JP2004082976A - 車両のシートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートベルト装置70は、3列目シート5(第2シート)に着座予定の乗員の乗車意思があると予測した場合、3列目シート5に着座している乗員の降車意思があると予測した場合に、2列目シート4(第1シート)用に装備されたシートベルトユニット60のベルト部材62を、2列目乗降開口32から3列目シート5へ乗車する乗員、2列目乗降開口32から降車する3列目シート5の乗員の邪魔にならない退避位置へ移動させる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】本発明は車両のシートベルト装置に関し、特に、乗員の第2シートへの乗車意思や第2シートからの降車意思があると予測された場合に、第1シート用に装備させれたシートベルトユニットのベルト部材を乗降する乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動させるように構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前後2列のシートを備えた自動車では、1列目シートの側方に1列目乗降開口が設けられ、2列目シートの側方に2列目乗降開口が設けられたものが多い。前後方向に3列のシートを備えたバンやワゴンタイプの自動車では、一般に、1列目乗降開口と2列目乗降開口は設けられているが、3列目シートの側方に3列目乗降開口は設けられておらず、乗員の3列目シートへの乗車と3列目シートからの降車は、2列目乗降開口から行われる。
【0003】
このような自動車において、2列目乗降開口を開放すると共に、2列目シートを前方へスライドさせたり、2列目シートのシートバックを前方へ倒すと、2列目シートと3列目シート間の間隔が広がり、2列目シートと2列目乗降開口の後端部間の間隔も広くなって、2列目乗降開口から3列目シートへの乗車と3列目シートからの降車が可能に(乗降し易く)なる。
【0004】
ところで、自動車には各シート用にシートベルトユニットが装備されている。運転席を含む1列目シート用のシートベルトユニットにおいては、通常、シートクッションの側方にリトラクタが固定され、そのリトラクタからベルト部材が上方へ延びてアンカに掛かり、Uターンして下方へ延び下端部がシートに固定されている。ベルト部材のうちアンカと先端部との間にタング部材が装着され、このタング部材をシートのリトラクタを固定した側と反対側に固定されたバックルに連結すると、シートに着座した乗員の腰部と上半部がベルト部材で拘束される。
【0005】
ここで、本願出願人は、ベルト部材の途中部に装着されたアンカ(可動アンカ)を、移動自在にガイドするガイドレールを設けると共に、このガイドレールに沿って可動アンカを駆動するモータを設けて、ベルト部材の装着と装着解除とを自動的に行うようにしたシートベルト装置を出願している(特開平6−321053 号公報参照)。尚、スライドドアを電動で前後に移動駆動する技術(例えば、特開2000−160933 号公報参照)と、シートを電動で前後に移動駆動する技術(例えば、特開平8−156658号公報参照)は公知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前後方向に3列のシートを備えたワゴンやバンタイプの自動車等、特に2列目シート用に装備されたシートベルトユニットとして、ベルト部材でシートに着座した乗員の腰部と上半部を拘束するものを適用した場合、そのベルト部材は2列目シートの側方又は側方やや後側に配設された状態となり、このベルト部材が、2列目乗降開口から第2シートへ乗車する乗員、2列目乗降開口から降車する第2シートの乗員の邪魔になるため、乗降性が悪く使い勝手が悪いという問題がある。
【0007】
特開平6−321053 号公報のシートベルト装置では、可動アンカが駆動されてベルト部材の位置が変化するが、これにより、ベルト部材の装着・装着解除が自動的に行われるのであり、このシートベルト装置に対応するシートの後側のシートの乗降性を良くするために行っているものではない。仮に、前記乗降性をよくするために、ベルト部材の位置を変化させるようにしても、そのために別途ボタン操作等を行わなければならないのでは、乗降性を良くするのに限界がある。
【0008】
本発明の目的は、第2シートに着座予定の乗員の乗車意思があると予測された場合や、第2シートに着座している乗員の降車意思があると予測された場合に、第1シート用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材を、乗降する乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動させ、乗降性が向上して使い勝手の良い車両のシートベルト装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両のシートベルト装置は、前後に配設された第1シートと第2シートを備えた車両において、前記第1シート用に装備されたシートベルトユニットと、前記第2シートに着座予定の乗員の乗車意思を予測する乗車予測手段と、前記乗車予測手段により前記乗車意思があると予測された場合に、前記シートベルトユニットのベルト部材を、車両側部の乗降開口から第2シートへ乗車する乗員の邪魔にならない退避位置へ移動させるベルト移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
乗車予測手段により第2シートに着座予定の乗員の乗車意思が予測される。そこで、前記乗車意思があると予測された場合に、ベルト移動手段により、第1シート用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材が、車両側部の乗降開口から第2シートへ乗車する乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動されるため、第2シートへの乗車性が向上する。
【0011】
請求項2の車両のシート制御装置は、請求項1の発明において、前記車両には第1シートの略側方の乗降開口を前後方向にスライドして開閉するスライドドアが設けられ、前記乗車予測手段は、前記スライドドアの開度を検出するドア開度検出手段を備え、このドア開度検出手段によりスライドドアの所定の開度よりも大きな開度が検出された場合に、前記乗車意思があると予測することを特徴とするものである。
