JP2004079809A - 導波路型端面受光素子 - Google Patents

導波路型端面受光素子 Download PDF

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Takeshi Higuchi
樋口 毅
Naoki Tsukiji
築地 直樹
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Abstract

【課題】低キャパシタンスでかつ電極との接触抵抗を小さくし、さらにはリーク電流の発生を抑止することのできる導波路型端面受光素子を提供すること。
【解決手段】n側電極29をn型基板の裏面全面に形成し、光入射端面に非反射膜13を有する導波路型端面受光素子において、コンタクト部110のサイズ(長さL,幅W)を従来どおりとし、かつ、メサストライプ部11のサイズ(長さL,幅W)を従来構造よりも大きくするとともに、p側電極28を、コンタクト層27の上部に位置するSiN膜30上の一部とコンタクト部110上のみに形成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低キャパシタンスでかつ電極との接触抵抗が小さく、さらにはリーク電流の発生が抑止された導波路型端面受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
導波路型端面受光素子は、半導体基板に平行な方向で受光することができる受光素子であり、入射された光を、エネルギーギャップや屈折率の異なる半導体層で挟まれた光吸収層内に閉じ込める、いわゆる光導波路を有することを特徴としている。また、導波路型端面受光素子は、上記したように半導体基板に平行入射した光に対して光電変換を行うことができることから、プレーナ光波回路(PLC)として提供することができ、そのPLCの利点、すなわち光ファイバとのカップリングが容易である点、光スイッチ、光カプラ、変調回路などの他のPLCとともにモノシリックまたはハイブリッドで同一基板上に形成できる点などを享受することができる。
【0003】
また、近年においては、高密度波長分割多重(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)システムの発展が目覚しいが、そのシステムでは、光増幅器による利得プロファイルを安定化させるために利得のフィードバック制御が必須であり、光ファイバ上を伝搬する光信号のモニタリングが光伝送路上の多くの地点で必要となる。このモニタリングは、光ファイバ上に配置された分波器と受光素子によって実現されるが、これら分波器と受光素子が上記したPLCとして提供されると、モニタリング装置の小型化、低コスト化、メンテナンスフリー化などが実現される。このような背景によって、導波路型端面受光素子は、光伝送路末端の光受信器に使用されること以外にも、多くの利用形態が存在し、高感度で信頼性の高いものが要望されている。
【0004】
図6は、従来の導波路型端面素子の構造例を示した斜視図である。また、図7は、図6の端面領域Bに相当する領域を拡大したA−A線断面図である。図6に示す導波路型端面受光素子100は、図7にも示すように、n型基板121面上に、順次、バッファ層とクラッド層とを兼ねたバッファ層122、n型光閉じ込め層123、光吸収層124(Nonドープ、intrinsic型)、p型光閉じ込め層125、クラッド層126、コンタクト層127が積層された構造を有する。また、導波路型端面受光素子100は、メサストライプ部111と2つのサポートメサ部112を有している。これらメサストライプ部111とサポートメサ部112は、上記した積層構造に対し、図6に示すような2つの並進する溝120を形成することで得られる。この溝120は、上記した積層構造に例えばウェットエッチングを施すことで形成される。
【0005】
導波路型端面受光素子100における受光機能は、上記したメサストライプ部111において発現する。メサストライプ部111は、コンタクト層127上であってかつその外縁部分以外の領域(後述するコンタクト部)をマスクして形成されたSiN膜130(保護膜)と、コンタクト層127の窓部(すなわちコンタクト部)およびSiN膜130の一部を被覆したp側電極128とを有している。一方、サポートメサ部112は、この導波路型端面受光素子100を、図示しないキャリアやベースにジャンクションダウンの形態で接合する際の支持部として機能する。その接合の際には、上記p側電極128は、キャリアやベースの表面に形成された配線を介して外部回路と電気的接続される。また、上記したn型基板121の裏面全面には、n側電極129が形成される。さらに、導波路型端面受光素子100の光入射端面の表面には、反射防止膜として非反射膜113が形成されている。
