JP2004079663A - Cmp用パッド固定化剤、cmp用パッドの固定化方法および分離方法、ならびにウェハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易にCMP用パッドを定盤上に厳密、確実に固定することができ、しかもパッドの交換時にその分離(剥離)が容易なCMPパッド用固定化剤、その固定化剤を用いたCMP用パッドの固定化方法および分離方法、ならびに上記の方法によって定盤上に固定されたパッドを用いたウェハの加工方法を提供すること。
【解決手段】CMP用パッド固定化剤は液晶化合物を含有する。CMP用パッドの固定化方法は(1)上記のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、(2)該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する固定を含む。CMP用パッドの分離方法は、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする。ウェハの加工方法は、上記の方法で定盤に固定されたCMP用パッド上で該固定化剤の融点より低い温度でウェハを加工処理することを特徴とする。
【選択図】 なし。
【解決手段】CMP用パッド固定化剤は液晶化合物を含有する。CMP用パッドの固定化方法は(1)上記のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、(2)該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する固定を含む。CMP用パッドの分離方法は、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする。ウェハの加工方法は、上記の方法で定盤に固定されたCMP用パッド上で該固定化剤の融点より低い温度でウェハを加工処理することを特徴とする。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用ウェハを加工処理するときの化学機械研磨用パッド(以下、「CMP用パッド」ということがある。)を定盤に密着させて固定するために有益なパッド固定化剤、これを用いた化学機械研磨用パッドの固定化方法および分離方法、ならびに上記パッド固定化剤によって固定されたパッドを用いたウェハの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造において、例えば配線パターンが設けられたウェハの表面処理には化学機械研磨法(以下、「CMP」ということがある。)が利用されている。
この技術は、定盤上に固定されたCMP用パッド表面にウェハ表面を押しつけ、双方を回転させながら適当な研磨剤を含有するスラリーを供給しつつ、化学機械的にウェハ表面の研磨を行うものである。
このとき、CMP用パッドの定盤上への固定が不十分であると、パッドと定盤の間に、研磨時に供給される研磨用スラリーが入り込み、研磨処理に支障をきたすこととなるため、CMP用パッドは定盤上に厳密に固定されることが要求される。しかし、CMPパッドは消耗が激しい部材であり、通常500枚程度のウェハの研磨を行うごとに、新しいパッドと交換する必要がある。
【0003】
従来、定盤上へのCMP用パッドの固定には両面接着テープが使用されている。ここで両面接着テープの接着剤として使用されているものは、定盤上へ厳密な固定が可能となるような強力なものであるため、CMPパッドの交換作業が困難であり、強い力で剥離する必要があるため、ときには作業者に怪我などの危険を伴う場合もあり得る。また、パッドの剥離後に定盤上に接着剤が残存していると、次回の研磨に悪影響をおよばすため、新しいパッドの固定前に残存接着剤を完全に除去する必要があり、作業の歩留まり上問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、CMP用パッドの固定における上記のような問題を解決するものであり、その目的は、容易にCMP用パッドを定盤上に厳密、確実に固定することができ、しかもパッドの交換時にその分離(剥離)が容易なCMPパッド用固定化剤、ならびにその固定化剤を用いたCMP用パッドの固定化方法および分離方法を提供することにある。さらに本発明の別の目的は、上記の方法によって定盤上に固定されたパッドを用いたウェハの加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記課題は第一に、液晶化合物を含有することを特徴とする、CMP用パッド固定化剤により達成される。
また、本発明の上記課題は第二に、
(1)上記CMP用パッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、
(2)該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する、
ことを特徴とするCMP用パッドの固定化方法によって達成される。
さらに本発明の上記課題は上記の方法により固定されたCMP用パッドを、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする、CMP用パッドの分離方法によって達成される。
さらに本発明の上記課題は上記の方法で定盤に固定されたCMP用パッド上で、該固定化剤の融点より低い温度でウェハを加工処理することを特徴とする、ウェハの加工方法によって達成される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0006】
本発明のCMP用パッド固定化剤は、液晶化合物を単独または成分として含有することを特徴とする。
本発明に用いることができる液晶化合物は、異方性結晶から等方性結晶に移る転移点と等方的結晶から等方性液体に移る融点を有するもの、および異方性結晶から異方性液体に移る融点と異方性液体と等方性液体に移る透明点を有するものの何れも用いることができる。本発明のパッド固定化剤は、定盤とCMP用パッドを密着させ固定化させることから、室温で結晶または固体状態である液晶化合物、具体的には融点が35℃以上の液晶化合物を用いるのが好ましい。
【0007】
本発明に用いることができる液晶化合物としては、具体的には、iso−酪酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ヘキサヒドロ安息香酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、エチル−p−アゾキシベンゾエート、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムヨードダイド、2−n−トリデシルピリジニウムクロライド、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウムメチルスルホネート、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウム−p−メチルフェニルスルホネート、4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−ドデシルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−オクタノイルオキシビフェニル、p−オクチルオキシ安息香酸−4−シアノフェニルエステル等のスメクテイック液晶;
【0008】
ヘプタ−2,4−ジエン酸、オクタ−2,4−ジエン酸、ノナ−2,4−ジエン酸、デカ−2,4−ジエン酸、ウンデカ−2,4−ジエン酸、ノナ−2−エン−4−イン酸、ドコサン酸(ベヘン酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、p−n−ブチル安息香酸、p−n−アミル安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−フルオロ安息香酸、ω−n−ブチルソルビン酸、p’−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p−アゾキシアニソール、p−アゾキシフェネトール、アニシリデン−p−アミノフェニルアセテート、p−メトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、p−エトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、5−クロロ−6−n−プロピルオキシ−2−ナフトエ酸、1−ベンゼンアゾ−アニサル−4−ナフチルアミン、p−メトキシ−p’−ブチルアゾキシベンゼン、ジヘキシルオキシアゾベンゼン、
【0009】
p−ヘキシルカルボネート−p’−ヘプチルオキシフェニル安息香酸、p−アセトキシケイヒ酸、p−メトキシ−α−ケイヒ酸、フェニルペンタジエン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−ブロモケイヒ酸、p−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−エトキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−ブロモ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−プロピルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−メトキシ−2−フルオレン酸、6−メトキシ−2−ナフチル酸、6−エトキシ−2−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−クロロ−2’−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−ブロモ−2’−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−クロロ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ブロモ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸メチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸エチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−クロロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−ニトロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p,p’−ビフェニルジカルボン酸ビフェニルエステル、p,p’−テルフェニルジカルボン酸ジメチルエステル、エチレングリコールビス(o−カルボエトキシ−p−オキシフェニルエステル)、
【0010】
ビス(p−メトキシシンナミル)アセトン、ジアリリデンシクロペンタノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロペンタノン、ジアリリデンシクロヘキサノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロヘキサノン、ビス〔p−(ベンゾイルオキシ)ベンザル〕−β−メチルシクロヘキサノン、p,p’−ビス(ビフェニルカルビノール)ビフェニル、1−クロロ−1,2−ビス(p−アセトキシフェニル)エチレン、p−アセトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシベンザル−p’−シアノアニリン、p−メトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシシンナミル−p’−メチルアニリン、p−ニトロシンナミル−p’−メチルアニリン、p−メトキシフェニルペンタジエナルアニリン、
