JP2004082445A - シームレスベルトおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリイミドベルトの製造過程における異物の混入を防ぎ、表面特性に優れたシームレスベルトおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリアミド酸溶液を円筒状金型に塗布し、溶媒を除去してポリイミド前駆体ベルトを得る工程、前記ポリイミド前駆体ベルトを金型から取り出す工程、および取り出した前記ポリイミド前駆体ベルトをシリンダに差し替え、加熱によりイミド転化を行う工程を含むポリイミド樹脂製シームレスベルトの製造方法において、前記ポリイミド前駆体ベルトのJIS L 1094に準じる飽和帯電圧が−400V以下であることを特徴とする製造方法、ならびに前記製造方法により得られたポリイミド樹脂製シームレスベルト。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびこれらの複合機種等で使用されるポリイミド樹脂製シームレスベルトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を応用した画像形成装置は、無機または有機光導電性感光体からなる潜像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザーや発光ダイオード光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、前記トナー像を中間転写体を介してあるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写し、トナー像に熱を加え転写材に定着させる方式が知られている。ここで、前記の中間転写体については継ぎ目のない無端ベルト(シームレスベルト)が一般的に使用されており、このシームレスベルトの材料はポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)等にカーボンブラック等の充填材を添加したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のシームレスベルトの製造方法の一つとして、例えばPIにカーボンブラック等の充填材を添加したものの場合、先ず原材料となるポリアミド酸溶液またはカーボンブラック等の充填材があらかじめ添加されているポリアミド酸溶液(以後これらを総称してポリアミド酸溶液と略す)をディスペンサー法、ダイス法等により円筒状金型内面に供給する。この段階では、原料であるポリアミド酸は、金型内面に不均一な厚さで塗布されており、またポリアミド酸中に泡が含まれているため、加熱しながら遠心成形または回転成形することにより、塗膜厚さの均一化および脱泡を行う。次いで、加熱等によりイミド転化まで行う方法、あるいはベルトとして保持できるまで溶媒を除去した後、金型からベルトを取り出してシリンダ外面に差し替え、再度加熱によりイミド転化を行う方法が挙げられる。ここで、後者のイミド転化方法において、シリンダにベルトを差し込む際にシリンダ外面とベルト内面の間に異物が混入する場合が見られ、このように異物が混入した状態で以後の熱処理を行った場合、加熱時のイミド転化によるベルトの収縮により、ベルトがシリンダに密着した状態になるため、異物の混入した箇所が突起状に盛上った状態になり、結果として記録紙等の転写材への印刷において画像不良につながることが見られた。
【0004】
そこで、本発明の目的は、ポリイミド樹脂製シームレスベルトの製造過程における異物の混入を防ぎ、表面特性に優れたシームレスベルトおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ポリイミドシームレスベルトの製造方法において、ポリイミド前駆体ベルトの段階で所定の特性を満たすことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明のポリイミド樹脂製シームレスベルトの製造方法は、ポリアミド酸溶液を円筒状金型に塗布し、溶媒を除去してポリイミド前駆体ベルトを得る工程、前記ポリイミド前駆体ベルトを金型から取り出す工程、および取り出した前記ポリイミド前駆体ベルトをシリンダに差し替え、加熱によりイミド転化を行う工程を含み、前記ポリイミド前駆体ベルトのJIS L 1094に準じる飽和帯電圧が−400V以上0V以下であることを特徴とする。
【0007】
前記飽和帯電圧の半減期は、10秒以下であることが好ましい。
【0008】
また、本発明のポリイミド樹脂製シームレスベルトは、前記本発明の製造方法により得られることを特徴とする。
【0009】
[作用効果]
本発明のポリイミド樹脂製シームレスベルトの製造方法によると、ポリイミド前駆体ベルトの飽和帯電圧が−400V以上0V以下であれば、金型から剥離し取り出す段階において、ベルトの静電気等に起因する帯電によっても、作業環境などに存在する異物を吸着し難くなる。また、前記飽和帯電圧の半減期が10秒以下であれば、ポリイミド前駆体ベルトを金型から剥離して抜き取ってシリンダに挿入するまでの間において、ベルトの帯電圧が低くなる。これにより、ベルト内面に混入した異物についても帯電による異物の付着が弱くなるため、以後の作業中において容易に異物が落下し、さらには、加圧空気などによりベルト内面を吹き付けることにより、容易に且つより確実にベルト内面から異物を除去することが可能となる。
