JP2004081108A - コンバインの作業部レバー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱穀部クラッチ経路70と前処理部クラッチ経路71をレバー規制部72を有する操作変更路75を介して形成したガイド溝60に作業部レバー17を挿通し、該作業部レバー17の1次操作で脱穀部5のクラッチ機構26を入り作動させ、2次操作で前処理部3のクラッチ機構27を入り作動させ、且つ作業部レバー17の戻し操作で前処理部3と脱穀部5のクラッチ機構27,26を順次切り作動させるコンバインで、前記ガイド溝60に、作業部レバー17を前処理部クラッチ経路71から操作変更路75のレバー規制部72を経ることなく、両クラッチ切り位置Kに復帰させるレバー融通路73を形成した作業部レバー構造にする。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイド溝に挿通した1本の作業部レバーによって、脱穀部と前処理部のクラッチ操作を行うコンバインの作業部レバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行機台に設けた前処理部と脱穀部のクラッチ操作を、操縦部のレバーガイド溝に挿通した作業部レバーによって行うコンバインは、実公昭58─50832号公報で示されるように既に知られている。
この公報で示される作業部レバー構造は、そのガイド溝を脱穀部クラッチ経路と前処理部クラッチ経路をレバー規制部を備えた操作変更路を介してクランク状(鉤型)溝に形成し、作業部レバーを脱穀部と前処理部の両クラッチ切り位置から、脱穀部クラッチ経路端のレバー規制部に接当せしめて、脱穀部クラッチ入り位置に1次操作することにより、脱穀部のクラッチ機構を入り作動させる。
【0003】
また、脱穀部クラッチ入り位置から操作変更路を介し経路変更し、前処理部クラッチ経路で前処理部クラッチ入り位置に2次操作することにより、脱穀部が駆動された状態において前処理部のクラッチ機構を入り作動させ、脱穀部と前処理部の両方を駆動しながら刈取脱穀作業を行う。
そして、脱穀部と前処理部の駆動を切る際の作業部レバーの戻し操作は、前処理部クラッチ入り位置から前処理部クラッチ経路を介し作業部レバーを操作変更路に操作して前処理部を切り作動し、次いで操作変更路に位置する脱穀部クラッチ入り位置から、脱穀部クラッチ経路で両クラッチ切り位置に操作し、前処理部と脱穀部を順次切り作動させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し、上記公報で示されるような構成の作業部レバー構造は、作業部レバーを挿通するガイド溝の形状を、脱穀部クラッチ経路と前処理部クラッチ経路をレバー規制部を備えた操作変更路を介してクランク状溝に形成しているので、前処理部と脱穀部を瞬時的に切りたい場合に、作業部レバーを前処理部クラッチ経路から操作変更路のレバー規制部位置に一旦側方に向けて鉤型に横操作し、脱穀部クラッチ経路に移行させた後、両クラッチ切り位置にしなければならないため、作業部レバーの戻し操作に時間がかかると共に、急いで戻し操作するあまり、操作変更路のガイド溝のガイド体に作業部レバーを接当させる等の欠点がある。
従って、刈取脱穀経路の穀稈の詰まりや脱穀部内に異物の混入等がある場合に、脱穀部を緊急停止できないで、詰まり等のトラブルを増長させる等の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明によるコンバインの作業部レバー構造は、第1に、脱穀部クラッチ経路70と前処理部クラッチ経路71とレバー規制部72を、操作変更路75を介して連続形成したガイド溝60に作業部レバー17を挿通し、該作業部レバー17を脱穀部5と前処理部3の両クラッチ切り位置Kから、脱穀部クラッチ経路70の脱穀部クラッチ入り位置Tに1次操作することにより、脱穀部5のクラッチ機構26を入り作動させると共に、脱穀部クラッチ入り位置Tから、操作変更路75及び前処理部クラッチ経路71を介して前処理部クラッチ入り位置Mに2次操作することにより、前処理部3のクラッチ機構27を入り作動させ、且つ作業部レバー17を戻し操作をすることにより、前処理部3と脱穀部5のクラッチ機構27,26を順次切り作動させるコンバインにおいて、前記ガイド溝60に、作業部レバー17を戻し操作時に前処理部クラッチ経路71から操作変更路75のレバー規制部72を経ることなく、両クラッチ切り位置Kに復帰させるレバー融通路73を形成したことを特徴としている。