【0011】
ベンザル−p−アミノ安息香酸、p−シアノベンザル−p−アミノ安息香酸、ベンザル−p−アミノ(β−メチル)ケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルヒドロケイヒ酸、p−エトキシベンザル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸ブチルエステル、p−シアノベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メチルベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノメチルケイヒ酸メチルエステル、p−メトキシベンザル−p−α−メチルケイヒ酸プロピルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノ−α−エチルケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシシンナミル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、
【0012】
p−メトキシベンザル−p−アミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ジメチルアミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ホルミルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−アセチルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−ベンゾイルアミノビフェニル、シンナミル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−メトキシベンザルアミノフェナンスレン、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−n−ブチルオキシベンザルアミノフルオレン、p−ノニルオキシベンザルフェニルヒドラジン、ビス(p−メトキシベンザル)−(ジメチル)アジン、ビス(p−フェニルベンザル)アジン、p−メトキシフェニルペンタジエナルフェニルヒドラジン、テレフタル−ビス−(p−クロロアニリン)、テレフタル−ビス(p−アミノ安息香酸エチルエステル)、
【0013】
ビス(p−クロロベンザル)−p−フェニレンジアミン、ビス(p−メチルベンザル)−p−トルイレンジアミン、ジベンザル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(o−オキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ジシンナミルーp,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−p,p’−ジアミノジメチルビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−1,4−ジアミノナフタレン、ビス(p−メトキシ−m−メチルベンザル)−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジシンナミル−p,p’− ジアミノテルフェニル、ジベンザル−p,p’−ジアミノクオーターフェニル、p−メトキシ−p’−オキシアゾベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾベンゼン、p,p’−ジ−n−ヘキシルオキシアゾベンゼン、p−アセトキシベンゼン−p−アゾ安息香酸エチルエステル、ベンゾイル−p−オキシベンゼン−p−アゾ−α−メチルケイヒ酸アミルエステル、p,p’−アゾ安息香酸モノエチルエステル、
【0014】
1−アセトキシナフタリン−4−p−アセチルアゾベンゼン、ベンザル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−メチルアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−エトキシアゾベンゼン、シンナミル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−アゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アセチルアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−メトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−エトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、p−シンナミル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−イソプロピルベンザル)−p,p’−ジアミノアゾベンンゼン、(p−エトキシベンゼン)−p−アゾ(p−メトキシベンゾイル)−o−オキシベンザル−(p’−エトキシ)アニリン、p,p’−アゾベンザル−ビス−アニリン、ベンザル−p−アミノビフェニルアゾベンゼン、
【0015】
テレフタル−ビス(p−アミノアゾベンゼン)、p,p’−ジアセトキシアゾキシベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾキシベンゼン(アゾキシアニソール)、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸メチルエステル、p−メトキシベンゼンーp−アゾキシ安息香酸フェニルエステル、p,p’−アゾキシ安息香酸ジメチルエステル、p,p’−アゾキシチオ安息香酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシケイヒ酸ジヘプチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチルケイヒ酸ジオクチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチル−β−ブロムケイヒ酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシ−β−メチルケイヒ酸ジメチルエステル、
【0016】
ジ−p−メトキシベンゾイルジスルフイド、炭酸メチルコレステリルエステル、炭酸エチルコレステリルエステル、安息香酸―Δ5,6―コレステン−3β−01−エステル、p−メトキシ安息香酸コレステリルエステル、p−アミノ安息香酸コレステリルエステル、p−n−ヘプチル安息香酸−p’−シアノフェニルエステル、4−シアノ−4’−ペンチルジシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル−1−カルボン酸−p−シアノフェニルエステル、1−(p−シアノフェニル)−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、p−シアノ−(4−ヘプチル−2,6−ジオキサシクロヘキシル)ベンゼン、p−シアノ−(5−ペンチル−2−ピリミジル)ベンゼン、p−シアノ−〔4−(3−ペンテニル)シクロヘキシル〕ベンゼン、4−(p−シアノフェニル)−4’−ヘプチルビシクロヘキシル、p−シアノ−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−(p−シアノフェニル)−2−(4’−プロピル−4−ビシクロヘキシル)エタン、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2−シアノ−4−ペンチルフェニルエステル、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2,3−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニルエステル、
【0017】
p−(3−ペンチル−6−ピリダジニル)ペンチルオキシベンゼン、p−(1−シアノ−4−プロピルシクロヘキシル)−p’−ペンチルビフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−〔4−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル〕−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、3,4−ジフルオロ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル等のネマチック液晶;
【0018】
プロピオン酸コレステロール、安息香酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、塩化コレステロール、ギ酸コレステロール、酢酸コレステロール、ペラルゴン酸コレステロール、p−アミノケイヒ酸コレステリルエステル、安息香酸―Δ5,6;7,8−コレスタジエン−3β−01−エステル等のコレステリック液晶;
【0019】
p−n−オクチルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−クロル安息香酸、p−n−ドデシルオキシ安息香酸、5−クロロ−6−n−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−トルイジン、ミリスチン酸コレステロール、オクタン酸コレステロール、p−n−ノニルオキシ−m−フルオロ安息香酸、5−ヨード−6−n−ノニル−2−ナフトエ酸、n−ノナン酸コレステロール、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−クロロケイヒ酸、p−アミロキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸、6−n−ノニルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、6−n−ノニルオキシ−5−ニトロ−2−ナフチル酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸プロピルエステル、2−アセチル−7−n−ヘプチルオキシフルオレン、ジ−p,p’−エチル−3,6−ビフェニルピリダジン、
【0020】
ジメチル−p,p’−ジオキシテルフェニル、p,p’−ジアミノクオータフェニルキンキフェニル、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−エチルアニリン、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−プロピルアニリン、p−ヘキシルオキシベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、2−p−n−ヘキシルオキシベンザルアミノフェナンスレン、p−エトキシベンザル−p−アミノテルフェニル、ビス(p−アミノオキシベンザル)−p’−フェニレンジアミン、ビス(p−n−ブチルオキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−プロポキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−ペンチルオキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ジベンザル−p,p’−ジアミノテルフェニル、p−メトキシベンゼン−p−アゾケイヒ酸エチルエステル、p,p’−アゾケイヒ酸ジメチルエステル、