【0010】
また、本発明のポリイミド樹脂製シームレスベルトは、製造過程での異物の吸着や混入が少なく、表面に微細な突起が形成されず、均一な形状を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリイミド樹脂製シームレスベルトの製造方法について、説明する。
【0012】
(1)ポリアミド酸溶液を円筒状金型に塗布し、溶媒を除去してポリイミド前駆体ベルトを得る工程
前記ポリアミド酸溶液は、テトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンとの略等モルを溶媒中で重合反応させることにより調製する。
【0013】
前記テトラカルボン酸二無水物は、下記式:
【化1】
Figure 2004082445
(式中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、またはそれらの置換された基である)で表される。
【0014】
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3 ,4 −ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0015】
一方、ジアミンの例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3 ,3 ’−ジメチル−4 ,4 ’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3 ,3 ’−ジメチルベンジジン、3 ,3 ’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1 −イソプロピル−2 ,4 −m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、へキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルへプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルへプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2 ,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1 ,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、
 N(CH ) O(CH ) O(CH )NH 、
 N(CH ) S(CH ) NH 、
 N(CH ) N(CH ) (CH ) NH 、等があげられる。
【0016】
前記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用いうるが、溶解性などの点により有機極性溶媒が好ましく用いうる。前記有機極性溶媒の例としては、N,N−ジアルキルアミド類が有用であり、例えばこれの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。これらは、蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸およびポリイミド前駆体ベルトから容易に除去することができる。また、前記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2 −ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等があげられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支えない。さらに、前記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、へキサン、ベンゼン、トルエン等を単独でもしくは併せて混合することもできるが、水の添加は好ましくない。すなわち、水の存在によってポリアミド酸が加水分解して低分子量化するため、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行う必要がある。
【0017】
前記のテトラカルボン酸二無水物(a) とジアミン(b)とを有機極性溶媒中で反応させることにより、ポリアミド酸が得られる。その際のモノマ−濃度「溶媒中における(a)+(b)の濃度」は、種々の条件に応じて設定されるが、通常、5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は約0.5〜10時間である。
【0018】
前記反応の進行に伴い、ポリアミド酸溶液の溶液粘度が上昇する。本発明においては、ポリアミド酸溶液のB型粘度計における25℃の粘度は、1〜1000Pa・sに調整し用いうる。
【0019】
本発明において、導電性を付与し、飽和帯電圧を低減させるためにポリイミド樹脂に導電性フィラ−を含有させてもよい。このためには、前記ポリアミド酸溶液に導電性フィラ−を分散させることが好ましい。
【0020】
