JP2004084596A - 排気バルブ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ブレーキ作動時に大きな制動力を得ることができ、省スペースで部品点数の少ない排気バルブ制御装置を提供すること。
【解決手段】排気カム4の動きに応じて揺動し排気工程で排気バルブ1を開弁する排気ロッカアーム3と、補助カム6の動きに応じて揺動する補助ロッカアーム5と、排気ロッカアーム3と補助ロッカアーム5との何れか一方に設けたロッド5cと、何れか他方に設けたロッド受部3eとを備え、排気ブレーキ作動時には、ロッド5cをロッド受部3eに係合して補助ロッカアーム5の揺動を排気ロッカアーム3に伝達し、排気工程以外で前記排気バルブ1を開弁するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】排気カム4の動きに応じて揺動し排気工程で排気バルブ1を開弁する排気ロッカアーム3と、補助カム6の動きに応じて揺動する補助ロッカアーム5と、排気ロッカアーム3と補助ロッカアーム5との何れか一方に設けたロッド5cと、何れか他方に設けたロッド受部3eとを備え、排気ブレーキ作動時には、ロッド5cをロッド受部3eに係合して補助ロッカアーム5の揺動を排気ロッカアーム3に伝達し、排気工程以外で前記排気バルブ1を開弁するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ブレーキを備えるエンジンにおける排気バルブの開閉を制御するための排気バルブ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラックやダンプなどの大型の車両が長い下り坂を下る場合などに、車両を効果的に制動するため排気ブレーキが利用される。従来、この種の排気ブレーキとして、図13に示すように、シリンダ11に装着されるピストン12と、シリンダ11の燃焼室内に空気を吸気する吸気バルブ13と、同燃焼室内の燃焼ガスを排気する排気バルブ14とを備えたエンジンにおいて、該エンジンの排気ポート15の途中に排気絞りバルブ16を設け、排気ブレーキ作動時に排気絞りバルブ16を閉じて制動力を得るようにしたものが知られている。
【0003】
図14に、この排気ブレーキを作動したときの指圧線図(PV線図)を示す。先ず、吸気工程では、吸気バルブ13を開弁した状態でピストン12を下降させるため、圧力をほぼ大気圧としたまま体積を増加させる。次に、圧縮工程では、吸気バルブ13及び排気バルブ14を閉弁した状態でピストン12を上昇させるため、圧力は徐々に増加して体積は減少する。次に、膨張工程では、吸気バルブ13及び排気バルブ14を閉弁した状態でピストン12を下降させるため圧力は徐々に減少して体積は増加する。そして、排気工程では、排気バルブ14を開弁した状態でピストン12を上昇させるが、このとき排気ポート15の途中に設けた排気絞りバルブ16を閉じているので排気絞りバルブ16から先に排気ガスを逃がすことができず、圧力は一定圧まで上昇して体積は減少する。このように、吸気工程から膨張工程までは排気ブレーキを作動しないときと同様の挙動を示すが、排気工程では排気ブレーキを作動しないときに比べて圧力上昇分(図の斜線部分)だけ余分な仕事をすることとなり、これが制動力として働く。
【0004】
しかし、この排気ブレーキは、排気工程でしか制動力を得ることができず、より大きな制動力を得ることは困難であるという問題があった。また、排気ポート15内の圧力が上昇するため、排気バルブ14が排気カムのプロフィールに関係なく開き、続いて排気バルブに付与されるスプリング力で閉じるので、排気バルブ14には過大な衝撃力が加わるという問題があった。
【0005】
このような問題に鑑みて、特開平5−33684号公報では、エンジンの排気バルブ駆動用ロッカアームに自由回転可能に枢支した従動ロッカアームと、この従動ロッッカアームを前記排気バルブ駆動用ロッカアームと結合して排気バルブ駆動用ロッカアームと一体運動させるクラッチ機構と、排気バルブ駆動用ロッカアームを作動するカムに排気ブレーキコントロール用のカムローブを備え、エンジンの排気バルブをシリンダ内圧の低い吸気工程末期で開き、シリンダ内圧が排気マニホールド圧より高い時期で閉じるようにしたものを開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この排気ブレーキは、排気ブレーキ作動時に排気バルブ駆動用ロッカアームと従動ロッカアームをクラッチ機構で一体運動させ、従動ロッカアームで排気バルブを開閉する機構である。したがって、エンジン駆動時に排気バルブを開閉するロッカアームと従動ロッカアームの2つのロッカアームを排気バルブに接続する必要があり、シリンダヘッド上部に大きなスペースを確保しなければならないという問題があった。また、部品点数が増えてしまい、メンテナンスやコスト面で不利であるという問題があった。
