JP2004082885A - 自動車車体の上側部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ルーフサイドレール4が、車体1の幅方向で互いに対面するレールアウタパネル17およびレールインナパネル18と、これら両パネル17,18の間に介設されるレール補強パネル19とを備える。レールアウタパネル17、レールインナパネル18、およびレール補強パネル19の各下縁部を互いにスポット溶接S2により結合させる。スポット溶接S2のうち、ピラー7の後方近傍に位置するスポット溶接S2´を通るルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、レール補強パネル19の一部分に溝形状の屈曲部31を成形する。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車車体の上側部構造に関し、より詳しくは、ルーフサイドレールの前後方向の中途部と、ピラーの上端部との結合部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記自動車車体の上側部構造には、従来、特開平9‐76937号公報で示されたものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、車体の上側部は、車体の前後方向に延びるルーフサイドレールと、このルーフサイドレールの前後方向の中途部の下方に位置して上下方向に延びその上端部が上記ルーフサイドレールの中途部に結合されるセンタピラーとを備え、上記ルーフサイドレールが、車体の幅方向で互いに対面するレールアウタパネルおよびレールインナパネルと、これら両パネルの間に介設されるレール補強パネルとを備えている。
【0004】
また、上記構成において、従来、レールアウタパネル,レールインナパネル、およびレール補強パネルの各下縁部を互いにスポット溶接により結合させ、上記センタピラーにシートベルトアンカーを取り付け、このシートベルトアンカーに連結されたシートベルトにより、シートに着座した着座者をシート上に保持可能としたものがある。
【0005】
上記構成の自動車が前進走行中にその前方の何らかの物体に衝突(「前突」)したとき、シート上の着座者はその慣性力によってシートから前方に向って相対移動しようとするが、上記シートベルトが着座者をシート上に保持しようとし、かつ、上記シートベルトはシートベルトアンカを介しセンタピラーに強固に支持される。よって、着座者は上記シートベルトによりシート上に保持されて保護されることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記自動車の「前突」時には、一般に、シートベルトアンカを介しセンタピラーに前方に向う大きい外力が与えられる。この場合、このセンタピラーが前方に向い撓み、このセンタピラーにより上記ルーフサイドレールの中途部が下方に向うよう引張されると、上記センタピラーの後方近傍における上記ルーフサイドレールの部分には応力集中が生じがちとなり、この結果、上記スポット溶接のうち、上記センタピラーの後方近傍に位置するスポット溶接が破断して、上記レールアウタパネル,レールインナパネル、およびレール補強パネルの各下縁部の互いの結合が解除されるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、自動車の「前突」時など、シートベルトアンカを介しピラーに前方に向う大きい外力が与えられたときでも、上記ピラーの後方近傍におけるルーフサイドレールの部分のスポット溶接が容易には破断しないようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自動車車体の上側部構造は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0009】
請求項1の発明は、車体1の前後方向に延びるルーフサイドレール4と、このルーフサイドレール4の前後方向の中途部6の下方に位置して上下方向に延びその上端部が上記ルーフサイドレール4の中途部6に結合されるピラー7とを備え、上記ルーフサイドレール4が、車体1の幅方向で互いに対面するレールアウタパネル17およびレールインナパネル18と、これら両パネル17,18の間に介設されるレール補強パネル19とを備え、上記レールアウタパネル17、レールインナパネル18、およびレール補強パネル19の各下縁部を互いにスポット溶接S2により結合させ、上記ピラー7の上下方向の中途部にシートベルトアンカ27を取り付けた自動車車体の上側部構造において、
【0010】