【0012】
第1シートの略側方の乗降開口が前後方向にスライドするスライドドアにより開閉され、このスライドドアの開度が所定の開度よりも大きな開度になった場合、その開度がドア開度検出手段により検出されて、第2シートに着座予定の乗員の乗車意思があると予測されて、前記ベルト部材が退避位置へ移動される。
【0013】
請求項3の車両のシート制御装置は、請求項1の発明において、前記車両には第1シートの略側方の乗降開口を前後方向にスライドして開閉するスライドドアと、このスライドドアを前後に駆動するドア駆動機構とを設け、前記ドア駆動機構は、スライドドアが最大開度で開放する全開モードと、スライドドアが最大開度よりも小さな開度で開放する半開モードとに亙って切り換え可能に構成され、前記乗車予測手段は、前記ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記乗車意思があると予測することを特徴とするものである。
【0014】
第1シートの略側方の乗降開口が前後方向にスライドするスライドドアにより開閉され、このスライドドアはドア駆動機構により前後に駆動される。このドア駆動機構は全開モードと半開モードとに亙って切り換え可能であり、全開モードに切り換えられた場合にはスライドドアが最大開度で開放し、半開モードに切り換えられた場合にはスライドドアが最大開度よりも小さな開度で開放する。ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記乗車意思があると予測されて、前記ベルト部材が退避位置へ移動される。
【0015】
請求項4の車両のシート制御装置は、請求項3の発明において、前記半開モードでのスライドドアの開度は第1シートへ乗員が前記乗降開口から乗車可能な開度であり、前記全開モードでのスライドドアの開度は第2シートへも乗員が前記乗降開口から乗車可能な開度であることを特徴とするものである。ドア駆動機構が半開モードのときにスライドドアを駆動して開放すると、乗員が前記乗降開口から第1シートへ乗車可能になり、ドア駆動機構が全開モードのときにスライドドアを駆動して開放すると、乗員が前記乗降開口から第2シートへも降車可能になる。
【0016】
請求項5の車両のシート制御装置は、請求項1の発明において、前記乗車予測手段は、前記第1シートの略側方の乗降開口に対する乗員の乗車位置を検出する乗車位置検出手段を備え、この乗車位置検出手段により乗員の乗車位置が第2シート側の位置であることが検出された場合に、前記乗車意思があると予測することを特徴とするものである。乗車位置検出手段により、第1シートの略側方の乗降開口に対する乗員の乗車位置が検出され、そこで、乗員の乗車位置が第2シート側の位置であることが検出された場合に、前記乗車意思があると予測されて、前記ベルト部材が退避位置へ移動される。
【0017】
請求項6の車両のシート制御装置は、請求項5の発明において、前記乗車位置検出手段は、前記乗降開口の下方ステップ部に設けられて乗員のステップ位置を検出するステップ位置検出スイッチであることを特徴とするものである。ステップ位置検出スイッチにより、下方ステップ部を踏む乗員のステップ位置が検出され、このステップ位置に基づいて前記乗車意思が予測される。
【0018】
請求項7の車両のシート制御装置は、前後に配設された第1シートと第2シートを備えた車両において、前記第1シート用に装備されたシートベルトユニットと、前記第2シートに着座している乗員の降車意思を予測する降車予測手段と、前記降車予測手段により前記降車意思があると予測された場合に、前記シートベルトユニットのベルト部材を、車両側部の乗降開口から降車する第2シートの乗員の邪魔にならない退避位置へ移動させるベルト移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
降車予測手段により第2シートに着座している乗員の降車意思が予測される。そこで、前記降車意思があると予測された場合に、ベルト移動手段により、第1シート用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材が、車両側部の乗降開口から降車する第2シートの乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動されるため、第2シートからの降車性が向上する。
【0020】
請求項8の車両のシート制御装置は、請求項7の発明において、前記降車予測手段は、前記乗降開口から第2シートの乗員が降車可能となる第1シートのウォークアウト状態を検出するウォークアウト検出手段を備え、このウォークアウト検出手段により前記ウォークアウト状態が検出された場合に、前記降車意思があると予測することを特徴とするものである。前記乗降開口から第2シートの乗員が降車可能となるように、第1シートをウォークアウト状態にすると、そのウォークアウト状態がウォークアウト検出手段により検出され、この場合に前記降車意思があると予測されて、前記ベルト部材が退避位置へ移動される。
【0021】
請求項9の車両のシート制御装置は、請求項8の発明において、前記ウォークアウト検出手段は、前記第1シートの前方への所定量以上のスライドを検出するシートスライド検出手段を含むことを特徴とするものである。第1シートを前方へ所定量以上スライドさせると、その第1シートの前方への所定量以上のスライドがシートスライド検出手段により検出されて、第1シートがウォークアウト状態であると判別される。
【0022】
請求項10の車両のシート制御装置は、請求項8の発明において、前記ウォークアウト検出手段は、前記第1シートのシートバックの前方への所定量以上のリクライニングを検出するリクライニング検出手段を含むことを特徴とするものである。第1シートのシートバックを前方へ所定量以上リクライニングさせると、その第1シートの前方への所定量以上のリクライニングがリクライニング検出手段により検出されて、第1シートがウォークアウト状態であると判別される。
【0023】
請求項11の車両のシート制御装置は、請求項7の発明において、前記車両には第1シートの略側方の乗降開口を前後方向にスライドして開閉するスライドドアと、このスライドドアを前後に駆動するドア駆動機構とを設け、前記ドア駆動機構は、スライドドアが最大開度で開放する全開モードと、スライドドアが最大開度よりも小さな開度で開放する半開モードとに亙って切り換え可能に構成され、前記降車予測手段は、前記ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記降車意思があると予測することを特徴とするものである。