【0021】
(ベンゾイル)−p−オキシ−m−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−エトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、p,p’−ジヘキシルオキシアゾキシベンゼン、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシチオ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸(p−エチル)フェニルエステル、ビス(p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸)−m−ジオキシベンゼンエステル、4−(p−フルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−〔4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)〕エタン、4−(p−トリフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−(p−ジフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−トリフルオロメトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル−p−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニルアセチレン等の複合転移を示す液晶化合物;
【0022】
1つのべンゼン環の1,3,5位にステロイドエステル基を有する化合物等デイスコチック液晶、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等液晶性を有する高分子液晶化合物等を用いることができる。
【0023】
これら液晶化合物は単独で用いてもよく、2種類以上の液晶化合物を混合して用いてもよい。これら液晶のうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。さらに、これら液晶化合物は、溶剤に溶解した溶液状態で用いることができる。
【0024】
本発明のパッド固定化剤は、液晶化合物の融点を調整するために有機ポリマーを添加して調製することができる。添加することのできる有機ポリマーは、融点が室温以上200℃未満のものが好ましい。
具体的には、例えばポリ(無水アゼライン酸)、ポリ〔2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール−co−4−ヒドロキシ安息香酸〕、ポリ(1,4−ブタンジオール)ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1,4−ブテンアジペート−co−1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−ポリカプロラクタム)、ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co−ポリ(アルキレングリコール)テレフタレート〕、
【0025】
ポリカプロラクトンジオール、ポリカルボメチルシラン、ポリクロロプレン、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−co−ビニリデンフルオライド)、ポリ〔(o−クレシルグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド〕、ポリ〔ジメチルシロキサン−co−メチル(ステアロイルオキシアルキル)シロキサン〕、ポリエチレン、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)のナトリウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレンアジペート)のトリレン−2,4−ジイソシアネート反応物、ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン−co−1−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−カーボンモノオキシド)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−ブチレン)ジオール、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−グリシジルメタクリレート)、
【0026】
ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレン−graft−無水マレイン酸、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)のナトリウムまたはリチウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート−co−アクリル酸)、ポリエチレンモノアルコール、ポリ(エチレン−co−1−オクテン)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−block−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレン−co−トリアルコキシビニルシラン)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−co−ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、
ポリイソプレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(オキシメチレン)アセテート、
【0027】
ポリプロピレン、ポリ(1,3−プロピレンアジペート)、ポリプロピレンオキシド、ポリフェニレンオキシド、ポリ(プロピレン−co−1−ブテン)、ポリ(プロピレン−co−エチレン)、ポリ(1,3−プロピレングルタレート)、ポリ(1,3−プロピレンスクシネート)、ポリ(無水セバシン酸)、ポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(ビニリデンクロライド−co−メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−ビニルクロライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニル−N−オクタデシルカルバメート)、ポリ(ビニルトルエン−co−α−メチルスチレン)、ポリ(ビスフェノール−A−co−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン)、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等を用いることができる。
【0028】
これら有機ポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上の有機ポリマーを混合して用いてもよい。これら有機ポリマーのうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。
これら有機ポリマーの使用量は、本発明に用いる液晶化合物と有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物に対して有機ポリマーが1〜200重量%以下、好ましくは5〜150重量%以下で用いることができる。
【0029】
本発明のパッド固定化剤に使用される液晶化合物、および任意的に使用される有機ポリマーは、適当な溶剤を使用した溶液として用いてもよい。この溶液に用いることができる溶剤は、パッド固定化剤に用いる液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーが溶解するものであれば、何れの溶媒も使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノール等アルコール類、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、n−デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、デカリン、テトラリン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;
【0030】
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等ケトン類、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;
【0031】
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、ヘキサメチルホスホミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、クロロホルム、塩化メチレン等の極性溶媒が用いられる。これら溶媒は、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
【0032】
また、本発明のパッド固定化剤は、加温した溶融状態での粘度を調整するために、必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などと適宜混合して使用することができる。
さらに、本発明のウェハ固定化剤は、加温した溶融状態での粘度を調整するために、必要に応じて融点が200℃を超える有機ポリマーを添加して用いることもできる。
【0033】
融点が200℃を超える有機ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン−alt−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)、ポリ(エレン−co−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)、ポリ(イソブチレン−co−無水マレイン酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化エチレン、ナイロン−6、ナイロン−8、ナイロン−6,6、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co−(ポリアルキレングリコール)テレフタレート〕、ポリカルボメチルシラン、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリカーボネート、ポリーp−キシリレン、ポリ(ベンゼンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)、ポリ(ベンゼンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、ポリ(無水トリメリック酸クロライド−co−4,4’−メチレンジアニリン)、ポリベンズイミダゾール、ポリアセナフチレン、ポリグリコリド、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(4−ビニルフェノール−co−メチルメタクリレート)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフェニルスルホン等を挙げることができる。
