないという利点もある。更に、樹脂製とすることより、装置の小型化を図ることができる。
【0097】
チューブ51には作動流体を流通させる流路53が設けられている。流路53の表面はひだ状に構成されることで、作動流体がチューブ51に接する面積を極力大きくしている。これにより、表面張力、すなわち毛細管力を高めることができ、熱輸送の効率を向上させることができる。また、特に、コンデンサ3からエバポレータ2へ作動流体を流通させるときの流通効率を高めることができ、熱輸送の効率を向上させ、ドライアウトを防止することができる。更に、過大な熱入力によりドライアウトした後、エバポレータ2への作動流体の戻りが早期に行え、再始動までの時間を短縮することができる。
【0098】
図18は図17に示す液相管の別の形態を示す断面図である。液相管55の外管52内には、例えば毛細管機構としてひだ状部材56が設けられている。ひだ状部材56は、その表面積が極力大きくなるように複数のひだ56aが形成されている。ひだ状部材56は例えば樹脂製である。樹脂の材料としては例えばポリプロピレンが挙げられる。このような構成によっても、作動流体が流路58を流通するときの該流路に接触する面積を極力大きくすることができる。したがって本実施の形態では、図17に示した液相管50と同様の効果が得られる。
【0099】
図19は液相管の更に別の形態を示す断面図である。液相管60の管内には、例えば複数の小径チューブ61が設けられている。小径チューブ61は外管52の径より小さく構成されている。このような構成によっても、作動流体が流路62を流通するときの該流路に接触する面積を極力大きくすることができる。したがって本実施の形態では、図17に示した液相管50と同様の効果が得られる。
【0100】
図20は液相管の更に別の形態を示す断面図である。液相管65は、例えば図17に示した樹脂製のチューブ51の表面に金属66で皮膜されて構成されている。金属皮膜66は、例えば銅、アルミ等でなる。また、金属皮膜66は、例えばメッキ、蒸着、スパッタリング等の手段を用いて形成することができる。金属皮膜66の厚さは例えば0.1μm〜100μmとすることができる。このように金属皮膜を形成することで、チューブ51にバリア性を持たせ、チューブ51内からの作動流体の漏れ等を防止することができる。また、チューブ51自体に金属皮膜するだけでよいので製造が更に容易となる。また、金属皮膜66を例えば上述のような厚さとすることにより、液相管65のフレキシブル性を維持することができるので、配置のフレキシビリティーが高くなる。
【0101】
図17〜20に示したチューブ51、61、または、ひだ状部材56である毛細管機構は、液相管50、60、または55の内部のすべてに設けられていてもよいし、または一部に設けられていていもよい。また、これらの毛細管機構は管内で連続的に設けられていてもよいし、または断続的に設けられるようにしてもよい。
【0102】
図21は本発明の他の実施の形態に係る冷却装置を示す図である。この冷却装置は、上記エバポレータ2とコンデンサ3との間に設けられた液相管5にバイパス管105が接続されている。バイパス管105の内部には、作動流体に毛細管力を与える毛細管機構100が設けられている。毛細管機構100としては、例えば上述したようなチューブ51、61、ひだ状部材56等が挙げられる。
【0103】
このような構成によれば、例えば液相管5に、コンデンサ3で液化されずに残った気泡103が混入したとしても、バイパス管105に設けられた毛細管機構100により確実にエバポレータ2へ液化された作動流体を供給することができる。したがって、熱輸送の効率を高めることができ、特に、ドライアウトを防止することができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、液相管5とバイパス管105とを別体として設けたので、図17〜図20において説明したように、例えば液相管5のみを設け、その液相管5の内部に毛細管機構を設けた場合に比べ、作動流体の流路抵抗を小さくすることができる。これにより、熱輸送の高効率を図ることができる。
【0105】
バイパス管105は図22に示すように、コンデンサ3の内部まで延びた液相管5の端部に接続されるようにしてもよい。
【0106】
また、図23に示すように、液相管5において少なくとも一部に毛細管機構100を設けるようにしてもよい。この場合、エバポレータ2に近い側に毛細管機構100を設けることが好ましい。これにより、エバポレータ2に気泡が流入することをより確実に防止できる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フレキシブルに配置可能かつ小型薄型化が可能で、冷却性能が高い冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供することができる。また、冷却装置等の小型化を図ることができ、当該冷却装置等を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る冷却装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る冷却装置の流路基板を示す平面図である。
【図4】本発明に係る冷却装置の対向基板を示す平面図である。
【図5】本発明に係る冷却装置のウイック基板の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る冷却装置の断面図である。
【図7】本発明に係る冷却装置における作動流体の流れを示す図である。
【図8】本発明に係る冷却装置の製造方法を説明する工程図である。
【図9】本発明に係る冷却装置の基板形成の工程を示す図である。
【図10】本発明に係る冷却装置の基板形成の工程を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るウイック基板の膜処理工程を示す模式図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るウイック基板の膜処理条件を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施の形態に係る冷却装置に用いる基板に気相路及び液相路を組み込む工程を示した概略図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る冷却装置に用いる流路基板と対向基板とを接合する工程を示した概略図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る冷却装置を搭載した電子機器装置の概略斜視図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る冷却装置を搭載した音響装置の概略構成図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る液相管の断面図である。