【0024】
第1シートの略側方の乗降開口が前後方向にスライドするスライドドアにより開閉され、そのスライドドアがドア駆動機構により前後に駆動される。このドア駆動機構は全開モードと半開モードとに亙って切り換え可能であり、全開モードに切り換えられた場合にはスライドドアが最大開度で開放し、半開モードに切り換えられた場合にはスライドドアが最大開度よりも小さな開度で開放する。ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記降車意思があると予測されて、前記ベルト部材が退避位置へ移動される。
【0025】
請求項12の車両のシート制御装置は、請求項1〜11の何れかの発明において、前記ベルト移動手段は、前記ベルト部材に装着された可動部材を、使用位置とこの使用位置よりも前方に位置する退避位置とに亙って移動自在に前記乗降開口の上側の車体部分にガイド支持するガイド手段と、この可動部材を前記使用位置と退避位置とに亙って移動駆動する駆動手段とを有することを特徴とするものである。前記乗車意思/降車意思があると予測された場合、駆動手段により可動部材が退避位置に駆動されて、この可動部材が装着されたベルト部材が退避位置に移動される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、前後方向に3列のシートを備えたワゴンタイプの自動車に、本発明のシートベルト装置を適用した場合の一例である。
図1〜図5に示すように、自動車1の車体2には、運転席を含む左右1対の1列目シート3と、1列目シート3の後側に配置された左右1対の2列目シート4と、2列目シート4の後側に配置されたベンチシートからなる3列目シート5が装備されている。尚、前後に配設された2列目シート4と3列目シート5が第1シートと第2シートに相当する。
【0027】
1列目シート3と2列目シート4は、夫々、車体2のフロアーに前後方向にスライド移動可能にガイド支持されている。各1列目シート3は、1列目シートスライドモータ11を有する1列目シート駆動機構10(図17参照)により前後方向に移動駆動され、各2列目シート4は、2列目シートスライドモータ13を有する2列目シート駆動機構12(図17参照)により前後方向に移動駆動されるようになっている。
【0028】
各1列目シート3の側部には1列目シートスライド操作SW14(図17参照)が設けられ、各2列目シート4の側部には2列目シートスライド操作SW15(図17参照)が設けられている。乗員等が操作したシートスライド操作SW14,15に対応する、1列目シート駆動機構10、2列目シート駆動機構12が作動して、1列目シート3、2列目シート4が、前後方向に所定範囲内において位置可変に移動駆動される。
【0029】
ここで、各2列目シート4の前方への所定量以上のスライドを検出する2列目シートスライド検出SW17が設けられている。また、2列目シート4と3列目シート5のシートクッション4a,5aの表面側部分には乗員着座センサ20,21が設けられ、2列目シート4、3列目シート5に乗員が着座したことを検出可能である。尚、この乗員着座センサ20,21は省略可能である。
【0030】
図6、図7に示すように、2列目シート4には、シートクッション4aの後側にバックル25が固定的に設けられ、チャイルドシート26をシートクッション4aに載置し、チャイルドシート26から後方へ延びるタングプレート26aを、シートクッション4aとシートバック4bの間を通して、バックル25に挿入し固定すると、チャイルドシート26が2列目シート4に装着される。バックル25にはチャイルドシート装着SW27(図12参照)が設けられ、2列目シート4にチャイルドシート26が装着されたことを検出可能である。尚、バックル25(チャイルドシート装着SW27)は省略可能である。
【0031】
図1〜図5に示すように、車体2の側部には1列目シート3の略左右両側方に1列目乗降開口30が形成され、これら1列目乗降開口30を開閉する左右1対のフロントドア31が設けられている。各フロントドア31は、前端部が車体2の本体に鉛直軸心回りに回動自在に連結されたヒンジドアである。
【0032】
また、車体2の側部には2列目シート4の略左右両側に2列目乗降開口32が形成され、これら2列目乗降開口32を前後方向にスライドして開閉する左右1対のスライドドア33が設けられている。この2列目乗降開口32から、2列目シート4又は3列目シート5への乗員の乗車が行われ、2列目シート4又は3列目シート5に着座している乗員の降車が行われる。
【0033】
各スライドドア33の内側にローラ33a〜33cが装着され、これらローラ33a〜33cを介して、スライドドア33が車体2の本体にスライド移動自在にガイド支持されている。各スライドドア33は、2列目乗降開口32の後側に設けられたスライドドア開閉モータ36(図17参照)を有するドア駆動機構35により前後に駆動されるようになっている。
【0034】
このドア駆動機構35は、図5に示すように、スライドドア33が最大開度である第2開度で開放(全開)する全開モードと、図6に示すように、スライドドア33を最大開度よりも小さな第1開度で開放(半開)する半開モードとに亙って切り換え可能に構成されている。そして、このドア駆動機構35を全開モードと半開モードの何れかに選択設定すると共に、そのドア駆動機構35の駆動を開始させスライドドア33を開閉させる為のドア開閉操作部40,45,50,51(図8〜図11参照)が設けられている。
【0035】
図8に示すように、ドア開閉操作部40は、インストルメントパネルに設けられて、メインSW41とLドア開閉SW42とRドア開閉SW43とを有する。メインSW41をONにすると、Lドア開閉SW42とRドア開閉SW43の操作が有効となり、左又は右側のスライドドア33が全閉状態で、Lドア開閉SW42又はRドア開閉SW43のOPEN側を、1回押すと半開モードが選択されて左又は右側のスライドドア33が半開し(図4参照)、2回連続して押すと全開モードが選択されて左又は右側のスライドドア33が全開する(図5参照)。左又は右側のスライドドア33が半開又は全開状態で、Lドア開閉SW42又はRドア開閉SW43の CROSE側を押すと、左又は右側のスライドドア33が全閉する。
【0036】
