JPH11103088A - 半導体導波路型受光素子 - Google Patents
半導体導波路型受光素子Info
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- JPH11103088A JPH11103088A JP9262335A JP26233597A JPH11103088A JP H11103088 A JPH11103088 A JP H11103088A JP 9262335 A JP9262335 A JP 9262335A JP 26233597 A JP26233597 A JP 26233597A JP H11103088 A JPH11103088 A JP H11103088A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光検出部と光減衰部が集積されていて、製作
プロセスは簡略化され、実働時の無効電流が1nA以下に
なる半導体導波路型受光素子を提供する。 【解決手段】 第1下部クラッド層2,第1光吸収層1
および第1上部クラッド層3から成る光検出部Aと、第
2下部クラッド層8,第1光吸収層1と光学的に結合し
ている第2光吸収層7および第2上部クラッド層9から
成り、かつ光検出部Aと光入射面Cの間に配置された光
減衰部Bとを備えており、第1下部クラッド層2がn型
またはp型の半導体から成り、かつ第1上部クラッド層
3が第1下部クラッド層2と逆導電型の半導体から成
り、また、第2下部クラッド層8が第1上部クラッド層
3と同じ導電型の半導体から成り、かつ第2上部クラッ
ド層9が第1下部クラッド層2と同じ導電型の半導体か
ら成り、第1下部クラッド層2と第2上部クラッド層9
が互いに電気的に結合されている。
プロセスは簡略化され、実働時の無効電流が1nA以下に
なる半導体導波路型受光素子を提供する。 【解決手段】 第1下部クラッド層2,第1光吸収層1
および第1上部クラッド層3から成る光検出部Aと、第
2下部クラッド層8,第1光吸収層1と光学的に結合し
ている第2光吸収層7および第2上部クラッド層9から
成り、かつ光検出部Aと光入射面Cの間に配置された光
減衰部Bとを備えており、第1下部クラッド層2がn型
またはp型の半導体から成り、かつ第1上部クラッド層
3が第1下部クラッド層2と逆導電型の半導体から成
り、また、第2下部クラッド層8が第1上部クラッド層
3と同じ導電型の半導体から成り、かつ第2上部クラッ
ド層9が第1下部クラッド層2と同じ導電型の半導体か
ら成り、第1下部クラッド層2と第2上部クラッド層9
が互いに電気的に結合されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光検出部と光減衰部
をモノリシックに集積した半導体導波路型受光素子に関
し、更に詳しくは、バイアス電圧の印加時における無効
電流を低減することができ、また製作プロセスを簡略化
することができる半導体導波路型受光素子に関する。
をモノリシックに集積した半導体導波路型受光素子に関
し、更に詳しくは、バイアス電圧の印加時における無効
電流を低減することができ、また製作プロセスを簡略化
することができる半導体導波路型受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−64399号公報には、次の
ような構造の半導体導波路型受光素子が開示されてい
る。すなわち、第1の光吸収層を互いに逆の導電型の半
導体から成る光閉じ込め層で挟んだ構造の光検出部と光
入射面との間に、前記した第1の光吸収層と光学的に結
合した第2の光吸収層を前記光閉じ込め層と同じ閉じ込
め層で挟んだ構造の光減衰部を配置し、かつ、前記光検
出部と前記光減衰部の間に半絶縁性の半導体や絶縁性の
有機材料から成る電気的分離部を介装して光検出部と光
減衰部の電気的な分離を実現しているものである。
ような構造の半導体導波路型受光素子が開示されてい
る。すなわち、第1の光吸収層を互いに逆の導電型の半
導体から成る光閉じ込め層で挟んだ構造の光検出部と光
入射面との間に、前記した第1の光吸収層と光学的に結
合した第2の光吸収層を前記光閉じ込め層と同じ閉じ込
め層で挟んだ構造の光減衰部を配置し、かつ、前記光検
出部と前記光減衰部の間に半絶縁性の半導体や絶縁性の
有機材料から成る電気的分離部を介装して光検出部と光
減衰部の電気的な分離を実現しているものである。
【0003】この受光素子は、光検出部と光減衰部に独
立して互いに逆バイアスの電圧を印加してその機能を発
揮せしめる。すなわち、光入射面への入射光の受光強度
に応じて光減衰部への印加電圧を調整することにより当
該光減衰部で入射光の一部を吸収したのち、減衰した光
を光検出部に伝搬し、そこで光電流に変換して電気信号
を取り出すものである。この受光素子は、入射光の強度
が大きければ光減衰部における減衰を大きくし、逆に入
射光の強度が小さければ光減衰部における減衰を小さく
することにより、光検出部の感度を可変にすることがで
きるので、広帯域で強度幅が広い信号光に対しても光変
換の線型性が良好になるという効果を奏する。
立して互いに逆バイアスの電圧を印加してその機能を発
揮せしめる。すなわち、光入射面への入射光の受光強度
に応じて光減衰部への印加電圧を調整することにより当
該光減衰部で入射光の一部を吸収したのち、減衰した光
を光検出部に伝搬し、そこで光電流に変換して電気信号
を取り出すものである。この受光素子は、入射光の強度
が大きければ光減衰部における減衰を大きくし、逆に入
射光の強度が小さければ光減衰部における減衰を小さく
することにより、光検出部の感度を可変にすることがで
きるので、広帯域で強度幅が広い信号光に対しても光変
換の線型性が良好になるという効果を奏する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した受
光素子の場合、光検出部と光減衰部に互いに異なる逆バ
イアス電圧を印加すると、それぞれの印加電圧の電位差
