JP4448988B2 - 位置センサを備えたシートレール装置及びシートレールの位置判別方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の座席位置を移動調整するためのシートレール装置に関するもので、特に、座席の前後位置を検出するセンサを備えたシートレール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車には乗員の安全を確保する装置としてシートベルト装置やエアバッグ装置等が装備されている。
【0003】
通常、自動車の前部座席(運転席、助手席)はシートレール装置によって前後に移動調整が可能となっており、また、乗員の前方に位置するハンドルあるいはダッシュボードにエアバッグ装置のエアバッグが収納されている。ところが、自動車の衝突時にエアバッグが一定の速度ないしは圧力で展開されると、座席の前後位置によってその効果が異なる場合があった。
【0004】
近年、自動車の衝突時における乗員の安全性をより向上させるため、エアバッグの展開ガス量や展開速度を段階的に制御するエアバッグ装置が提案されており、この制御を行うために乗員が着座している位置を検出するセンサを備えたシートレール装置が必要となっている。
【0005】
なお、エアバッグ装置の制御は座席位置に応じて連続的に行う必要はなく、2段階または3段階程度の制御で十分な効果が得られ実用的なことが実験等で確認されている。
【0006】
このような座席の前後位置を検出するセンサを備えたシートレール装置としては、センサ部にポテンシオメータを採用した技術、リミットスイッチを採用した技術、磁石と磁気センサ(ホールIC)を組み合わせた技術等々が提案されている。
【0007】
しかしこれらの技術に係るシートレール装置は、以下の点において問題がある。
まず、シート位置検出センサに、ポテンシオメータを採用した技術に係るシートレール装置は、その設置場所が、温度変化が激しい自動車の室内に設置した場合には、センサの信号が安定性に欠けるものとなり、その装置も耐久性に欠ける等の問題があった。
【0008】
また、シート位置検出センサに、リミットスイッチを採用した技術に係るシートレール装置は、その装置の構造原理上、スイッチが切替わる境界付近では、スイッチの動作が不安定となる。従って、座席の位置が前記スイッチ切替付近に調整された場合には、前記スイッチから不安定な信号(ON/0FF)を繰り返し出力することとなる。そのため、別途「ヒステリシス特性をもたせる機構」を組み合わせることが必要となるが、この「ヒステリシス特性をもたせる機構」が耐久性の面で問題がある。
【0009】
一方、磁石と磁気センサ(ホールIC)を組み合わせた技術に係るシートレール装置としては、例えば米国特許6,053,529号の特許明細書に記載されたシートレール装置が公知である。当該装置においては、一方のレールに取り付けられたU字状のセンサ部材(磁石と磁気センサ/ホールICの組み合わせ)と他方のレールに取り付けられたフランジとを備え、座席の移動調整に伴う両レールの相対位置/領域を検出するようになっている。このため、当該装置は構成が簡単であり、また、センサ部が無接点で耐久性に優れている。
【0010】
ところが、上記公報に記載の技術に係るシートレール装置は、一方のレール側面に別部材のフランジを取り付ける必要があり、部品点数が多くなるばかりか極めてスペースが限定され余裕のない座席と車両の床の間、あるいは座席側面に余分なフランジを収容しなければならず、実用性に問題があった。また、上記の装置の構成は、ある種の形状に係るシートレール装置には適用が困難という問題がある。
【0011】
また、通常、左右のシートレールは略対称な構成を用いることが多く、更に運転席と助手席とはほぼ同一のシートレールが採用される。このため、例えば日本向けの右ハンドル車において運転席の左側(自動車の中央側)にフランジ部材を設ける構成を採用し、同一のシートレールを助手席に取り付けるとフランジ部材が座席の左側(自動車のドア側)になってしまい、自動車の中央側にスペース確保をしたり配線を集中できなくなる。従って、運転席用と助手席用のシートレールをフランジ部材の有無によって異なる別部材とする必要があり、部品の共用化の妨げとなる。従って、上記公報に係る技術のシートレール装置では、センサを備えたシートレール装置とこれを備えないシートレール装置との部品共用化等の妨げとなり、設計上の制約が大きかった。
