JP2004083348A - 水素発生装置の停止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素発生装置内に残留する可燃性ガスを、効率的にパージすることのできる水素発生装置の停止方法を提供する。
【解決手段】水蒸気供給工程により、水蒸気を改質触媒11に供給して、改質触媒11及びCO変成触媒12内を水蒸気で充填させ、改質触媒11及びCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給工程により、空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内を空気で充填させ、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージする。
【選択図】 図1
【解決手段】水蒸気供給工程により、水蒸気を改質触媒11に供給して、改質触媒11及びCO変成触媒12内を水蒸気で充填させ、改質触媒11及びCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給工程により、空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内を空気で充填させ、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系の原燃料を、水素リッチな改質ガスに改質して出力する水素発生装置において、その停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、炭化水素系の原燃料を水素リッチな改質ガスに改質して出力する水素発生装置がある。図3に示すように、この水素発生装置10は、改質触媒11と、CO変成触媒12と、CO酸化触媒13と、改質触媒11を加熱する燃焼部14と、改質触媒11及びCO変成触媒12を連通させる配管151と、CO変成触媒12及びCO酸化触媒13を連通させる配管152と、配管152に接続されてCO酸化触媒13内に空気を供給する空気供給配管16とを備えて形成されている。このような水素発生装置10は、例えば、図4に示すような燃料電池発電システム1において、水素を利用して直流電力を発電する発電部20と、直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ30と共に用いられる。
【0003】
この水素発生装置10は、プロパンガス等の炭化水素系の原燃料を、以下のような動作により、水素リッチな改質ガスに改質して出力する。図3を参考にして、その動作を説明すると、まず、原燃料のプロパンガスが供給されると、そのプロパンガスを改質触媒11内に流通させる。改質触媒11は、そのプロパンガスを、水蒸気を利用した水蒸気改質反応により、水素を主成分とするガスに改質する。このガスは、主成分が水素で、副成分にCO2、CO、水蒸気を含有する。
このガス中の水素成分の比率を高くして、さらに水素リッチにすると共に、発電部20にとって有毒なCOの量を低減するため、改質触媒11で処理したガスを、配管151を介してCO変成触媒12に供給する。CO変成触媒12は、CO変成反応により、このガスに含有されるCOをCO2に変成すると共に、水素を生成する。さらに、このCO変成触媒12で処理したガスを、配管152を介してCO酸化触媒13に流通させる。CO酸化触媒13は、そのガス中に未だ残存するCOと、空気供給配管16から供給される空気とを反応させ、CO2に酸化する。水素発生装置10では、このような動作により、プロパンガスを水素リッチな改質ガスに改質して出力している。
【0004】
しかし、この水素発生装置10においては、生成する改質ガスが、水素を主成分とする可燃性ガスであるため、その取り扱いを慎重に行うことが必要となる。特に、水素発生装置10の運転停止時に、可燃性ガスが、各触媒11,12,13内、配管151,152内等に残留していると、その残留ガス中の可燃成分が何らかの原因で引火して爆発する、という危険性もある。そこで、この問題を解決するため、窒素等の不活性ガスや、空気、燃焼排ガスを、パージ用のガスとして水素発生装置10内に充填することにより、残留した可燃性ガスをパージするものがある。しかしながら、不活性ガスを利用するものでは、その不活性ガスを水素発生装置10内に供給するためのガスボンベを、新たに水素発生装置10に設けることが必要となる。これにより、水素発生装置10が複雑化すると共に、水素発生装置10の管理に加え、そのガスボンベのメンテナンス等の管理をも行うことが必要となるなど、管理が煩雑化してしまうという問題がある。
【0005】
また、パージ用ガスに空気や燃焼排ガスを用いるものでは、水素発生装置10の稼動中に使用している空気や、燃焼部14から排出される燃焼排ガスを活用するようにすればよいため、新たにガスボンベ等を配設する必要はなくなるが、空気や燃焼排ガスを供給する配管等を新たに接続することが必要となり、やはり水素発生装置10の構成が複雑化してしまい、管理にかかる手間が増大する。このようなパージ用ガスに空気を利用したものに、特開2002−8701号公報の固体高分子型燃料電池の停止方法がある。
【0006】
この固体高分子型燃料電池の停止方法では、パージ用ガスに、空気と水蒸気とを利用しており、その運転停止時には、まず、水素を生成する改質装置内に、水蒸気を流通させて残留ガスをパージし、その後、改質装置内の改質触媒が、空気により酸化劣化しないように、改質触媒の温度がその酸化温度以下になるまで待機した後で、原燃料を供給する配管を介して、改質装置内に空気を充填し、改質装置内の水蒸気をパージするようにしている。これにより、改質装置内から残留ガスをパージして除去すると共に、改質触媒の劣化を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この停止方法では、水蒸気を改質装置内の全体に充填させることが必要となるため、使用する水蒸気の量が大量となり、また、その大量の水蒸気を発生させるために必要なエネルギー量も膨大となる。