JP2004082110A - 生ごみ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不快臭の発生少なく生ごみを分解処理することができる生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】分解処理槽2に供給された生ごみを微生物によって分解するようにした生ごみ処理装置に関する。分解処理槽2に常時通風させながら、生ごみと微生物との混合物の温度を40〜60℃の範囲に保持すると共にpHを3以上、7未満の酸性状態に維持する。この状態で、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】分解処理槽2に供給された生ごみを微生物によって分解するようにした生ごみ処理装置に関する。分解処理槽2に常時通風させながら、生ごみと微生物との混合物の温度を40〜60℃の範囲に保持すると共にpHを3以上、7未満の酸性状態に維持する。この状態で、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解を行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物方式の生ごみ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている生ごみ処理装置は、主として乾燥方式と微生物方式の二つに大別することができる。
【0003】
乾燥方式は、加熱など物理的処理で生ごみ中の水分を除去させることによって、ごみの減量を行なう処理方式であり、高速で安定的に処理を行なうことができる。しかし、乾燥方式には、水分除去に必要なエネルギーが大きくなることや、ごみの減量率が低いという短所がある。
【0004】
一方、微生物方式は、微生物の有機物分解能力を利用して生ごみを分解するようにしたものであり、生ごみの量が変化することによる負荷変動への対応性や、処理時間の点で乾燥方式よりも劣る。しかし、微生物の有機物分解作用を利用するので省エネルギーであり、しかも生ごみ中の有機物を最終的には炭酸ガスにまで分解することができ、ごみの減量率が高いという長所を有するので、微生物方式の生ごみ処理装置は広く普及しつつある。
【0005】
特に、微生物方式の生ごみ処理装置において主流となっているのは、木材チップなど有機基材と生ごみとを好気性条件下で混合させ、基材に担持させた好気性菌によって生ごみを好気性分解するようにした方式のものである。そしてpHを7.0〜9.5のアルカリ性領域に保持することによって、好気性菌による好気性分解の効率化を図り、ごみの大幅減量を可能なものにしている。
【0006】
しかし、このような好気性菌の好気性分解を利用した生ごみ処理装置では、次のような問題があった。すなわち、生ごみの有機物の分解が活発であるほど、分解に伴なって多くのガスが発生するが、好気性分解は上記のように一般にアルカリ性領域で行なわれるので、タンパク質の分解によって多量のアンモニアが放出されることがあり、悪臭が発生し易い。また過大量の生ごみが投入された場合や、ご飯など糖質を多く含む生ごみが多量に投入された場合には、一時的に有機酸が大量発生し、pHが酸性領域まで急激に低下することがある。好気性分解処理ではその中心的な働きをなす菌の至適pHは上記のように7.0〜9.5のアルカリ性領域にあり、アルカリ性領域を維持することが重要であるが、このようにpHが酸性領域に低下すると、好気性菌の活性が失われ、他の腐敗菌の増殖を招いて、悪臭発生の原因となる。
【0007】
一方、このようなアルカリ性領域で行なう微生物分解方式に対して、酸性領域で生ごみを微生物分解する酸性分解方式がある。酸性分解方式では、酸性状態を維持するために代謝産物として乳酸などの有機酸を産出する菌を主として利用して生ごみの分解を行なうものである(例えば特許文献1等参照)。そして酸性分解方式では生ごみの分解でアンモニアが生じても、有機酸と中和されてアンモニアガスの発生が抑制されるので、生ごみが分解されて発生する臭いはマイルドなものとなる。
【0008】
しかし、酸性分解に利用される菌は一般に呼吸鎖(電子伝達系)を有していないので、アルカリ性領域で働く好気性菌に比べて有機物の分解能力が劣る。このために、ごみの減量率が自ずと小さくなるという問題を有するものであった。また酸を産出する菌のなかには、乳酸のような刺激の弱い有機酸の他に、酢酸や酪酸など強い刺激のある有機酸を大量に産出するものがあり、これらの有機酸による刺激臭が問題になることもあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−170579号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、不快臭の発生少なく生ごみを分解処理することができる生ごみ処理装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る生ごみ処理装置は、分解処理槽に供給された生ごみを微生物によって分解するようにした生ごみ処理装置において、分解処理槽に常時通風させながら、生ごみと微生物との混合物の温度を40〜60℃の範囲に保持すると共にpHを3以上、7未満の酸性状態に維持した状態で、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解を行なうようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、高温・酸性状態により雑菌の繁殖を抑制し、さらに好気性雰囲気により偏性嫌気性菌の繁殖を防いで、これらによる酪酸や硫化水素などの腐敗臭の発生を防止することができると共に、好アルカリ性の好気性菌を失活させてアンモニアが大量に発生することを防ぐことができるものであり、またホモ発酵型の乳酸菌は刺激臭の弱い乳酸のみを生成するものであって、不快臭の発生を抑制しながら生ごみを分解処理することができるものである。
【0013】
また請求項2の発明は、請求項1において、ホモ発酵型の乳酸菌として、ラクトバチルス属、ペディオコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属から選ばれる菌を用いることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、これらの菌で生ごみを分解する際に生成される乳酸によって腐敗菌や雑菌の繁殖を抑制することができ、しかも発酵過程でジアセチルなどの芳香物質が生成されるものであり、分解臭をよりマイルドなものにして不快臭の発生を防ぐことができるものである。
【0015】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、乳酸菌として有胞子性乳酸菌のバチルスコアグランスを用いることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、胞子を形成するバチルスコアグランスは温度、水分、pHなど環境の変化に強いので、生ごみの過大投入や成分の偏りなどの負荷変動に対して、安定した処理能力を得ることができるものである。
【0017】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、微生物として乳酸菌の他に酵母を併用することを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、酵母の生成するエタノールなど微量のアルコール成分が分解ガス中に含まれることになり、分解臭を一層マイルドなものにすることができるものである。
【0019】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、ホモ発酵型の乳酸菌に対する共生菌として、ヘテロ型乳酸菌と有胞子乳酸菌の少なくとも一方を、ホモ発酵型の乳酸菌に補助的に添加することを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、ホモ発酵型の乳酸菌と共生関係にあるヘテロ型乳酸菌や有胞子乳酸菌によって、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする菌相を安定化することができ、生ごみの分解処理を安定して行なうことができるものである。
【0021】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、分解処理槽に有機酸を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、分解処理槽内のpH変動を低減して、酸性状態を維持することができるものである。
【0023】
また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、分解処理槽に酸性のpH緩衝作用を有する無機剤を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、分解処理槽内のpH変動を抑制して、酸性状態を維持することができるものである。
【0025】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、分解処理槽に糖類を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
この発明によれば、乳酸菌の増殖と乳酸の生成の効率を高めることができ、生ごみ分解装置の立ち上がりや生ごみ分解処理を安定化させることができるものである。
【0027】
また請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、分解処理槽にビタミン類を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0028】
この発明によれば、乳酸菌をビタミン類によって効率良く増殖させることができるものである。
【0029】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、分解処理槽に塩化ナトリウムを添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、耐塩性のない雑菌などの増殖を防ぐことができ、耐塩性の乳酸菌を優先化することができるものである。
【0031】
また請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、上記微生物及び分解処理槽に添加される添加物を基材に担持させた状態で用いることを特徴とするものである。
【0032】
この発明によれば、微生物やその他の添加剤を分解処理槽に添加する際の、作業性や安全性を向上することができるものである。
【0033】
また請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかにおいて、生ごみ処理の運転開始時に糖類と酸性の無機剤のみを分解処理槽に投入するようにしたことを特徴とするものである。
【0034】
この発明によれば、運転開始の際に、pHを酸性状態にして雑菌の繁殖を抑制しつつ乳酸菌の基質である糖類を分解処理槽に多量に存在させることができ、乳酸菌の増殖と乳酸の生成が効率的に行なわれ、乳酸菌を別途添加する必要なく、乳酸菌を主体とする安定した菌相を分解処理槽内に形成することができるものである。
【0035】
また請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれかにおいて、分解処理槽内のpHが酸性状態でなくなったときに、酸性復活剤として糖類を投入するようにして成ることを特徴とするものである。
【0036】