【0007】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、排気ブレーキ作動時に大きな制動力を得ることができ、また、省スペースでしかも部品点数を極端に増やすことなく排気バルブの開閉制御を行なえる排気バルブ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、請求項1記載の発明は、排気ブレーキを備えるエンジンにおける排気バルブの開閉を制御するための排気バルブ制御装置であって、排気工程で排気バルブを開弁するためのカムプロフィールを有する排気カムと、前記排気カムによって揺動し、排気工程で排気バルブを開弁する排気ロッカアームと、排気ブレーキ作動時に排気バルブを開弁するためのカムプロフィールを有する補助カムと、前記補助カムによって揺動する補助ロッカアームと、前記排気ロッカアームと前記補助ロッカアームとの何れか一方に設けられた係合用のロッドと、前記排気ロッカアームと前記補助ロッカアームとの何れか他方の前記ロッドと対応する位置に設けられたロッド受部と、を備え、排気ブレーキ作動時には、前記ロッドを前期ロッド受部に係合して、前記補助ロッカアームの揺動を前記排気ロッカアームに伝達し、排気工程以外で前記排気バルブを開弁することを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、排気ブレーキ作動時に補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝え、排気工程以外で排気バルブを開弁するので、排気工程以外で制動力を得ることができ、大きな制動力を得ることができる。また、ロッドと係合溝との係合により補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝達して排気バルブを開閉するので、排気ロッカアームを排気弁の操作ができる位置まで延長したり、別部材を配置したりする必要が無い。したがって、省スペースを達成でき、しかも部品点数を極端に増加させることはない。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の排気バルブ制御装置において、前記ロッド受部を断面凹形状の係合溝で形成したことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、排気ロッカアーム及び補助ロッカアームが高速で揺動していても係合溝の開口から容易にロッドを挿入することができ、係合を容易かつ確実に行なうことができる。
【0012】
なお、補助ロッカアームにロッドを備えた場合は、排気ロッカアームに備える係合溝は排気バルブを押圧する方向と反対方向に開口をもつようにすると良く、また、排気ロッカアームにロッドを備えた場合は、補助ロッカアームに備える係合溝は排気バルブを押圧する方向に開口をもつようにすると良い。このように構成することで、補助ロッカアームの排気バルブ押圧方向(開弁方向)の揺動を確実に排気ロッカアームに伝えることができる。
【0013】
請求項1又は2に記載の排気バルブ制御装置において、前記補助カムのプロフィールを、排気バルブを吸気工程以外で開弁するように形成することができ(請求項3)、また、前記補助カムのプロフィールを、排気バルブを吸気工程で閉弁し、かつ、吸気工程直後及び圧縮工程のピストン上死点付近で開弁するように形成することができる(請求項4)。
【0014】
さらに、請求項1乃至4の何れか一項に記載の排気バルブ制御装置において、前記ロッドは油圧により駆動することができる(請求項5)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る排気バルブ制御装置の実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係る排気バルブ制御装置の一例を示す縦断側面図、図2は排気バルブ制御装置の平面図である。図1において、1は排気バルブを、2は2つの排気バルブ1を連結するロッカブリッジを、3はロッカブリッジ2を往復運動して排気工程で排気バルブ1を開弁するロッカアームを、4は排気ロッカアーム3を揺動する排気カムを、5は排気ブレーキ作動時に排気ロッカアーム3と一体となって運動し排気バルブ1を排気工程以外で開弁する補助ロッカアームを、6は補助ロッカアーム5を揺動する補助カムを示す。
【0017】
排気バルブ1は、バルブステム1aと傘部1bとからなり、シリンダヘッド7のバルブガイド8にバルブステム1aが軸支されるかたちで取り付けられる。また、排気バルブ1は、排気ロッカアーム3で押圧されていない状態で閉弁するようにバルブスプリングで付勢される。本実施例に示す排気バルブ1は2つで一組となっており、2つの排気バルブ1はロッカブリッジ2で連結される。ロッカブリッジ2は、排気ロッカアーム3との係合部である凹部2aを備えている。
【0018】
排気ロッカアーム3は、中央にロッカシャフト9を挿入するためのシャフト孔3aを備えている。また、排気ロッカアーム3は、そのカム側端部に、排気カムと当接するための当接ローラ3bを備えている。さらに、本実施例にあっては、排気ロッカアーム3は、そのバルブ側端部に球状凸部3cを備えており、この球状凸部3cをロッカブリッジ2の凹部2aに嵌め合わせてロッカブリッジ2と連結する。なお、球状凸部3cはアジャストスクリュー3dを介して排気ロッカアーム3に取り付けられており、アジャストスクリュー3dを調節して排気ロッカアーム3とロッカブリッジ2の連結を調整する。もちろん、球状凸部3c以外の公知の形式で構成することは何ら問題のないことである。
