JP2004082571A - プレキャストコンクリート構造部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレキャストコンクリート構造部材の製造において、構造部材の組み立ての際の接合面に設ける鉄筋挿入用凹所への固化材の注入路を形成するパイプがコンクリート流し込み時に変形変位・破損することなく正確な位置に保持でき、注入路を正確に確保できる高品質のプレキャスト構造部材を製造できる方法を提供する。
【解決手段】コンクリート柱1の型枠10の内部に鉄筋7を配筋し、型枠10の底面の外周位置に凹所形成用の鋼製スリーブ3を複数配置し、鉄筋7をスリーブ3のキャップ3aの鉄筋挿入孔3bを介してスリーブ3内に深く挿入し、同鉄筋7の上端は型枠天板12の孔から上方へ長く突出させ、又スリーブ3の外周面の上下2個所に塩ビ製パイプ4を水平に取付け、同パイプの先端開口を型枠10のピン孔10aに面させ、同ピン孔の型枠外からピン11を挿入し、ピン先端をパイプを貫通してスリーブ3内部に到るまで挿入する。
【選択図】 図2
【解決手段】コンクリート柱1の型枠10の内部に鉄筋7を配筋し、型枠10の底面の外周位置に凹所形成用の鋼製スリーブ3を複数配置し、鉄筋7をスリーブ3のキャップ3aの鉄筋挿入孔3bを介してスリーブ3内に深く挿入し、同鉄筋7の上端は型枠天板12の孔から上方へ長く突出させ、又スリーブ3の外周面の上下2個所に塩ビ製パイプ4を水平に取付け、同パイプの先端開口を型枠10のピン孔10aに面させ、同ピン孔の型枠外からピン11を挿入し、ピン先端をパイプを貫通してスリーブ3内部に到るまで挿入する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現場に複数の製造されたプレキャストコンクリート構造部材を搬入して組み立て、その連結部分をコンクリート接合して一体化して構築する大型コンクリート構造物の構築工法に於ける、工法に用いられるプレキャストコンクリート構造部材を工場又は現場近くで製造する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンクリート構造物の構築方法として、現場で配筋・型枠組みを行って、現場でコンクリートを流し込んでコンクリート構造物を構築する従来の工法に代わり、品質が優れ高い強度を得ることができる工場で製造されるプレキャストコンクリート構造部材を現場へ運送し、現場で組み立て、接合部分をプレキャストコンクリート構造部材又は既設コンクリート構造体の接合面から突出させた鉄筋を接合されるプレキャストコンクリート構造部材の細長の凹所に差し込み、その後凹所及び接合面にグラウト等の固化材を流し込んで一体化することを繰り返して大型コンクリート構造物を構築する工法が採用されるようになった。
この工法は、プレキャストコンクリート構造部材が現場でなく工場、又は現場近くの平地等で製造されることで、寸法精度がよく、品質がよく、且つ高い強度を得ることができ、又現場での配筋・型枠作業・長いコンクリート養生期間がないので、工期が短かく、且つ構造体強度が高くでき、又工費も安価にできるという利点がある。
この工法に用いられるプレキャストコンクリート構造部材の製造方法は、その型枠の接合面となる型枠内側に凹所形成用のスリーブを取付け、同スリーブの天井面には長手方向(縦方向に)配筋された鉄筋の先端をスリーブ内深く突出させ、又スリーブ側面にスリーブ内と連通するパイプを複数取付け、パイプ先端の開口に栓を詰め、パイプ先端を型枠内面に接触するようにしてからコンクリートを流し込んで製造されていた。
