JP2004085013A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器を実用化するに当たって最適な伝熱管とフィンとの組み合わせを実現し、もって性能向上と組立作業性の向上とを図る。
【解決手段】伝熱管11と、該伝熱管11の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなる熱交換器において、前記伝熱管11の管径を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン12の板厚を0.15mm〜0.20mmの範囲に設定して、各板状フィン12が十分な強度を有するようにし、もって熱交換器の実用化を図り得るようにしている。
【選択図】 図3
【解決手段】伝熱管11と、該伝熱管11の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなる熱交換器において、前記伝熱管11の管径を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン12の板厚を0.15mm〜0.20mmの範囲に設定して、各板状フィン12が十分な強度を有するようにし、もって熱交換器の実用化を図り得るようにしている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、吸収式冷凍装置において排熱回収熱交換器等に用いられる熱交換器としては、伝熱管と、該伝熱管の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィンとにより構成したものがある(例えば、特開平7−19647号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知例の熱交換器の場合、実用化に当たって種々の不具合を有している。
【0004】
例えば、気液分離器からの溶液を溶液ポンプで排熱回収熱交換器に循環させるように構成されている吸収式冷凍装置において用いられる排熱回収熱交換器の場合、溶液循環量を増大させることにより、排熱回収熱交換器の出口側における溶液温度を低くでき、温度効率の点から排熱回収量を増やすことができることとなっている。従って、排熱回収熱交換器の溶液循環量は多いほどよいこととなる。
【0005】
ところが、従来からよく知られている圧縮サイクル式冷凍装置において用いられている空冷熱交換器の場合、管径6mm〜12mm程度の伝熱管と板厚0.1mm程度のフィンとが通常用いられており、このような管径の伝熱管を排熱回収熱交換器に使用すると、管径が細すぎるため、圧損が大きくなり過ぎて効率低下を招くこととなる。
【0006】
上記のような理由から、排熱回収熱交換器においては、管径の大きな伝熱管を使用する必要があり、圧縮サイクル式冷凍装置に用いられている空冷熱交換器と同様な伝熱管およびフィンを採用することが難しい。
【0007】
上記のような構造の熱交換器を製造する場合、伝熱管に板状フィンを嵌挿した後、伝熱管を拡管することにより伝熱管と板状フィンとを一体的に結合することとなっているが、伝熱管の管径が大きくなると、板厚0.1mmの板状フィンでは、フィン強度が不十分なため、拡管時にフィンがたわむおそれがある。このようなたわみを防止するためには、拡管率を下げる必要があるが、すると、伝熱管と板状フィンとの密着不良が生じ、性能の低下につながる。逆に、拡管率を上げて伝熱管と板状フィンとの密着度を確保しようとすると、板状フィンが変形して空気側圧損の増加を招くという不具合が生じる。また、板状フィンの板厚を厚くし過ぎると、空気側圧損が増加するばかりでなく、コストアップを招くこととなる。さらに、この種の熱交換器は横幅0.6m〜1.0m程度の長さとされているため、板状フィンの長さも同等に長くなるし、伝熱管の管径も大きくなっているので、伝熱管に板状フィンを嵌挿する際の抵抗も大きくなるところから、伝熱管に板状フィンを嵌挿する作業が非常にやりずらくなるという不具合も生じる。
【0008】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、熱交換器を実用化するに当たって最適な伝熱管とフィンとの組み合わせを実現し、もって性能向上と組立作業性の向上とを図ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、伝熱管11と、該伝熱管11の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなる熱交換器において、前記伝熱管11の管径を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン12の板厚を0.15mm〜0.20mmの範囲に設定している。
【0010】
