JP2004084287A - トイレ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】局部温水洗浄装置のポンプモータ9をPWM制御するように構成し、かつポンプモータ9の起動時にそのPWMの周波数を高くするようにした。また、脱臭ファンモータ17の出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、ポンプモータ9の駆動時や乾燥ファンモータ16の駆動時に脱臭ファンモータ17を低出力に切り換えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトイレ装置に関し、特に局部温水洗浄手段を備えたトイレ装置においてDC電源の小型化を図ったトイレ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、局部温水洗浄手段や乾燥手段や脱臭手段などを備えたトイレ装置は知られている。局部温水洗浄手段の洗浄水を加熱するヒータや乾燥手段のヒータは消費電力が大きいためにその電源としてAC100Vの商用電源がそのまま用いられ、局部温水洗浄手段のポンプモータや流量調整用モータや止水電磁弁、乾燥手段や脱臭手段のファンモータなどは、AC100Vの商用電源からDC電源回路を用いて得られたDC12〜24VのDC電源が用いられている。また、DC電源を用いる機器としては、上記以外にも暖房手段や冷房手段のファンモータ、便蓋や便座の電動開閉手段の開閉モータなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トイレ装置に要求される機能が増加するのに伴って、DC電源回路として電力容量の大きなものが要求されることになるが、DC電源回路は電力容量の増加に応じて設置スペース及びコストがほぼ比例的に増加するため、大きなスペースが必要になるとともにコスト高になるという問題がある。そこで、各種手段の機能を阻害することなく、できるだけDC電力の省電力化を図ることが求められる。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、DC電力の省電力化を図り、DC電源回路のスペース及びコストを抑制したトイレ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のトイレ装置は、局部温水洗浄手段を備えたトイレ装置において、局部温水洗浄装置のポンプモータをPWM制御するように構成し、かつポンプモータ起動時にそのPWMの周波数を高くしたものであり、ポンプモータ起動時にPWMの周波数を高くすることにより、PWMの1パルス幅が狭くなることでその間に立ち上がる電流値の最大限を低くでき、そのためモータ起動時の突入電流の上限値が低減され、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、DC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。例えば、通常制御時はPWMの周波数として2KHzを採用し、ポンプモータの起動時の所定時間のみ3KHzとすることにより、起動時の最大電流値を30〜40%低減することができる。
【0006】
また、請求項2記載のトイレ装置は、局部温水洗浄手段と脱臭手段を備えたトイレ装置において、脱臭手段のファンモータの出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、局部温水洗浄装置のポンプモータ駆動時に脱臭手段のファンモータを低出力に切り換えるようにしたものであり、ポンプモータの駆動中に脱臭用のファンモータの出力を小さくすることで、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、またこのように脱臭手段のファンモータの出力を低下しても、ポンプモータを駆動するときには用便が終了し、すでに便が完全に水中に浸漬している状態になっているため、脱臭効果が大きく阻害されて不快感が増すというようなこともなく、脱臭機能を阻害することなくDC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【0007】
また、請求項3記載のトイレ装置は、局部温水洗浄手段と脱臭手段と乾燥手段を備えたトイレ装置において、脱臭手段のファンモータの出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、乾燥手段のファンモータ駆動時に脱臭手段のファンモータを低出力に切り換えるようにしたものであり、乾燥用ファンモータの駆動中に脱臭用のファンモータの出力を小さくすることで、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、またこのように脱臭手段のファンモータの出力を低下しても、乾燥用のファンモータを駆動するときには用便が終了し、すでに便が完全に水中に浸漬している状態になっているため、脱臭効果が大きく阻害されて不快感が増すというようなこともなく、脱臭機能を阻害することなくDC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトイレ装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0009】