【0006】
第2に、作業部レバー17を両クラッチ切り位置Kから前側に押し操作することにより、脱穀部5と前処理部3を順次入り作動させるようにガイド溝60を機体の前後方向に設けると共に、該ガイド溝60に前処理部クラッチ経路71から両クラッチ切り位置K側に向けて、作業部レバー17を斜め方向に誘導する融通案内面74を有したレバー融通路73を形成したことを特徴としている。
【0007】
第3に、作業部レバー17を、ディテント機構59によってガイド溝60の脱穀部クラッチ入り位置Tに位置決め支持したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において符号1は、図2で示す伝動系統に本発明に係わる作業部レバー構造としてのレバー装置2を備えたコンバインであり、図示しないクローラー式の走行装置を備えた走行機台に、従来のものと同様な配置構造を以て、作業部である前処理部(刈取部)3と脱穀部5とを前後方向に設け、前処理部3の後方で脱穀部5の他側に操縦部6とグレンタンク7を配置し、エンジン8を運転座席9の下方に設置している。
この構成により植立穀稈を前処理部3で刈り取り、刈り取った穀稈を図示しない後方搬送装置を介し脱穀部5のフィードチェン10に継送して脱穀を行い、脱穀選別された穀粒をグレンタンク7に収容する。
【0009】
上記操縦部6は前部側の操縦パネル部11と左側のレバー操作部12を平面視でL字状に形成し、操縦パネル部11には操向操作レバー13とモニター機器類を設け、下方に走行クラッチペダル14を配置している。
またレバー操作部12は、前側に主変速レバー15と副変速レバー16を併設し、その後方に本発明に係わる作業部レバー17を運転座席9の側方位置に配置し、該作業部レバー17の前後方向操作によって、前処理部3及び脱穀部5のクラッチ操作を行うようにしている。19はグレンタンク7の籾処理部レバーである。
【0010】
上記各クラッチ操作を行う伝動系統は、図2で示されるように、エンジン8のエンジン出力軸8aから、走行部伝動系の走行トランスミッション20及び脱穀部伝動系の作業入力軸21,前処理部伝動系の前処理トランスミッション22、並びに籾処理部伝動系を駆動しており、これら各伝動系は前記各レバーによって操作されるベルトテンションクラッチ方式のクラッチ機構25,26,27等を介して伝動される。
これにより、エンジン出力軸8aは走行クラッチペダル14で操作されるクラッチ機構25を介し、走行トランスミッション20を主変速レバー15及び副変速レバー16により変速駆動する。
【0011】
またエンジン出力軸8aはクラッチ機構26を介して脱穀部伝動系と前処理部伝動系とからなる作業部伝動系の作業入力軸21を駆動する。
尚、脱穀部伝動系は作業入力軸21から送風ファン軸29に入力し、脱穀部5の扱胴及び揺動選別部等を駆動する。
一方、前処理部伝動系は、作業入力軸21から前処理部HST30を備えた前処理トランスミッション22を介し、クラッチ機構27によって前処理部3を駆動する。また脱穀部5の扱口に沿設されるフィードチェン10は、上記クラッチ機構27の伝動上手側でクラッチ機構26によって入り切り伝動されるチェン伝動軸31から駆動するようにしている。
【0012】
次に、上記各伝動系の動力の入り切りを司るクラッチ機構25,26,27について説明する。尚、クラッチ機構25,26,27は何れも同様な機構によって構成されているところ、この構成を図3で示される作業部伝動系のクラッチ機構26のみについて説明し他を省略する。
即ち、クラッチ機構26は、エンジン出力軸8aの出力プーリー32と作業入力軸21の入力プーリー33に巻き掛けたベルト35と、該ベルト35の中途部を緊緩可能に張圧するテンションプーリー36と、図4で後述する作業部レバー17の操作に伴うスイッチ37のON,OFFに基づき、クラッチモーター38を作動してテンションプーリー36を入り切り作動させるクラッチ作動部39とから構成している。
【0013】
この構成により、作業部レバー17が図4の実線矢印で示される前方側に1次操作(脱穀部入り操作)されて同図の起立姿勢に至り、スイッチ37がONすると、クラッチモーター38が正転し減速ギヤ及びワイヤー等の連携作動部材50を介し、テンションプーリー36を支持するクラッチアーム51を引っ張りスプリング52に抗して引き作動し、テンションプーリー36によってベルト35を押接し、ベルト伝動を入りにする。
