JP5183744B2 - 配管装置および流体搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、配管装置および流体搬送装置に関し、特に、被搬送物である流体に熱を加える配管装置および流体搬送装置に関する。
従来、流体を搬送するための配管において、配管内部を輸送される流体の高精度の温度管理を必要とするとき、配管を加熱することにより流体の温度を制御する場合がある。たとえば成膜装置において、液体状の原料を気化させる気化器と、気化された気体状の原料を基板に供給して基板の表面に成膜を行なう反応室とを連結する配管では、配管内部での反応ガスの再液化や熱分解を防止して反応室へ原料を安定して供給するために、たとえばテープヒータなどを配管に巻き、配管を加熱する。
図23は、従来の成膜装置の構成を示すブロック図である。図24は、図23に示す成膜装置に用いられる配管装置の構成を示す模式図である。図23に示すように、従来の成膜装置においては、気化器240と反応室250とは配管241により連結されている。この配管241には、気化器240で気化したガスの再液化や熱分解の防止のために、配管241を加熱するテープヒータ243が配管241の外周面に巻かれて、温度制御が行なわれる。
配管241の全長を均一の温度に制御するためには、配管241の外周面に均等にテープヒータ243を巻く必要がある。しかし、テープヒータ243の巻き方やテープヒータ243自身の温度ムラにより、配管241の温度のバラつきが発生することがある。また、テープヒータ243の一部が断線すると、断線したテープヒータ243を除去して、新たにテープヒータ243を巻き直す必要がある。しかしながら、テープヒータ243の巻き直しに時間がかかると共に、巻き直す前と同じテープヒータ243の巻き方を再現することは困難である。そのため、加熱時の配管241の温度分布がテープヒータ243断線前の状態から変化し、成膜の性能に影響を及ぼすという問題があった。
そのため従来、配管の外壁をヒートパイプにより被覆して、配管の温度を所定の温度に均一性良く保持し、配管の全長にヒータを巻くことなく配管全体を高精度に温度管理する技術が提案されている(たとえば、特開平6−168877号公報(特許文献1)参照)。
ところで、従来のヒートパイプは、管の内部を真空に排気して作動流体を適量封入し、管の一方端側を加熱して作動流体を蒸発させ、その蒸気を他方端側で冷却し凝縮させて液体にすることで、管の一方端側から他方端側に大量の熱を輸送する装置である。低温側で凝縮した液体状の作動流体を高温側へ戻すために、管の内壁に細い溝やメッシュまたは多孔性状の構造(総称してウィックと呼ぶ)が配置されており、表面張力による毛管作用により作動流体を高温側へ還流させる。
従来のヒートパイプでは、管の高温部の位置が低温部よりも高くなるトップヒート状態にある場合、凝縮した作動流体が下部側(低温側)に滞留し、ウィックの毛管力のみでは重力に抗して高温部に作動流体を十分に還流させることができない場合がある。このようなトップヒート状態においては、従来のヒートパイプでは十分な熱輸送が行なうことができない。そこで、重力の影響による熱輸送能力の変動を抑制する技術として、ループ型細管ヒートパイプが提案されている(たとえば、特開平4−190090号公報(特許文献2)参照)。
特開平6−168877号公報 特開平4−190090号公報
流体を搬送するための配管の外表面にループ型細管ヒートパイプを貼り付けることにより、ループ型細管ヒートパイプから配管へ熱を伝達して、配管内部を流れる流体を加熱することができる。しかし、配管の外表面およびループ型細管ヒートパイプを構成する細管の表面には、凹凸な構造があり、接触面同士を完全に密着させることは困難である。空気など熱伝導率の小さい流体が接触面間の隙間に存在すると、接触熱抵抗と呼ばれる大きな熱抵抗が生じる。つまり、ループ型細管ヒートパイプを配管の外表面に接触させた場合、配管の外表面と細管の表面とが完全に密着しないことにより、ループ型細管ヒートパイプから配管への熱伝達は必ずしも十分とはいえず、更なる改良の余地がある。
また、流体を搬送するための配管をヒートパイプを用いて加熱する場合、ヒートパイプに封入される作動流体を加熱するための熱源を別途設ける必要があるため、装置構成が複雑となり、装置の製造コストおよび運転費用が増大するという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、流体を搬送するための配管を効率よく加熱し、配管内部を流れる流体の温度の均一性を向上できる、配管装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、流体を搬送するための配管を加熱するヒートパイプを備えた、低コストな流体搬送装置を提供することである。
本発明に係る配管装置は、流体を搬送するための配管装置であって、管状部材と、管状部材を加熱する加熱部とを備える。管状部材の環状壁部の内部には、管状部材の延在方向に沿う複数の細管部と、細管部の一端同士を連結する第一連結管部と、細管部の他端同士を連結する第二連結管部とが設けられている。加熱部は、第一連結管部と第二連結管部との少なくともいずれか一方を加熱する。細管部、第一連結管部および第二連結管部は、ループ型細管ヒートパイプを構成する。
上記配管装置において好ましくは、管状部材は、内側管と、内側管の外周面に内周面が密着する外側管とを含む。細管部は、内側管の外周面および外側管の内周面の少なくともいずれか一方が凹凸加工されて形成されている。