この方法によれば、分解処理槽に酸を添加する場合のような急激なpH変動によるガス発生などの問題が生じることなく、乳酸菌による糖類の分解によって徐々に分解処理槽内を酸性状態に戻すことができるものである。
【0037】
また請求項14の発明は、請求項1乃至13のいずれかにおいて、上記分解処理槽と、上記分解処理槽で分解処理された被処理物を乾燥処理する乾燥処理槽とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0038】
この発明によれば、乾燥によって細菌が増殖できない衛生的な残渣を得ることができるものであり、また生ごみの酸性分解ではアンモニアが発生せず窒素成分が放出されないために、残渣の堆肥としての有効性が高いものである。
【0039】
また請求項15の発明は、請求項1乃至14のいずれかにおいて、上記分解処理槽と、上記分解処理槽で分解処理された被処理物をアルカリ性状態で好気性菌によって分解する好気性分解処理槽とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0040】
この発明によれば、分解処理槽で酸性分解された生ごみの被処理物をさらに好気性分解処理槽で好気性分解することによって、より無機物にまで分解することができ、ごみの減量率を高めることができるものである。
【0041】
また請求項16の発明は、請求項15において、上記分解処理槽に常時通風を行なうにあたって、通風の際の空気の流れの上流側に好気性分解処理槽を、下流側に分解処理槽をそれぞれ配置し、分解処理槽の生ごみと微生物との混合物内に遮蔽板の下部を差し込み、空気が遮蔽板の下端を通過して流れるようにしたことを特徴とするものである。
【0042】
この発明によれば、分解処理槽に通風を行なうにあたって、好気性分解処理槽で発生したアンモニアガスを含む空気が分解処理槽に流入し、しかもこの空気は分解処理槽内の生ごみと微生物の混合物内を潜って通過するものであり、アンモニアを分解処理槽内で生成された有機酸と接触させて効率高く反応させることができると共に吸着させることができ、アンモニアが臭気として排出される量を低減して臭気レベルを一層低減することができるものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0044】
図1は生ごみ分解処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、ケーシング1内に分解処理槽2が配置してあり、分解処理槽2内には攪拌装置3が設けてある。攪拌装置3は水平に配置される回転軸4と回転軸4の外周に突出して設けられる攪拌羽根5とから形成されるものであり、回転軸4の端部は分解処理槽2の槽壁から突出させてある。ケーシング1の底部内には攪拌用モータ6が設けてあり、回転軸4の突出端部に取着したプーリ7と攪拌用モータ6の出力軸8に取着したプーリ9の間にベルト10を懸架することによって、攪拌用モータ6の作動で攪拌装置3を回転駆動することができるようにしてある。また、分解処理槽2の上部には吸気口11と排気口12が設けてあり、吸気口11はケーシング1の空気取り入れ口13を介して、排気口12はケーシング1の空気排出口14を介して外部に連通させてある。そして排気口12には排気ファン15が設けてあり、吸気口11からa矢印のように吸気した空気を排気口12からb矢印のように排気することによって、分解処理槽2に空気を通過させて通風させるようにしてある。
【0045】
上記の分解処理槽2には木材チップや多孔質セルロース発泡体など、多孔質の有機質粒体からなる基材16が充填してあり、分解処理槽2内に投入される生ごみと基材16が攪拌装置3によって攪拌されるようにしてある。また分解処理槽2の下部には加熱ヒーターなどで形成される加熱装置17が設けてあり、基材16と生ごみとの混合物を加熱することができるようにしてある。さらに分解処理槽2には水分センサ18が設けてあり、基材16と生ごみとの混合物の水分を検知するようにしてある。
【0046】
上記のように形成される生ごみ処理装置において請求項1の発明では、排気ファン15の運転によって分解処理槽2内に常時通風して通気しながら、加熱装置17によって基材16と生ごみとの混合物の温度を40〜60℃の範囲に加熱調整し、そして基材16と生ごみとの混合物のpHを3以上、7未満(より好ましくは5以上、7未満)の酸性領域に維持して、生ごみを酸性分解するようにしてある。尚、酸性分解に適する水分は15〜50質量%(より好ましくは20〜40質量%)であり、上記の温度範囲で加熱装置17を制御して分解処理槽2内の水分量がこの範囲内に維持するようにしてある。
【0047】
ここで、このように分解処理槽2内の基材16と生ごみとの混合物の温度範囲を40〜60℃に調整することによって、分解処理槽2内に増殖できる微生物を至適温度の高い高温菌に限ることができ、雑菌の繁殖を抑制することができる。また分解処理槽2内に常時通風して好気的雰囲気に維持することによって、分解処理槽2内に増殖できる微生物を、酸素を要求する好気性菌と、酸素存在下でも増殖可能な通性嫌気性菌に限ることができ、偏性嫌気性菌の繁殖を防ぐことができる。さらに基材16と生ごみとの混合物のpHを3以上、7未満の酸性領域に維持することによって、好気性分解処理で優位を占める好気性菌の至適pHは7〜10のアルカリ領域にあるので、その活性を失わせることができ、好気性菌が優先化されないようにすることができる。従って、分解処理槽2内を好気性雰囲気に保ちながら温度とpHを上記の範囲に維持することによって、雑菌の繁殖を防ぎ、高温性かつ、好酸性もしくは耐酸性の、通性嫌気性菌を優先種として、生ごみを酸性分解処理することができるものである。
【0048】
そして好酸性または耐酸性の通性嫌気性菌の代表的なものとして、乳酸菌を挙げることができ、上記のような条件で生ごみ処理装置を運転することによって、乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解処理を行なうことが可能になるが、運転開始の前に分解処理槽2内に乳酸菌を添加することによって、より安定的に乳酸菌を優先種として生ごみの分解処理を行なうことができるものである。
【0049】
ここで、本発明の請求項1の発明では、乳酸菌としてホモ型発酵の菌を用いるようにしてある。すなわち乳酸菌には、糖から主として乳酸を生成するホモ発酵型の菌と、乳酸と同時に酢酸などを生成するヘテロ発酵型の菌とがあるが、ホモ発酵型の乳酸菌はこのように、生ごみを分解しても刺激の弱い乳酸が生成されるだけであり、刺激のある酢酸などの生成はごく僅かであるので、生ごみの分解によって生じる分解臭は刺激のないマイルドなものになるものである。
【0050】
このようなホモ発酵型の乳酸菌として、請求項2の発明では、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属から選ばれる、一種あるいは複数種の菌を用いるようにしている。これらの菌で生ごみを分解する際の最終生成物は乳酸に限られ、しかも発酵過程でジアセチルなどの芳香物質が生成されるので、分解臭はよりマイルドなものになるものである。
【0051】
以上のように、分解処理槽2に常時通風させながら、温度を40〜60℃の範囲に保持し、さらにpHを3以上、7未満の酸性状態に維持した状態で、ホモ発酵型の乳酸菌で生ごみの分解を行なうことによって、高温・酸性状態により雑菌の繁殖を抑制し、さらに好気性雰囲気により偏性嫌気性菌の繁殖を防いで、これらによる酪酸や硫化水素などの腐敗臭の発生を防止することができると共に、好アルカリ性の好気性菌を失活させてアンモニアが大量に発生することを防ぐことができるものであり、またホモ発酵型の乳酸菌の最終生成物は乳酸に限られるものであり、不快臭の発生を抑制しながら生ごみを分解処理することができるものである。そしてこのようにアンモニアの発生を抑制することができるために、窒素成分がアンモニアガスとして放出されることを低減することができ、生ごみを分解処理することによって得られる残渣の堆肥としての有効性を高めることができるものである。また、乳酸菌による乳酸発酵によって乳酸が生成されるので、乳酸でpHを酸性状態に安定して維持することができ、生ごみの酸性分解を安定して行なわせることができると共に、乳酸によって腐敗菌の繁殖を防止することもできるものである。さらに、分解処理槽2への生ごみの過大投入や成分に偏りがある生ごみの投入など、微生物による生ごみの分解に対する負荷が大きく変動しても、安定した酸性領域のpHと分解処理能力を維持することが可能である。すなわち、生ごみの過大投入や油分、糖類が偏って多い生ごみが投入されると、分解に必要な酸素消費量が急激に増加して、酸素不足状態となって好気性菌の活動が低下し、逆に嫌気性菌が急激に増殖して、分解処理槽2内には大量の有機酸が生成され、pHが大幅に低下する。このpH低下と酸素不足によって好気性菌はスパイラル状に悪影響を受け、ほとんど活動停止状態になって分解処理能力が大幅に低下してしまい、また偏性嫌気性菌が優先種となって大量の腐敗臭を発生させることがある。これに対して、本発明においては、生ごみと微生物の混合物は最初からpHが酸性状態にあり、また乳酸菌は通性嫌気性菌であるため、生ごみの過大投入や成分に偏りのある生ごみの投入によってpHが低下したり、酸素不足になっても、分解処理能力には殆ど影響がなく、安定して生ごみを分解処理することができるものであり、また生成される乳酸によって腐敗菌の繁殖を抑制することができるものである。
【0052】
また、請求項3の発明では、上記の乳酸菌として、有胞子性のバチルスコアグランス(Bacillus coagulans)を用いるようにしている。バチルスコアグランスはこれのみを単独で用いるようにしてもよく、上記の請求項2の乳酸菌と混合して用いるようにしてもよい。このバチルスコアグランスは胞子を形成することができるので、温度、水分、pHなど環境の変化に強く、容易に死滅しない。従って、乳酸菌としてバチルスコアグランスを用いて分解処理槽2に添加することによって、生ごみの分解安定性をさらに高めることができるものである。またバチルスコアグランスは有胞子性であるため、保存・貯蔵・運搬が容易であり、生菌数を維持したまま、分解処理槽2に添加することが可能である。
【0053】
次に、請求項4の発明では、微生物として上記のような乳酸菌の他に、酵母を併用して、分解処理槽2に投入するようにしてある。酵母としては、サッカロマイセス(Saccharomyces)属などを用いることができるものであり、酵母は乳酸菌と共存関係があるため、同一環境内で乳酸菌と酵母の両者を利用することが可能である。そしてこのように乳酸菌の他に酵母を併用して生ごみを処理すると、酵母の生成するエタノールなど微量のアルコール成分が分解ガス中に含まれ、分解臭を緩和することができるものである。乳酸菌に対する酵母の混合割合は、特に制限されるものではないが、20〜50質量%程度に設定するのが望ましい。
【0054】
ここで、上記のようにホモ発酵型乳酸菌を主体として生ごみの分解を行なうにあたって、ホモ発酵型乳酸菌以外の菌も共生して生ごみの分解に関与しており、これらの菌がお互いに作用し合いながら安定した菌相を形成している。従って、ホモ発酵型乳酸菌に対する共生菌を補助的に添加してホモ発酵型乳酸菌と併用することによって、菌相を安定化することができるものであり、生ごみの分解処理を安定して行なうことができるものである。特に、運転初期の立ち上げ時にホモ発酵型乳酸菌と共生関係にある菌を若干量添加することは、菌相の安定に有効である。
【0055】
