JP2004108760A - 熱輸送装置、電子機器装置及び熱輸送装置の製造方法 - Google Patents

熱輸送装置、電子機器装置及び熱輸送装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化・薄型化が図れ、高い熱輸送効率で運転できる熱輸送装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1基板2、第2基板3および第3基板4によって、液相の作動流体が流れる液相路7および気相の作動流体が流れる気相路5に沿って、液相路7および気相路5の一方の側に断熱部14が形成される。この断熱部14は、真空状態または第1基板2および第3基板4を形成する物質より熱伝導率の小さな気体が充填された状態で密封されている。気相路5および液相路7に沿って断熱部が形成されているので、気相路5および液相路7と熱輸送装置1の外部との熱の授受は抑制され、気相路5および液相路7を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、蒸発部と凝縮部を持つ熱輸送装置に関するものであり、特に詳しくは、流体MEMS(Micro‐Electro‐Mechanical Systems)分野でのキャピラリポンプループ、ループヒートパイプなどの熱輸送装置およびその製造方法に関する。
 従来のキャピラリポンプループまたはループヒートパイプなどの熱輸送装置では、次のような方式で熱輸送が行われている。凝縮器から輸送された液体の作動流体は、液相路を通って蒸発器に到達し、蒸発器で外部からの熱を受け気化する。気化した作動流体は、気相路を凝縮部に向けて高速で移動し、凝縮部で熱を外部に放出し、再び液体に戻る。これらの一連の熱輸送が、閉じられた配管内で繰り返し行われている。これらの一連の熱輸送において、気相路の気体が凝縮器に到達する前に外部に熱を放出し凝縮して液体に戻り、その液体によって気体の移動が阻害され、熱輸送効率が低下することがあった。また、液相路の液体が蒸発器に到達する前に外部からの熱を受けて気化して気体になり、その気体によって液体の移動が阻害され、熱輸送効率が低下することがあった。
 ヒートパイプを用いた冷却装置としては、たとえば、冷媒を循環させる流路にワイヤーの束、あるいは粒状の部材を設けることにより、多数のギャップを形成して、液相路に発生する気体を除去しながら毛細管作用を促進させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。 
特開2002−310580号公報(段落[0009]〜[0012]、図2、図3、図4)
 上記した気相路および液相路で外部との熱の授受により、作動流体が相変化を起こし、作動流体の流れが阻害され、熱輸送効率が低下するという従来の熱輸送装置における問題を解決するために、気相路および液相路の周囲を断熱材で被覆し、外部との熱の授受を抑制することはできるが、熱輸送装置の構造が複雑化し、大型化するなどの問題があった。
 また、基板内や薄膜フィルム内に作動流体の流路を形成する従来の熱輸送装置では、小型で薄型の構造を重視するため、外部との熱の授受を抑制する構成はほとんど図られておらず、熱輸送効率が低いという問題があった。
 そこで本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、気相路および液相路における外部との熱の授受を抑制することで、高い熱輸送効率で運転することができ、また、その外部との熱の授受を抑制するための構成を一体化することで、小型化・薄型化を図ることができる熱輸送装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明の熱輸送装置は、液相の作動流体が流れる液相路および気相の作動流体が流れる気相路が設けられた基板と、前記液相路と前記気相路とを連通させるよう前記基板に固着されたウィック部材と、前記基板に前記液相路および前記気相路に沿って設けられた断熱部とを具備することを特徴とする。
 この発明によれば、基板の気相路および液相路に沿って断熱部が形成されているので、気相路および液相路と熱輸送装置の外部との熱の授受は抑制され、気相路および液相路を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。さらに、断熱部を基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置の小型化・薄型化を図ることができる。
 この発明において、たとえば断熱部を長尺状に形成し、その長手の方向が、気相路または液相路の長手の方向とほぼ一致するように形成するようにしてもよい。
 また、この発明において、前記基板が二層の基板からなり、前記液相路および前記気相路が層間に形成されているものであってもよい。たとえば、一方の基板に気相路および液相路を形成し、他方の基板側に冷却の対象となる発熱体を当接させてその発熱体を冷却すればよい。そして当該一方および他方の基板のうち少なくとも一方に断熱部を設けることにより、たとえば、発熱体からの熱により液相路を流れる作動流体が蒸発してしまい気相路中に気泡等が発生してしまうことを防止することができる。つまり、本発明では、発熱体が当接される基板と、気相路および液相路が形成される基板とで二層構造とすることで気相路および液相路に対する熱影響を極力回避することができる。