上記配管装置において好ましくは、配管装置は、管状部材を内包する外覆管をさらに備える。加熱部は、管状部材の端部を介して、第一連結管部と第二連結管部との少なくともいずれか一方を加熱する。配管装置は、管状部材の外周面と、外覆管の内周面との間に、真空空間を有する。
本発明に係る流体搬送装置は、第一加熱部と、第二加熱部と、第一加熱部と第二加熱部とを連結する管状部材と、管状部材に熱的に接触するヒートパイプとを備える。管状部材は、第一加熱部から第二加熱部へ流体を搬送する。ヒートパイプは、第一加熱部および第二加熱部の少なくともいずれか一方により加熱される。
ここで、「熱的に接触」とは、管状部材とヒートパイプとの間において熱が直接的に伝達される、熱伝達効率が十分に高い状態とされていることをいい、管状部材とヒートパイプとが当接して直接機械的に接触している場合に限られない。たとえば、ヒートパイプを管状部材に内蔵する構成など、管状部材とヒートパイプとが互いに一体化されている場合、また、熱伝導性に優れた物質を中間に介在させ間接的に管状部材とヒートパイプとが接触している場合をも、熱的に接触している状態に含むものとする。
上記流体搬送装置において好ましくは、管状部材およびヒートパイプを内包する外覆管をさらに備え、管状部材の外周面と、外覆管の内周面との間に、真空空間を有する。
上記流体搬送装置において好ましくは、ヒートパイプは、ループ型細管ヒートパイプである。
上記流体搬送装置において好ましくは、管状部材の環状壁部の内部には、管状部材の延在方向に沿う複数の細管部と、細管部の一端同士を連結する第一連結管部と、細管部の他端同士を連結する第二連結管部とが設けられている。細管部、第一連結管部および第二連結管部は、ループ型細管ヒートパイプを構成する。
本発明の配管装置によると、ループ型細管ヒートパイプの細管の管状部材への貼り付けによる接触熱抵抗をなくすことができるので、管状部材を効率よく加熱し、管状部材の内部を搬送される流体の温度の均一性を向上させることができる。本発明の流体搬送装置によると、ヒートパイプを加熱するための熱源を新たに設ける必要がないので、ヒートパイプを備える流体搬送装置のコスト低減および小型化を達成することができる。
本発明に係る流体搬送装置を備える、反応室へ気体状の物質を供給するための物質供給システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の流体搬送装置の一例を示す模式図である。 ヒートパイプの構成を示す斜視図である。 図3に示すIV−IV線に沿うヒートパイプの断面を示す図である。 ヒートパイプの動作原理を示す模式図である。 実施の形態1の流体搬送装置の反応ガスを搬送する配管の温度変化を示すグラフである。 実施の形態2の流体輸送経路の構成を示す模式図である。 図7に示す流体輸送経路を端面側から視た模式図である。 実施の形態3の流体輸送経路の構成を示す模式図である。 ループ型細管ヒートパイプの構成および動作原理を説明する模式図である。 実施の形態3の流体輸送経路の配置の一例を示す模式図である。 実施の形態4の配管を平板状に展開した状態を示す模式図である。 図12に示す矢印XIII方向から平板状に展開された配管を見た図である。 実施の形態4の配管の斜視図である。 実施の形態5の配管の斜視図である。 図15に示すXVI−XVI線に沿う配管の断面図である。 実施の形態6の配管の斜視図である。 図17に示すXVIII−XVIII線に沿う配管の断面図である。 物質供給システムの変形例1の概略構成を示すブロック図である。 物質供給システムの変形例2の概略構成を示すブロック図である。 物質供給システムの変形例3の概略構成を示すブロック図である。 物質供給システムの変形例4の概略構成を示すブロック図である。 従来の成膜装置の構成を示すブロック図である。 図23に示す成膜装置に用いられる配管装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 物質供給システム、2 流体搬送装置、10,40,50 配管、10a,40a 外周面、10b 一端、10c 他端、11,12 断熱壁、13,14 空間、20 ヒートパイプ、20a,20b 端部、21 外管、22 ウィック、23 作動液、24 空間、27 高温部、28 低温部、30 ループ型細管ヒートパイプ、31 加熱部、32 冷却部、33 液相、34 気相、35 蒸気泡、41 壁部、42 細管部、43,44 連結管、51 外側管、51a 内周面、52 内側管、52a 外周面、60 外覆管、60a 内周面、61 真空空間、110 液状原料供給装置、111,114,121,124,141,144,161a,164a 流体輸送経路、112,122,142,162a,162n バルブ、113,123,143,146,163a,163n 加熱部、120 キャリアガス供給装置、130 制御部、140 気化器、145 接合部、150,150a,150n 反応室。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る流体搬送装置を備える、反応室へ気体状の物質を供給するための物質供給システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、物質供給システム1は、外部より液体状の原料を受け入れて気化器140に供給する液状原料供給装置110と、液状原料供給装置110より供給された液体状の原料を加熱し気化させて気体状にする気化器140と、気体状の原料が供給されて、基板の表面への成膜などの所定の反応が行なわれる、反応室150とを備える。また物質供給システム1は、気化器140において気化された原料を反応室150へ向けて搬送するキャリアガスを気化器140へ供給する、キャリアガス供給装置120を備える。