さらに、改質触媒の温度が酸化温度以下になるまで、改質装置内に空気を導入することができないため、可燃性ガスのパージ終了までにかかる時間が、その冷却時間分だけ延びてしまい、システムが停止するまでの停止動作時間が増大してしまう、という問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水素発生装置内に残留する可燃性ガスを、より効率的にパージすることのできる水素発生装置の停止方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒及び前記CO変成触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒及びCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記空気供給手段から前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージすることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した第1の空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒で処理したガスの前記CO変成触媒への流路に第2の空気供給手段を設け、前記改質触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第2の空気供給手段から前記CO変成触媒に空気を供給して、そのCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第1又は第2の空気供給手段のうち少なくともいずれか一方から、前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージすることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明において、前記CO変成触媒は、貴金属を担持した金属酸化物よりなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の請求項1に係る水素発生装置の停止方法における一実施の形態を、図1を参照して以下に説明する。図1に示すように、この水素発生装置10の停止方法は、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給して、その改質触媒11及びCO変成触媒12内の可燃性ガスをパージし(水蒸気供給工程)、その後、空気供給手段としての空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージする(空気供給工程)ようにしている。
【0013】
水蒸気供給工程では、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給して、その改質触媒11及びCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージする。改質触媒11とCO変成触媒12とは、配管151を介して連通しているので、改質触媒11に水蒸気を供給するだけで、配管151を介して、自動的にCO変成触媒12にも水蒸気を供給することができる。従って、水蒸気は、改質触媒11から供給するようにすればよいのであるが、水素発生装置10の稼動状態においては、水蒸気と原燃料とが、その改質触媒11に供給されている。そこで、水素発生装置10の停止動作時には、稼動状態において供給している水蒸気と原燃料のうち、水蒸気の供給は継続させたまま、原燃料の供給を停止するようにすれば、この水蒸気供給に関わる操作を簡略化でき、好ましい。原燃料の供給を停止したことにより、改質触媒11における水蒸気改質反応も停止する。また、このとき、燃焼部14に供給している燃焼ガスと空気の供給も停止して、その燃焼部14における燃焼反応も停止するようにすればよい。
【0014】
原燃料の供給停止後、改質触媒11及びCO変成触媒12内が水蒸気で充填されるよう、例えば、水蒸気を液体換算で10cc/minの流量で2分間供給する。水蒸気供給の開始からの時間経過に伴って、改質触媒11内には水蒸気が充填されていく。また、改質触媒11を流通した水蒸気は、配管151を介して、CO変成触媒12内に至り、CO変成触媒12内を流通する。2分間の水蒸気供給の後には、改質触媒11及びCO変成触媒12内は、水蒸気が充填された状態となり、残留していた可燃性ガスはパージされている。以上のようにして、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給することで、改質触媒11及びCO変成触媒12及び配管151内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。なお、この水蒸気供給の間、改質触媒11及びCO変成触媒12の触媒の温度を200℃以上に維持していたが、この温度維持には、燃焼反応の停止した燃焼部14の余熱を利用するようにすればよい。
【0015】
なお、CO変成触媒12には、金属酸化物としてのZrO2(ジルコニア)に、貴金属としてのPt(白金)及びRe(レニウム)を担持させた触媒を用いている。CO変成触媒12として、このような、貴金属を担持した金属酸化物よりなる触媒を用いることで、CO変成触媒12内に空気が供給されて、その空気が高温状態のCO変成触媒12に接触するような場合においても、CO変成触媒12が酸化して劣化するという問題は起こりにくくなる。また、改質触媒11には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的なCO変成反応の触媒を利用することができる。
【0016】
空気供給工程では、空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージする。このCO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージするために用いられる空気は、CO選択酸化反応で使用される空気供給配管16から供給されるので、新たに配管等を設けなくてもよい。この空気供給配管16は、CO変成触媒12で処理されたガスのCO酸化触媒13への流路としての配管152に接続して設けられている。