 さらに、本発明の熱輸送装置において、前記断熱部が、前記基板に設けられた空洞部を具備することを特徴とする。
 この発明によれば、断熱部が空洞であるため、断熱部を介しての熱の授受は抑制されるので、気相路および液相路と熱輸送装置の外部との熱の授受は抑制され、気相路および液相路を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。
 また、本発明の熱輸送装置において、前記空洞部内が減圧状態であってもよい。
 この発明によれば、空洞部内を減圧状態にすることで、空洞部を介しての熱の授受をさらに抑制することができる。
 また、この発明において、前記空洞部内に前記基板の材料より熱伝導率の小さな気体が充填されてもよい。
 本発明の他の観点に係る熱輸送装置は、発熱体から発せられる熱により作動流体を蒸発させる蒸発部と、前記作動流体が凝縮して熱を放出する凝縮部と、前記蒸発部で蒸発した前記作動流体が流れる気相路と、前記凝縮部で凝縮した前記作動流体が流れる液相路とが設けられた基板と、前記基板に前記液相路および前記気相路に沿って設けられた断熱部と、少なくとも前記凝縮部を冷却する冷却機構とを具備することを特徴とする。
 この発明によれば、凝縮部を冷却することにより作動流体の凝縮を促進させ、熱輸送の効率化を図ることができる。また、断熱部が形成されているので、気相路および液相路と熱輸送装置の外部との熱の授受を抑制することができるとともに、冷却機構による冷却作用が、気相路や液相路等、凝縮部以外の部位に及ぶことを抑制することができる。これにより、気相路および液相路を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。さらに、断熱部を基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置の小型化・薄型化を図ることができる。
 また、この発明において、前記冷却機構は、前記凝縮部の近傍に設けられた放熱板と、前記放熱板に向けて合成ジェット流を供給するヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構とを有するようにしてもよい。
 この発明によれば、放熱板の近傍に滞留する熱気を合成ジェット流により乱流ではなく層流として少ない流量で吹き流すことができるので、放熱板が効率良く冷やされ、さらに高い熱輸送効率を得ることができる。
 本発明に係る電子機器装置は、(a)発熱体から発せられる熱により作動流体を蒸発させる蒸発部と、前記作動流体が凝縮して熱を放出する凝縮部と、前記蒸発部で蒸発した前記作動流体が流れる気相路と、前記凝縮部で凝縮した前記作動流体が流れる液相路とが設けられた基板と、前記基板に前記液相路および前記気相路に沿って設けられた断熱部とを有する熱輸送装置と、(b)少なくとも前記凝縮部を冷却する冷却機構とを具備することを特徴とする。
 この発明によれば、作動流体の凝縮を促進させて熱輸送の効率化を図り、断熱部により気相路および液相路と熱輸送装置の外部との熱の授受を抑制することができるとともに、冷却機構による冷却作用が、気相路や液相路等、凝縮部以外の部位に及ぶことを抑制することができ高い熱輸送効率を得ることができる。さらに、断熱部を基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置の小型化・薄型化を図り、電子機器装置の小型化・薄型化を達成することができる。
 本発明の熱輸送装置の製造方法は、基板に、液相の作動流体が流れる液相路および気相の作動流体が流れる気相路を形成する流路形成工程と、前記基板に、前記液相路および前記気相路に沿って断熱部を形成する断熱部形成工程と、前記断熱部を減圧の雰囲気中において密閉する密閉工程と、前記液相路と前記気相路とを連通させるようウィック部材を接合する接合工程とを具備することを特徴とする。
 この発明によれば、基板の気相路および液相路に沿って断熱部が形成されているので、気相路および液相路と熱輸送装置の外部との熱の授受は抑制され、気相路および液相路を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができる。さらに、断熱部を基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置の小型化・薄型化を図ることができる。
 また、この発明によれば、前記密閉工程における前記断熱部の密閉が、前記基板を形成する物質より熱伝導率の小さな気体の雰囲気中において行われてもよい。
 以上のように、本発明によれば、作動流体が流れる気相路および液相路の周囲には、壁を介して、減圧状態または熱伝導率の小さい気体が充填された状態の断熱部が形成されているので、熱輸送装置の外部と、気相路および液相路との熱の授受は抑制され、それらを流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはない。そのため、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。さらに、断熱部を基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置の小型化・薄型化を図ることができる。