また作業部レバー17が同図の点線矢印方向に戻し操作され、スイッチ37がOFFになると、クラッチモーター38を逆転し連携作動部材50の引っ張りが解除されるので、スプリング52がクラッチアーム51を介し、テンションプーリー36がベルト3の押接を解除し伝動を切りにする。
【0014】
一方、前処理部伝動系のクラッチ機構27は、上記クラッチ機構26と同様に構成されて、作業部レバー17の操作によってベルト伝動を入り切りするが、この場合には図4で示されるように、前記スイッチ37の他側に対設されるスイッチ37aが、作業部レバー17の2次操作(前処理部入り操作)と戻し操作によって、ON,OFFされることに基づいて行われる。
【0015】
次に図4〜図5で示すレバー装置2及び作業部レバー17の構造並びに操作の態様等について説明する。
レバー装置2は、板部材で筺枠状に形成されたガイド体53を前記レバー操作部12に設置し、ガイド体53の内部に立設する取付ブラケット55に、作業部レバー17の基部に設けたレバー基板57を、支軸56を介し前後回動可能に軸支している。
またレバー基板57は、断面板状に形成した作業部レバー17を横軸18で連結することによりジョイント部17aを構成し、作業部レバー17を横軸18を支点に側方(左右方向)に回動可能に支持している。
【0016】
また、作業部レバー17は、レバー基板57を後述するディテント機構59を介して各操作位置に姿勢支持可能に構成し、作業部レバー17を上記ガイド体53に形成されるガイド溝60の、クラッチ機構26,27の切り位置(以下両クラッチ切り位置Kと言う)と、クラッチ機構26の入り位置(以下脱穀部クラッチ入り位置Tと言う)と、クラッチ機構27の入り位置(以下前処理部クラッチ入り位置Mと言う)とに位置決め支持可能に操作できるようにしている。
【0017】
上記ディテント機構59は、支軸56の鉛直方向でレバー基板57の下部に取付ブラケット55から立設したホルダ61と、該ホルダ61内で図示しないスプリングで付勢支持した位置決め用のボール62と、レバー基板57の支軸56を中心とする半円弧状の下周縁に刻設され、ボール62に択一的に係合することにより作業部レバー17を位置決め支持する係止部63,64,65とから構成している。
【0018】
上記係止部63,64,65のそれぞれは、作業部レバー17の操作に基づき、先ず係止部63がボール62と係合すると、作業部レバー17をガイド溝60の両クラッチ切り位置Kに保持し、係止部64がボール62と係合すると、作業部レバー17を同図の実線で示す脱穀部クラッチ入り位置Tに保持し、係止部65がボール62と係合すると、作業部レバー17を脱穀部クラッチ入りを有効にしたまま前処理部クラッチ入り位置Mに姿勢保持する。
【0019】
尚、係止部63,64,65のボール62に対する係合は、作業部レバー17を操作しボール62をホルダ61内のスプリングに抗して下方に押圧して行うので、オペレータは作業部レバー17の操作抵抗によって各切換位置を手の操作感覚によって識別でき、適正操作をスムースに行うと共に、操作位置の確認は作業部レバー17と、後述するガイド溝60との関係によっても把握することができる。
【0020】
この構成において、レバー基板57にはスイッチ作動部材67を一体的に設けていると共に、該スイッチ作動部材67の両側に前記脱穀部5のクラッチ機構26用のスイッチ37と、前処理部3のクラッチ機構26用のスイッチ37aを、取付ブラケット55に取着して設置している。
これにより、作業部レバー17の操作によって支軸56を中心に回動されるスイッチ作動部材67は、その外周面に凹凸状に形成されたカム状の作動面が前記各操作位置K,T,Mに対応した位置で、スイッチ37,37aをON,OFFし、各クラッチ機構26に設けたクラッチモーター38の作動及び停止を司り、脱穀部5のクラッチ機構26と前処理部3のクラッチ機構27の動力入り切りを行う。
即ち、スイッチ作動部材67に形成された凸状の作動面68は、作業部レバー17が脱穀部クラッチ入り位置Tから前処理部クラッチ入り位置Mの作動範囲でスイッチ37をONし、他方の作動面69は作業部レバー17が前処理部クラッチ入り位置Mに操作されると、スイッチ37aをONするようにしている。
【0021】