【0006】
以下に、この導波路型端面受光素子100の動作について説明する。まず、エネルギーギャップに関しては、n型バッファ層122>n型光閉じ込め層123>光吸収層124<p型光閉じ込め層125<クラッド層126の関係があり、屈折率に関しては、n型バッファ層122<n型光閉じ込め層123<光吸収層124>p型光閉じ込め層125>クラッド層126の関係があるので、端面から光吸収層124内に入射された光は、その光吸収層124に閉じ込められ、高効率にキャリアが生成される。この状態でp側電極128とn側電極129の間に逆バイアス電圧が印加されると、光吸収層124内に空乏層が生じて電界領域が生成される。この電界によって、光吸収層124の空乏層に生成された多数のキャリアのうち、ホールはp側電極128に向かい、電子はn側電極に向かう。このキャリアの移動が検出電流として外部から取り出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示した従来の導波路型端面受光素子100の構造において、長さL11と幅W11で定まるメサストライプ部111のサイズが大きくなると、n型光閉じ込め層123、光吸収層124およびp型光閉じ込め層125によって構成されるPIN構造部の基板に平行な面積と、コンタクト層127とp側電極128の接触部(以下、コンタクト部110と称する)の基板に平行な面積はともに大きくなり、結果的にそれらPIN構造部とコンタクト部110において生じるキャパシタンス(図7中、151,152,160で示された部分)が増大する。これらキャパシタンスの増大は受光動作速度を低下させる。
【0008】
また、図6および図7に示した従来構造において、p側電極128は、コンタクト層127の上面との間にSiN膜130を挟んだ位置にも形成されているため、コンタクト層127とSiN膜130とp側電極128によるMIS構造が形成され、そのMIS構造においてもキャパシタンス(図6中、141,142で示された部分)が生じている。さらに、p側電極128は、コンタクト層127の上面だけでなく、投影幅W13に亘って、メサストライプ部111の側面に位置するSiN膜130上の一部まで形成されている。そのため、コンタクト層127の幅W12によって規定されるメサストライプ部111の各半導体層(n型光閉じ込め層123、光吸収層124,p型光閉じ込め層125,クラッド層126,コンタクト層127)の側面とSiN膜130とp側電極128によってMIS構造が形成され、そのMIS構造においてもキャパシタンス(図7中、131,132で示された部分)が生じている。このキャパシタンスの存在も受光動作速度を低下させる一因となっていた。
【0009】
図8は、従来の導波路型端面受光素子において生じるキャパシタンスを説明するためのキャパシタンス等価回路図である。図8において、C1は、図7において131,132で示されるキャパシタンス(メサストライプ部111の両脇のMIS構造に相当)を示し、C2は、図7において141,142で示されるキャパシタンス(メサストライプ部111の上部のMIS構造に相当)を示し、C3は、図7において151,152で示されるキャパシタンス(コンタクト部110の下部以外に位置するPIN構造に相当)を示し、C4は、図7において160で示されるキャパシタンス(コンタクト部110の下部に位置するPIN構造に相当)を示す。
【0010】
結局、導波路型端面受光素子100の総キャパシタンスは、図8に示すように、C1と、C4と、直列に接続されたC2,C3の和との並列回路の総容量として等価的に表わされる。なお、実際には、これらキャパシタンスに加えて、メサストライプ部111の傾斜面直下に位置する半導体層領域、すなわち図7に示す斜線153の領域においてもPIN構造に起因するキャパシタンスが存在するが、その値は微小であるために無視できる。
【0011】
よって、導波路型端面受光素子の総キャパシタンスを増加させないためには、メサストライプ部111のサイズを増大させることは好ましくない。ところが、メサストライプ部111のサイズをあまり小さくしてしまうと、コンタクト層127とp側電極128との間の接触抵抗が大きくなり、大きな印加電圧を要することになる。すなわち、この接触抵抗の観点から言えば、コンタクト層127とp側電極128の接触面積はできるだけ大きくすることが好ましい。
【0012】
このような背景から、従来の導波路型端面受光素子100は、メサストライプ部111のサイズができるだけ小さくなるように、かつコンタクト層127とp側電極128の接触面積ができるだけ大きくなるようなサイズで設計されている。例えば、メサストライプ部111の半導体層最上部の幅W12=20〜30μmで、コンタクト部110の長さLと幅WをL=32μm、W=18μmとする場合、メサストライプ部111の上面の長さL11と幅W11はそれぞれL11=50〜60μm、W11=20〜30μmであり、p側電極の投影幅W13はW13=30μmである。