【0019】
さらに、排気ロッカアーム3は、後述する補助ロッカアーム5のロッド5cと係合する係合溝3eを備えており、この係合溝3eはロッカアーム3がロッカブリッジ2を押圧する方向と反対方向に開口するように形成される。
【0020】
排気カム4はカムシャフト10に軸支されており、このカムシャフトが回転することで排気カム4は排気ロッカアーム3を揺動する。排気ロッカアーム3は排気カム4のカムプロフィールにしたがって揺動されるが、このカムプロフィールは例えば図3に示す形状に形成される。
【0021】
補助ロッカアーム5は、排気ロッカアーム3と同様にロッカシャフト9を挿入するためのシャフト孔5aを備え、このシャフト孔5aに挿入されるロッカシャフト9で揺動可能に軸支される。また、補助ロッカアーム5は、そのカム側端部に、補助カムと当接する当接ローラ5bを備える。さらに、補助ロッカアーム5は、排気ロッカアーム3の係合溝3eと係合するロッド5cを備える。このロッド5cは、補助ロッカアーム5に形成されたロッド孔5dに出納可能に取り付けられる。
【0022】
図4は、ロッド孔5dへのロッド5c取り付け状態の詳細を示す。図4に示すように、ロッド5cは、後端にリブ部5ciを備えた円柱形状に形成される。一方、ロッド孔5dは、ロッド5cのリブ部5ciと略同径の円柱孔で形成され、その出口にはロッド脱落防止用の細径部5diを備える。また、ロッド孔5dは、ロッカシャフト9に設けられた油道9aを介して作動油を供給するための油通路5eを備える。さらに、ロッド孔5d内へのロッドの入り込みを防止するためのストッパー5fを備える。
【0023】
ロッド5cは、その先端部5ciiをロッド孔5dの細径部5diに挿入し、さらに、ロッド孔5dの細径部5diとロット5cのリブ部5ciとの間にロッドばね5gを備えて装着する。このロッドばね5gは拡張ばね形成されているため、油圧を付加しない状態でロッド5cはロッド孔5d中に収納されるが、このときロッド5cのリブ部5ciがストッパー5fに当接するので、それ以上ロッド孔5d中に入り込むことはない。そして、排気ブレーキ非作動時には油圧を付加せず、ロッド5cはロッド孔5d中に収納され、一方、排気ブレーキ作動時には、ロッカシャフト9の油道9a及び補助ロッカアーム5の油通路5eを介してロッド孔5dに作動油を供給して油圧を付加し、ロッド5cの後部をこの油圧で押圧して拡張バネ5gに反してロッド5cをロッド孔5dから突出させる。
【0024】
補助カム6は、排気カム4と同様にカムシャフト10で軸支され、このカムシャフト10の回転によって補助ロッカアーム5を揺動する。補助カム6のカムプロフィールは、排気ブレーキ作動時の排気カム1の開閉動作を決定するが、そのカムプロフィールは例えば図5に示す形状にする。
【0025】
次に、上記のように構成される本発明の排気バルブ制御装置の作動態様について図6及び図7を参照して説明する。図6は排気ブレーキ非作動時の状態を示し、また、図7は排気ブレーキ作動時の状態を示す。
【0026】
排気ブレーキを作動しないときは、図6に示すように、補助ロッカアーム5のロッド孔5dには作動油が供給されず、ロッド5cはロッド孔5d内に収納された状態で、排気ロッカアーム3と補助ロッカアーム5は連結されない。したがって、補助ロッカアーム5は補助カム6によって揺動されるが、その動きは排気ロッカアーム3に伝わらず、いわゆる空運動の状態となる。したがって、排気バルブ1の開閉は、排気カム4による排気ロッカアーム3の揺動によってのみ行なわれ、排気バルブ1は排気工程でのみ開弁される。
【0027】
排気ブレーキを作動したときは、図7に示すように、ロッカシャフト9の油道9a及び補助ロッカアーム5の油通路5eを介してロッド孔5dに作動油が供給され、これによって生じる油圧がロッド5cを押出し、ロッド5cをロット孔5dから突出させる。そして、この突出したロッド5cが排気ロッカアーム3の係合溝3eと係合する。したがって、補助カム6によって揺動する補助ロッカアーム5の動きは排気ロッカアーム3に伝達され、排気ロッカアーム3は排気カム4のみでなく補助ロッカアーム5(補助カム6)によって揺動される。すなわち、排気ロッカアーム3は、排気カム4と補助カム6のうち大きい揺動を生じさせる方にしたがって揺動されることになる。
【0028】
例えば、図8に示すように、排気カム4のカムプロフィールP(点線)と補助カム6のカムプロフィールQ(一点鎖線)のうち大きい揺動を生じさせる方を選択したカムプロフィールR(実線)として排気ロッカアーム3を揺動する。このときの排気バルブ1の開閉パターンを図9に示す。図9は、ピストン位置(横軸)に対する排気バルブ1の開度(縦軸)を実線で示した。すなわち、排気バルブ1は排気工程(−180°〜−0°)で全開、吸気工程(0°〜180°)で全閉、圧縮工程(180°〜360°)及び膨張工程(−360°〜−180°)で弱開となる。なお、同図の点線は吸気バルブの開閉パターンを示す。
【0029】
