JP2004082699A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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    • B41J2/16517Cleaning of print head nozzles
    • B41J2/16535Cleaning of print head nozzles using wiping constructions

Abstract

【課題】インクジェットヘッドのインクノズルが位置する表面を相対移動するワイパーでワイピングするインクジェット記録装置において、インクノズルの部分を良好にワイピングできるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェットヘッド100のノズル部材102と配線部材103との間に凹部108が形成されているので、ノズル部材102の表面を配線部材103とともにワイピングするワイパー106がノズルアレイ105を飛び越すことがなく、凹部108から引き出されるインクがノズルアレイ105の位置まで到達することもない。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドにより記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタ装置としてインクジェット記録装置が一般に普及しており、その印刷の高速化と高画質化とが要望されている。一般的なインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドを主走査方向に移動させるとともに、被記録材を副走査方向に移動させ、インクジェットヘッドから吐出されるインク滴で被記録材にドットマトリクスの画像を形成する。
【0003】
しかし、インクジェット記録装置では、被記録材の表面で飛散した微細なインク滴や、被記録材の表面から遊離する紙粉などが、インクジェットヘッドの表面に付着しやすい。この場合、付着した紙粉などがインク滴の吐出を阻害し、その吐出方向を偏向して印刷品質を低下させることがある。
【0004】
そこで、このような課題を解決するため、現在のインクジェット記録装置では、インクジェットヘッドの表面をワイパーでワイピングして清浄化するものが一般的である。このワイピング機構としては各種の構造が存在するが、例えば、主走査方向に移動させるインクジェットヘッドの表面に弾性体からなるワイパーを接離させることで、インクジェットヘッドの表面をワイパーで主走査方向の片方向でワイピングするものが一般的である。
【0005】
また、インクジェットヘッドとしても各種の構造が存在するが、例えば、ヘッド基板の表面にノズル部材と配線部材とを一体に装着したものがある。このようなインクジェットヘッドでは、ノズル部材には多数のインクノズルが副走査方向に配列されているノズルアレイが形成されており、インクノズルの各々には外部入力される駆動信号に対応してインク滴を吐出させる駆動素子が内蔵されている。
【0006】
また、配線部材には外部入力される駆動信号をノズル部材の駆動素子まで伝達する信号配線が形成されているので、インクジェット記録装置のプリンタ本体から供給される駆動信号は配線部材の信号配線によりノズル部材の駆動素子まで伝達される。
【0007】
なお、このようなインクジェットヘッドを製造する場合には、例えば、ノズル部材と配線部材とを矩形の平板状に形成し、配線部材にはノズル部材が挿入される矩形の貫通孔を形成する。つぎに、その配線部材をヘッド基板の表面に装着し、その配線部材の矩形孔にノズル部材を挿入してヘッド基板に装着する。
【0008】
そして、配線部材とノズル部材との信号配線をボンディングワイヤで結線することになるが、その作業を容易とするために一般的に配線部材はノズル部材より表面が高く位置するように形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のインクジェットヘッドでは、配線部材の表面がノズル部材の表面より高く位置しているので、ワイパーで配線部材の表面とともにノズル部材の表面をワイピングすると、ワイパーがノズル部材のノズルアレイの位置を良好にワイピングしないことがある。
【0010】
つまり、ワイパーは自身の弾性によりノズル部材などの表面に圧接されるので、例えば、ワイパーの移動速度が速く、ノズル部材の縁部からノズルアレイまでの距離が小さく、配線部材とノズル部材との表面の段差が大きいと、ワイパーの先端がノズル部材の表面に追従する動作が間に合わず、ノズルアレイを飛び越すことがある。