液状原料供給装置110と気化器140とは、流体輸送経路111、バルブ112および流体輸送経路114によって連結されている。液状原料供給装置110と気化器140間の流体輸送経路111,114は、バルブ112を介して接合されている。キャリアガス供給装置120と気化器140とは、流体輸送経路121、バルブ122および流体輸送経路124によって連結されている。キャリアガス供給装置120と気化器140間の流体輸送経路121,124は、バルブ122を介して接合されている。気化器140と反応室150とは、流体輸送経路141、バルブ142および流体輸送経路144によって連結されている。気化器140と反応室150間の流体輸送経路141,144は、バルブ142を介して接合されている。
液状原料供給装置110から供給された液体状の原料は、気化器140において熱を加えられて温度上昇し、沸点に到達することにより気体へと状態変化する。気化器140で気化した気体状の原料(これを反応ガスと称する)は、キャリアガス供給装置120から供給されるキャリアガスによって、流体輸送経路141、バルブ142、流体輸送経路144を経由して、反応ガスとして反応室150に供給される。
物質供給システム1はまた、制御部130を備える。液状原料供給装置110から気化器140への原料の供給量は、液状原料供給装置110と気化器140間の流体輸送経路111,114の間のバルブ112の開度を制御部130にて制御することにより、制御される。キャリアガスの流量は、キャリアガス供給装置120と気化器140間の流体輸送経路121,124の間のバルブ122の開度を制御部130にて制御することにより、制御される。反応ガスの供給量は、気化器140と反応室150間の流体輸送経路141,144の間のバルブ142の開度を制御部130にて制御することにより、制御される。
気化器140内部の温度は、気化器140の内部に配置された図示しないヒータなどの加熱部による熱供給量を制御部130にて制御することにより、制御される。反応室150内部の温度も、反応室150の内部に配置された図示しない加熱部による熱供給量を制御部130にて制御することにより、制御される。図1に示す点線矢印は、制御部130からの制御信号の経路を示している。
図2は、本発明の流体搬送装置の一例を示す模式図である。図2には、流体搬送装置の一例として、気化器140とバルブ142とを連結する流体輸送経路141を含んで構成される、流体搬送装置2が図示されている。流体搬送装置2は、第一加熱部としての気化器140と、第二加熱部としての加熱部143と、管状部材としての配管10と、配管10の外周面10aを被覆するヒートパイプ20とを備える。配管10は、気化器140からバルブ142へ向かう方向に、液状原料供給装置110から供給され気化器140で気化された、気体状の原料を搬送する。
配管10の一方の端部である一端10bは、気化器140に連結されている。配管10の他方の端部である他端10cは、バルブ142に連結されている。バルブ142の周囲には、加熱部143が配設されている。加熱部143は、バルブ142を内包するように設けられており、バルブ142を含む箇所を加熱する。制御部130は、加熱部143よりバルブ142に供給される熱量を制御することにより、バルブ142を通過する反応ガスの温度を制御する。配管10は、気化器140と加熱部143とを連結している。
気化器140に接合された配管10の一端10bを囲うように、断熱壁11が設けられている。一端10b近傍の配管10と、一端10bに近接するヒートパイプ20の端部20aとは、気化器140の外壁および断熱壁11によって取り囲まれた空間13内に配置されている。また、バルブ142に接合された他端10c近傍の配管10を囲うように、断熱壁12が設けられている。他端10c近傍の配管10と、他端10cに近接するヒートパイプ20の端部20bとは、加熱部143の外壁および断熱壁12によって取り囲まれた空間14内に配置されている。
図2中の矢印によって、熱流HFが図示されている。熱流HFは、気化器140および加熱部143からヒートパイプ20へ伝わり、外部へ放出される熱の流れを示す。気化器140から、気化器140の外壁を経由して空間13へ熱が伝わり、空間13内部が加熱されて、空間13からヒートパイプ20の端部20a付近に熱が加えられる。また、加熱部143から、加熱部143の外壁を経由して空間14へ熱が伝わり、空間14内部が加熱されて、空間14からヒートパイプ20の端部20b付近に熱が伝えられる。ヒートパイプ20の端部20a,20b付近は、雰囲気温度が相対的に高くヒートパイプ20を加熱して作動流体を蒸発させる、高温部を構成している。
一方、気化器140と加熱部143との中間地点付近では、ヒートパイプ20は周囲から熱を加えられていない。この中間地点付近において、ヒートパイプ20から外部へ熱が放出されている。気化器140と加熱部143との中間地点付近は、雰囲気温度が相対的に低く、ヒートパイプ20から放熱されることにより作動流体を凝縮させる、低温部を構成している。