これら融点が200℃を超える有機ポリマーの添加量は、本発明に用いる液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物に対して好ましくは200重量%以下、より好ましくは150重量%以下で用いることができる。
【0034】
また、本発明のパッド固定化剤の被加工体であるパッドおよび定盤に対する濡れ性および/または固定化性能を改良するため、目的とする機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。添加することの出来る非イオン系界面活性剤としては、フッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤、またはオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。前記フッ素系界面活性剤としては、例えばC9F19CONHC12H25、C8F17SO2NH−(C2H4O)6H、C9F17O(プルロニックL−35)C9F17、C9F17O(プルロニックP−84)C9F17などを挙げることができる。(ここで、プルロニックL−35:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900;プルロニックP−84:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200;テトロニック−704:旭電化工業(株)製、N,N,N’,N’−テトラキス(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)などを挙げることができる。これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることがでる。
【0035】
また、ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。これらのポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセルP−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボール55(三洋化成(株)製)などを挙げることができる。
上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0036】
本発明のCMP用パッド固定化剤は、液晶化合物単独もしくは複数の液晶化合物の混合物として、または液晶化合物と任意的に添加されるその他の添加剤の混合物としてそのままの状態で使用することができ、また上記した適当な溶媒に溶解した溶液状体で使用することができ、さらにペレット状に成形して使用することができる。
本発明のCMP用パッド固定化剤をペレット状に成形する場合には、射出成型法、鋳型成型法、キャスティング法、フィルムのカッティング法等公知の方法を用いることができる。射出成型法または鋳型成型法で成形する場合の温度は、好ましくはパッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物と有機ポリマーの融点〜融点+300℃、より好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。鋳型成型時の時間は、例えば1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。キャスティング時の溶媒の飛散温度は、用いた溶媒の沸点に依存するが、好ましくは用いた溶媒の沸点〜溶媒の沸点+200℃、好ましくは溶媒の沸点+5℃〜溶媒の沸点+150℃、さらに好ましくは溶媒の沸点+10℃〜溶媒の沸点+100℃である。
【0037】
本発明のペレットの形状は、特に限定されない。例えば円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱、円錐、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐のような多角錐、フットボール形状、立方体のような多面体等が挙げられる。これらのうち、本発明のウェハ用接着材として用いる場合は、被加工体のウェハと基体とを水平に保つために円柱や多角柱が好ましく、さらに、ペレットを作る容易さを加味すると円柱が特に好ましい。
【0038】
かくして得られた本発明のCMP用パッド固定化剤を用いて、以下のようにしてCMP用パッドを定盤上に固定することができる。
工程(1)において本発明のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、次いで工程(2)において該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する。
上記工程(1)において本発明のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめる方法は特に限定されない。通常、本発明のパッド固定化剤をCMP用パッド上および/または定盤上に散布、塗布、静置等適宜の方法で位置せしめ、次いでCMP用パッドと定盤の面を合わせることにより実現することができる。
本発明のCMP用パッド固定化剤を使用することができるCMP用パッドとしては、特に限定されるものではなく、市販されている不織布タイプ、スウエードタイプ、人工皮革、発砲タイプ、スポンジ層と貼り合わせた複合タイプのパッド等何れも用いることができる。これらの材質としては、ポリウレタン、ポリエステル樹脂、ポリアミド、ブタジエン系ゴム、EPDM等を挙げることができ、これらの材料を単独で、または2種類以上を層状もしくは不織布状にしたものが挙げられる。
【0039】
本発明のCMP用パッド固定化剤は、CMP用パッドと定盤の間に位置せしめた後、工程(2)において該固定化剤を加熱、溶融させてCMP用パッドと定盤とを固定するが、CMP用パッドおよび定盤の少なくとも一方を、CMP用パッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点以上の温度に加温した後、圧着して張り合わせるのが好ましい。この張り合わせる温度は、CMP用パッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、更に好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。張り合わせる時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、更に好ましくは5〜60分である。
【0040】
本発明のCMP用パッド固定化剤の使用量は、使用するCMP用パッドの接着面のサイズに依存し任意に選択することができるが、パッドと定盤の間に形成される固定化剤層の厚みが、0.01μm〜20mm、好ましくは0.05μm〜10mm、更に好ましくは0.1μm〜5mmとなる量を使用することが好ましい。
CMP用パッドと定盤とを張り合わせるときの圧力は、特に限定されるものではなく、引き続いて実施される化学機械研磨工程に耐えられる密着性が得られれば良く、用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーによって任意に選択することができる。
【0041】
かくして定盤上に固定されたCMP用パッドを使用して、通常の化学機械研磨工程によりウェハの加工処理を行うことができる。ここで、化学機械研磨工程は、使用した液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点より低い温度で実施することが好ましい。
なお、ここで、化学機械研磨工程は公知の方法により、適当な化学機械研磨用スラリーを用いて、適当な条件で実施することができる。
【0042】
上記のようにして定盤上に固定され、化学機械研磨工程に使用されたCMP用パッドは一定枚数のウェハの研磨を行った後には剥離して、新しいパッドと交換する必要がある。この剥離工程に際しては、CMP用パッドおよび定盤のうちの少なくとも一方を加温して剥離することが好ましい。剥離するときの加熱温度は、CMP用パッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点以上の温度、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃で、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃である。
CMP用パッドを剥離した後の定盤は、CMP用パッド固定化剤が残存した場合、溶媒で洗浄して除去することができる。ここで洗浄に使用できる溶媒は、用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーが溶解する溶媒が任意に選択されるが、具体的には、本発明のCMP用パッド固定化剤に使用することができる溶媒として例示したものと同様の溶媒を用いることができる他、水酸化カリウムのような無機アルカリ水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような有機塩基の水溶液、塩酸のような無機酸の水溶液、酢酸のような有機酸の水溶液を用いることができ、これら無機および有機化合物の水溶液は、必要に応じて適当な有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γーブチロラクトンのような水溶性有機溶媒を添加して用いることができる。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)14.8gを市販のCMP装置((株)荏原製作所製、形式「EPO112」)の定盤上に散布し、その上に裏面の両面テープを除去した直径787mm、厚み2.5mmのウレタン系パッド(ロデール・ニッタ社製、品番「IC1000」)を乗せ、該パッドに温風ヒーターにより100℃の熱風を吹き付け昇温した。該固体粉末は80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸が、パッドの自重でパッド全面に均一に広がった。その後、室温まで放冷することによりパッドが定盤上に固定された。このとき、パッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
かくして本発明の方法により定盤上に固定されたCMP用パッド上で、シリカスラリー(ジェイエスアール(株)製、品番「CMS1101」)を用いて、8インチシリコンウェハを、下記の条件にて化学機械的に研磨した。
キャリア荷重:300g/cm2
キャリア回転数:50rpm
定盤回転数:100rpm
スラリー供給量:200mL/分
研磨時間:3分
研磨温度:25℃
研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に120℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
本実施例の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができた。またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0044】
実施例2