【0013】
しかしながら、このような設計仕様の要求は、図6に示すように、メサストライプ部111の上面(長さL11,幅W11)とコンタクト部110(長さL,幅W)の間隙(L11−L,W11−W)を小さくさせる。この間隙が小さくなることは、上述したSiN膜130の形成工程、換言すればコンタクト層127の窓開け工程において、マスクを、メサストライプ部111の上面であってかつその外縁に非常に接近した位置に形成しなければならないことを意味する。すなわち、上記工程において、マスク形成位置の許容範囲が狭くなるため、マスクパターンの微小なずれによってp側電極128と半導体層の側面とが導通する状態となってしまい、このことでリーク電流が発生するという問題があった。
【0014】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、低キャパシタンスでかつ電極との接触抵抗を小さくし、さらにはリーク電流の発生を抑止することのできる導波路型端面受光素子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる導波路型端面受光素子は、n型半導体基板、n型半導体バッファ層、n型半導体光閉じ込め層、半導体光吸収層、p型半導体光閉じ込め層、p型半導体バッファ層、p型コンタクト層が順次積層されたメサストライプ構造を有する導波路型端面受光素子において、前記コンタクト層の外縁部と前記メサストライプ構造の長手方向の側面部とを被覆した保護膜と、前記コンタクト層の前記外縁部以外の領域の上と前記保護膜のうち前記コンタクト層の上方に位置する領域の一部の上とに形成されたp側電極と、前記n型半導体基板の裏面全面に形成されたn型電極と、を備えたことを特徴している。
【0016】
この発明によれば、p側電極が、コンタクト層の上部に位置する保護膜上の一部とコンタクト層の上のみに形成されるので、p電極、保護膜およびコンタクト層によって構成されるMIS構造を最小限に抑えることができる。
【0017】
また、請求項2にかかる導波路型端面受光素子は、上記の発明において、前記コンタクト層の外縁部は、対向する両幅の合計が20μm以上であるロ形状であることを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、コンタクト層上の中央部にp電極とのコンタクト部を形成するための保護膜形成工程において、マスクパターンの配置ずれ許容範囲として少なくとも10μmを与えることができる。
【0019】
また、請求項3にかかる導波路型端面受光素子は、上記の発明において、前記保護膜は、SiNであることを特徴としている。
【0020】
また、請求項4にかかる導波路型端面受光素子は、上記の発明において、前記メサストライプ構造の光入射端面に形成された非反射膜を備えたことを特徴としている。
【0021】
また、請求項5にかかる導波路型端面受光素子は、上記の発明において、前記非反射膜は、SiNであることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる導波路型端面受光素子の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0023】
図1は、本実施の形態にかかる導波路型端面素子の構造を示した斜視図である。また、図2は、図1の端面領域Bに相当する領域を拡大したA−A線断面図である。図1に示す導波路型端面受光素子10は、図2にも示すように、n型基板21の(100)面上に、順次、バッファ層とクラッド層とを兼ねたn型バッファ層22、n型光閉じ込め層23、光吸収層24(Nonドープ、intrinsic型)、p型光閉じ込め層25、クラッド層26、コンタクト層27が積層された構造を有する。なお、この積層構造については図6に示した従来構造と同じである。ただし、本実施の形態では、n型基板21およびn型バッファ層22を厚さ1.0μmのn型InPで形成し、n型光閉じ込め層23を厚さ0.5μmのn型InGaAsPで形成し、光吸収層24を厚さ3.0μmのInGaAsPで形成し、p型光閉じ込め層25を厚さ2.0μmのp型InGaAsPで形成し、クラッド層26を厚さ2.0μmのp型InPで形成し、コンタクト層27を厚さ0.4μmのp型InGaAsPで形成した。
【0024】