 本発明に係る熱輸送装置は、たとえば、キャピラリポンプループ、ループヒートパイプなどに好適に用いられる。
 以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
 (第1の実施の形態)
 図1は本発明の第1の実施の形態における熱輸送装置1の分解斜視図、図2はこの熱輸送装置1を組み立てた状態の斜視図である。また、図3の(a)は第1基板2に構成された流路パターンを示した平面図、(b)は第1基板2のA−A断面図、(c)は第1基板2のB−B断面図を示す。さらに、図4の(a)は図2に示した熱輸送装置1のA−A断面図、(b)は図2に示した熱輸送装置1のB−B断面図を示す。なお、図1には矢印を付して作動流体の流れの方向を示す。
 図1に示すように、熱輸送装置1は、第1基板2、第2基板3および第3基板4とで主に構成されている。
 図3に示すように、第1基板2の一方の面には、気相路5、気相路5と連通する蒸発部6、液相路7および液相路7と連通する凝縮部8の溝が設けられている。また、第1基板2の他方の面には蒸発部6に貫通する作動流体供給孔9が開けられ、この作動流体供給孔9は、作動流体を供給するとき以外は蓋などで閉じられている。
 第1基板2には、熱伝導率があまり高いと、基板での熱拡散によって、熱輸送装置1の熱輸送効率に悪影響を及ぼし得るので、たとえば、ガラスや、ポリイミド、テフロン(登録商標)、PDMS(polydimethylsiloxane)などの合成樹脂などが用いられる。また、第1基板2に設けられる気相路5、蒸発部6、液相路7および凝縮部8の溝は、たとえば、サンドブラスト、RIE(ドライエッチング)、ウェットエッチング、UV光エッチング、レーザエッチング、プロトン光エッチング、電子線描画エッチングまたはマイクロモールディングなどで形成される。
 第2基板3は、作動流体を気化させる蒸発器ウィック10、作動流体を凝縮させる凝縮器ウィック11、気相路シール部12、液相路シール部13、断熱部14で構成されている。蒸発器ウィック10および凝縮器ウィック11は、凹凸形状の溝が形成されている。気相路シール部12は、第1基板2に設けられている気相路5の溝を、また、液相路シール部13は、第1基板2に設けられている液相路7の溝をそれぞれ塞ぎ、作動流体の流路を形成し、またそれぞれの流路から作動流体が外部に流出するのを防いでいる。図1および4に示すように、断熱部14の空洞部19は、第2基板3の中央部に形成された空間を第1基板および第3基板で挟み込むことで形成される。断熱部14は、減圧状態であることが好ましいが、熱伝導率の小さい気体、たとえば、空気、窒素、アルゴンなどが充填された状態でもよい。この断熱部14は、断熱部14を介しての熱伝導を抑制しており、特に第3基板4側と、気相路5および液相路7の側との間の熱移動を抑制する効果が大きい。
 第2基板3は、密度が小さく、熱伝導率の高い材料で構成されることが好ましく、たとえば、シリコンなどが用いられるが、これに限るものではなく、たとえば、Cu、Al、Ni、Au,Ag、Ptなどの金属をはじめ、導電性ポリマ、セラミックスであって、かつ金属と同等の熱伝導率を有する材料なども用いることができる。また、蒸発器ウィック10および凝縮器ウィック11の凹凸形状の溝、断熱部14、気相路シール部12、液相路シール部13は、たとえば、サンドブラスト、RIE(ドライエッチング)、ウェットエッチング、UV光エッチング、レーザエッチング、プロトン光エッチング、電子線描画エッチングまたはマイクロモールディングなどで形成される。
 第3基板4には、第2基板3の蒸発器ウィック10または凝縮器ウィック11が設けられた側と反対側の壁面に連通する第1連通孔15および第2連通孔16が開けられ、第1連通孔15は蒸発器ウィック10、また、第2連通孔16は凝縮器ウィック11の裏面側に対応する位置に開けられている。第1連通孔15を利用して、第2基板3の蒸発器ウィック10の裏面には、たとえば、CPU、グラフィックチップ、ドライバICなどの発熱する電子機器(発熱体)17などが接続され、その電子機器17などの冷却が行われる。一方、第2連通孔16を利用して、第2基板3の凝縮器ウィック11の裏面には、たとえば、外部に熱を放出するための放熱フィン18などが取り付けられている。
 第3基板4には、第1基板2と同様に、熱伝導率があまり高いと、基板での熱拡散によって、熱輸送装置1の熱輸送効率に悪影響を及ぼし得るので、たとえば、ガラスや、ポリイミド、テフロン、PDMS(polydimethylsiloxane)などの合成樹脂などが用いられる。また、第3基板4に設けられる第1連通孔15および第2連通孔16は、たとえば、サンドブラスト、RIE(ドライエッチング)、ウェットエッチング、UV光エッチング、レーザエッチング、プロトン光エッチング、電子線描画エッチングまたはマイクロモールディングなどで形成される。