【0017】
そこで、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスがパージされるよう、空気供給配管16からCO酸化触媒13に、例えば、空気を3L/minの流量で2分間供給する。これにより、CO酸化触媒13内に空気を十分充填することができ、CO酸化触媒13内に残存した可燃性ガスをパージすることができる。なお、CO酸化触媒13には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)及びPt(白金)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的なCO酸化反応の触媒を利用することができる。
【0018】
上記の水蒸気供給工程及び空気供給工程を経ることにより、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスをパージできたので、水素発生装置10の停止動作を終了する。このような停止動作を行うと、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスの水素ガス濃度を例えば、0.5%以下とすることが可能である。
【0019】
以上のように、水素発生装置10の停止動作時に、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給して、改質触媒11及びCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を導入して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージするので、水素発生装置10の停止動作時に、水素発生装置10内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる。
【0020】
(第2実施形態)
本発明の請求項2に係る水素発生装置の停止方法における一実施の形態を、図2を参照して以下に説明する。図2に示すように、この水素発生装置10の停止方法は、CO変成触媒12に空気を供給する第2の空気供給手段としての空気供給配管17を設け、改質触媒11に水蒸気を供給して、改質触媒11内の可燃性ガスをパージし(水蒸気供給工程)、その後、空気供給配管17からCO変成触媒12に空気を供給して、CO変成触媒12内の可燃性ガスをパージし(第1空気供給工程)、その後、空気供給配管17又は第1の空気供給手段としての空気供給配管16のうち、少なくともいずれか一方からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージする(第2空気供給工程)ようにしている。
【0021】
水蒸気供給工程では、改質触媒11に水蒸気を供給して、その改質触媒11内に残留した可燃性ガスをパージする。改質触媒11に水蒸気を供給する際には、水素発生装置10の稼動状態において、水蒸気と原燃料とが、その改質触媒11に供給されていることを利用すれば、この水蒸気供給に関わる操作を簡略化でき、好ましい。これは、水素発生装置10の稼動状態においては、改質触媒11に、水蒸気と原燃料とが供給されているため、その停止動作時に、水蒸気の供給は継続する一方で、原燃料の供給を停止するようにするだけで、改質触媒11に、水蒸気を供給することができると共に、水蒸気改質反応を停止させることができる。また、このとき、燃焼部14に供給している燃焼ガスと空気の供給も停止して、その燃焼部14における燃焼反応も停止するようにすればよい。
【0022】
原燃料の供給停止後、改質触媒11内が水蒸気で充填されるよう、例えば、水蒸気を液体換算で10cc/minの流量で2分間供給する。水蒸気供給の開始からの時間経過に伴って、水蒸気は、改質触媒11内に充填されていくと共に、その一部は、配管151内を通過してCO変成触媒12内に至る。2分間の水蒸気供給の後には、改質触媒11内は、水蒸気が充填された状態となり、残留していた可燃性ガスはパージされている。以上のようにして、改質触媒11に水蒸気を供給することで、改質触媒11及び配管151内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。なお、この水蒸気供給の間、改質触媒11及びCO変成触媒12の温度を200℃以上に維持していたが、この温度維持には、燃焼反応の停止した燃焼部14の余熱を利用するようにすればよい。なお、改質触媒11には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的な改質反応の触媒を利用することができる。
【0023】
第1空気供給工程では、空気供給配管17からCO変成触媒12に空気を供給して、そのCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージする。CO変成触媒12には、金属酸化物としてのZrO2(ジルコニア)に、貴金属としてのPt(白金)及びRe(レニウム)を担持させた触媒を用いている。CO変成触媒12として、このような、貴金属を担持した金属酸化物よりなる触媒を用いることで、CO変成触媒12内に空気が供給されて、その空気が高温状態のCO変成触媒12に接触するような場合においても、CO変成触媒12が酸化して劣化するという問題は起こりにくくなる。
【0024】
また、CO変成触媒12に空気を供給するため、改質触媒11で処理したガスのCO変成触媒12への流路としての配管151に、空気供給配管17を接続している。この空気供給配管17は、配管151と外気側とを連通させるように設けられていると共に、改質触媒11で処理されたガスが、CO変成触媒12に至る途中で、この空気供給配管17から外気側に漏れ出さないように、気体を一方向のみに流通させる空気弁が内設されている。また、空気供給配管17の外気側の端部に、空気を充填したタンクを設けておき、配管151とタンクとを連通させるようにしてもよい。
【0025】