上記のように構成したことにより、各板状フィン12が十分な強度を有することとなり、伝熱管11に板状フィン12,12・・を組み付ける際の拡管加工時に板状フィン12,12・・がたわむことがなくなる。その結果、十分な拡管率で拡管加工を行うことができることとなるため、伝熱管11と板状フィン12,12・・との密着性を確保でき、熱交換性能が向上する。
【0011】
因に、板状フィン12の板厚tfの変化による空気側熱伝達率R・a0の変化を調べたところ、図6に示すように、板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において同一通風抵抗ΔPでは極大を示すことが分かった。つまり、同一通風抵抗ΔPでは板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において最高の性能を得ることができるのである。なお、板状フィン12の板厚tf=0.18mmとするのが性能向上の上から望ましい。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた熱交換器において、前記板状フィン12,12・・のフィンピッチPfを1.6mm〜2.0mmの範囲に設定することもでき、そのように構成した場合、送風動力増加を最小限に抑えることができる。なお、フィンピッチPf<1.6mmとした場合、通風抵抗が大きくなり過ぎてファン動力が増加してしまうし、フィンピッチPf>2.0mmとすると、板状フィン12の数が減り過ぎて熱交換作用が不十分となる。
【0013】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた熱交換器において、前記各板状フィン12に、多数のルーバ形状の切り起こし片16,16・・を形成することもでき、そのように構成した場合、切り起こし片16,16・・による境界層破壊の促進により伝熱性能が向上するとともに、フィン強度が高まって伝熱管11への板状フィン12,12・・の嵌挿作業性も向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
本実施の形態にかかる熱交換器は、吸収式冷凍装置における排熱回収再生器において使用されるものである。
【0016】
前記排熱回収再生器は、図1に示すように、気液分離器1と排熱回収用の熱交換器Aとからなっており、気液分離器1内に供給された希溶液Laを溶液ポンプLPにより熱交換器Aに送り込み、該熱交換器Aにおいて排ガスGと熱交換させることにより前記希溶液Laを加熱し、この希溶液Laを前記気液分離器1に還流させ、該気液分離器1内において濃溶液Lmと冷媒蒸気Rとに分離することとなっている。符号2はエリミネータである。
【0017】
上記熱交換器Aは、図2に示すように、希溶液Laが流れる多数の伝熱管11,11・・と、該伝熱管11,11・・の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなっている。符号3は管板である。
【0018】
前記各板状フィン12は、図3および図4に示すように、排ガスGの流通方向にフィン基板12aが波形とされたワッフルフィンとされており、伝熱管11が嵌挿される部分にはフィンカラー15が一体に形成されている。また、各板状フィン12には、多数のルーバ形状の切り起こし片16,16・・が形成されている。なお、板状フィン12をワッフルフィンとした場合、伝熱性能の向上を図ることができるが、板状フィン12のフィン基板12aを平板形状としてもよい。
【0019】
本実施の形態にかかる熱交換器Aは、伝熱管11,11・・をフィン12,12・・のフィンカラー15,15・・に嵌挿した後、伝熱管11,11・・を拡管加工することにより組み立てられることとなっている。
【0020】
前記切り起こし片16,16・・は、板状フィン12の上下に次のようにして形成される。即ち、図5に示すように、板状フィン12のフィン基板12aに送風Wと直交する所定長さの一対の切込17,17をいれ、該切込17,17を一方を上方に他方を下方に引き起こすことにより一対の切り起こし片16,16が形成される。この切り起こし片16は、境界層破壊を促進させる作用を有することは勿論であるが、基部16aと立ち上がり部16b,16bとがフィン基板12aにつながっているため、フィン強度を高める補強リブとしても作用する。このようにすると、切り起こし片16による境界層破壊の促進により伝熱性能が向上するとともに、フィン強度が高まって伝熱管11への板状フィン12の嵌挿作業性も向上する。なお、断面コ字状のスリットフィンタイプの切り起こし片でも、ルーバ形状の切り起こし片と同等の伝熱性能向上効果が得られるが、強度の点からルーバ形状の切り起こし片の方がより好ましい。
【0021】