そのため、パイプはスリーブ側に片持支持されるだけであるため、流し込まれるコンクリートの圧力で変形変位し、そのためパイプ先端がコンクリートに埋もれてパイプ先端の開口ができなくなって、凹所に固化材注入できなくなってしまうことがあった。又パイプが片持であって破損し易く、破損するとコンクリートがパイプ内,スリーブ内に流入して、接合が不完全となったり、接合できなかったりして、不良品となることが生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のこれらの問題点を解消し、パイプを強固に支持できるようにして、変形変位することなく正確な位置に保持でき、又パイプの破損を少なくし、同化材注入路を正確に確保できる高品質のプレキャスト構造部材を製造できるプレキャストコンクリート構造部材の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 接合される既設のコンクリート構造体の接合面表面から突出する鉄筋を収容する凹所をコンクリート体の接合面に複数設け、同凹所内の空間にコンクリート体中に埋設された鉄筋の先端部を突出させ、同凹所へ外部から固化材を注入する注入路を設け、又前記接合面と反対位置のコンクリート体の接合面から鉄筋を複数突出した構造のプレキャストコンクリート構造部材の製造方法であって、
プレキャストコンクリート構造部材のコンクリート体の外形状を規定する型枠を設け、同型枠内に配筋し、コンクリート体の一方の接合面を形成する型枠部分の内側に凹所形成のスリーブを配置し、同スリーブの天井面を配筋された縦の鉄筋の先端部が貫通してスリーブ内までのびるように設け、同スリーブの外周面に型枠内側面に接触するまで同内側面に向って延びたパイプを取付け、同パイプ先端と対向する型枠部分にピン孔を穿孔し、同ピン孔を介してピンを型枠外から挿入し、同ピンをパイプ先端開口部と嵌合させてパイプ先端開口を閉鎖するとともにパイプの先端を型枠に支持し、その後型枠内にコンクリートを流し込んで製造することを特徴とするプレキャストコンクリート構造部材の製造方法
2) ピンとして、ピンの中間に先端に向って連続的に縮径する縮径部を設け、しかもピンの先端部がスリーブ内まで挿入できるピンの長さを有する形状寸法のものを使用した前記1)記載のプレキャストコンクリート構造部材の製造方法
にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のプレキャストコンクリート構造部材は、主にコンクリート建造物の躯体となる柱,梁,基礎,壁材として使用され、その長さ・大きさはトラック・大型トラック・トレーラ車等で公道を運送できる寸法とすることが好ましく、通常は1階毎建設を進めるため、コンクリート部分の長さは柱の場合2〜3m、梁の場合は5〜10m程が一般的である。又、内部の配筋は、接合面間に長手方向に延びた縦の鉄筋を主筋として補助筋8,結束筋,篭筋が縦横に連結される。主筋となる縦の鉄筋は接合面の外周に沿って配置されることが多い。プレキャストコンクリート構造部材の反対位置の接合面から突出させる縦の鉄筋の接合面からの突出の長さ(上端鉄筋突出部の長さ)は110〜120cm程であり、スリーブ内の下端のスリーブの天板からのスリーブ内への挿入される鉄筋の挿入深さ(鉄筋突出部の長さ)は30cm程である。スリーブの素材は、コンクリートとの付着力が高い鋼製が好ましく、パイプの素材はプラスチック製でよく、その外径は1.5〜4.0cm程度であればよい。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例は、工場に於いてビルの躯体となる一階高さのコンクリート柱をプレキャストコンクリート構造部材として製造する実施例である。工場で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を現場に運送し、一階毎継いでビル全体の躯体柱とするとともに各階毎スラブ、垂直壁も併せて現場で構築してビルを建築するものである。
図1は、実施例を示す説明図である。
図2は、実施例のパイプ部分を示す説明図である。
図3は、実施例の製造工程の説明図である。
図4は、実施例で製造されたコンクリート柱を示す斜視図である。
図5,6は、実施例で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を組み立てて接合する工程を示す説明図である。
【0007】