実施例1において、ドコサン酸14.8gの代わりに1,12−ドデカンジカルボン酸14.9gを用い、1,12−ドデカンジカルボン酸を溶融するための熱風の温度を150℃にした以外は、実施例1と同様にして定盤上にCMP用パッドを固定した。このときのパッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
かくして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に150℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
実施例2の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができた。またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0045】
実施例3
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)14.8gを直径50mmの柱状加圧成型器に秤量し、200kg・cm−2の圧力を5分間かけ、直径50mm厚さ7.5mmの円柱状ペレットを得た。このペレットを市販CMP装置((株)荏原製作所製、形式「EPO112」)の定盤上に置き、その上に裏面の両面テープを除去した直径787mm、厚み2.5mmのウレタン系パッド(ロデール・ニッタ社製、品番「IC1000」)を乗せ、該パッドに温風ヒーターにより100℃の熱風を吹き付け昇温した。該ペレットは80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸がパッド全面に広がった。このときのパッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
このようにして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に120℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
本実施例の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができ、またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0046】
実施例4
実施例3において、ドコサン酸14.8gの代わりに1,12−ドデカンジカルボン酸15.0gを用い、柱状加圧成型器の直径を20mmとし、さらに1,12−ドデカンジカルボン酸を溶融するための熱風の温度を150℃にした以外は、実施例3と同様にして定盤上にパッドを固定した。このときのパッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
このようにして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に150℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
本実施例の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができ、またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0047】
比較例1
実施例1において、ドコサン酸の代わりに市販のエポキシ接着剤15.0gを用いた以外は実施例1と同様にして、定盤上にCMP用パッドを固定した。
このようにして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。
化学機械研磨終了後、CMP用パッドを定盤から剥離しようとしたが、容易には剥離することができなかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、容易にCMP用パッドを定盤上に厳密、確実に固定することができ、しかもパッドの交換時にその分離(剥離)が容易なCMPパッド用固定化剤、ならびにその固定化剤を用いたCMP用パッドの固定化方法および分離方法が提供され、さらに上記の方法によって定盤上に固定されたパッドを用いたウェハの加工方法が提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用ウェハを加工処理するときの化学機械研磨用パッド(以下、「CMP用パッド」ということがある。)を定盤に密着させて固定するために有益なパッド固定化剤、これを用いた化学機械研磨用パッドの固定化方法および分離方法、ならびに上記パッド固定化剤によって固定されたパッドを用いたウェハの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造において、例えば配線パターンが設けられたウェハの表面処理には化学機械研磨法(以下、「CMP」ということがある。)が利用されている。
この技術は、定盤上に固定されたCMP用パッド表面にウェハ表面を押しつけ、双方を回転させながら適当な研磨剤を含有するスラリーを供給しつつ、化学機械的にウェハ表面の研磨を行うものである。
このとき、CMP用パッドの定盤上への固定が不十分であると、パッドと定盤の間に、研磨時に供給される研磨用スラリーが入り込み、研磨処理に支障をきたすこととなるため、CMP用パッドは定盤上に厳密に固定されることが要求される。しかし、CMPパッドは消耗が激しい部材であり、通常500枚程度のウェハの研磨を行うごとに、新しいパッドと交換する必要がある。
【0003】
従来、定盤上へのCMP用パッドの固定には両面接着テープが使用されている。ここで両面接着テープの接着剤として使用されているものは、定盤上へ厳密な固定が可能となるような強力なものであるため、CMPパッドの交換作業が困難であり、強い力で剥離する必要があるため、ときには作業者に怪我などの危険を伴う場合もあり得る。また、パッドの剥離後に定盤上に接着剤が残存していると、次回の研磨に悪影響をおよばすため、新しいパッドの固定前に残存接着剤を完全に除去する必要があり、作業の歩留まり上問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、CMP用パッドの固定における上記のような問題を解決するものであり、その目的は、容易にCMP用パッドを定盤上に厳密、確実に固定することができ、しかもパッドの交換時にその分離(剥離)が容易なCMPパッド用固定化剤、ならびにその固定化剤を用いたCMP用パッドの固定化方法および分離方法を提供することにある。さらに本発明の別の目的は、上記の方法によって定盤上に固定されたパッドを用いたウェハの加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記課題は第一に、液晶化合物を含有することを特徴とする、CMP用パッド固定化剤により達成される。
また、本発明の上記課題は第二に、
(1)上記CMP用パッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、
(2)該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する、
ことを特徴とするCMP用パッドの固定化方法によって達成される。
さらに本発明の上記課題は上記の方法により固定されたCMP用パッドを、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする、CMP用パッドの分離方法によって達成される。
さらに本発明の上記課題は上記の方法で定盤に固定されたCMP用パッド上で、該固定化剤の融点より低い温度でウェハを加工処理することを特徴とする、ウェハの加工方法によって達成される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0006】
本発明のCMP用パッド固定化剤は、液晶化合物を単独または成分として含有することを特徴とする。
本発明に用いることができる液晶化合物は、異方性結晶から等方性結晶に移る転移点と等方的結晶から等方性液体に移る融点を有するもの、および異方性結晶から異方性液体に移る融点と異方性液体と等方性液体に移る透明点を有するものの何れも用いることができる。本発明のパッド固定化剤は、定盤とCMP用パッドを密着させ固定化させることから、室温で結晶または固体状態である液晶化合物、具体的には融点が35℃以上の液晶化合物を用いるのが好ましい。
【0007】
本発明に用いることができる液晶化合物としては、具体的には、iso−酪酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ヘキサヒドロ安息香酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、エチル−p−アゾキシベンゾエート、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムヨードダイド、2−n−トリデシルピリジニウムクロライド、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウムメチルスルホネート、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウム−p−メチルフェニルスルホネート、4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−ドデシルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−オクタノイルオキシビフェニル、p−オクチルオキシ安息香酸−4−シアノフェニルエステル等のスメクテイック液晶;
【0008】
ヘプタ−2,4−ジエン酸、オクタ−2,4−ジエン酸、ノナ−2,4−ジエン酸、デカ−2,4−ジエン酸、ウンデカ−2,4−ジエン酸、ノナ−2−エン−4−イン酸、ドコサン酸(ベヘン酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、p−n−ブチル安息香酸、p−n−アミル安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−フルオロ安息香酸、ω−n−ブチルソルビン酸、p’−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p−アゾキシアニソール、p−アゾキシフェネトール、アニシリデン−p−アミノフェニルアセテート、p−メトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、p−エトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、5−クロロ−6−n−プロピルオキシ−2−ナフトエ酸、1−ベンゼンアゾ−アニサル−4−ナフチルアミン、p−メトキシ−p’−ブチルアゾキシベンゼン、ジヘキシルオキシアゾベンゼン、
【0009】