【0012】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術に係るシートレール装置が抱えていた問題点を解決するものであって、その解決課題は、構成する部品点数が少なく、かつ、多様な形状のシートレール装置にもセンサ部を簡単に取り付けられるようにし、センサ部の有無に関係なくシートレール装置の部品を容易に共用化が可能なシートレール装置を、安価に提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、車体側に設置されるロアレール部材12と車両用シート200側に設置されるアッパーレール部材11とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材10のどちらか一方のレール部材10にセンサ部20を設けて、このセンサ部20が他方のレール部材10を感知することにより前記各レール部材10の相関位置を判別するシートレール装置100であって、一方のレール部材10に設けられた前記センサ部20は側面L字形状に形成され、このセンサ部20が、その側面L字形状の二辺を結ぶ空間内において前記他方のレール部材10の存否を感知することにより、各レール部材10の相関位置を判別することを特徴とするシートレール装置100である。
【0014】
この請求項1に記載のシートレール装置100は、一方のレール部材10に設けられたセンサ部20が側面L字形状に形成されており、このセンサ部20が、その形状のL字に係る二辺を結ぶ空間内において、センサ部20の被感知物である他方のレール部材10が前記空間内に存在するか否かを感知することとなる。
【0015】
すなわち、前記センサ部20が他方のレール部材10を感知することによって、互いにスライド可能な各レール部材10の相関位置を判別することが可能となる。そのため、ロアレールに対して、アッパーレールに固着された車両用シート200が何処の位置に調整移動されているのかが判別可能となり、前記の車両用シート200が所定位置よりも前方に調整移動されていることには、センサ部20がその旨の信号をエアバッグ制御装置に向けて発することとなる。従って、車両が衝突事故とを起こした場合には、前記エアバッグ制御装置がエアバッグの展開速度を調整することとなり、乗員に対して効果的にエアバックを作用させ、ひいては乗員への怪我の防止を図るものである。
【0016】
請求項2に係る発明は、車体側に設置されるロアレール部材12と車両用シート200側に設置されるアッパーレール部材11とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材10のどちらか一方のレール部材10にセンサ部20を設けて、このセンサ部20が他方のレール部材10を感知することにより前記各レール部材10の相関位置を判別するシートレール装置100であって、一方のレール部材10に設けられた前記センサ部20は、側面L字形状に形成したケース21の一辺部分に磁束発生源を設け、当該ケース21の他辺部分に磁束感知装置を設けて成り、前記磁束発生源と前記磁束感知装置との間における磁束の遮蔽又は当該遮蔽の解除により、前記他方のレール部材10の存否を感知して、各レール部材10の相関位置を判別することを特徴とするシートレール装置100である。
【0017】
この請求項2に記載のシートレール装置100では、センサ部20の側面L字形状に係る二辺のうち、一辺部分には磁束発生源を設け、他方の一辺部分には磁束感知装置を設けて、これら二辺を結ぶ空間内には磁束が発生することとなる。従って、互いにスライド可能なシートレール装置100における、前記「他方のレール部材10」が、センサ部20におけるL字形状の二辺を結ぶ空間内に存在する場合には、前記「他方のレール部材10」が前記磁束を遮蔽することとなる。従って、磁束発生源から発せられる磁束は、磁束感知装置に到達しなくなるため、センサ部20がそのL字形状の内側にシートレールが存在するものと判別することとなる。
【0018】
すなわち、前記センサ部20が他方のレール部材10を感知することによって、互いにスライド可能な各レール部材10の相関位置を判別することが可能となる。そのため、ロアレールに対して、アッパーレールに固着された車両用シート200が何処の位置に調整移動されているのかが判別可能となり、前記の車両用シート200が所定位置よりも前方に調整移動されていることには、センサ部20がその旨の信号をエアバッグ制御装置に向けて発することとなる。従って、車両が衝突事故とを起こした場合には、前記エアバッグ制御装置がエアバッグの展開速度を調整することとなり、乗員に対して効果的にエアバックを作用させ、ひいては乗員への怪我の防止を図るものである。
【0019】
請求項3に係る発明のシートレール装置100は、請求項1又は2に記載のシートレール装置100において、センサ部20が、他方のレール部材10の「肩部13」の存否を感知することを特徴とするものである。
【0020】
この請求項3に係る発明によれば、少ない部品点数且つコンパクトな装置にてシートの位置判別が可能となるのである。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のシートレール装置100位置において、調整用プレート70を、センサ部20により感知される被感知レール部材10に設け、この位置調整用プレート70でセンサ部20の磁束を遮蔽することにより各レール部材10の相関位置を判別することを特徴とするシートレール装置100である。