図中、1は実施例の方法で製造されたプレキャストコンクリート構造部材である断面90cm×90cmでコンクリート部分の高さ220cmのコンクリート柱、1aは同コンクリート柱の底面、1bはコンクリート柱の上面、2は同コンクリート柱の接合面である底面1aの外周縁の20個所設けた凹所、3は同凹所を形成する鋼製スリーブ、3aは同スリーブの上面の盲キャップ、3bは同盲キャップに設けた鉄筋挿入孔、3cはスリーブ内の中間に設けた鉄筋の挿入深さを制限するストッパ、4はスリーブ3の上下2個所の外周面に取付けた注入路5を形成する塩ビ製パイプ、5はパイプ内のグラウトの注入路、6は同パイプをスリーブ3外周に取付けるための連結リング、7はコンクリート柱1内に配筋された鉄筋、7aは同鉄筋の鉄筋挿入孔3bを介してスリーブ3内に突出させた鉄筋突出部、7bは鉄筋7のコンクリート柱1の上面1bから上方に突出させた鉄筋突出部、8は補助筋、10はコンクリート柱1の外形を規定する型枠、10aはパイプ4先端と対向する位置の型枠部分に穿孔されたピン孔、11はパイプ4に挿入されスリーブ3内まで延びる先細りのピン、11aはスパナ掛けし易い六角形状のピン頭、11bはピン11の縮径部、12は同鉄筋突出部7bを保持する型枠天板、20はスラブ部分に配筋される鉄筋、21は複数のコンクリート柱1の頂部間を連結するように現場でコンクリート打設された各階のスラブ、22は下位のコンクリート柱の上面1bと上位のコンクリート柱の底面1aとの間に流し込まれるグラウトの流出防止の補助型枠、23はパイプ5の先端開口から注入される接合用グラウトである。
【0008】
この実施例では、工場において、コンクリート柱1の外形を規定する型枠10を組み、その底面の外周位置に細長のスリーブ3を20個配置し、内部に縦に延びた長い主筋となる鉄筋7、補助筋8を配筋する。縦に延びた鉄筋7の下端を盲キャップ3aの鉄筋挿入孔3bを介してスリーブ3内に深く挿入し、同鉄筋7の上端は型枠天板12の孔から上方に長く突出させる。スリーブ3の外側面の上下2個所に水平に取付けたパイプ4の先端開口を型枠10のピン孔10aに面するようにパイプ4位置を調整し、その後ピン11を型枠10の外側からピン孔10aに挿入する。ピン11は挿入されるとパイプ4内を挿入され、その先端がスリーブ3内部に到るまで挿入され、又その縮径部11bがパイプ4の先端開口と嵌合して係合される。このピン11によってパイプ4はスリーブ3と型枠10とで支持され、流し込まれるコンクリート圧に耐え、変形変位及び破損することが大巾になくなる。又パイプ4の先端はピン11の縮径部11bと嵌合し、コンクリートがパイプ4内に侵入するのを防止している。
この型枠内にコンクリートが流し込まれ、振動等が与えられて型枠10内のコンクリートがある程度固化した後、型枠10を脱型する。このときにピン11を型枠10,パイプ4から引き抜く。これによって図4に示すコンクリート柱1が製造される。
【0009】
コンクリート柱1の養生が終わり充分に固化した後、現場へ大型トラックで運ばれ、梁・スラブ21が構築されてコンクリート柱1が互いに連結された状態にある既設のコンクリート柱1の上方に吊り上げられ、吊り上げられたコンクリート柱1の凹所2が下位の既設のコンクリート柱1の上方の鉄筋突出部7bが挿入するようにして載置する。このとき下位のコンクリート柱1の鉄筋突出部7bの下半部分はスラブ21の鉄筋として使用され、現場で打設されるスラブ21に埋設され、鉄筋突出部7bの上半部分がスラブ21から突出状態となっていて、この上方に上位のコンクリート柱1の凹所2が入り込むようにコンクリート柱1が載置される。載置された後接合部の柱下端の外周に補助型枠22を取付け、パイプ4の先端開口からグラウトを注入する。パイプ4の先端開口はピン11によって正しい位置(ピン孔10a位置)に保持され、又コンクリートが被ることなくコンクリート表面に開放されているので、グラウトはパイプ4内からスリーブ3内に流入し、更にスリーブ3から接合面外周に流出して、他のパイプ4から流入するグラウトと一緒になって接合面とスラブ21面との間の間隙をグラウトで充満させ、パイプ4内,スリーブ3内,接合面間間隙をグラウトで充填して上位のコンクリート柱1を下位のコンクリート柱1とスラブ21の上に立設する。上位のコンクリート柱1の鉄筋7の下端の鉄筋突出部7aと下位のコンクリート柱1の上端の鉄筋突出部7bとは同じスリーブ3内に対向し、注入されたグラウト23とによって連結される。
【0010】
このようにして、コンクリート柱1の立設が終えるとそのコンクリート柱1の上端に梁を懸け渡し、スラブの配筋を行ない、スラブの型枠を組んでコンクリートを流し込んでスラブ21を現場打ちで構築し、このスラブ21の上に次階のコンクリート柱1を前記の様に立設することを繰り返すことで大型コンクリートビルを構築する。