上記スポット溶接S2のうち、上記ピラー7の後方近傍に位置するスポット溶接S2´を通る上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の一部分に溝形状の屈曲部31を成形したものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の他部分に他の屈曲部32を成形し、上記両屈曲部31,32のうち、いずれか一方(屈曲部31)が車体1の内方側に向って突出し、他方(他の屈曲部32)が外方側に向って突出するようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記ピラー7が、車体1の幅方向で互いに対面するピラーアウタパネル22およびピラーインナパネル23と、これら両パネル22,23の間に介設されるピラー補強パネル24とを備えた自動車車体の上側部構造において、
【0013】
上記屈曲部31と上記ピラー補強パネル24の上端部とを互いに結合させたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0015】
図において、符号1は自動車の板金製の車体1で、矢印Frはこの自動車の進行方向の前方を示している。
【0016】
上記車体1は前、後車輪2によって走行路面上に支持されている。上記車体1は、その下部を構成し不図示のフロアパネルを有する下部部材3と、上記車体1の左右各上側部を構成して前後方向に長く延びる左右一対のルーフサイドレール4と、これら左右ルーフサイドレール4に架設されて支持されるルーフパネル5と、上記ルーフサイドレール4の前後方向の中途部6の下方に位置して上下方向に延びその下端部が上記下部部材3に結合される一方、上端部が上記ルーフサイドレール4の中途部6に結合されるセンタピラー7とを備え、上記下部部材3に対し上記センタピラー7、およびその他のピラーを介しルーフサイドレール4とルーフパネル5とが支持されている。
【0017】
上記車体1の各構成部材3〜7で囲まれた上記車体1の内部空間が車室8とされ、この車室8に乗客の着座用の不図示のシートが配置され、これらシートは上記下部部材3上に支持されている。
【0018】
上記センタピラー7の前方には、車室8の内外を連通させるドア開口11が成形され、即ち、このドア開口11の後縁部は上記センタピラー7により成形され、上記ドア開口11を開閉自在とするサイドドア12が設けられている。また、上記センタピラー7の上部後方には、車室8の内外を連通させるウインド開口13が成形され、このウインド開口13を閉じる不図示のウインドガラスが設けられている。また、上記センタピラー7の下部後方、かつ、上記ウインド開口13の下方には、上記後車輪2をその上方から覆うホイールハウス14が上記車体1に成形されている。
【0019】
上記ルーフサイドレール4は、車体1の幅方向で互いに対面するレールアウタパネル17およびレールインナパネル18と、これら両パネル17,18の間に介設されて上記ルーフサイドレール4の強度を向上させるレール補強パネル19とを備えている。これらパネル17〜19の各上縁部と、上記ルーフパネル5の外側縁部とはスポット溶接S1により互いに結合され、上記ルーフサイドレール4の中途部6の前、後方における上記レールアウタパネル17、レールインナパネル18およびレール補強パネル19の各下縁部はスポット溶接S2により互いに結合されている。これにより、上記ルーフサイドレール4の前後方向の各部断面が閉断面とされて、強度と剛性とが向上させられている。
【0020】
上記センタピラー7は、車体1の幅方向で互いに対面するピラーアウタパネル22およびピラーインナパネル23と、これら両パネル22,23の間に介設されて上記センタピラー7の強度を向上させるピラー補強パネル24とを備えている。これらパネル22〜24の各前縁部はスポット溶接S3により互いに結合され、各後縁部はスポット溶接S4により互いに結合されている。これにより、上記センタピラー7の上下方向の各部断面が閉断面とされて、強度と剛性とが向上させられている。
【0021】
図3,5において、上記ルーフサイドレール4の中途部6とセンタピラー7の上端部との結合部では、上記レールアウタパネル17とピラーアウタパネル22とは互いに一体成形されている。また、上記ルーフサイドレール4の中途部6における上記レールインナパネル18の下縁部と、上記ピラーインナパネル23の上縁部とはスポット溶接S5により互いに結合されている。また、上記レールアウタパネル17およびレールインナパネル18の各下縁部と、上記ピラー補強パネル24の上端部の後縁部とはスポット溶接S6により互いに結合されている。これにより、上記ルーフサイドレール4と中途部6とセンタピラー7の上端部とが互いに強固に結合されている。
【0022】
上記センタピラー7の上下方向の中途部である上部では、上記ピラーインナパネル23とピラー補強パネル24とが互いに面接合するよう重ね合わされており、このピラーインナパネル23とピラー補強パネル24との重ね合わせ部にシートベルト26を連結させるシートベルトアンカ27が締結具28により取り付けられている。上記シートベルト26は、上記シートベルトアンカ27の前下方に設置されたシートに対し設けられたものであって、上記シートベルト26はシートベルトアンカ27から前下方に向って延び、上記シートに着座した着座者をシート上に保持可能とする。