ヒートパイプ20の構成について以下説明する。図3は、ヒートパイプの構成を示す斜視図である。図4は、図3に示すIV−IV線に沿うヒートパイプの断面を示す図である。図3および図4に示すように、流体輸送経路141では、配管10の外部に外管21を設け、外管21内の中空空間内に配管10が挿通された、二重管構造が形成されている。外管21は、たとえば銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料により形成されている。外管21の内面には、毛管力を有する多孔質のウィック22が設けられている。ウィック22としては、外管21の内表面に金網が取り付けられてもよく、外管21の内表面に細かい溝が形成されてもよい。
配管10の外周面と、外管21の内周面との間には、空間24が形成されている。空間24の内部は、真空に排気され減圧されている。この空間24に、作動液23を適量注入する。このようにして、配管10と外管21との間に、ヒートパイプ20の構造を設けることができる。
図5は、ヒートパイプの動作原理を示す模式図である。図3および図4に示すヒートパイプ構造の一部を、周囲の温度が相対的に高い高温部27に配置し、他の一部を周囲の温度が相対的に低い低温部28に配置する。高温部27は、たとえばヒータなどで加熱されており、低温部28に対して温度が高くなっている。熱流HFに示すように、高温部27において周囲から伝熱されることにより、外管21が加熱される。そのため、配管10と外管21との間に封入された作動液23も加熱され、潜熱として熱を吸収して作動液23は蒸発して気体状になる。
蒸発した作動液23の蒸気が、蒸気流SFに示すように、高温部27側から低温部28側へ流れることにより、熱が蒸気流SFの流れる方向に蒸気として運ばれる。このとき作動液23の蒸気は、配管10の外表面および外管21の内表面で潜熱を放出することで凝縮して、配管10をその全長にわたり均一に加熱する。低温部28側で凝縮した作動液23は、液流LFに示すように、ウィック22の毛管力によって高温部27側へ還流する。また、低温部28において、作動液23から伝熱された外管21の管外壁から、熱流HFに示すように外部への放熱が行なわれる。
このようにして、配管10内を流れる反応ガスの温度は一定温度に維持される。つまり、配管10と外管21との間における作動液23の蒸気化および液化によって、熱輸送が行なわれ、配管10の全長に亘って反応ガスの温度の均一性を向上させることができる。
図6は、実施の形態1の流体搬送装置の反応ガスを搬送する配管の温度変化を示すグラフである。図6において、縦軸は、配管の温度を示す。また横軸は、図2に示す気化器140から加熱部143へ至る反応ガスの経路を示す。図6の横軸に示す領域Aは、図2に示す流体搬送装置2において、気化器140の内部、および断熱壁11によって囲まれた空間13の内部の領域に相当する。領域Bは、図2に示す空間13の出口から空間14の入口へ至る領域に相当する。領域Cは、図2に示す断熱壁12によって囲まれた空間14の内部、および加熱部143の内部の領域に相当する。
図6に示すように、領域Aでは気化器140からの伝熱影響によって、領域Cでは加熱部143からの伝熱影響によって、配管の温度が変化している。領域Bでは、気化器140および加熱部143を熱源として加熱されたヒートパイプ20により配管10が全長に亘って均一に加熱されるので、領域Aから領域Cへ向かう配管10の内部を流れる反応ガスの温度低下がなく、反応ガスの凝縮による再液化を防止でき、反応ガスの高精度な温度管理を可能としている。
以上説明したように、実施の形態1では、流体輸送経路141を二重管構造にし、配管10の外周面と外管21の内周面との間に真空の空間24およびウィック22を設けヒートパイプ化することにより、配管10の外表面にヒートパイプ20を接触させる。ヒートパイプ20の一部を加熱することで配管10の全長に亘っての均熱化を実現することができるので、流体輸送経路141の全長に亘りテープヒータなどのヒータを配置しなくても、容易に配管10内を流れる反応ガスを高精度に温度管理することができる。
また、実施の形態1では、ヒートパイプ20は気化器140および加熱部143から伝熱されることにより加熱されている。そのため、流体搬送装置2は、ヒートパイプ20を加熱して作動液23を蒸発させるための、ヒータや温水などの別の熱源を備える必要がない。すなわち、流体搬送装置2は、ヒートパイプ20のためだけの加熱装置を備えていない。したがって、流体搬送装置2の製造コストおよび運転費用を低減することができ、かつ、流体搬送装置2の小型化を達成することができる。
なお、図2に示す流体搬送装置2では、気化器140および加熱部143の双方からヒートパイプ20が加熱され、気化器140と加熱部143との間で外部へ放熱される例について説明したが、気化器140または加熱部143のいずれか一方によりヒートパイプ20が加熱される構成としてもよい。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2の流体輸送経路の構成を示す模式図である。図8は、図7に示す流体輸送経路を端面側から視た模式図である。実施の形態1では、流体輸送経路141を二重管構造にして、外管21の内周面にウィック22を設けてヒートパイプ化することにより、気体状の反応ガスを搬送する配管10の外周部にヒートパイプ20を設ける例について説明した。これに対し、実施の形態2では、図7および図8に示すように、複数のヒートパイプ20が配管10の外周面10aに貼付されており、これらのヒートパイプ20の熱輸送によって配管10を全長に亘って均熱化する例が示されている。