次に、図4,図5を参照しガイド溝60について説明する。ガイド体53に前後方向に穿設するガイド溝60を、平面視において両クラッチ切り位置Kを後方側に位置させた状態で、作業部レバー17を前側に向けて直線的に操作(1次操作)して脱穀部クラッチ入り位置Tに至らしめる脱穀部クラッチ経路70と、該脱穀部クラッチ入り位置Tから作業部レバー17を前側に向けて直線的に操作(2次操作)して前処理部クラッチ入り位置Mに至らしめる前処理部クラッチ経路71とを、以下に記すレバー規制部72とレバー融通路73及び融通案内面74を有する操作変更路75を介し、左右に変位させて一連に形成している。
【0022】
即ち、同図で示されるように上記操作変更路75は、脱穀部クラッチ経路70の脱穀部クラッチ入り位置T(1次操作の終点)で、作業部レバー17の1次操作方向のそれ以上の移動を該作業部レバー17を接当せしめることにより阻止するレバー規制部72を形成している。
また上記レバー規制部72に対向せしめて操作変更路75の下方側には、作業部レバー17を前処理部クラッチ経路71から、脱穀部クラッチ経路70の両クラッチ切り位置K側に向けて斜め方向に誘導する融通案内面74を設けることにより、側方に広巾溝状となるレバー融通路73を形成した屈曲溝となるようにしている。
【0023】
これにより、前処理部クラッチ経路71から両クラッチ切り位置K側に向けて斜め方向に誘導する融通案内面74を設けて形成したレバー融通路73は、作業部レバー17を戻し操作時に融通案内面74が脱穀部クラッチ経路70の始端側、即ち両クラッチ切り位置Kへスムースに復帰させると共に、作業部レバー17を脱穀部クラッチ経路70の所定位置に置き、後述するカバー部材77のスリット79で両側支持した状態で、両クラッチ切り位置Kから脱穀部クラッチ入り位置T側への再操作を行い易くする。
【0024】
従って、以上のように構成されたレバー装置2の作業部レバー17は、1次操作によって脱穀部クラッチ経路70の脱穀部クラッチ入り位置Tに至り、クラッチ機構26をNOして脱穀部5を駆動し、前記ディテント機構59を介して姿勢保持される。
このときコンバイン1は、前処理部3が停止状態で脱穀部5が駆動されるので、手扱脱穀作業等を行うことができる。
【0025】
次いで、作業部レバー17を脱穀部クラッチ入り位置Tから、操作変更路75を介して側方(右側)に経路変更をして2次操作すると、前処理部クラッチ経路71を経て前処理部クラッチ入り位置Mに至り、ここでディテント機構59を介して姿勢保持され、脱穀部5の駆動状態においてクラッチ機構27がONし、前処理部3が駆動される。これによりコンバイン1は前処理部3及び脱穀部5を同時駆動して刈取り脱穀作業を行うことができる。
【0026】
そして、作業部レバー17は同図で示す点線矢印方向の戻し操作によって、前記入り操作とは逆に前処理部3及び脱穀部5のクラッチ機構27,26を順次切り作動する。
即ち、作業部レバー17は前処理部クラッチ入り位置Mから脱穀部クラッチ入り位置Tの前処理部クラッチ経路71の戻し操作によって、前処理部3を停止し脱穀部5のみを駆動状態にする。尚、この状態では、上記刈取脱穀作業から前処理部3のみを一時停止させるので、機体の旋回走行等を行ったり手扱作業をすることができる。
次いで、脱穀部クラッチ入り位置Tから両クラッチ切り位置Kの脱穀部クラッチ経路70の戻し操作によって、前処理部3の切り状態において脱穀部5を切りにする。
【0027】
またガイド溝60には、ゴム又はプラスチック材からなる可撓性を有する板状のカバー部材77をガイド体53の裏側に取着し閉鎖した状態にしていると共に、脱穀部クラッチ経路70と操作変更路75と前処理部クラッチ経路71との略中央部にスリット79を一連に穿設することにより、該スリット79内に作業部レバー17を前後操作可能に挿通している。
これにより、作業部レバー17は板状杆の両側をカバー部材77のスリット79の端面によって支持され、ガイド溝60内をカバー部材77の弾性によって緩衝されながらスムースに前後移動する。またスリット79は作業部レバー17に接合し、両者で形成される隙間を可及的に小さくするから、脱穀作業時に発生する藁屑や塵埃がガイド体53内へ上方から侵入することを防止すると共に、キャビンで覆った操縦部6の室内に、ガイド体53内の塵埃を含む熱風の吹き出しを防止することができる。
【0028】