【0011】
このようなことを防止するためには、例えば、ワイパーの移動速度を充分に低下させれば良い。しかし、前述のようにワイパーはインクジェットヘッドの主走査移動によりノズル部材の表面を相対移動するので、この移動速度を低下させるとインクジェット記録装置の印刷速度が低下することになる。
【0012】
しかも、近年はインクジェット記録装置の印刷速度が上昇する一方なので、必然的にインクジェットヘッドの移動速度も上昇している。つまり、ワイパーの移動速度も上昇する一方なので、上述のようなワイピング不良が多発することになる。
【0013】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッドとワイパーとの相対移動方向においてノズル部材と配線部材との間に凹部を備えるインクジェットヘッドにより記録を行うインクジェット記録装置であって、ワイパーにより配線部材の表面とともにノズル部材の表面を良好にワイピングすることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、駆動素子が内蔵されているインクノズルが形成されているノズル部材と前記駆動素子に駆動信号を伝達する信号配線が形成されている配線部材とがヘッド基板の表面に一体に装着されているインクジェットヘッドにより記録を行うインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドは該インクジェットヘッドの前記ノズル部材をワイピングするワイパーとの相対移動方向において前記ノズル部材と前記配線部材との間に凹部を有し、前記ワイパーは、前記配線部材の表面とともに前記ノズル部材の表面をワイピングすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施の形態の構成]
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。図1は本発明の実施の形態のインクジェット記録装置の内部機構の外観を示す斜視図である。図1において、インクジェット記録装置には、記録用紙等の被記録材(図示せず)を記録装置本体(記録部等)内へ供給するための給紙部201と、記録装置本体内を通して被記録材を紙送りするための搬送部202と、画像情報に基づいて被記録材に画像(文字や記号等も含む)を記録していく記録機構部203と、記録機構部203によって形成される画像品位を維持するためのクリーニング機構部(回復機構部)204が設けられている。
【0016】
給紙部201に積載された記録用紙等の被記録材は、給紙モータにより駆動される給紙ローラによって1枚ずつ分離されて送り出され、搬送部202へ送り込まれる。この搬送部202へ送り込まれた被記録材は、搬送モータによって駆動される搬送ローラ221および搬送ローラに押圧されたピンチローラ222による摩擦搬送力によって記録部を通して搬送され、記録部で紙送り(ピッチ搬送)されながら記録機構部203によって画像(文字や記号等も含む)を記録される。記録された被記録材は、搬送ローラ221と連動して駆動される排紙ローラ223および排紙ローラと協働する拍車の間に挟持されることによる搬送力によって装置本体外へ排出される。
【0017】
記録機構部203は、装置本体内部で主走査方向に往復移動可能に案内支持されたキャリッジ6および記録手段としてのインクジェットヘッド100などによって構成されている。すなわち、インクジェットヘッド100を搭載したキャリッジ6は装置本体に設置されたガイドレールに沿って往復移動可能に案内支持されており、キャリッジ6に対してはキャリッジモータの駆動力がキャリッジベルト224を介して伝達され、キャリッジ6はキャリッジモータの駆動力によってガイドレールに沿って往復移動させられる。
【0018】
そして、キャリッジ6の往復移動(主走査)に同期して行われるインクジェットヘッド100の記録動作と被記録材の所定ピッチごとの搬送送り(副走査)とを繰り返すことにより被記録材全体の記録が行われる。回復機構部(クリーニング機構部)204は、インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッド100の目詰まり等を解消することで記録品位を正常(良好)な状態に維持回復するためのものであり、後述するように、インクノズルからインクを吸引又は吐出させるためのポンプ手段、インクノズルを覆うためのキャップ手段、並びにインクノズル面を拭き取り清掃するためのワイピング手段などにより構成されている。
【0019】