また、本実施の形態おいて、図1に示すメサストライプ部11は、上記した積層構造に対し、同図に示す2つの並進する溝20を形成することによって得られる。なお、これら溝20は、ウェットエッチングによって形成される。また、それら溝20によって、2つのサポートメサ部12も得られる。これら構造もまた、図6および図7に示した従来の導波路型端面受光素子100と同じである。ただし、本実施の形態にかかる導波路型端面受光素子は、メサストライプ部11の長さLと幅Wが、図6に示した従来構造のメサストライプ部111の長さL11と幅W11よりも大きい。例えば、上記例に挙げた従来構造のメサストライプ部111のL11=50〜60μm、W11=20〜30μmに対し、本実施の形態のメサストライプ部11の上面の長さLと幅WはそれぞれL=70〜80μm、W=30〜40μmである。
【0025】
このようにメサストライプ部11のサイズを大きくすることは、従来構造の導波路型端面受光素子では、上述したようにキャパシタンスが大きくなるために好ましくない。ところが、本実施の形態にかかる導波路型端面受光素子の構造はその問題を解消している。以下に、その構造について説明する。
【0026】
図2に示すように、本実施の形態にかかる導波路型端面受光素子10のメサストライプ部11は、コンタクト層27上であってかつその外縁部分以外の領域(すなわち、コンタクト部110)をマスクして形成されたSiN膜30(保護膜)を有している。ここで、コンタクト部110は、従来構造で採用されたサイズ(上記例だと長さL=32μm、幅W=18μm)と同じものが採用される。すなわち、メサストライプ部11の上面のサイズが大きくなった分だけ、コンタクト層27上を被覆するSiN膜30の面積も大きくなっている。例えば、上記例に挙げた従来構造のメサストライプ部111の半導体層最上部の幅W12=20〜30μmに対し、本発明のメサストライプ部11の半導体層最上部の幅WはW=30〜40μmである。すなわち、コンタクト部110の幅Wが変わらない分、コンタクト層27上には、従来構造よりも面積の大きなSiN膜30が形成されている。なお、本実施の形態では、SiN膜30の厚みを0.3μmとした。
【0027】
このように、コンタクト部11の上面のサイズを変更せずに、メサストライプ部11の上面のサイズを大きくすることは、SiN膜30の形成工程において、コンタクト部11の形状に相当するマスクパターンの配置ずれの許容範囲が大きくなることを意味し、これにより、微小な配置ずれでリーク電流が発生してしまうという問題を回避することができる。
【0028】
さらに、メサストライプ部11は、コンタクト層27の窓部(すなわちコンタクト部110)と、上記SiN膜30のうちコンタクト層27の上面に位置する一部分のみに、p側電極28が形成される。すなわち、図6および図7に示した従来構造とは異なり、メサストライプ部11の側面に位置するSiN膜30上にはp側電極が形成されない。これは、メサストライプ部11の両脇のMIS構造に起因するキャパシタンスが排除されることを意味する。例えば、上記したメサストライプ部11とコンタクト部110のサイズの例に従うと、p側電極の幅WはW=28μmである。なお、この幅Wは図7に示した従来構造のW12よりも大きい方が好ましい。その理由については後述する。なお、本実施の形態では、p側電極28を、厚みが順に50nm/100nm/500nmとなるTi/Pt/Auの積層金属膜で形成した。
【0029】
一方、サポートメサ部12およびp側電極28の機能は、従来構造で示したサポートメサ部112およびp側電極128と同じである。また、n型基板21の裏面全面に、n側電極29が形成される点も従来と同様であり、導波路型端面受光素子10の光入射端面の表面に反射防止膜として非反射膜13が形成される点も従来と同様である。
【0030】
この導波路型端面受光素子10の動作もまた、従来と変わらないが、メサストライプ部11のサイズが大きくなったため、必然と、光吸収層24の幅も広がり、入射する光量も大きくなる。すなわち、検出電流が増加し、感度を向上させることができる。
【0031】
以上に説明した構造において、キャパシタンスは、結局、コンタクト部10の外縁に位置するp側電極28とSiN膜30とコンタクト層27で構成されるMIS構造(図2中、41,42で示された部分)と、n型光閉じ込め層23と光吸収層24とp型光閉じ込め層25によって構成されるPIN構造部(図2中、51,52,60で示された部分)とにおいて生じる。
【0032】
図3は、本発明にかかる導波路型端面受光素子において生じるキャパシタンスを説明するためのキャパシタンス等価回路図である。図3において、C2’は、図2において41,42で示されるキャパシタンス(メサストライプ部11の上部のMIS構造に相当)を示し、C3’は、図2において51,52で示されるキャパシタンス(コンタクト部110の下部以外に位置するPIN構造部に相当)を示し、C4は、図3において60で示されるキャパシタンス(コンタクト部110の下部に位置するPIN構造に相当)を示す。図3に示すように、導波路型端面受光素子10の総キャパシタンスは、C4と、直列に接続されたC2’,C3’の和との並列回路の総容量として等価的に表わされる。なお、実際には、これらキャパシタンスに加えて、メサストライプ部11の傾斜面直下に位置する半導体層領域、すなわち図2に示す斜線53の領域においてもPIN構造に起因するキャパシタンスが存在するが、その値は微小であるために無視できるし、その領域は従来構造で示した図7の斜線153と同じである。