【図18】図17に示す液相管の別の形態を示す断面図である。
【図19】液相管の更に別の形態を示す断面図である。
【図20】液相管の更に別の形態を示す断面図である。
【図21】本発明の他の実施の形態に係る冷却装置を示す図である。
【図22】図22に示す冷却装置の別の実施の形態に係る冷却装置を示す図である。
【図23】冷却装置の更に別の形態を示す図である。
【符号の説明】
1…冷却装置
2…エバポレータ
3…コンデンサ
4…気相路
5…液相路
21、31…流路基板
22、32…対向基板
24…ウイック基板
25…溝
33…溝
34a、b…作動流体流路
150…ノート型パーソナルコンピュータ
158…操作部
159…表示部
160…オーディオセット
161…本体部
162…スピーカ
163…アンプ部
164・…パワートランジスタ
50、55、60、65…液相管
51、61…チューブ
53、58、62…流路
56…ひだ状部材
66…金属皮膜
100…毛細管機構
105…バイパス管
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータの中央演算処理部や音響装置のアンプに用いられるパワートランジスタ等に用いられる冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータでは、中央演算処理部(Central Processing Unit、以下CPUとも言う)の高性能化が著しい。このようなCPUの高性能化に伴い、発生する熱量も増加し、動作不良を起こす、という問題が発生している。
【0003】
従来から、ファンを用いた空冷によりCPUを冷却することが行われているが、それでも冷却が十分に行われないという問題があり、しかもファンの性能を上げようとすると騒音の問題も大きくなる。
【0004】
そこで、冷媒を循環させてCPUを冷却することも考えられるが、十分な冷却性能を得ることはできない。また、このような冷媒循環系では、冷却のための装置構成が大型化してしまい、これらの機器の小型薄型化を阻害することになる。このような問題はPCばかりでなく、例えばハイパワーのパワートランジスタを搭載するオーディオ機器においても同様に発生している。
【0005】
そこで、本発明者らは、これら機器の冷却手段としてヒートパイプを用いることを提唱している。ヒートパイプとは、管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端(気化部)を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部(液化部)へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0006】
ヒートパイプを用いた冷却装置としては、例えば、冷媒を循環させる流路にワイヤーの束、あるいは粒状の部材を設けることにより、多数のギャップを形成して毛細管作用を促進させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−310580号公報(段落[0009]、[0012]、図2、図3、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
現在用いられているヒートパイプの多くは小型のものであり、例えば上述のCPUやオーディオ機器等、例えば50〜100W以上のワット数の大きなデバイスを一つのヒートパイプで冷却することが困難であるという問題がある。
【0009】
また、通常のヒートパイプの形状では液相/気相になった作動流体の輸送流路と気化部、液化部が一体となっている場合が多く、冷却対象物やその他周辺デバイスの配置によっては効率良く冷却・放熱ができないという問題もある。
【0010】
更に、上記特許文献1に記載の冷却装置では、冷媒を流通させるチューブ内にワイヤーを挿通させている。チューブは、一般に流路の気密性を確保するため金属等の硬い材料でなっているので、例えばチューブが曲がっている場合には、その曲がった部位に上記ワイヤーを挿通することは困難であり製造が容易でない。
【0011】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、冷却性能が高く、しかも配置のフレキシビリティーが高い冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の別の目的は、小型化を図ることができ、容易に製造することができる冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る冷却装置は、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と具備する。
【0014】
このような構成によれば、冷却部で対象物の熱を作動流体により冷却し、その熱で気相となった作動流体が管を介して物理的に分離した液化部へ流通して放熱することができるので、冷却性能も高くなる。しかも冷却部と液化部とが物理的に分離しているので、配置のフレキシビリティーが高くなる。
【0015】
本発明の一の形態によれば、前記冷却部は、ウイック以外の溝を設けた第1の基板と、金属又は金属にほぼ相当する熱伝導率を有する材料からなり、少なくとも前記ウイックの溝を設けた第2の基板と、前記第2の基板が組み込まれ、前記第1の基板と接合する第3の基板とを有する。このような構成によれば、効率良く作動流体を気化することができるので、対象物を効率良く冷却することができる。本発明において、ウイックとは、作動流体に対し積極的に毛細管力を与えるための構造をいう。ウイック以外の溝とは、冷却部と第1及び第2の管との間で作動流体を流通させるために設けられた必要最低限の流路である。したがって、ウイック以外の溝であっても、毛細管力である表面張力が多少働いてもよい。以下、同様である。
【0016】
本発明の一の形態によれば、前記第2の基板が銅からなり、前記第2の基板が銅からなり、前記ウイックの溝表面は、酸化第一銅の薄膜が形成されている。このような構成によれば、ウイック溝表面の酸化第一銅からなるので、表面の親水性が向上し、毛細管力が向上する。従って作動流体の気化量が向上し、冷却効率も向上する。また、耐腐食性も向上し、金属材料の腐食を防止できるので、金属材料の腐食分の厚みを考慮して形成していた従来と比較し、本発明では、腐食分の厚みを削減して形成できる。従って、小型薄型化が可能となる。また、酸化第一銅となった表面は、抗菌作用を有するため、作動流体が常に清浄に保たれ、作動流体の変質を防止することができる。