そしてホモ発酵型乳酸菌の共生菌のなかでも、同じ乳酸菌であるヘテロ発酵型乳酸菌を補助的に添加することによって、ホモ発酵型乳酸菌を主体する菌相を安定化する効果を高く得ることができるものである。例えば、ホモ発酵型乳酸菌としてペディオコッカス属を1L(リットル)の基材16に対して108〜1010個添加して生ごみの分解処理を行なう場合、ヘテロ発酵型乳酸菌としてレウコノストック(Leuconostoc)属を1Lの基材16に対して106〜109個添加することができるものであり、同じ乳酸菌でも両菌の生ごみに対する分解メカニズムに違いがあるため、菌相全体でみれば安定性が向上するものである。またこのようにヘテロ発酵型乳酸菌の添加量をホモ発酵型乳酸菌の1/10以下(1/20〜1/5の範囲が好ましい)程度の補助的な量にしているので、ホモ発酵型乳酸菌を主体とする菌相は維持されるものである。
【0056】
また、ホモ発酵型乳酸菌に対する共生菌として、有胞子乳酸菌を補助的に添加することによっても、同様に菌相を安定化することができるものであり、特に有胞子乳酸菌は胞子形成能力を有するために温度、水分、pHなどの環境変化に強く、容易に死滅し難いので、菌相の安定性を向上させることができるものである。例えば、ホモ発酵型乳酸菌としてペディオコッカス属を1L(リットル)の基材16に対して1010個程度添加して生ごみの分解処理を行なう場合、有胞子乳酸菌としてバチルスコアグランスを1Lの基材16に対して3×109個程度添加することができるものである。このように有胞子乳酸菌の添加量をホモ発酵型乳酸菌の1/3程度(1/5〜1/2の範囲が好ましい)の補助的な量にしているので、ホモ発酵型乳酸菌を主体とする菌相は維持されるものである。
【0057】
請求項5の発明はこのように、ホモ発酵型乳酸菌に対する共生菌として、ヘテロ型乳酸菌と有胞子乳酸菌の少なくとも一方を補助的に併用するものであり、乳酸菌相全体としてみれば外乱に対する耐性が向上し、結果的にホモ発酵型乳酸菌を主体とする安定した菌相を得ることができるものである。
【0058】
また請求項6の発明では、分解処理槽2内に有機酸を添加するようにしてある。有機酸としては乳酸やピルビン酸などを用いることができるものであり、分解処理槽2内のpHが3以上、7未満の範囲で酸性状態になるように、適量の有機酸を添加することによって、分解処理槽2内を迅速に酸性域に到達させることができるものである。このように有機酸を添加することによって、分解処理槽2内を酸性状態に維持することができるものであり、雑菌の増殖を抑制し、乳酸菌の増殖と優先化に資することができるものである。また、何らかの原因でpHが上昇傾向にあるなど、酸性分解不調時に、有機酸を添加することによって、酸性環境を調えて乳酸菌を再度活性化することができるものである。
【0059】
請求項7の発明では、分解処理槽2に有機酸を添加する方法に代えて、酸性のpH緩衝機能を有する無機剤を分解処理槽2内に添加するようにしてある。酸性のpH緩衝機能を有する緩衝剤を添加することによって、分解処理槽2内のpH変動を低減して酸性状態を維持することができるものである。ここで上記のように有機酸を添加する場合には、有機酸自体も生ごみの分解と共に徐々に分解され、pHが上昇していく可能性があるが、酸性のpH緩衝機能を有する緩衝剤として無機剤を用いることによって、無機剤は直接的に分解されることはないので、分解処理槽2内のpHを酸性域に有効に維持することができるものである。このような酸性のpH緩衝機能を有する無機剤としては、リン酸2水素カリウムなどを用いることができる。この酸性のpH緩衝機能を有する無機剤の添加量は、分解処理槽2内のpHを3以上、7未満に維持するように適宜調整されるものである。
【0060】
また請求項8の発明では、分解処理槽2に糖類を添加するようにしてある。糖類は乳酸菌の増殖と乳酸の生成に必要であり、このように分解処理槽2に糖類を添加することによって、生ごみ分解装置の立ち上がりや生ごみ分解処理を安定化させることができるものである。糖類としてはグルコースを用いることができるが、その他市販の砂糖などを用いることも可能である。糖類の添加量は特に制限されるものではないが、1Lの基材16に対して5〜20g程度が適当である。
【0061】
さらに請求項9の発明では、分解処理槽2に乳酸菌の発育に必要なビタミン類を添加するようにしてあり、乳酸菌を効率良く増殖させることができるものである。このビタミン類としては、例えばニコチン酸、パントテン酸、ビチオンなどを用いることができるものであり、これらの中から一種単独であるいは複数種を混合して用いることができる。これらのビタミン類は殆どの乳酸菌で要求性を示すものであり、これらの添加は乳酸菌の増殖に対して高い効果を得ることができる。ビタミン類の添加量は特に制限されるものではないが、乳酸菌に対して2〜5質量%程度が適当である。
【0062】
また請求項10の発明では、分解処理槽2に塩化ナトリウム(食塩)を添加するようにしてある。乳酸菌のなかにはペディオコッカス属のように耐塩性を有するものがあり、分解処理槽2内の塩化ナトリウムの濃度を10〜20質量%に調整することによって、耐塩性のない他の雑菌などの菌は増殖することができず、耐塩性の乳酸菌を優先化することが可能になるものである。
【0063】
上記の乳酸菌や酵母のような微生物や、上記の有機酸、酸性のpH緩衝機能を有する無機剤、糖類、ビタミン類、塩分のような添加物は、粉体や液体などの形態で個別に分解処理槽2内に添加することができるが、請求項11の発明では、これらの微生物や添加物を、一種あるいは複数種を組み合わせて基材16に担持させた状態で、分解処理槽2に添加するようにしてある。微生物や添加物を個別に分解処理槽2に添加するようにすると、一部のものを添加し忘れたり、また添加比率を間違えたりするおそれがあるが、基材16に予め必要な微生物や添加物を必要な含有比率で担持させておけば、一部のものを添加し忘れたり、また添加比率を間違えたりするようなことがなくなるものであり、また添加の作業性や安全性を向上することができるものである。基材16としては、木質チップや多孔質セルロース発泡体など、表面に開口する細孔を多数有するセルロース系の有機質粒状物を用いることができるものであり、微生物や添加物を付着させたり含浸させたりして、基材16に担持させることができるものである。
【0064】
ここで、上記の各実施の形態では、乳酸菌類を分解処理槽2に添加して生ごみの分解処理運転を開始するようにしているが、乳酸菌類を分解処理槽2に添加する場合、コスト、乳酸菌類の保管性、乳酸菌類の品質安定性などに問題のある場合がある。そこで請求項12の発明では、上記した温度、水分などの運転条件下で、生ごみ処理装置を運転開始する際に、分解処理槽2に糖類と酸性の無機剤のみを投入するようにしてある。糖類や酸性の無機剤としては上記したものを用いることができる。そしてこのように運転初期に糖類と酸性の無機剤を投入すると、酸性の無機剤でpHを酸性にして雑菌の繁殖を抑制しつつ、乳酸菌の基質である大量の糖類の存在によって、分解処理槽2内に乳酸菌を増殖させると共に乳酸の生成を効率的に行なわせることができ、やがて乳酸菌を主体とする安定した菌相を得ることができるものである。
【0065】
例えば、初期pHを酸性状態にするための酸性無機酸としてリン酸2水素カリウムを1Lの基材16に対して10g〜20gの範囲の量で投入すると共に、乳酸菌の基質である糖類として、上白糖を1Lの基材16に対して20g〜50gの範囲という上記の各実施の形態の場合よりも多量に投入して、生ごみ処理の運転を開始することによって、乳酸菌を分解処理槽2に添加する必要なく、糖類と酸性無機剤の投入のみで、安定した乳酸菌相を立ち上げることができるものである。このように乳酸菌を添加しないで乳酸菌相を立ち上げる場合には、乳酸菌を添加する場合よりも、2〜5倍の量の糖類を運転初期に投入するようにするのが好ましい。
【0066】
また、装置トラブルなどの何らかの原因で分解処理槽2内の酸性状態が失われて中性からアルカリ性の状態になることが想定される。このような場合、分解処理槽2内を酸性状態に戻すために、有機や無機を問わず、クエン酸やリン酸2水素カリウムなどの酸を分解処理槽2内に直接投入する方法が一般的である。このように酸を直接投入すれば、急速にpHが低下して即効的に酸性状態に戻すことが可能である。しかし、酸をある程度投入した後のpH値は基材16の状態に左右されるので、基材16のpHを本発明で最適値の3以上、7未満(より好ましくは5以上、7未満)の範囲にするための酸の量は一定ではなく、酸の投入量の調整は難しい。また酸の投入による急激なpHの変化によって多種類の物質が気化し、気化ガスによって不快臭が発生するおそれがある。
【0067】
そこで請求項13の発明は、分解処理槽2内のpHが酸性状態でなくなったときに、酸性復活剤として糖類を投入するようにしたものである。糖類としては上記したものを用いることができるものであり、このように糖類を投入すると、糖類が微生物によって分解される際に乳酸などの有機酸が生成され、分解処理槽2内のpHは有機酸の生成に応じて低下し、乳酸菌活性の高い酸性状態に復帰させることができるものである。このとき、酸性状態が失われている状態では、菌相における乳酸菌の活性も低下しており、糖類を投入した初期では乳酸の生成速度が遅く、pHの低下効果もすぐには生じない。そして時間が経過するに従って、糖類の分解と乳酸菌の増殖が相互に比例しながら進行し、徐々にpHが低下して、最終的には乳酸菌に至適な5以上、7未満の範囲のpHで安定する。このように、乳酸菌を主体とする菌相へ遷移しながら、酸性状態へと緩やかに戻すことができるものであり、急激なpH変動によるガス発生などの問題が生じることなく、通常通りの運転を行ないながら酸性状態に復帰させることができるものである。酸性復活剤として糖類を投入する場合、糖類の投入量は分解処理槽2内のpHに応じて変動するが、一般的に1Lの基材16に対して10g〜30gの範囲が好ましい。
【0068】
例えば、pH7.5〜8程度のアルカリ状態になった基材16に、酸としてリン酸2水素カリウム(KH2PO4)を1Lの基材16に対して20〜30gの範囲で添加した場合、図2に示すように、pHは急激に低下し、不快臭を有するガスが発生した。一方、酸性復活剤の糖類として上白糖を、1Lの基材16に対して上白糖を20g〜30gの範囲で添加し、さらに糖類を乳酸菌が基質として利用し易くなるように、水を1Lの基材16に対して10cc〜30cc添加した場合は、図2に示すように、pHは徐々に低下し、ガス発生による臭気の問題なく、基材16を乳酸菌に至適なpH5以上、7未満の酸性状態に復活させることができるものである。
【0069】
図3は請求項11の発明における生ごみ処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、ケーシング1内に分解処理槽2が配置してある。分解処理槽2には図1のものと同様に攪拌装置3や加熱装置17が設けてあり、また排気ファン15によって分解処理槽2に空気を通過させて通風させるようにしてある。また分解処理槽2の側面に隣接してケーシング1内に乾燥処理槽20が配置してある。分解処理槽2と乾燥処理槽20とは分解物排出口21によって連通させてある。そして攪拌装置3や加熱装置17は分解処理槽2と乾燥処理槽20とに渡して設けてあり、攪拌装置3によって分解処理槽2内と乾燥処理槽20内を同時に攪拌することができると共に、加熱装置17によって分解処理槽2内と乾燥処理槽20内を同時に加熱することができるようにしてある。
【0070】
また乾燥処理槽20の下側においてケーシング1内に、上面に開口部26を形成した残渣取り出し容器22が収容してある。この残渣取り出し容器22は、分解物排出口21より低い位置で乾燥処理槽20の側面に設けた乾燥物排出口23の下方に開口部26が位置するように配置してある。残渣取り出し容器22はケーシング1内から引き出して取り出すことができるようにしてある。
【0071】