【0011】
このビル構築法は工場で生産されるプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱1を使用するので、寸法精度が高く高品質で且つ高精度の柱となり、現場でのコンクリート柱部分の構築の為の型枠組み、配筋・コンクリート流し込みの作業・養生が不要となり、ビル構築の工期が大巾に短縮でき、工事費が安価にでき、又高精度で高強度のコンクリート建造物を構築できる。
【0012】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、パイプの変形変位破損がほとんどなく、プレキャストコンクリート構造部材の接合部の固化材注入口がコンクリートに被されることなく正確な位置に開口し、注入路が閉鎖されることがないプレキャストコンクリート構造部材が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す説明図である。
【図2】実施例のパイプ部分を示す説明図である。
【図3】実施例の製造工程の説明図である。
【図4】実施例で製造されたコンクリート柱を示す斜視図である。
【図5】実施例で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を組み立てて接合する工程を示す説明図である。
【図6】実施例で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を組み立てて接合する工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンクリート柱(プレキャスト構造部材)
1a 底面
1b 上面
2 凹所
3 スリーブ
3a 盲キャップ
3b 鉄筋挿入孔
3c ストッパ
4 パイプ
5 注入路
6 連結リング
7 鉄筋
7a,7b 鉄筋突出部
8 補助筋
10 型枠
10a ピン孔
11 ピン
11a ピン頭
11b 縮径部
12 型枠天板
20 鉄筋
21 スラブ
22 補助型枠
23 グラウト
【発明の属する技術分野】
本発明は、現場に複数の製造されたプレキャストコンクリート構造部材を搬入して組み立て、その連結部分をコンクリート接合して一体化して構築する大型コンクリート構造物の構築工法に於ける、工法に用いられるプレキャストコンクリート構造部材を工場又は現場近くで製造する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンクリート構造物の構築方法として、現場で配筋・型枠組みを行って、現場でコンクリートを流し込んでコンクリート構造物を構築する従来の工法に代わり、品質が優れ高い強度を得ることができる工場で製造されるプレキャストコンクリート構造部材を現場へ運送し、現場で組み立て、接合部分をプレキャストコンクリート構造部材又は既設コンクリート構造体の接合面から突出させた鉄筋を接合されるプレキャストコンクリート構造部材の細長の凹所に差し込み、その後凹所及び接合面にグラウト等の固化材を流し込んで一体化することを繰り返して大型コンクリート構造物を構築する工法が採用されるようになった。
この工法は、プレキャストコンクリート構造部材が現場でなく工場、又は現場近くの平地等で製造されることで、寸法精度がよく、品質がよく、且つ高い強度を得ることができ、又現場での配筋・型枠作業・長いコンクリート養生期間がないので、工期が短かく、且つ構造体強度が高くでき、又工費も安価にできるという利点がある。
この工法に用いられるプレキャストコンクリート構造部材の製造方法は、その型枠の接合面となる型枠内側に凹所形成用のスリーブを取付け、同スリーブの天井面には長手方向(縦方向に)配筋された鉄筋の先端をスリーブ内深く突出させ、又スリーブ側面にスリーブ内と連通するパイプを複数取付け、パイプ先端の開口に栓を詰め、パイプ先端を型枠内面に接触するようにしてからコンクリートを流し込んで製造されていた。