そこで、CO変成触媒12内に残留した可燃性ガスがパージされるよう、空気供給配管17からCO変成触媒12に、例えば、空気を3L/minの流量で2分間供給する。これにより、CO変成触媒12内に空気を十分充填させることができ、CO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。
【0026】
第2空気供給工程では、空気供給配管16又は空気供給配管17のうち、少なくともいずれか一方からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージする。この空気供給配管16は、CO変成触媒12で処理されたガスのCO酸化触媒13への流路としての配管152に接続して設けられている。
【0027】
そこで、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスがパージされるよう、空気供給配管16からCO酸化触媒13に、例えば、空気を3L/minの流量で2分間供給する。これにより、CO酸化触媒13内に空気を十分充填でき、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。
【0028】
また、このCO酸化触媒13は、配管152を介してCO変成触媒12と連通しているので、空気供給配管17から、CO酸化触媒13に空気を供給するようにしても、CO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージすることができる。さらに、空気供給配管16及び空気供給配管17の双方から、CO酸化触媒13に空気を供給するようにしてもよい。このように、空気供給配管16及び空気供給配管17の双方を用いて、空気を供給するようにすれば、CO酸化触媒13だけでなくCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをも、より確実にパージすることができ、好ましい。なお、CO酸化触媒13には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)及びPt(白金)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的なCO選択酸化反応の触媒を利用することができる。
【0029】
上記の水蒸気供給工程及び第1空気供給工程及び第2空気供給工程を経ることにより、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスをパージできたので、水素発生装置10の停止動作を終了する。このような停止動作を行うと、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスの水素ガス濃度を、例えば、0.5%以下とすることが可能である。
【0030】
以上のように、CO変成触媒12に空気を供給する空気供給配管17を設け、水素発生装置10の停止動作時に、改質触媒11に水蒸気を供給して、改質触媒11内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給配管17からCO変成触媒12に空気を供給して、CO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給配管16又は空気供給配管17のうち、少なくともいずれか一方からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージするので、水素発生装置10の停止動作時に、水素発生装置10内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒及び前記CO変成触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒及びCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記空気供給手段から前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージするので、水素発生装置内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる、という効果を奏する。
【0033】
本発明の請求項2に記載の水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した第1の空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒で処理したガスの前記CO変成触媒への流路に第2の空気供給手段を設け、前記改質触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第2の空気供給手段から前記CO変成触媒に空気を供給して、そのCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第1又は第2の空気供給手段のうち少なくともいずれか一方から、前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージするので、水素発生装置内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる、という効果を奏する。
【0034】
本発明の請求項3記載の水素発生装置の停止方法によれば、前記CO変成触媒は、貴金属を担持した金属酸化物よりなるので、上記の効果に加えて、CO変成触媒に空気が導入されたときに、そのCO変成触媒を酸化劣化し難くくすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る水素発生装置の停止方法の一実施の形態を示す図である
【図2】本発明の請求項2に係る水素発生装置の停止方法の一実施の形態を示す図である
【図3】従来の水素発生装置を示す図である
【図4】上記従来の水素発生装置を備えた燃料電池発電システムの概略図である
【符号の説明】
10 水素発生装置
11 改質触媒
12 CO変成触媒
13 CO酸化触媒
16 空気供給配管