【0017】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管及び第2の管は、フッ素樹脂からなることを特徴とする。フッ素樹脂は可撓性を有し、フレキシブルに折り曲げ可能なため、冷却部と液化部をそれぞれフレキシブルに配置することができる。また、フッ素樹脂は気相/液相の作動流体の流動性が高く、気/液耐性も高いので、作動流体の輸送効率を向上することが可能となる。
【0018】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管内に設けられ、前記作動流体に毛細管力を与える毛細管機構を更に具備する。このような構成によれば、冷却部から液化部へ作動流体を流通させるときの流通効率を高めることができ、熱輸送の効率を向上させることができる。また、毛細管機構により、作動流体を確実に冷却部へ供給することができるのでドライアウトを防止することができる。
【0019】
本発明の一の形態によれば、前記毛細管機構は、前記作動流体を流通させ、表面がひだ状の流路を有する流路部材を有する。このような構成によれば、毛細管力を極力上げることができ、熱輸送の高効率化に寄与する。あるいは、毛細管機構は、例えば、作動流体を流通させ、第1の管の流路断面より小さい流路断面を有する複数の流路部材を有するようにしてもよい。
【0020】
本発明の一の形態によれば、流路部材は、例えば樹脂でなる。樹脂はフレキシブルなので、例えば第1の管が金属でなる場合であって、その金属管が曲がった部位を有する場合、その曲がった部位にも容易に流路部材を挿通することができ、製造が容易となる。また、流路部材がフレキシブルであることから、金属管の形状の設計の自由度が制限されないという利点もある。更に、流路部材を樹脂製とすることより、小型化を図ることができる。
【0021】
本発明の一の形態によれば、前記毛細管機構は、少なくとも前記第1の管内の一部であって前記冷却部に近い側に設けられている。このような構成によれば、冷却部に気泡が流入することをより確実に防止できる。
【0022】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管は、前記作動流体を流通させ、該作動流体に毛細管力を与える樹脂製の流路部材と、前記流路部材を覆う金属皮膜とを有する。これにより、樹脂製の流路部材にバリア性を持たせ、流路部材内からの作動流体の漏れ等を防止することができる。また、本発明では、流路部材自体を第1の管としており、流路部材自体に金属皮膜するだけでよいので製造が更に容易となる。さらに、金属皮膜の厚さによっては、流路部材のフレキシブル性を維持することができるので、上述したように配置のフレキシビリティーが高くなる。
【0023】
本発明の一の形態によれば、前記第1の管に接続され、前記液化された作動流体を流通させるバイパス管と、前記バイパス管内に設けられ、前記作動流体に毛細管力を与える毛細管機構を更に具備する。例えば、液下部で液化されなかった作動流体の気泡が第1の管内に気泡が発生した場合には、その気泡により作動流体の流れが寸断され滞るおそれがある。しかしながら、本発明によれば、例えば第1の管内に気泡の作動流体が混入したとしても、バイパス管に設けられた毛細管機構により確実に冷却部へ液化された作動流体を供給することができる。したがって、熱輸送の効率を高めることができ、特に、ドライアウトを防止することができる。
【0024】
本発明に係る電子機器装置は、中央演算処理部と、前記中央演算処理部に近接して配置され、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0025】
このような構成によれば、冷却性能が高く、かつ、配置のフレキシビリティーの高い冷却装置を搭載することになるので、電子機器装置自体の動作不良等を生じることもなく、小型薄型化を図ることができる。
【0026】
また、本発明の一の形態によれば、前記冷却部は、前記中央演算処理部とほぼ同じ面積であることを特徴とする。このような構成によれば容量が大型化した中央演算処理部から生じる熱を効率良く冷却することが可能となり、動作不良を効率良く防止することができる。
【0027】
本発明の別の観点に係る電子機器装置は、フラッシュメモリとドライバとを有するカード型の記憶装置が着脱可能なスロットを有する電子機器装置であって、前記スロットに近接するように配置され、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0028】
このような構成によれば、上述した冷却装置を中央演算処理部のみならず、その他ワット数の大きな内蔵デバイスに対しても効率良く冷却でき、かつフレキシブルに配置できできるので、電子機器装置の性能を向上させることができる。
【0029】
本発明の別の観点に係る電子機器装置は、少なくとも中央演算処理部を有する操作部と、前記中央演算処理部に近接して設けられ、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化する液化部が設けられた表示部と、前記操作部の一辺と前記表示部の一辺との間を折り畳み可能に連結する連結部と、前記連結部を介して前記液化部と前記冷却部との間で配設され、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記連結部を介して前記液化部と前記冷却部との間で配設され、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0030】
このような構成によれば、折り畳み可能な形状の電子機器装置において、操作部で、中央演算処理部等の冷却対象物となる対象物の冷却を行い、表示部において該対象物から奪った熱を放熱するといった配置が可能となるため、電子機器の冷却効率を向上させ、該冷却装置の配置のフレキシビリティーも向上させることができる。
【0031】
本発明に係る音響装置は、パワートランジスタを有する音響装置であって、対象物からの熱により作動流体を気化させることで前記パワートランジスタを冷却する冷却部と、前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管とを具備する。
【0032】
このような構成によれば、パワートランジスタを、上述した冷却性能が高く、配置のフレキシビリティーの高い冷却装置を用いて冷却することが可能となるため、音響装置の性能が向上し、しかも小型化を図ることができる。更に、ファンによる騒音を防止することもできるため、装置の音質を向上することも可能となる。
【0033】