【0022】
この請求項4に係る発明のシートレール装置100は、各レール部材10のうち、センサ部20を備えない被感知レール部材10に調整用プレート70を設けたものである。
【0023】
被感知物であるレール部材10を、アルミニウム等の磁束を遮蔽できない原材料にて形成した場合には、センサ部20のL字形状に係る「空間」内の磁束を遮蔽することができない。従ってこのような場合は、前記「磁束」を用いたことによる、レール部材10の相関位置の判別は困難となる。
【0024】
そのため本請求項に係る発明では、レール部材10を磁束を遮蔽できない原材料にて形成し、尚かつ、磁束を感知することによってシート位置の判別を行う場合においては、前記位置調整用プレート70を被感知物側であるレール部材10に設け、この位置調整用プレート70をセンサ部20に感知させることにより、各レール部材10の相関位置を判別することとなるのである。
【0025】
なお、この請求項4に係る発明は、レール部材10が磁束を遮蔽できない原材料により形成された場合に限らず、レール部材10そのものが磁束を遮蔽可能であっても、レール部材10の汎用性を高めるためレール部材10の寸法を調整するべく、前記の位置調整用プレート70を設けるものとしても本発明の技術的範囲に属するものである。
【0026】
請求項5に係る発明は、車体側に設置されるロアレール部材12と車両用シート200側に設置されるアッパーレール部材11とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材10のどちらか一方のレール部材10にセンサ部20を設けて、このセンサ部20が他方のレール部材10を感知することにより前記各レール部材10の相関位置を判別するシートレールの位置判別方法であって、前記センサ部20は側面L字形状に形成され、このセンサ部20が、その側面L字形状の二辺を結ぶ空間内に前記他方のレール部材10の存否を感知することにより、各レール部材10の相関位置を判別することを特徴とするシートレールの位置判別方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明は、車両用シート200を車両に対してスライド可能に連結する際に用いられるシートレール装置100において、当該装置を構成する一方のレール部材10が、他方のレール部材10に対して、所定領域を超過した位置に調整移動している場合には、その旨の信号をエアバッグ制御装置に向けて発信する、乗員の前方に位置するハンドル或いはダッシュボードに収納されているエアバッグ装置のエアバッグが展開する速度・圧力等を調節させることを可能とするシートレール装置100に係るものである。
【0028】
このシートレール装置100は、互いにスライド可能なレール部材10と、このシーレール部材10の相関位置を感知するセンサ部20とからなるものであり、以下、各構成要件ごとに詳述する。
【0029】
まずレール部材10は、アッパーレール部材11とロアレール部材12とをスライド可能に係合することによりなるものである。アッパーレール部材11は車両用シート200に固着するものであり、一方ロアレール部材12は、前記車両用シート200をスライド可能に設置する車両における床面に固着するものである。
【0030】
これらレール部材10は、車両用シート200の重量と乗員の体重、並びに車両走行時や衝突事故時に発生する応力等に耐えることが可能であれば、如何なる材質によりどのような形状のものとしてもよい。具体的には、強度と軽量性を担保させるべく、鉄板にプレス加工を施して断面略コ字状或いは断面略L字状に形成して、これらを組み合わせることにより構成することが考えられる。これらのレール部材10を係合する際には、スムースなスライドを実現するべく、アッパーレール部材11とロアレール部材12との間に、ローラ50或いはボールベアリング等を介在させることが考えられる。なお、各レール部材10は、図9又は図10に示すような断面形状に形成するものとしてもよい。
【0031】
次にセンサ部20は、その形状を側面L字形状に形成し、前記したレール部材10のアッパーレール部材11又はロアレール部材12のどちらか一方に設置して、前記側面L字の二辺を結ぶ「空間」内において、当該センサ部20を備えない他方のレール部材10の存否を感知するものである。このセンサ部20は、他方のレール部材10の存否を感知することが可能であれば、当該他方のレール部材10における何処の部分を感知するものとしてもよいが、具体的には、そのレール部材10の「肩部13」を感知する構成とすることが考えられる。かかる構成により、少ない部品点数且つコンパクトな装置にてシートの位置判別が可能となるのである。
【0032】