p−ヘキシルカルボネート−p’−ヘプチルオキシフェニル安息香酸、p−アセトキシケイヒ酸、p−メトキシ−α−ケイヒ酸、フェニルペンタジエン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−ブロモケイヒ酸、p−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−エトキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−ブロモ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−プロピルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−メトキシ−2−フルオレン酸、6−メトキシ−2−ナフチル酸、6−エトキシ−2−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−クロロ−2’−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−ブロモ−2’−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−クロロ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ブロモ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸メチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸エチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−クロロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−ニトロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p,p’−ビフェニルジカルボン酸ビフェニルエステル、p,p’−テルフェニルジカルボン酸ジメチルエステル、エチレングリコールビス(o−カルボエトキシ−p−オキシフェニルエステル)、
【0010】
ビス(p−メトキシシンナミル)アセトン、ジアリリデンシクロペンタノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロペンタノン、ジアリリデンシクロヘキサノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロヘキサノン、ビス〔p−(ベンゾイルオキシ)ベンザル〕−β−メチルシクロヘキサノン、p,p’−ビス(ビフェニルカルビノール)ビフェニル、1−クロロ−1,2−ビス(p−アセトキシフェニル)エチレン、p−アセトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシベンザル−p’−シアノアニリン、p−メトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシシンナミル−p’−メチルアニリン、p−ニトロシンナミル−p’−メチルアニリン、p−メトキシフェニルペンタジエナルアニリン、
【0011】
ベンザル−p−アミノ安息香酸、p−シアノベンザル−p−アミノ安息香酸、ベンザル−p−アミノ(β−メチル)ケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルヒドロケイヒ酸、p−エトキシベンザル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸ブチルエステル、p−シアノベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メチルベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノメチルケイヒ酸メチルエステル、p−メトキシベンザル−p−α−メチルケイヒ酸プロピルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノ−α−エチルケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシシンナミル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、
【0012】
p−メトキシベンザル−p−アミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ジメチルアミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ホルミルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−アセチルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−ベンゾイルアミノビフェニル、シンナミル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−メトキシベンザルアミノフェナンスレン、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−n−ブチルオキシベンザルアミノフルオレン、p−ノニルオキシベンザルフェニルヒドラジン、ビス(p−メトキシベンザル)−(ジメチル)アジン、ビス(p−フェニルベンザル)アジン、p−メトキシフェニルペンタジエナルフェニルヒドラジン、テレフタル−ビス−(p−クロロアニリン)、テレフタル−ビス(p−アミノ安息香酸エチルエステル)、
【0013】
ビス(p−クロロベンザル)−p−フェニレンジアミン、ビス(p−メチルベンザル)−p−トルイレンジアミン、ジベンザル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(o−オキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ジシンナミルーp,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−p,p’−ジアミノジメチルビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−1,4−ジアミノナフタレン、ビス(p−メトキシ−m−メチルベンザル)−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジシンナミル−p,p’− ジアミノテルフェニル、ジベンザル−p,p’−ジアミノクオーターフェニル、p−メトキシ−p’−オキシアゾベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾベンゼン、p,p’−ジ−n−ヘキシルオキシアゾベンゼン、p−アセトキシベンゼン−p−アゾ安息香酸エチルエステル、ベンゾイル−p−オキシベンゼン−p−アゾ−α−メチルケイヒ酸アミルエステル、p,p’−アゾ安息香酸モノエチルエステル、
【0014】
1−アセトキシナフタリン−4−p−アセチルアゾベンゼン、ベンザル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−メチルアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−エトキシアゾベンゼン、シンナミル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−アゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アセチルアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−メトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−エトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、p−シンナミル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−イソプロピルベンザル)−p,p’−ジアミノアゾベンンゼン、(p−エトキシベンゼン)−p−アゾ(p−メトキシベンゾイル)−o−オキシベンザル−(p’−エトキシ)アニリン、p,p’−アゾベンザル−ビス−アニリン、ベンザル−p−アミノビフェニルアゾベンゼン、
【0015】
テレフタル−ビス(p−アミノアゾベンゼン)、p,p’−ジアセトキシアゾキシベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾキシベンゼン(アゾキシアニソール)、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸メチルエステル、p−メトキシベンゼンーp−アゾキシ安息香酸フェニルエステル、p,p’−アゾキシ安息香酸ジメチルエステル、p,p’−アゾキシチオ安息香酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシケイヒ酸ジヘプチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチルケイヒ酸ジオクチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチル−β−ブロムケイヒ酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシ−β−メチルケイヒ酸ジメチルエステル、
【0016】
ジ−p−メトキシベンゾイルジスルフイド、炭酸メチルコレステリルエステル、炭酸エチルコレステリルエステル、安息香酸―Δ5,6―コレステン−3β−01−エステル、p−メトキシ安息香酸コレステリルエステル、p−アミノ安息香酸コレステリルエステル、p−n−ヘプチル安息香酸−p’−シアノフェニルエステル、4−シアノ−4’−ペンチルジシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル−1−カルボン酸−p−シアノフェニルエステル、1−(p−シアノフェニル)−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、p−シアノ−(4−ヘプチル−2,6−ジオキサシクロヘキシル)ベンゼン、p−シアノ−(5−ペンチル−2−ピリミジル)ベンゼン、p−シアノ−〔4−(3−ペンテニル)シクロヘキシル〕ベンゼン、4−(p−シアノフェニル)−4’−ヘプチルビシクロヘキシル、p−シアノ−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−(p−シアノフェニル)−2−(4’−プロピル−4−ビシクロヘキシル)エタン、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2−シアノ−4−ペンチルフェニルエステル、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2,3−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニルエステル、
【0017】
p−(3−ペンチル−6−ピリダジニル)ペンチルオキシベンゼン、p−(1−シアノ−4−プロピルシクロヘキシル)−p’−ペンチルビフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−〔4−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル〕−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、3,4−ジフルオロ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル等のネマチック液晶;
【0018】
プロピオン酸コレステロール、安息香酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、塩化コレステロール、ギ酸コレステロール、酢酸コレステロール、ペラルゴン酸コレステロール、p−アミノケイヒ酸コレステリルエステル、安息香酸―Δ5,6;7,8−コレスタジエン−3β−01−エステル等のコレステリック液晶;
【0019】