 作動流体は、たとえば、水、エタノール、メタノール、プロパノール(異性体を含む。)、エチルエーテル、エチレングリコール、フロリナートなど、冷媒、熱輸送装置1の設計を満足する沸点、対抗菌性などを有するものが用いられる。また、作動流体は、第1基板2に設けられた作動流体供給孔9から熱輸送装置1内に減圧の雰囲気中で供給される。
 次に、熱輸送装置1の動作について説明する。
 液相路7を蒸発器ウィック10に向かって流れる液体の作動流体は、蒸発器ウィック10の微細な溝に毛細管力で浸透し、この毛細管力で蒸発器ウィック10全体に広がる。蒸発器ウィック10の全体に広がった液体の作動流体は、蒸発器ウィック10が設けられている他方の面に取り付けられた電子機器17からの熱によって気化される。この電子機器17からの熱は、熱伝導によって蒸発器ウィック10側に向けて移動し、熱伝達によって蒸発器ウィック10の表面から作動流体に伝えられる。気化した作動流体は、蒸発部6、気相路5を通り、凝縮器ウィック11に流入する。凝縮器ウィック11では、気体の作動流体の熱の一部が奪われ、作動流体が再び液化する。作動流体から奪われた熱は、凝縮器ウィック11が設けられている他方の面に取り付けられた放熱フィン18から熱伝達によって外部に放出される。液化した作動流体は、凝縮器ウィック11の微細な溝を毛細管力によって凝縮部8に向かって流れ、さらに、凝縮部8から液相路7を蒸発器ウィック10に向かって流れる。これらの一連の熱輸送が、熱輸送装置1内で繰り返し行われている。
 この一連の熱輸送過程において、図4に示すように、気相路5および液相路7の第2基板3側には、断熱部14が形成されているので、発熱する電子機器17や外部に放熱する放熱フィン18などが取り付けられている第3基板4からの熱的影響を受け難い。また、第1基板2が熱伝達率の小さい材料で構成されていること、および、第1基板2は第3基板4に比べて熱的影響を周囲から受けにくい状態にあることから、第1基板2側と作動流体との間の熱伝達は小さい。そのため、気相路5および液相路7と熱輸送装置1の外部との熱の授受は抑制され、気相路5および液相路7を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができる。
 次に、第1の実施の形態である熱輸送装置1の作製方法について、図1、図5〜図7を参照して説明する。
 図5に示すように、第1基板2に、気相路5、気相路5と連通する蒸発部6、液相路7および液相路7と連通する凝縮部8の溝を、たとえば、サンドブラストによって形成する。また、第1基板2の他方の面に、蒸発部6に貫通する作動流体供給孔9を開ける。
 続いて、図6に示すように、第2基板3に、蒸発器ウィック10、凝縮器ウィック11、気相路シール部12、液相路シール部13、断熱部14を、たとえば、RIE(ドライエッチング)によって形成する。蒸発器ウィック10および凝縮器ウィック11には、凹凸形状の溝を形成する。
 次に、図7に示すように、たとえば、サンドブラストによって、第3基板4に、第1連通孔15および第2連通孔16を開ける。なお、第1連通孔15は第2基板3の蒸発器ウィック10、また、第2連通孔16は第2基板3の凝縮器ウィック11の裏面側に対応する位置に開ける。
 次に、図1に示すように、第1基板2の流路が形成されている溝側の面と第2基板3の各ウィックが形成されている側の面を向き合わせ、蒸発部6と蒸発器ウィック10とが、また、凝縮部8と凝縮器ウィック11とが連通するように、第1基板2と第2基板3とを接合する。
 第3基板4は、第2基板3の各ウィックが形成されている側と反対の面に、第1連通孔15が蒸発器ウィック10の裏面側に、また、第2連通孔16が凝縮器ウィック11の裏面側に位置するように、第2基板3と第3基板4とを接合する(図1)。また、第1連通孔15を利用して、第2基板3に発熱する電子機器17などが接合され、第2連通孔16を利用して、第2基板3に熱を放出するための放熱フィン18などが接合される(図1)。
 ここで、第1基板2、第2基板3および第3基板4の接合には、たとえば、第2基板3がシリコンの場合には、陽極接合を用いることで、第1基板2および第3基板4と接合する。また、接合方法は、陽極接合に限るものではなく、たとえば、接着剤として樹脂を用いた接着接合、熱圧着のような圧着接合またはレーザ溶接のような溶接接合なども可能である。
 また、第1基板2、第2基板3および第3基板4の接合は、減圧の雰囲気中で行い、これらに接合によって形成される断熱部14は減圧状態になる。また、第1基板2、第2基板3および第3基板4の接合は、減圧の雰囲気中に限らず、たとえば、空気、窒素、アルゴンなどの熱伝導率の小さい気体の雰囲気中で行われてもよい。
 次に、第1基板2に設けられた作動流体供給孔9から熱輸送装置1内に作動流体が減圧の雰囲気中で供給され、熱輸送装置1の作製が完了する。
