JP2004085152A - 竪型防水ルーバ及び竪型防水ルーバ用羽根板 - Google Patents
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Abstract
【課題】竪型防水ルーバにおいて、左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても建家内への雨水の浸入を阻止できる竪型防水ルーバ及び竪型防水ルーバ用羽根板を得る。
【解決手段】枠体内に複数の断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバにおいて、該各断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を、該各断面略く字状羽根板と一体に形成してなる竪型防水ルーバ、およびそのための羽根板。
【選択図】図2
【解決手段】枠体内に複数の断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバにおいて、該各断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を、該各断面略く字状羽根板と一体に形成してなる竪型防水ルーバ、およびそのための羽根板。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビル、工場、倉庫などの換気口に取付けて、必要な換気を確保するとともに、建家内への雨水の浸入を阻止する竪型防水ルーバ及び竪型防水ルーバ用羽根板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル、工場、あるいは倉庫などの換気口に取付けられる換気ルーバには各種タイプのものがあるが、その大半がルーバ用の羽根板を横列に配置した横型タイプのもので占められている。しかし、横型タイプの換気ルーバにあっては、その構造上、強風雨時に、建物内に雨水が浸入する虞れがあるため、その対策として建物の外部においては換気口の付近にフードを設置したり、その内部においてはダクト、排水口などを設けたりする必要があった。
【0003】
そこで、最近では、竪型の防水ルーバも提案され実用に供されている。図6(a)〜(c)はその一例を示す図である。図6(a)は横断面図、図6(b)は側面図、図6(c)は正面図であり、図6(c)は図6(a)及び図6(b)に比べて縮小して示している。図6(a)において、符号1は屋内側からみて左側に設けられた枠体、2は屋内側からみて右側に設けられた枠体であり、その間に複数の羽根板A1〜Anが略等間隔に配置されている。
【0004】
相隣接する各羽根板間には通風空隙S1〜Sn−1が形成されており、この通風空隙S1〜Sn−1を通して換気、排煙を行い、また採光等が行われる。符号3及び4は、それぞれ、羽根板A1〜Anの上端縁及び下端縁に設けられる枠体であり、これが上記左右両側の枠体1、2と相まち、本例の場合予め一体に組立られた羽根板A1〜Anを固定するようになっている。
【0005】
図6(a)に示すとおり、各羽根板A1〜Anは、横断面略く字状の帯状板体で構成され、該横断面略く字状羽根板の横方向略中央部に屈曲部5を有している。屈曲部5の背部に突片部6を備え、突片部6の先端部に屋外側に向けて折返部7を備えている。突片部6と折返部7により中間溝部材が構成され、ここで雨滴を集めて流下させる。折返部7は断面円弧状等の適宜の形状に構成される。
【0006】
該横断面く字状板体の外方端縁部すなわち屋外側縁部には、内方に向けた屈曲部8が設けられている。屈曲部8は、断面円弧状等の適宜の形状に構成され、屋外から屋内へ向かう風雨の圧力を緩和する。また、該横断面く字状板体の内方端縁部すなわち屋内側縁部には羽根板の延長部9を備えている。延長部9は、突片部6と平行に所定幅延長し、その端部には屋外側に向けた屈曲部10を備えている。すなわち延長部9と屈曲部10により縁溝部材を構成し、ここで残余の雨滴を集めて流下させる。屈曲部10は断面円弧状等の適宜の形状に構成される。
【0007】
従来における、このような竪型防水ルーバにおいては、外方から風と共に吹込む雨滴のうち、羽根板の外面に当たった雨滴は、該羽根板の突片部6及び折返部7で構成される中間溝部材内に受止められる。また、外方から風と共に吹込む雨滴のうち、該羽根板の中間溝部材の横の空隙を通過した雨滴は、通風空隙に沿ってく字状に風向を曲げられながら屋内側に向かい、風向を曲げられる際の遠心力によって相対する羽根板の内面に当たって流れ、折返部9及び屈曲部10で構成される縁溝部材に受け止められ、これにより外部から建物内部への雨水の浸入が阻止される。
【0008】
ところが、上記のような竪型防水ルーバについて、さらに踏み込んで観察すると、強風雨時における屋外側からの風向き如何により、風速が例えば20m以上になった場合に、雨水が屋内側に大量に浸入することが分かった。図7は風雨の方向如何による雨水の進入状況を示している。
【0009】