【0033】
ここで、C4は、コンタクト部110のサイズが図6に示した従来構造と同じであり、そのC4を決定するPIN構造部の基板に平行な面積も従来構造と変わらないことから、その値も従来構造のC4と同じである。一方、C3’については、図6に示した従来構造と比較してコンタクト部110のサイズが同じでありかつメサストライプ部11のサイズが大きくなったことから、そのC3’を決定するPIN構造部の面積も大きくなり、結果的に、C3’は図8に示した従来構造のC3よりも大きくなる。
【0034】
また、C2’を決定するPIN構造部の面積は、p側電極28のうちSiN膜30上に被覆された部分のサイズに応じて変化する。ここで、C2’は、図3に示すように、C3’と直列接続の関係にありかつC4と並列接続の関係にある。よって、C2’の値の増減による総キャパシタンスの変化は、結局、C3’が従来構造のC3に対してどれだけ増大したかによって定まる。
【0035】
ところが、本実施の形態にかかる導波路型端面受光素子10では、図6および図7に示した従来構造とは異なり、メサストライプ部11の側面に位置するSiN膜30上にはp側電極が形成されないので、総キャパシタンスにおいて、図8に示した従来構造のC1に相当するキャパシタンスが含まれない。このC1に相当するキャパシタンスの排除は、従来構造のSiN膜130の被覆面積が比較的大きいことから、上記したC2’やC3’の増加を無視できるほど、総キャパシタンスの低下に大きく寄与する。
【0036】
一方、コンタクト部110のサイズが従来構造と変わらないことから、コンタクト層27とp側電極28との間の接触面積も、従来構造の場合と同じである。すなわち、接触抵抗については、従来構造と同様に、大きな印加電圧を要することのない程度に抑えられる。
【0037】
図4は、本発明と従来構造とを比較するための印加電圧と総キャパシタンスとの関係を示したグラフである。図4に示すように、本発明によれば、逆バイアスの電圧が大きいほど、従来構造と比較して総キャパシタンスが低下しているということがわかる。
【0038】
つぎに、上述した導波路型端面受光素子10の提供形態について説明する。図1は、ジャンクションダウンで接合される受光素子として最低限の構成を示すものであったが、導波路型端面受光素子は、一般に、半導体ウェハ上に作成された複数個のうちの一つをダイシングによって取り出された形態で提供される。具体的には、半導体ウェハ上の両端に亘って形成されたストライプ構造に対し、所定の箇所で劈開を行うことで、受光面の形成と素子の分断が行われる。
【0039】
図5は、本実施の形態にかかる導波路型端面受光素子の提供形態を説明するための斜視図である。なお、図5において、図1と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図5に示す導波路型端面受光素子90は、上述した長さLと幅Wとを有するメサストライプ部11を有する。また、そのメサストライプ部11内には、上述した長さLと幅Wとを有する。図5において、図1と異なるところは、サポートメサ部12’および溝20’がメサストライプ部11の長さLよりも長く、メサストライプ部11の非受光面側に、メサストライプ部11’を有する点である。
【0040】
このメサストライプ部11’は、上記した劈開処理前において、この導波路型端面受光素子90に隣接していた他の導波路型端面受光素子と連なっていた部分である。受光機能を発現させるメサストライプ部11と上記メサストライプ部11’が一体となって連なっていると、メサストライプ部11’の表面のサイズ分だけキャパシタンスが増大してしまう。そこで、図5に示すように、メサストライプ部11とメサストライプ部11’の間に、ウェットエッチングなどによって分断溝91を形成し、メサストライプ部11とメサストライプ部11’を分断している。これによって、上記したキャパシタンスの増大が防止され、実際の提供形態においても、図1に示した構造による効果を享受することができる。
【0041】