そして、この場合のエンジン燃焼室内の指圧線図(PV線図)を図10に示す。先ず、吸気工程では、吸気バルブを開弁した状態でピストンを下降させるため、圧力をほぼ大気圧としたまま体積を増加させる。次に、圧縮工程では、排気バルブ1を弱開してピストンを上昇させるため、排気バルブ1の隙間から若干の排気が行なわれ圧力は緩やかに上昇して、体積は減少する。次に、膨張工程では、排気バルブ1を弱開してピストンを下降させるため、排気バルブ1の隙間から若干の吸気が行なわれ圧力は緩やかに減少して、体積は増加する。そして、排気工程では、排気バルブ1を全開した状態でピストンを上昇させるため、圧力をほぼ大気圧としたまま体積を減少させる。このように、圧縮工程及び膨張工程で排気バルブ1を弱開にしてピストンを上昇下降させるので、排気バルブ1の隙間から抵抗を受けながら若干の排気及び吸気を行なうので、その抵抗を受ける分(図の斜線部分)だけ余分な仕事をすることとなり、これが制動力として働く。このように圧縮工程及び膨張工程で制動力を得るため、大きな制動力を得ることができる。
【0030】
上記説明では、補助ロッカアーム5に係合用のロッド5cを備えた例について説明したが、これに限定されるものではなく排気ロッカアーム3にロッドを備えて、これに係合する係合溝を補助ロッカアーム5に備えても良い。この場合、補助ロッカアームに備える係合溝は、排気バルブを押圧する方向に開口する係合溝で形成するとよい。このように形成することにより、容易に係合することができ、さらに、補助ロッカアーム5の排気バルブ押圧方向(開弁する方向)の揺動を確実に排気ロッカアームに伝えることができる。
【0031】
また、上記説明では、ロッド受部として係合溝を用いた例について説明したが、ロッド受部の構造はこれに限定されるものではなく、例えばロッドが差し込まれる係合穴であってもよい。
【0032】
さらに、上記説明では、補助カム6のカムプロフィールを、排気バルブが吸気工程以外で開弁するように形成した例について説明したがこれに限定されるものではなく、例えば図11に示すように形成して、排気バルブを吸気工程で閉弁し、かつ、吸気工程直後及び圧縮工程のピストン上死点付近で開弁するようにしてもよい。このときの排気バルブの開閉パターンは図12に示すようになる。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の排気バルブ制御装置は、上記のように構成されているので、排気ブレーキ作動時に補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝え、排気工程以外で排気バルブを開弁するので、排気工程以外で制動力を得ることができ、大きな制動力を得ることができる。また、ロッドと係合溝との係合により補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝達して排気バルブを開閉するので、排気ロッカアームを排気弁の操作ができる位置まで延長したり、別部材を配置したりする必要が無い。したがって、省スペースを達成でき、しかも部品点数を極端に増加させることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気バルブ制御装置の一例を示す縦断側面図である。
【図2】本発明に係る排気バルブ制御装置の一例を示す平面図である。
【図3】本発明に係る排気カムのカムプロフィールの一例を示す図である。
【図4】ロッド孔へのロッドの取り付け状態の一例を示す詳細図である。
【図5】本発明に係る補助カムのカムプロフィールの一例を示す図である。
【図6】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ非作動時の状態の一例を説明する図である。
【図7】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の状態の一例を説明する図である。
【図8】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の排気ロッカアームの揺動を説明するための擬似カムプロフィールを示す図である。
【図9】本発明に係る排気バルブ制御装置の排気バルブの開閉パターンの一例を示す図である。
【図10】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の指圧線図(PV線図)である。
【図11】本発明の補助カムのカムプロフィールの他の一例を示す図である。
【図12】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の排気バルブ開閉パターンの他の一例を示す図である。
【図13】従来の排気ブレーキを説明する図である。
【図14】従来の排気ブレーキの指圧線図(PV線図)である。
【符号の説明】
1 排気バルブ
2 ロッカブリッジ
3 排気ロッカアーム
3e 係合溝
4 排気カム
5 補助ロッカアーム
5c ロッド
6 補助カム
7 ロッカシャフト