p−n−オクチルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−クロル安息香酸、p−n−ドデシルオキシ安息香酸、5−クロロ−6−n−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−トルイジン、ミリスチン酸コレステロール、オクタン酸コレステロール、p−n−ノニルオキシ−m−フルオロ安息香酸、5−ヨード−6−n−ノニル−2−ナフトエ酸、n−ノナン酸コレステロール、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−クロロケイヒ酸、p−アミロキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸、6−n−ノニルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、6−n−ノニルオキシ−5−ニトロ−2−ナフチル酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸プロピルエステル、2−アセチル−7−n−ヘプチルオキシフルオレン、ジ−p,p’−エチル−3,6−ビフェニルピリダジン、
【0020】
ジメチル−p,p’−ジオキシテルフェニル、p,p’−ジアミノクオータフェニルキンキフェニル、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−エチルアニリン、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−プロピルアニリン、p−ヘキシルオキシベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、2−p−n−ヘキシルオキシベンザルアミノフェナンスレン、p−エトキシベンザル−p−アミノテルフェニル、ビス(p−アミノオキシベンザル)−p’−フェニレンジアミン、ビス(p−n−ブチルオキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−プロポキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−ペンチルオキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ジベンザル−p,p’−ジアミノテルフェニル、p−メトキシベンゼン−p−アゾケイヒ酸エチルエステル、p,p’−アゾケイヒ酸ジメチルエステル、
【0021】
(ベンゾイル)−p−オキシ−m−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−エトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、p,p’−ジヘキシルオキシアゾキシベンゼン、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシチオ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸(p−エチル)フェニルエステル、ビス(p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸)−m−ジオキシベンゼンエステル、4−(p−フルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−〔4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)〕エタン、4−(p−トリフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−(p−ジフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−トリフルオロメトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル−p−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニルアセチレン等の複合転移を示す液晶化合物;
【0022】
1つのべンゼン環の1,3,5位にステロイドエステル基を有する化合物等デイスコチック液晶、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等液晶性を有する高分子液晶化合物等を用いることができる。
【0023】
これら液晶化合物は単独で用いてもよく、2種類以上の液晶化合物を混合して用いてもよい。これら液晶のうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。さらに、これら液晶化合物は、溶剤に溶解した溶液状態で用いることができる。
【0024】
本発明のパッド固定化剤は、液晶化合物の融点を調整するために有機ポリマーを添加して調製することができる。添加することのできる有機ポリマーは、融点が室温以上200℃未満のものが好ましい。
具体的には、例えばポリ(無水アゼライン酸)、ポリ〔2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール−co−4−ヒドロキシ安息香酸〕、ポリ(1,4−ブタンジオール)ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1,4−ブテンアジペート−co−1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−ポリカプロラクタム)、ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co−ポリ(アルキレングリコール)テレフタレート〕、
【0025】
ポリカプロラクトンジオール、ポリカルボメチルシラン、ポリクロロプレン、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−co−ビニリデンフルオライド)、ポリ〔(o−クレシルグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド〕、ポリ〔ジメチルシロキサン−co−メチル(ステアロイルオキシアルキル)シロキサン〕、ポリエチレン、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)のナトリウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレンアジペート)のトリレン−2,4−ジイソシアネート反応物、ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン−co−1−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−カーボンモノオキシド)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−ブチレン)ジオール、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−グリシジルメタクリレート)、
【0026】
ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレン−graft−無水マレイン酸、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)のナトリウムまたはリチウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート−co−アクリル酸)、ポリエチレンモノアルコール、ポリ(エチレン−co−1−オクテン)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−block−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレン−co−トリアルコキシビニルシラン)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−co−ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、
ポリイソプレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(オキシメチレン)アセテート、
【0027】
ポリプロピレン、ポリ(1,3−プロピレンアジペート)、ポリプロピレンオキシド、ポリフェニレンオキシド、ポリ(プロピレン−co−1−ブテン)、ポリ(プロピレン−co−エチレン)、ポリ(1,3−プロピレングルタレート)、ポリ(1,3−プロピレンスクシネート)、ポリ(無水セバシン酸)、ポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(ビニリデンクロライド−co−メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−ビニルクロライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニル−N−オクタデシルカルバメート)、ポリ(ビニルトルエン−co−α−メチルスチレン)、ポリ(ビスフェノール−A−co−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン)、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等を用いることができる。
【0028】
これら有機ポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上の有機ポリマーを混合して用いてもよい。これら有機ポリマーのうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。
これら有機ポリマーの使用量は、本発明に用いる液晶化合物と有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物に対して有機ポリマーが1〜200重量%以下、好ましくは5〜150重量%以下で用いることができる。
【0029】
本発明のパッド固定化剤に使用される液晶化合物、および任意的に使用される有機ポリマーは、適当な溶剤を使用した溶液として用いてもよい。この溶液に用いることができる溶剤は、パッド固定化剤に用いる液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーが溶解するものであれば、何れの溶媒も使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノール等アルコール類、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、n−デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、デカリン、テトラリン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;
【0030】
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等ケトン類、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;
【0031】