図9に示すように、ドア開閉操作部45は、各スライドドア33に設けられて、そのスライドドア33のドアハンドル46と、このドアハンドル46と同時に操作可能なドアSW47とを有する。左又は右側のスライドドア33が閉じた状態で、ドアハンドル46だけを操作すると半開モードが選択されて、対応する左又は右側のスライドドア33が半開可能となり、ドアSW47を押しながらドアハンドル46を操作すると全開モードが選択されて、対応する左又は右側のスライドドア33が全開可能となる。
【0037】
図10に示すように、ドア開閉操作部50はリモコン操作部であり、LSW51とRSW52とを有する。左又は右側のスライドドア33が全閉状態で、LSW51又はRSW52を、1回押すと半開モードが選択されて左又は右側のスライドドア33が半開し、2回連続して押すと全開モードが選択されて左又は右側のスライドドア33が全開する。左又は右側のスライドドア33が半開又は全開状態で、LSW51又はRSW52を押すと、左又は右側のスライドドア33が全閉する。
【0038】
図11に示すように、ドア開閉操作部55は、各センターピラー2aに設けられて、1つのSW56を有する。左又は右側のスライドドア33が全閉状態で、SW56を1回押すと半開モードが選択されて、対応する左又は右側のスライドドア33が半開し、SW56を2回連続して押すと全開モードが選択されて、対応する左又は右側のスライドドア33が全開する。左又は右側のスライドドア33が半開又は全開状態でSW56を押すと、対応する左又は右側のスライドドア33が全閉する。
【0039】
但し、ドア開閉操作部40,45,50,55が操作されて半開モードが選択されても、その時、3列目シート5への乗員の乗車意思又は3列目シート5の乗員の降車意思があると予測された場合には、半開モードの選択が無効になって全開モードが設定され、スライドドア33が全開するようになっている。また、スライドドア33が半開している状態では、ドア開閉操作部40,45,50,55が操作されなくても、3列目シート5への乗員の乗車意思又は3列目シート5の乗員の降車意思があると予測された場合には、全開モードが自動的に設定されてスライドドア33が全開するようになっている。
【0040】
ところで、図3〜図5、図12に示すように、この自動車1の車体2には、左右1対の2列目シート4用の1対のシートベルトユニット60が装備されている。各シートベルトユニット60は、リトラクタ61と、リトラクタ61に巻き取り可能なベルト部材62と、リトラクタ61から延びるベルト部材62の途中部材が掛けられるベルトアンカ63と、ベルト部材62に装着されたタング部材64と、タング部材64が取り外し可能に連結されるバックル65とを有する。
【0041】
リトラクタ61は、2列目乗降開口32の後側において車体2の側部に固定的に設けられ、このリトラクタ61からベルト部材62が上方へ延びてベルトアンカ63に掛けられUターンして下方へ延び、ベルト部材62の先端部(下端部)がシートクッション4aの車幅方向外側部分に固定的に連結され、ベルト部材62のうちその先端部とベルトアンカ63との間の部分にタング部材64が可動に装着されている。
【0042】
バックル65は、シートクッション4aの車幅方向内側に固定的に設けられている。ベルトアンカ63は、図3、図4、図12に示す使用位置と図5に示す退避位置とに亙って位置切り換え可変になっており、ベルトアンカ63が使用位置に位置している状態で、乗員が2列目シート4に着座しタング部材64をバックル65に連結すると、その乗員の腰部と上半部がベルト部材62により2列目シート4に拘束される。
【0043】
さて、本願特有のシートベルト装置70は、図3〜図5、図12〜図16に示すように、シートベルトユニット60、2列目シートスライド検出SW17、アンカガイド機構71、アンカ駆動機構75、制御ユニット80等を備え、3列目シート5に着座予定の乗員の乗車意思があると予測された場合に、又は、3列目シート5に着座している乗員の降車意思があると予測された場合に、シートベルトユニット60のシートベルト部材62を、2列目乗降開口32から3列目シート5へ乗車する乗員、又は、2列目乗降開口32から降車する3列目シート5の乗員の邪魔にならない図5に示す退避位置に移動させるように構成されている。
【0044】
制御ユニット80には、ドア開閉操作部40,45,50,55に設けられた複数のSWを含むパワーアシストドアSW87(図17参照)が電気的に接続され、この制御ユニット80が、3列目シート5に着座予定の乗員の乗車意思を予測する乗車予測手段に相当する。パワーアシストドアSW87によりドア駆動機構35が半開モードに切り換えられた場合、制御ユニット80によりパワーアシストドアSW87からの信号に基づいて前記乗車意思があると予測される。半開モードにおけるスライドドア33の第1開度は2列目シート4へ乗員が2列目乗降開口32から乗車可能な開度であり、全開モードにおけるスライドドア33の第2開度は3列目シート5へも乗員が2列目乗降開口32から乗車可能な開度である。
【0045】
また、制御ユニット80には、2列目シートスライド検出SW17が電気的に接続され、この2列目シートスライド検出SW17及び制御ユニット80が、3列目シート5に着座している乗員の降車意思を検出する降車意思検出手段に相当する。図5に示すように、2列目シート4が前方への所定量以上スライドすると、その2列目シート4の前方への所定量以上のスライドが2列目シートスライド検出SW17により検出されて、制御ユニット80により前記降車意思があると予測される。2列目シート4が前方への所定量以上スライドすると、2列目シート4と3列目シート5間の間隔が離隔して広くなり、2列目シート4と2列目乗降開口32の後端間の間隔も広がって、3列目シート5の乗員が2列目乗降開口32から降車可能となる。
【0046】
2列目シート4が前方へ所定量以上スライドした状態が、2列目シート4のウォークアウト状態であり、この2列目シート4のウォークアウト状態を検出するウォークアウト検出手段として、前記2列目シートスライド検出SW17が設けられている。尚、前記所定量は2列目シート4の基準位置(例えば、図3に示す日常よく使う前後方向位置)から前方へのスライド量で規定してある。
【0047】
図13〜図15に示すように、アンカガイド機構71は、ベルト部材62に装着された可動部材に相当するベルトアンカ63を図3、図4に示す使用位置と図5に示すアンカ退避位置とに亙って移動自在に、2列目乗降開口32の後側上部と上側後部の車体2部分にガイド支持する為のもので、車体2の内側に固定された断面T溝状のガイドレール72を有する。このガイドレール72にT形断面部を有する可動体73が摺動自在に係合され、この可動体73にベルトアンカ63がボルト63aで連結されている。尚、ガイドレール72はドアトリム2bにより覆われている。