記録手段としてのインクジェットヘッド100は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するもので、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えている。また、インクジェットヘッド100は、電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用してインクノズルよりインクを吐出させ、記録を行うものである。電気熱変換体は、複数のインクノズルのそれぞれに対応して配設されており、記録情報(駆動信号)に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応するインクノズルからインクを吐出するものである。
【0020】
図2に示すように、本形態のインクジェットヘッド100は、平板状のヘッド基板101の表面に平板状のノズル部材102と配線部材103とが一体に装着されており、ノズル部材102に対して配線部材103が主走査方向に並設されている。より具体的には、配線部材103は中央に矩形の貫通孔104が形成されており、その内側に矩形のノズル部材102が配置されている。
【0021】
ノズル部材102は、YMC(Yellow, Magenta, Cyan)用の3つのノズルアレイ105が主走査方向に平行に配列されており、そのノズルアレイ105の各々には多数のインクノズル(図示せず)が副走査方向に線形に配列されている。インクノズルの各々には電気熱変換体などの駆動素子が内蔵されており(図示せず)、その駆動素子が外部入力される駆動信号に対応してインクノズルからインク滴を吐出させる。
【0022】
配線部材103は、外部入力される駆動信号をノズル部材102の駆動素子まで伝達する信号配線(図示せず)が形成されており、この信号配線は、例えば、副走査方向の両端からノズル部材102の信号配線(図示せず)にボンディングワイヤで結線されている。
【0023】
本形態のインクジェットヘッド100も、従来例で説明したように、上述のワイヤボンディングを容易とするために配線部材103の表面がノズル部材102の表面より高く位置しており、配線部材103の貫通孔104にノズル部材102を容易に挿入するために主走査方向でノズル部材102と配線部材103とに間隙が存在している。
【0024】
本形態のインクジェットヘッド100では、ノズル部材102と配線部材103との間隙に充填部材である絶縁性樹脂110が充填されており、ノズル部材102と配線部材103との間隙と絶縁性樹脂110の表面とにより、ノズル部材102の表面より低い凹部108が、ノズル部材102の主走査方向の縁部より外側に形成されている。
【0025】
本形態のインクジェットヘッド100を有するインクジェット記録装置では、インク供給機構によりインクジェットヘッド100のインクノズルにインク液を供給し、信号供給機構により駆動信号をインクジェットヘッド100の配線部材103からノズル部材102まで供給する。
【0026】
また、図2(a)に示すように、ワイピング機構(図示せず)によりワイパー106を上下方向に移動自在に支持しており、必要により主走査方向の初期位置に復帰するインクジェットヘッド100の表面にワイパー106を圧接させる。このため、ワイパー106はインクジェットヘッド100の表面を主走査方向に相対移動することになり、この移動方向はノズルアレイ105でのインクノズルの配列方向と直交している。なお、ワイパー106は、ゴムや樹脂などの弾性体で形成されており、副走査方向に細長い形状に形成されている。
【0027】
なお、本形態のインクジェット記録装置では、ノズル部材102の表面をワイピングするワイパー106の相対速度Sは“20≦S≦200(mm/sec)”を満足する“100(mm/sec)”であり、当接圧力Pは“2.0≦P≦4.0(gf/mm)”を満足する“2.5(gf/mm)”である。
【0028】
本形態のインクジェットヘッド100では、ノズル部材102のワイピングが開始される縁部から最初のノズルアレイ105までの主走査方向での距離Lが“0.5≦L(mm)”を満足する“0.6(mm)”であり、ノズル部材102の表面に対する配線部材103の表面の高さHが“0≦H≦0.2(mm)”を満足する“0.2(mm)”である。
【0029】
さらに、ノズル部材102と配線部材103との間隙に形成されている凹部108の幅Wが“0.5<W(mm)”を満足する“3.0(mm)”であり、その凹部108の深さDは“0<D≦0.3(mm)”を満足する“0.5(mm)”である。
【0030】