図7のとおり、風雨が屋内側からみて左方向から進入する場合には、風雨は断面く字状羽根板の背面に当たるので、雨滴の大部分は中間溝部材で受止められる。しかし、風雨が屋内側からみて右方向から進入する場合には、進入する雨滴のうち中間溝部材で受け止められる分以外は、中間溝部材と相隣合う羽根板の屈曲部との間を素通りし、そのうち縁溝部材で受止められる分以外は屋内に浸入してしまう。
【0010】
図8〜9は、上記のように雨水が屋内側に大量に浸入する事実を実験により定量的に確認した結果である。図8(a)は実験状況を示す図である。図8(a)のとおり、ルーバ外面に対する左側傾斜角45度の風向(A)及び右側傾斜角45度の風向(B)の各風向に対し、外気からの風速毎の浸水如何を実験した。図8(b)は本実験の条件及びその結果を示す図である。図9は、その結果のうち、各風速に対するルーバ内への浸水量をグラフとして示したものである。
【0011】
図8(b)のとおり、風向が断面略く字状羽根板の外面に略直行して当たる風向(A)の場合には、風速25m/secまでの防水効率は99.96%以上に維持されている。これに対して、風向が断面略く字状の羽根板の外面に略平行する風向(B)の場合には、風速15m/secで防水効率99.86%に低下し始め、特に風速20m/secでの防水効率は99.25%に低下し、それ以上の風速では、防水効率96〜97%レベルに減少している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、従来の竪型防水ルーバにおける以上のような事実、問題点に鑑み、それらの問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、従来の竪型防水ルーバにおいて、その羽根板の構造自体を改良することにより、左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても、建家内への雨水の浸入を阻止できる竪型防水ルーバが得られることを見い出した。
【0013】
すなわち、本発明は、ルーバ外面に対して左方向又は右方向から角度をもって吹付ける強風雨、すなわち左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても雨水の浸入を阻止して建家内への浸水を無くすることができる竪型防水ルーバ及び竪型防水ルーバ用羽根板を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、枠体内に複数の横断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバにおいて、該各横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を、該各横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする竪型防水ルーバを提供する。
【0015】
また、本発明は、横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバ用羽根板において、該横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を該横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする竪型防水ルーバ用羽根板を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、枠体内に複数の横断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバを対象とする。そして、該横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して横断面略L字状に屈曲された羽根片を該横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る竪型防水ルーバの基本的構成態様を示す図である。なお、前述図6に示す従来の竪型防水ルーバと同様の部位については同一の符号を付している。相隣接する各羽根板間には通風空隙S1〜Sn−1が形成されており、この通風空隙S1〜Sn−1を通して換気、排煙を行い、また採光等が行われる。
【0018】
図1中、符号11として示す部片が本発明の特徴部分であるが、以下他の構成と合わせて順次説明する。符号1は、屋内側からみて左側に設けられた枠体、2は屋内側からみて右側に設けられた枠体であり、その間に複数の羽根板A1〜Anが略等間隔に配置される。枠体1及び2と、羽根板A1〜Anの上端縁及び下端縁に設けられた枠体とにより、羽根板A1〜Anを固定するようになっている。
【0019】
各羽根板A1〜Anは、帯状の板体で、横断面略く字状に構成される。その中央屈曲部5の背部に中間溝部材が設けられている。該中間溝部材は中央屈曲部5の背部に設けられた突片部6と、その先端部に屋外側に向けて設けられた折返部7により構成され、ここで雨滴を集めて流下させる。折返部7は横断面円弧状等の適宜の形状に構成される。突片部6と折返部7により横断面円弧状に構成してもよい。
【0020】