によっては、光検出部に無効電流の流れることがある。
その場合、この無効電流は光検出部における暗電流と同
程度であるかそれ以下でなければならない。具体的に
は、1nA以下に上記無効電流を抑制することが必要にな
る。
光素子の場合、光検出部と光減衰部に互いに異なる逆バ
イアス電圧を印加すると、それぞれの印加電圧の電位差
によっては、光検出部に無効電流の流れることがある。
その場合、この無効電流は光検出部における暗電流と同
程度であるかそれ以下でなければならない。具体的に
は、1nA以下に上記無効電流を抑制することが必要にな
る。
【0005】仮に、光検出部と光減衰部への電位差が最
大で10Vとなる動作条件で前記受光素子を動作させた
場合、光検出部への無効電流を1nA以下に抑制するため
には、光検出部と光減衰部の間に介装されている電気的
分離部の抵抗を10GΩ以上にすることが必要となる。
ところで、この受光素子は、特開平9−64399号公
報によれば大略次のような製作プロセスを踏んで製造さ
れる。
大で10Vとなる動作条件で前記受光素子を動作させた
場合、光検出部への無効電流を1nA以下に抑制するため
には、光検出部と光減衰部の間に介装されている電気的
分離部の抵抗を10GΩ以上にすることが必要となる。
ところで、この受光素子は、特開平9−64399号公
報によれば大略次のような製作プロセスを踏んで製造さ
れる。
【0006】まず、所定の半導体基板の上に、エピタキ
シャル成長法により例えばn型半導体から成る下部クラ
ッド層(光閉じ込め層)と、第1の光吸収層と、前記下
部クラッド層の半導体と逆導電型の半導体、すなわち、
p型半導体から成る上部クラッド層(光閉じ込め層)と
の積層構造を形成したのち、形成すべき光検出部に相当
する個所以外の前記積層構造を、少なくとも前記第1の
光吸収層に至るまで完全にエッチング除去する。そし
て、エッチング除去した個所に、形成すべき光減衰部に
相当する積層構造、すなわち、前記したn型半導体から
成る下部クラッド層の上に第2の光吸収層と前記したp
型半導体から成る半導体の上部クラッド層を積層した構
造を形成する。
シャル成長法により例えばn型半導体から成る下部クラ
ッド層(光閉じ込め層)と、第1の光吸収層と、前記下
部クラッド層の半導体と逆導電型の半導体、すなわち、
p型半導体から成る上部クラッド層(光閉じ込め層)と
の積層構造を形成したのち、形成すべき光検出部に相当
する個所以外の前記積層構造を、少なくとも前記第1の
光吸収層に至るまで完全にエッチング除去する。そし
て、エッチング除去した個所に、形成すべき光減衰部に
相当する積層構造、すなわち、前記したn型半導体から
成る下部クラッド層の上に第2の光吸収層と前記したp
型半導体から成る半導体の上部クラッド層を積層した構
造を形成する。
【0007】ついで、エッチング処理を行って、光検出
部と光減衰部が光路長方向で所定の間隔を置いて離隔し
ている形状の例えばメサストライプを形成したのち、例
えばポリイミドのような絶縁性有機材料や半絶縁性半導
体で前記メサストライプを埋め込む。その後、これら絶
縁性材料にホトリソグラフィーとエッチングを行って、
これらの絶縁性材料の不要部を除去して、光検出部と光
減衰部の間に電気的分離部を形成したのち、更にこれら
光検出部と光減衰部にそれぞれの駆動電極を装荷する。
部と光減衰部が光路長方向で所定の間隔を置いて離隔し
ている形状の例えばメサストライプを形成したのち、例
えばポリイミドのような絶縁性有機材料や半絶縁性半導
体で前記メサストライプを埋め込む。その後、これら絶
縁性材料にホトリソグラフィーとエッチングを行って、
これらの絶縁性材料の不要部を除去して、光検出部と光
減衰部の間に電気的分離部を形成したのち、更にこれら
光検出部と光減衰部にそれぞれの駆動電極を装荷する。
【0008】したがって、この受光素子の場合、光検出
部と光減衰部との電気的な分離を実現してその機能を発
揮させるためには、かなり複雑な製作プロセスを踏まな
ければならない。しかも、光検出部と光減衰部の間の電
気的分離部を例えば半絶縁性半導体で形成した場合、そ
の材料の抵抗率が充分に大きくないと、両者間の抵抗は
高々数10MΩであるにすぎず、光検出部への前記した
無効電流を1nA以下に抑制することは困難である。
部と光減衰部との電気的な分離を実現してその機能を発
揮させるためには、かなり複雑な製作プロセスを踏まな
ければならない。しかも、光検出部と光減衰部の間の電
気的分離部を例えば半絶縁性半導体で形成した場合、そ
の材料の抵抗率が充分に大きくないと、両者間の抵抗は
高々数10MΩであるにすぎず、光検出部への前記した
無効電流を1nA以下に抑制することは困難である。
【0009】また、電気的分離部をポリイミドのような
絶縁性有機材料で形成すると、その有機材料と半導体の
屈折率が異なるので、有機材料と半導体の界面で信号光
の反射が起こり、光損失やノイズが発生する。そのため
に、特開平9−64399号の受光素子の場合、光検出
部と光減衰部の光路長方向における間隔を、入射光波長
の1/2の整数倍に設定している。
絶縁性有機材料で形成すると、その有機材料と半導体の
屈折率が異なるので、有機材料と半導体の界面で信号光
の反射が起こり、光損失やノイズが発生する。そのため
に、特開平9−64399号の受光素子の場合、光検出
部と光減衰部の光路長方向における間隔を、入射光波長
の1/2の整数倍に設定している。
【0010】しかしながら、上記したような間隔を例え
ば0.1μm以下の精度をもってエッチング技術で形成
することは極めて困難である。しかも、この受光素子
を、その将来が期待されている波長多重伝送技術に使用
することを考えた場合、仮に電気的分離部の長さを上記
したような条件で形成し得たとしても、それはある波長
に対してのみ有効であるにすぎず、波長によっては反射
を生ずることが不可避であるという問題を孕んでいる。
ば0.1μm以下の精度をもってエッチング技術で形成
することは極めて困難である。しかも、この受光素子