【0048】
アンカ駆動機構75は、可動体73と共にベルトアンカ63を前記使用位置とアンカ退避位置とに亙って移動駆動する為のものであり、ガイドレール72に沿って配設されて可動体73に連結されたケーブル部材76と、このケーブル部材76を回転させるベルト駆動モータ77とを有する。ベルト駆動モータ77は、リトラクタ61の下側の車体2部分に上向きに固定され、このベルト駆動モータ77にケーブル部材76の一端部が直結されている。
【0049】
ケーブル部材76はベルト駆動モータ77から上方へ延びてガイドレール72内に入り、このガイドレール72に沿ってその前端付近まで延びている。ケーブル部材76にはネジ状の螺旋部が形成され、このケーブル部材76が可動体73に形成されたネジ穴73aに挿通状に螺合されている。即ち、ケーブル部材76が回転すると、その回転により可動体73がガイドレール72に沿って移動して、ベルトアンカ63が前記使用位置とアンカ退避位置とに亙って移動可能となる。尚、ガイドレール72の右側端部にロックプレート79がボルト79aで連結されており、ベルトアンカ63が使用位置付近でロックプレート79に係合して、ベルトアンカ63(可動体73)の下方移動が規制される。
【0050】
次に、図17に示すように、制御ユニット80に関連する制御系について説明する。但し、左右1対あるもの(例えば、スライドドア開閉モータ36等々)は一方のみを図示している。制御ユニット80は、CPU80aとROM80bとRAM80cとを有するマイクロコンピュータを有する。制御ユニット80には、バッテリー81が接続されると共に、ABSコンピュータ82、フートブレーキランプ83、Pブレーキ84、ENG(エンジン)85、シフトレバー86から、図示の各種信号が入力される。
【0051】
また、制御ユニット80には、乗員等が操作する操作SW類として、パワーアシストドアSW87、1列目シートスライド操作SW14、2列目シートスライド操作SW15が電気的に接続され、センサ類として、ドア加速センサ68、ドア開閉検出SW69、タッチSW70、ドア開度検出SW37、2列目シートスライド検出SW17、2列目シート着座センサ20、3列目シート着座センサ21、チャイルドシート装着SW27が電気的に接続されている。
【0052】
制御ユニット80には、スライドドア開閉モータ36、1列目シートスライドモータ11、2列目シートスライドモータ13、ベルト駆動モータ77が電気的に接続され、この制御ユニット60により、前記SW類とセンサ類等からの信号に基づいて、スライドドア開閉モータ36、1列目シートスライドモータ11、2列目シートスライドモータ13、ベルト駆動モータ77が駆動制御される。尚、制御ユニット60は、モータ36,11,13,77を夫々駆動する為の駆動回路を有する。
【0053】
次に、制御ユニット80が実行する本願特有の制御について、図18のフローチャートに基づいて説明する。但し、フローチャート中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す。尚、この制御を実行する為の制御プログラムはROM80aに格納されている。この制御は、ENG85がONの時には、車速が0km/hで、パワーアシストドアSW87がONで、フートブレーキ83がON又はPブレーキ84がON又はシフトレバー86がPレンジのときに開始され、ENG85がOFFの時には、パワーアシストドアSW87がONで、バッテリー81の電圧が規定値以上のときに開始される。
【0054】
この制御開始されると、先ず、パワーアシストドアSW87からの信号に基づいて、3列目シート5への乗車意思があるか否か判定される(S1)。パワーアシストドアSW87の操作によって半開モードが選択設定されて、スライドドア33が開放する場合には、前記乗車意思がないと判定(予測)され(S1;No)、次に、2列目シートスライド検出SW17からの信号に基づいて、3列目シート5からの降車意思があるか否か判定される(S2)。2列目シート4が前方へ所定量以上スライドしていな場合には、前記降車意思がないと判定(予測)され(S2;No)、リターンする。
【0055】
前記乗車意思があると判定(予測)された場合(S1;Yes )、シートベルトユニット60のベルト部材62が退避位置にない場合には、ベルト駆動モータ77の駆動を開始して、ベルトアンカ63をアンカ退避位置に駆動して、ベルト部材62を退避位置に移動させる(S3)。その後、3列目シート5への乗車が完了した場合には(S4;Yes )、ベルト駆動モータ77を駆動してベルト部材62を使用位置に移動させ復帰させる(S5)。尚、S4の判定については、何らかのボタン操作等を行って乗車完了を認識させるようにしてもよい。
【0056】
また、前記降車意思があると判定(予測)された場合(S2;Yes )、ベルト部材62が退避位置にない場合には、前記乗車意思があると判定された場合と同様に、ベルト部材62を退避位置に移動させ(S6)、その後、3列目シート5からの降車が完了した場合には(S7;Yes )、ベルト部材62を使用位置に移動させ復帰させる(S7)。尚、S7の判定については、何らかのボタン操作等を行って降車完了を認識させるようにしてもよい。尚、ベルト駆動モータ77を駆動してベルト部材62を使用位置と退避位置とに亙って移動駆動するために、ベルトアンカ63(可動部材73)の使用位置とアンカ退避位置を検出する検出スイッチ(図示略)が設けられており、この検出スイッチからの信号に基づいてベルト駆動モータ77が駆動制御される。
【0057】
以上のように、このシートベルト装置70によれば、シートベルトユニット60、2列目シートスライド検出SW17、アンカガイド機構71、アンカ駆動機構75、制御ユニット80等を設けたので、3列目シート5に着座予定の乗員の乗車意思があると予測されると、2列目シート4用に装備されたシートベルトユニット60のベルト部材62が、2列目乗降開口32から3列目シート5へ乗車する乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動されるため、3列目シート5への乗車時間が短縮されて乗降性が向上して使い勝手が非常に良くなる。
【0058】