前記各伝熱管11は、熱良導体(例えば、銅)からなっており、その管径φは18mm〜23mmの範囲に設定するのが望ましく、最も望ましくは19.1mmに設定される。一方、前記各板状フィン12は、熱良導体(例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金)からなっており、その板厚tfは0.15mm〜0.20mmの範囲に設定するのが望ましく、最も望ましくは0.18mmに設定される。また、板状フィン12,12・・のフィンピッチPfは1.6mm〜2.0mmの範囲に設定するのが望ましく、最も望ましくは1.8mmに設定される。
【0022】
上記のように構成したことにより、板状フィン12が十分な強度を有することとなり、伝熱管11,11・・に板状フィン12,12・・を組み付ける際の拡管加工時に板状フィン12,12・・がたわむことがなくなる。その結果、十分な拡管率で拡管加工を行うことができることとなるため、伝熱管11と板状フィン12との密着性を確保でき、熱交換性能が向上する。
【0023】
因に、板状フィン12の板厚tfの変化による空気側熱伝達率R・a0の変化を調べたところ、図6に示すように、板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において同一通風抵抗では極大を示すことが分かった。つまり、同一通風抵抗では板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において最高の性能を得ることができるのである。なお、板状フィン12の板厚tf=0.18mmとするのが性能向上の上から望ましい。
【0024】
また、板状フィン12のフィンピッチPfについては、フィンピッチPf=1.6mm〜2.0mmの範囲に設定することが望ましいことが分かる。このようにすると、冷却用のファンFの動力増加を最小限に抑えることができる。なお、フィンピッチPf<1.6mmとした場合、通風抵抗が大きくなり過ぎてファン動力が増加し過ぎることとなるし、フィンピッチPf>2.0mmとすると、板状フィン12の数が減り過ぎて熱交換作用が不十分となる。
【0025】
本実施の形態にかかる熱交換器を排熱回収用熱交換器として使用した場合、圧損を増大させることなく、溶液循環量を増やすことが可能となり、その結果排熱回収量を増加させることができることとなる。
【0026】
上記実施の形態においては、排熱回収用熱交換器について説明したが、本願発明は、空冷吸収式冷凍装置に用いられる空冷吸収器やチラーからの熱媒体と空気が熱交換するエアハンドリング用熱交換器等にも適用可能なことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
本願発明の第1の手段によれば、伝熱管11と、該伝熱管11の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなる熱交換器において、前記伝熱管11の管径を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン12の板厚を0.15mm〜0.20mmの範囲に設定して、各板状フィン12が十分な強度を有するようにしたので、伝熱管11に板状フィン12,12・・を組み付ける際の拡管加工時に板状フィン12,12・・がたわむことがなくなって、十分な拡管率で拡管加工を行うことができることとなるため、伝熱管11と板状フィン12,12・・との密着性を確保でき、熱交換性能が向上するという効果がある。
【0028】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた熱交換器において、前記板状フィン12,12・・のフィンピッチPfを1.6mm〜2.0mmの範囲に設定することもでき、そのように構成した場合、送風動力増加を最小限に抑えることができる。
【0029】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた熱交換器において、前記各板状フィン12に、多数のルーバ形状の切り起こし片16,16・・を形成することもでき、そのように構成した場合、切り起こし片16,16・・による境界層破壊の促進により伝熱性能が向上するとともに、フィン強度が高まって伝熱管11への板状フィン12,12・・の嵌挿作業性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器を使用した排熱回収再生器の構成図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器(排熱回収熱交換器)の斜視図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器の拡大横断平面図である。
【図4】図3のIV−IV拡大断面図である。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器における板状フィンの要部拡大斜視図である。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器における板状フィンの性能を比較した特性図である。