そのため、パイプはスリーブ側に片持支持されるだけであるため、流し込まれるコンクリートの圧力で変形変位し、そのためパイプ先端がコンクリートに埋もれてパイプ先端の開口ができなくなって、凹所に固化材注入できなくなってしまうことがあった。又パイプが片持であって破損し易く、破損するとコンクリートがパイプ内,スリーブ内に流入して、接合が不完全となったり、接合できなかったりして、不良品となることが生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のこれらの問題点を解消し、パイプを強固に支持できるようにして、変形変位することなく正確な位置に保持でき、又パイプの破損を少なくし、同化材注入路を正確に確保できる高品質のプレキャスト構造部材を製造できるプレキャストコンクリート構造部材の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 接合される既設のコンクリート構造体の接合面表面から突出する鉄筋を収容する凹所をコンクリート体の接合面に複数設け、同凹所内の空間にコンクリート体中に埋設された鉄筋の先端部を突出させ、同凹所へ外部から固化材を注入する注入路を設け、又前記接合面と反対位置のコンクリート体の接合面から鉄筋を複数突出した構造のプレキャストコンクリート構造部材の製造方法であって、
プレキャストコンクリート構造部材のコンクリート体の外形状を規定する型枠を設け、同型枠内に配筋し、コンクリート体の一方の接合面を形成する型枠部分の内側に凹所形成のスリーブを配置し、同スリーブの天井面を配筋された縦の鉄筋の先端部が貫通してスリーブ内までのびるように設け、同スリーブの外周面に型枠内側面に接触するまで同内側面に向って延びたパイプを取付け、同パイプ先端と対向する型枠部分にピン孔を穿孔し、同ピン孔を介してピンを型枠外から挿入し、同ピンをパイプ先端開口部と嵌合させてパイプ先端開口を閉鎖するとともにパイプの先端を型枠に支持し、その後型枠内にコンクリートを流し込んで製造することを特徴とするプレキャストコンクリート構造部材の製造方法
2) ピンとして、ピンの中間に先端に向って連続的に縮径する縮径部を設け、しかもピンの先端部がスリーブ内まで挿入できるピンの長さを有する形状寸法のものを使用した前記1)記載のプレキャストコンクリート構造部材の製造方法
にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のプレキャストコンクリート構造部材は、主にコンクリート建造物の躯体となる柱,梁,基礎,壁材として使用され、その長さ・大きさはトラック・大型トラック・トレーラ車等で公道を運送できる寸法とすることが好ましく、通常は1階毎建設を進めるため、コンクリート部分の長さは柱の場合2〜3m、梁の場合は5〜10m程が一般的である。又、内部の配筋は、接合面間に長手方向に延びた縦の鉄筋を主筋として補助筋8,結束筋,篭筋が縦横に連結される。主筋となる縦の鉄筋は接合面の外周に沿って配置されることが多い。プレキャストコンクリート構造部材の反対位置の接合面から突出させる縦の鉄筋の接合面からの突出の長さ(上端鉄筋突出部の長さ)は110〜120cm程であり、スリーブ内の下端のスリーブの天板からのスリーブ内への挿入される鉄筋の挿入深さ(鉄筋突出部の長さ)は30cm程である。スリーブの素材は、コンクリートとの付着力が高い鋼製が好ましく、パイプの素材はプラスチック製でよく、その外径は1.5〜4.0cm程度であればよい。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例は、工場に於いてビルの躯体となる一階高さのコンクリート柱をプレキャストコンクリート構造部材として製造する実施例である。工場で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を現場に運送し、一階毎継いでビル全体の躯体柱とするとともに各階毎スラブ、垂直壁も併せて現場で構築してビルを建築するものである。
図1は、実施例を示す説明図である。
図2は、実施例のパイプ部分を示す説明図である。
図3は、実施例の製造工程の説明図である。
図4は、実施例で製造されたコンクリート柱を示す斜視図である。
図5,6は、実施例で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を組み立てて接合する工程を示す説明図である。