そして、互いにスライド可能なレール部材10に対する調整移動により、一方のレール部材10の位置が、他方のレール部材10の所定領域を超過した位置に移動された場合には、当該センサ部20がエアバッグ制御装置に向けて、その旨の信号を発信することとなるのである。
【0033】
このセンサ部20は、前記「他方のレール部材10」を感知可能であれば、「光学式」や「赤外線式」など如何なるセンサ機構をもいいるものとしてもよいが、具体的には、「磁束の感知」を用いたセンサ部20を用いて、耐温度性や耐久性に優れた構造とすることが考えられる。
【0034】
この「磁束の感知」を用いたセンサ部20というのは、まず、当該センサ部20の形状であるL字の一辺部分には磁束発生源を設け、前記L字の他方にかかる一辺には、前記磁束を感知する磁束感知装置を設ける。そして、前記「L字」の二辺を結ぶ空間内には磁束が発生することとなり、この磁束が遮蔽された場合には、前記空間内に何らかの遮蔽物が存在することを感知するものである。
【0035】
本発明において、前記「二辺を結ぶ空間」内の磁束を遮蔽するのは、他方のレール部材10であって、互いのレール部材10における相関位置が、所定の領域を超過してスライドした場合には、前記「空間」内の磁束を「遮蔽」又は「遮蔽解除」することとなり、センサ部20がエアバッグ制御装置に向けて、シートレールの相関位置に基づく信号を発信するのである。
【0036】
磁束発生源としてはマグネット22を用いるもことが考えられるが、特段、永久磁石に限定されるものではなく、電磁石を用いるものとしてもよい。
【0037】
磁束感知装置としては、磁束を感知することが可能であれば如何なる構成のものとしてもよいが、具体的には、「ホールIC23」を用いることが考えられる。
【0038】
一方、前記磁束を遮蔽することがでいない素材(例えば「アルミニウム」)によりレール部材10を形成した場合には、レール部材10の「位置判別」が困難である。そのため、図3に示すように、磁束の遮蔽が可能な素材により形成した「位置調整用プレート70」を、被感知物である前記「他方のレール部材10」に装着するものとすることが考えられる。この位置調整用プレート70により、前記センサ部20にかかる「空間」内の磁束を遮蔽することが可能となり、レール部材10の相関位置を判別することが可能となるのである。また、この位置調整用プレート70を装着することにより、レール部材10の寸法の長短に関わりなく、前記の「位置判別」が可能となり、前記レール部材10の汎用性を高めることも可能とするものである。
【0039】
(実施例)
次に、本発明に係るシートレール装置100の実施例を説明するが、この実施形態は考えられる実施例の1つにすぎず、特段この実施例に技術的範囲が限定されるものではない。
図1は、本発明に係るシートレール装置100により、車両用シート200が設置された車両を示すものである。前記車両用シート200はシートクッション201とシートバック202とを備え、シートクッション201の下面に取付られた左右のシートレールを介して、車両用シート200が車両の床面に前後に移動調整可能に取り付けられている。図に示されない操作レバー30を操作し、シートレールを前後にスライド調整することによってシートの車両の床面に対する前後位置を調整及び固定できる様に構成している。
【0040】
図2はセンサ部20を備えたシートレール装置100を示したものである。センサ部20を備えない他方のシートレール装置100は、通常これと略対称に構成されたものが使用される。
【0041】
図2および図4に示すように、シートレール装置100は、断面が略コ字状のロアレール部材12と断面が略逆T字状のアッパーレール部材11を備えている。アッパーレール部材11とロアレール部材12とは、スチールボール60およびローラ50を介在させて前後に相対移動可能に摺嵌されている。
【0042】
操作レバー30部材は、図2又は図4では図示しないロック機構を操作するもので、レバーが取り付けられるようになっている。このロック機構を前記レバーにより操作して、両レールのロックを解除し、アッパーレールに取り付けられたシートクッション201を車両に対して前後に調整できるようになっている。
【0043】
また、ロアレールの前後端部には、シートレールを車両の床に固定するためのフット40を、リベット若しくは溶接等の手段で取り付けられている。
【0044】
図4に示すように、側面L字状のセンサ部20を、アッパーレールの一方の側面にスクリューにて逆さに取り付けて、そのL字状の内方向(空間部)にロアレールの一方の「肩部13」が近接される様に構成している。
【0045】
次に、図5を参照してセンサの詳細構成を説明する。センサ部20は側面が略L字状で中空の合成樹脂からなるケース21と、当該ケース21のL字状の各辺部に収容される「マグネット22」並びに「ホールIC23」が取り付けられた「プリント基板」とを備えている。また、ケース21の上面の開口部には、この開口を覆うべく、防水機能を備えたゴム製のグロメットが嵌装されており、当該グロメットに予め設けられた貫通孔を経てリード線が挿通されている。