上記のように形成される生ごみ処理装置において、分解処理槽2において上記のように生ごみを酸性分解処理することができる。例えば、分解処理槽2には処理基材16として木材チップが8L充填してあり、生ごみ処理装置の運転開始時に、乳酸50gとpH緩衝剤としてKH2PO4を50gを添加することによって、初期pHを約4.0に調整し、さらに多孔質セルロース発泡体にグルコースを付着させた補助基材16と乳酸菌(既述のラクトバチルス属、ペディオコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、バチルスコアグランス属の5種類)を含浸付着させた補助基材16をそれぞれ100g添加してある。そしてこのように準備された分解処理槽2に生ごみを毎日投入し、乳酸菌を選択的に優先化して酸性分解処理をすることができるものである。この分解処理過程で発生するガスは既述のように非常にマイルドなものになっている。また分解処理槽2内の水分は水分センサ18によって検知されており、この水分値を基にして加熱装置17を制御することによって、酸性分解に適した15〜50質量%(より好ましくは20〜40質量%)の範囲に水分量を維持するようになっている。分解処理運転中のpHは初期よりやや上昇するが、pH5.5〜6.5の範囲で安定する。
【0072】
そして、分解処理槽2で分解処理された、基材16を含む分解被処理物は、分解処理槽2に生ごみが新たに投入されることに伴なって、少しずつ分解物排出口21から排出され、c矢印のように乾燥処理槽20内に移動するようになっている。このように乾燥処理槽20に移動した被処理物24は、攪拌装置3で攪拌されながら加熱装置17で加熱されることによって、乾燥処理される。乾燥処理は、被処理物24の水分が15質量%以下、より好ましくは10質量%以下になるまで行なうのが好ましい。水分が15質量%以下になると、この水分以下では細菌の多くが増殖することが困難になり、特に水分10質量%以下では、殆どの細菌がもはや増殖できなくなり、衛生的な被処理物24の残渣25を得ることができるものである。この乾燥処理槽20での乾燥処理は、分解処理を受けた被処理物24を対象とするため、生ごみ自体を直接乾燥処理する場合に比べて、必要なエネルギーを低減することができると共に短時間で乾燥処理を行なうことができるものであり、ごみ減量率も高くすることができるものである。また図2の装置では、分解処理槽2内及び乾燥処理槽20内の攪拌と加熱を、一つの攪拌装置3や加熱装置17で行なうようにしているので、装置の構成を複雑にするような必要はない。
【0073】
また、乾燥処理槽20内での攪拌装置3による攪拌によって、被処理物24の残渣25は細粒化され、水分低下の効果も伴なって最終的には、残渣25は砂状のサラサラ状態になり、残渣25の臭いは従来の好気性分解によるものや乾燥処理によるものよりも低減されている。そして被処理物24の乾燥残渣25は、乾燥処理槽20に分解処理槽2から被処理物24が移動して投入されることに伴なって、少しずつ乾燥物排出口23から排出され、d矢印のように残渣取り出し容器22に投入され、残渣取り出し容器22を引き出すことによって、取り出すことができる。ここで、生ごみの酸性分解では上記のようにアンモニアが発生せず、窒素成分をアンモニアガスとして放出しないので、残渣25の堆肥としての有効性は高いものである。図3の装置における生ごみの処理のフローを図4に示す。
【0074】
図5は請求項15の発明における生ごみ処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、ケーシング1内に分解処理槽2が配置してある。分解処理槽2には図1のものと同様な攪拌装置3や加熱装置17が設けてあり、また分解処理槽2の排気口12の箇所に設けた排気ファン15を作動させることによって、分解処理槽2に空気を通過させて通風させるようにしてある。そして分解処理槽2の側面に隣接してケーシング1内に好気性分解処理槽28が配置してある。分解処理槽2と好気性分解処理槽28とは酸性分解物排出口29によって連通させてあり、攪拌装置3や加熱装置17を分解処理槽2と好気性分解処理槽28とに渡して設け、攪拌装置3によって分解処理槽2内と好気性分解処理槽28内を同時に攪拌することができると共に、加熱装置17によって分解処理槽2内と好気性分解処理槽28内を同時に加熱することができるようにしてある。
【0075】
また好気性分解処理槽28の下側においてケーシング1内に、上面に開口部26を形成した残渣取り出し容器22が収容してある。この残渣取り出し容器22は、酸性分解物排出口29より低い位置で好気性分解処理槽28の側面に設けた好気性分解物排出口30の下方に開口部26が位置するように配置してある。残渣取り出し容器22はケーシング1内から引き出して取り出すことができるようにしてあり、残渣取り出し容器22の前面には吸気口31が設けてある。この吸気口31と排気口12とは、残渣取り出し容器22の開口部26、好気性分解物排出口30、好気性分解処理槽28内、酸性分解物排出口29、分解処理槽2内を介して連通している。
【0076】
上記のように形成される生ごみ処理装置において、分解処理槽2において図1や図3の場合と同様にして生ごみが酸性分解処理される。分解処理槽2で酸性分解処理された、基材16を含む分解被処理物24は、分解処理槽2に生ごみが新たに投入されることに伴なって、少しずつ酸性分解物排出口29から排出され、e矢印のように好気性分解処理槽28内に移動するようになっている。
【0077】
好気性分解処理槽28内はpH7.0〜9.5のアルカリ性に維持してあり、バチルス属などに代表される好アルカリの好気性細菌によって、被処理物24はさらに好気性分解される。この好気性分解では、代謝経路に呼吸鎖を有する好気性細菌によって高効率に有機物の分解を行なうことができるものである。このように分解処理槽2で酸性分解された生ごみの被処理物24をさらに好気性分解処理槽28で好気性分解することによって、より無機物にまで分解することができ、ごみの減量率を高めることができるものである。尚、分解処理槽2では乳酸などの有機酸が生成され、既述のように分解処理槽2内を酸性状態に安定して維持することができるが、好気性分解処理槽28ではアンモニアが生成されるので、好気性分解処理槽28内をアルカリ性状態に安定して維持することができるものである。
【0078】
そして好気性分解処理槽28で被処理物24が好気性分解処理された処理残渣32は、好気性分解処理槽28に分解処理槽2から被処理物24が移動して投入されることに伴なって、少しずつ好気性分解物排出口30から排出され、f矢印のように残渣取り出し容器22に投入され、残渣取り出し容器22を引き出すことによって、取り出すことができるものである。
【0079】
また、排気ファン15を作動させると、外気はg矢印のように残渣取り出し容器22の吸気口31から取り入れられ、この空気は残渣取り出し容器22の開口部26と好気性分解物排出口30を通過して好気性分解処理槽28内に流入し、次に好気性分解処理槽28内を通過した空気は酸性分解物排出口29から分解処理槽2内に流入し、酸性分解物排出口29を通過した後に、排気口12及び空気排出口14から排出されるようになっている。このように、空気の流れの上流側に好気性分解処理槽28が、下流側に分解処理槽2が配置されているので、排気ファン15を作動させて分解処理槽2に常時通風を行なうにあたって、好気性分解処理槽28内を通過した空気によって分解処理槽2の通風が行なわれる。そして好気性分解処理槽28では好気性分解によってアンモニアガスが発生しているが、このアンモニアガスは好気性分解処理槽28を通過する空気と共に分解処理槽2に送られることになり、アンモニアは分解処理槽2内で生成された有機酸と反応して基材16に吸着され、アンモニアが臭気として排出される量を低減して臭気レベルを低減することができるものである。図5の装置における生ごみの処理のフローと空気の流れを図6に示す。
【0080】
図7は請求項16の発明の実施の形態の一例を示すものであり、分解処理槽2の天井面に遮蔽板34を垂下して設けてあり、遮蔽板34の下端は分解処理槽2の生ごみと基材16との混合物内に差し込まれる高さに設定してある。遮蔽板34は排気口12と酸性分解物排出口29を仕切る位置に設けてあり、酸性分解物排出口29から分解処理槽2内に流入した空気は、遮蔽板34の下端と分解処理槽2の床面との間の空間を通過した後に、排気口12から排気されるようになっている。その他の構成は図5のものと同じである。
【0081】
このものにあって、排気ファン15を作動させて分解処理槽2に通風を行なう際に、好気性分解処理槽28内を通過してアンモニアガスを含む空気が分解処理槽2に流入すると、分解処理槽2内の生ごみと基材16の混合物内を潜って遮蔽板34の下端を通過した後に、排気口12から排気されるものである。従って、アンモニアを分解処理槽2内で生成された有機酸と接触させて効率高く反応させることができると共に基材16への吸着効率を飛躍的に高めることができ、アンモニアが臭気として排出される量をさらに低減して臭気レベルを一層低減することができるものである。またこのように空気を生ごみと基材16の混合物内に通過させることによって、除湿効果を高く得ることができ、水分除去に必要な熱エネルギーを低減することができるものである。
【0082】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、高温・酸性状態により雑菌の繁殖を抑制し、さらに好気性雰囲気により偏性嫌気性菌の繁殖を防いで、これらによる酪酸や硫化水素などの腐敗臭の発生を防止することができると共に、好アルカリ性の好気性菌を失活させてアンモニアが大量に発生することを防ぐことができるものであり、またホモ発酵型の乳酸菌は刺激臭の弱い乳酸のみを生成するものであり、不快臭の発生を抑制しながら生ごみを分解処理することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】糖の添加による酸性復帰効果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示す断面図である。
【図4】同上の実施の形態におけるフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態のさらに他の一例を示す断面図である。
【図6】同上の実施の形態におけるフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態のさらに他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 分解処理槽
15 排気ファン
16 基材
17 加熱装置
20 乾燥処理槽
24 被処理物
28 好気性分解処理槽
34 遮蔽板
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物方式の生ごみ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている生ごみ処理装置は、主として乾燥方式と微生物方式の二つに大別することができる。
【0003】
乾燥方式は、加熱など物理的処理で生ごみ中の水分を除去させることによって、ごみの減量を行なう処理方式であり、高速で安定的に処理を行なうことができる。しかし、乾燥方式には、水分除去に必要なエネルギーが大きくなることや、ごみの減量率が低いという短所がある。
【0004】
一方、微生物方式は、微生物の有機物分解能力を利用して生ごみを分解するようにしたものであり、生ごみの量が変化することによる負荷変動への対応性や、処理時間の点で乾燥方式よりも劣る。しかし、微生物の有機物分解作用を利用するので省エネルギーであり、しかも生ごみ中の有機物を最終的には炭酸ガスにまで分解することができ、ごみの減量率が高いという長所を有するので、微生物方式の生ごみ処理装置は広く普及しつつある。
【0005】