ヒートパイプ20の構成および動作原理は、図3〜図5を参照して説明した実施の形態1のヒートパイプ20と同じであり、実施の形態1と同様にヒートパイプ20内で作動液23の蒸気化および液化による熱輸送を行なうことによって、配管10の全長に亘る温度の均一化が可能である。実施の形態2では、配管10の外周面に複数のヒートパイプ20を貼付して、ヒートパイプ20から配管10へ伝熱させる構造とされており、既存の配管10の構造を変更することなく、配管10内部を流れる反応ガスの高精度な温度の均一化を容易に行なうことができる。
なお図7および図8では、ヒートパイプ20を配管10の外周面10aに貼り付けて、ヒートパイプ20が配管10に直接接触する流体輸送経路141が例示されている。流体輸送経路141はこのほか、配管10の外周面10aにヒートパイプ20を収納可能な溝を配管10の延在方向に加工して、この溝内にヒートパイプ20を収納するようにした構成としてもよい。
また、熱伝導率の高い物質を介在させてヒートパイプ20が配管10の外周面10aに貼付され、ヒートパイプ20と配管10とは直接機械的に接触していないが、ヒートパイプ20から配管10への熱伝達性能が確保されている構成としてもよい。つまり、ヒートパイプ20が配管10の外周面10aに熱的に接触する流体輸送経路141であれば、配管10内部を流れる反応ガスの温度を高精度に均一化することが可能である。
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3の流体輸送経路の構成を示す模式図である。実施の形態1および2では、配管10を加熱するためのヒートパイプ20は、従来のウィック式のヒートパイプであった。これに対し、実施の形態3では、図9に示すように蛇行させたループ型細管が配管10の外周面10aに貼り付けられ、そのループ型細管の内部に2相凝縮性作動液が封入されており、配管10に熱的に接触するヒートパイプがループ型細管ヒートパイプ30である例について示す。
図10は、ループ型細管ヒートパイプの構成および動作原理を説明する模式図である。図10には、図9に示す配管10が延在方向に切り開かれ、管状の配管10が平板状に展開された状態を示している。配管10の周囲に巻回されるように配置されていたループ型細管ヒートパイプ30も、上記平板の形状に沿って二次元的に展開されている状態が、図10に図示されている。
図10に示すように、ループ型細管ヒートパイプ30に入熱する加熱部31と、ループ型細管ヒートパイプ30から放熱される冷却部32との間に、作動流体の流路である細管が複数本配置されている。この細管は、図9に示す配管10の延在方向に沿うように、偶数本設けられている。複数の細管の一方側の端部である一端同士、および、細管の他方側の端部である他端同士は、連結管により連結されている。ループ型細管ヒートパイプ30は、加熱部31と冷却部32との間で細管に多数のターンを繰り返させ、細管を往復させる蛇行構造に形成されている。この蛇行構造により、ループ型細管ヒートパイプ30は、加熱部31から熱を受ける多数の受熱部と、冷却部32へ熱を放出する多数の放熱部を有する。
ループ型細管ヒートパイプ30の内部には、気液二相の作動流体が封入されている。作動流体は、蛇行構造の細管の内部を減圧し真空排気した後に細管内部へ封入されている。そのため、細管の内部には、液体状および気体状の作動流体が、平衡状態を保って充満されている。図10には、液体状の作動流体が充満している液相33、気体状の作動流体が充満している気相34および蒸気泡35が図示されている。
ループ型細管ヒートパイプ30へ伝熱される熱量が小さいとき、液相33は冷却部32側へ偏って存在し、静止したU字型の液柱となる。加熱部31からループ型細管ヒートパイプ30へ入熱する加熱量が増加するにつれて、液相33が熱を吸収して液相33内に核沸騰を発生させる。この核沸騰により、液相33の一部が液体から気体へと相変化して、液相33内に蒸気泡35が発生する。発生した蒸気泡35は、加熱部31側から冷却部32側へ向かって細管内を移動する。蒸気泡35が冷却部32に到達すると、蒸気泡35に含まれる気体が冷却されて凝縮し、気体から液体へと相変化する。この蒸気泡35の移動を利用して、加熱部31から冷却部32への潜熱の移送が行なわれる。
また、加熱部31における蒸気泡35の発達および冷却部32における蒸気泡35の収縮により、細管内の液相33が自励的に振動し、図10中の両矢印に示すように、液相33と気相34との界面が細管の延在方向に沿って移動する。この液相33の振動を利用して、加熱部31から冷却部32への顕熱の移送が行なわれる。このように、ループ型細管ヒートパイプ30では、加熱部31と冷却部32との温度差を駆動力として、蒸気泡35の移動および液相33の振動を発生させ、蒸気泡35による潜熱輸送および液相33による顕熱輸送によって、加熱部31から冷却部32への熱輸送が行なわれる。
上記のように作動するループ型細管ヒートパイプ30は、自励振動ヒートパイプとも呼称され、傾斜姿勢に関係なく加熱部31から冷却部32への熱輸送が可能とされている。また、潜熱と顕熱とを混合輸送するために、ループ型細管ヒートパイプ30は高い熱輸送能力を有している。またループ型細管ヒートパイプ30は、ウィックなど内部構造のない細管を使用するため、細管の自由な屈曲が可能であり、屈曲による熱輸送性能の低下が少ないので、大規模な熱輸送装置を低コストで実現することができる。