【符号の説明】
11は伝熱管、12は板状フィン、16は切り起こし片、Aは熱交換器、φは管径、tfは板厚、Pfはフィンピッチ。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、吸収式冷凍装置において排熱回収熱交換器等に用いられる熱交換器としては、伝熱管と、該伝熱管の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィンとにより構成したものがある(例えば、特開平7−19647号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知例の熱交換器の場合、実用化に当たって種々の不具合を有している。
【0004】
例えば、気液分離器からの溶液を溶液ポンプで排熱回収熱交換器に循環させるように構成されている吸収式冷凍装置において用いられる排熱回収熱交換器の場合、溶液循環量を増大させることにより、排熱回収熱交換器の出口側における溶液温度を低くでき、温度効率の点から排熱回収量を増やすことができることとなっている。従って、排熱回収熱交換器の溶液循環量は多いほどよいこととなる。
【0005】
ところが、従来からよく知られている圧縮サイクル式冷凍装置において用いられている空冷熱交換器の場合、管径6mm〜12mm程度の伝熱管と板厚0.1mm程度のフィンとが通常用いられており、このような管径の伝熱管を排熱回収熱交換器に使用すると、管径が細すぎるため、圧損が大きくなり過ぎて効率低下を招くこととなる。
【0006】
上記のような理由から、排熱回収熱交換器においては、管径の大きな伝熱管を使用する必要があり、圧縮サイクル式冷凍装置に用いられている空冷熱交換器と同様な伝熱管およびフィンを採用することが難しい。
【0007】
上記のような構造の熱交換器を製造する場合、伝熱管に板状フィンを嵌挿した後、伝熱管を拡管することにより伝熱管と板状フィンとを一体的に結合することとなっているが、伝熱管の管径が大きくなると、板厚0.1mmの板状フィンでは、フィン強度が不十分なため、拡管時にフィンがたわむおそれがある。このようなたわみを防止するためには、拡管率を下げる必要があるが、すると、伝熱管と板状フィンとの密着不良が生じ、性能の低下につながる。逆に、拡管率を上げて伝熱管と板状フィンとの密着度を確保しようとすると、板状フィンが変形して空気側圧損の増加を招くという不具合が生じる。また、板状フィンの板厚を厚くし過ぎると、空気側圧損が増加するばかりでなく、コストアップを招くこととなる。さらに、この種の熱交換器は横幅0.6m〜1.0m程度の長さとされているため、板状フィンの長さも同等に長くなるし、伝熱管の管径も大きくなっているので、伝熱管に板状フィンを嵌挿する際の抵抗も大きくなるところから、伝熱管に板状フィンを嵌挿する作業が非常にやりずらくなるという不具合も生じる。
【0008】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、熱交換器を実用化するに当たって最適な伝熱管とフィンとの組み合わせを実現し、もって性能向上と組立作業性の向上とを図ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、伝熱管11と、該伝熱管11の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなる熱交換器において、前記伝熱管11の管径を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン12の板厚を0.15mm〜0.20mmの範囲に設定している。
【0010】
上記のように構成したことにより、各板状フィン12が十分な強度を有することとなり、伝熱管11に板状フィン12,12・・を組み付ける際の拡管加工時に板状フィン12,12・・がたわむことがなくなる。その結果、十分な拡管率で拡管加工を行うことができることとなるため、伝熱管11と板状フィン12,12・・との密着性を確保でき、熱交換性能が向上する。
【0011】
因に、板状フィン12の板厚tfの変化による空気側熱伝達率R・a0の変化を調べたところ、図6に示すように、板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において同一通風抵抗ΔPでは極大を示すことが分かった。つまり、同一通風抵抗ΔPでは板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において最高の性能を得ることができるのである。なお、板状フィン12の板厚tf=0.18mmとするのが性能向上の上から望ましい。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた熱交換器において、前記板状フィン12,12・・のフィンピッチPfを1.6mm〜2.0mmの範囲に設定することもでき、そのように構成した場合、送風動力増加を最小限に抑えることができる。なお、フィンピッチPf<1.6mmとした場合、通風抵抗が大きくなり過ぎてファン動力が増加してしまうし、フィンピッチPf>2.0mmとすると、板状フィン12の数が減り過ぎて熱交換作用が不十分となる。