を、その将来が期待されている波長多重伝送技術に使用
することを考えた場合、仮に電気的分離部の長さを上記
したような条件で形成し得たとしても、それはある波長
に対してのみ有効であるにすぎず、波長によっては反射
を生ずることが不可避であるという問題を孕んでいる。
【0011】本発明は、特開平9−64399号公報で
開示されている受光素子における上記した問題を解決
し、その製作プロセスは簡略化され、光検出部と光減衰
部の間には特開平9−64399号の受光素子の場合の
ような電気的分離部は存在しないにもかかわらず、実働
時における無効電流を1nA以下にすることが可能な半導
体導波路型受光素子の提供を目的とする。
開示されている受光素子における上記した問題を解決
し、その製作プロセスは簡略化され、光検出部と光減衰
部の間には特開平9−64399号の受光素子の場合の
ような電気的分離部は存在しないにもかかわらず、実働
時における無効電流を1nA以下にすることが可能な半導
体導波路型受光素子の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、第1下部クラッド層,第1
光吸収層および第1上部クラッド層から成る積層構造を
有する光検出部と、第2下部クラッド層,前記第1光吸
収層と光学的に結合している第2光吸収層および第2上
部クラッド層から成る積層構造の光減衰部を備え、かつ
前記光減衰部が前記光検出部と光入射面の間に配置され
ている半導体導波路型受光素子において、前記第1下部
クラッド層がn型またはp型の半導体から成り、かつ前
記第1上部クラッド層が前記第1下部クラッド層と逆導
電型の半導体から成り、また、前記第2下部クラッド層
が前記第1上部クラッド層と同じ導電型の半導体から成
り、かつ前記第2上部クラッド層が前記第1下部クラッ
ド層と同じ導電型の半導体から成り、前記第1下部クラ
ッド層と前記第2上部クラッド層、または前記第1上部
クラッド層と前記第2下部クラッド層が互いに電気的に
結合されていることを特徴とする半導体導波路型受光素
子(以下、第1の受光素子という)が提供される。
ために、本発明においては、第1下部クラッド層,第1
光吸収層および第1上部クラッド層から成る積層構造を
有する光検出部と、第2下部クラッド層,前記第1光吸
収層と光学的に結合している第2光吸収層および第2上
部クラッド層から成る積層構造の光減衰部を備え、かつ
前記光減衰部が前記光検出部と光入射面の間に配置され
ている半導体導波路型受光素子において、前記第1下部
クラッド層がn型またはp型の半導体から成り、かつ前
記第1上部クラッド層が前記第1下部クラッド層と逆導
電型の半導体から成り、また、前記第2下部クラッド層
が前記第1上部クラッド層と同じ導電型の半導体から成
り、かつ前記第2上部クラッド層が前記第1下部クラッ
ド層と同じ導電型の半導体から成り、前記第1下部クラ
ッド層と前記第2上部クラッド層、または前記第1上部
クラッド層と前記第2下部クラッド層が互いに電気的に
結合されていることを特徴とする半導体導波路型受光素
子(以下、第1の受光素子という)が提供される。
【0013】また、本発明においては、前記光検出部お
よび前記光減衰部の周辺の全部または一部が、前記互い
に電気的に結合しているクラッド層の半導体と同じ導電
型の半導体で埋め込まれている半導体導波路型受光素子
(以下、第2の受光素子という)が提供される。
よび前記光減衰部の周辺の全部または一部が、前記互い
に電気的に結合しているクラッド層の半導体と同じ導電
型の半導体で埋め込まれている半導体導波路型受光素子
(以下、第2の受光素子という)が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、第1の受光素子について図
面に則して詳細に説明する。図1は第1の受光素子例を
示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面図
である。図1において、素子の上部には、信号光の伝搬
方向に沿ってメサストライプ形状をなした導波路が形成
され、信号光は光入射面Cからこの導波路内を伝搬して
いく。そして、上記導波路は、後述する光検出部Aと、
この光検出部Aと光入射面Cとの間に配置される光減衰
部Bをもって構成されており、これら光検出部Aと光減
衰部Bは同じ基板の上に集積されている。
面に則して詳細に説明する。図1は第1の受光素子例を
示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面図
である。図1において、素子の上部には、信号光の伝搬
方向に沿ってメサストライプ形状をなした導波路が形成
され、信号光は光入射面Cからこの導波路内を伝搬して
いく。そして、上記導波路は、後述する光検出部Aと、
この光検出部Aと光入射面Cとの間に配置される光減衰
部Bをもって構成されており、これら光検出部Aと光減
衰部Bは同じ基板の上に集積されている。
【0015】まず、光検出部Aは、後述する基板8の上
に、ノンドープ(i型)半導体から成る第1光吸収層1
が、例えばn型半導体から成る第1下部クラッド層2と
その第1下部クラッド層2を構成する半導体と逆導電型
の半導体、すなわちp型半導体から成る第1上部クラッ
ド層3で挟まれた積層構造を有している。そして、第1
上部クラッド層3の上にはp型半導体から成るコンタク
ト層4が積層され、その全体は例えばSiNxから成る
絶縁膜5で被覆され、その絶縁膜5の一部が除去され、
表出したコンタクト層4の上に光検出用電極6が装荷さ
れている。
に、ノンドープ(i型)半導体から成る第1光吸収層1
が、例えばn型半導体から成る第1下部クラッド層2と
その第1下部クラッド層2を構成する半導体と逆導電型
の半導体、すなわちp型半導体から成る第1上部クラッ
ド層3で挟まれた積層構造を有している。そして、第1
上部クラッド層3の上にはp型半導体から成るコンタク
ト層4が積層され、その全体は例えばSiNxから成る
絶縁膜5で被覆され、その絶縁膜5の一部が除去され、