17 空気供給配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系の原燃料を、水素リッチな改質ガスに改質して出力する水素発生装置において、その停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、炭化水素系の原燃料を水素リッチな改質ガスに改質して出力する水素発生装置がある。図3に示すように、この水素発生装置10は、改質触媒11と、CO変成触媒12と、CO酸化触媒13と、改質触媒11を加熱する燃焼部14と、改質触媒11及びCO変成触媒12を連通させる配管151と、CO変成触媒12及びCO酸化触媒13を連通させる配管152と、配管152に接続されてCO酸化触媒13内に空気を供給する空気供給配管16とを備えて形成されている。このような水素発生装置10は、例えば、図4に示すような燃料電池発電システム1において、水素を利用して直流電力を発電する発電部20と、直流電力を交流電力に変換して出力するインバータ30と共に用いられる。
【0003】
この水素発生装置10は、プロパンガス等の炭化水素系の原燃料を、以下のような動作により、水素リッチな改質ガスに改質して出力する。図3を参考にして、その動作を説明すると、まず、原燃料のプロパンガスが供給されると、そのプロパンガスを改質触媒11内に流通させる。改質触媒11は、そのプロパンガスを、水蒸気を利用した水蒸気改質反応により、水素を主成分とするガスに改質する。このガスは、主成分が水素で、副成分にCO2、CO、水蒸気を含有する。
このガス中の水素成分の比率を高くして、さらに水素リッチにすると共に、発電部20にとって有毒なCOの量を低減するため、改質触媒11で処理したガスを、配管151を介してCO変成触媒12に供給する。CO変成触媒12は、CO変成反応により、このガスに含有されるCOをCO2に変成すると共に、水素を生成する。さらに、このCO変成触媒12で処理したガスを、配管152を介してCO酸化触媒13に流通させる。CO酸化触媒13は、そのガス中に未だ残存するCOと、空気供給配管16から供給される空気とを反応させ、CO2に酸化する。水素発生装置10では、このような動作により、プロパンガスを水素リッチな改質ガスに改質して出力している。
【0004】
しかし、この水素発生装置10においては、生成する改質ガスが、水素を主成分とする可燃性ガスであるため、その取り扱いを慎重に行うことが必要となる。特に、水素発生装置10の運転停止時に、可燃性ガスが、各触媒11,12,13内、配管151,152内等に残留していると、その残留ガス中の可燃成分が何らかの原因で引火して爆発する、という危険性もある。そこで、この問題を解決するため、窒素等の不活性ガスや、空気、燃焼排ガスを、パージ用のガスとして水素発生装置10内に充填することにより、残留した可燃性ガスをパージするものがある。しかしながら、不活性ガスを利用するものでは、その不活性ガスを水素発生装置10内に供給するためのガスボンベを、新たに水素発生装置10に設けることが必要となる。これにより、水素発生装置10が複雑化すると共に、水素発生装置10の管理に加え、そのガスボンベのメンテナンス等の管理をも行うことが必要となるなど、管理が煩雑化してしまうという問題がある。
【0005】
また、パージ用ガスに空気や燃焼排ガスを用いるものでは、水素発生装置10の稼動中に使用している空気や、燃焼部14から排出される燃焼排ガスを活用するようにすればよいため、新たにガスボンベ等を配設する必要はなくなるが、空気や燃焼排ガスを供給する配管等を新たに接続することが必要となり、やはり水素発生装置10の構成が複雑化してしまい、管理にかかる手間が増大する。このようなパージ用ガスに空気を利用したものに、特開2002−8701号公報の固体高分子型燃料電池の停止方法がある。
【0006】
この固体高分子型燃料電池の停止方法では、パージ用ガスに、空気と水蒸気とを利用しており、その運転停止時には、まず、水素を生成する改質装置内に、水蒸気を流通させて残留ガスをパージし、その後、改質装置内の改質触媒が、空気により酸化劣化しないように、改質触媒の温度がその酸化温度以下になるまで待機した後で、原燃料を供給する配管を介して、改質装置内に空気を充填し、改質装置内の水蒸気をパージするようにしている。これにより、改質装置内から残留ガスをパージして除去すると共に、改質触媒の劣化を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この停止方法では、水蒸気を改質装置内の全体に充填させることが必要となるため、使用する水蒸気の量が大量となり、また、その大量の水蒸気を発生させるために必要なエネルギー量も膨大となる。さらに、改質触媒の温度が酸化温度以下になるまで、改質装置内に空気を導入することができないため、可燃性ガスのパージ終了までにかかる時間が、その冷却時間分だけ延びてしまい、システムが停止するまでの停止動作時間が増大してしまう、という問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水素発生装置内に残留する可燃性ガスを、より効率的にパージすることのできる水素発生装置の停止方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒及び前記CO変成触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒及びCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記空気供給手段から前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージすることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した第1の空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒で処理したガスの前記CO変成触媒への流路に第2の空気供給手段を設け、前記改質触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第2の空気供給手段から前記CO変成触媒に空気を供給して、そのCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第1又は第2の空気供給手段のうち少なくともいずれか一方から、前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージすることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明において、前記CO変成触媒は、貴金属を担持した金属酸化物よりなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の請求項1に係る水素発生装置の停止方法における一実施の形態を、図1を参照して以下に説明する。