以上のように構成したコンバイン1は、エンジン9から各クラッチ機構を介し走行部伝動系,前処理部伝動系,脱穀部伝動系,籾処理部伝動系を駆動して刈取脱穀作業を行う。このとき脱穀部5と前処理部3のクラッチ機構26,27の操作は、ガイド溝60に挿通した1本の作業部レバー17を、両クラッチ切り位置Kから前側に押し操作する1次操作によって、脱穀部クラッチ経路70の脱穀部クラッチ入り位置Tにおいて、脱穀部5のクラッチ機構26を入り作動させると共に、該脱穀部クラッチ入り位置Tから操作変更路75及び前処理部クラッチ経路71を介して、前処理部クラッチ入り位置Mに2次操作することにより、前処理部3のクラッチ機構27を入り作動させる。
【0029】
そして、作業部レバー17を前処理部クラッチ入り位置Mから前処理部クラッチ経路71を介し脱穀部クラッチ入り位置Tに戻し操作すると、脱穀部5の駆動を有効にしたまま前処理部3のクラッチ機構27を切り作動でき、この場で手を離すと、作業部レバー17はディテント機構59によって操作変更路75に位置決め支持される。
次いで、作業部レバー17を脱穀部クラッチ経路70を介して両クラッチ切り位置Kに戻し操作すると、脱穀部5のクラッチ機構26を切り作動し前処理部3と脱穀部5の駆動を全停止する。
【0030】
このようなレバー装置2において、レバー融通路73を有するガイド溝60を後部に設けた両クラッチ切り位置Kから、作業部レバー17を前側に押し操作し、脱穀部5と前処理部3を順次入り作動させると共に、作業部レバー17の戻し操作方向を、オペレータが操作し易い後方引き戻し操作側に一致させているので、緊急時における作業部レバー17の切り操作を無理なく迅速に行うことができる。
【0031】
即ち、前処理部と脱穀部の伝動を殆ど同時(瞬時的)に切りたい場合に、前処理部クラッチ入り位置Mから後方に向けて素早く引いた引き戻し操作をすると、作業部レバー17は従来のもののように前処理部クラッチ経路71から操作変更路75のレバー規制部72側に横操作することなく、レバー融通路73を通過してから脱穀部クラッチ経路70に直接的に移行させ、両クラッチ切り位置Kに速やかに切換操作できるので、脱穀部と前処理部を即時停止し脱穀部5の詰まり等によるトラブルの増長を防止することができる。
【0032】
このとき、作業部レバー17を、前処理部クラッチ経路71から両クラッチ切り位置K側に向けて斜め方向に誘導する融通案内面74を設けて形成したレバー融通路73は、作業部レバー17を戻し操作時に融通案内面74が脱穀部クラッチ経路70の始端側、即ち両クラッチ切り位置Kへスムースに復帰させると共に、作業部レバー17を脱穀部クラッチ経路70始端の定位置に置き、ガイド部材50のスリット79で両側支持した状態で、両クラッチ切り位置Kから脱穀部クラッチ入り位置T側への再操作を行い易くする。
【0033】
さらに、作業部レバー17はディテント機構59によって脱穀部クラッチ入り位置Tに位置決め支持するようにしているので、作業部レバー17を脱穀部クラッチ入り位置T部位で安定よく位置決め支持すると共に、前処理部クラッチ経路71から脱穀部クラッチ経路70に移行させる際に、作業部レバー17の脱穀部クラッチ入り位置Tにおける切換えを、ディテント機構59がオペレータに作業部レバー17を把持操作する手の感覚として的確に伝えるから、作業部レバー17を脱穀部クラッチ入り位置Tに簡単に位置決め操作することができる。
【0034】
尚、実施形態では作業部レバー17によって入り切り作動されるクラッチ機構26,27は、クラッチモーター38によって作動されるベルトテンションプーリー方式のものを示したが、これに限定されることなく、噛み合い式のクラッチ機構或いは摩擦式のクラッチ機構等で構成することもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上説明したようにコンバインの作業部レバー構造を構成しているので、以下に記載するような効果を奏する。
脱穀部クラッチ経路と前処理部クラッチ経路とレバー規制部を操作変更路を介して形成したガイド溝に作業部レバーを挿通し、該作業部レバーを脱穀部と前処理部の両クラッチ切り位置から、脱穀部クラッチ経路の脱穀部クラッチ入り位置に1次操作することにより、脱穀部のクラッチ機構を入り作動させると共に、脱穀部クラッチ入り位置から、操作変更路及び前処理部クラッチ経路を介し前処理部クラッチ入り位置に2次操作することにより、前処理部のクラッチ機構を入り作動させ、且つ作業部レバーを戻し操作をすることにより、前処理部と脱穀部のクラッチ機構を順次切り作動させるコンバインにおいて、前記ガイド溝に、作業部レバーを戻し操作時に前処理部クラッチ経路から操作変更路のレバー規制部を経ることなく、両クラッチ切り位置に復帰させるレバー融通路を形成したことにより、前処理部と脱穀部を瞬時的に切りたい場合に、作業部レバーを前処理部クラッチ経路から操作変更路のレバー規制部側に横操作させることなく、速やかに切ることができる。