このため、本形態のインクジェットヘッド100では、ノズル部材102の縁部から最初のノズルアレイ105までの距離Lと、ノズル部材102に対する配線部材103の表面の高さHと、凹部108の幅Wと、凹部108の深さDとが、
0.5≦L(mm)
0≦H≦0.2(mm)
0.5<W(mm)
0<D≦0.3(mm)
を満足している。
【0031】
[実施の形態の動作]
本形態のインクジェット記録装置は、印刷動作を実行する場合、主走査機構によりインクジェットヘッド100を主走査移動させるとともに、副走査機構により被記録材を副走査移動させる。このとき、インク供給機構によりインクジェットヘッド100のインクノズルにインク液を供給し、信号供給機構により駆動信号をインクジェットヘッド100の配線部材103からノズル部材102まで供給する。
【0032】
これでインクジェットヘッド100は主走査方向と副走査方向とに相対移動する被記録材の表面にYMCカラーのインク滴を吐出するので、このインク滴により被記録材の表面にドットマトリクスでカラー画像が形成される。ただし、このように印刷動作を実行すると、被記録材の表面で飛散した微細なインク滴や、被記録材の表面から遊離する紙粉などが、インクジェットヘッド100の表面に付着する。
【0033】
これを放置するとインクジェットヘッド100のインク滴の吐出が阻害されて印刷品質が低下するため、本形態のインクジェット記録装置は、主走査移動するインクジェットヘッド100の表面に所定タイミングでワイパー106を圧接させてノズル部材102の表面をワイピングする。このとき、本形態のインクジェット記録装置では、ノズル部材102の表面にワイパー106を“2.5(gf/mm)”の圧力で当接させて“100(mm/sec)”の速度で移動させる。
【0034】
ただし、本形態のインクジェットヘッド100では、図2(a)に示すように、配線部材103の表面がノズル部材102の表面より高く位置しており、主走査方向でノズル部材102と配線部材103との間隙に凹部108が形成されている。このため、ワイパー106の先端部分は、配線部材103の表面から上述の凹部108に落下し、ノズル部材102の縁部に衝突してから表面をワイピングすることになる。
【0035】
[実施の形態の効果]
本形態のインクジェットヘッド100では、ノズル部材102のワイピングが開始される縁部より外側に、その表面より低い凹部108が形成されており、ノズル部材102の縁部から最初のノズルアレイ105までの距離Lと、ノズル部材102に対する配線部材103の表面の高さHと、凹部108の幅Wと、凹部108の深さDとが、前述の所定範囲に設定されている。
【0036】
このため、配線部材103の表面とともにノズル部材102の表面をワイピングするワイパー106がノズルアレイ105を飛び越すことがなく、凹部108の底面の付着インクをワイパー106がノズルアレイ105の位置まで引き出すこともない。
【0037】
本形態のインクジェット記録装置は、上述のようにインクジェットヘッド100のノズルアレイ105の位置をワイパー106で良好にワイピングできるので、ノズルアレイ105を常時清浄に維持して印刷品質を常時良好に確保することができる。
【0038】
しかも、ノズル部材102と配線部材103との間隙が絶縁性樹脂110で充填されているので、間隙の深さDを簡単に所望範囲に調節することができ、その間隙から部材102,103とヘッド基板101との間隙に水分が浸入することも防止できる。
【0039】
[実施例]
ここで、本発明者による実験結果を実施例として図3および図4を参照して以下に説明する。まず、本発明者は上述のインクジェットヘッド100で高さHの影響を調査するため、凹部108の幅Wを“0(mm)”として高さHを各種に変更した試作品を製作した。
【0040】
そして、そのインクジェットヘッド100の表面にワイパー106を“2.0,3.0,4.0(gf/mm)”の3通りの圧力で当接させ、“50,100,150,200(mm/sec)”の4通りの速度で移動させる、12通りの実験を実行した。
【0041】
そこで、配線部材103の縁部からワイパー106がノズル部材102の表面に当接する位置までの距離を測定したところ、図3に示すように、この距離と高さ“H”は略線形の関係となり、図3に▲1▼として示すように、圧力が最小の“2.0(gf/mm)”で速度が最小の“50(mm/sec)”の場合に上記の距離が最大となった。
【0042】
また、図3に▲2▼として示すように、圧力が最大の“4.0(gf/mm)”で速度が最大の“200(mm/sec)”の場合に上記の距離が最小となった。なお、上述の▲1▼▲2▼以外の条件では、その結果も▲1▼▲2▼の中間の範囲に位置することが確認された。
【0043】