表出したコンタクト層4の上に光検出用電極6が装荷さ
れている。
【0016】したがって、上記した積層構造において、
第1下部クラッド層2と第1光吸収層1と第1上部クラ
ッド層3の間にはnip接合構造が形成されている。一
方、光減衰部Bは、i型半導体から成る第2光吸収層7
が、p型半導体から成り、全体の基板をも兼ねる第2下
部クラッド層8とその第2下部クラッド層8を構成する
半導体とは逆導電型の半導体、すなわちn型半導体から
成る第2上部クラッド層9で挟まれた積層構造を有して
いる。ここで、前記第2光吸収層7は、光検出部Aにお
ける第1光吸収層1と光学的に結合する、すなわち、第
2光吸収層7を伝搬する光は光検出部Aの第1光吸収層
1に入射できるように形成されている。第2上部クラッ
ド層9の上面は前記絶縁膜5で被覆され、その一部が除
去され、表出した上部クラッド層9の上に共通電極10
が装荷されている。そして第2下部クラッド層(基板)
9の裏面の全体には、前記光検出用電極6と共通電極1
0の双方の対極である光減衰用電極11が装荷されてい
る。
第1下部クラッド層2と第1光吸収層1と第1上部クラ
ッド層3の間にはnip接合構造が形成されている。一
方、光減衰部Bは、i型半導体から成る第2光吸収層7
が、p型半導体から成り、全体の基板をも兼ねる第2下
部クラッド層8とその第2下部クラッド層8を構成する
半導体とは逆導電型の半導体、すなわちn型半導体から
成る第2上部クラッド層9で挟まれた積層構造を有して
いる。ここで、前記第2光吸収層7は、光検出部Aにお
ける第1光吸収層1と光学的に結合する、すなわち、第
2光吸収層7を伝搬する光は光検出部Aの第1光吸収層
1に入射できるように形成されている。第2上部クラッ
ド層9の上面は前記絶縁膜5で被覆され、その一部が除
去され、表出した上部クラッド層9の上に共通電極10
が装荷されている。そして第2下部クラッド層(基板)
9の裏面の全体には、前記光検出用電極6と共通電極1
0の双方の対極である光減衰用電極11が装荷されてい
る。
【0017】したがって、上記した積層構造において、
第2下部クラッド層(基板)8と第2光吸収層7と第2
上部クラッド層9の間にはpin接合構造が形成されて
いる。以上の構造において重要なことは、前記第1下部
クラッド層2と第2上部クラッド層9とが電気的に結合
していることである。具体的には、第1下部クラッド層
2と第2上部クラッド層9が同じ導電型の半導体から成
る同一の層として形成されていることである。
第2下部クラッド層(基板)8と第2光吸収層7と第2
上部クラッド層9の間にはpin接合構造が形成されて
いる。以上の構造において重要なことは、前記第1下部
クラッド層2と第2上部クラッド層9とが電気的に結合
していることである。具体的には、第1下部クラッド層
2と第2上部クラッド層9が同じ導電型の半導体から成
る同一の層として形成されていることである。
【0018】したがって、図示した受光素子において
は、同一基板に光検出部Aと光減衰部Bが集積され、光
検出部Aにはnip接合構造が形成され、かつ光減衰部
Bには光検出部Aとは逆のpin接合構造が形成され、
n型半導体のクラッド層(第1株クラッド層2と第2上
部クラッド層9)が互いに電気的に接続された構造にな
っている。
は、同一基板に光検出部Aと光減衰部Bが集積され、光
検出部Aにはnip接合構造が形成され、かつ光減衰部
Bには光検出部Aとは逆のpin接合構造が形成され、
n型半導体のクラッド層(第1株クラッド層2と第2上
部クラッド層9)が互いに電気的に接続された構造にな
っている。
【0019】なお、図の場合は、光検出部Aをnip接
合構造とし、光減衰部Bをpin接合構造にしている
が、本発明の受光素子では、基板としてn型半導体を用
いることにより、光検出部Aをpin接合構造とし、光
減衰部Bをnip接合構造にしてもよい。要は、光検出
部Aと光減衰部B内に形成する半導体の接合構造を互い
に逆にすることが必要である。
合構造とし、光減衰部Bをpin接合構造にしている
が、本発明の受光素子では、基板としてn型半導体を用
いることにより、光検出部Aをpin接合構造とし、光
減衰部Bをnip接合構造にしてもよい。要は、光検出
部Aと光減衰部B内に形成する半導体の接合構造を互い
に逆にすることが必要である。
【0020】この第1の受光素子は次のようにして製造
することができる。まず、光減衰部Bにおける第2下部
クラッド層8をも兼ねるp型半導体の基板の全面に、エ
ピタキシャル成長法によりi型半導体から成る第2光吸
収層7とn型半導体から成る第2上部クラッド層9をこ
の順序で積層する。ついで、形成すべき光減衰部に相当
する箇所に例えばSiNxの絶縁膜を形成したのち、そ
の絶縁膜をマスクにして他の部分の積層構造を第2光吸
収層7が完全に除去されるまでエッチング除去する。通
常、第2下部クラッド層(基板)8の一部が除去される
程度の深さにまでエッチング除去する。
することができる。まず、光減衰部Bにおける第2下部
クラッド層8をも兼ねるp型半導体の基板の全面に、エ
ピタキシャル成長法によりi型半導体から成る第2光吸
収層7とn型半導体から成る第2上部クラッド層9をこ
の順序で積層する。ついで、形成すべき光減衰部に相当
する箇所に例えばSiNxの絶縁膜を形成したのち、そ
の絶縁膜をマスクにして他の部分の積層構造を第2光吸
収層7が完全に除去されるまでエッチング除去する。通
常、第2下部クラッド層(基板)8の一部が除去される
程度の深さにまでエッチング除去する。
【0021】前記絶縁膜を除去したのち全体の表面に、
n型半導体から成る第1下部クラッド層2,i型半導体
から成る第1光吸収層1,p型半導体から成る第1上部
クラッド層3およびp型半導体から成るコンタクト層4
をこの順序で積層することにより目的とする光検出部A
の積層構造を形成する。ついで、形成すべき光検出部に
相当する箇所に前記と同様に絶縁膜を形成したのち、他
の部分を前記した第2上部クラッド層9に到達するまで
エッチング除去する。そして、絶縁膜を除去したのち全