【0013】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた熱交換器において、前記各板状フィン12に、多数のルーバ形状の切り起こし片16,16・・を形成することもでき、そのように構成した場合、切り起こし片16,16・・による境界層破壊の促進により伝熱性能が向上するとともに、フィン強度が高まって伝熱管11への板状フィン12,12・・の嵌挿作業性も向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
本実施の形態にかかる熱交換器は、吸収式冷凍装置における排熱回収再生器において使用されるものである。
【0016】
前記排熱回収再生器は、図1に示すように、気液分離器1と排熱回収用の熱交換器Aとからなっており、気液分離器1内に供給された希溶液Laを溶液ポンプLPにより熱交換器Aに送り込み、該熱交換器Aにおいて排ガスGと熱交換させることにより前記希溶液Laを加熱し、この希溶液Laを前記気液分離器1に還流させ、該気液分離器1内において濃溶液Lmと冷媒蒸気Rとに分離することとなっている。符号2はエリミネータである。
【0017】
上記熱交換器Aは、図2に示すように、希溶液Laが流れる多数の伝熱管11,11・・と、該伝熱管11,11・・の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなっている。符号3は管板である。
【0018】
前記各板状フィン12は、図3および図4に示すように、排ガスGの流通方向にフィン基板12aが波形とされたワッフルフィンとされており、伝熱管11が嵌挿される部分にはフィンカラー15が一体に形成されている。また、各板状フィン12には、多数のルーバ形状の切り起こし片16,16・・が形成されている。なお、板状フィン12をワッフルフィンとした場合、伝熱性能の向上を図ることができるが、板状フィン12のフィン基板12aを平板形状としてもよい。
【0019】
本実施の形態にかかる熱交換器Aは、伝熱管11,11・・をフィン12,12・・のフィンカラー15,15・・に嵌挿した後、伝熱管11,11・・を拡管加工することにより組み立てられることとなっている。
【0020】
前記切り起こし片16,16・・は、板状フィン12の上下に次のようにして形成される。即ち、図5に示すように、板状フィン12のフィン基板12aに送風Wと直交する所定長さの一対の切込17,17をいれ、該切込17,17を一方を上方に他方を下方に引き起こすことにより一対の切り起こし片16,16が形成される。この切り起こし片16は、境界層破壊を促進させる作用を有することは勿論であるが、基部16aと立ち上がり部16b,16bとがフィン基板12aにつながっているため、フィン強度を高める補強リブとしても作用する。このようにすると、切り起こし片16による境界層破壊の促進により伝熱性能が向上するとともに、フィン強度が高まって伝熱管11への板状フィン12の嵌挿作業性も向上する。なお、断面コ字状のスリットフィンタイプの切り起こし片でも、ルーバ形状の切り起こし片と同等の伝熱性能向上効果が得られるが、強度の点からルーバ形状の切り起こし片の方がより好ましい。
【0021】
前記各伝熱管11は、熱良導体(例えば、銅)からなっており、その管径φは18mm〜23mmの範囲に設定するのが望ましく、最も望ましくは19.1mmに設定される。一方、前記各板状フィン12は、熱良導体(例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金)からなっており、その板厚tfは0.15mm〜0.20mmの範囲に設定するのが望ましく、最も望ましくは0.18mmに設定される。また、板状フィン12,12・・のフィンピッチPfは1.6mm〜2.0mmの範囲に設定するのが望ましく、最も望ましくは1.8mmに設定される。
【0022】
上記のように構成したことにより、板状フィン12が十分な強度を有することとなり、伝熱管11,11・・に板状フィン12,12・・を組み付ける際の拡管加工時に板状フィン12,12・・がたわむことがなくなる。その結果、十分な拡管率で拡管加工を行うことができることとなるため、伝熱管11と板状フィン12との密着性を確保でき、熱交換性能が向上する。
【0023】
因に、板状フィン12の板厚tfの変化による空気側熱伝達率R・a0の変化を調べたところ、図6に示すように、板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において同一通風抵抗では極大を示すことが分かった。つまり、同一通風抵抗では板状フィン12の板厚tf=0.15mm〜0.2mmの範囲において最高の性能を得ることができるのである。なお、板状フィン12の板厚tf=0.18mmとするのが性能向上の上から望ましい。