本発明に係る冷却装置の製造方法は、(a)対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部を形成する工程と、(b)前記気化した作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部を形成する工程と、(c)前記冷却部と液化部との間に、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管を接続する工程と、(d)前記冷却部と液化部との間に、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管を接続する工程とを具備する。
【0034】
このような構成によれば、上述した冷却性能が高く、配置のフレキシビリティーが高い冷却装置を効率よく確実に製造することが可能となる。
【0035】
また、例えば、樹脂製でなり作動流体に毛細管力を与える流路部材を第1の管内に挿通するようにして、第1の管を製造するようにしてもよい。これにより、ドライアウトを確実に防止することができる。また、例えば第1の管が金属でなる場合であって、その金属管が曲がった部位を有する場合、その曲がった部位にも容易に流路部材を挿通することができ、製造が容易となる。また、流路部材がフレキシブルであることから、金属管の形状の設計の自由度が制限されないという利点もある。
【0036】
更に、作動流体を流通させ該作動流体に毛細管力を与える樹脂製の流路部材を金属皮膜で覆うことによって、第1の管を形成することも可能である。これにより、樹脂製の流路部材にバリア性を持たせ、流路部材内からの作動流体の漏れ等を防止することができる。また、流路部材自体に金属皮膜するだけでよいので製造が更に容易となる。
【0037】
本発明の一の形態によれば、前記工程(a)の途中で、ウイック以外の溝を設けた第1の基板と、金属又は金属にほぼ相当する熱伝導率を有する材料からなり、少なくとも前記ウイックの溝を設けた第2の基板が組み込まれた第3の基板とを接合する工程と、前記第2の基板のウイックの溝表面に酸化第一銅の薄膜を形成する工程とを更に具備する。これによりウイック溝表面の親水性を向上させることができるので作動流体の流動性が向上するウイックを製造することができる。
【0038】
また、本発明の一の形態によれば、前記第1及び第2の管は、フッ素樹脂からなることを特徴とする。これにより、フレキシビリティーのある管を用いて冷却部と液化部を接続することができるので、様々な装置に配置可能な冷却装置を製造することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0040】
(冷却装置)
図1は本発明の一実施形態に係る冷却装置1の全体構成図である。図2は該冷却装置を分解した図であり、本発明に用いられる冷却装置1の構造を詳細に示したものである。
【0041】
図1に示すように、冷却装置1には、パーソナルコンピュータの中央演算処理部等の冷却対象物を冷却するエバポレータ2、エバポレータ2で冷却した際の熱を外部に放出するコンデンサ3とが設けられており、エバポレータ2及びコンデンサ3の間には、作動流体(図示せず)を循環させる気相路4、液相路5が接続されている。
【0042】
図3、図4、及び図5は、冷却装置1を構成するそれぞれの基板についての図である。図6は、これらの基板を貼り付けた際の断面を表した図である。図7は、基板を貼り付けた際の内部の様子を示した図である。
【0043】
図2に示すように、エバポレータ2は作動流体を流通させる流路基板21、対向基板22、作動流体を気化させるウイック基板24からなり、対向基板22には、ウイック基板24を組み込むための孔23が形成されている。
【0044】
流路基板21はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、リザーバ26、溝27、結合部28aが形成されている。リザーバ26は、ヒートパイプがドライアウトしないように液体を貯蔵しておく部分である。溝27は、作動流体を流通させる流路である。結合部28aは、気相路4及び液相路5を組み込むための部分である。
【0045】
対向基板22はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、エバポレータ孔23、及び結合部28bが形成されている。エバポレータ孔23は、ウイック基板24を組み込むための孔である。結合部28bは、上述した結合部28aと対向する位置に設けられ、気相路4及び液相ライン5を組み込む結合部28を形成するために設けられ、該結合部28は例えばスウェジロック(図示せず)等の接続部材を介して気相路4若しくは液相路5を接続するようになっている。
【0046】
ウイック基板24は、熱伝導性の良い、例えばニッケル、銅等の金属からなり、ここでは銅が用いられている。また、その表面24aには溝25が形成されている。
【0047】
このウイックの溝25表面上には、酸素イオンが注入され、酸化第一銅の膜が形成されている。
【0048】
このように銅に酸素イオンを注入して表面を酸化第一銅とすることにより、親水性を向上することができる。すなわち、酸素イオン注入前の銅表面の水の接触角はだいたい60度程度であるが、イオン注入を行い、酸化第一銅膜を形成した場合、酸化第一銅の水との接触角は概ね15度程度まで引き下げることができる。このように溝25表面の親水性が向上することによりウイックの毛細管力が向上し、それにより作動流体の気化量も向上する。
【0049】
また、酸化第一銅は作動流体に対する耐腐食も高いので、従来は腐食を考慮して厚く形成していたところ、本実施形態では小型薄型のエバポレータを形成することが可能となる。
【0050】
なお、この酸化第一銅とされた溝表面にDLC薄膜を形成し、耐腐食性を向上させるようにしても構わない。
【0051】
コンデンサ3は、コンデンサ基板31(流路基板31)、対向基板32から形成されている。結合部35aは、上述したエバポレータ2の結合部28aと同様に、気相路4及び液相路5を組み込むために設けられる。
【0052】
コンデンサ基板31はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、エバポレータ2で気相化された作動流体を流通させる気相流路34a、作動流体を液化する溝33、液化した作動流体をエバポレータ2へと流通させる液相流路34bとが設けられている。また、液相路5及び気相路4とをコンデンサに接続するための結合部35aが設けられている。
【0053】
対向基板32はフッ素樹脂等からなる矩形の基板であり、コンデンサ基板31と接合することにより、コンデンサ基板31とコンデンサとして機能するようになっている。
【0054】
気相路4及び液相路5は、フッ素樹脂からなる管状をなしている。液相路5は、コンデンサ3で液相になった作動流体がエバポレータ2へ移動するための流路である。気相路4は、エバポレータ2で蒸発した気体がコンデンサ3に移動するための流路である。
【0055】