その横断面く字状板体の外方端縁部すなわち屋外側縁部には、内方に向けた屈曲部8が設けられている。屈曲部8は、横断面円弧状等の適宜の形状に構成され、屋外から屋内へ向かう風雨の圧力を緩和する。また、その横断面く字状板体の内方端縁部すなわち屋内側縁部には羽根板の延長部9を備えている。延長部9は、突片部6と平行に所定幅延長し、その端部には屋外側に向けた屈曲部10を備えている。これによって上下方向に溝が形成されており、ここで残余の雨滴を集めて流下させる。屈曲部10は横断面円弧状等の適宜の形状に構成される。延長部9及び屈曲部10を合わせて横断面円弧状に構成してもよい。
【0021】
本発明においては、以上のように構成した竪型防水ルーバにおいて、図1中、符号11として示す羽根片を設ける。図2で説明すると、羽根片11は、横断面略く字状羽根板の屈曲部5から屋外方に向かう部分(すなわち板面)に対して横断面略L字状となるように角度を持たせ、且つ、各横断面略く字状羽根板と一体に設けられる。このように、羽根片11を設けたことにより、屋外から屋内へ向かう雨滴の浸入は、その方向如何にかかわらず阻止される。
【0022】
図2〜3は本発明に係る竪型防水ルーバの作用効果を説明する図である。なお、図3は従来の(すなわち本発明による改良前の)竪型防水ルーバの場合である(図7参照)。図3のとおり、従来の竪型防水ルーバにおいては、風雨が屋内側からみて右方向から浸入する場合、屋外からの雨水の多くは、中間溝部材を素通りし、屋内側すなわち建家内に大量に浸入してしまう。
【0023】
これに対して、図2のとおり、上記と同じく風雨が屋内側からみて右方向から浸入する場合、屋外からの雨水の多くは、羽根片11、すなわち中央屈曲部5から屋外側に向かう板面に対して横断面略L字状に屈曲された羽根片11により浸入が阻止される。これにより、屋外からの雨水は、その大部分が中間溝部材により集められる。また、中間溝部材に受け止められずに通過した雨滴は、通風空隙に沿って風向をく字状に曲げられながら内部に向かい、折返部9及び屈曲部10で構成される縁溝部材で受け止められる。これにより、外部から建物内部への雨水の浸入が確実に阻止される。
【0024】
本発明に係る竪型防水ルーバは、上記のように構成したことにより、ルーバ外面に対して複数方向、すなわち、直角方向はもちろん、左方向、左下方向、左上方向、右方向、右下方向、右上方向等、いずれの方向からの強風雨に対しても雨水の浸入を阻止して建家内への浸水を無くすることができる。
【0025】
以上のように構成された本発明に係る竪型防水ルーバについて、その性能を実験によって定量的に確認した。図4(a)は実験状況を示す図で、ルーバ外面に対する左側傾斜角45度の風向(A)及び右側傾斜角45度の風向(B)の各風向に対し、外部からの風速毎の浸水如何を実験した。図4(b)は実験の条件及びその結果を示す図である。図5は、その結果のうち、各風速に対するルーバ内(屋内側)への浸水量をグラフとして示したものである。
【0026】
図4(b)に示す風向き、風速の実験データ表及び図5の特性曲線に見られるように、風向きが(A)の場合、(B)の場合ともに、風速25m/secまでは、防水効率99.99%に維持されている。そして、風向き(A)の場合は、風速30m/secで防水効率99.5%、風速35m/secで防水効率99.98%であり、風向き(B)の場合では、風速35m/secまで防水効率99.99%を確保している。
【0027】
これらの実験で明らかにしたように、本発明に係る竪型防水ルーバは、左右いずれの方向からの強風雨に対しても雨水の浸入を阻止して建家内への浸水を無くすることができるものである。
以上、本発明に係る竪型防水ルーバの実施形態を説明したが、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるものでなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において各種の変更が可能であることは当然のことである。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る竪型防水ルーバによれば、従来の竪型防水ルーバにおいて、その羽根板の構造自体を改良することにより、左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても、建家内への雨水の浸入を阻止できる。また、本竪型防水ルーバ用羽根板は、アルミニウム(合金を含む)の射出成形により羽根片を含めて一体に作製できるのでその作製も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る竪型防水ルーバの横断面図
【図2】本発明に係る竪型防水ルーバの作用効果を説明する図
【図3】本発明による改良前の竪型防水ルーバの作用効果を説明する図
【図4】本発明に係る竪型防水ルーバの防水特性を確認するための実験方法と、その実験により得られた結果を示す図
【図5】本発明に係る竪型防水ルーバの防水特性を示す図
【図6】従来の竪型防水ルーバの横断面図
【図7】従来の竪型防水ルーバの作用効果を説明する図
【図8】従来の竪型防水ルーバの防水特性を確認するための実験方法と、その実験により得られた結果を示す図
【図9】従来の竪型防水ルーバの防水特性を示す図
【符号の説明】
A1〜An 複数の羽根板
S1〜Sn−1 通風空隙