しかも、2列目乗降開口32が前後方向にスライドするスライドドア33により開閉され、このスライドドア33はドア駆動機構35により前後に駆動され、このドア駆動機構35が全開モードに切り換えられた場合に、前記乗車意思があると簡単に予測でき、スライドドア33が最大開度で開放するため、2列目乗降開口32から3列目シート5へ乗員が乗車し易い状態となる。また、半開モードでのスライドドア33の第1開度は、2列目シート4へ2列目乗降開口32から乗車可能な全開よりも小さな開度であるので、スライドドア33を無駄に広く開放させずに開作動負荷を軽減することができる。
【0059】
また、このシートベルト装置70によれば、シートベルトユニット60、2列目シートスライド検出SW17、アンカガイド機構71、アンカ駆動機構75、制御ユニット80等を設けたので、3列目シート5に着座している乗員の降車意思があると予測された場合に、2列目シート4用に装備されたシートベルトユニット60のベルト部材62が、2列目乗降開口32から降車する3列目シート5の乗員の邪魔にならない退避位置へ移動されるため、3列目シート5からの降車時間が短縮されて降車性が向上して使い勝手が非常に良くなる。
【0060】
しかも、2列目乗降開口32から3列目シート5の乗員が降車可能となるように、2列目シート4をウォークアウト状態にすることにより、前記降車意思があると簡単に予測できる。2列目シート4のウォークアウト状態は、2列目シート4が前方への所定量以上スライドした状態に設定され、この2列目シート4の前方への所定量以上のスライドを検出して、2列目シート4がウォークアウト状態であると簡単に判別することができる。
【0061】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
1]ドア駆動機構35を省略して、スライドドア33を手動で開閉させるようにし、また、ドア開閉操作部40,45,50,55を省略してもよい。この場合、前記乗車予測手段として、スライドドア33の開度を検出するドア開度検出SW37が適用される。ドア開度検出SW37によりスライドドア33の所定の第1開度よりも大きな開度が検出された場合に、前記乗車意思があると予測され、ベルト部材62が退避位置に移動される。
【0062】
尚、前記実施形態と同様に、ドア駆動機構35、ドア開閉操作部40,45,50,55を設け、スライドドア33を電動で開閉するようにしてもよい。但しこの場合、ドア開閉操作部40,45,50,55を操作して、全開モード/半開モードを設定することになるが、3列目シート5への乗車意思があるか否かの判定は、設定したモードではなくて、前記の通り、ドア開度検出SW37からの信号に基づいて行われるものとする。
【0063】
2]図19に示すように、2列目乗降開口32の下方ステップである、前スカッフプレート90の下側に前ステップ位置検出スイッチ95を設け、後スカッフプレート91の下側に前ステップ位置検出スイッチ96を設けて、位置検出スイッチ95,96からの信号に基づいて、乗員のステップ位置を検出するようにしてもよい。これらステップ位置検出スイッチ95,96が、乗降開口に対する乗員の乗車位置を検出する乗車位置検出手段に相当し、この乗車位置検出手段が前記乗車予測手段に含まれるものである。
【0064】
ステップ位置検出スイッチ95,96としては、図20に示すように、ステップベース92と各スカッフプレート90,91の間に両面接触状に装着される圧電素子98を適用してもよいし、図21に示すように、ステップベース93とこれにバネ94を介して上方へ付勢された状態で支持されたスカッフプレート90,91の間に装着される接触式スイッチ99を適用してもよい。尚、圧電素子98、接触式スイッチ99は、制御ユニット80に接続されている。
【0065】
下方ステップの前2/3程度に前スカッフプレート90が設けられ、後2/3程度に後スカッフプレート91が設けられ、後スカッフプレート91を乗員が踏むことにより、3列目シート4へ着座予定の乗員の乗車意思があると予測されるようになっている。乗車意思があると予測されると、その後、ベルト部材62が退避位置に移動される。
【0066】
尚、乗員がスカッフプレート90又は91を踏むと同時、或いは、踏んだ状態でパワーアシストドアSW87を押すことにより、スライドドア33が自動的に開放を開始し、乗員が前スカッフプレート90を踏んでいる場合にはスライドドア33を半開させ、乗員が後スカッフプレート91を踏んでいる場合にはスライドドア33を全開させるようにしてもよい。
【0067】
3]図22に示すように、2列目シート4のウォークアウト状態を、そのシートバック4aが前方へ所定量以上リクライニングした状態とし、この2列目シート4のウォークアウト状態を検出するウォークアウト検出手段として、シートバック4aの前方への所定量以上のリクライニングを検出する2列目シートリクライニング検出SW100 を設けてもよい。尚、前記所定量はシートバック4aの基準位置(例えば、図3に示す日常よく使うリクライニング位置)から前方へのリクライニング量で規定してある。
【0068】
4]図23に示すように、2列目シート4のウォークアウト状態を、その2列目シート4が前方へ所定量以上スライドし、且つ、そのシートバック4aが前方へ所定量以上リクライニングした状態とし、この2列目シート4のウォークアウト状態を検出するウォークアウト検出手段として、前記2列目シートスライド検出SW17と2列目シートリクライニング検出SW100 を設けてもよい。
5]前記乗車意思があると予測する場合と同様に、ドア駆動機構35が全開モードに切り換えられた場合に、前記降車意思があると予測するようにしもよい。
【0069】
6]1列目シート3を第1シートとし、2列目シートを第2シートとしてもよい。但し、2列目シート4への乗員の乗降は1列目乗降開口30から行われるものとする。この場合、2列目シート4に着座予定の乗員の乗車意思があると予測されると、1列目シート3用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材が、1列目乗降開口30から2列目シート4へ乗車する乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動されるようにする。
【0070】
また、2列目シート4に着座している乗員の降車意思があると予測されると、1列目シート3用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材が、1列目乗降開口30から降車する2列目シート4の乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動されるようにする。尚、2列目シート4への乗車意思、2列目シート4からの降車意思を予測する手段として、前記の3列目シート5への乗車意思、3列目シート4からの降車意思を予測する種々の手段を適用する。