【0046】
図6及び図7は、本発明に係るシートレール装置100の、「センサ部20」における動作原理を示すものである。
【0047】
図6に示すように、アッパーレール部材11に装着された車両用シート200が、中間位置に調整移動されているときは、ロアレール部材12の「肩部13」がセンサ部20のL字状の両辺を結ぶ空間部に近接し、マグネット22の磁束がホールIC23にまで到達しないため、前記ホールIC23が磁束を感知しない。
【0048】
一方、図7に示すように、車両用シート200が最前方位置に調整移動されているときは、ロアレール部材12の「肩部13」がセンサ部20のL字状の両辺を結ぶ「空間部」に存在しない。従って、そのためマグネット22とホールIC23の間に遮蔽物が存在しないため、マグネット22により発生される磁束がホールIC23により感知されることとなる。
【0049】
このため、センサ部20のアッパーレール部材11への取り付け位置に対応して、センサ部20の信号が変化し、それに応じて、図8に示すようにレール部材10の調整位置、つまり、車両用シート200の前後位置を「領域」として検出することが可能となるものである。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係るシートレール装置によれば、少ない部品点数によりコンパクトに構成することが可能となり、かつ、多様な形状のシートレール装置にもセンサ部を簡単に取り付けられるようにし、センサ部の有無に関係なくシートレール装置の部品を容易に共用化が可能とするものである。なお、各請求項の固有の効果は、以下のとおりである。
【0051】
まず、請求項1に係る発明のシートレール装置は、車体側に設置されるロアレール部材と車両用シート側に設置されるアッパーレール部材とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材のどちらか一方のレール部材にセンサ部を設けて、このセンサ部が他方のレール部材を感知することにより前記各レール部材の相関位置を判別するシートレール装置であって、一方のレール部材に設けられた前記センサ部は側面L字形状に形成され、このセンサ部が、その側面L字形状の二辺を結ぶ空間内において前記他方のレール部材の存否を感知することにより、各レール部材の相関位置を判別することにその構成上の特徴を有するものである。そしてこの請求項1に記載のシートレール装置によれば、車両が衝突事故とを起こした場合には、前記エアバッグ制御装置がエアバッグの展開速度を調整することとなり、乗員に対して効果的にエアバックを作用させ、ひいては乗員への怪我の防止を図るという効果を奏するものである。
【0052】
請求項2に係る発明のシートレール装置は、車体側に設置されるロアレール部材と車両用シート側に設置されるアッパーレール部材とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材のどちらか一方のレール部材にセンサ部を設けて、このセンサ部が他方のレール部材を感知することにより前記各レール部材の相関位置を判別するシートレール装置であって、一方のレール部材に設けられた前記センサ部は、側面L字形状に形成したケースの一辺部分に磁束発生源を設け、当該ケースの他辺部分に磁束感知装置を設けて成り、前記磁束発生源と前記磁束感知装置との間における磁束の遮蔽又は当該遮蔽の解除により、前記他方のレール部材の存否を感知して、各レール部材の相関位置を判別することにその構成上の特徴を有するものである。そしてこの請求項2に記載のシートレール装置によれば、車両が衝突事故とを起こした場合には、前記エアバッグ制御装置がエアバッグの展開速度を調整することとなり、乗員に対して効果的にエアバックを作用させ、ひいては乗員への怪我の防止を図るという効果を奏するものである。
【0053】
請求項3に係る発明のシートレール装置は、請求項1又は2に記載のシートレール装置において、センサ部が、他方のレール部材の「肩部」の存否を感知することにその構成上の特徴を有するものである。そして、この請求項3に記載のシートレール装置によれば、少ない部品点数且つコンパクトな装置にてシートの位置判別が可能となるという効果を奏するものである。
【0054】
請求項4に係る発明のシートレール装置は、請求項2又は3に記載のシートレール装置位置において、調整用プレートを、センサ部により感知される被感知レール部材に設け、この位置調整用プレートでセンサ部の磁束を遮蔽することにより各レール部材の相関位置を判別することにその構成上の特徴を有するものである。そしてこの請求項4に記載のシートレール装置によれば、レール部材を磁束を遮蔽できない原材料にて形成し、尚かつ、磁束を感知することによってシート位置の判別を行う場合においては、前記位置調整用プレートを被感知物側であるレール部材に設け、この位置調整用プレートをセンサ部に感知させることにより、各レール部材の相関位置を判別可能となるという効果を奏することとなるのである。
