JP2021181872A - ヒートパイプ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型で熱輸送効率の高いヒートパイプ及びその製造方法を提供する。【解決手段】ヒートパイプ1は、作動媒体と、作動媒体を輸送する多孔質のウィック構造体20と、を内部空間10aに収容する管状のコンテナ10を備える。コンテナは、コンテナの延びる方向である延伸方向に垂直な断面において、上下方向に対向する底壁部11及び上壁部12と、一対の側壁部13と、を有する。側壁部は、底壁部の両側端部及び上壁部の両側端部をそれぞれ連結する。ウィック構造体は、下部ウィック構造体21と、一対の側部ウィック構造体23と、を有する。下部ウィック構造体は、底壁部に接触して形成され、上面が前記内部空間に臨んで配置される。側部ウィック構造体は、下部ウィック構造体の両側端から側壁部に沿って上方に延びる。【選択図】図2
Description
本発明は、熱伝導部材であるヒートパイプ及びその製造方法に関する。
従来のヒートパイプは、水などの作動媒体と、ウィック構造体と、コンテナと、を備える。コンテナは、管状に形成され、作動媒体と、ウィック構造体と、を収容する。ウィック構造体は、コンテナの内周面の上部及び下部から上下方向に対向して形成される。
コンテナは、発熱体と接触して配置される。作動媒体は、発熱体によって加熱されてウィック構造体の長手方向に延びた側面部から気化する。気化した蒸気は、ヒートパイプの内部を放熱側に移動する。放熱側では、放熱によって蒸気が冷却され、液化する。液体となった作動媒体は、毛細管現象によってウィック構造体中を発熱体側に移動する。これにより、発熱体側から放熱側に熱が輸送される(例えば、国際公開WO2017/115771号参照)。
しかしながら、上記のようなヒートパイプは、コンテナの内部空間が、ウィック構造体により仕切られており、蒸気の流路が狭められている。このため、熱輸送効率が低下する問題があった。また、ヒートパイプを薄型化した場合に、ウィック構造体の側面部の面積が小さくなる。このため、作動部材が、蒸発し難くなり、熱輸送効率が低下する問題があった。
本発明は、薄型で熱輸送効率の高いヒートパイプ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の例示的なヒートパイプは、作動媒体と、作動媒体を輸送する多孔質のウィック構造体と、を内部空間に収容する管状のコンテナを備える。コンテナは、コンテナの延びる方向である延伸方向に垂直な断面において、上下方向に対向する底壁部及び上壁部と、一対の側壁部と、を有する。側壁部は、底壁部の両側端部及び上壁部の両側端部をそれぞれ連結する。ウィック構造体は、下部ウィック構造体と、一対の側部ウィック構造体と、を有する。下部ウィック構造体は、底壁部に接触して形成され、上面が前記内部空間に臨んで配置される。側部ウィック構造体は、下部ウィック構造体の両側端から側壁部に沿って上方に延びる。
本発明の例示的なヒートパイプの製造方法は、塗布工程と、金属粉体加熱工程と、コンテナプレス工程と、封止工程と、を含む。塗布工程は、金属粒子と、揮発性の樹脂と、を含む金属粉体を、円管状のコンテナの内周面に塗布する。金属粉体加熱工程は、金属粉体をコンテナとともに加熱することにより、コンテナの内周面上に多孔質のウィック構造体を形成する。コンテナプレス工程は、コンテナを上下方向からプレスすることにより、コンテナを延伸方向に垂直な断面において扁平型に形成する。封止工程は、コンテナ内部のウィック構造体を作動媒体とともに封止する。
本発明によると、薄型化で熱輸送効率の高いヒートパイプを提供することができる。
以下、本発明の例示的な実施形態に係る熱伝導部材としてのヒートパイプ1について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上方(重力方向の反対側)であり、−Z方向が下方(重力方向)である。Z軸方向は、後述する底壁部11と上壁部12との対向方向でもある。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+X方向および−X方向とする。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+Y方向および−Y方向とする。
<第1実施形態>
(1.ヒートパイプの構成)