前記導電性フィラ−としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック;アルミ、銀、銅などの各種金属等の粉末があげられる。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック等があげられる。具体的には、ファーネスブラックとして、デグサジャパン株式会社製の「Special Black 550」、「Special Black 350」、「Special Black 250」、「Special Black 100」、「Printex 35」、「Printex 25」、三菱化学社製の「MA 7」、「MA 77」、「MA 8」、「MA 11」、「MA 100」、「MA 100R」、「MA 220」、「MA 230」、キャボット社製の「MONARCH 1300」、「MONARCH 1100」、「MONARCH 1000」、「MONARCH900」、「MONARCH 880」、「MONARCH 800」、「MONARCH 700」、「MOGUL L」、「REGAL 400R」、「VULCAN XC−72R」等があげられ、チャンネルブラックとしてデグサジャパン株式会社製の「Color Black FW200」、「ColorBlack FW2」、「Color Black FW2V」、「Color Black FW1」、「Color Black FW18」、「Special Black 6」、「Color Black S170」、「Color Black S160」、「Special Black 5」、「Special Black 4」、「Special Black 4A」、「Printex 150T」、「Printex U」、「Printex V」、「Printex 140U」、「Printex 140V」等があげられ、単独および複数種類のカーボンブラックを併用してもよい。
【0021】
導電性フィラーの配合量は、所望の表面抵抗率を付与し、また、下記工程(3)での飽和帯電圧を調整するために、フィラーの種類に応じて適宜設定することができる。
【0022】
ポリアミド酸溶液中への導電性フィラーの分散方法は、プラネタリミキサ−やビーズミルや3本ロール等の適宜な分散機にて行なうことができる。
【0023】
このようにして得られたポリアミド酸溶液を、通常、円筒状金型の内面に塗布し、加熱しながら遠心成形または回転成形する。
【0024】
用いる円筒状金型は、従来からシームレスベルトの製造に用いられているものであればどのようなものでも差し支えなく、ベルトの形状に応じた円筒状金型を用い、その内面に塗布する。金型の材質としては、その耐熱性の観点から、金属、ガラス、セラミック等の各種のものがあげられる。
【0025】
前記円筒状金型の内面に、前記ポリアミド酸溶液を塗布する方法は、公知の方法を適用することが可能であり、例えばディスペンサー法、ダイス法があげられる。
【0026】
金型内面にポリアミド酸溶液を塗布した後、加熱しながら遠心成形または回転成形することにより、塗膜の均一化および脱泡を行い、ベルトとして保持できるまで溶媒を除去する。
【0027】
前記遠心成形または回転成形時の金型の回転数は、通常、100〜2000rpm程度であり、加熱温度は、80〜200℃程度である。このような条件下で、塗膜の均一化および脱泡が行われる。
【0028】
前記溶媒の除去の程度は、ベルトとして保持できる程度であれば特に制限されるものではなく、用いる溶媒により適宜設定することができる。
【0029】
このようにしてポリイミド前駆体ベルトを得る。
【0030】
(2)前記ポリイミド前駆体ベルトを金型から取り出す工程
金型からポリイミド前駆体ベルトを取り出すには、あらかじめ内面に離型処理を施し、剥離力を調整した金型を使用するのが好ましい。この場合、室温まで冷却した後、常法により離型を行う。
【0031】
(3)前記ポリイミド前駆体ベルトのJIS L 1094に準じる飽和帯電圧を測定する工程
本発明における飽和帯電圧とは、JIS L 1094に準じて測定した値であり、具体的な測定方法は、実施例に記載されている。
【0032】
前記飽和帯電圧は、ポリイミド前駆体ベルトの帯電による静電気を抑制し、ベルトへの異物の吸着または混入を防止するためには、−400V以上0V以下であり、−300V以上0V以下が好ましい。
【0033】
飽和帯電圧を所定の値に調節するには、導電性フィラーの配合量やポリイミド前駆体ベルトの溶媒除去率を調整することにより可能である。
【0034】
この場合、前記飽和帯電圧の半減期は10秒以下であることが好ましく、6秒以下であることがより好ましい。半減期がかかる範囲内であると、ポリイミド前駆体ベルトをシリンダに挿入するまでの間にベルトの帯電圧が低くなり、容易に且つより確実にベルト内面から異物を除去することが可能となる。
【0035】
(4)取り出した前記ポリイミド前駆体ベルトをシリンダ外面に差し替え、加熱によりイミド転化を行う工程
ここで用いるシリンダは、汎用のものを好適に使用することができるが、イミド転化の加熱に耐え得る材質のものが好ましい。金属製またはセラミック製のシリンダが例示される。
【0036】
イミド転化を行うときの加熱温度は、通常220〜300℃であり、加熱時間は、0.2〜2時間程度である。
【0037】