トイレ装置は、周知のように、便器の上面後部に本体部を設置し、本体部の前端部に便座及び便蓋を便器上に設置された姿勢と上方に開いた状態との間で上下回動可能に装着し、本体部の後部に水タンクを配設し、その前部に局部温水洗浄手段を配設して構成されている。
【0010】
局部温水洗浄手段は、図1に示すように、止水電磁弁1と、流量検出手段2と、入水温度検出手段(TSI)3と、洗浄水を所望の温度に加熱するヒータ4と、出水温度検出手段(TSO)5と、洗浄水を送給するポンプ6と、流量切換弁7と、局部に向けて洗浄水を噴出するノズル手段8にて構成されている。ポンプ6はPWM駆動制御されるポンプモータ9にて駆動し、流量切換弁7は弁切換モータ10にて駆動し、ノズル手段8は位置調整モータ11にてその前後位置を調整できるように構成されている。
【0011】
また、便座には、使用者が着座したことを検出する着座センサ12と、便座を暖房するための便座ヒータ13と、便座温センサ14が配設されている。また、本体部には、洗浄後に局部に熱風を送風して乾燥するための乾燥ヒータ15及び乾燥ファンモータ16と、脱臭を行う脱臭器(図示せず)と脱臭器に雰囲気を吸引して送り込む脱臭ファンモータ17と、トイレ室の暖房を行うための暖房ヒータ18及び暖房ファンモータ19と、室温を検出する室温センサ20とが設けられている。
【0012】
21は制御部で、リモコン22から動作指令を受けるとともに動作状態の表示をリモコン22上の表示部に表示するように構成されている。制御部21には流量検出手段2、入水温度検出手段3、出水温度検出手段5、着座センサ12、便座温センサ14、及び室温センサ20からの検出信号が入力されている。制御部21は、これらの検出信号とリモコン22からの動作指令に基づいて、AC駆動制御部23を制御してAC電源にてヒータ4、便座ヒータ13、乾燥ヒータ15、暖房ヒータ18を作動制御し、DC駆動制御部24を制御してDC電源にて止水電磁弁1、ポンプモータ9、弁切換モータ10、位置調整モータ11、乾燥ファンモータ16、脱臭ファンモータ17、暖房ファンモータ19を作動制御するように構成されている。
【0013】
主な動作を説明すると、使用者が便座上に着座すると、着座センサ12にて検出され、それに基づいて脱臭ファンモータ17が動作を開始するとともに、止水電磁弁1が開弁される。なお、便座の暖房スイッチやトイレ室の暖房スイッチがオンされている場合は、便座温センサ14や室温センサ20の検出信号とそれらの設定温度とに基づいて便座ヒータ13や暖房ヒータ18及び暖房ファンモータ19に対する動作制御が行われる。
【0014】
次いで、用便が終わってリモコン22の洗浄スイッチが押されると、洗浄水の設定水温及び噴出水量と、流量検出手段2、入水温度検出手段3及び出水温度検出手段5からの検出信号に応じて、ヒータ4とポンプモータ9と弁切換モータ10に対する動作制御が行われ、ノズル手段8から局部に向けて所望温度、所望噴出量の洗浄水が噴出され、洗浄が行われる。その後、停止スイッチを押すことで、洗浄は終了する。
【0015】
次に、乾燥スイッチが押されると、乾燥ヒータ15及び乾燥ファンモータ16に対する動作制御を行われ、停止スイッチが押されるまで継続される。その後、使用者が便座から立ち上がると、着座センサ12にて検出され、止水電磁弁1が閉弁されるとともに、所定時間後に脱臭ファンモータ17が停止され、初期状態に復帰する。
【0016】
次に、本実施形態に特徴的な構成と動作を説明する。DC駆動制御部24は、脱臭ファンモータ17の駆動出力を「ハイ」と「ロー」の高低2段階に切換可能に構成されている。また、ポンプモータ9を2KHzの周波数のパルスにてPWM駆動制御を行うとともに、起動時には、所定時間だけPWM駆動制御の周波数を3KHzに切り換えるように構成されている。
【0017】
洗浄動作時には、図2に示すように、着座センサ12がオンすると、脱臭ファンモータ17は「ハイ」出力で駆動され、強力な脱臭作用が発揮され、その状態で用便が行われる。次に、用便が終了して洗浄スイッチがオンされると、ポンプモータ9のPWM駆動制御の周波数が2KHzから3KHzに切り換えられた後、その状態でポンプモータ9が起動される。
【0018】
このようにポンプモータ9の起動時にPWMのパルス周波数を2KHzから3KHzに切り換えることにより、モータ起動時に流れる突入電流を大幅に低減することができる。すなわち、パルス周波数が2KHzの場合、図3(a)に示すようなパルス幅w1 の間に、図3(b)に示すように、電流値が大きな勾配で上昇し、最大電流値が所定の電流値Aを越えてしまうが、パルス周波数を3KHzにすることで、図3(c)に示すようなパルス幅w2 となり、その間に電流値が大きな勾配で上昇しても最大電流値は、図3(d)に示すように、所定の電流値A以下に抑えることができる。なお、パルス周波数は、ポンプモータ9の起動時の所定時間、例えば数秒間のみ、3KHzに切り換えられ、その後は自動的に2KHzに復帰し、共振周波数帯域が避けられている。
【0019】
また、ポンプモータ9のオンに先立って、又は同時に、脱臭ファンモータ17が「ロー」出力に切り換えられる。このように、脱臭ファンモータ17の出力を低下させても、既に用便が終了して便は便器の水中に浸漬しているので、脱臭作用が不充分で不快感を与えてしまうというようなことはない。その後停止スイッチが押されて洗浄スイッチがオフすると、ポンプモータ9が停止するとともに脱臭ファンモータ17は「ハイ」出力に復帰される。