このため、インクジェットヘッド100の表面にワイパー106が当接する圧力と、ワイパー106が移動する速度とが小さく、ノズル部材102に対する配線部材103の高さが大きいほど、配線部材103の縁部からワイパー106がノズル部材102の表面に当接する位置までの距離が大きくなることが確認された。
【0044】
このことから、圧力が“2.0(gf/mm)”以上で速度が“50(mm/sec)”以上の場合、高さHが“0.2(mm)”以下で距離Lと幅Wの合計が“1.0(mm)”以上ならば、ワイパー106でノズル部材102のノズルアレイ105が確実にワイピングされることが確認された。
【0045】
また、前述のように配線部材103とノズル部材102とに間隙が存在すると、その底部の付着インクをワイパー106が掻き出してノズル部材102のノズルアレイ105を汚損する懸念がある。そこで、本発明者は、高さHを“0.2(mm)”とし、距離Lを“0.5(mm)”とし、幅Wと深さDとを各種に変更した試作品を製作した。
【0046】
そして、前述と同様に“2.0,3.0,4.0(gf/mm)”の3通りの圧力と“50,100,150,200(mm/sec)”の4通りの速度との12通りの実験を実行し、ワイパー106により凹部108のインクがノズル部材102の縁部から引き出される距離を測定した。
【0047】
すると、圧力が最小の“2.0(gf/mm)”で速度が最小の“50(mm/sec)”の場合、図4に▲1▼▲2▼として示すように、深さDが“0.5,0.4(mm)”では、インクの引き出し距離は幅Wが“1.5(mm)”のときに最大の“1.8,1.5(mm)”となり、幅Wが“1.5(mm)”から増加しても減少してもインクの引き出し距離は減少することが確認された。
【0048】
一方、図4に▲3▼として示すように、深さDが“0.3(mm)”では、インクの引き出し距離は幅Wが“0(mm)”のときに最大で“0.8(mm)”となり、幅Wが“0.5(mm)”以上ならば引き出し距離は“0.5(mm)”以下に維持されることが確認された。さらに、圧力と速度を変更した他の場合でも、深さDが“0.3(mm)”以下ならば引き出し距離は“0.5(mm)”以下に維持されることが確認された。
【0049】
このため、ノズル部材102のワイピングが開始される縁部からノズルアレイ105までの距離L、ノズル部材102の表面に対する配線部材103の表面の高さH、凹部108の幅W、凹部の深さDが、
0.5≦L(mm)
0≦H≦0.2(mm)
0.5<W(mm)
0<D≦0.3(mm)
を満足するインクジェットヘッド100ならば、ワイパー106がノズルアレイ105を飛び越すことなく確実にワイピングが実行され、ワイパー106が凹部108から引き出すインクがノズルアレイ105まで到達しない。
【0050】
なお、図4を鑑みると、深さDが“0.4(mm)”の場合も幅Wが“3.0(mm)”以上ならばインクの引き出し距離が“0.5(mm)”以下となることが確認できる。このため、
0.5≦L(mm)
0≦H≦0.2(mm)
3.0<W(mm)
0.3<D≦0.4(mm)
を満足するインクジェットヘッド100でも、ワイパー106でノズルアレイ105が確実にワイピングされ、ワイパー106が凹部108から引き出すインクがノズルアレイ105まで到達しない。
【0051】
さらに、深さDが“0.5(mm)”の場合も幅Wが“3.0(mm)”以上ならばインクの引き出し距離が“0.7(mm)”以下となることが確認できる。このため、
0.8≦L(mm)
0≦H≦0.2(mm)
3.0<W(mm)
0.4<D≦0.5(mm)
を満足するインクジェットヘッド100でも、ワイパー106でノズルアレイ105が確実にワイピングされ、ワイパー106が凹部108から引き出すインクがノズルアレイ105まで到達しない。
【0052】
[実施の形態の変形例]
本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではインクジェットヘッド100にYMC用のノズルアレイ105が並列に形成されていることを例示したが、K(blacK)用のノズルアレイ105のみを形成することも可能であり、YMCK用のノズルアレイ105を形成することも可能である(ともに図示せず)。
【0053】
また、上記形態ではインクジェットヘッド100の主走査移動を利用して、ワイパー106をインクジェットヘッド100に対して主走査方向に相対移動させることを例示した。しかし、主走査ラインの幅まで形成されているインクジェットヘッドが固定されているラインプリンタ(図示せず)などの場合、インクジェットヘッドを固定したままワイパーを移動させることも可能であり、インクジェットヘッドとワイパーとの両方を移動させることも不可能ではない。