【0007】
図中、1は実施例の方法で製造されたプレキャストコンクリート構造部材である断面90cm×90cmでコンクリート部分の高さ220cmのコンクリート柱、1aは同コンクリート柱の底面、1bはコンクリート柱の上面、2は同コンクリート柱の接合面である底面1aの外周縁の20個所設けた凹所、3は同凹所を形成する鋼製スリーブ、3aは同スリーブの上面の盲キャップ、3bは同盲キャップに設けた鉄筋挿入孔、3cはスリーブ内の中間に設けた鉄筋の挿入深さを制限するストッパ、4はスリーブ3の上下2個所の外周面に取付けた注入路5を形成する塩ビ製パイプ、5はパイプ内のグラウトの注入路、6は同パイプをスリーブ3外周に取付けるための連結リング、7はコンクリート柱1内に配筋された鉄筋、7aは同鉄筋の鉄筋挿入孔3bを介してスリーブ3内に突出させた鉄筋突出部、7bは鉄筋7のコンクリート柱1の上面1bから上方に突出させた鉄筋突出部、8は補助筋、10はコンクリート柱1の外形を規定する型枠、10aはパイプ4先端と対向する位置の型枠部分に穿孔されたピン孔、11はパイプ4に挿入されスリーブ3内まで延びる先細りのピン、11aはスパナ掛けし易い六角形状のピン頭、11bはピン11の縮径部、12は同鉄筋突出部7bを保持する型枠天板、20はスラブ部分に配筋される鉄筋、21は複数のコンクリート柱1の頂部間を連結するように現場でコンクリート打設された各階のスラブ、22は下位のコンクリート柱の上面1bと上位のコンクリート柱の底面1aとの間に流し込まれるグラウトの流出防止の補助型枠、23はパイプ5の先端開口から注入される接合用グラウトである。
【0008】
この実施例では、工場において、コンクリート柱1の外形を規定する型枠10を組み、その底面の外周位置に細長のスリーブ3を20個配置し、内部に縦に延びた長い主筋となる鉄筋7、補助筋8を配筋する。縦に延びた鉄筋7の下端を盲キャップ3aの鉄筋挿入孔3bを介してスリーブ3内に深く挿入し、同鉄筋7の上端は型枠天板12の孔から上方に長く突出させる。スリーブ3の外側面の上下2個所に水平に取付けたパイプ4の先端開口を型枠10のピン孔10aに面するようにパイプ4位置を調整し、その後ピン11を型枠10の外側からピン孔10aに挿入する。ピン11は挿入されるとパイプ4内を挿入され、その先端がスリーブ3内部に到るまで挿入され、又その縮径部11bがパイプ4の先端開口と嵌合して係合される。このピン11によってパイプ4はスリーブ3と型枠10とで支持され、流し込まれるコンクリート圧に耐え、変形変位及び破損することが大巾になくなる。又パイプ4の先端はピン11の縮径部11bと嵌合し、コンクリートがパイプ4内に侵入するのを防止している。
この型枠内にコンクリートが流し込まれ、振動等が与えられて型枠10内のコンクリートがある程度固化した後、型枠10を脱型する。このときにピン11を型枠10,パイプ4から引き抜く。これによって図4に示すコンクリート柱1が製造される。
【0009】
コンクリート柱1の養生が終わり充分に固化した後、現場へ大型トラックで運ばれ、梁・スラブ21が構築されてコンクリート柱1が互いに連結された状態にある既設のコンクリート柱1の上方に吊り上げられ、吊り上げられたコンクリート柱1の凹所2が下位の既設のコンクリート柱1の上方の鉄筋突出部7bが挿入するようにして載置する。このとき下位のコンクリート柱1の鉄筋突出部7bの下半部分はスラブ21の鉄筋として使用され、現場で打設されるスラブ21に埋設され、鉄筋突出部7bの上半部分がスラブ21から突出状態となっていて、この上方に上位のコンクリート柱1の凹所2が入り込むようにコンクリート柱1が載置される。載置された後接合部の柱下端の外周に補助型枠22を取付け、パイプ4の先端開口からグラウトを注入する。パイプ4の先端開口はピン11によって正しい位置(ピン孔10a位置)に保持され、又コンクリートが被ることなくコンクリート表面に開放されているので、グラウトはパイプ4内からスリーブ3内に流入し、更にスリーブ3から接合面外周に流出して、他のパイプ4から流入するグラウトと一緒になって接合面とスラブ21面との間の間隙をグラウトで充満させ、パイプ4内,スリーブ3内,接合面間間隙をグラウトで充填して上位のコンクリート柱1を下位のコンクリート柱1とスラブ21の上に立設する。上位のコンクリート柱1の鉄筋7の下端の鉄筋突出部7aと下位のコンクリート柱1の上端の鉄筋突出部7bとは同じスリーブ3内に対向し、注入されたグラウト23とによって連結される。