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ブレーキを備えるエンジンにおける排気バルブの開閉を制御するための排気バルブ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラックやダンプなどの大型の車両が長い下り坂を下る場合などに、車両を効果的に制動するため排気ブレーキが利用される。従来、この種の排気ブレーキとして、図13に示すように、シリンダ11に装着されるピストン12と、シリンダ11の燃焼室内に空気を吸気する吸気バルブ13と、同燃焼室内の燃焼ガスを排気する排気バルブ14とを備えたエンジンにおいて、該エンジンの排気ポート15の途中に排気絞りバルブ16を設け、排気ブレーキ作動時に排気絞りバルブ16を閉じて制動力を得るようにしたものが知られている。
【0003】
図14に、この排気ブレーキを作動したときの指圧線図(PV線図)を示す。先ず、吸気工程では、吸気バルブ13を開弁した状態でピストン12を下降させるため、圧力をほぼ大気圧としたまま体積を増加させる。次に、圧縮工程では、吸気バルブ13及び排気バルブ14を閉弁した状態でピストン12を上昇させるため、圧力は徐々に増加して体積は減少する。次に、膨張工程では、吸気バルブ13及び排気バルブ14を閉弁した状態でピストン12を下降させるため圧力は徐々に減少して体積は増加する。そして、排気工程では、排気バルブ14を開弁した状態でピストン12を上昇させるが、このとき排気ポート15の途中に設けた排気絞りバルブ16を閉じているので排気絞りバルブ16から先に排気ガスを逃がすことができず、圧力は一定圧まで上昇して体積は減少する。このように、吸気工程から膨張工程までは排気ブレーキを作動しないときと同様の挙動を示すが、排気工程では排気ブレーキを作動しないときに比べて圧力上昇分(図の斜線部分)だけ余分な仕事をすることとなり、これが制動力として働く。
【0004】
しかし、この排気ブレーキは、排気工程でしか制動力を得ることができず、より大きな制動力を得ることは困難であるという問題があった。また、排気ポート15内の圧力が上昇するため、排気バルブ14が排気カムのプロフィールに関係なく開き、続いて排気バルブに付与されるスプリング力で閉じるので、排気バルブ14には過大な衝撃力が加わるという問題があった。
【0005】
このような問題に鑑みて、特開平5−33684号公報では、エンジンの排気バルブ駆動用ロッカアームに自由回転可能に枢支した従動ロッカアームと、この従動ロッッカアームを前記排気バルブ駆動用ロッカアームと結合して排気バルブ駆動用ロッカアームと一体運動させるクラッチ機構と、排気バルブ駆動用ロッカアームを作動するカムに排気ブレーキコントロール用のカムローブを備え、エンジンの排気バルブをシリンダ内圧の低い吸気工程末期で開き、シリンダ内圧が排気マニホールド圧より高い時期で閉じるようにしたものを開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この排気ブレーキは、排気ブレーキ作動時に排気バルブ駆動用ロッカアームと従動ロッカアームをクラッチ機構で一体運動させ、従動ロッカアームで排気バルブを開閉する機構である。したがって、エンジン駆動時に排気バルブを開閉するロッカアームと従動ロッカアームの2つのロッカアームを排気バルブに接続する必要があり、シリンダヘッド上部に大きなスペースを確保しなければならないという問題があった。また、部品点数が増えてしまい、メンテナンスやコスト面で不利であるという問題があった。
【0007】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、排気ブレーキ作動時に大きな制動力を得ることができ、また、省スペースでしかも部品点数を極端に増やすことなく排気バルブの開閉制御を行なえる排気バルブ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、請求項1記載の発明は、排気ブレーキを備えるエンジンにおける排気バルブの開閉を制御するための排気バルブ制御装置であって、排気工程で排気バルブを開弁するためのカムプロフィールを有する排気カムと、前記排気カムによって揺動し、排気工程で排気バルブを開弁する排気ロッカアームと、排気ブレーキ作動時に排気バルブを開弁するためのカムプロフィールを有する補助カムと、前記補助カムによって揺動する補助ロッカアームと、前記排気ロッカアームと前記補助ロッカアームとの何れか一方に設けられた係合用のロッドと、前記排気ロッカアームと前記補助ロッカアームとの何れか他方の前記ロッドと対応する位置に設けられたロッド受部と、を備え、排気ブレーキ作動時には、前記ロッドを前期ロッド受部に係合して、前記補助ロッカアームの揺動を前記排気ロッカアームに伝達し、排気工程以外で前記排気バルブを開弁することを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、排気ブレーキ作動時に補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝え、排気工程以外で排気バルブを開弁するので、排気工程以外で制動力を得ることができ、大きな制動力を得ることができる。また、ロッドと係合溝との係合により補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝達して排気バルブを開閉するので、排気ロッカアームを排気弁の操作ができる位置まで延長したり、別部材を配置したりする必要が無い。したがって、省スペースを達成でき、しかも部品点数を極端に増加させることはない。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の排気バルブ制御装置において、前記ロッド受部を断面凹形状の係合溝で形成したことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、排気ロッカアーム及び補助ロッカアームが高速で揺動していても係合溝の開口から容易にロッドを挿入することができ、係合を容易かつ確実に行なうことができる。