特に、微生物方式の生ごみ処理装置において主流となっているのは、木材チップなど有機基材と生ごみとを好気性条件下で混合させ、基材に担持させた好気性菌によって生ごみを好気性分解するようにした方式のものである。そしてpHを7.0〜9.5のアルカリ性領域に保持することによって、好気性菌による好気性分解の効率化を図り、ごみの大幅減量を可能なものにしている。
【0006】
しかし、このような好気性菌の好気性分解を利用した生ごみ処理装置では、次のような問題があった。すなわち、生ごみの有機物の分解が活発であるほど、分解に伴なって多くのガスが発生するが、好気性分解は上記のように一般にアルカリ性領域で行なわれるので、タンパク質の分解によって多量のアンモニアが放出されることがあり、悪臭が発生し易い。また過大量の生ごみが投入された場合や、ご飯など糖質を多く含む生ごみが多量に投入された場合には、一時的に有機酸が大量発生し、pHが酸性領域まで急激に低下することがある。好気性分解処理ではその中心的な働きをなす菌の至適pHは上記のように7.0〜9.5のアルカリ性領域にあり、アルカリ性領域を維持することが重要であるが、このようにpHが酸性領域に低下すると、好気性菌の活性が失われ、他の腐敗菌の増殖を招いて、悪臭発生の原因となる。
【0007】
一方、このようなアルカリ性領域で行なう微生物分解方式に対して、酸性領域で生ごみを微生物分解する酸性分解方式がある。酸性分解方式では、酸性状態を維持するために代謝産物として乳酸などの有機酸を産出する菌を主として利用して生ごみの分解を行なうものである(例えば特許文献1等参照)。そして酸性分解方式では生ごみの分解でアンモニアが生じても、有機酸と中和されてアンモニアガスの発生が抑制されるので、生ごみが分解されて発生する臭いはマイルドなものとなる。
【0008】
しかし、酸性分解に利用される菌は一般に呼吸鎖(電子伝達系)を有していないので、アルカリ性領域で働く好気性菌に比べて有機物の分解能力が劣る。このために、ごみの減量率が自ずと小さくなるという問題を有するものであった。また酸を産出する菌のなかには、乳酸のような刺激の弱い有機酸の他に、酢酸や酪酸など強い刺激のある有機酸を大量に産出するものがあり、これらの有機酸による刺激臭が問題になることもあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−170579号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、不快臭の発生少なく生ごみを分解処理することができる生ごみ処理装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る生ごみ処理装置は、分解処理槽に供給された生ごみを微生物によって分解するようにした生ごみ処理装置において、分解処理槽に常時通風させながら、生ごみと微生物との混合物の温度を40〜60℃の範囲に保持すると共にpHを3以上、7未満の酸性状態に維持した状態で、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解を行なうようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、高温・酸性状態により雑菌の繁殖を抑制し、さらに好気性雰囲気により偏性嫌気性菌の繁殖を防いで、これらによる酪酸や硫化水素などの腐敗臭の発生を防止することができると共に、好アルカリ性の好気性菌を失活させてアンモニアが大量に発生することを防ぐことができるものであり、またホモ発酵型の乳酸菌は刺激臭の弱い乳酸のみを生成するものであって、不快臭の発生を抑制しながら生ごみを分解処理することができるものである。
【0013】
また請求項2の発明は、請求項1において、ホモ発酵型の乳酸菌として、ラクトバチルス属、ペディオコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属から選ばれる菌を用いることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、これらの菌で生ごみを分解する際に生成される乳酸によって腐敗菌や雑菌の繁殖を抑制することができ、しかも発酵過程でジアセチルなどの芳香物質が生成されるものであり、分解臭をよりマイルドなものにして不快臭の発生を防ぐことができるものである。
【0015】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、乳酸菌として有胞子性乳酸菌のバチルスコアグランスを用いることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、胞子を形成するバチルスコアグランスは温度、水分、pHなど環境の変化に強いので、生ごみの過大投入や成分の偏りなどの負荷変動に対して、安定した処理能力を得ることができるものである。
【0017】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、微生物として乳酸菌の他に酵母を併用することを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、酵母の生成するエタノールなど微量のアルコール成分が分解ガス中に含まれることになり、分解臭を一層マイルドなものにすることができるものである。
【0019】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、ホモ発酵型の乳酸菌に対する共生菌として、ヘテロ型乳酸菌と有胞子乳酸菌の少なくとも一方を、ホモ発酵型の乳酸菌に補助的に添加することを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、ホモ発酵型の乳酸菌と共生関係にあるヘテロ型乳酸菌や有胞子乳酸菌によって、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする菌相を安定化することができ、生ごみの分解処理を安定して行なうことができるものである。
【0021】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、分解処理槽に有機酸を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、分解処理槽内のpH変動を低減して、酸性状態を維持することができるものである。
【0023】
また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、分解処理槽に酸性のpH緩衝作用を有する無機剤を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、分解処理槽内のpH変動を抑制して、酸性状態を維持することができるものである。
【0025】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、分解処理槽に糖類を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
この発明によれば、乳酸菌の増殖と乳酸の生成の効率を高めることができ、生ごみ分解装置の立ち上がりや生ごみ分解処理を安定化させることができるものである。
【0027】
また請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、分解処理槽にビタミン類を添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0028】
この発明によれば、乳酸菌をビタミン類によって効率良く増殖させることができるものである。
【0029】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、分解処理槽に塩化ナトリウムを添加するようにしたことを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、耐塩性のない雑菌などの増殖を防ぐことができ、耐塩性の乳酸菌を優先化することができるものである。
【0031】
また請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、上記微生物及び分解処理槽に添加される添加物を基材に担持させた状態で用いることを特徴とするものである。
【0032】
この発明によれば、微生物やその他の添加剤を分解処理槽に添加する際の、作業性や安全性を向上することができるものである。
【0033】
また請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれかにおいて、生ごみ処理の運転開始時に糖類と酸性の無機剤のみを分解処理槽に投入するようにしたことを特徴とするものである。
【0034】
この発明によれば、運転開始の際に、pHを酸性状態にして雑菌の繁殖を抑制しつつ乳酸菌の基質である糖類を分解処理槽に多量に存在させることができ、乳酸菌の増殖と乳酸の生成が効率的に行なわれ、乳酸菌を別途添加する必要なく、乳酸菌を主体とする安定した菌相を分解処理槽内に形成することができるものである。
【0035】
また請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれかにおいて、分解処理槽内のpHが酸性状態でなくなったときに、酸性復活剤として糖類を投入するようにして成ることを特徴とするものである。
【0036】
この方法によれば、分解処理槽に酸を添加する場合のような急激なpH変動によるガス発生などの問題が生じることなく、乳酸菌による糖類の分解によって徐々に分解処理槽内を酸性状態に戻すことができるものである。
【0037】
また請求項14の発明は、請求項1乃至13のいずれかにおいて、上記分解処理槽と、上記分解処理槽で分解処理された被処理物を乾燥処理する乾燥処理槽とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0038】
この発明によれば、乾燥によって細菌が増殖できない衛生的な残渣を得ることができるものであり、また生ごみの酸性分解ではアンモニアが発生せず窒素成分が放出されないために、残渣の堆肥としての有効性が高いものである。
【0039】
また請求項15の発明は、請求項1乃至14のいずれかにおいて、上記分解処理槽と、上記分解処理槽で分解処理された被処理物をアルカリ性状態で好気性菌によって分解する好気性分解処理槽とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0040】
この発明によれば、分解処理槽で酸性分解された生ごみの被処理物をさらに好気性分解処理槽で好気性分解することによって、より無機物にまで分解することができ、ごみの減量率を高めることができるものである。
【0041】
また請求項16の発明は、請求項15において、上記分解処理槽に常時通風を行なうにあたって、通風の際の空気の流れの上流側に好気性分解処理槽を、下流側に分解処理槽をそれぞれ配置し、分解処理槽の生ごみと微生物との混合物内に遮蔽板の下部を差し込み、空気が遮蔽板の下端を通過して流れるようにしたことを特徴とするものである。
【0042】
この発明によれば、分解処理槽に通風を行なうにあたって、好気性分解処理槽で発生したアンモニアガスを含む空気が分解処理槽に流入し、しかもこの空気は分解処理槽内の生ごみと微生物の混合物内を潜って通過するものであり、アンモニアを分解処理槽内で生成された有機酸と接触させて効率高く反応させることができると共に吸着させることができ、アンモニアが臭気として排出される量を低減して臭気レベルを一層低減することができるものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0044】