【0054】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録装置では、インクジェットヘッドとワイパーとの相対移動方向においてノズル部材と配線部材との間に凹部を備えるインクジェットヘッドにより記録を行うインクジェット記録装置であって、ワイパーにより配線部材の表面とノズル部材の表面を良好にワイピングすることができるインクジェット記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のインクジェット記録装置の内部機構の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態のインクジェットヘッドを示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図3】ノズル部材の表面に対する配線部材の表面の高さHと、ワイパーがノズル部材の表面に当接しない距離と、の関係を示す特性図である。
【図4】ノズル部材と配線部材との間隔の横幅Wと、ワイパーがインクを引き出す距離と、の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
100  インクジェットヘッド
101  ヘッド基板
102  ノズル部材
103  配線部材
105  ノズルアレイ
106  ワイパー
108  凹部
110  充填部材である絶縁性樹脂
D  深さ
H  高さ
L  距離
W  幅

Claims (8)

  1. 駆動素子が内蔵されているインクノズルが形成されているノズル部材と前記駆動素子に駆動信号を伝達する信号配線が形成されている配線部材とがヘッド基板の表面に一体に装着されているインクジェットヘッドにより記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記インクジェットヘッドは該インクジェットヘッドの前記ノズル部材をワイピングするワイパーとの相対移動方向において前記ノズル部材と前記配線部材との間に凹部を有し、
    前記ワイパーは、前記配線部材の表面とともに前記ノズル部材の表面をワイピングすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インクジェットヘッドと前記ワイパーとの相対移動は前記ノズル部材のノズル列と交差する方向であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記凹部が前記ノズル部材と前記配線部材との間隙と前記ヘッド基板の表面とで形成されている請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ノズル部材と前記配線部材との間隙に充填部材が配置されており、
    前記凹部が前記ノズル部材と前記配線部材との間隙と前記充填部材の表面とで形成されている請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ノズル部材の前記ワイピングが開始される縁部から前記インクノズルまでの距離Lと、前記ノズル部材の表面に対する前記配線部材の表面の高さHと、前記凹部の幅Wと、前記凹部の深さDとが、
    0.5≦L(mm)
    0≦H≦0.2(mm)
    0.5<W(mm)
    0<D≦0.3(mm)
    を満足している請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクジェットヘッドは、前記インクノズルからインクを吐出するために利用される熱エネルギを発生する電気熱変換体を前記駆動素子として有している請求項1ないし5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェットヘッドは、前記電気熱変換体が発生する熱エネルギにより前記インクに発生する膜沸騰を利用して前記インクノズルから前記インクを吐出する請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記ノズル部材の表面に対する前記ワイパーの相対速度Sおよび当接圧力Pが、
    20≦S≦200(mm/sec)
    2.0≦P≦4.0(gf/mm
    を満足している請求項1ないし7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
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