【0036】
また作業部レバーを両クラッチ切り位置から前側に押し操作することにより、脱穀部と前処理部を順次入り作動させるようにガイド溝を機体の前後方向に設けると共に、該ガイド溝に前処理部クラッチ経路から両クラッチ切り位置側に向けて、作業部レバーを斜め方向に誘導する融通案内面を有したレバー融通路を形成したことにより、戻し操作時の作業部レバーを融通案内面が前処理部クラッチ経路から、脱穀部クラッチ経路の始端側の両クラッチ切り位置へスムースに復帰させる。
【0037】
また作業部レバーを、ディテント機構によってガイド溝の脱穀部クラッチ入り位置に位置決め支持したことにより、作業部レバーを脱穀部クラッチ入り位置に安定よく位置決め支持できると共に、前処理部クラッチ経路から脱穀部クラッチ経路に移行させる際に、ディテント機構が脱穀部クラッチ入り位置をオペレータに認識させるので、作業部レバーを脱穀部クラッチ入り位置に簡単に位置決め操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる作業部レバー構造を備えたコンバインの要部を示す平面図である。
【図2】図1のコンバインの伝動系統図である。
【図3】クラッチ機構の構成を示す側面図である。
【図4】作業部レバー構造の構成を一部破断をして示す斜視図である。
【図5】ガイド溝の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 コンバイン
2 レバー装置
3 前処理部
5 脱穀部
6 操縦部
17 作業部レバー
25,26,27 クラッチ機構
53 ガイド体
59 ディテント機構
60 ガイド溝
70 脱穀部クラッチ経路
71 前処理部クラッチ経路
72 レバー規制部
73 レバー融通路
74 融通案内面
75 操作変更路
77 カバー部材
79 スリット
K 両クラッチ切り位置
T 脱穀部クラッチ入り位置
M 前処理部クラッチ入り位置
Claims (3)
- 脱穀部クラッチ経路(70)と前処理部クラッチ経路(71)とレバー規制部(72)を、操作変更路(75)を介して連続形成したガイド溝(60)に作業部レバー(17)を挿通し、該作業部レバー(17)を脱穀部(5)と前処理部(3)の両クラッチ切り位置(K)から、脱穀部クラッチ経路(70)の脱穀部クラッチ入り位置(T)に1次操作することにより、脱穀部(5)のクラッチ機構(26)を入り作動させると共に、脱穀部クラッチ入り位置(T)から、操作変更路(75)及び前処理部クラッチ経路(71)を介して前処理部クラッチ入り位置(M)に2次操作することにより、前処理部(3)のクラッチ機構(27)を入り作動させ、且つ作業部レバー(17)を戻し操作をすることにより、前処理部(3)と脱穀部(5)のクラッチ機構(27),(26)を順次切り作動させるコンバインにおいて、前記ガイド溝(60)に、作業部レバー(17)を戻し操作時に前処理部クラッチ経路(71)から操作変更路(75)のレバー規制部(72)を経ることなく、両クラッチ切り位置(K)に復帰させるレバー融通路(73)を形成したコンバインの作業部レバー構造。
- 作業部レバー(17)を両クラッチ切り位置(K)から前側に押し操作することにより、脱穀部(5)と前処理部(3)を順次入り作動させるようにガイド溝(60)を機体の前後方向に設けると共に、該ガイド溝(60)に前処理部クラッチ経路(71)から両クラッチ切り位置(K)側に向けて、作業部レバー(17)を斜め方向に誘導する融通案内面(74)を有したレバー融通路(73)を形成した請求項1記載のコンバインの作業部レバー構造。
- 作業部レバー(17)を、ディテント機構(59)によってガイド溝(60)の脱穀部クラッチ入り位置(T)に位置決め支持した請求項1又は2記載のコンバインの作業部レバー構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002247164A JP3802466B2 (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | コンバインの作業部レバー構造 |
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