図1は、一実施形態のヒートパイプ1の概略の構成を示す断面図であり、図2は、ヒートパイプ1を模式的に示す断面図である。図2は、ヒートパイプ1の延びる方向である延伸方向(X軸方向)に垂直な断面を示す。ヒートパイプ1は、発熱体Hの熱を輸送する熱伝導部材である。発熱体Hとしては、例えば、熱を発する電子部品またはその電子部品を搭載する基板が挙げられる。発熱体Hは、ヒートパイプ1による熱の輸送によって冷却される。ヒートパイプ1は、例えば、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータなどの、発熱体Hを有する電子機器に搭載される。
(1.ヒートパイプの構成)
図1は、一実施形態のヒートパイプ1の概略の構成を示す断面図であり、図2は、ヒートパイプ1を模式的に示す断面図である。図2は、ヒートパイプ1の延びる方向である延伸方向(X軸方向)に垂直な断面を示す。ヒートパイプ1は、発熱体Hの熱を輸送する熱伝導部材である。発熱体Hとしては、例えば、熱を発する電子部品またはその電子部品を搭載する基板が挙げられる。発熱体Hは、ヒートパイプ1による熱の輸送によって冷却される。ヒートパイプ1は、例えば、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータなどの、発熱体Hを有する電子機器に搭載される。
ヒートパイプ1は、被加熱部101と、放熱部102と、を備える。被加熱部101は、例えば発熱体Hと接して配置され、発熱体Hが発する熱によって加熱される。放熱部102は、被加熱部101で加熱された後述の作動媒体30が有する熱を外部に放出する。また、放熱部102には放熱性を向上させるために、放熱フィンやヒートシンク等の熱交換手段(図示せず)が熱的に接続される。
ヒートパイプ1は、コンテナ10と、作動媒体30と、ウィック構造体20と、を備える。被加熱部101は、コンテナ10の一部により形成される。放熱部102は、コンテナ10の他の一部により形成される。
(2.コンテナの構成)
(2.コンテナの構成)
コンテナ10は、扁平型の管状に形成され、銅等の金属で形成される。コンテナ10は、銅以外の金属により形成されてもよい。また、コンテナ10は、内周面に銅メッキを施すことにより、他の金属と組み合わせて形成されてもよい。銅以外の金属としては、例えばステンレス鋼が考えられる。
コンテナ10は、底壁部11、上壁部12、及び一対の側壁部13を有する。底壁部11及び上壁部12は、平坦状であり、Z軸方向に対向して配置される。すなわち、コンテナ10は、延伸方向(X軸方向)に垂直な断面において、上下方向(Z軸方向)に対向する底壁部11及び上壁部12と、底壁部11の両側端部及び上壁部12の両側端部をそれぞれ連結する一対の側壁部13と、を有する。
底壁部11の下面には発熱体H(図1参照)が接触する。底壁部11を平坦状に形成することにより、底壁部11の下面と発熱体Hとの接触面積を大きくすることができる。従って、発熱体Hの発熱は、底壁部11に、効率良く伝達される。なお、発熱体Hの形状に応じて、底壁部11の形状を変更してもよい。
側壁部13は、上壁部12の両側端部と、底壁部11の両側端部と、をそれぞれ連結する。側壁部13の上端部と下端部は径方向外側に凸に湾曲して形成される。コンテナ10のZ軸方向の厚みは、例えば1mm以上3mm以下に形成される。
コンテナ10は、底壁部11、上壁部12及び側壁部13で囲まれる内部空間10aを有する。作動媒体30及びウィック構造体20は、内部空間10aに配置される。液化した作動媒体30は、多孔質のウィック構造体20中を移動する。気化した作動媒体30は、内部空間10aを移動する。すなわち、管状のコンテナ10は、作動媒体30と、作動媒体30を輸送する多孔質のウィック構造体20と、を内部空間10aに収容する。
内部空間10aは、密閉空間であり、例えば大気圧よりも気圧が低い減圧状態に維持される。内部空間10aが、減圧状態であることにより、内部空間10aに収容される作動媒体30が、蒸発し易くなる。作動媒体30は、例えば水であるが、アルコールなどの他の液体であってもよい。ウィック構造体20は、作動媒体30を輸送する多孔質の銅の焼結体で構成される。
(3.ウィック構造体の構成)
ウィック構造体20は、多孔質であり、作動媒体30の流路を形成する空隙部(不図示)を有する。ウィック構造体20は、コンテナ10の延伸方向(X軸方向)に延びる。ウィック構造体20のコンテナ10の内周面からの径方向の厚みは、0.02mm以上0.1mm以下である。
ウィック構造体20は、多孔質であり、作動媒体30の流路を形成する空隙部(不図示)を有する。ウィック構造体20は、コンテナ10の延伸方向(X軸方向)に延びる。ウィック構造体20のコンテナ10の内周面からの径方向の厚みは、0.02mm以上0.1mm以下である。