以上に説明したとおり、実施の形態にかかる導波路型端面受光素子によれば、コンタクト部110のサイズを従来どおりとして、p側電極28を、コンタクト層27の上部に位置するSiN膜30上の一部とコンタクト部110上のみに形成することで、総キャパシタンスの増加と接触抵抗の増加を招くことなく、メサストライプ部11のサイズを大きくすることが可能になった。そして、このメサストライプ部11のサイズの増加により、コンタクト部を形成する際の窓開け工程においてマスクパターンの配置ずれの許容範囲を広げることができ、結果的に、多少の配置ずれが生じた場合でも、リーク電流が発生するという事態を回避することができる。
【0042】
なお、以上の説明では、図2に示すように、幅について、コンタクト部110は従来と同様の長さでかつメサストライプ部11は従来よりも大きくした点を中心に例示したが、それぞれの長さについても同様である。具体的には、コンタクト部110によって形成されるSiN膜30の上面のロ形状は、その対向する両幅の合計が20μm程度あれば、本発明の目的の一つであるマスクの配置ずれによるリーク電流防止を達成することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる導波路型端面受光素子によれば、p側電極が、コンタクト層の上部に位置する保護膜上の一部とコンタクト層の上のみに形成されるので、p電極、保護膜およびコンタクト層によって構成されるMIS構造の領域が最小限に抑えられ、そのMIS構造に起因するキャパシタンスの増加を防止することができるという効果を奏する。
【0044】
また、本発明にかかる導波路型端面受光素子によれば、コンタクト層上の中央部にp電極とのコンタクト部を形成するための保護膜形成工程において、マスクパターンの配置ずれ許容範囲として従来よりも大きな10μmを与えることができるので、マスクパターンの微小な配置ずれによってリーク電流が発生するという問題を回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施の形態にかかる導波路型端面素子の構造を示した斜視図である。
【図2】
図1の端面領域Bに相当する領域を拡大したA−A線断面図である。
【図3】
実施の形態にかかる導波路型端面受光素子において生じるキャパシタンスを説明するためのキャパシタンス等価回路図である。
【図4】
実施の形態と従来構造とを比較するための印加電圧と総キャパシタンスとの関係を示したグラフである。
【図5】
実施の形態にかかる導波路型端面受光素子の提供形態を説明するための斜視図である。
【図6】
従来の導波路型端面素子の構造例を示した斜視図である。
【図7】
図5の端面領域Bに相当する領域を拡大したA−A線断面図である。
【図8】
従来の導波路型端面受光素子において生じるキャパシタンスを説明するためのキャパシタンス等価回路図である。
【符号の説明】
10,90,100 導波路型端面受光素子
11,11’,111 メサストライプ部
12,12’,112 サポートメサ部
13,113 非反射膜
20,20’,120 溝
21,121 n型基板
22,122 n型バッファ層
23,123 n型光閉じ込め層
24,124 光吸収層
25,125 p型光閉じ込め層
26,126  クラッド層
27,127 コンタクト層
28,128 p側電極
29,129 n側電極
30,130 SiN膜
110 コンタクト部

Claims (5)

  1. n型半導体基板、n型半導体バッファ層、n型半導体光閉じ込め層、半導体光吸収層、p型半導体光閉じ込め層、p型半導体バッファ層、p型コンタクト層が順次積層されたメサストライプ構造を有する導波路型端面受光素子において、
    前記コンタクト層の外縁部と前記メサストライプ構造の長手方向の側面部とを被覆した保護膜と、
    前記コンタクト層の前記外縁部以外の領域の上と前記保護膜のうち前記コンタクト層の上方に位置する領域の一部の上とに形成されたp側電極と、
    前記n型半導体基板の裏面全面に形成されたn型電極と、
    を備えたことを特徴とする導波路型端面受光素子。
  2. 前記コンタクト層の外縁部は、対向する両幅の合計が20μm以上であるロ形状であることを特徴とする請求項1に記載の導波路型端面受光素子。
  3. 前記保護膜は、SiNであることを特徴とする請求項1または2に記載の導波路型端面受光素子。
  4. 前記メサストライプ構造の光入射端面に形成された非反射膜を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の導波路型端面受光素子。
  5. 前記非反射膜は、SiNであることを特徴とする請求項4に記載の導波路型端面受光素子。
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WO2014117574A1 (zh) * 2013-01-31 2014-08-07 同方威视技术股份有限公司 辐射探测器

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