エバポレータ2は流路基板21、対向基板22を接合し、ウイック基板24を対向基板22に設けられた孔23に組み込まれるようになっている。また、コンデンサ3は、コンデンサ基板31及び対向基板32とが接合されている。このようにして形成されたエバポレータ2若しくはコンデンサ3どちらかに、作動流体として例えば水を封入した後、上記気相路4及び液相路5がそれぞれ結合部24及び25に組み込まれて冷却装置1を構成する。組み込み及び貼り付けには例えば接着剤としてポリイミド樹脂36が使用されている。
【0056】
このように、冷却装置1では、フレキシブルな液相路5及び気相路4を用いてエバポレータ2とコンデンサ3とを接続しているため、様々な配置の冷却対象物にフレキシブルに対応して配置可能となり、該冷却対象物を効率よく冷却することができる。
【0057】
次に、図7を用いて、このように構成された冷却装置1による冷却動作について便宜上液相路5を起点に説明する。
【0058】
液相路5から輸送された作動流体は、エバポレータ2から吸収された熱によって、ウイック基板24において蒸発して気体になる。この気体となった作動流体は、気相路4を通ってコンデンサ3の気相流路34aに流入し、溝33を流通する際に熱を放出して再び液体になる。この液体は液相流路34bを介して、液相路5を通ってエバポレータ2に流入する。そしてエバポレータ2が吸収した熱により再び気体になってコンデンサ3に流入する。このような液体及び気体の循環により、エバポレータ2からコンデンサ3に熱を移動させて冷却を行う。
【0059】
(冷却装置の製造方法)
次に、本発明に用いられる冷却装置の製造方法について図8から図14を用いて説明する。
【0060】
図8は、冷却装置1の製造の工程を示したものである。
【0061】
まず、例えばノート型パーソナルコンピュータに該冷却装置を搭載する場合、設けられるコンデンサ3の大きさ及びCPU等に対応して設けられるエバポレータ2の大きさ、また、エバポレータ2とコンデンサ3との距離を考慮して、気相路4及び液相路5を形成する(ステップ1)。これらは、例えば型などを利用して作成する。
【0062】
次に、ヒートパイプとして機能するためのエバポレータ2及びコンデンサ3の流路基板21、31の溝及び対向基板22、32を形成する(ステップ2)。例えばフッ素樹脂からなる流路基板21の表面には溝27を形成し、同じくフッ素樹脂からなる流路基板31の表面には溝33、及び気相流路34a、液相流路34bを形成する。フッ素樹脂からなる対向基板22の表面上にはエバポレータ孔25を形成し、対向基板19は所定の形状に形成する。このとき、エバポレータ2の大きさは、冷却対象物、例えばCPUの面積とほぼ同じ面積を有する形状とすることが好ましい。そのような形状とすることで、熱容量の大きなデバイスを用いた場合でも、一つのエバポレータで効率良く冷却することができる。
【0063】
流路基板21、31及び対向基板22、32は例えばTIEGA(Teflon Included Etching Galvanicforming)法によって形成される。以下、図9に基づき、TIEGA法について具体的に説明する。
【0064】
図9(a)において、流路基板21、31及び対向基板22、32上に、マスクとして、パターンニングされたメタルマスク37を配置する。
【0065】
次に、図9(b)において、例えばシンクロトロン光を照射することによって、フッ素樹脂を加工し、流路基板21、31及び対向基板22、32上に形成された溝又は孔を形成する。ここで、シンクロトロン光とは、電子又は陽電子を光速近くまで加速し、磁場の中で進行方向を曲げることにより発生する電磁波をいう。
【0066】
次に、図9(c)において、メタルマスク37を除去し、流路基板21、31及び対向基板22、32の溝又は孔の形成が完了する。
【0067】
次に、図9(d)において、熱圧着時に必要な接着層の形成を行う。流路基板21、31及び対向基板22、32上に形成された溝又は孔の部分にレジスト層39を形成する。更に、フッ素樹脂表面に、FCVA(Filtered Cathodic Vacuum Arc)法によって注入層を形成する。本実施例では注入層として銅層38が用いられているが、シリコンを注入層として用いてもよい。
【0068】
次に、図9(e)において、レジスト層39を剥離し、接着層が形成され、流路基板21、31及び対向基板22、32が完成する。
【0069】
なお、流路基板21、31及び対向基板22、32の溝や孔等はシンクロトロン光の照射により形成されているが、例えばエキシマレーザー等のレーザー光の照射による形成や金型成型による形成、又は反応性イオンエッチング法等により形成しても良い。更に、銅層38を形成する際には、エキシマレーザーなどによってフッ素樹脂の表面を改質させた後に、蒸着やスパッタリングなどの方法によって形成しても良い。この方法により、効率的に基板を形成することができる。
【0070】
次に、ウイック基板24を形成する(ステップ3)。溝を有するウイック基板24は例えばUV−LIGAと呼ばれる方法によって形成される。以下、図10に基づきUV−LIGAの工程について具体的に説明する。
【0071】
まず、図10(a)に示すように、プレート43上例えば有機材料であるSU−8からなるレジスト層42を形成し、その上にパターンニングされたレジスト膜41を形成する。これをパターン基板40と呼ぶ。
【0072】
次に、図10(b)に示すように、パターン基板40の上方からUVを照射し、レジスト層42のエッチングを行う。
【0073】
次に、図10(c)に示すように、このパターン基板40からレジスト膜41を剥離し、この表面に例えば銅の電鋳で銅層44を形成する。
【0074】
そして、図10(d)に示すように、パターン基板40から銅層44を剥離する。剥離した銅層44が溝を有するウイック基板24となる。
【0075】
次に、このようにして得られたウイック基板24の溝表面にプラズマベースイオンインプランテーション(Plasema−based Ion Implantation、PBIIとも言う)技術を用いて銅表面に酸素イオンを注入し、酸化第一銅(Cu2O)膜を形成する。
【0076】
図11は、ウイック基板24の溝25へのPBII(プラズマベーストイオンインプランテーション)技術を用いた表面処理装置を示している。また、図12は、図11の処理におけるパルス電圧を示した図である。
【0077】
図11に示すように、エバポレータ用基板40は、真空装置124内の中心部に絶縁碍子120を介しパルス電源121に接続されている。真空装置124は、真空ポンプ123により排気され、更に、イオン源122により、目的に応じて酸素、メタン、窒素、チタン等がパルスに同期して供給されるようになっていて、ここでは酸素イオンが供給されるようになっている。
【0078】