【0020】
次に、乾燥スイッチが押されると、乾燥ファンモータ16がオンされ、局部に向けて乾燥ヒータ15にて加熱された空気が送風され、局部が乾燥される。それと同時に脱臭ファンモータ17が、再び「ロー」出力に切り換えられる。乾燥が終わって、停止スイッチが押されると、乾燥ファンモータ16がオフされるとともに、脱臭ファンモータ17は「ハイ」出力に復帰される。その後、使用者が便座から立ち上がると、着座センサ12にて検出され、その後所定時間経過した後脱臭ファンモータ17がオフされる。
【0021】
以上の本実施形態によれば、ポンプモータ9の起動時にPWMの周波数を高くすることにより、PWMの1パルス幅が狭くなってその間に立ち上がる電流値の最大限が低くなるため、モータ起動時の突入電流の上限値を低減でき、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、DC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。また、ポンプモータ9の起動後、PWMの周波数を低くすることにより、ポンプの共鳴音を低く抑えることができる。
【0022】
また、脱臭ファンモータ17の出力を「ハイ」と「ロー」の2段階に切り換え可能に構成し、ポンプモータ9の駆動時に脱臭ファンモータ17の出力を「ロー」に切り換えるようにしているので、ポンプモータ9の駆動中に脱臭ファンモータ17の出力を小さくすることで、その分DC電源回路の最大出力を低減でき、上記のように脱臭機能を阻害することなくDC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【0023】
また、同様に乾燥ファンモータ16の駆動時にも、脱臭ファンモータ17の出力を「ロー」に切り換えるようにしているので、乾燥ファンモータ16の駆動中に脱臭ファンモータ17の出力を小さくすることで、その分DC電源回路の最大出力を低減でき、上記のように脱臭機能を阻害することなくDC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のトイレ装置によれば、ポンプモータ起動時にPWMの周波数を高くすることにより、PWMの1パルス幅が狭くなることでその間に立ち上がる電流値の最大限が低くなるため、モータ起動時の突入電流の上限値が低減され、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、DC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【0025】
また、脱臭手段のファンモータの出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、ポンプモータの駆動中に脱臭用のファンモータの出力を小さくすることで、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、またポンプモータを駆動するときにすでに便が完全に水中に浸漬している状態になっているため脱臭効果が大きく阻害されるというようなこともなく、脱臭機能を阻害することなくDC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【0026】
また、脱臭手段のファンモータの出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、乾燥用ファンモータの駆動中に脱臭用のファンモータの出力を小さくすることで、その分DC電源回路の最大電力を低減でき、また乾燥用のファンモータを駆動するときにすでに便が完全に水中に浸漬している状態になっているため脱臭効果が大きく阻害されるというようなこともなく、脱臭機能を阻害することなくDC電源回路のスペース及びコストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトイレ装置の一実施形態における制御ブロック図である。
【図2】同実施形態における運転制御のタイミング図である。
【図3】同実施形態においてPWM周波数を可変することによるポンプモータ起動時の電流低減効果の説明図である。
【符号の説明】
9 ポンプモータ
16 乾燥ファンモータ
17 脱臭ファンモータ
Claims (3)
- 局部温水洗浄手段を備えたトイレ装置において、局部温水洗浄装置のポンプモータをPWM制御するように構成し、かつポンプモータ起動時にそのPWMの周波数を高くしたことを特徴とするトイレ装置。
- 局部温水洗浄手段と脱臭手段を備えたトイレ装置において、脱臭手段のファンモータの出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、局部温水洗浄装置のポンプモータ駆動時に脱臭手段のファンモータを低出力に切り換えるようにしたことを特徴とするトイレ装置。
- 局部温水洗浄手段と脱臭手段と乾燥手段を備えたトイレ装置において、脱臭手段のファンモータの出力を高低の複数段階に切り換え可能に構成し、乾燥手段のファンモータ駆動時に脱臭手段のファンモータを低出力に切り換えるようにしたことを特徴とするトイレ装置。
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