図1に示すように、この水素発生装置10の停止方法は、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給して、その改質触媒11及びCO変成触媒12内の可燃性ガスをパージし(水蒸気供給工程)、その後、空気供給手段としての空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージする(空気供給工程)ようにしている。
【0013】
水蒸気供給工程では、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給して、その改質触媒11及びCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージする。改質触媒11とCO変成触媒12とは、配管151を介して連通しているので、改質触媒11に水蒸気を供給するだけで、配管151を介して、自動的にCO変成触媒12にも水蒸気を供給することができる。従って、水蒸気は、改質触媒11から供給するようにすればよいのであるが、水素発生装置10の稼動状態においては、水蒸気と原燃料とが、その改質触媒11に供給されている。そこで、水素発生装置10の停止動作時には、稼動状態において供給している水蒸気と原燃料のうち、水蒸気の供給は継続させたまま、原燃料の供給を停止するようにすれば、この水蒸気供給に関わる操作を簡略化でき、好ましい。原燃料の供給を停止したことにより、改質触媒11における水蒸気改質反応も停止する。また、このとき、燃焼部14に供給している燃焼ガスと空気の供給も停止して、その燃焼部14における燃焼反応も停止するようにすればよい。
【0014】
原燃料の供給停止後、改質触媒11及びCO変成触媒12内が水蒸気で充填されるよう、例えば、水蒸気を液体換算で10cc/minの流量で2分間供給する。水蒸気供給の開始からの時間経過に伴って、改質触媒11内には水蒸気が充填されていく。また、改質触媒11を流通した水蒸気は、配管151を介して、CO変成触媒12内に至り、CO変成触媒12内を流通する。2分間の水蒸気供給の後には、改質触媒11及びCO変成触媒12内は、水蒸気が充填された状態となり、残留していた可燃性ガスはパージされている。以上のようにして、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給することで、改質触媒11及びCO変成触媒12及び配管151内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。なお、この水蒸気供給の間、改質触媒11及びCO変成触媒12の触媒の温度を200℃以上に維持していたが、この温度維持には、燃焼反応の停止した燃焼部14の余熱を利用するようにすればよい。
【0015】
なお、CO変成触媒12には、金属酸化物としてのZrO2(ジルコニア)に、貴金属としてのPt(白金)及びRe(レニウム)を担持させた触媒を用いている。CO変成触媒12として、このような、貴金属を担持した金属酸化物よりなる触媒を用いることで、CO変成触媒12内に空気が供給されて、その空気が高温状態のCO変成触媒12に接触するような場合においても、CO変成触媒12が酸化して劣化するという問題は起こりにくくなる。また、改質触媒11には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的なCO変成反応の触媒を利用することができる。
【0016】
空気供給工程では、空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージする。このCO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージするために用いられる空気は、CO選択酸化反応で使用される空気供給配管16から供給されるので、新たに配管等を設けなくてもよい。この空気供給配管16は、CO変成触媒12で処理されたガスのCO酸化触媒13への流路としての配管152に接続して設けられている。
【0017】
そこで、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスがパージされるよう、空気供給配管16からCO酸化触媒13に、例えば、空気を3L/minの流量で2分間供給する。これにより、CO酸化触媒13内に空気を十分充填することができ、CO酸化触媒13内に残存した可燃性ガスをパージすることができる。なお、CO酸化触媒13には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)及びPt(白金)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的なCO酸化反応の触媒を利用することができる。
【0018】
上記の水蒸気供給工程及び空気供給工程を経ることにより、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスをパージできたので、水素発生装置10の停止動作を終了する。このような停止動作を行うと、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスの水素ガス濃度を例えば、0.5%以下とすることが可能である。
【0019】