図1は生ごみ分解処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、ケーシング1内に分解処理槽2が配置してあり、分解処理槽2内には攪拌装置3が設けてある。攪拌装置3は水平に配置される回転軸4と回転軸4の外周に突出して設けられる攪拌羽根5とから形成されるものであり、回転軸4の端部は分解処理槽2の槽壁から突出させてある。ケーシング1の底部内には攪拌用モータ6が設けてあり、回転軸4の突出端部に取着したプーリ7と攪拌用モータ6の出力軸8に取着したプーリ9の間にベルト10を懸架することによって、攪拌用モータ6の作動で攪拌装置3を回転駆動することができるようにしてある。また、分解処理槽2の上部には吸気口11と排気口12が設けてあり、吸気口11はケーシング1の空気取り入れ口13を介して、排気口12はケーシング1の空気排出口14を介して外部に連通させてある。そして排気口12には排気ファン15が設けてあり、吸気口11からa矢印のように吸気した空気を排気口12からb矢印のように排気することによって、分解処理槽2に空気を通過させて通風させるようにしてある。
【0045】
上記の分解処理槽2には木材チップや多孔質セルロース発泡体など、多孔質の有機質粒体からなる基材16が充填してあり、分解処理槽2内に投入される生ごみと基材16が攪拌装置3によって攪拌されるようにしてある。また分解処理槽2の下部には加熱ヒーターなどで形成される加熱装置17が設けてあり、基材16と生ごみとの混合物を加熱することができるようにしてある。さらに分解処理槽2には水分センサ18が設けてあり、基材16と生ごみとの混合物の水分を検知するようにしてある。
【0046】
上記のように形成される生ごみ処理装置において請求項1の発明では、排気ファン15の運転によって分解処理槽2内に常時通風して通気しながら、加熱装置17によって基材16と生ごみとの混合物の温度を40〜60℃の範囲に加熱調整し、そして基材16と生ごみとの混合物のpHを3以上、7未満(より好ましくは5以上、7未満)の酸性領域に維持して、生ごみを酸性分解するようにしてある。尚、酸性分解に適する水分は15〜50質量%(より好ましくは20〜40質量%)であり、上記の温度範囲で加熱装置17を制御して分解処理槽2内の水分量がこの範囲内に維持するようにしてある。
【0047】
ここで、このように分解処理槽2内の基材16と生ごみとの混合物の温度範囲を40〜60℃に調整することによって、分解処理槽2内に増殖できる微生物を至適温度の高い高温菌に限ることができ、雑菌の繁殖を抑制することができる。また分解処理槽2内に常時通風して好気的雰囲気に維持することによって、分解処理槽2内に増殖できる微生物を、酸素を要求する好気性菌と、酸素存在下でも増殖可能な通性嫌気性菌に限ることができ、偏性嫌気性菌の繁殖を防ぐことができる。さらに基材16と生ごみとの混合物のpHを3以上、7未満の酸性領域に維持することによって、好気性分解処理で優位を占める好気性菌の至適pHは7〜10のアルカリ領域にあるので、その活性を失わせることができ、好気性菌が優先化されないようにすることができる。従って、分解処理槽2内を好気性雰囲気に保ちながら温度とpHを上記の範囲に維持することによって、雑菌の繁殖を防ぎ、高温性かつ、好酸性もしくは耐酸性の、通性嫌気性菌を優先種として、生ごみを酸性分解処理することができるものである。
【0048】
そして好酸性または耐酸性の通性嫌気性菌の代表的なものとして、乳酸菌を挙げることができ、上記のような条件で生ごみ処理装置を運転することによって、乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解処理を行なうことが可能になるが、運転開始の前に分解処理槽2内に乳酸菌を添加することによって、より安定的に乳酸菌を優先種として生ごみの分解処理を行なうことができるものである。
【0049】
ここで、本発明の請求項1の発明では、乳酸菌としてホモ型発酵の菌を用いるようにしてある。すなわち乳酸菌には、糖から主として乳酸を生成するホモ発酵型の菌と、乳酸と同時に酢酸などを生成するヘテロ発酵型の菌とがあるが、ホモ発酵型の乳酸菌はこのように、生ごみを分解しても刺激の弱い乳酸が生成されるだけであり、刺激のある酢酸などの生成はごく僅かであるので、生ごみの分解によって生じる分解臭は刺激のないマイルドなものになるものである。
【0050】
このようなホモ発酵型の乳酸菌として、請求項2の発明では、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属から選ばれる、一種あるいは複数種の菌を用いるようにしている。これらの菌で生ごみを分解する際の最終生成物は乳酸に限られ、しかも発酵過程でジアセチルなどの芳香物質が生成されるので、分解臭はよりマイルドなものになるものである。
【0051】
以上のように、分解処理槽2に常時通風させながら、温度を40〜60℃の範囲に保持し、さらにpHを3以上、7未満の酸性状態に維持した状態で、ホモ発酵型の乳酸菌で生ごみの分解を行なうことによって、高温・酸性状態により雑菌の繁殖を抑制し、さらに好気性雰囲気により偏性嫌気性菌の繁殖を防いで、これらによる酪酸や硫化水素などの腐敗臭の発生を防止することができると共に、好アルカリ性の好気性菌を失活させてアンモニアが大量に発生することを防ぐことができるものであり、またホモ発酵型の乳酸菌の最終生成物は乳酸に限られるものであり、不快臭の発生を抑制しながら生ごみを分解処理することができるものである。そしてこのようにアンモニアの発生を抑制することができるために、窒素成分がアンモニアガスとして放出されることを低減することができ、生ごみを分解処理することによって得られる残渣の堆肥としての有効性を高めることができるものである。また、乳酸菌による乳酸発酵によって乳酸が生成されるので、乳酸でpHを酸性状態に安定して維持することができ、生ごみの酸性分解を安定して行なわせることができると共に、乳酸によって腐敗菌の繁殖を防止することもできるものである。さらに、分解処理槽2への生ごみの過大投入や成分に偏りがある生ごみの投入など、微生物による生ごみの分解に対する負荷が大きく変動しても、安定した酸性領域のpHと分解処理能力を維持することが可能である。すなわち、生ごみの過大投入や油分、糖類が偏って多い生ごみが投入されると、分解に必要な酸素消費量が急激に増加して、酸素不足状態となって好気性菌の活動が低下し、逆に嫌気性菌が急激に増殖して、分解処理槽2内には大量の有機酸が生成され、pHが大幅に低下する。このpH低下と酸素不足によって好気性菌はスパイラル状に悪影響を受け、ほとんど活動停止状態になって分解処理能力が大幅に低下してしまい、また偏性嫌気性菌が優先種となって大量の腐敗臭を発生させることがある。これに対して、本発明においては、生ごみと微生物の混合物は最初からpHが酸性状態にあり、また乳酸菌は通性嫌気性菌であるため、生ごみの過大投入や成分に偏りのある生ごみの投入によってpHが低下したり、酸素不足になっても、分解処理能力には殆ど影響がなく、安定して生ごみを分解処理することができるものであり、また生成される乳酸によって腐敗菌の繁殖を抑制することができるものである。
【0052】
また、請求項3の発明では、上記の乳酸菌として、有胞子性のバチルスコアグランス(Bacillus coagulans)を用いるようにしている。バチルスコアグランスはこれのみを単独で用いるようにしてもよく、上記の請求項2の乳酸菌と混合して用いるようにしてもよい。このバチルスコアグランスは胞子を形成することができるので、温度、水分、pHなど環境の変化に強く、容易に死滅しない。従って、乳酸菌としてバチルスコアグランスを用いて分解処理槽2に添加することによって、生ごみの分解安定性をさらに高めることができるものである。またバチルスコアグランスは有胞子性であるため、保存・貯蔵・運搬が容易であり、生菌数を維持したまま、分解処理槽2に添加することが可能である。
【0053】
次に、請求項4の発明では、微生物として上記のような乳酸菌の他に、酵母を併用して、分解処理槽2に投入するようにしてある。酵母としては、サッカロマイセス(Saccharomyces)属などを用いることができるものであり、酵母は乳酸菌と共存関係があるため、同一環境内で乳酸菌と酵母の両者を利用することが可能である。そしてこのように乳酸菌の他に酵母を併用して生ごみを処理すると、酵母の生成するエタノールなど微量のアルコール成分が分解ガス中に含まれ、分解臭を緩和することができるものである。乳酸菌に対する酵母の混合割合は、特に制限されるものではないが、20〜50質量%程度に設定するのが望ましい。
【0054】
ここで、上記のようにホモ発酵型乳酸菌を主体として生ごみの分解を行なうにあたって、ホモ発酵型乳酸菌以外の菌も共生して生ごみの分解に関与しており、これらの菌がお互いに作用し合いながら安定した菌相を形成している。従って、ホモ発酵型乳酸菌に対する共生菌を補助的に添加してホモ発酵型乳酸菌と併用することによって、菌相を安定化することができるものであり、生ごみの分解処理を安定して行なうことができるものである。特に、運転初期の立ち上げ時にホモ発酵型乳酸菌と共生関係にある菌を若干量添加することは、菌相の安定に有効である。
【0055】
そしてホモ発酵型乳酸菌の共生菌のなかでも、同じ乳酸菌であるヘテロ発酵型乳酸菌を補助的に添加することによって、ホモ発酵型乳酸菌を主体する菌相を安定化する効果を高く得ることができるものである。例えば、ホモ発酵型乳酸菌としてペディオコッカス属を1L(リットル)の基材16に対して108〜1010個添加して生ごみの分解処理を行なう場合、ヘテロ発酵型乳酸菌としてレウコノストック(Leuconostoc)属を1Lの基材16に対して106〜109個添加することができるものであり、同じ乳酸菌でも両菌の生ごみに対する分解メカニズムに違いがあるため、菌相全体でみれば安定性が向上するものである。またこのようにヘテロ発酵型乳酸菌の添加量をホモ発酵型乳酸菌の1/10以下(1/20〜1/5の範囲が好ましい)程度の補助的な量にしているので、ホモ発酵型乳酸菌を主体とする菌相は維持されるものである。
【0056】
また、ホモ発酵型乳酸菌に対する共生菌として、有胞子乳酸菌を補助的に添加することによっても、同様に菌相を安定化することができるものであり、特に有胞子乳酸菌は胞子形成能力を有するために温度、水分、pHなどの環境変化に強く、容易に死滅し難いので、菌相の安定性を向上させることができるものである。例えば、ホモ発酵型乳酸菌としてペディオコッカス属を1L(リットル)の基材16に対して1010個程度添加して生ごみの分解処理を行なう場合、有胞子乳酸菌としてバチルスコアグランスを1Lの基材16に対して3×109個程度添加することができるものである。このように有胞子乳酸菌の添加量をホモ発酵型乳酸菌の1/3程度(1/5〜1/2の範囲が好ましい)の補助的な量にしているので、ホモ発酵型乳酸菌を主体とする菌相は維持されるものである。
【0057】
請求項5の発明はこのように、ホモ発酵型乳酸菌に対する共生菌として、ヘテロ型乳酸菌と有胞子乳酸菌の少なくとも一方を補助的に併用するものであり、乳酸菌相全体としてみれば外乱に対する耐性が向上し、結果的にホモ発酵型乳酸菌を主体とする安定した菌相を得ることができるものである。
【0058】
また請求項6の発明では、分解処理槽2内に有機酸を添加するようにしてある。有機酸としては乳酸やピルビン酸などを用いることができるものであり、分解処理槽2内のpHが3以上、7未満の範囲で酸性状態になるように、適量の有機酸を添加することによって、分解処理槽2内を迅速に酸性域に到達させることができるものである。このように有機酸を添加することによって、分解処理槽2内を酸性状態に維持することができるものであり、雑菌の増殖を抑制し、乳酸菌の増殖と優先化に資することができるものである。また、何らかの原因でpHが上昇傾向にあるなど、酸性分解不調時に、有機酸を添加することによって、酸性環境を調えて乳酸菌を再度活性化することができるものである。
【0059】