 第1の実施の形態である熱輸送装置1では、気相路5および液相路7の第2基板3側には、断熱部14が形成されているので、発熱する電子機器17や外部に放熱する放熱フィン18などが取り付けられている第3基板4からの熱的影響を受け難くなる。また、第1基板2が熱伝達率の小さい材料で構成されていること、および、第1基板2は第3基板4に比べて熱的影響を周囲から受けにくい状態にあることから、第1基板2側と作動流体との間の熱伝達を小さくすることができる。そのため、気相路5および液相路7と熱輸送装置1の外部との熱の授受は抑制され、気相路5および液相路7を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。さらに、断熱部14を基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置1の小型化・薄型化を図ることができる。
 (第2の実施の形態)
 図8は本発明の第2の実施の形態における熱輸送装置30の分解斜視図、図9はこの熱輸送装置30を組み立てた状態の斜視図である。また、図10は図9に示した熱輸送装置30のA−A断面図を示す。なお、図8には矢印を付して作動流体の流れの方向を示す。
 図8に示すように、熱輸送装置30は、第1基板31、第2基板32、蒸発器ウィック33および凝縮器ウィック34とで主に構成されている。
 図8および10に示すように、第1基板31の一方の面には、気相路35、液相路36および第1断熱部37の溝が形成されている。また、第1基板31の他方の面には、一方の面に形成された気相路35および液相路36のそれぞれを壁を介して囲むように第2断熱部38が形成されている。この他方の面に形成された第2断熱部38の空洞部46は、第2断熱部蓋45によって閉じられることで形成される。また、他方の面には、作動流体を熱輸送装置30内に供給するための作動流体供給孔39が開けられており、この作動流体供給孔39は、作動流体を供給するとき以外は蓋などで閉じられている。
 第2基板32の一方の面には、第1基板31と同様に、気相路35、液相路36および第1断熱部37の溝が設けられ、また、これらの溝は、第1基板31に設けられた気相路35、液相路36および第1断熱部37と対応する位置に設けられている。また、第1基板2の他方の面には、第1基板31と同様に、一方の面に形成された気相路35および液相路36のそれぞれを壁を介して囲むように第2断熱部38が形成されている。この他方の面に形成された第2断熱部38の空洞部46は、第2断熱部蓋45によって閉じられることで形成される。さらに、第2基板32には、気相路35および液相路36のそれぞれと連通する蒸発部40および凝縮部41の孔が開けられている。
 第1基板31および第2基板32は、熱伝導率があまり高いと、基板での熱拡散によって、熱輸送装置1の熱輸送効率に悪影響を及ぼし得るので、たとえば、ガラスや、ポリイミド、テフロン、PDMS(polydimethylsiloxane)などの合成樹脂などが用いられる。また、第1基板31、第2基板32に設けられる各流路および各断熱部の溝、孔などは、たとえば、サンドブラスト、RIE(ドライエッチング)、ウェットエッチング、UV光エッチング、レーザエッチング、プロトン光エッチング、電子線描画エッチングまたはマイクロモールディングなどで形成される。
 ここで、第1断熱部37および第2断熱部38は、減圧状態であることが好ましいが、熱伝導率の小さい気体、たとえば、空気、窒素、アルゴンなどが充填された状態でもよい。この第1断熱部37および第2断熱部38は、第1断熱部37または第2断熱部38を介しての熱伝導を抑制しており、これによって気相路35および液相路36と外部との間の熱移動が抑制される。
 蒸発器ウィック33および凝縮器ウィック34の一方の面には、凹凸形状の溝が形成されている。蒸発器ウィック33の凹凸形状の溝42は、第2基板32の蒸発部40の孔に挿入され、第2基板32と接合されている。また、凝縮器ウィック34の凹凸形状の溝42は、第2基板32の凝縮部41の孔に挿入され、第2基板32と接合されている。蒸発器ウィック33の凹凸形状の溝42が形成されていない他方の面には、たとえば、CPU、グラフィックチップ、ドライバICなどの発熱する電子機器43などが接続され、その電子機器43などの冷却が行われる。また、凝縮器ウィック34の凹凸形状の溝42が形成されていない他方の面には、熱を外部に熱伝達によって放出する放熱フィン44が設けられている。
 蒸発器ウィック33および凝縮器ウィック34は、密度が小さく、熱伝導率の高い材料で構成されることが好ましく、たとえば、シリコンなどが用いられるが、これに限るものではなく、たとえば、Cu、Al、Ni、Au,Ag、Ptなどの金属をはじめ、導電性ポリマ、セラミックスであって、かつ金属と同等の熱伝導率を有する材料なども用いることができる。
 作動流体には、たとえば、水、エタノール、メタノール、プロパノール(異性体を含む。)、エチルエーテル、エチレングリコール、フロリナートなど、冷媒、熱輸送装置30の設計を満足する沸点、対抗菌性などを有するものが用いられる。また、作動流体は、第1基板31に設けられた作動流体供給孔39から熱輸送装置30内に供給される。
 次に、熱輸送装置30の動作について説明する。