ウィック構造体20は、底壁部11の内面から側壁部13の内面に跨って均一の厚みで形成され、下部ウィック構造体21と、一対の側部ウィック構造体23、とを有する。下部ウィック構造体21は、底壁部11に接触して形成され、上面が内部空間10aに臨んで配置される。側部ウィック構造体23は、底壁部11の両側端から側壁部13に沿ってそれぞれ上方に延びる。なお、本明細書において、内部空間10aに「臨む」とは、内部空間10aと「向かい合う」ことを指す。
下部ウィック構造体21は、上面に作動媒体30の気化面21aが形成される。気化面21aは、内部空間10aに臨んで配置されており、コンテナ10をZ軸方向に薄型化した場合でも、気化面21aの面積は変わらない。このため、ヒートパイプ1を薄型化しながら熱輸送効率の低下を低減できる。
また、下部ウィック構造体21は、上壁部12と非接触であり、内部空間10aの蒸気流路が、ウィック構造体20により遮られない。
側部ウィック構造体23は、側壁部13の内面に接触して、側壁部13を補強する。これにより、側壁部13は、Z軸方向の押圧に対して屈曲し難い。したがって、コンテナ10の変形を防ぐことができる。これにより、内部空間10aの蒸気流路が狭められて熱輸送効率が、低下することを防止できる。
また、側部ウィック構造体23の上端部23aは、側壁部13から径方向内側に離れて形成される。コンテナ10の上壁部12が下方に押圧されて側壁部13が外方に凸に屈曲した場合に、側壁部13の上部内面が上端部23aに接触して支持される。これにより、蒸気の流路が確保され、熱輸送効率の低下を低減できる。
ウィック構造体20は、例えば、マイクロ銅粒子、銅体及び樹脂を含む金属粉体40(図3参照)をコンテナ10の内周面に吹き付け塗布した後に焼成することにより形成される。なお、本明細書において、「塗布」とは、コンテナ10の内周面に金属粉体40を付着させることを指す。吹き付け塗布する方法以外に、金属粉体40を直接塗布してもよい。また、コンテナ10の内部に芯棒を挿入し、芯棒の外周面とコンテナ10の内周面との間に形成される隙間に金属粉体40を充填してもよい。このとき、金属粉体40の充填後に芯棒をコンテナ10から引き抜くことにより、コンテナ10の内周面に金属粉体40を付着させることができる。
マイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集または結合した粒子である。マイクロ銅粒子の粒径は、1μm以上1mm未満である。マイクロ銅粒子は、例えば多孔質である。
銅体は、マイクロ銅粒子よりも小さいサブマイクロ銅粒子が焼結により溶融して固まった銅溶融体である。サブマイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集または結合した粒子である。溶融前のサブマイクロ銅粒子の粒径は、0.1μm以上1μm未満である。
樹脂は、マイクロ銅粒子および銅体を構成する銅の融点以下の温度で揮発する揮発性の樹脂である。このような揮発性の樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。これらの中では、熱分解性の高いアクリル樹脂を用いることが好ましい。
(4.ヒートパイプの製造方法)
図3は、ヒートパイプ1の製造方法を説明する説明図である。ヒートパイプ1の製造方法は、塗布工程と、金属粉体加熱工程と、コンテナプレス工程と、封止工程と、を含む。
図3は、ヒートパイプ1の製造方法を説明する説明図である。ヒートパイプ1の製造方法は、塗布工程と、金属粉体加熱工程と、コンテナプレス工程と、封止工程と、を含む。
(4−1.塗布工程)
塗布工程では、金属粉体40を、0.02mm以上0.1mm以下の均一の厚さで真円管形状のコンテナ10の内周面下部の周方向所定範囲に吹き付け塗布する(図3参照)。金属粉体40は、金属粒子と、揮発性の樹脂と、を含む。金属粒子は、上述した複数のマイクロ銅粒子と、複数のサブマイクロ銅粒子と、を含む。
塗布工程では、金属粉体40を、0.02mm以上0.1mm以下の均一の厚さで真円管形状のコンテナ10の内周面下部の周方向所定範囲に吹き付け塗布する(図3参照)。金属粉体40は、金属粒子と、揮発性の樹脂と、を含む。金属粒子は、上述した複数のマイクロ銅粒子と、複数のサブマイクロ銅粒子と、を含む。
(4−2.金属粉体加熱工程)
金属粉体加熱工程では、塗布工程で塗布した金属粉体40を、コンテナ10とともに加熱炉に入れて加熱する。このときの加熱温度は、例えば400℃であり、加熱時間は例えば1時間である。金属粉体40の加熱により、金属粉体40に含まれる樹脂が揮発するとともに、サブマイクロ銅粒子が焼結によって溶融し、焼き固められる。これにより、コンテナ10の内周面上に多孔質のウィック構造体20が形成される。