【0071】
7]シートベルト装置70のアンカ駆動機構75においては、種々の構造を適用可能である。例えば、ベルトアンカ63の移動方向両端部分に2本のワイヤの端部を連結し、これらワイヤを共通の又は別々のモータで引っ張ることにより、ベルトアンカ63を移動駆動するようにしてもよい。また、1本のプッシュプルワイヤをベルトアンカ63に連結し、このプッシュプルワイヤをモータで押し引きしてベルトアンカ63を移動させるようにしてもよい。更に、ベルトアンカ63にモータを設けてピニオンを回動させ、このピニオンに噛合するラックをガイドレール72に設けて自走して移動するように構成してもよい。
【0072】
8]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施することが可能であるし、前記実施形態のようなワゴンタイプの自動車以外にバンタイプの自動車等々、前後に配設された第1シートと第2シート備えた種々の車両に本発明を適用可能である。
【0073】
【発明の効果】請求項1の車両のシートベルト装置によれば、乗車予測手段により第2シートに着座予定の乗員の乗車意思があると予測されると、ベルト移動手段により、第1シート用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材が、車両側部の乗降開口から第2シートへ乗車する乗員の邪魔にならない退避位置へ自動的に移動されるため、第2シートへの乗車時間が短縮されて乗降性が向上して使い勝手が非常に良くなる。
【0074】
請求項2の車両のシート制御装置によれば、第1シートの略側方の乗降開口が前後方向にスライドするスライドドアにより開閉され、このスライドドアの開度が所定の開度よりも大きな開度になった場合、その開度がドア開度検出手段により検出されて、第2シートに着座予定の乗員の乗車意思があると簡単に予測することができる。
【0075】
請求項3の車両のシート制御装置によれば、第1シートの略側方の乗降開口が前後方向にスライドするスライドドアにより開閉され、このスライドドアはドア駆動機構により前後に駆動され、このドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記乗車意思があると簡単に予測でき、スライドドアが最大開度で開放するため、前記乗降開口から第2シートへ乗員が乗車し易い状態となる。
【0076】
請求項4の車両のシート制御装置によれば、半開モードでのスライドドアの開度は第1シートへ乗員が前記乗降開口から乗車可能な開度であるので、スライドドアを無駄に広く開放させずに開作動負荷を軽減でき、全開モードでのスライドドアの開度は第2シートへも乗員が前記乗降開口から乗車可能な開度であるので、第2シートへ乗員が前記乗降開口から乗車し易くなる。
【0077】
請求項5の車両のシート制御装置によれば、乗車位置検出手段により、第1シートの略側方の乗降開口に対する乗員の乗車位置が第2シート側の位置であることが検出された場合に、前記乗車意思があると簡単に予測できる。
【0078】
請求項6の車両のシート制御装置によれば、ステップ位置検出スイッチにより、下方ステップ部を踏む乗員のステップ位置を検出しれ、このステップ位置に基づいて前記乗車意思を予測できる。
【0079】
請求項7の車両のシート制御装置によれば、降車予測手段により第2シートに着座している乗員の降車意思があると予測された場合に、ベルト移動手段により、第1シート用に装備されたシートベルトユニットのベルト部材が、車両側部の乗降開口から降車する第2シートの乗員の邪魔にならない退避位置へ移動されるため、第2シートからの降車時間が短縮されて降車性が向上して使い勝手が非常に良くなる。
【0080】
請求項8の車両のシート制御装置によれば、前記乗降開口から第2シートの乗員が降車可能となるように、第1シートをウォークアウト状態にすると、そのウォークアウト状態がウォークアウト検出手段により検出されるため、前記降車意思があると簡単に予測でき、この場合、第1シートがウォークアウト状態になっているため、前記乗降開口から第2シートの乗員がへ降車し易い状態となる。
【0081】
請求項9の車両のシート制御装置によれば、第1シートを前方へ所定量以上スライドさせると、その第1シートの前方への所定量以上のスライドがシートスライド検出手段により検出されるため、第1シートがウォークアウト状態であると簡単に判別することができる。
【0082】
請求項10の車両のシート制御装置によれば、第1シートのシートバックを前方へ所定量以上リクライニングさせると、その第1シートの前方への所定量以上のリクライニングがリクライニング検出手段により検出されるため、第1シートがウォークアウト状態であると簡単に判別することができる。
【0083】
請求項11の車両のシート制御装置によれば、ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記降車意思があると簡単に予測でき、スライドドアが最大開度で開放するため、前記乗降開口から第2シートの乗員が降車し易い状態となる。
【0084】
請求項12の車両のシート制御装置によれば、ガイド手段と駆動手段とを有するので、前記乗車意思/降車意思があると予測された場合、駆動手段により可動部材を退避位置に移動させて、この可動部材が装着されたベルト部材を退避位置に簡単・確実に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車の部分的な斜視図である。
【図2】自動車内部の後上側からの斜視図である。
【図3】2列目乗降開口が全閉した状態の図であり(a)は自動車の右半部の横断面図(b)は自動車の縦断面図である。
【図4】2列目シートへの乗降が可能状態の図であり(a)は自動車の右半部の横断面図(b)は自動車の縦断面図である。
【図5】3列目シートへの乗降が可能状態の図であり(a)は自動車の右半部の横断面図(b)は自動車の縦断面図である。
【図6】2列目シートとチャイルドシートの後上側からの斜視図である。
【図7】チャイルドシートとバックルの要部の斜視図である。
【図8】ドア開閉操作部の正面図である。
【図9】他のドア開閉操作部の側面図である。
【図10】他のドア開閉操作部の側面図である。
【図11】他のドア開閉装置部の斜視図である。