【0023】
上記レールアウタパネル17、レールインナパネル18、およびレール補強パネル19の各下縁部を結合させたスポット溶接S2のうち、上記センタピラー7の後方近傍、かつ、センタピラー7の後方に隣り合うよう位置するスポット溶接S2´を通る上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の一部分にのみ、つまり、上記スポット溶接S2´の上方近傍における上記レール補強パネル19の下部にのみ、溝形状の屈曲部31が成形されている。この屈曲部31は、少なくとも上記センタピラー7の上端部との結合部である上記ルーフサイドレール4の中途部6から上記スポット溶接S2´の上方近傍にまで連続的に成形され、これにより、上記レール補強パネル19に前後方向に延びる溝(ビート゛)が成形されている。
【0024】
上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の他部分である上部には、偏平な溝形状となるよう延びる他の屈曲部32が成形されている。上記両屈曲部31,32のうち、いずれか一方の屈曲部は車体1の内方側に向って突出し、他方の屈曲部は車体1の外方側に向って突出させられており、より具体的には、上記屈曲部31は車体1の内方側(内側下方)に向って突出し、上記他の屈曲部32は車体1の外方側(外側上方)に向って突出し、上記レールアウタパネル17とレールインナパネル18とで囲まれた空間34における上記レール補強パネル19の部分は全体としてS字形状とされている。
【0025】
特に、図5において、上記屈曲部31の突出端部の外面と、上記ピラー補強パネル24の上端部とがスポット溶接S7により互いに結合させられ、これにより、上記ルーフサイドレール4の中途部6とセンタピラー7との結合部の強度が向上させられている。
【0026】
なお、図1,3,5中仮想線で示すように、屈曲部31を、実線図示の屈曲部31に代え、もしくはこの屈曲部31と共にレール補強パネル19の上部に成形してもよく、このレール補強パネル19の上下方向の中央部に設けてもよく、また、屈曲部31を複数設けてこれらの突出方向を逆にすることにより上記レール補強パネル19をジグザグ状に成形してもよい。また、上記ルーフサイドレール4の横断面形状における屈曲部31の溝形状とは、U字形状、V字形状、円弧形状、およびこれらが複合した形状を含むものであり、横向きや倒立をも含むものである。
【0027】
上記構成によれば、レールアウタパネル17、レールインナパネル18、およびレール補強パネル19の各下縁部を互いにスポット溶接S2により結合させた場合の上記スポット溶接S2のうち、上記センタピラー7の後方近傍に位置するスポット溶接S2´を通る上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の一部分にのみ、溝形状の屈曲部31を成形してある。
【0028】
ここで、自動車の「前突」時に、上記シートベルトアンカ27を介しセンタピラー7に対し前下方に向う大きい外力Fが与えられて、このセンタピラー7が前下方に向い撓み、このセンタピラー7により上記ルーフサイドレール4の中途部6が下方に向うよう引張されると、上記センタピラー7の後方近傍における上記ルーフサイドレール4の部分に応力集中が生じがちとなり、この結果、上記センタピラー7の後方近傍でこのセンタピラー7に隣り合うスポット溶接S2´が破断して、上記レールアウタパネル17、レールインナパネル18、およびレール補強パネル19の各下縁部の互いの結合が解除されるおそれがある。
【0029】
しかし、上記したように、スポット溶接S2´を通る上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の一部分に屈曲部31を成形してあるため、上記外力Fに基づき、上記センタピラー7の後方近傍における上記ルーフサイドレール4の部分に応力集中が生じて上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられようとするときには、上記屈曲部31が弾性変形、塑性変形にかかわらず撓むことにより、上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられることが抑制される。
【0030】
よって、上記応力集中により、上記スポット溶接S2´が破断するということが防止されて、上記レールアウタパネル17、レールインナパネル18、およびレール補強パネル19の互いの結合が、より確実に保持される。
【0031】
なお、上記レールアウタパネル17とレールインナパネル18とで囲まれた空間34におけるレール補強パネル19の部分を、仮に、全体的に大きい半径で湾曲するよう屈曲させたとすると、このレール補強パネル19の各部剛性が高くなり過ぎ、よって、センタピラー7に対し与えられる外力Fに基づき、上記レール補強パネル19が撓むようにすることは困難であり、つまり、上記構成では、スポット溶接S2´の破断の抑制は容易ではないと考えられる。