PBII技術は、被処理物としてのウイックの溝25を真空装置124内に中心部に配置し、その周囲をプラズマで囲み、ウイックの溝25表面に負の高電圧パルス電圧を印加することにより、プラズマ中のイオンをウイックの溝25表面に誘引衝突堆積させ、3次元の表面の機能を改質させようとする技術である。
【0079】
熱伝導のよい無酸素銅からなるウイックの溝25に、イオン源122より供給された酸素イオンを図12のパルス条件でパルスプラズマ化させる。例えば、深さ20μm、間隔100μm、幅40μmのウイックを用い、時間は約1分間、温度は35度で、パルスイオン電流は0.7Aの条件で、酸素イオンの注入を行い、ウイックの溝25表面にイオン注入を施した。これによって、ウイックの溝25表面は、無酸素銅から第1酸化第一銅に改質される。無酸素銅の表面の接触角は水玉により測定され未処理では60度であったが酸素イオン注入により接触角が15度に改質された、すなわち親水性が向上することが確認された。これによりウイックの毛細管力が向上し、よりポンプ力を大きくすることができた。
【0080】
なお、ウイック基板24の形成は、反応性イオンエッチング法によっても可能である。
【0081】
次にこのように形成されたウイック基板24を、対向基板22に貫通して開けられたエバポレータ孔23に組み込み接着剤などを介して接合する(ステップ4)。
【0082】
また、図13に示すように、対向基板22の結合部28b、対向基板32の結合部35bには、それぞれ気相路4、及び液相路5が組み込まれる(ステップ5)。
【0083】
そして、図14に示すように、エバポレータ2及びコンデンサ3、気相路4及び液相路5が組み込まれた対向基板22,32に、流路基板21、31を貼り合せる(ステップ6)。
【0084】
ステップ4からステップ6までの工程は、それぞれの基板の間、また、基板と気相ライン12及び液相ライン13との間の隙間をなくすため、ポリイミド樹脂36を接着層として、真空中(例えば約2660Pa)で、例えば約350℃の熱を加えて接着固定される。
【0085】
以上の方法により冷却装置1を製造することにより、精度良く、確実に製造することができる。
【0086】
なお、本実施形態では基板をフッ素樹脂から形成したが、例えばポリイミドやジメチルシロキサン樹脂等のその他の樹脂や、ガラスを用いて形成しても良い。
【0087】
(電子機器装置)
図15は本発明に係る冷却装置が搭載されたノート型パーソナルコンピュータの概略斜視図である。
【0088】
パソコン150は、フラッシュメモリ153とドライバ152とを有する記録媒体154を着脱するためのスロット151、及び中央演算処理部(Central Processing Unit、CPU)156を有する操作部158と、画面を表示する表示面159aと電気信号処理などを行う回路が形成された回路面(図示せず)とを有する表示部159とが、連結部157を介して接続され、ノート型パーソナルコンピュータを構成している。
【0089】
ここで、本発明に係る冷却装置1は、該中央演算処理部156に近接して該中央演算処理部とほぼ同じ面積のエバポレータ2が位置するように配置されている。また、コンデンサ3は、表示部159の表示面裏に設けられており、エバポレータ2及びコンデンサ3の間には気相/液相の作動流体を流通させるパイプ4、5が連結部157を介して接続するように設けられ、ヒートパイプを形成している。
【0090】
このように、冷却装置1は、エバポレータ2とコンデンサ3との配置を内蔵するデバイスの配置に応じて種々対応することが可能となるため、効率良く冷却することができるとともに、電子機器装置の小型薄型化を図ることができる。
【0091】
また、冷却装置1は、上記スロット151を介して装着された記録媒体154の例えばドライバ152の直下にウイックが位置するようにパソコン150内に配置するようにしても良い。
【0092】
(音響装置)
図16は、本発明に係る冷却装置が搭載されたオーディオセットの概略構成図である。
【0093】
オーディオセット160には、音楽を記録した媒体を再生したり、音量・音質等を調整したりする本体部161及び本体部161と接続して音を出力する一対のスピーカ162が設けられている。本体部161には、音量・音質調整のためのアンプ163が設けられており、その内部にはパワートランジスタ164が設けられている。
【0094】
ここで、該パワートランジスタ164に近接するように冷却装置1のエバポレータ2が配置され、パイプ4、5を介して所定の位置に配置されたコンデンサ3と接続されている。このパイプ4及び5はフレキシブルに折り曲げ可能なため、少ないスペースでもコンデンサ3を配置することができ、効率良くパワートランジスタ164から生じた熱を放出することができる。オーディオセット160の本体部161では、このようにしてエバポレータ2が効率良くパワートランジスタ164を冷却し、そのときに奪った熱をコンデンサ3から効率良く放出することができる。
【0095】
次に、上記液相路5である液相管の他の実施の形態について説明する。
【0096】
図17は、一実施の形態に係る液相管の断面図である。この液相管50は、例えば外管52の内側に、毛細管機構として例えば樹脂製のチューブ51を有する。樹脂の材料としては例えばポリプロピレン等が挙げられる。樹脂製のチューブ51のフレキシブル性を利用することで、例えば外管52が金属でなる場合であって、その金属管が曲がった部位を有する場合、その曲がった部位にも容易にチューブ51を挿通することができる。したがって製造が容易となり製造コストを削減できる。また、チューブ51がフレキシブルであることから、外管52の形状の設計の自由度が制限されないという利点もある。更に、樹脂製とすることより、装置の小型化を図ることができる。
【0097】
チューブ51には作動流体を流通させる流路53が設けられている。流路53の表面はひだ状に構成されることで、作動流体がチューブ51に接する面積を極力大きくしている。これにより、表面張力、すなわち毛細管力を高めることができ、熱輸送の効率を向上させることができる。また、特に、コンデンサ3からエバポレータ2へ作動流体を流通させるときの流通効率を高めることができ、熱輸送の効率を向上させ、ドライアウトを防止することができる。更に、過大な熱入力によりドライアウトした後、エバポレータ2への作動流体の戻りが早期に行え、再始動までの時間を短縮することができる。
【0098】
図18は図17に示す液相管の別の形態を示す断面図である。液相管55の外管52内には、例えば毛細管機構としてひだ状部材56が設けられている。ひだ状部材56は、その表面積が極力大きくなるように複数のひだ56aが形成されている。ひだ状部材56は例えば樹脂製である。樹脂の材料としては例えばポリプロピレンが挙げられる。このような構成によっても、作動流体が流路58を流通するときの該流路に接触する面積を極力大きくすることができる。したがって本実施の形態では、図17に示した液相管50と同様の効果が得られる。