金属粉体加熱工程では、塗布工程で塗布した金属粉体40を、コンテナ10とともに加熱炉に入れて加熱する。このときの加熱温度は、例えば400℃であり、加熱時間は例えば1時間である。金属粉体40の加熱により、金属粉体40に含まれる樹脂が揮発するとともに、サブマイクロ銅粒子が焼結によって溶融し、焼き固められる。これにより、コンテナ10の内周面上に多孔質のウィック構造体20が形成される。
(4−3.コンテナプレス工程)
コンテナプレス工程では、金属粉体加熱工程で、ウィック構造体20の周方向中央部を下方に配してコンテナ10をZ軸方向(上下方向)から挟んでプレスする。これにより、延伸方向に垂直な断面において、コンテナ10が、扁平型に形成され、底壁部11、上壁部12及び側壁部13が形成される。なお、側部ウィック構造体23の上端部23aは、コンテナ10をプレスする際に側壁部13の湾曲に追従できず、側壁部13から離れて形成される(図2参照)。従って、側壁部13から径方向内側に離れた上端部23aを容易に形成することができる。
コンテナプレス工程では、金属粉体加熱工程で、ウィック構造体20の周方向中央部を下方に配してコンテナ10をZ軸方向(上下方向)から挟んでプレスする。これにより、延伸方向に垂直な断面において、コンテナ10が、扁平型に形成され、底壁部11、上壁部12及び側壁部13が形成される。なお、側部ウィック構造体23の上端部23aは、コンテナ10をプレスする際に側壁部13の湾曲に追従できず、側壁部13から離れて形成される(図2参照)。従って、側壁部13から径方向内側に離れた上端部23aを容易に形成することができる。
(4−4.封止工程)
封止工程では、コンテナ10内部のウィック構造体20を作動媒体30とともに封止する。これにより、ヒートパイプ1が完成する。
封止工程では、コンテナ10内部のウィック構造体20を作動媒体30とともに封止する。これにより、ヒートパイプ1が完成する。
(5.ヒートパイプの動作)
上記の構成のヒートパイプ1では、発熱体Hで発生した熱により、被加熱部101が加熱される。被加熱部101の温度が上昇すると、コンテナ10の内部空間10aに収容された作動媒体30が気化する。気化した蒸気は、内部空間10aを放熱部102側に移動する。放熱部102では、放熱によって蒸気が冷却されて液化する。液化した作動媒体30は、毛細管現象によってウィック構造体20中を被加熱部101に向かって移動する。なお、図1では、作動媒体30が気化した蒸気の流れを黒矢印で示し、液体の作動媒体30の流れを白抜き矢印で示す。上記のように作動媒体30が状態変化を伴いながら移動することにより、被加熱部101側から放熱部102側への熱輸送が連続的に行われる。
上記の構成のヒートパイプ1では、発熱体Hで発生した熱により、被加熱部101が加熱される。被加熱部101の温度が上昇すると、コンテナ10の内部空間10aに収容された作動媒体30が気化する。気化した蒸気は、内部空間10aを放熱部102側に移動する。放熱部102では、放熱によって蒸気が冷却されて液化する。液化した作動媒体30は、毛細管現象によってウィック構造体20中を被加熱部101に向かって移動する。なお、図1では、作動媒体30が気化した蒸気の流れを黒矢印で示し、液体の作動媒体30の流れを白抜き矢印で示す。上記のように作動媒体30が状態変化を伴いながら移動することにより、被加熱部101側から放熱部102側への熱輸送が連続的に行われる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係るヒートパイプ1を模式的に示す断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図3に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第2実施形態ではウィック構造体20の形状が第1実施形態とは異なる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係るヒートパイプ1を模式的に示す断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜図3に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第2実施形態ではウィック構造体20の形状が第1実施形態とは異なる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