【0010】
このようにして、コンクリート柱1の立設が終えるとそのコンクリート柱1の上端に梁を懸け渡し、スラブの配筋を行ない、スラブの型枠を組んでコンクリートを流し込んでスラブ21を現場打ちで構築し、このスラブ21の上に次階のコンクリート柱1を前記の様に立設することを繰り返すことで大型コンクリートビルを構築する。
【0011】
このビル構築法は工場で生産されるプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱1を使用するので、寸法精度が高く高品質で且つ高精度の柱となり、現場でのコンクリート柱部分の構築の為の型枠組み、配筋・コンクリート流し込みの作業・養生が不要となり、ビル構築の工期が大巾に短縮でき、工事費が安価にでき、又高精度で高強度のコンクリート建造物を構築できる。
【0012】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、パイプの変形変位破損がほとんどなく、プレキャストコンクリート構造部材の接合部の固化材注入口がコンクリートに被されることなく正確な位置に開口し、注入路が閉鎖されることがないプレキャストコンクリート構造部材が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す説明図である。
【図2】実施例のパイプ部分を示す説明図である。
【図3】実施例の製造工程の説明図である。
【図4】実施例で製造されたコンクリート柱を示す斜視図である。
【図5】実施例で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を組み立てて接合する工程を示す説明図である。
【図6】実施例で製造されたプレキャストコンクリート構造部材のコンクリート柱を組み立てて接合する工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンクリート柱(プレキャスト構造部材)
1a 底面
1b 上面
2 凹所
3 スリーブ
3a 盲キャップ
3b 鉄筋挿入孔
3c ストッパ
4 パイプ
5 注入路
6 連結リング
7 鉄筋
7a,7b 鉄筋突出部
8 補助筋
10 型枠
10a ピン孔
11 ピン
11a ピン頭
11b 縮径部
12 型枠天板
20 鉄筋
21 スラブ
22 補助型枠
23 グラウト
Claims (2)
- 接合される既設のコンクリート構造体の接合面表面から突出する鉄筋を収容する凹所をコンクリート体の接合面に複数設け、同凹所内の空間にコンクリート体中に埋設された鉄筋の先端部を突出させ、同凹所へ外部から固化材を注入する注入路を設け、又前記接合面と反対位置のコンクリート体の接合面から鉄筋を複数突出した構造のプレキャストコンクリート構造部材の製造方法であって、
プレキャストコンクリート構造部材のコンクリート体の外形状を規定する型枠を設け、同型枠内に配筋し、コンクリート体の一方の接合面を形成する型枠部分の内側に凹所形成のスリーブを配置し、同スリーブの天井面を配筋された縦の鉄筋の先端部が貫通してスリーブ内までのびるように設け、同スリーブの外周面に型枠内側面に接触するまで同内側面に向って延びたパイプを取付け、同パイプ先端と対向する型枠部分にピン孔を穿孔し、同ピン孔を介してピンを型枠外から挿入し、同ピンをパイプ先端開口部と嵌合させてパイプ先端開口を閉鎖するとともにパイプの先端を型枠に支持し、その後型枠内にコンクリートを流し込んで製造することを特徴とするプレキャストコンクリート構造部材の製造方法。 - ピンとして、ピンの中間に先端に向って連続的に縮径する縮径部を設け、しかもピンの先端部がスリーブ内まで挿入できるピンの長さを有する形状寸法のものを使用した請求項1記載のプレキャストコンクリート構造部材の製造方法。
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