 液相路36を蒸発器ウィック33に向かって流れる液体の作動流体は、蒸発器ウィック33の微細な溝に毛細管力で浸透し、この毛細管力で蒸発器ウィック33全体に広がる。蒸発器ウィック33の全体に広がった液体の作動流体は、蒸発器ウィック33が設けられている他方の面に取り付けられた電子機器43からの熱によって気化される。この電子機器43からの熱は、熱伝導によって蒸発器ウィック33側に向けて移動し、熱伝達によって蒸発器ウィック33の表面から作動流体に伝えられる。気化した作動流体は、気相路35を通り、凝縮器ウィック34に流入する。凝縮器ウィック34では、気体の作動流体の熱の一部が奪われ、作動流体が再び液化する。作動流体から奪われた熱は、凝縮器ウィック34が設けられている他方の面に取り付けられた放熱フィン44から熱伝達によって外部に放出される。液化した作動流体は、凝縮器ウィック34の微細な溝を毛細管力によって液相路36に向かって流れ、さらに、液相路36からを蒸発器ウィック33に向かって流れる。これらの一連の熱輸送が、熱輸送装置30内で繰り返し行われている。
 この一連の熱輸送過程において、図10に示すように、気相路35および液相路36の周囲には、壁を介して、減圧状態または熱伝達率の小さい気体が充填された状態の第1断熱部37および第2断熱部38が形成されているので、熱輸送装置30の外部と、気相路35および液相路36との熱の授受は抑制され、気相路35および液相路36を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはなく、作動流体を安定して流すことができる。
 次に、図8、10〜13を参照して、第2の実施の形態である熱輸送装置30の作製方法について説明する。図11の(a)〜(f)、図12および図13は、熱輸送装置30の作製工程を図9のA−A断面について示した断面図である。
 第1基板31を用意し(a)、この第1基板31の一方の面に、たとえば、サンドブラストなどにより第1断熱部37、気相路35および液相路36の溝を形成する(b)。次に、第1基板31の他方の面に、第2断熱部38を形成するための溝61を、たとえば、サンドブラストによって形成する(c)。続いて、同様にサンドブラストによって、気相路35および液相路36と第2断熱部38とを隔てる壁62、63を形成する(d)。次に、メタルマスクで場所を選択して第1基板31の両面にa−Si:H膜64を成膜する(e)。この第2断熱部38を覆うように第1基板31に第2断熱部蓋45を、たとえば、減圧の雰囲気中で陽極接合によって密閉する(f)。そして、第1基板31に作動流体供給孔39を開ける(図8)。
 次に、上記した(a)〜(d)および(f)の工程と同じ工程で作製された第2基板32の上下を反転させ(図12)、蒸発部40および凝縮部41の孔を開ける(図8)。続いて、第1基板31と第2基板32を、たとえば、減圧の雰囲気中で陽極接合する(図13)。そして、蒸発器ウィック33を蒸発部40の孔に、凝縮器ウィック34を凝縮部41の孔に挿入し、それぞれ第2基板32と、たとえば、陽極接合などで接合する(図8)。
 次に、第1基板31に設けられた作動流体供給孔39から熱輸送装置30内に作動流体が減圧の雰囲気中で供給され、熱輸送装置30の作製が完了する(図8)。
 ここで、第1基板31、第2基板32などの接合に陽極接合を用いているが、この接合方法に限るものではなく、たとえば、接着剤として樹脂を用いた接着接合、熱圧着のような圧着接合またはレーザ溶接のような溶接接合なども可能である。
 第2の実施の形態である熱輸送装置30では、気相路35および液相路36を形成する第1基板31および第2基板32が熱伝達率の小さい材料で構成されているので、気相路35および液相路36は、熱的影響を周囲から受けにくい状態にある。また、気相路35および液相路36の周囲には、壁を介して、第1断熱部37および第2断熱部38が形成されているので、熱輸送装置30の外部と、気相路35および液相路36との熱の授受は抑制され、気相路35および液相路36を流れる作動流体がそれぞれの流路において相変化を生じることはない。そのため、作動流体を安定して流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。さらに、第1断熱部37および第2断熱部38を、第1基板31および第2基板32基板に一体化して形成することができるので、熱輸送装置の小型化・薄型化を図ることができる。
 (その他の実施の形態)
 本発明は、基板に作動流体が流れる気相路および液相路の周囲を、壁を介して、減圧状態または熱伝導率の小さい気体が充填された状態の断熱部を有する構成ならばよく、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、構成、材料等は本発明の技術的思想の範囲で拡張、変更することができる。そして、この拡張、変更した実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
 たとえば、気相路および液相路とそれぞれの断熱部とを2重管構造にし、内管を気相路および液相路とし、内管と外管との間を、たとえば、減圧状態にされた減圧部を有する断熱部として構成することもできる。
 図14は、さらに別の実施の形態に係る熱輸送装置を示す斜視図である。この熱輸送装置50は、図1に示した熱輸送装置1の第3基板4上に、たとえば冷却機構の一部としてヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60が設けられてなる。ヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60は、たとえば放熱フィン18に向けて合成ジェット流を供給するように構成されている。