体にエッチング処理を行って図1で示したようなメサス
トライプ形状の導波路を形成する。
n型半導体から成る第1下部クラッド層2,i型半導体
から成る第1光吸収層1,p型半導体から成る第1上部
クラッド層3およびp型半導体から成るコンタクト層4
をこの順序で積層することにより目的とする光検出部A
の積層構造を形成する。ついで、形成すべき光検出部に
相当する箇所に前記と同様に絶縁膜を形成したのち、他
の部分を前記した第2上部クラッド層9に到達するまで
エッチング除去する。そして、絶縁膜を除去したのち全
体にエッチング処理を行って図1で示したようなメサス
トライプ形状の導波路を形成する。
【0022】ついで、電極を装荷すべき個所以外を絶縁
膜5で被覆したのち、コンタクト層4に光検出用電極
6、第2上部クラッド層9に共通電極10、基板の裏面
に光減衰用電極11をそれぞれ装荷する。そして最後に
劈開を行って光入射面Cを形成したのち、そこに例えば
SiNx薄膜を無反射膜として形成することにより本発
明の第1の受光素子が得られる。
膜5で被覆したのち、コンタクト層4に光検出用電極
6、第2上部クラッド層9に共通電極10、基板の裏面
に光減衰用電極11をそれぞれ装荷する。そして最後に
劈開を行って光入射面Cを形成したのち、そこに例えば
SiNx薄膜を無反射膜として形成することにより本発
明の第1の受光素子が得られる。
【0023】この受光素子においては、光検出部Aの第
1下部クラッド層2と光減衰部Bの第2上部クラッド層
9が、いずれもn型半導体から成り、かつ互いに電気的
に結合して導通状態になっていて、光検出部Aがnip
接合構造を有し、光減衰部Bが逆のpin接合構造にな
っている。この構造を等価回路で示すと図3のようにな
る。したがって、光検出部Aと光減衰部Bに互いに異な
る逆バイアス電圧を印加した場合であっても、その電位
差がpin(またはnip)接合構造のブレータダウン
電圧以下であれば、光減衰部Bから光検出部A(あるい
はその逆方向)に流れる電流(無効電流)はpin(ま
たはnip)接合構造の暗電流と同程度、すなわち1nA
以下になる。
1下部クラッド層2と光減衰部Bの第2上部クラッド層
9が、いずれもn型半導体から成り、かつ互いに電気的
に結合して導通状態になっていて、光検出部Aがnip
接合構造を有し、光減衰部Bが逆のpin接合構造にな
っている。この構造を等価回路で示すと図3のようにな
る。したがって、光検出部Aと光減衰部Bに互いに異な
る逆バイアス電圧を印加した場合であっても、その電位
差がpin(またはnip)接合構造のブレータダウン
電圧以下であれば、光減衰部Bから光検出部A(あるい
はその逆方向)に流れる電流(無効電流)はpin(ま
たはnip)接合構造の暗電流と同程度、すなわち1nA
以下になる。
【0024】そして、この受光素子の場合は、特開平9
−64399号公報の受光素子の場合のように光検出部
と光減衰部の間に寸法精度が厳しい電気的分離用の間隔
をエッチングによって形成することが不要になるので、
全体の製作プロセスは簡略になる。なお、上記した製造
方法に関する説明では、最初に光減衰部Bを形成したの
ち光検出部を形成する場合を示したが、その逆、すなわ
ち最初に光検出部を形成し、ついで光減衰部を形成する
態様であってもよい。
−64399号公報の受光素子の場合のように光検出部
と光減衰部の間に寸法精度が厳しい電気的分離用の間隔
をエッチングによって形成することが不要になるので、
全体の製作プロセスは簡略になる。なお、上記した製造
方法に関する説明では、最初に光減衰部Bを形成したの
ち光検出部を形成する場合を示したが、その逆、すなわ
ち最初に光検出部を形成し、ついで光減衰部を形成する
態様であってもよい。
【0025】以上説明した第1の受光素子において、光
減衰部Bとしてp−InP基板8の上に、バンドギャッ
プ波長が1.45μmのノンドープGaInAsPから
成る厚み0.1μmの第2光吸収層7、およびn−In
Pから成る厚み1μmの第1上部クラッド層9の積層構
造を形成し、また光検出部Aとしては、エッチング除去
した表面に、n−InPから成る厚み1μmの第1下部
クラッド層2,バンドギャップ波長が1.67μmのノ
ンドープGaInAsから成る厚み0.1μmの第1光
吸収層1,p−InPから成る厚み2μmの第1上部ク
ラッド層3およびp−GaInAsから成る厚み0.3
μmのコンタクト層6の積層構造を形成した。
減衰部Bとしてp−InP基板8の上に、バンドギャッ
プ波長が1.45μmのノンドープGaInAsPから
成る厚み0.1μmの第2光吸収層7、およびn−In
Pから成る厚み1μmの第1上部クラッド層9の積層構
造を形成し、また光検出部Aとしては、エッチング除去
した表面に、n−InPから成る厚み1μmの第1下部
クラッド層2,バンドギャップ波長が1.67μmのノ
ンドープGaInAsから成る厚み0.1μmの第1光
吸収層1,p−InPから成る厚み2μmの第1上部ク
ラッド層3およびp−GaInAsから成る厚み0.3
μmのコンタクト層6の積層構造を形成した。
【0026】そして、光検出部Aに3V,光減衰部Bに
10Vの逆バイアス電圧を印加したところ、計測された
無効電流は約300pAであり、良好な結果が得られた。
また、光検出部Aの抵抗は約200Ωであった。ところ
で、この第1の受光素子の場合、図2からも明らかなよ
うに、光減衰部Bの第2上部クラッド層9の厚みが厚く
なると、その後に形成される光検出部Aの第1光吸収層
1と前記第2上部クラッド層9の下に位置している第2
光吸収層7との垂直方向における位置ずれが生じてく
る。そのことは、光減衰部Bから光検出部Aの第1光吸
収層1への入射光の結合が実現しにくくなるということ
である。すなわち、受光素子としての感度低下が起こる
ようになる。
10Vの逆バイアス電圧を印加したところ、計測された
無効電流は約300pAであり、良好な結果が得られた。
また、光検出部Aの抵抗は約200Ωであった。ところ