【0055】
請求項5に係る発明のシートレールの位置判別方法は、車体側に設置されるロアレール部材と車両用シート側に設置されるアッパーレール部材とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材のどちらか一方のレール部材にセンサ部を設けて、このセンサ部が他方のレール部材を感知することにより前記各レール部材の相関位置を判別するシートレールの位置判別方法であって、前記センサ部は側面L字形状に形成され、このセンサ部が、その側面L字形状の二辺を結ぶ空間内に前記他方のレール部材の存否を感知することにより、各レール部材の相関位置を判別することにその構成上の特徴を有するものである。そしてこの請求項5に記載のシートレールの位置判別方法によれば、簡易且つ安価にシートレールの相関位置を判別することが可能となるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシートレール装置100により、車両用シートを設置した車両の斜視図である。
【図2】センサ部20を備えたシートレール装置100を示す斜視図である。
【図3】ロアレール部材12に位置調整用プレート70を装着したシートレール装置100を示す斜視図である。
【図4】シートレール部材10の端面(断面)形状を示す図である。
【図5】センサ部20の詳細な構造を示す断面図である。
【図6】動作原理を示す図である。
【図7】動作原理を示す図である。
【図8】検出領域を示す図である。
【図9】レール部材10の他の実施形態を示す図である。
【図10】レール部材10の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 レール部材
11 アッパーレール部材
12 ロアレール部材
13 肩部
20 センサ部
21 ケース
22 マグネット
23 ホールIC
30 操作レバー
40 フット
50 ローラ
60 スチールボール
70 位置調整用プレート
100 シートレール装置
200 車両用シート
201 シートクッション
202 シートバック
Claims (5)
- 車体側に設置されるロアレール部材と車両用シート側に設置されるアッパーレール部材とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材のどちらか一方のレール部材にセンサ部を設けて、このセンサ部が他方のレール部材を感知することにより前記各レール部材の相関位置を判別するシートレール装置であって、
一方のレール部材に設けられた前記センサ部は側面L字形状に形成され、このセンサ部が、その側面L字形状の二辺を結ぶ空間内において前記他方のレール部材の存否を感知することにより、各レール部材の相関位置を判別することを特徴とするシートレール装置。 - 車体側に設置されるロアレール部材と車両用シート側に設置されるアッパーレール部材とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材のどちらか一方のレール部材にセンサ部を設けて、このセンサ部が他方のレール部材を感知することにより前記各レール部材の相関位置を判別するシートレール装置であって、
一方のレール部材に設けられた前記センサ部は、側面L字形状に形成したケースの一辺部分に磁束発生源を設け、当該ケースの他辺部分に磁束感知装置を設けて成り、
前記磁束発生源と前記磁束感知装置との間における磁束の遮蔽又は当該遮蔽の解除により、前記他方のレール部材の存否を感知して、各レール部材の相関位置を判別することを特徴とするシートレール装置。 - センサ部は、他方のレール部材の肩部の存否を感知することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシートレール装置。
- 位置調整用プレートを、センサ部により感知される被感知レール部材に設け、この位置調整用プレートがセンサ部における磁束を遮蔽し又は当該遮蔽を解除することにより、各レール部材の相関位置を判別することを特徴とする、請求項2又3に記載のシートレール装置。
- 車体側に設置されるロアレール部材と車両用シート側に設置されるアッパーレール部材とを互いに長手方向へスライド可能に係合し、これら各レール部材のどちらか一方のレール部材にセンサ部を設けて、このセンサ部が他方のレール部材を感知することにより前記各レール部材の相関位置を判別するシートレールの位置判別方法であって、
前記センサ部は側面L字形状に形成され、このセンサ部が、その側面L字形状の二辺を結ぶ空間内における前記他方のレール部材の存否を感知することにより、各レール部材の相関位置を判別することを特徴とするシートレールの位置判別方法。
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