【0024】
また、板状フィン12のフィンピッチPfについては、フィンピッチPf=1.6mm〜2.0mmの範囲に設定することが望ましいことが分かる。このようにすると、冷却用のファンFの動力増加を最小限に抑えることができる。なお、フィンピッチPf<1.6mmとした場合、通風抵抗が大きくなり過ぎてファン動力が増加し過ぎることとなるし、フィンピッチPf>2.0mmとすると、板状フィン12の数が減り過ぎて熱交換作用が不十分となる。
【0025】
本実施の形態にかかる熱交換器を排熱回収用熱交換器として使用した場合、圧損を増大させることなく、溶液循環量を増やすことが可能となり、その結果排熱回収量を増加させることができることとなる。
【0026】
上記実施の形態においては、排熱回収用熱交換器について説明したが、本願発明は、空冷吸収式冷凍装置に用いられる空冷吸収器やチラーからの熱媒体と空気が熱交換するエアハンドリング用熱交換器等にも適用可能なことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
本願発明の第1の手段によれば、伝熱管11と、該伝熱管11の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン12,12・・とからなる熱交換器において、前記伝熱管11の管径を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン12の板厚を0.15mm〜0.20mmの範囲に設定して、各板状フィン12が十分な強度を有するようにしたので、伝熱管11に板状フィン12,12・・を組み付ける際の拡管加工時に板状フィン12,12・・がたわむことがなくなって、十分な拡管率で拡管加工を行うことができることとなるため、伝熱管11と板状フィン12,12・・との密着性を確保でき、熱交換性能が向上するという効果がある。
【0028】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた熱交換器において、前記板状フィン12,12・・のフィンピッチPfを1.6mm〜2.0mmの範囲に設定することもでき、そのように構成した場合、送風動力増加を最小限に抑えることができる。
【0029】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた熱交換器において、前記各板状フィン12に、多数のルーバ形状の切り起こし片16,16・・を形成することもでき、そのように構成した場合、切り起こし片16,16・・による境界層破壊の促進により伝熱性能が向上するとともに、フィン強度が高まって伝熱管11への板状フィン12,12・・の嵌挿作業性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器を使用した排熱回収再生器の構成図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器(排熱回収熱交換器)の斜視図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器の拡大横断平面図である。
【図4】図3のIV−IV拡大断面図である。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器における板状フィンの要部拡大斜視図である。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる熱交換器における板状フィンの性能を比較した特性図である。
【符号の説明】
11は伝熱管、12は板状フィン、16は切り起こし片、Aは熱交換器、φは管径、tfは板厚、Pfはフィンピッチ。
Claims (3)
- 伝熱管(11)と、該伝熱管(11)の外周に対して直交状態で嵌挿される多数の板状フィン(12),(12)・・とからなる熱交換器であって、前記伝熱管(11)の管径(φ)を18mm〜23mmの範囲に設定する一方、前記各板状フィン(12)の板厚(tf)を0.15mm〜0,20mmの範囲に設定したことを特徴とする熱交換器。
- 前記板状フィン(12),(12)・・のフィンピッチ(Pf)を1.6mm〜2.0mmの範囲に設定したことを特徴とする前記請求項1記載の熱交換器。
- 前記各板状フィン(12)には、多数のルーバ形状の切り起こし片(16),(16)・・を形成したことを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記載の熱交換器。
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