請求項7の発明では、分解処理槽2に有機酸を添加する方法に代えて、酸性のpH緩衝機能を有する無機剤を分解処理槽2内に添加するようにしてある。酸性のpH緩衝機能を有する緩衝剤を添加することによって、分解処理槽2内のpH変動を低減して酸性状態を維持することができるものである。ここで上記のように有機酸を添加する場合には、有機酸自体も生ごみの分解と共に徐々に分解され、pHが上昇していく可能性があるが、酸性のpH緩衝機能を有する緩衝剤として無機剤を用いることによって、無機剤は直接的に分解されることはないので、分解処理槽2内のpHを酸性域に有効に維持することができるものである。このような酸性のpH緩衝機能を有する無機剤としては、リン酸2水素カリウムなどを用いることができる。この酸性のpH緩衝機能を有する無機剤の添加量は、分解処理槽2内のpHを3以上、7未満に維持するように適宜調整されるものである。
【0060】
また請求項8の発明では、分解処理槽2に糖類を添加するようにしてある。糖類は乳酸菌の増殖と乳酸の生成に必要であり、このように分解処理槽2に糖類を添加することによって、生ごみ分解装置の立ち上がりや生ごみ分解処理を安定化させることができるものである。糖類としてはグルコースを用いることができるが、その他市販の砂糖などを用いることも可能である。糖類の添加量は特に制限されるものではないが、1Lの基材16に対して5〜20g程度が適当である。
【0061】
さらに請求項9の発明では、分解処理槽2に乳酸菌の発育に必要なビタミン類を添加するようにしてあり、乳酸菌を効率良く増殖させることができるものである。このビタミン類としては、例えばニコチン酸、パントテン酸、ビチオンなどを用いることができるものであり、これらの中から一種単独であるいは複数種を混合して用いることができる。これらのビタミン類は殆どの乳酸菌で要求性を示すものであり、これらの添加は乳酸菌の増殖に対して高い効果を得ることができる。ビタミン類の添加量は特に制限されるものではないが、乳酸菌に対して2〜5質量%程度が適当である。
【0062】
また請求項10の発明では、分解処理槽2に塩化ナトリウム(食塩)を添加するようにしてある。乳酸菌のなかにはペディオコッカス属のように耐塩性を有するものがあり、分解処理槽2内の塩化ナトリウムの濃度を10〜20質量%に調整することによって、耐塩性のない他の雑菌などの菌は増殖することができず、耐塩性の乳酸菌を優先化することが可能になるものである。
【0063】
上記の乳酸菌や酵母のような微生物や、上記の有機酸、酸性のpH緩衝機能を有する無機剤、糖類、ビタミン類、塩分のような添加物は、粉体や液体などの形態で個別に分解処理槽2内に添加することができるが、請求項11の発明では、これらの微生物や添加物を、一種あるいは複数種を組み合わせて基材16に担持させた状態で、分解処理槽2に添加するようにしてある。微生物や添加物を個別に分解処理槽2に添加するようにすると、一部のものを添加し忘れたり、また添加比率を間違えたりするおそれがあるが、基材16に予め必要な微生物や添加物を必要な含有比率で担持させておけば、一部のものを添加し忘れたり、また添加比率を間違えたりするようなことがなくなるものであり、また添加の作業性や安全性を向上することができるものである。基材16としては、木質チップや多孔質セルロース発泡体など、表面に開口する細孔を多数有するセルロース系の有機質粒状物を用いることができるものであり、微生物や添加物を付着させたり含浸させたりして、基材16に担持させることができるものである。
【0064】
ここで、上記の各実施の形態では、乳酸菌類を分解処理槽2に添加して生ごみの分解処理運転を開始するようにしているが、乳酸菌類を分解処理槽2に添加する場合、コスト、乳酸菌類の保管性、乳酸菌類の品質安定性などに問題のある場合がある。そこで請求項12の発明では、上記した温度、水分などの運転条件下で、生ごみ処理装置を運転開始する際に、分解処理槽2に糖類と酸性の無機剤のみを投入するようにしてある。糖類や酸性の無機剤としては上記したものを用いることができる。そしてこのように運転初期に糖類と酸性の無機剤を投入すると、酸性の無機剤でpHを酸性にして雑菌の繁殖を抑制しつつ、乳酸菌の基質である大量の糖類の存在によって、分解処理槽2内に乳酸菌を増殖させると共に乳酸の生成を効率的に行なわせることができ、やがて乳酸菌を主体とする安定した菌相を得ることができるものである。
【0065】
例えば、初期pHを酸性状態にするための酸性無機酸としてリン酸2水素カリウムを1Lの基材16に対して10g〜20gの範囲の量で投入すると共に、乳酸菌の基質である糖類として、上白糖を1Lの基材16に対して20g〜50gの範囲という上記の各実施の形態の場合よりも多量に投入して、生ごみ処理の運転を開始することによって、乳酸菌を分解処理槽2に添加する必要なく、糖類と酸性無機剤の投入のみで、安定した乳酸菌相を立ち上げることができるものである。このように乳酸菌を添加しないで乳酸菌相を立ち上げる場合には、乳酸菌を添加する場合よりも、2〜5倍の量の糖類を運転初期に投入するようにするのが好ましい。
【0066】
また、装置トラブルなどの何らかの原因で分解処理槽2内の酸性状態が失われて中性からアルカリ性の状態になることが想定される。このような場合、分解処理槽2内を酸性状態に戻すために、有機や無機を問わず、クエン酸やリン酸2水素カリウムなどの酸を分解処理槽2内に直接投入する方法が一般的である。このように酸を直接投入すれば、急速にpHが低下して即効的に酸性状態に戻すことが可能である。しかし、酸をある程度投入した後のpH値は基材16の状態に左右されるので、基材16のpHを本発明で最適値の3以上、7未満(より好ましくは5以上、7未満)の範囲にするための酸の量は一定ではなく、酸の投入量の調整は難しい。また酸の投入による急激なpHの変化によって多種類の物質が気化し、気化ガスによって不快臭が発生するおそれがある。
【0067】
そこで請求項13の発明は、分解処理槽2内のpHが酸性状態でなくなったときに、酸性復活剤として糖類を投入するようにしたものである。糖類としては上記したものを用いることができるものであり、このように糖類を投入すると、糖類が微生物によって分解される際に乳酸などの有機酸が生成され、分解処理槽2内のpHは有機酸の生成に応じて低下し、乳酸菌活性の高い酸性状態に復帰させることができるものである。このとき、酸性状態が失われている状態では、菌相における乳酸菌の活性も低下しており、糖類を投入した初期では乳酸の生成速度が遅く、pHの低下効果もすぐには生じない。そして時間が経過するに従って、糖類の分解と乳酸菌の増殖が相互に比例しながら進行し、徐々にpHが低下して、最終的には乳酸菌に至適な5以上、7未満の範囲のpHで安定する。このように、乳酸菌を主体とする菌相へ遷移しながら、酸性状態へと緩やかに戻すことができるものであり、急激なpH変動によるガス発生などの問題が生じることなく、通常通りの運転を行ないながら酸性状態に復帰させることができるものである。酸性復活剤として糖類を投入する場合、糖類の投入量は分解処理槽2内のpHに応じて変動するが、一般的に1Lの基材16に対して10g〜30gの範囲が好ましい。
【0068】
例えば、pH7.5〜8程度のアルカリ状態になった基材16に、酸としてリン酸2水素カリウム(KH2PO4)を1Lの基材16に対して20〜30gの範囲で添加した場合、図2に示すように、pHは急激に低下し、不快臭を有するガスが発生した。一方、酸性復活剤の糖類として上白糖を、1Lの基材16に対して上白糖を20g〜30gの範囲で添加し、さらに糖類を乳酸菌が基質として利用し易くなるように、水を1Lの基材16に対して10cc〜30cc添加した場合は、図2に示すように、pHは徐々に低下し、ガス発生による臭気の問題なく、基材16を乳酸菌に至適なpH5以上、7未満の酸性状態に復活させることができるものである。
【0069】
図3は請求項11の発明における生ごみ処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、ケーシング1内に分解処理槽2が配置してある。分解処理槽2には図1のものと同様に攪拌装置3や加熱装置17が設けてあり、また排気ファン15によって分解処理槽2に空気を通過させて通風させるようにしてある。また分解処理槽2の側面に隣接してケーシング1内に乾燥処理槽20が配置してある。分解処理槽2と乾燥処理槽20とは分解物排出口21によって連通させてある。そして攪拌装置3や加熱装置17は分解処理槽2と乾燥処理槽20とに渡して設けてあり、攪拌装置3によって分解処理槽2内と乾燥処理槽20内を同時に攪拌することができると共に、加熱装置17によって分解処理槽2内と乾燥処理槽20内を同時に加熱することができるようにしてある。
【0070】
また乾燥処理槽20の下側においてケーシング1内に、上面に開口部26を形成した残渣取り出し容器22が収容してある。この残渣取り出し容器22は、分解物排出口21より低い位置で乾燥処理槽20の側面に設けた乾燥物排出口23の下方に開口部26が位置するように配置してある。残渣取り出し容器22はケーシング1内から引き出して取り出すことができるようにしてある。
【0071】
上記のように形成される生ごみ処理装置において、分解処理槽2において上記のように生ごみを酸性分解処理することができる。例えば、分解処理槽2には処理基材16として木材チップが8L充填してあり、生ごみ処理装置の運転開始時に、乳酸50gとpH緩衝剤としてKH2PO4を50gを添加することによって、初期pHを約4.0に調整し、さらに多孔質セルロース発泡体にグルコースを付着させた補助基材16と乳酸菌(既述のラクトバチルス属、ペディオコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、バチルスコアグランス属の5種類)を含浸付着させた補助基材16をそれぞれ100g添加してある。そしてこのように準備された分解処理槽2に生ごみを毎日投入し、乳酸菌を選択的に優先化して酸性分解処理をすることができるものである。この分解処理過程で発生するガスは既述のように非常にマイルドなものになっている。また分解処理槽2内の水分は水分センサ18によって検知されており、この水分値を基にして加熱装置17を制御することによって、酸性分解に適した15〜50質量%(より好ましくは20〜40質量%)の範囲に水分量を維持するようになっている。分解処理運転中のpHは初期よりやや上昇するが、pH5.5〜6.5の範囲で安定する。
【0072】
そして、分解処理槽2で分解処理された、基材16を含む分解被処理物は、分解処理槽2に生ごみが新たに投入されることに伴なって、少しずつ分解物排出口21から排出され、c矢印のように乾燥処理槽20内に移動するようになっている。このように乾燥処理槽20に移動した被処理物24は、攪拌装置3で攪拌されながら加熱装置17で加熱されることによって、乾燥処理される。乾燥処理は、被処理物24の水分が15質量%以下、より好ましくは10質量%以下になるまで行なうのが好ましい。水分が15質量%以下になると、この水分以下では細菌の多くが増殖することが困難になり、特に水分10質量%以下では、殆どの細菌がもはや増殖できなくなり、衛生的な被処理物24の残渣25を得ることができるものである。この乾燥処理槽20での乾燥処理は、分解処理を受けた被処理物24を対象とするため、生ごみ自体を直接乾燥処理する場合に比べて、必要なエネルギーを低減することができると共に短時間で乾燥処理を行なうことができるものであり、ごみ減量率も高くすることができるものである。また図2の装置では、分解処理槽2内及び乾燥処理槽20内の攪拌と加熱を、一つの攪拌装置3や加熱装置17で行なうようにしているので、装置の構成を複雑にするような必要はない。
【0073】