で、この第1の受光素子の場合、図2からも明らかなよ
うに、光減衰部Bの第2上部クラッド層9の厚みが厚く
なると、その後に形成される光検出部Aの第1光吸収層
1と前記第2上部クラッド層9の下に位置している第2
光吸収層7との垂直方向における位置ずれが生じてく
る。そのことは、光減衰部Bから光検出部Aの第1光吸
収層1への入射光の結合が実現しにくくなるということ
である。すなわち、受光素子としての感度低下が起こる
ようになる。
【0027】このような問題は、素子の製造時に第2上
部クラッド層9の厚みを充分に薄くすれば解消すること
はできる。しかしながら、この第1の受光素子の場合、
共通電極10と光検出用電極6が導波路の長手方向に直
列に装荷されている関係で、光検出部Aにおける第1下
部クラッド層2の厚みも薄くなることであって、当該光
検出部Aの電気抵抗が増大することになる。例えば、光
検出部Aにおける第1下部クラッド層2の厚みを、前記
した1μmから0.1μm以下の厚みにすると、厚み1
μmのときよりも光検出部Aの抵抗値は100Ω以上増
大してしまう。また、これにより、光検出部に印加され
る電圧は、長手方向に沿って不均一になってしまうとい
う問題が生ずる。
部クラッド層9の厚みを充分に薄くすれば解消すること
はできる。しかしながら、この第1の受光素子の場合、
共通電極10と光検出用電極6が導波路の長手方向に直
列に装荷されている関係で、光検出部Aにおける第1下
部クラッド層2の厚みも薄くなることであって、当該光
検出部Aの電気抵抗が増大することになる。例えば、光
検出部Aにおける第1下部クラッド層2の厚みを、前記
した1μmから0.1μm以下の厚みにすると、厚み1
μmのときよりも光検出部Aの抵抗値は100Ω以上増
大してしまう。また、これにより、光検出部に印加され
る電圧は、長手方向に沿って不均一になってしまうとい
う問題が生ずる。
【0028】このような問題に対し、本発明では次のよ
うな第2の受光素子が提供される。第2の受光素子の1
例を図4の斜視図として示す。そして、図4のV−V線
に沿う断面図を図5,光検出部Aを図4のVI−VI線に沿
う断面図として図6に、光減衰部Bを図4のVII−VII線
に沿う断面図として図7に示す。この第2の受光素子の
場合、光検出部Aが第1下部クラッド層2と第1光吸収
層1と第1上部クラッド層3とのnip(またはpi
n)接合構造を有し(図6参照)、また光減衰部Bが第
2下部クラッド層(基板)8と第2光吸収層7と第2上
部クラッド層9とのpin(またはnip)接合構造
(図7を参照)を有しており、かつ、光検出部Aの第1
下部クラッド層2が光減衰部の第2上部クラッド層9と
電気的に結合している(図5を参照)ことは第1の受光
素子の場合と同じである。
うな第2の受光素子が提供される。第2の受光素子の1
例を図4の斜視図として示す。そして、図4のV−V線
に沿う断面図を図5,光検出部Aを図4のVI−VI線に沿
う断面図として図6に、光減衰部Bを図4のVII−VII線
に沿う断面図として図7に示す。この第2の受光素子の
場合、光検出部Aが第1下部クラッド層2と第1光吸収
層1と第1上部クラッド層3とのnip(またはpi
n)接合構造を有し(図6参照)、また光減衰部Bが第
2下部クラッド層(基板)8と第2光吸収層7と第2上
部クラッド層9とのpin(またはnip)接合構造
(図7を参照)を有しており、かつ、光検出部Aの第1
下部クラッド層2が光減衰部の第2上部クラッド層9と
電気的に結合している(図5を参照)ことは第1の受光
素子の場合と同じである。
【0029】しかしながら、第1の受光素子の場合と異
なり、光減衰部Bの第2上部クラッド層を形成する半導
体で光検出部Aと光減衰部Bの全体が埋め込まれてい
る。そして、光検出用電極と共通電極に関しては、第1
の受光素子の場合が導波路の長手方向にそれぞれ配置さ
れていたことと異なり、光検出部Aの個所においては、
光検出用電極6と平行する位置にも共通電極10が延在
して配置され、光検出用電極6の脇にも共通電極10が
位置していることである(図4を参照)。
なり、光減衰部Bの第2上部クラッド層を形成する半導
体で光検出部Aと光減衰部Bの全体が埋め込まれてい
る。そして、光検出用電極と共通電極に関しては、第1
の受光素子の場合が導波路の長手方向にそれぞれ配置さ
れていたことと異なり、光検出部Aの個所においては、
光検出用電極6と平行する位置にも共通電極10が延在
して配置され、光検出用電極6の脇にも共通電極10が
位置していることである(図4を参照)。
【0030】このような埋め込み構造にすることによ
り、仮に光検出部Aにおける第1下部クラッド層2の厚
みが薄くなって長手方向には高抵抗になったとしても、
図4で示したように、光検出部Aに平行して共通電極1
0を配置することにより低抵抗化が図られ、光検出部A
への印加電圧が不均一になることを抑制できる。この第
2の受光素子の製造に当たっては、まず、例えば第2下
部クラッド層8も兼ねる基板の上に、第2光吸収層7,
薄い第2上部クラッド層9,第1光吸収層1,第1上部
クラッド層3およびコンタクト層4を積層して光検出部
Aおよび光減衰部Bとなるpinip(またはnipi
n)接合の積層構造を形成し、形成すべき光検出部Aに
相当する箇所を除いた箇所をマスキングし、残余の積層
構造を、第2上部クラッド層9を所定の厚みだけ残置す
る状態までエッチング除去する。
り、仮に光検出部Aにおける第1下部クラッド層2の厚
みが薄くなって長手方向には高抵抗になったとしても、
図4で示したように、光検出部Aに平行して共通電極1
0を配置することにより低抵抗化が図られ、光検出部A
への印加電圧が不均一になることを抑制できる。この第
2の受光素子の製造に当たっては、まず、例えば第2下
部クラッド層8も兼ねる基板の上に、第2光吸収層7,
薄い第2上部クラッド層9,第1光吸収層1,第1上部
クラッド層3およびコンタクト層4を積層して光検出部
Aおよび光減衰部Bとなるpinip(またはnipi
n)接合の積層構造を形成し、形成すべき光検出部Aに