【0012】
なお、補助ロッカアームにロッドを備えた場合は、排気ロッカアームに備える係合溝は排気バルブを押圧する方向と反対方向に開口をもつようにすると良く、また、排気ロッカアームにロッドを備えた場合は、補助ロッカアームに備える係合溝は排気バルブを押圧する方向に開口をもつようにすると良い。このように構成することで、補助ロッカアームの排気バルブ押圧方向(開弁方向)の揺動を確実に排気ロッカアームに伝えることができる。
【0013】
請求項1又は2に記載の排気バルブ制御装置において、前記補助カムのプロフィールを、排気バルブを吸気工程以外で開弁するように形成することができ(請求項3)、また、前記補助カムのプロフィールを、排気バルブを吸気工程で閉弁し、かつ、吸気工程直後及び圧縮工程のピストン上死点付近で開弁するように形成することができる(請求項4)。
【0014】
さらに、請求項1乃至4の何れか一項に記載の排気バルブ制御装置において、前記ロッドは油圧により駆動することができる(請求項5)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る排気バルブ制御装置の実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係る排気バルブ制御装置の一例を示す縦断側面図、図2は排気バルブ制御装置の平面図である。図1において、1は排気バルブを、2は2つの排気バルブ1を連結するロッカブリッジを、3はロッカブリッジ2を往復運動して排気工程で排気バルブ1を開弁するロッカアームを、4は排気ロッカアーム3を揺動する排気カムを、5は排気ブレーキ作動時に排気ロッカアーム3と一体となって運動し排気バルブ1を排気工程以外で開弁する補助ロッカアームを、6は補助ロッカアーム5を揺動する補助カムを示す。
【0017】
排気バルブ1は、バルブステム1aと傘部1bとからなり、シリンダヘッド7のバルブガイド8にバルブステム1aが軸支されるかたちで取り付けられる。また、排気バルブ1は、排気ロッカアーム3で押圧されていない状態で閉弁するようにバルブスプリングで付勢される。本実施例に示す排気バルブ1は2つで一組となっており、2つの排気バルブ1はロッカブリッジ2で連結される。ロッカブリッジ2は、排気ロッカアーム3との係合部である凹部2aを備えている。
【0018】
排気ロッカアーム3は、中央にロッカシャフト9を挿入するためのシャフト孔3aを備えている。また、排気ロッカアーム3は、そのカム側端部に、排気カムと当接するための当接ローラ3bを備えている。さらに、本実施例にあっては、排気ロッカアーム3は、そのバルブ側端部に球状凸部3cを備えており、この球状凸部3cをロッカブリッジ2の凹部2aに嵌め合わせてロッカブリッジ2と連結する。なお、球状凸部3cはアジャストスクリュー3dを介して排気ロッカアーム3に取り付けられており、アジャストスクリュー3dを調節して排気ロッカアーム3とロッカブリッジ2の連結を調整する。もちろん、球状凸部3c以外の公知の形式で構成することは何ら問題のないことである。
【0019】
さらに、排気ロッカアーム3は、後述する補助ロッカアーム5のロッド5cと係合する係合溝3eを備えており、この係合溝3eはロッカアーム3がロッカブリッジ2を押圧する方向と反対方向に開口するように形成される。
【0020】
排気カム4はカムシャフト10に軸支されており、このカムシャフトが回転することで排気カム4は排気ロッカアーム3を揺動する。排気ロッカアーム3は排気カム4のカムプロフィールにしたがって揺動されるが、このカムプロフィールは例えば図3に示す形状に形成される。
【0021】
補助ロッカアーム5は、排気ロッカアーム3と同様にロッカシャフト9を挿入するためのシャフト孔5aを備え、このシャフト孔5aに挿入されるロッカシャフト9で揺動可能に軸支される。また、補助ロッカアーム5は、そのカム側端部に、補助カムと当接する当接ローラ5bを備える。さらに、補助ロッカアーム5は、排気ロッカアーム3の係合溝3eと係合するロッド5cを備える。このロッド5cは、補助ロッカアーム5に形成されたロッド孔5dに出納可能に取り付けられる。
【0022】
図4は、ロッド孔5dへのロッド5c取り付け状態の詳細を示す。図4に示すように、ロッド5cは、後端にリブ部5ciを備えた円柱形状に形成される。一方、ロッド孔5dは、ロッド5cのリブ部5ciと略同径の円柱孔で形成され、その出口にはロッド脱落防止用の細径部5diを備える。また、ロッド孔5dは、ロッカシャフト9に設けられた油道9aを介して作動油を供給するための油通路5eを備える。さらに、ロッド孔5d内へのロッドの入り込みを防止するためのストッパー5fを備える。