また、乾燥処理槽20内での攪拌装置3による攪拌によって、被処理物24の残渣25は細粒化され、水分低下の効果も伴なって最終的には、残渣25は砂状のサラサラ状態になり、残渣25の臭いは従来の好気性分解によるものや乾燥処理によるものよりも低減されている。そして被処理物24の乾燥残渣25は、乾燥処理槽20に分解処理槽2から被処理物24が移動して投入されることに伴なって、少しずつ乾燥物排出口23から排出され、d矢印のように残渣取り出し容器22に投入され、残渣取り出し容器22を引き出すことによって、取り出すことができる。ここで、生ごみの酸性分解では上記のようにアンモニアが発生せず、窒素成分をアンモニアガスとして放出しないので、残渣25の堆肥としての有効性は高いものである。図3の装置における生ごみの処理のフローを図4に示す。
【0074】
図5は請求項15の発明における生ごみ処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、ケーシング1内に分解処理槽2が配置してある。分解処理槽2には図1のものと同様な攪拌装置3や加熱装置17が設けてあり、また分解処理槽2の排気口12の箇所に設けた排気ファン15を作動させることによって、分解処理槽2に空気を通過させて通風させるようにしてある。そして分解処理槽2の側面に隣接してケーシング1内に好気性分解処理槽28が配置してある。分解処理槽2と好気性分解処理槽28とは酸性分解物排出口29によって連通させてあり、攪拌装置3や加熱装置17を分解処理槽2と好気性分解処理槽28とに渡して設け、攪拌装置3によって分解処理槽2内と好気性分解処理槽28内を同時に攪拌することができると共に、加熱装置17によって分解処理槽2内と好気性分解処理槽28内を同時に加熱することができるようにしてある。
【0075】
また好気性分解処理槽28の下側においてケーシング1内に、上面に開口部26を形成した残渣取り出し容器22が収容してある。この残渣取り出し容器22は、酸性分解物排出口29より低い位置で好気性分解処理槽28の側面に設けた好気性分解物排出口30の下方に開口部26が位置するように配置してある。残渣取り出し容器22はケーシング1内から引き出して取り出すことができるようにしてあり、残渣取り出し容器22の前面には吸気口31が設けてある。この吸気口31と排気口12とは、残渣取り出し容器22の開口部26、好気性分解物排出口30、好気性分解処理槽28内、酸性分解物排出口29、分解処理槽2内を介して連通している。
【0076】
上記のように形成される生ごみ処理装置において、分解処理槽2において図1や図3の場合と同様にして生ごみが酸性分解処理される。分解処理槽2で酸性分解処理された、基材16を含む分解被処理物24は、分解処理槽2に生ごみが新たに投入されることに伴なって、少しずつ酸性分解物排出口29から排出され、e矢印のように好気性分解処理槽28内に移動するようになっている。
【0077】
好気性分解処理槽28内はpH7.0〜9.5のアルカリ性に維持してあり、バチルス属などに代表される好アルカリの好気性細菌によって、被処理物24はさらに好気性分解される。この好気性分解では、代謝経路に呼吸鎖を有する好気性細菌によって高効率に有機物の分解を行なうことができるものである。このように分解処理槽2で酸性分解された生ごみの被処理物24をさらに好気性分解処理槽28で好気性分解することによって、より無機物にまで分解することができ、ごみの減量率を高めることができるものである。尚、分解処理槽2では乳酸などの有機酸が生成され、既述のように分解処理槽2内を酸性状態に安定して維持することができるが、好気性分解処理槽28ではアンモニアが生成されるので、好気性分解処理槽28内をアルカリ性状態に安定して維持することができるものである。
【0078】
そして好気性分解処理槽28で被処理物24が好気性分解処理された処理残渣32は、好気性分解処理槽28に分解処理槽2から被処理物24が移動して投入されることに伴なって、少しずつ好気性分解物排出口30から排出され、f矢印のように残渣取り出し容器22に投入され、残渣取り出し容器22を引き出すことによって、取り出すことができるものである。
【0079】
また、排気ファン15を作動させると、外気はg矢印のように残渣取り出し容器22の吸気口31から取り入れられ、この空気は残渣取り出し容器22の開口部26と好気性分解物排出口30を通過して好気性分解処理槽28内に流入し、次に好気性分解処理槽28内を通過した空気は酸性分解物排出口29から分解処理槽2内に流入し、酸性分解物排出口29を通過した後に、排気口12及び空気排出口14から排出されるようになっている。このように、空気の流れの上流側に好気性分解処理槽28が、下流側に分解処理槽2が配置されているので、排気ファン15を作動させて分解処理槽2に常時通風を行なうにあたって、好気性分解処理槽28内を通過した空気によって分解処理槽2の通風が行なわれる。そして好気性分解処理槽28では好気性分解によってアンモニアガスが発生しているが、このアンモニアガスは好気性分解処理槽28を通過する空気と共に分解処理槽2に送られることになり、アンモニアは分解処理槽2内で生成された有機酸と反応して基材16に吸着され、アンモニアが臭気として排出される量を低減して臭気レベルを低減することができるものである。図5の装置における生ごみの処理のフローと空気の流れを図6に示す。
【0080】
図7は請求項16の発明の実施の形態の一例を示すものであり、分解処理槽2の天井面に遮蔽板34を垂下して設けてあり、遮蔽板34の下端は分解処理槽2の生ごみと基材16との混合物内に差し込まれる高さに設定してある。遮蔽板34は排気口12と酸性分解物排出口29を仕切る位置に設けてあり、酸性分解物排出口29から分解処理槽2内に流入した空気は、遮蔽板34の下端と分解処理槽2の床面との間の空間を通過した後に、排気口12から排気されるようになっている。その他の構成は図5のものと同じである。
【0081】
このものにあって、排気ファン15を作動させて分解処理槽2に通風を行なう際に、好気性分解処理槽28内を通過してアンモニアガスを含む空気が分解処理槽2に流入すると、分解処理槽2内の生ごみと基材16の混合物内を潜って遮蔽板34の下端を通過した後に、排気口12から排気されるものである。従って、アンモニアを分解処理槽2内で生成された有機酸と接触させて効率高く反応させることができると共に基材16への吸着効率を飛躍的に高めることができ、アンモニアが臭気として排出される量をさらに低減して臭気レベルを一層低減することができるものである。またこのように空気を生ごみと基材16の混合物内に通過させることによって、除湿効果を高く得ることができ、水分除去に必要な熱エネルギーを低減することができるものである。
【0082】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、高温・酸性状態により雑菌の繁殖を抑制し、さらに好気性雰囲気により偏性嫌気性菌の繁殖を防いで、これらによる酪酸や硫化水素などの腐敗臭の発生を防止することができると共に、好アルカリ性の好気性菌を失活させてアンモニアが大量に発生することを防ぐことができるものであり、またホモ発酵型の乳酸菌は刺激臭の弱い乳酸のみを生成するものであり、不快臭の発生を抑制しながら生ごみを分解処理することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】糖の添加による酸性復帰効果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示す断面図である。
【図4】同上の実施の形態におけるフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態のさらに他の一例を示す断面図である。
【図6】同上の実施の形態におけるフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態のさらに他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 分解処理槽
15 排気ファン
16 基材
17 加熱装置
20 乾燥処理槽
24 被処理物
28 好気性分解処理槽
34 遮蔽板
Claims (16)
- 分解処理槽に供給された生ごみを微生物によって分解するようにした生ごみ処理装置において、分解処理槽に常時通風させながら、生ごみと微生物との混合物の温度を40〜60℃の範囲に保持すると共にpHを3以上、7未満の酸性状態に維持した状態で、ホモ発酵型の乳酸菌を主体とする微生物で生ごみの分解を行なうようにしたことを特徴とする生ごみ処理装置。
- ホモ発酵型の乳酸菌として、ラクトバチルス属、ペディオコッカス属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属から選ばれる菌を用いることを特徴とする請求項1に記載の生ごみ処理装置。
- 乳酸菌として有胞子性乳酸菌のバチルスコアグランスを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の生ごみ処理装置。
- 微生物として乳酸菌の他に酵母を併用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- ホモ発酵型の乳酸菌に対する共生菌として、ヘテロ型乳酸菌と有胞子乳酸菌の少なくとも一方を、ホモ発酵型の乳酸菌に補助的に添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 分解処理槽に有機酸を添加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 分解処理槽に酸性のpH緩衝作用を有する無機剤を添加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 分解処理槽に糖類を添加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 分解処理槽にビタミン類を添加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 分解処理槽に塩化ナトリウムを添加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 上記微生物及び分解処理槽に添加される添加物を基材に担持させた状態で用いることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 生ごみ処理の運転開始時に糖類と酸性の無機剤のみを分解処理槽に投入するようにしたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 分解処理槽内のpHが酸性状態でなくなったときに、酸性復活剤として糖類を投入するようにして成ることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 上記分解処理槽と、上記分解処理槽で分解処理された被処理物を乾燥処理する乾燥処理槽とを備えて成ることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 上記分解処理槽と、上記分解処理槽で分解処理された被処理物をアルカリ性状態で好気性菌によって分解する好気性分解処理槽とを備えて成ることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の生ごみ処理装置。
- 上記分解処理槽に常時通風を行なうにあたって、通風の際の空気の流れの上流側に好気性分解処理槽を、下流側に分解処理槽をそれぞれ配置し、分解処理槽の生ごみと微生物との混合物内に遮蔽板の下部を差し込み、空気が遮蔽板の下端を通過して流れるようにしたことを特徴とする請求項15に記載の生ごみ処理装置。
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