このようにして得られたポリイミド樹脂製シームレスベルトの厚さは、ベルトの使用目的などに応じて適宜決定しうる。一般には強度や柔軟性等の機械特性などの点により、5〜500μm、就中10〜300μm、特に20〜200μmの厚さとされる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0039】
(実施例1)
N−メチル−2−ピロリドン837g中に、乾燥したカーボンブラック(キャボット社製、バルカンXC、平均一次粒子径0. 3μm、比重1. 8g/cm )8. 1g(ポリイミド固形分に対し4重量%)をボールミルで6時間、室温で混合した。このNMP分散液に4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物147. 1gとパラフェニレンジアミン54. 1gを溶解し、窒素雰囲気中において、室温で3時間撹拌しながら反応させて300Pa・s(B型粘度計、25℃における)のポリアミド酸溶液を得た。
【0040】
内径330mm、長さ400mmのステンレス製金型の内面に上記ポリアミド酸溶液をディスペンサーで厚さ300μmに塗布した。次いで、コーンに固定された軸を介してコーンによる加圧を金型両端から行うことにより金型を固定し、2000rpmで15分間回転させ、均一な塗膜面を得た。次に、250rpmで回転させながら、金型の外側より100℃の熱風を10分間あてた後、250℃で60分間加熱することにより溶媒を除去した。得られたポリイミド前駆体ベルトを、金型ごと室温まで冷却し、金型からベルトを剥離した。
【0041】
ここで、前記ベルトについて、飽和帯電圧および半減期を測定した。その後、前記ベルトを内径329mm、長さ450mmのステンレス製シリンダに差し替え、150℃で30分間加熱した後、300℃まで2℃/分の速度で昇温し、さらに300℃で30分間加熱し、脱水閉環水の除去およびイミド転化を行った。
その後、室温まで冷却し、シリンダから取り出し、厚さ56μmのシームレスベルトを得た。
【0042】
(実施例2)
実施例1においてカーボンブラックの添加量を7. 6g(ポリイミド固形分に対し3. 8重量%)にすること以外は実施例1と同様にして、厚さ56μmのシームレスベルトを得た。
【0043】
(比較例1)
実施例1においてカーボンブラックの添加量を7 .2g(ポリイミド固形分に対し3. 6重量%)にすること以外は実施例1と同様にして、厚さ56μmのシームレスベルトを得た。
【0044】
(評価試験)
実施例および比較例で得られたシームレスベルトについて、以下のように評価した。
【0045】
(1)飽和帯電圧および半減期
JIS L 1094「半減期測定法」に従い、シシド静電気社製のスタティックオネストメーターH0110を用いて、20℃、40%RHにおける飽和帯電圧および半減期を測定した。結果を表1に示す。
【0046】
印加電圧:−10kV
印加電極と試料間の距離:20mm
受電圧部と試料間の距離:15mm
飽和帯電圧:印加終了直前の帯電圧
半減期:飽和帯電圧の1 /2 に減衰するまでの時間
(2)画像転写性評価
実施例および比較例で得たシームレスベルト各々100本を中間転写用の転写ベルトとして組み込み、印刷を実施し、得られた画像およびベルトの目視による検査より、ベルトの突起に起因する画像不良の発生の有無の確認を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 2004082445
表1より、実施例1および2のシームレスベルトに関しては、印刷画像に色抜けの生じる不具合が若干量発生したものも見られるが、概ね良好なシームレスベルトであることが確認された。
【0048】
これに対し、比較例1のシームレスベルトに関しては、印刷画像に色抜けの生じる不具合が多く確認された。これについては、ポリイミド前駆体ベルトの飽和帯電圧が高いため、金型から剥離する際にベルト端面から発生したポリイミドおよびポリアミド酸小片がベルト内面に付着する場合が見受けられた。また、比較例1のシームレスベルトは、実施例のシームレスベルトに比べて半減期が長いため、付着した異物が内面に保持されやすく、この様な小片が一部ベルトとシリンダ間にはさまった状態のまま加熱処理を行ったため、ベルトに突起が形成されてしまったことが原因と考えられる。

Claims (3)

  1. ポリアミド酸溶液を円筒状金型に塗布し、溶媒を除去してポリイミド前駆体ベルトを得る工程、前記ポリイミド前駆体ベルトを金型から取り出す工程、および取り出した前記ポリイミド前駆体ベルトをシリンダに差し替え、加熱によりイミド転化を行う工程を含むポリイミド樹脂製シームレスベルトの製造方法において、前記ポリイミド前駆体ベルトのJIS L 1094に準じる飽和帯電圧が−400V以上0V以下であることを特徴とする製造方法。
  2. 前記飽和帯電圧の半減期が10秒以下である請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られたポリイミド樹脂製シームレスベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012040729A (ja) * 2010-08-17 2012-03-01 Nitto Denko Corp シームレスベルトの製造装置およびシームレスベルトの製造方法

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