【0032】
また、前記したようにスポット溶接S2´を通る上記ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記スポット溶接S2´の上方近傍における上記レール補強パネル19の一部分である下部にのみ、上記屈曲部31を成形してある。
【0033】
このため、上記したように、センタピラー7に対し与えられる外力Fに基づき、上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられようとするときには、このスポット溶接S2´の近傍の上記屈曲部31が直ちに撓むこととなって、上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられることは、より確実に抑制され、よって、このスポット溶接S2´の破断は更に確実に防止される。
【0034】
また、前記したように、屈曲部31を、少なくとも上記ルーフサイドレール4の中途部6からスポット溶接S2´の上方近傍にまで連続的に成形して上記レール補強パネル19に前後方向に延びる溝(ビート゛)を成形してある。
【0035】
このため、上記屈曲部31で成形された溝により、前後方向の外力に対する上記ルーフサイドレール4の中途部6の強度と剛性とが向上させられて、このルーフサイドレール4の中途部6とセンタピラー7との結合部の強度が向上させられる。
【0036】
また、前記したように、ルーフサイドレール4の横断面視(図1)で、上記レール補強パネル19の他部分に、溝形状の他の屈曲部32を成形し、上記両屈曲部31,32のうち、いずれか一方が車体1の内方側に向って突出し、他方が外方側に向って突出するようにしてある。
【0037】
このため、上記したように、センタピラー7に対し与えられる外力Fに基づき、上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられようとするときには、上記屈曲部31が撓むことに加えて、他の屈曲部32も撓むため、上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられることは、より確実に抑制され、よって、このスポット溶接S2´の破断は更に確実に防止される。
【0038】
また、上記したように、レール補強パネル19に成形される両屈曲部31,32の突出方向を互いに逆方向にしてあるため、上記ルーフサイドレール4のレールアウタパネル17とレールインナパネル18との間の空間34の一部に上記レール補強パネル19が偏って位置する、ということが防止され、よって、上記レール補強パネル19の断面強度がより均一となって、車体1の強度上有益である。
【0039】
また、前記したように、センタピラー7が、車体1の幅方向で互いに対面するピラーアウタパネル22およびピラーインナパネル23と、これら両パネル22,23の間に介設されるピラー補強パネル24とを備えた自動車車体の上側部構造において、上記屈曲部31と上記ピラー補強パネル24の上端部とを互いに結合させてある。
【0040】
このため、上記したように、センタピラー7に対し与えられる外力Fに基づき、このセンタピラー7により上記ルーフサイドレール4の中途部6が下方に向うよう引張されるとき、上記センタピラー7のピラー補強パネル24が上記屈曲部31を直ちに下方に撓ませることから、上記スポット溶接S2´に大きい外力が与えられることは直ちに抑制され、よって、このスポット溶接S2´の破断は更に確実に防止される。
【0041】
なお、以上は図示の例によるが、上記各構成を上記センタピラー7に代えクォータピラーに適用してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0043】
請求項1の発明は、車体の前後方向に延びるルーフサイドレールと、このルーフサイドレールの前後方向の中途部の下方に位置して上下方向に延びその上端部が上記ルーフサイドレールの中途部に結合されるピラーとを備え、上記ルーフサイドレールが、車体の幅方向で互いに対面するレールアウタパネルおよびレールインナパネルと、これら両パネルの間に介設されるレール補強パネルとを備え、上記レールアウタパネル、レールインナパネル、およびレール補強パネルの各下縁部を互いにスポット溶接により結合させ、上記ピラーの上下方向の中途部にシートベルトアンカを取り付けた自動車車体の上側部構造において、
【0044】
上記スポット溶接のうち、上記ピラーの後方近傍に位置するスポット溶接を通る上記ルーフサイドレールの横断面視で、上記レール補強パネルの一部分に溝形状の屈曲部を成形してある。
【0045】
ここで、自動車の「前突」時に、上記シートベルトアンカを介しピラーに対し前方に向う大きい外力が与えられて、このピラーが前方に向い撓み、このピラーにより上記ルーフサイドレールの中途部が下方に向うよう引張されると、上記ピラーの後方近傍における上記ルーフサイドレールの部分に応力集中が生じがちとなり、この結果、上記ピラーの後方近傍のスポット溶接が破断して、上記レールアウタパネル、レールインナパネル、およびレール補強パネルの各下端部の互いの結合が解除されるおそれがある。