1〜4 枠体
5 屈曲部
6 突片部
7 折返部
8 屈曲部
9 延長部
10 屈曲部
11 羽根片
【発明の属する技術分野】
本発明はビル、工場、倉庫などの換気口に取付けて、必要な換気を確保するとともに、建家内への雨水の浸入を阻止する竪型防水ルーバ及び竪型防水ルーバ用羽根板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル、工場、あるいは倉庫などの換気口に取付けられる換気ルーバには各種タイプのものがあるが、その大半がルーバ用の羽根板を横列に配置した横型タイプのもので占められている。しかし、横型タイプの換気ルーバにあっては、その構造上、強風雨時に、建物内に雨水が浸入する虞れがあるため、その対策として建物の外部においては換気口の付近にフードを設置したり、その内部においてはダクト、排水口などを設けたりする必要があった。
【0003】
そこで、最近では、竪型の防水ルーバも提案され実用に供されている。図6(a)〜(c)はその一例を示す図である。図6(a)は横断面図、図6(b)は側面図、図6(c)は正面図であり、図6(c)は図6(a)及び図6(b)に比べて縮小して示している。図6(a)において、符号1は屋内側からみて左側に設けられた枠体、2は屋内側からみて右側に設けられた枠体であり、その間に複数の羽根板A1〜Anが略等間隔に配置されている。
【0004】
相隣接する各羽根板間には通風空隙S1〜Sn−1が形成されており、この通風空隙S1〜Sn−1を通して換気、排煙を行い、また採光等が行われる。符号3及び4は、それぞれ、羽根板A1〜Anの上端縁及び下端縁に設けられる枠体であり、これが上記左右両側の枠体1、2と相まち、本例の場合予め一体に組立られた羽根板A1〜Anを固定するようになっている。
【0005】
図6(a)に示すとおり、各羽根板A1〜Anは、横断面略く字状の帯状板体で構成され、該横断面略く字状羽根板の横方向略中央部に屈曲部5を有している。屈曲部5の背部に突片部6を備え、突片部6の先端部に屋外側に向けて折返部7を備えている。突片部6と折返部7により中間溝部材が構成され、ここで雨滴を集めて流下させる。折返部7は断面円弧状等の適宜の形状に構成される。
【0006】
該横断面く字状板体の外方端縁部すなわち屋外側縁部には、内方に向けた屈曲部8が設けられている。屈曲部8は、断面円弧状等の適宜の形状に構成され、屋外から屋内へ向かう風雨の圧力を緩和する。また、該横断面く字状板体の内方端縁部すなわち屋内側縁部には羽根板の延長部9を備えている。延長部9は、突片部6と平行に所定幅延長し、その端部には屋外側に向けた屈曲部10を備えている。すなわち延長部9と屈曲部10により縁溝部材を構成し、ここで残余の雨滴を集めて流下させる。屈曲部10は断面円弧状等の適宜の形状に構成される。
【0007】
従来における、このような竪型防水ルーバにおいては、外方から風と共に吹込む雨滴のうち、羽根板の外面に当たった雨滴は、該羽根板の突片部6及び折返部7で構成される中間溝部材内に受止められる。また、外方から風と共に吹込む雨滴のうち、該羽根板の中間溝部材の横の空隙を通過した雨滴は、通風空隙に沿ってく字状に風向を曲げられながら屋内側に向かい、風向を曲げられる際の遠心力によって相対する羽根板の内面に当たって流れ、折返部9及び屈曲部10で構成される縁溝部材に受け止められ、これにより外部から建物内部への雨水の浸入が阻止される。
【0008】
ところが、上記のような竪型防水ルーバについて、さらに踏み込んで観察すると、強風雨時における屋外側からの風向き如何により、風速が例えば20m以上になった場合に、雨水が屋内側に大量に浸入することが分かった。図7は風雨の方向如何による雨水の進入状況を示している。
【0009】
図7のとおり、風雨が屋内側からみて左方向から進入する場合には、風雨は断面く字状羽根板の背面に当たるので、雨滴の大部分は中間溝部材で受止められる。しかし、風雨が屋内側からみて右方向から進入する場合には、進入する雨滴のうち中間溝部材で受け止められる分以外は、中間溝部材と相隣合う羽根板の屈曲部との間を素通りし、そのうち縁溝部材で受止められる分以外は屋内に浸入してしまう。
【0010】
図8〜9は、上記のように雨水が屋内側に大量に浸入する事実を実験により定量的に確認した結果である。図8(a)は実験状況を示す図である。図8(a)のとおり、ルーバ外面に対する左側傾斜角45度の風向(A)及び右側傾斜角45度の風向(B)の各風向に対し、外気からの風速毎の浸水如何を実験した。図8(b)は本実験の条件及びその結果を示す図である。図9は、その結果のうち、各風速に対するルーバ内への浸水量をグラフとして示したものである。
【0011】