また、ループ型細管ヒートパイプ30では、細管の蛇行数を増減することで熱輸送量を増減させることができ、広範囲に亘って所望の熱輸送量を得ることができる。つまり、細管の数を増加させるに従って、加熱部31から冷却部32への熱輸送効率を向上させることができる。蛇行構造のループ型細管を限られたスペースに配置する必要があるので、偶数本の細管が設けられている構成とすれば、効率的に蛇行構造を形成できるため好ましい。また、所望の熱輸送量に合わせて、複数のループ型細管を配管10の外周面に貼り付ける構成としてもよい。
また、ループ型細管ヒートパイプ30を構成する細管は、内径1〜2mm程度であって、板厚を含めた細管の外径は2mm〜3mm程度である。そのため、図3および図7に示す従来型のヒートパイプ20を配管10の外周面に熱的に接触させる場合と比較して、配管10およびループ型細管ヒートパイプ30を含む配管装置の外径を、大幅に小さくすることができる。したがって、より小さな回路によって配管10内を流れる反応ガスを加熱することができ、装置全体としての小型化を達成することが可能である。
図11は、実施の形態3の流体輸送経路の配置の一例を示す模式図である。図11に示す流体輸送経路は、高温部27が上側に配置され、低温部28が下側に配置された、トップヒート状態に配置されている。ガス流GFに示すように配管10の内部を反応ガスが流れ、配管10を介在させて反応ガスを加熱するために、配管10の外周面にループ型細管ヒートパイプ30を構成する蛇行細管が貼り付けられている。このように実施の形態3では、配管10に熱的に接触するヒートパイプとして、ループ型細管ヒートパイプ30が用いられているために、配管10の高低差が大きいトップヒート状態でも熱輸送が可能となる。したがって、配管10の姿勢に関わらず熱輸送できる流体搬送装置2を得ることができ、配管10の配置計画に係る設計の自由度を大幅に向上させることができる。
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4の配管を平板状に展開した状態を示す模式図である。図13は、図12に示す矢印XIII方向から平板状に展開された配管を見た図である。なお図12は、図13に示す矢印XII方向から平板状に展開された配管を見た図を示している。図14は、実施の形態4の配管の斜視図である。
実施の形態3では、配管10の外周面に蛇行させた細管を貼り付けて、ループ型細管ヒートパイプ30を配管10に対し熱的に接触させる例について説明した。これに対し実施の形態4では、図12および図13に示すように、配管40を展開した平板の内部にループ型細管ヒートパイプ30が組み込まれている。蛇行させたループ型細管を組み込んだ平板を製造した後に、その平板を曲げ加工して管状の配管40を形成することで、ループ型細管ヒートパイプ30を内蔵した配管40を得ることができる。この配管40を、図2に示す配管10およびヒートパイプ20に替えて、流体搬送装置2に適用することができる。
つまり、図14に示す管状部材としての配管40は、配管40の延在方向に交差する断面の形状が環状の壁部41を有する。壁部41の内部には、配管40の延在方向に沿う複数の細管部42と、細管部42の端部同士を連結する連結管43,44とが設けられている。連結管43は、細管部42の一方の端部同士を連結する。連結管44は、細管部42の他方の端部同士を連結する。細管部42および連結管43,44は、多数ターンを繰り返す蛇行構造のループ型細管ヒートパイプ30を構成する。図10を参照して説明した動作原理に基づいて、連結管43,44のいずれか一方の近傍を加熱部31とし、他方を冷却部32とすることにより、傾斜姿勢に関係なく加熱部31から冷却部32への熱輸送を行なうことができる。
このようにループ型細管ヒートパイプ30を配管40の内部に内蔵させて形成し、熱源から配管40に熱を加え、内部を搬送される流体を加熱する加熱配管として配管40を適用することにより、配管40の内部を流れる反応ガスをより効率よく加熱することができる。つまり、図9に示すループ型細管ヒートパイプ30を配管10の外周部に貼り付けた場合、配管の外表面と細管の表面とが完全に密着せず、配管の外表面と細管の表面との間に隙間が存在する。その結果、接触熱抵抗と呼ばれる大きな熱抵抗が生じて、ループ型細管ヒートパイプ30から配管10への熱伝達効率が低下する。
これに対し、図14に示す配管40では壁面内にループ型細管ヒートパイプ30が形成されているので、接触熱抵抗が発生することがなく、ループ型細管ヒートパイプ30によって配管40を効率よく加熱することができる。したがって、反応ガスを搬送する配管装置に配管40を適用することで、配管40の内部を流れる反応ガスの温度の均一性を、より向上させることができる。また、図11で説明したように、ループ型細管ヒートパイプ30が用いられると、配管40の高低差が大きいトップヒート状態でも熱輸送が可能となる。したがって、配管40の姿勢に関わらず熱輸送できる流体搬送装置2を得ることができる。
(実施の形態5)
図15は、実施の形態5の配管の斜視図である。図16は、図15に示すXVI−XVI線に沿う配管の断面図である。実施の形態4では、内部にループ型細管ヒートパイプ30が形成された平板を曲げて管状に加工する配管40について説明した。これに対し、実施の形態5の配管50は、図15および図16に示すように、外側管51と内側管52とを含む。内側管52の外周面52aに、外側管51の内周面51aが密着している。