ウィック構造体20は、上部ウィック構造体22を有する。上部ウィック構造体22は、側部ウィック構造体23の上端から上壁部12の下面に沿って径方向内側に延びる。上部ウィック構造体22を形成することにより、ウィック構造体20全体の表面積が大きくなり、作動媒体30の気化を促進して熱輸送効率を向上させることができる。また、上部ウィック構造体22を形成することにより、側部ウィック構造体23と、側壁部13の内面との接触面積が大きくなり、側壁部13がより補強される。これにより、側壁部13がZ軸方向の押圧に対してより屈曲し難くなる。
また、下部ウィック構造体21の上面は、上に凸に形成され、Y軸方向中央部に向かうに従って厚みが大きく形成される。これにより、下部ウィック構造体21のY軸方向中央部においてウィック構造体20の空隙率が高くなり、ウィック構造体20内を作動媒体30がスムーズに流通する。これにより、発熱体Hを下部ウィック構造体21のY軸方向中央部とZ軸方向に対向して配置することにより、作動媒体30による熱輸送効率を向上させることができる。
図5は、ヒートパイプ1の製造方法を説明する説明図であり、塗布工程において、金属粉体40は、径方向の厚みを、コンテナ10の下端部に向かうに従って大きく形成される。これにより、コンテナプレス工程において、コンテナ10をZ軸方向(上下方向)から挟んでプレスすることにより、底壁部11において、下部ウィック構造体21の上面が、上に凸に容易に形成される。また、下部ウィック構造体21は、Y軸方向中央部に向かうに従って厚みが大きく形成される。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上記実施形態やその変形例は適宜任意に組み合わせることができる。
本発明のヒートパイプは、例えば電子機器に搭載される基板または電子部品の放熱用の部材として利用可能である。
1 ヒートパイプ
10 コンテナ
10a 内部空間
11 底壁部
12 上壁部
13 側壁部
20 ウィック構造体
21 下部ウィック構造体
22 上部ウィック構造体
23 側部ウィック構造体
23a 上端部
30 作動媒体
40 金属粉体
101 被加熱部
102 放熱部
H 発熱体
10 コンテナ
10a 内部空間
11 底壁部
12 上壁部
13 側壁部
20 ウィック構造体
21 下部ウィック構造体
22 上部ウィック構造体
23 側部ウィック構造体
23a 上端部
30 作動媒体
40 金属粉体
101 被加熱部
102 放熱部
H 発熱体
Claims (6)
- 作動媒体と、前記作動媒体を輸送する多孔質のウィック構造体と、を内部空間に収容する管状のコンテナを備え、
前記コンテナは、
前記コンテナの延びる方向である延伸方向に垂直な断面において、上下方向に対向する底壁部及び上壁部と、
前記底壁部の両側端部及び前記上壁部の両側端部をそれぞれ連結する一対の側壁部と、を有し、
前記ウィック構造体は、
前記底壁部に接触して形成され、上面が前記内部空間に臨んで配置される下部ウィック構造体と、
前記下部ウィック構造体の両側端から前記側壁部に沿って上方に延びる一対の側部ウィック構造体と、を有する、ヒートパイプ。 - 前記側部ウィック構造体の上端部は、前記側壁部から径方向内側に離れて形成される、請求項1に記載のヒートパイプ。
- 前記ウィック構造体は、
前記側部ウィック構造体の上端から前記上壁部の下面に沿って径方向内側に延びる上部ウィック構造体を有する、請求項1に記載のヒートパイプ。 - 前記下部ウィック構造体の上面は、上に凸に形成される、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヒートパイプ。
- 金属粒子と、揮発性の樹脂と、を含む金属粉体を、円管状のコンテナの内周面の周方向所定範囲に塗布する塗布工程と、
前記金属粉体を前記コンテナとともに加熱することにより、前記コンテナの内周面上に多孔質のウィック構造体を形成する金属粉体加熱工程と、
前記ウィック構造体の周方向中央部を下方に配して前記コンテナを上下方向から挟んでプレスすることにより、延伸方向に垂直な断面において、前記コンテナを扁平型に形成するコンテナプレス工程と、
前記コンテナ内部の前記ウィック構造体を作動媒体とともに封止する封止工程と、を含む、ヒートパイプの製造方法。 - 前記塗布工程において、前記金属粉体の径方向の厚みを前記コンテナの下端部に向かうに従って大きく形成する、請求項5に記載のヒートパイプの製造方法。
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