図8(b)のとおり、風向が断面略く字状羽根板の外面に略直行して当たる風向(A)の場合には、風速25m/secまでの防水効率は99.96%以上に維持されている。これに対して、風向が断面略く字状の羽根板の外面に略平行する風向(B)の場合には、風速15m/secで防水効率99.86%に低下し始め、特に風速20m/secでの防水効率は99.25%に低下し、それ以上の風速では、防水効率96〜97%レベルに減少している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、従来の竪型防水ルーバにおける以上のような事実、問題点に鑑み、それらの問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、従来の竪型防水ルーバにおいて、その羽根板の構造自体を改良することにより、左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても、建家内への雨水の浸入を阻止できる竪型防水ルーバが得られることを見い出した。
【0013】
すなわち、本発明は、ルーバ外面に対して左方向又は右方向から角度をもって吹付ける強風雨、すなわち左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても雨水の浸入を阻止して建家内への浸水を無くすることができる竪型防水ルーバ及び竪型防水ルーバ用羽根板を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、枠体内に複数の横断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバにおいて、該各横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を、該各横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする竪型防水ルーバを提供する。
【0015】
また、本発明は、横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバ用羽根板において、該横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を該横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする竪型防水ルーバ用羽根板を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、枠体内に複数の横断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバを対象とする。そして、該横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して横断面略L字状に屈曲された羽根片を該横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る竪型防水ルーバの基本的構成態様を示す図である。なお、前述図6に示す従来の竪型防水ルーバと同様の部位については同一の符号を付している。相隣接する各羽根板間には通風空隙S1〜Sn−1が形成されており、この通風空隙S1〜Sn−1を通して換気、排煙を行い、また採光等が行われる。
【0018】
図1中、符号11として示す部片が本発明の特徴部分であるが、以下他の構成と合わせて順次説明する。符号1は、屋内側からみて左側に設けられた枠体、2は屋内側からみて右側に設けられた枠体であり、その間に複数の羽根板A1〜Anが略等間隔に配置される。枠体1及び2と、羽根板A1〜Anの上端縁及び下端縁に設けられた枠体とにより、羽根板A1〜Anを固定するようになっている。
【0019】
各羽根板A1〜Anは、帯状の板体で、横断面略く字状に構成される。その中央屈曲部5の背部に中間溝部材が設けられている。該中間溝部材は中央屈曲部5の背部に設けられた突片部6と、その先端部に屋外側に向けて設けられた折返部7により構成され、ここで雨滴を集めて流下させる。折返部7は横断面円弧状等の適宜の形状に構成される。突片部6と折返部7により横断面円弧状に構成してもよい。
【0020】
その横断面く字状板体の外方端縁部すなわち屋外側縁部には、内方に向けた屈曲部8が設けられている。屈曲部8は、横断面円弧状等の適宜の形状に構成され、屋外から屋内へ向かう風雨の圧力を緩和する。また、その横断面く字状板体の内方端縁部すなわち屋内側縁部には羽根板の延長部9を備えている。延長部9は、突片部6と平行に所定幅延長し、その端部には屋外側に向けた屈曲部10を備えている。これによって上下方向に溝が形成されており、ここで残余の雨滴を集めて流下させる。屈曲部10は横断面円弧状等の適宜の形状に構成される。延長部9及び屈曲部10を合わせて横断面円弧状に構成してもよい。
【0021】
本発明においては、以上のように構成した竪型防水ルーバにおいて、図1中、符号11として示す羽根片を設ける。図2で説明すると、羽根片11は、横断面略く字状羽根板の屈曲部5から屋外方に向かう部分(すなわち板面)に対して横断面略L字状となるように角度を持たせ、且つ、各横断面略く字状羽根板と一体に設けられる。このように、羽根片11を設けたことにより、屋外から屋内へ向かう雨滴の浸入は、その方向如何にかかわらず阻止される。
【0022】
図2〜3は本発明に係る竪型防水ルーバの作用効果を説明する図である。なお、図3は従来の(すなわち本発明による改良前の)竪型防水ルーバの場合である(図7参照)。図3のとおり、従来の竪型防水ルーバにおいては、風雨が屋内側からみて右方向から浸入する場合、屋外からの雨水の多くは、中間溝部材を素通りし、屋内側すなわち建家内に大量に浸入してしまう。