内側管52の外周面52aには、溝加工が施されている。この溝形状は、内側管52の延在方向に沿う複数の細溝を含む。内側管52の外周面52aには、ループ型細管ヒートパイプ30の回路の細管部42となる、細溝が加工されている。内側管52の外部に外側管51をかぶせて、溶接などで一体化接合した後、外周面52aに形成された溝を真空排気して作動液を封入することにより、ループ型細管ヒートパイプ30を内部に内蔵する管状部材としての配管50を構成することができる。
なお、図15および図16では、内側管52の外側表面である外周面52aに溝を加工した例を示している。外側管51の内側表面である内周面51aに溝を加工した後、内側管52と外側管51とを一体化接合して、上記と同様のループ型細管ヒートパイプ30の回路を形成するようにしてもよい。また、内側管52の外周面52aと外側管51の内周面51aとの双方に同一パターンの溝加工を施した後、内側管52と外側管51とを一体化接合して、上記と同様のループ型細管ヒートパイプ30の回路を形成するようにしてもよい。
また、ループ型細管ヒートパイプ30の細管部42を構成する細溝のみならず、連結管43,44を構成する細溝を、内周面51aまたは外周面52aに形成してもよい。さらに、内側管52の外周面52aおよび外側管51の内周面51aの少なくともいずれか一方に、溝加工のほか、たとえばエンボス加工などの、内周面51aまたは外周面52aに凹凸形状を形成する任意の凹凸加工を行なうことにより、ループ型細管ヒートパイプ30の回路を形成するようにしてもよい。
このようにすると、一般的な配管材料を加工することにより外側管51および内側管52を形成して、これらを一体化接合することで、ループ型細管ヒートパイプ30を内蔵した配管50を容易に得ることができる。そのため、実施の形態4に示すような平板の曲げ加工や、曲げ加工後に平板を接合して管状にする作業が不要となり、配管50の内面研磨も容易になる。したがって、製作が容易かつ低コストな、ループ型細管ヒートパイプ30を内蔵する配管50を得ることができる。
(実施の形態6)
図17は、実施の形態6の配管の斜視図である。図18は、図17に示すXVIII−XVIII線に沿う配管の断面図である。図17に示す配管は、図14を参照して説明した配管40の周囲を、さらに外覆管60で囲っている。外覆管60は、ループ型細管ヒートパイプ30を内蔵する配管40を内包している。配管40の外周面40aと、外覆管60の内周面60aとの間には、真空空間61が形成されている。
配管40の外周面40aと外覆管60の内周面60aとの間に真空空間61を有することにより、配管40を真空断熱し、配管40の外周面40aから外部への放熱を抑制して、配管40から周囲へのエネルギーロスを低減する構造にすることができる。配管40の内部を流れる反応ガスをヒートパイプによって加熱する構成であり、配管40の外表面にテープヒータなどの加熱部を設けることなく配管40全体の均熱加熱が可能とされているので、配管40の外周面40aに真空空間61を設けることが容易である。
このような真空空間61を設けて配管40からの放熱量を低減して熱損失を減らすことにより、配管40の外部に断熱材を巻き付ける必要がなくなる。したがって、断熱材の取り付け取り外しが不要となるため、配管のメンテナンスが容易となり、配管の使用環境をクリーンに保つことができる効果がある。さらに、断熱材を配管に巻き付ける場合の断熱材の外径と比較して、外覆管60の外径を大幅に小さくしても同等の断熱効果を得ることができ、装置の小型化を達成することができる。または、断熱材の外径と同等の外径を有する外覆管60を用いて真空空間61を形成すれば、より高い断熱性能を得ることができるので、限られたスペースで一層高い断熱性を有する断熱構造を形成することができる。
なお、実施の形態1〜5で説明した配管を、上記説明した通り外覆管60で囲って真空空間61を形成して真空断熱することによって、断熱材を廃止でき装置を小型化できるという同様の効果が得られることは言うまでもない。
(実施の形態7)
実施の形態1〜6の説明においては、図1に示す気化器140と加熱部143との間に設けられた流体輸送経路141を例として説明したが、本発明の配管装置および流体搬送装置は、種々の系統に用いることが可能である。図19〜図22は、物質供給システムの変形例の概略構成を示すブロック図である。
図19に示す物質供給システムは、n(nは2以上の整数)個の反応室150a〜150nを備える。流体輸送経路144には、配管の分岐のための接合部145が接続されており、接合部145は加熱部146により周囲を覆われている。接合部145から反応室150aに至る流体輸送経路161a,164aは、反応ガスの流量制御用のバルブ162aを介して接合されている。バルブ162aは加熱部163aにより周囲を覆われており、加熱部163aからの伝熱によってバルブ162aが加熱される。接合部145からその他の反応室150nへ至る経路も、上記と同様の構成を成している。
図19に示す物質供給システムにおいて、流体輸送経路141,144,161a〜161n,164a〜164nに、実施の形態1〜6に記載のいずれかの流体搬送装置を適用することにより、気化器140から反応室150a〜150nへ至る反応ガスの温度を均一化することができる。
