JP6318983B2 - メガネ型端末 - Google Patents
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Description
このようなモバイル型の電子機器は、持ち運びが容易となるように薄型化されているため、例えばCPU(Central Processing Unit)等の発熱部品を冷却するための送風ファンを設けるのが難しい。
しかしながら、この方法では、輸送できる熱が金属板や熱拡散シートの熱伝導率によって制限されてしまう。例えば、熱拡散シートとして使用されるグラファイトシートの熱伝導率は約500W/mK〜約2000W/mK程度であり、この程度の熱伝導率では発熱部品の発熱量が多くなったときに発熱部品を冷却するのが難しくなってしまう。
ヒートパイプは、作動流体の相変化を利用して熱を輸送するデバイスであって、上記の熱拡散シートよりも高い熱伝導率を有する。例えば、直径が約3mmのヒートパイプでは熱伝導率が1500W/mK〜2500W/mK程度と大きな値を示す。
このようなヒートパイプには幾つかの種類がある。
このメガネ型端末においても、発熱部品を冷却するのに、ヒートパイプを用いることが考えられる。
そして、熱輸送性能や動作開始温度等を考慮すると、ループ型ヒートパイプを用いるのが好ましい。
しかしながら、この場合、サイドフレームのサイズは限られているため、蒸気管と液管の間の距離や蒸発器と凝縮器との間の距離を十分に確保することが難しいため、蒸発器や蒸気管から液管や凝縮器へ熱が伝わってしまう。この結果、徐々に温度差を確保できなくなり、凝縮能力が低下し、蒸発器から凝縮器へ熱を輸送することができなくなるなど、ループ型ヒートパイプの性能が低下してしまう。
本実施形態にかかるメガネ型端末は、例えばCPU等の発熱部品を備え、この発熱部品が発生した熱を輸送して、発熱部品を冷却するのにループ型ヒートパイプを用いたメガネ型端末である。なお、メガネ型端末をメガネ型デバイスともいう。また、発熱部品を熱源又は熱源モジュールともいう。
ここで、フロントフレーム2は、第1ループ部2Aと、第1ループ部2Aに接続された第2ループ部2Bを有する。ここで、第1ループ部2A及び第2ループ部2Bの内側の空間は視野エリアとなり、例えばレンズなどがはめ込まれる。なお、フロントフレーム2をレンズフレームともいう。
発熱部品4は、第1サイドフレーム3Aに設けられている。つまり、発熱部品4は、第1ループ部2Aに接続されたサイドフレーム3Aに設けられている。
また、ループ型ヒートパイプ5の蒸発器5Aは、第1サイドフレーム3Aに設けられている。つまり、蒸発器5Aは、第1ループ部2Aに接続されたサイドフレーム3Aに設けられている。この場合、ループ型ヒートパイプ5は曲げ構造を有するものとなる。
例えば、図2(B)に示すように、ループ型ヒートパイプ5の液管5Cは、フロントフレーム2の第1ループ部2Aの上側部分(第1部分)に部分的に設けられており、蒸気管5Bは、フロントフレーム2の第1ループ部2Aの下側部分(第2部分)に部分的に設けられていても良い。
また、液管5Cを、フロントフレーム2の第1ループ部2Aの上側部分(第1部分)に全体にわたって設け、さらに第2ループ部2Bの上側部分(第1部分)に全体にわたって設け、蒸気管5Bを、フロントフレーム2の第1ループ部2Aの下側部分(第2部分)に全体にわたって設け、さらに第2ループ部2Bの下側部分(第2部分)に全体にわたって設ける場合には、例えば図3(A)に示すように、凝縮器5Dは、第2ループ部2Bに接続されたサイドフレーム3(第2サイドフレーム3B)に設ければ良い。また、これに限られるものではなく、例えば図3(B)に示すように、凝縮器5Dは、第2ループ部2Bから突出するように設けても良い。つまり、凝縮器5Dは、第2ループ部2B(液管5C及び蒸気管5B)に対して直交する方向に設けても良いし、第2ループ部2B(液管5C及び蒸気管5B)に沿って平行な方向に設けても良い。また、例えば、凝縮器5Dは、第2ループ部2Bから側方へ突出するように設けても良いし、第2ループ部2Bの上方又は下方へ突出するように設けても良い。これらを第4変形例という。
また、これらの第3及び第4変形例のように、凝縮器5Dは、少なくともフロントフレーム2の第2ループ部2Bに接続されたサイドフレーム3(第2サイドフレーム3B)に設けられていれば良い。また、凝縮器5Dは、少なくともフロントフレーム2の第2ループ部2Bから突出するように設けられていれば良い。
また、上述の第1変形例のものにおいて、凝縮器5Dを第2ループ部2Bにも設けるのに代えて、凝縮器5Dを、フロントフレーム2の第1ループ部2Aの上側部分の残りの部分(第3部分)、及び、第1ループ部2Aの下側部分の残りの部分(第3部分)のみに設け、第2ループ部2Bには設けないようにしても良い。これを第5変形例という。
また、上述の実施形態及び第1〜第5変形例のものにおいて、上側部分(第1部分)に液管5Cを設け、下側部分(第2部分)に蒸気管5Bを設けるのに代えて、上下を逆にして、下側部分(第1部分)に液管5Cを設け、上側部分(第2部分)に蒸気管5Bを設けても良い。
つまり、まず、メガネ型端末において、フレームに搭載された発熱部品を冷却するのに、ヒートパイプを用いることも考えられる。つまり、発熱部品が発生した熱をヒートパイプによって移動させることによって、端末内で熱を拡散させながら、外部へ放出させることが考えられる。