【図12】シートベルト装置の前斜め上側からの斜視図である。
【図13】シートベルト装置の車体内部側からの側面図である。
【図14】図13のXIV −XIV 線断面図である。
【図15】図13のXV−XV線断面図である。
【図16】シートベルト装置の要部の斜視図である。
【図17】制御ユニットに関連する制御系のブロック図である。
【図18】制御ユニットが実行する制御のフローチャートである。
【図19】変更形態に係る自動車の要部の横断面図である
【図20】下方ステップ部を含む縦断面図である。
【図21】下方ステップ部を含む縦断面図である。
【図22】別の変更形態に係る図であり(a)は自動車の右半部の横断面図(b)は自動車の縦断面図である。
【図23】更に別の変更形態に係る図であり(a)は自動車の右半部の横断面図(b)は自動車の縦断面図である。
【符号の説明】
1 自動車
4 2列目シート
5 3列目シート
17 2列目シートスライド検出SW
32 2列目乗降開口
33 スライドドア
35 ドア駆動機構
37 ドア開度検出SW
60 シートベルトユニット
62 ベルト部材
63 ベルトアンカ
70 シートベルト装置
71 アンカガイド機構
75 アンカ駆動機構
95,96 ステップ位置検出スイッチ
100 2列目シートリクライニング検出SW
Claims (12)
- 前後に配設された第1シートと第2シートを備えた車両において、
前記第1シート用に装備されたシートベルトユニットと、
前記第2シートに着座予定の乗員の乗車意思を予測する乗車予測手段と、
前記乗車予測手段により前記乗車意思があると予測された場合に、前記シートベルトユニットのベルト部材を、車両側部の乗降開口から第2シートへ乗車する乗員の邪魔にならない退避位置へ移動させるベルト移動手段と、
を備えたことを特徴とする車両のシートベルト装置。 - 前記車両には第1シートの略側方の乗降開口を前後方向にスライドして開閉するスライドドアが設けられ、
前記乗車予測手段は、前記スライドドアの開度を検出するドア開度検出手段を備え、このドア開度検出手段によりスライドドアの所定の開度よりも大きな開度が検出された場合に、前記乗車意思があると予測することを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。 - 前記車両には第1シートの略側方の乗降開口を前後方向にスライドして開閉するスライドドアと、このスライドドアを前後に駆動するドア駆動機構とを設け、
前記ドア駆動機構は、スライドドアが最大開度で開放する全開モードと、スライドドアが最大開度よりも小さな開度で開放する半開モードとに亙って切り換え可能に構成され、
前記乗車予測手段は、前記ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記乗車意思があると予測することを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。 - 前記半開モードでのスライドドアの開度は第1シートへ乗員が前記乗降開口から乗車可能な開度であり、前記全開モードでのスライドドアの開度は第2シートへも乗員が前記乗降開口から乗車可能な開度であることを特徴とする請求項3に記載の車両のシート制御装置。
- 前記乗車予測手段は、前記第1シートの略側方の乗降開口に対する乗員の乗車位置を検出する乗車位置検出手段を備え、この乗車位置検出手段により乗員の乗車位置が第2シート側の位置であることが検出された場合に、前記乗車意思があると予測することを特徴とする請求項1に記載の車両のシート制御装置。
- 前記乗車位置検出手段は、前記乗降開口の下方ステップ部に設けられて乗員のステップ位置を検出するステップ位置検出スイッチであることを特徴とする請求項5に記載の車両のシート制御装置。
- 前後に配設された第1シートと第2シートを備えた車両において、
前記第1シート用に装備されたシートベルトユニットと、
前記第2シートに着座している乗員の降車意思を予測する降車予測手段と、
前記降車予測手段により前記降車意思があると予測された場合に、前記シートベルトユニットのベルト部材を、車両側部の乗降開口から降車する第2シートの乗員の邪魔にならない退避位置へ移動させるベルト移動手段と、
を備えたことを特徴とする車両のシートベルト装置。 - 前記降車予測手段は、前記乗降開口から第2シートの乗員が降車可能となる第1シートのウォークアウト状態を検出するウォークアウト検出手段を備え、このウォークアウト検出手段により前記ウォークアウト状態が検出された場合に、前記降車意思があると予測することを特徴とする請求項7に記載の車両のシートベルト装置。
- 前記ウォークアウト検出手段は、前記第1シートの前方への所定量以上のスライドを検出するシートスライド検出手段を含むことを特徴とする請求項8に記載の車両のスライドドア制御装置。
- 前記ウォークアウト検出手段は、前記第1シートのシートバックの前方への所定量以上のリクライニングを検出するリクライニング検出手段を含むことを特徴とする請求項8に記載の車両のスライドドア制御装置。
- 前記車両には第1シートの略側方の乗降開口を前後方向にスライドして開閉するスライドドアと、このスライドドアを前後に駆動するドア駆動機構とを設け、
前記ドア駆動機構は、スライドドアが最大開度で開放する全開モードと、スライドドアが最大開度よりも小さな開度で開放する半開モードとに亙って切り換え可能に構成され、
前記降車予測手段は、前記ドア駆動機構が全開モードに切り換えられた場合に、前記降車意思があると予測することを特徴とする請求項7に記載の車両のシートベルト装置。 - 前記ベルト移動手段は、前記ベルト部材に装着された可動部材を、使用位置とこの使用位置よりも前方に位置する退避位置とに亙って移動自在に前記乗降開口の上側の車体部分にガイド支持するガイド手段と、この可動部材を前記使用位置と退避位置とに亙って移動駆動する駆動手段とを有することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の車両のシートベルト装置。
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JP2018058520A (ja) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | 三井金属アクト株式会社 | ドアの開閉スイッチ |
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