【0046】
しかし、上記したように、スポット溶接を通る上記ルーフサイドレールの横断面視で、上記レール補強パネルの一部分に屈曲部を成形してある。このため、上記外力に基づき、上記ピラーの後方近傍における上記ルーフサイドレールの部分に応力集中が生じて上記スポット溶接に大きい外力が与えられようとするときには、上記屈曲部が撓むことにより、上記スポット溶接に大きい外力が与えられることが抑制される。
【0047】
よって、上記応力集中により、上記スポット溶接が破断するということが防止されて、上記レールアウタパネル、レールインナパネル、およびレール補強パネルの互いの結合が、より確実に保持される。
【0048】
請求項2の発明は、上記ルーフサイドレールの横断面視で、上記レール補強パネルの他部分に他の屈曲部を成形し、上記両屈曲部のうち、いずれか一方が車体の内方側に向って突出し、他方が外方側に向って突出するようにしてある。
【0049】
このため、上記したように、ピラーに対し与えられる外力に基づき、上記スポット溶接に大きい外力が与えられようとするときには、上記屈曲部が撓むことに加えて、他の屈曲部も撓むため、上記スポット溶接に大きい外力が与えられることは、より確実に抑制され、よって、このスポット溶接の破断は更に確実に防止される。
【0050】
また、上記したように、レール補強パネルに成形される両屈曲部の突出方向を互いに逆方向にしてあるため、上記ルーフサイドレールのレールアウタパネルとレールインナパネルとの間の空間の一部に上記レール補強パネルが偏って位置する、ということが防止され、よって、上記レール補強パネルの断面強度がより均一となって、車体の強度上有益である。
【0051】
請求項3の発明は、上記ピラーが、車体の幅方向で互いに対面するピラーアウタパネルおよびピラーインナパネルと、これら両パネルの間に介設されるピラー補強パネルとを備えた自動車車体の上側部構造において、
【0052】
上記屈曲部と上記ピラー補強パネルの上端部とを互いに結合させてある。
【0053】
このため、上記したように、ピラーに対し与えられる外力に基づき、このピラーにより上記ルーフサイドレールの中途部が下方に向うよう引張されるとき、上記ピラーのピラー補強パネルが上記屈曲部を直ちに下方に撓ませることから、上記スポット溶接に大きい外力が与えられることは直ちに抑制され、よって、このスポット溶接の破断は更に確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の1−1線矢視断面図である。
【図2】車体の部分側面図である。
【図3】図2の部分拡大詳細図である。
【図4】図3の4−4線矢視断面図である。
【図5】図3の5−5線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 車体
4 ルーフサイドレール
5 ルーフパネル
6 中途部
7 センタピラー(ピラー)
8 車室
17 レールアウタパネル
18 レールインナパネル
19 レール補強パネル
22 ピラーアウタパネル
23 ピラーインナパネル
24 ピラー補強パネル
26 シートベルト
27 シートベルトアンカ
31 屈曲部
32 屈曲部
34 空間
F 外力
S スポット溶接
Claims (3)
- 車体の前後方向に延びるルーフサイドレールと、このルーフサイドレールの前後方向の中途部の下方に位置して上下方向に延びその上端部が上記ルーフサイドレールの中途部に結合されるピラーとを備え、上記ルーフサイドレールが、車体の幅方向で互いに対面するレールアウタパネルおよびレールインナパネルと、これら両パネルの間に介設されるレール補強パネルとを備え、上記レールアウタパネル、レールインナパネル、およびレール補強パネルの各下縁部を互いにスポット溶接により結合させ、上記ピラーの上下方向の中途部にシートベルトアンカを取り付けた自動車車体の上側部構造において、
上記スポット溶接のうち、上記ピラーの後方近傍に位置するスポット溶接を通る上記ルーフサイドレールの横断面視で、上記レール補強パネルの一部分に溝形状の屈曲部を成形した自動車車体の上側部構造。 - 上記ルーフサイドレールの横断面視で、上記レール補強パネルの他部分に他の屈曲部を成形し、上記両屈曲部のうち、いずれか一方が車体の内方側に向って突出し、他方が外方側に向って突出するようにした請求項1に記載の自動車車体の上側部構造。
- 上記ピラーが、車体の幅方向で互いに対面するピラーアウタパネルおよびピラーインナパネルと、これら両パネルの間に介設されるピラー補強パネルとを備えた自動車車体の上側部構造において、
上記屈曲部と上記ピラー補強パネルの上端部とを互いに結合させた請求項1、もしくは2に記載の自動車車体の上側部構造。
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