以上のように、水素発生装置10の停止動作時に、改質触媒11及びCO変成触媒12に水蒸気を供給して、改質触媒11及びCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給配管16からCO酸化触媒13に空気を導入して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージするので、水素発生装置10の停止動作時に、水素発生装置10内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる。
【0020】
(第2実施形態)
本発明の請求項2に係る水素発生装置の停止方法における一実施の形態を、図2を参照して以下に説明する。図2に示すように、この水素発生装置10の停止方法は、CO変成触媒12に空気を供給する第2の空気供給手段としての空気供給配管17を設け、改質触媒11に水蒸気を供給して、改質触媒11内の可燃性ガスをパージし(水蒸気供給工程)、その後、空気供給配管17からCO変成触媒12に空気を供給して、CO変成触媒12内の可燃性ガスをパージし(第1空気供給工程)、その後、空気供給配管17又は第1の空気供給手段としての空気供給配管16のうち、少なくともいずれか一方からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージする(第2空気供給工程)ようにしている。
【0021】
水蒸気供給工程では、改質触媒11に水蒸気を供給して、その改質触媒11内に残留した可燃性ガスをパージする。改質触媒11に水蒸気を供給する際には、水素発生装置10の稼動状態において、水蒸気と原燃料とが、その改質触媒11に供給されていることを利用すれば、この水蒸気供給に関わる操作を簡略化でき、好ましい。これは、水素発生装置10の稼動状態においては、改質触媒11に、水蒸気と原燃料とが供給されているため、その停止動作時に、水蒸気の供給は継続する一方で、原燃料の供給を停止するようにするだけで、改質触媒11に、水蒸気を供給することができると共に、水蒸気改質反応を停止させることができる。また、このとき、燃焼部14に供給している燃焼ガスと空気の供給も停止して、その燃焼部14における燃焼反応も停止するようにすればよい。
【0022】
原燃料の供給停止後、改質触媒11内が水蒸気で充填されるよう、例えば、水蒸気を液体換算で10cc/minの流量で2分間供給する。水蒸気供給の開始からの時間経過に伴って、水蒸気は、改質触媒11内に充填されていくと共に、その一部は、配管151内を通過してCO変成触媒12内に至る。2分間の水蒸気供給の後には、改質触媒11内は、水蒸気が充填された状態となり、残留していた可燃性ガスはパージされている。以上のようにして、改質触媒11に水蒸気を供給することで、改質触媒11及び配管151内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。なお、この水蒸気供給の間、改質触媒11及びCO変成触媒12の温度を200℃以上に維持していたが、この温度維持には、燃焼反応の停止した燃焼部14の余熱を利用するようにすればよい。なお、改質触媒11には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的な改質反応の触媒を利用することができる。
【0023】
第1空気供給工程では、空気供給配管17からCO変成触媒12に空気を供給して、そのCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージする。CO変成触媒12には、金属酸化物としてのZrO2(ジルコニア)に、貴金属としてのPt(白金)及びRe(レニウム)を担持させた触媒を用いている。CO変成触媒12として、このような、貴金属を担持した金属酸化物よりなる触媒を用いることで、CO変成触媒12内に空気が供給されて、その空気が高温状態のCO変成触媒12に接触するような場合においても、CO変成触媒12が酸化して劣化するという問題は起こりにくくなる。
【0024】
また、CO変成触媒12に空気を供給するため、改質触媒11で処理したガスのCO変成触媒12への流路としての配管151に、空気供給配管17を接続している。この空気供給配管17は、配管151と外気側とを連通させるように設けられていると共に、改質触媒11で処理されたガスが、CO変成触媒12に至る途中で、この空気供給配管17から外気側に漏れ出さないように、気体を一方向のみに流通させる空気弁が内設されている。また、空気供給配管17の外気側の端部に、空気を充填したタンクを設けておき、配管151とタンクとを連通させるようにしてもよい。
【0025】
そこで、CO変成触媒12内に残留した可燃性ガスがパージされるよう、空気供給配管17からCO変成触媒12に、例えば、空気を3L/minの流量で2分間供給する。これにより、CO変成触媒12内に空気を十分充填させることができ、CO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。
【0026】
第2空気供給工程では、空気供給配管16又は空気供給配管17のうち、少なくともいずれか一方からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージする。この空気供給配管16は、CO変成触媒12で処理されたガスのCO酸化触媒13への流路としての配管152に接続して設けられている。
【0027】
そこで、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスがパージされるよう、空気供給配管16からCO酸化触媒13に、例えば、空気を3L/minの流量で2分間供給する。これにより、CO酸化触媒13内に空気を十分充填でき、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージすることができる。
【0028】