【0099】
図19は液相管の更に別の形態を示す断面図である。液相管60の管内には、例えば複数の小径チューブ61が設けられている。小径チューブ61は外管52の径より小さく構成されている。このような構成によっても、作動流体が流路62を流通するときの該流路に接触する面積を極力大きくすることができる。したがって本実施の形態では、図17に示した液相管50と同様の効果が得られる。
【0100】
図20は液相管の更に別の形態を示す断面図である。液相管65は、例えば図17に示した樹脂製のチューブ51の表面に金属66で皮膜されて構成されている。金属皮膜66は、例えば銅、アルミ等でなる。また、金属皮膜66は、例えばメッキ、蒸着、スパッタリング等の手段を用いて形成することができる。金属皮膜66の厚さは例えば0.1μm〜100μmとすることができる。このように金属皮膜を形成することで、チューブ51にバリア性を持たせ、チューブ51内からの作動流体の漏れ等を防止することができる。また、チューブ51自体に金属皮膜するだけでよいので製造が更に容易となる。また、金属皮膜66を例えば上述のような厚さとすることにより、液相管65のフレキシブル性を維持することができるので、配置のフレキシビリティーが高くなる。
【0101】
図17〜20に示したチューブ51、61、または、ひだ状部材56である毛細管機構は、液相管50、60、または55の内部のすべてに設けられていてもよいし、または一部に設けられていていもよい。また、これらの毛細管機構は管内で連続的に設けられていてもよいし、または断続的に設けられるようにしてもよい。
【0102】
図21は本発明の他の実施の形態に係る冷却装置を示す図である。この冷却装置は、上記エバポレータ2とコンデンサ3との間に設けられた液相管5にバイパス管105が接続されている。バイパス管105の内部には、作動流体に毛細管力を与える毛細管機構100が設けられている。毛細管機構100としては、例えば上述したようなチューブ51、61、ひだ状部材56等が挙げられる。
【0103】
このような構成によれば、例えば液相管5に、コンデンサ3で液化されずに残った気泡103が混入したとしても、バイパス管105に設けられた毛細管機構100により確実にエバポレータ2へ液化された作動流体を供給することができる。したがって、熱輸送の効率を高めることができ、特に、ドライアウトを防止することができる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、液相管5とバイパス管105とを別体として設けたので、図17〜図20において説明したように、例えば液相管5のみを設け、その液相管5の内部に毛細管機構を設けた場合に比べ、作動流体の流路抵抗を小さくすることができる。これにより、熱輸送の高効率を図ることができる。
【0105】
バイパス管105は図22に示すように、コンデンサ3の内部まで延びた液相管5の端部に接続されるようにしてもよい。
【0106】
また、図23に示すように、液相管5において少なくとも一部に毛細管機構100を設けるようにしてもよい。この場合、エバポレータ2に近い側に毛細管機構100を設けることが好ましい。これにより、エバポレータ2に気泡が流入することをより確実に防止できる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フレキシブルに配置可能かつ小型薄型化が可能で、冷却性能が高い冷却装置、電子機器装置、音響装置及び冷却装置の製造方法を提供することができる。また、冷却装置等の小型化を図ることができ、当該冷却装置等を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る冷却装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る冷却装置の流路基板を示す平面図である。
【図4】本発明に係る冷却装置の対向基板を示す平面図である。
【図5】本発明に係る冷却装置のウイック基板の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る冷却装置の断面図である。
【図7】本発明に係る冷却装置における作動流体の流れを示す図である。
【図8】本発明に係る冷却装置の製造方法を説明する工程図である。
【図9】本発明に係る冷却装置の基板形成の工程を示す図である。
【図10】本発明に係る冷却装置の基板形成の工程を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るウイック基板の膜処理工程を示す模式図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るウイック基板の膜処理条件を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施の形態に係る冷却装置に用いる基板に気相路及び液相路を組み込む工程を示した概略図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る冷却装置に用いる流路基板と対向基板とを接合する工程を示した概略図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る冷却装置を搭載した電子機器装置の概略斜視図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る冷却装置を搭載した音響装置の概略構成図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る液相管の断面図である。
【図18】図17に示す液相管の別の形態を示す断面図である。
【図19】液相管の更に別の形態を示す断面図である。
【図20】液相管の更に別の形態を示す断面図である。
【図21】本発明の他の実施の形態に係る冷却装置を示す図である。
【図22】図22に示す冷却装置の別の実施の形態に係る冷却装置を示す図である。
【図23】冷却装置の更に別の形態を示す図である。
【符号の説明】
1…冷却装置
2…エバポレータ
3…コンデンサ
4…気相路
5…液相路
21、31…流路基板
22、32…対向基板
24…ウイック基板
25…溝
33…溝
34a、b…作動流体流路
150…ノート型パーソナルコンピュータ
158…操作部
159…表示部
160…オーディオセット
161…本体部
162…スピーカ
163…アンプ部
164・…パワートランジスタ
50、55、60、65…液相管
51、61…チューブ
53、58、62…流路
56…ひだ状部材
66…金属皮膜
100…毛細管機構
105…バイパス管
Claims (18)