【0023】
ロッド5cは、その先端部5ciiをロッド孔5dの細径部5diに挿入し、さらに、ロッド孔5dの細径部5diとロット5cのリブ部5ciとの間にロッドばね5gを備えて装着する。このロッドばね5gは拡張ばね形成されているため、油圧を付加しない状態でロッド5cはロッド孔5d中に収納されるが、このときロッド5cのリブ部5ciがストッパー5fに当接するので、それ以上ロッド孔5d中に入り込むことはない。そして、排気ブレーキ非作動時には油圧を付加せず、ロッド5cはロッド孔5d中に収納され、一方、排気ブレーキ作動時には、ロッカシャフト9の油道9a及び補助ロッカアーム5の油通路5eを介してロッド孔5dに作動油を供給して油圧を付加し、ロッド5cの後部をこの油圧で押圧して拡張バネ5gに反してロッド5cをロッド孔5dから突出させる。
【0024】
補助カム6は、排気カム4と同様にカムシャフト10で軸支され、このカムシャフト10の回転によって補助ロッカアーム5を揺動する。補助カム6のカムプロフィールは、排気ブレーキ作動時の排気カム1の開閉動作を決定するが、そのカムプロフィールは例えば図5に示す形状にする。
【0025】
次に、上記のように構成される本発明の排気バルブ制御装置の作動態様について図6及び図7を参照して説明する。図6は排気ブレーキ非作動時の状態を示し、また、図7は排気ブレーキ作動時の状態を示す。
【0026】
排気ブレーキを作動しないときは、図6に示すように、補助ロッカアーム5のロッド孔5dには作動油が供給されず、ロッド5cはロッド孔5d内に収納された状態で、排気ロッカアーム3と補助ロッカアーム5は連結されない。したがって、補助ロッカアーム5は補助カム6によって揺動されるが、その動きは排気ロッカアーム3に伝わらず、いわゆる空運動の状態となる。したがって、排気バルブ1の開閉は、排気カム4による排気ロッカアーム3の揺動によってのみ行なわれ、排気バルブ1は排気工程でのみ開弁される。
【0027】
排気ブレーキを作動したときは、図7に示すように、ロッカシャフト9の油道9a及び補助ロッカアーム5の油通路5eを介してロッド孔5dに作動油が供給され、これによって生じる油圧がロッド5cを押出し、ロッド5cをロット孔5dから突出させる。そして、この突出したロッド5cが排気ロッカアーム3の係合溝3eと係合する。したがって、補助カム6によって揺動する補助ロッカアーム5の動きは排気ロッカアーム3に伝達され、排気ロッカアーム3は排気カム4のみでなく補助ロッカアーム5(補助カム6)によって揺動される。すなわち、排気ロッカアーム3は、排気カム4と補助カム6のうち大きい揺動を生じさせる方にしたがって揺動されることになる。
【0028】
例えば、図8に示すように、排気カム4のカムプロフィールP(点線)と補助カム6のカムプロフィールQ(一点鎖線)のうち大きい揺動を生じさせる方を選択したカムプロフィールR(実線)として排気ロッカアーム3を揺動する。このときの排気バルブ1の開閉パターンを図9に示す。図9は、ピストン位置(横軸)に対する排気バルブ1の開度(縦軸)を実線で示した。すなわち、排気バルブ1は排気工程(−180°〜−0°)で全開、吸気工程(0°〜180°)で全閉、圧縮工程(180°〜360°)及び膨張工程(−360°〜−180°)で弱開となる。なお、同図の点線は吸気バルブの開閉パターンを示す。
【0029】
そして、この場合のエンジン燃焼室内の指圧線図(PV線図)を図10に示す。先ず、吸気工程では、吸気バルブを開弁した状態でピストンを下降させるため、圧力をほぼ大気圧としたまま体積を増加させる。次に、圧縮工程では、排気バルブ1を弱開してピストンを上昇させるため、排気バルブ1の隙間から若干の排気が行なわれ圧力は緩やかに上昇して、体積は減少する。次に、膨張工程では、排気バルブ1を弱開してピストンを下降させるため、排気バルブ1の隙間から若干の吸気が行なわれ圧力は緩やかに減少して、体積は増加する。そして、排気工程では、排気バルブ1を全開した状態でピストンを上昇させるため、圧力をほぼ大気圧としたまま体積を減少させる。このように、圧縮工程及び膨張工程で排気バルブ1を弱開にしてピストンを上昇下降させるので、排気バルブ1の隙間から抵抗を受けながら若干の排気及び吸気を行なうので、その抵抗を受ける分(図の斜線部分)だけ余分な仕事をすることとなり、これが制動力として働く。このように圧縮工程及び膨張工程で制動力を得るため、大きな制動力を得ることができる。
【0030】
上記説明では、補助ロッカアーム5に係合用のロッド5cを備えた例について説明したが、これに限定されるものではなく排気ロッカアーム3にロッドを備えて、これに係合する係合溝を補助ロッカアーム5に備えても良い。この場合、補助ロッカアームに備える係合溝は、排気バルブを押圧する方向に開口する係合溝で形成するとよい。このように形成することにより、容易に係合することができ、さらに、補助ロッカアーム5の排気バルブ押圧方向(開弁する方向)の揺動を確実に排気ロッカアームに伝えることができる。
【0031】
また、上記説明では、ロッド受部として係合溝を用いた例について説明したが、ロッド受部の構造はこれに限定されるものではなく、例えばロッドが差し込まれる係合穴であってもよい。