【0023】
これに対して、図2のとおり、上記と同じく風雨が屋内側からみて右方向から浸入する場合、屋外からの雨水の多くは、羽根片11、すなわち中央屈曲部5から屋外側に向かう板面に対して横断面略L字状に屈曲された羽根片11により浸入が阻止される。これにより、屋外からの雨水は、その大部分が中間溝部材により集められる。また、中間溝部材に受け止められずに通過した雨滴は、通風空隙に沿って風向をく字状に曲げられながら内部に向かい、折返部9及び屈曲部10で構成される縁溝部材で受け止められる。これにより、外部から建物内部への雨水の浸入が確実に阻止される。
【0024】
本発明に係る竪型防水ルーバは、上記のように構成したことにより、ルーバ外面に対して複数方向、すなわち、直角方向はもちろん、左方向、左下方向、左上方向、右方向、右下方向、右上方向等、いずれの方向からの強風雨に対しても雨水の浸入を阻止して建家内への浸水を無くすることができる。
【0025】
以上のように構成された本発明に係る竪型防水ルーバについて、その性能を実験によって定量的に確認した。図4(a)は実験状況を示す図で、ルーバ外面に対する左側傾斜角45度の風向(A)及び右側傾斜角45度の風向(B)の各風向に対し、外部からの風速毎の浸水如何を実験した。図4(b)は実験の条件及びその結果を示す図である。図5は、その結果のうち、各風速に対するルーバ内(屋内側)への浸水量をグラフとして示したものである。
【0026】
図4(b)に示す風向き、風速の実験データ表及び図5の特性曲線に見られるように、風向きが(A)の場合、(B)の場合ともに、風速25m/secまでは、防水効率99.99%に維持されている。そして、風向き(A)の場合は、風速30m/secで防水効率99.5%、風速35m/secで防水効率99.98%であり、風向き(B)の場合では、風速35m/secまで防水効率99.99%を確保している。
【0027】
これらの実験で明らかにしたように、本発明に係る竪型防水ルーバは、左右いずれの方向からの強風雨に対しても雨水の浸入を阻止して建家内への浸水を無くすることができるものである。
以上、本発明に係る竪型防水ルーバの実施形態を説明したが、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるものでなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において各種の変更が可能であることは当然のことである。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る竪型防水ルーバによれば、従来の竪型防水ルーバにおいて、その羽根板の構造自体を改良することにより、左側及び右側のいずれの方向からの強風雨に対しても、建家内への雨水の浸入を阻止できる。また、本竪型防水ルーバ用羽根板は、アルミニウム(合金を含む)の射出成形により羽根片を含めて一体に作製できるのでその作製も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る竪型防水ルーバの横断面図
【図2】本発明に係る竪型防水ルーバの作用効果を説明する図
【図3】本発明による改良前の竪型防水ルーバの作用効果を説明する図
【図4】本発明に係る竪型防水ルーバの防水特性を確認するための実験方法と、その実験により得られた結果を示す図
【図5】本発明に係る竪型防水ルーバの防水特性を示す図
【図6】従来の竪型防水ルーバの横断面図
【図7】従来の竪型防水ルーバの作用効果を説明する図
【図8】従来の竪型防水ルーバの防水特性を確認するための実験方法と、その実験により得られた結果を示す図
【図9】従来の竪型防水ルーバの防水特性を示す図
【符号の説明】
A1〜An 複数の羽根板
S1〜Sn−1 通風空隙
1〜4 枠体
5 屈曲部
6 突片部
7 折返部
8 屈曲部
9 延長部
10 屈曲部
11 羽根片
Claims (2)
- 枠体内に複数の横断面略く字状の羽根板を縦列に間隔を置いて配置して相隣合う羽根板間に通風空隙を形成し、且つ、該各横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、該各横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバにおいて、該各横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を、該各横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする竪型防水ルーバ。
- 横断面略く字状羽根板の中央屈曲部の背部に中間溝部材を備えるとともに、横断面略く字状羽根板の屋内側縁部に縁溝部材を備えてなる竪型防水ルーバ用羽根板において、該横断面略く字状羽根板の屋外側端縁に、該中央屈曲部から屋外側に向かう板面に対して略L字状に屈曲された羽根片を該横断面略く字状羽根板と一体に形成してなることを特徴とする竪型防水ルーバ用羽根板。
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