- 対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、
前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、
前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、
前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と
を具備することを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記冷却部は、
ウイック以外の溝を設けた第1の基板と、
金属又は金属にほぼ相当する熱伝導率を有する材料からなり、少なくとも前記ウイックの溝を設けた第2の基板と、
前記第2の基板が組み込まれ、前記第1の基板と接合する第3の基板と
を有することを特徴とする冷却装置。 - 請求項2に記載の冷却装置であって、
前記第2の基板が銅からなり、
前記ウイックの溝表面は、酸化第一銅の薄膜が形成されていることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記第1の管及び第2の管は、フッ素樹脂からなることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記第1の管内に設けられ、前記作動流体に毛細管力を与える毛細管機構を更に具備することを特徴とする冷却装置。 - 請求項5に記載の冷却装置であって、
前記毛細管機構は、前記作動流体を流通させ、表面がひだ状の流路を有する流路部材を有することを特徴とする冷却装置。 - 請求項6に記載の冷却装置であって、
前記流路部材は樹脂でなることを特徴とする冷却装置。 - 請求項5に記載の冷却装置であって、
前記毛細管機構は、少なくとも前記第1の管内の一部であって前記冷却部に近い側に設けられていることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記第1の管は、
前記作動流体を流通させ、該作動流体に毛細管力を与える樹脂製の流路部材と、
前記流路部材を覆う金属皮膜と
を有することを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記第1の管に接続され、前記液化された作動流体を流通させるバイパス管と、
前記バイパス管内に設けられ、前記作動流体に毛細管力を与える毛細管機構と
を更に具備することを特徴とする冷却装置。 - 中央演算処理部と、
前記中央演算処理部に近接して配置され、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、
前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、
前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、
前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と
を具備することを特徴とする電子機器装置。 - 請求項11に記載の電子機器装置であって、
前記冷却部は、前記中央演算処理部とほぼ同じ面積であることを特徴とする電子機器装置。 - フラッシュメモリとドライバとを有するカード型の記憶装置が着脱可能なスロットを有する電子機器装置であって、
前記スロットに近接するように配置され、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、
前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、
前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、
前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と
を具備することを特徴とする電子機器装置。 - 少なくとも中央演算処理部を有する操作部と、
前記中央演算処理部に近接して設けられ、対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部と、
前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化する液化部が設けられた表示部と、
前記操作部の一辺と前記表示部の一辺との間を折り畳み可能に連結する連結部と、
前記連結部を介して前記液化部と前記冷却部との間で配設され、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、
前記連結部を介して前記液化部と前記冷却部との間で配設され、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と
を具備することを特徴とする電子機器装置。 - パワートランジスタを有する音響装置であって、
対象物からの熱により作動流体を気化させることで前記パワートランジスタを冷却する冷却部と、
前記冷却部と物理的に分離され、前記冷却部で気化された作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部と、
前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管と、
前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管と
を具備することを特徴とする音響装置。 - (a)対象物からの熱により作動流体を気化させることで対象物を冷却する冷却部を形成する工程と、
(b)前記気化した作動流体を液化して前記冷却部に循環する液化部を形成する工程と、
(c)前記冷却部と液化部との間に、前記液化部から前記冷却部に液化された作動流体を流通させる第1の管を接続する工程と、
(d)前記冷却部と液化部との間に、前記冷却部から前記液化部に気化された作動流体を流通させる第2の管を接続する工程と
を具備することを特徴とする冷却装置の製造方法。 - 請求項16に記載の冷却装置の製造方法であって、
前記工程(a)の途中で、
ウイック以外の溝を設けた第1の基板と、金属又は金属にほぼ相当する熱伝導率を有する材料からなり、少なくとも前記ウイックの溝を設けた第2の基板が組み込まれた第3の基板とを接合する工程と、
前記第2の基板のウイックの溝表面に酸化第一銅の薄膜を形成する工程と
を更に具備することを特徴とする冷却装置の製造方法。 - 請求項16に記載の冷却装置の製造方法であって、
前記第1及び第2の管は、フッ素樹脂からなることを特徴とする冷却装置の製造方法。
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