相当する箇所を除いた箇所をマスキングし、残余の積層
構造を、第2上部クラッド層9を所定の厚みだけ残置す
る状態までエッチング除去する。
【0031】その後、表出した第2上部クラッド層9’
の上に、第2上部クラッド層9と同じ導電型の半導体を
積層し、前記光検出部Aを埋め込んだ構造にする。そし
て、全体の上面に形成すべき導波路パターンでマスキン
グを行い、全体を第2下部クラッド層(基板)8に到達
するまで、またはそれよりも深くエッチング除去したの
ち、そのエッチング除去した個所に前記第2上部クラッ
ド層と同じ半導体を積層して導波路パターンをなして形
成されている光検出部Aと光減衰部Bを埋め込む。
の上に、第2上部クラッド層9と同じ導電型の半導体を
積層し、前記光検出部Aを埋め込んだ構造にする。そし
て、全体の上面に形成すべき導波路パターンでマスキン
グを行い、全体を第2下部クラッド層(基板)8に到達
するまで、またはそれよりも深くエッチング除去したの
ち、そのエッチング除去した個所に前記第2上部クラッ
ド層と同じ半導体を積層して導波路パターンをなして形
成されている光検出部Aと光減衰部Bを埋め込む。
【0032】そして、光検出用電極6,共通電極10、
および光減衰用電極11をそれぞれ装荷したのち劈開し
て光入射面Cを形成し、そこに無反射膜を形成すること
により図4で示した第2の受光素子が得られる。例え
ば、光減衰部Bが、p−InP基板8の上に、バンドギ
ャップ波長が1.45μmのノンドープGaInAsP
から成る厚み0.1μmの第2光吸収層7とその上に位
置するn−InPから成る第2上部クラッド層9で構成
され、また光検出部Aが、前記第2光吸収層7の上に位
置する厚み0.05μmの第1下部クラッド層2とバン
ドギャップ波長が1.67μmのノンドープGaInA
sから成る厚み0.1μmの第1光吸収層1とp−In
Pから成る厚み2μmの第1上部クラッド層3とp−G
aInAsから成る厚み0.3μmのコンタクト層4で
構成されている第2の受光素子を製造した。
および光減衰用電極11をそれぞれ装荷したのち劈開し
て光入射面Cを形成し、そこに無反射膜を形成すること
により図4で示した第2の受光素子が得られる。例え
ば、光減衰部Bが、p−InP基板8の上に、バンドギ
ャップ波長が1.45μmのノンドープGaInAsP
から成る厚み0.1μmの第2光吸収層7とその上に位
置するn−InPから成る第2上部クラッド層9で構成
され、また光検出部Aが、前記第2光吸収層7の上に位
置する厚み0.05μmの第1下部クラッド層2とバン
ドギャップ波長が1.67μmのノンドープGaInA
sから成る厚み0.1μmの第1光吸収層1とp−In
Pから成る厚み2μmの第1上部クラッド層3とp−G
aInAsから成る厚み0.3μmのコンタクト層4で
構成されている第2の受光素子を製造した。
【0033】なお、この場合、光減衰部Bにおけるn−
InPの第2上部クラッド層9では、第2光吸収層7の
直上の部分が光検出部Aにおける厚み0.05μmの第
1下部クラッド層2にもなっている。この受光素子の場
合、光検出用電極6と共通電極10に異なる逆バイアス
電圧を印加し、そのときの電位差を7Vにしたところ、
無効電流は約500pAであった。この無効電流は、前記
した第1の受光素子に比べて200pA程度増加している
が、これはp−InPの第1上部クラッド層3とn−I
nPの第2上部クラッド層9間を流れる電流が発生した
ためと考えられるが、それは1nAを超えることがないた
め実用上は何の不都合も生じない。
InPの第2上部クラッド層9では、第2光吸収層7の
直上の部分が光検出部Aにおける厚み0.05μmの第
1下部クラッド層2にもなっている。この受光素子の場
合、光検出用電極6と共通電極10に異なる逆バイアス
電圧を印加し、そのときの電位差を7Vにしたところ、
無効電流は約500pAであった。この無効電流は、前記
した第1の受光素子に比べて200pA程度増加している
が、これはp−InPの第1上部クラッド層3とn−I
nPの第2上部クラッド層9間を流れる電流が発生した
ためと考えられるが、それは1nAを超えることがないた
め実用上は何の不都合も生じない。
【0034】また、光検出部Aの抵抗は約10Ω程度で
あった。これは、図4で示したような電極の配置態様で
はなく、単に光減衰部Bと光検出部Aの長手方向に沿っ
て電極を配置したときの光検出部Aの抵抗が約200Ω
であったことを考えると、図4で示した電極の配置態様
の有用性を示している。
あった。これは、図4で示したような電極の配置態様で
はなく、単に光減衰部Bと光検出部Aの長手方向に沿っ
て電極を配置したときの光検出部Aの抵抗が約200Ω
であったことを考えると、図4で示した電極の配置態様
の有用性を示している。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
半導体導波路型受光素子は、光検出部と光減衰部をモノ
リシックに集積して成る特開平9−64399号の受光
素子に比べるとその製作プロセスが大幅に簡略化されて
おり、そのうえで、実働時における無効電流は1nA以下
になっていて、広ダイナミックレンジ特性が優れたもの
であり、光通信システムや光データリングにおいてその
有用性は顕著である。
半導体導波路型受光素子は、光検出部と光減衰部をモノ
リシックに集積して成る特開平9−64399号の受光
素子に比べるとその製作プロセスが大幅に簡略化されて
おり、そのうえで、実働時における無効電流は1nA以下
になっていて、広ダイナミックレンジ特性が優れたもの
であり、光通信システムや光データリングにおいてその
有用性は顕著である。
【図1】本発明の第1の受光素子例を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明の受光素子構造を示す等価回路図であ
る。
る。
【図4】本発明の第2の受光素子例を示す斜視図であ
る。