また、同程度のサイズのヒートパイプを用いて、ループ型ヒートパイプ並みの熱輸送性能を実現するためには、複数本のヒートパイプを用いることになるが、これらのヒートパイプをメガネ型端末に設ける場合、メガネ型端末の設計自由度が低くなり、デザイン性に欠けるものとなったり、重量バランスが悪くなってしまったり、温度管理が重要になったりすることになる。例えば図5(A)に示すように、複数本のヒートパイプ100をメガネ端末のサイドフレームに設けると、サイドフレームの幅が広くなってしまい、デザイン性に欠けるものとなる。また、片側のサイドフレームの重量が重くなって、重量バランスが悪くなってしまうため、これに対する対応が必要になる。さらに、人体に触れるサイドフレームにおける熱輸送になるため、温度管理が重要となる。また、例えば、サイドフレームの幅やデザイン性等を考慮し、例えば図5(B)に示すように、サイドフレームとレンズフレームのそれぞれにヒートパイプ100を設けることも考えられるが、この場合、片側のレンズフレームが太くなり、重量バランスも悪くなり、デザイン性にも影響を及ぼすことになる。
そして、メガネ型端末1にループ型ヒートパイプ5を用いる場合、例えば、メガネ型端末の一方のサイドフレームに、ループ型ヒートパイプを構成する蒸発器、蒸気管、液管及び凝縮器の全てを設けると、サイドフレームのサイズが限られており、蒸気管と液管の間の距離や蒸発器と凝縮器との間の距離を十分に確保することが難しい。このため、蒸発器や蒸気管から液管や凝縮器へ熱が伝わってしまい、この結果、徐々に温度差を確保できなくなり、凝縮能力が低下し、蒸発器から凝縮器へ熱を輸送することができなくなるなど、ループ型ヒートパイプの性能が低下してしまう。例えば、サイドフレームのデザインによっては幅が狭い場合があり、この場合に、サイドフレームの内部の狭いスペースに蒸発器、液管、蒸気管及び凝縮器の全てを入れることにすると、蒸発器や蒸気管から凝縮器や液管まで、短時間かつ着実に熱が伝搬してしまう。このため、使用時間の経過とともに、温度差がとれなくなり、徐々に凝縮能力が低下し、熱を輸送することができなくなり、ループ型ヒートパイプの性能が低下してしまう。
ところで、上述の実施形態及び各変形例のようなメガネ型端末1を実現するには、薄型化が可能なループ型ヒートパイプ5、即ち、図6(A)に示すように、蒸発器5A、蒸気管5B、液管5C及び凝縮器5Dが形成されるように積層された複数の金属板(金属層)6からなるループ型ヒートパイプ5を用いるのが好ましい。つまり、ループ型ヒートパイプ5の蒸発器5A、蒸気管5B、液管5C及び凝縮器5Dとなる流路5Xが形成されるように積層された複数の金属板6からなるループ型ヒートパイプ5を用いるのが好ましい。
この場合、蒸発器5A、蒸気管5B、液管5C及び凝縮器5Dに対応する形状の開口部を有する金属板6が積層され、各金属板6の開口部によって形成された空間の上下が閉じられて、蒸発器5A、蒸気管5B、液管5C及び凝縮器5Dが形成されることになる。また、多孔質体は、各金属板6に複数の孔を設け、これらの孔が上下に隣接する金属板6間で少なくとも一部が重なり、連通して、微細なチャネルが三次元的に延びるようにすることで形成することができる。このようにして微細なチャネルが三次元的に延びている多孔質体を形成することで、毛細管力で作動流体が流れることになる。なお、図6(C)に示すように、多孔質体7は、蒸発器5A内に、支柱状(リブ状)に複数設けるのが好ましい。また、多孔質体は、液管5C内に支柱状に設けても良い。また、図6(B)に示すように、蒸気管5Bや凝縮器5Dの中に支柱(リブ)8を設けても良い。このように構成することで、ループ型ヒートパイプ5を薄型化した場合に安定動作が可能となる。なお、詳細はPCT/JP2013/083504参照。
ここでは、ループ型ヒートパイプ5の液管5C及び蒸気管5Bが、メガネ型端末1のフロントフレーム2の第1ループ部2Aに設けられ、凝縮器5Dが、第2ループ部2Bに設けられ、蒸発器5Aが、第1ループ部2Aから突出した位置に設けられるものとする。
(付記1)
第1ループ部を有するフロントフレームと、
前記フロントフレームの両側に接続されたサイドフレームと、
発熱部品と、
前記発熱部品に熱的に接続された蒸発器、蒸気管、液管及び凝縮器を備えるループ型ヒートパイプとを備え、
前記液管が、少なくとも前記第1ループ部の第1部分に設けられており、
前記蒸気管が、少なくとも前記第1ループ部の第2部分に設けられていることを特徴とするメガネ型端末。
前記発熱部品及び前記蒸発器は、前記第1ループ部に接続された前記サイドフレームに設けられていることを特徴とする、付記1に記載のメガネ型端末。
(付記3)
前記発熱部品及び前記蒸発器は、前記第1ループ部から突出するように設けられていることを特徴とする、付記1に記載のメガネ型端末。
前記フロントフレームは、前記第1ループ部に接続された第2ループ部を有し、
前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部に設けられていることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
(付記5)
前記フロントフレームは、前記第1ループ部に接続された非ループ部を有し、
前記凝縮器は、少なくとも前記非ループ部に設けられていることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