また、このCO酸化触媒13は、配管152を介してCO変成触媒12と連通しているので、空気供給配管17から、CO酸化触媒13に空気を供給するようにしても、CO酸化触媒13内の可燃性ガスをパージすることができる。さらに、空気供給配管16及び空気供給配管17の双方から、CO酸化触媒13に空気を供給するようにしてもよい。このように、空気供給配管16及び空気供給配管17の双方を用いて、空気を供給するようにすれば、CO酸化触媒13だけでなくCO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをも、より確実にパージすることができ、好ましい。なお、CO酸化触媒13には、Al2O3(アルミナ)にRu(ルテニウム)及びPt(白金)を担持させた触媒を用いているが、これは特に限定されるものではなく、一般的なCO選択酸化反応の触媒を利用することができる。
【0029】
上記の水蒸気供給工程及び第1空気供給工程及び第2空気供給工程を経ることにより、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスをパージできたので、水素発生装置10の停止動作を終了する。このような停止動作を行うと、改質触媒11、CO変成触媒12、CO酸化触媒13及び配管151,152内に残留した可燃性ガスの水素ガス濃度を、例えば、0.5%以下とすることが可能である。
【0030】
以上のように、CO変成触媒12に空気を供給する空気供給配管17を設け、水素発生装置10の停止動作時に、改質触媒11に水蒸気を供給して、改質触媒11内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給配管17からCO変成触媒12に空気を供給して、CO変成触媒12内に残留した可燃性ガスをパージし、その後、空気供給配管16又は空気供給配管17のうち、少なくともいずれか一方からCO酸化触媒13に空気を供給して、CO酸化触媒13内に残留した可燃性ガスをパージするので、水素発生装置10の停止動作時に、水素発生装置10内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒及び前記CO変成触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒及びCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記空気供給手段から前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージするので、水素発生装置内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる、という効果を奏する。
【0033】
本発明の請求項2に記載の水素発生装置の停止方法は、改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した第1の空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒で処理したガスの前記CO変成触媒への流路に第2の空気供給手段を設け、前記改質触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第2の空気供給手段から前記CO変成触媒に空気を供給して、そのCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第1又は第2の空気供給手段のうち少なくともいずれか一方から、前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージするので、水素発生装置内に残留した可燃性ガスを、効率的にパージすることができる、という効果を奏する。
【0034】
本発明の請求項3記載の水素発生装置の停止方法によれば、前記CO変成触媒は、貴金属を担持した金属酸化物よりなるので、上記の効果に加えて、CO変成触媒に空気が導入されたときに、そのCO変成触媒を酸化劣化し難くくすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る水素発生装置の停止方法の一実施の形態を示す図である
【図2】本発明の請求項2に係る水素発生装置の停止方法の一実施の形態を示す図である
【図3】従来の水素発生装置を示す図である
【図4】上記従来の水素発生装置を備えた燃料電池発電システムの概略図である
【符号の説明】
10 水素発生装置
11 改質触媒
12 CO変成触媒
13 CO酸化触媒
16 空気供給配管
17 空気供給配管
Claims (3)
- 改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒及び前記CO変成触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒及びCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記空気供給手段から前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージすることを特徴とする水素発生装置の停止方法。
- 改質触媒と、CO変成触媒と、CO酸化触媒と、そのCO変成触媒で処理したガスの前記CO酸化触媒への流路に接続した第1の空気供給手段とを備え、炭化水素系の原燃料を、水素を主成分とする改質ガスに改質して出力する水素発生装置の停止方法であって、前記改質触媒で処理したガスの前記CO変成触媒への流路に第2の空気供給手段を設け、前記改質触媒に水蒸気を供給して、その改質触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第2の空気供給手段から前記CO変成触媒に空気を供給して、そのCO変成触媒内の可燃性ガスをパージし、その後、前記第1又は第2の空気供給手段のうち少なくともいずれか一方から、前記CO酸化触媒に空気を供給して、そのCO酸化触媒内の可燃性ガスをパージすることを特徴とする水素発生装置の停止方法。
- 前記CO変成触媒は、貴金属を担持した金属酸化物よりなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素発生装置の停止方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070918 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080205 |