る。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図4のVII−VII線に沿う断面図である。
A 光検出部 B 光減衰部 C 光入射面 1 第1光吸収層 2 第1下部クラッド層(n型半導体) 3 第1上部クラッド層(p型半導体) 4 コンタクト層(p型半導体) 5 絶縁膜 6 光検出用電極 7 第2光吸収層(i型半導体) 8 第2下部クラッド層(基板、p型半導体) 9,9’ 第2上部クラッド層(n型半導体) 10 共通電極 11 光減衰用電極
Claims (2)
- 【請求項1】 第1下部クラッド層,第1光吸収層およ
び第1上部クラッド層から成る積層構造を有する光検出
部と、第2下部クラッド層,前記第1光吸収層と光学的
に結合している第2光吸収層および第2上部クラッド層
から成る積層構造の光減衰部を備え、かつ前記光減衰部
が前記光検出部と光入射面の間に配置されている半導体
導波路型受光素子において、 前記第1下部クラッド層がn型またはp型の半導体から
成り、かつ前記第1上部クラッド層が前記第1下部クラ
ッド層と逆導電型の半導体から成り、また、前記第2下
部クラッド層が前記第1上部クラッド層と同じ導電型の
半導体から成り、かつ前記第2上部クラッド層が前記第
1下部クラッド層と同じ導電型の半導体から成り、 前記第1下部クラッド層と前記第2上部クラッド層、ま
たは前記第1上部クラッド層と前記第2下部クラッド層
が互いに電気的に結合されていることを特徴とする半導
体導波路型受光素子。 - 【請求項2】 前記光検出部および前記光減衰部の周辺
の全部または一部が、前記互いに電気的に結合している
クラッド層の半導体と同じ導電型の半導体で埋め込まれ
ている請求項1の半導体導波路型受光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9262335A JPH11103088A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 半導体導波路型受光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9262335A JPH11103088A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 半導体導波路型受光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11103088A true JPH11103088A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=17374339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9262335A Pending JPH11103088A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 半導体導波路型受光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11103088A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003152216A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-23 | Anritsu Corp | 半導体受光素子 |
JP2010271667A (ja) * | 2009-05-25 | 2010-12-02 | Opnext Japan Inc | 光半導体装置、及びその製造方法 |
JP2012531038A (ja) * | 2009-06-30 | 2012-12-06 | インテル コーポレイション | 側壁光検出器 |
US9122003B2 (en) | 2012-07-18 | 2015-09-01 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Semiconductor optical device |
EP2434537A3 (en) * | 2004-05-18 | 2016-09-28 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Electrode pad on conductive semiconductor substrate |
-
1997
- 1997-09-26 JP JP9262335A patent/JPH11103088A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003152216A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-23 | Anritsu Corp | 半導体受光素子 |
EP2434537A3 (en) * | 2004-05-18 | 2016-09-28 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Electrode pad on conductive semiconductor substrate |
JP2010271667A (ja) * | 2009-05-25 | 2010-12-02 | Opnext Japan Inc | 光半導体装置、及びその製造方法 |
JP2012531038A (ja) * | 2009-06-30 | 2012-12-06 | インテル コーポレイション | 側壁光検出器 |
US9122003B2 (en) | 2012-07-18 | 2015-09-01 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Semiconductor optical device |
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