図20に示す物質供給システムでは、気化器140と反応室150とが流体輸送経路141によって直接連結されており、反応ガスの流量制御用のバルブ142を有していない。この場合でも、流体輸送経路141に実施の形態1〜6のいずれかの流体搬送装置を適用し、流体輸送経路141を加熱するヒートパイプに気化器140または反応室150の熱を伝熱させることにより、気化器140から反応室150へ至る反応ガスの温度を均一化することができる。
図21に示す物質供給システムは、バルブ112を加熱する加熱部113を備えており、液状原料供給装置110から気化器140へ供給される液体状の原料を、気化器140の上流で予熱できる構成とされている。この場合でも、流体輸送経路111,114に実施の形態1〜6のいずれかの流体搬送装置を適用し、流体輸送経路111,114を加熱するヒートパイプに加熱部113または気化器140の熱を伝熱させることにより、液状原料供給装置110から気化器140へ至る液体状の原料の温度を均一化することができる。つまり、本発明の配管装置および流体搬送装置は、気体を搬送する装置に限られず、液体を搬送する装置に適用することも可能である。
図22に示す物質供給システムは、バルブ122を加熱する加熱部123を備えており、キャリアガス供給装置120から気化器140へ供給されるキャリアガスを、気化器140の上流で予熱できる構成とされている。この場合でも、流体輸送経路121,124に実施の形態1〜6のいずれかの流体搬送装置を適用し、流体輸送経路121,124を加熱するヒートパイプに加熱部123または気化器140の熱を伝熱させることにより、キャリアガス供給装置120から気化器140へ至るキャリアガスの温度を均一化することができる。
(実施の形態8)
実施の形態1〜7においては、ヒートパイプを用いた配管の加熱について述べたが、ヒートパイプから積極的に熱を奪ってヒートパイプの作動流体を冷却させる冷却器を、ヒートパイプと熱的に接触するように設けてもよい。加熱部によるヒートパイプの加熱を停止した後に、冷却器によってヒートパイプを冷却すれば、ヒートパイプの一部を冷却することにより、ヒートパイプ全体の冷却を効率的に行なうことができる。つまり、実施の形態1で説明した従来型のヒートパイプの熱輸送動作、または実施の形態3で説明したループ型細管ヒートパイプの熱輸送動作により、ヒートパイプ全体を冷却する必要はなく、効率的にヒートパイプの冷却を行なうことができる。
このようにすれば、メンテナンス時などの配管の温度を下げたい場合に、配管をより高速に均一温度で下げることができるので、配管の温度低下に要する時間を短縮でき、メンテナンス時間を短縮することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の配管装置および流体搬送装置は、たとえば半導体ウェハや液晶ガラス基板などに成膜対象物を成膜する際の反応ガスなど、高精度の温度管理を必要とする物質を搬送する配管装置および流体搬送装置に、特に有利に適用され得る。

Claims (7)

  1. 流体を搬送するための配管装置であって、
    管状部材と
    前記管状部材を加熱する加熱部とを備え、
    前記管状部材の環状壁部の内部には、前記管状部材の延在方向に沿う複数の細管部と、前記細管部の一端同士を連結する第一連結管部と、前記細管部の他端同士を連結する第二連結管部とが設けられており、
    前記加熱部は、前記第一連結管部と前記第二連結管部との少なくともいずれか一方を加熱し、
    前記細管部、前記第一連結管部および前記第二連結管部は、ループ型細管ヒートパイプを構成する、配管装置。
  2. 前記管状部材は、内側管と、前記内側管の外周面に内周面が密着する外側管とを含み、
    前記細管部は、前記内側管の前記外周面および前記外側管の前記内周面の少なくともいずれか一方が凹凸加工されて形成されている、請求項1に記載の配管装置。
  3. 前記管状部材を内包する外覆管をさらに備え、
    前記加熱部は、前記管状部材の端部を介して、前記第一連結管部と前記第二連結管部との少なくともいずれか一方を加熱し、
    前記管状部材の外周面と、前記外覆管の内周面との間に、真空空間を有する、請求項1に記載の配管装置。
  4. 第一加熱部と
    第二加熱部と
    前記第一加熱部と前記第二加熱部とを連結し、前記第一加熱部から前記第二加熱部へ流体を搬送する管状部材と
    前記管状部材に熱的に接触するヒートパイプとを備え、
    前記ヒートパイプは、前記第一加熱部および前記第二加熱部の少なくともいずれか一方により加熱される、流体搬送装置。
  5. 前記管状部材および前記ヒートパイプを内包する外覆管をさらに備え、
    前記管状部材の外周面と、前記外覆管の内周面との間に、真空空間を有する、請求項4に記載の流体搬送装置。
  6. 前記ヒートパイプは、ループ型細管ヒートパイプである、請求項4または請求項5に記載の流体搬送装置。
  7. 前記管状部材の環状壁部の内部には、前記管状部材の延在方向に沿う複数の細管部と、前記細管部の一端同士を連結する第一連結管部と、前記細管部の他端同士を連結する第二連結管部とが設けられており、
    前記細管部、前記第一連結管部および前記第二連結管部は、前記ループ型細管ヒートパイプを構成する、請求項6に記載の流体搬送装置。
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