 図15はヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60を示す斜視図である。図16は図15に示すE−E線断面図であり、図17は図16に示すF−F線断面図である。
 このヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60の筐体67には複数の振動板65a、65bが取り付けられている。これらの振動板65a、65bはたとえばその周縁部が、筐体67に開けられた取り付け穴部67bに取り付けられている。これらの振動板65a、65bはたとえば交流電源68によって交流電圧が印加されるようになっている。振動板65a、65bは、たとえば電極板と圧電材料とが積層されてなる圧電アクチュエータであり、これに交流電圧が印加されることにより振動板65a、65bが所定の振動数で振動する。振動板65a、65bの構成としては、このような圧電素子に限られず、バイメタル、電磁コイル、あるいは静電モータ等を用いてもよい。
 筐体67の側面67dには複数の穴67cが設けられている。筐体67は図14に示すように穴67cが設けられた側面67dが放熱フィンに対向して設置されている。
 ここで、ヘルムホルツ共鳴について説明する。たとえば本実施の形態では、図17に示すように、筐体67の側面67d側の厚みがL(m)となるように筐体67を形成することで、複数の穴67cの長さがそれぞれL(m)とされている。上記複数の振動板65a、65bが同期して、あるいは同じ振動数で、振動板65aと65bとが互いに近づきあったり、遠ざかったりして振動すると、筐体67の内部67aに存在する空気が圧縮したり膨張したりする。この圧縮、膨張の繰り返しの振動により穴67cにある空気(体積S×L(m3)分の空気)が筐体67から外部へ押し出され、内部67aに入ったりする。この振動により穴67cで空気が共鳴し、穴67cにある空気が合成ジェット流となり筐体67の外部に噴出される。
 開口部67cの空気の流路断面積をS(m2)、筐体67の内部の容積をV(m3)、音速をc(m/s)とすると、以下の式(1)でヘルムホルツ共鳴の固有振動数ν(Hz)が表される。 
Figure 2004108760
 この式(1)は、断熱変化における気体の状態方程式およびニュートンの運動方程式により得られる公知の式である。また、式(1)中、ΔL(m)は開口端補正を考慮したものである。たとえば断面積Sが円形であってその半径をr(m)とすると、ΔL=1.5r〜1.7r程度である。
 以上のような構成によって、ジェット流供給機構60から供給された合成ジェット流が放熱フィン18の側壁に層流として吹き付けられ、放熱フィン18が冷やされる。これにより、放熱フィン18の近傍に熱気が滞留することなく、表面だけの層流で少ない流量の合成ジェット流69で放熱フィン18近傍の熱を排熱できる。つまり一般的な軸流ファンを用いる場合に比べ効率良く放熱フィン18が冷やされ高い熱輸送効率を得ることができる。
 本実施の形態に係る熱輸送装置50によれば、凝縮部8(図1〜図5参照)を冷却することにより作動流体の凝縮を促進させ、熱輸送の効率化を図ることができる。その上、第2基板3には上記実施の形態で説明した断熱部14が形成されているので、気相路5および液相路7と、熱輸送装置50の外部との熱の授受を抑制することができるとともに、放熱フィン18やヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60等の冷却機構による冷却作用が、気相路5や液相路7等、凝縮部8以外の部位に及ぶことを抑制することができる。つまり、このような冷却機構を設けた場合であっても断熱部14が設けられていることにより、安定して作動流体を気相路5および液相路7に流すことができ、高い熱輸送効率を得ることができる。
 ヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60は、以上説明した形態には限られず、たとえば筐体67や振動板65a、65bの形状等を種々変更することができる。また、穴67cの長さLを、筐体67の他の部位の厚さと同じとなるように短くするようにしてもよい。このようにLが極端に短くても、また極論してL=0でも、上記開口端補正のΔLが考慮されるため、上記式(1)が成立する。
 また、ヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60は熱輸送装置に取り付けられて一体化されていなくてもよく、たとえばラップトップコンピュータやデスクトップコンピュータ等の電子機器に組み込むようにしてもよい。電子機器はコンピュータのみならず、PDA(Personal Digital Assistance)、撮像機器、あるいは音響機器等であってもよい。