【0032】
さらに、上記説明では、補助カム6のカムプロフィールを、排気バルブが吸気工程以外で開弁するように形成した例について説明したがこれに限定されるものではなく、例えば図11に示すように形成して、排気バルブを吸気工程で閉弁し、かつ、吸気工程直後及び圧縮工程のピストン上死点付近で開弁するようにしてもよい。このときの排気バルブの開閉パターンは図12に示すようになる。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の排気バルブ制御装置は、上記のように構成されているので、排気ブレーキ作動時に補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝え、排気工程以外で排気バルブを開弁するので、排気工程以外で制動力を得ることができ、大きな制動力を得ることができる。また、ロッドと係合溝との係合により補助ロッカアームの揺動を排気ロッカアームに伝達して排気バルブを開閉するので、排気ロッカアームを排気弁の操作ができる位置まで延長したり、別部材を配置したりする必要が無い。したがって、省スペースを達成でき、しかも部品点数を極端に増加させることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気バルブ制御装置の一例を示す縦断側面図である。
【図2】本発明に係る排気バルブ制御装置の一例を示す平面図である。
【図3】本発明に係る排気カムのカムプロフィールの一例を示す図である。
【図4】ロッド孔へのロッドの取り付け状態の一例を示す詳細図である。
【図5】本発明に係る補助カムのカムプロフィールの一例を示す図である。
【図6】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ非作動時の状態の一例を説明する図である。
【図7】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の状態の一例を説明する図である。
【図8】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の排気ロッカアームの揺動を説明するための擬似カムプロフィールを示す図である。
【図9】本発明に係る排気バルブ制御装置の排気バルブの開閉パターンの一例を示す図である。
【図10】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の指圧線図(PV線図)である。
【図11】本発明の補助カムのカムプロフィールの他の一例を示す図である。
【図12】本発明の排気バルブ制御装置における排気ブレーキ作動時の排気バルブ開閉パターンの他の一例を示す図である。
【図13】従来の排気ブレーキを説明する図である。
【図14】従来の排気ブレーキの指圧線図(PV線図)である。
【符号の説明】
1 排気バルブ
2 ロッカブリッジ
3 排気ロッカアーム
3e 係合溝
4 排気カム
5 補助ロッカアーム
5c ロッド
6 補助カム
7 ロッカシャフト
Claims (5)
- 排気ブレーキを備えるエンジンにおける排気バルブの開閉を制御するための排気バルブ制御装置であって、
排気工程で排気バルブを開弁するためのカムプロフィールを有する排気カムと、
前記排気カムによって揺動し、排気工程で排気バルブを開弁する排気ロッカアームと、
排気ブレーキ作動時に排気バルブを開弁するためのカムプロフィールを有する補助カムと、
前記補助カムによって揺動する補助ロッカアームと、
前記排気ロッカアームと前記補助ロッカアームとの何れか一方に設けられた係合用のロッドと、
前記排気ロッカアームと前記補助ロッカアームとの何れか他方の前記ロッドと対応する位置に設けられたロッド受部と、を備え、
排気ブレーキ作動時には、前記ロッドを前期ロッド受部に係合して、前記補助ロッカアームの揺動を前記排気ロッカアームに伝達し、排気工程以外で前記排気バルブを開弁することを特徴とする排気バルブ制御装置。 - 前記ロッド受部を、断面凹形状の係合溝で形成したことを特徴とする請求項1に記載の排気バルブ制御装置。
- 前記補助カムのプロフィールを、排気バルブを吸気工程以外で開弁するように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気バルブ制御装置。
- 前記補助カムのプロフィールを、排気バルブを吸気工程で閉弁し、かつ、吸気工程直後及び圧縮工程のピストン上死点付近で開弁するように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気バルブ制御装置。
- 前記ロッドは、油圧により駆動することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の排気バルブ制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002248406A patent/JP2004084596A/ja active Pending
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