前記フロントフレームは、前記第1ループ部に接続された第2ループ部を有し、
前記液管は、前記第1ループ部の前記第1部分及び前記第2ループ部の第1部分に設けられており、
前記蒸気管は、前記第1ループ部の前記第2部分及び前記第2ループ部の第2部分に設けられていることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部に接続された前記サイドフレーム(3B)に設けられていることを特徴とする、付記6に記載のメガネ型端末。
(付記8)
前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部から突出するように設けられていることを特徴とする、付記6に記載のメガネ型端末。
前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部の前記第1部分及び前記第2部分に連なる第3部分に設けられていることを特徴とする、付記6に記載のメガネ型端末。
(付記10)
前記凝縮器は、少なくとも前記第1ループ部の前記第1部分及び前記第2部分に連なる第3部分に設けられていることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
前記ループ型ヒートパイプは、壁面に凹部を有することを特徴とする、付記1〜10のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
(付記12)
前記ループ型ヒートパイプは、前記蒸発器、前記蒸気管、前記液管及び前記凝縮器が形成されるように積層された複数の金属板からなることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
前記ループ型ヒートパイプの壁面に凹部が形成されるようにパターニングされた複数の凹部形成用金属板が積層されていることを特徴とする、付記12に記載のメガネ型端末。
2 フロントフレーム
2A 第1ループ部
2B 第2ループ部
3 サイドフレーム
3A 第1サイドフレーム
3B 第2サイドフレーム
4 発熱部品
5 ループ型ヒートパイプ
5A 蒸発器(蒸発部)
5B 蒸気管
5C 液管
5D 凝縮器(凝縮部)
6 金属板
7 多孔質体
8 支柱(リブ)
9 凹部(段差部)
10、10A〜10E 凹部形成用金属板
11 金属板
12 樹脂
Claims (10)
- 第1ループ部を有するフロントフレームと、
前記フロントフレームの両側に接続されたサイドフレームと、
発熱部品と、
前記発熱部品に熱的に接続された蒸発器、蒸気管、液管及び凝縮器を備えるループ型ヒートパイプとを備え、
前記液管が、少なくとも前記第1ループ部の第1部分に設けられており、
前記蒸気管が、少なくとも前記第1ループ部の第2部分に設けられていることを特徴とするメガネ型端末。 - 前記フロントフレームは、前記第1ループ部に接続された第2ループ部を有し、
前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のメガネ型端末。 - 前記フロントフレームは、前記第1ループ部に接続された非ループ部を有し、
前記凝縮器は、少なくとも前記非ループ部に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のメガネ型端末。 - 前記フロントフレームは、前記第1ループ部に接続された第2ループ部を有し、
前記液管は、前記第1ループ部の前記第1部分及び前記第2ループ部の第1部分に設けられており、
前記蒸気管は、前記第1ループ部の前記第2部分及び前記第2ループ部の第2部分に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のメガネ型端末。 - 前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部から突出するように設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のメガネ型端末。
- 前記凝縮器は、少なくとも前記第2ループ部の前記第1部分及び前記第2部分に連なる第3部分に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のメガネ型端末。
- 前記凝縮器は、少なくとも前記第1ループ部の前記第1部分及び前記第2部分に連なる第3部分に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のメガネ型端末。
- 前記ループ型ヒートパイプは、壁面に凹部を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
- 前記ループ型ヒートパイプは、前記蒸発器、前記蒸気管、前記液管及び前記凝縮器が形成されるように積層された複数の金属板からなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のメガネ型端末。
- 前記ループ型ヒートパイプの壁面に凹部が形成されるようにパターニングされた複数の凹部形成用金属板が積層されていることを特徴とする、請求項9に記載のメガネ型端末。
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