 また、ヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60の配置も図示したものに限られず、図14において放熱フィン18の上方、あるいは上方斜めからジェット気流が放熱フィン18に供給されるようにしてもよい。あるいは、上述のようにヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構60は熱輸送装置50に取り付けられない場合は、さらにフレキシブルな配置が可能となる。
本発明の第1の実施の形態における熱輸送装置の分解斜視図。 本発明の第1の実施の形態における熱輸送装置を組み立てた状態の斜視図。 第1基板に構成された流路パターンを示したの平面図および第1基板の断面図。 図2に示した熱輸送装置の断面図。 第1基板に、気相路、気相路と連通する蒸発部、液相路および液相路と連通する凝縮部などを形成する工程を示す斜視図。 第2基板に、蒸発器ウィック、凝縮器ウィック、気相路シール部、液相路シール部、断熱部などを形成する工程を示す斜視図。 第3基板に、第1連通孔および第2連通孔を開ける工程を示す斜視図。 本発明の第2の実施の形態における熱輸送装置の分解斜視図。 本発明の第2の実施の形態における熱輸送装置を組み立てた状態の斜視図。 図9に示した熱輸送装置のA−A断面図。 第1基板の作製工程を示す断面図。 図11に示された工程と同じ工程で作製された第2基板の上下を反転させた断面図。 第1基板と第2基板を接合する工程を示す断面図。 さらに別の実施の形態に係る熱輸送装置を示す斜視図。 ジェット気流供給機構を示す斜視図。 図15に示すE−E線断面図。 図16に示すF−F線断面図。
符号の説明
 1   熱輸送装置
 2   第1基板
 3   第2基板
 4   第3基板
 5   気相路
 6   蒸発部
 7   液相路
 8   凝縮部
 9   作動流体供給孔
 10  蒸発器ウィック
 11  凝縮器ウィック
 12  気相路シール部
 13  液相路シール部
 14  断熱部
 15  第1連通孔
 16  第2連通孔
 17  電子機器
 18  放熱フィン
 19  空洞部
 60  ヘルムホルツ共鳴によるジェット流供給機構

Claims (10)

  1. 液相の作動流体が流れる液相路および気相の作動流体が流れる気相路が設けられた基板と、
     前記液相路と前記気相路とを連通させるよう前記基板に固着されたウィック部材と、
     前記基板に前記液相路および前記気相路に沿って設けられた断熱部と
     を具備することを特徴とする熱輸送装置。
  2. 請求項1に記載の熱輸送装置であって、
     前記基板が二層の基板からなり、前記液相路および前記気相路が層間に形成されていることを特徴とする熱輸送装置。
  3. 請求項1に記載の熱輸送装置であって、
     前記断熱部が、前記基板に設けられた空洞部を有することを特徴とする熱輸送装置。
  4. 請求項3に記載の熱輸送装置であって、
     前記空洞部内が減圧状態であることを特徴とする熱輸送装置。
  5. 請求項3に記載の熱輸送装置であって、
     前記空洞部内に前記基板の材料より熱伝導率の小さな気体が充填されていることを特徴とする熱輸送装置。
  6. 発熱体から発せられる熱により作動流体を蒸発させる蒸発部と、前記作動流体が凝縮して熱を放出する凝縮部と、前記蒸発部で蒸発した前記作動流体が流れる気相路と、前記凝縮部で凝縮した前記作動流体が流れる液相路とが設けられた基板と、
     前記基板に前記液相路および前記気相路に沿って設けられた断熱部と、
     少なくとも前記凝縮部を冷却する冷却機構と
     を具備することを特徴とする熱輸送装置。
  7. 請求項6に記載の熱輸送装置であって、
     前記冷却機構は、
     前記凝縮部の近傍に設けられた放熱板と、
     前記放熱板に向けて合成ジェット流を供給するヘルムホルツ共鳴による合成ジェット流供給機構と
     を有することを特徴とする熱輸送装置。
  8. (a)発熱体から発せられる熱により作動流体を蒸発させる蒸発部と、前記作動流体が凝縮して熱を放出する凝縮部と、前記蒸発部で蒸発した前記作動流体が流れる気相路と、前記凝縮部で凝縮した前記作動流体が流れる液相路とが設けられた基板と、
     前記基板に前記液相路および前記気相路に沿って設けられた断熱部とを有する熱輸送装置と、
     (b)少なくとも前記凝縮部を冷却する冷却機構と
     を具備することを特徴とする電子機器装置。
  9. 基板に、液相の作動流体が流れる液相路および気相の作動流体が流れる気相路を形成する流路形成工程と、
     前記基板に、前記液相路および前記気相路に沿って断熱部を形成する断熱部形成工程と、
     前記断熱部を減圧の雰囲気中において密閉する密閉工程と、
     前記液相路と前記気相路とを連通させるようウィック部材を接合する接合工程と
     を具備することを特徴とする熱輸送装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法であって、
     前記密閉工程における前記断熱部の密閉が、前記基板を形成する物質より熱伝導率の小さな気体の雰囲気中において行われることを特徴とする熱輸送装置の製造方法。
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