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、ヘキサメチルホスホミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、クロロホルム、塩化メチレン等の極性溶媒が用いられる。これら溶媒は、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
【0032】
また、本発明のパッド固定化剤は、加温した溶融状態での粘度を調整するために、必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などと適宜混合して使用することができる。
さらに、本発明のウェハ固定化剤は、加温した溶融状態での粘度を調整するために、必要に応じて融点が200℃を超える有機ポリマーを添加して用いることもできる。
【0033】
融点が200℃を超える有機ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン−alt−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)、ポリ(エレン−co−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)、ポリ(イソブチレン−co−無水マレイン酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化エチレン、ナイロン−6、ナイロン−8、ナイロン−6,6、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co−(ポリアルキレングリコール)テレフタレート〕、ポリカルボメチルシラン、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリカーボネート、ポリーp−キシリレン、ポリ(ベンゼンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)、ポリ(ベンゼンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、ポリ(無水トリメリック酸クロライド−co−4,4’−メチレンジアニリン)、ポリベンズイミダゾール、ポリアセナフチレン、ポリグリコリド、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(4−ビニルフェノール−co−メチルメタクリレート)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフェニルスルホン等を挙げることができる。
これら融点が200℃を超える有機ポリマーの添加量は、本発明に用いる液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物に対して好ましくは200重量%以下、より好ましくは150重量%以下で用いることができる。
【0034】
また、本発明のパッド固定化剤の被加工体であるパッドおよび定盤に対する濡れ性および/または固定化性能を改良するため、目的とする機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。添加することの出来る非イオン系界面活性剤としては、フッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤、またはオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。前記フッ素系界面活性剤としては、例えばC9F19CONHC12H25、C8F17SO2NH−(C2H4O)6H、C9F17O(プルロニックL−35)C9F17、C9F17O(プルロニックP−84)C9F17などを挙げることができる。(ここで、プルロニックL−35:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900;プルロニックP−84:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200;テトロニック−704:旭電化工業(株)製、N,N,N’,N’−テトラキス(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)などを挙げることができる。これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることがでる。
【0035】
また、ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。これらのポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセルP−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボール55(三洋化成(株)製)などを挙げることができる。
上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0036】
本発明のCMP用パッド固定化剤は、液晶化合物単独もしくは複数の液晶化合物の混合物として、または液晶化合物と任意的に添加されるその他の添加剤の混合物としてそのままの状態で使用することができ、また上記した適当な溶媒に溶解した溶液状体で使用することができ、さらにペレット状に成形して使用することができる。
本発明のCMP用パッド固定化剤をペレット状に成形する場合には、射出成型法、鋳型成型法、キャスティング法、フィルムのカッティング法等公知の方法を用いることができる。射出成型法または鋳型成型法で成形する場合の温度は、好ましくはパッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物と有機ポリマーの融点〜融点+300℃、より好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。鋳型成型時の時間は、例えば1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。キャスティング時の溶媒の飛散温度は、用いた溶媒の沸点に依存するが、好ましくは用いた溶媒の沸点〜溶媒の沸点+200℃、好ましくは溶媒の沸点+5℃〜溶媒の沸点+150℃、さらに好ましくは溶媒の沸点+10℃〜溶媒の沸点+100℃である。
【0037】
本発明のペレットの形状は、特に限定されない。例えば円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱、円錐、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐のような多角錐、フットボール形状、立方体のような多面体等が挙げられる。これらのうち、本発明のウェハ用接着材として用いる場合は、被加工体のウェハと基体とを水平に保つために円柱や多角柱が好ましく、さらに、ペレットを作る容易さを加味すると円柱が特に好ましい。
【0038】
かくして得られた本発明のCMP用パッド固定化剤を用いて、以下のようにしてCMP用パッドを定盤上に固定することができる。
工程(1)において本発明のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、次いで工程(2)において該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する。
上記工程(1)において本発明のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめる方法は特に限定されない。通常、本発明のパッド固定化剤をCMP用パッド上および/または定盤上に散布、塗布、静置等適宜の方法で位置せしめ、次いでCMP用パッドと定盤の面を合わせることにより実現することができる。
本発明のCMP用パッド固定化剤を使用することができるCMP用パッドとしては、特に限定されるものではなく、市販されている不織布タイプ、スウエードタイプ、人工皮革、発砲タイプ、スポンジ層と貼り合わせた複合タイプのパッド等何れも用いることができる。これらの材質としては、ポリウレタン、ポリエステル樹脂、ポリアミド、ブタジエン系ゴム、EPDM等を挙げることができ、これらの材料を単独で、または2種類以上を層状もしくは不織布状にしたものが挙げられる。
【0039】
本発明のCMP用パッド固定化剤は、CMP用パッドと定盤の間に位置せしめた後、工程(2)において該固定化剤を加熱、溶融させてCMP用パッドと定盤とを固定するが、CMP用パッドおよび定盤の少なくとも一方を、CMP用パッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点以上の温度に加温した後、圧着して張り合わせるのが好ましい。この張り合わせる温度は、CMP用パッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、更に好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。張り合わせる時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、更に好ましくは5〜60分である。
【0040】
本発明のCMP用パッド固定化剤の使用量は、使用するCMP用パッドの接着面のサイズに依存し任意に選択することができるが、パッドと定盤の間に形成される固定化剤層の厚みが、0.01μm〜20mm、好ましくは0.05μm〜10mm、更に好ましくは0.1μm〜5mmとなる量を使用することが好ましい。
CMP用パッドと定盤とを張り合わせるときの圧力は、特に限定されるものではなく、引き続いて実施される化学機械研磨工程に耐えられる密着性が得られれば良く、用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーによって任意に選択することができる。
【0041】
かくして定盤上に固定されたCMP用パッドを使用して、通常の化学機械研磨工程によりウェハの加工処理を行うことができる。ここで、化学機械研磨工程は、使用した液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点より低い温度で実施することが好ましい。
なお、ここで、化学機械研磨工程は公知の方法により、適当な化学機械研磨用スラリーを用いて、適当な条件で実施することができる。
【0042】
上記のようにして定盤上に固定され、化学機械研磨工程に使用されたCMP用パッドは一定枚数のウェハの研磨を行った後には剥離して、新しいパッドと交換する必要がある。この剥離工程に際しては、CMP用パッドおよび定盤のうちの少なくとも一方を加温して剥離することが好ましい。剥離するときの加熱温度は、CMP用パッド固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点以上の温度、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃で、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃である。
CMP用パッドを剥離した後の定盤は、CMP用パッド固定化剤が残存した場合、溶媒で洗浄して除去することができる。ここで洗浄に使用できる溶媒は、用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーが溶解する溶媒が任意に選択されるが、具体的には、本発明のCMP用パッド固定化剤に使用することができる溶媒として例示したものと同様の溶媒を用いることができる他、水酸化カリウムのような無機アルカリ水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような有機塩基の水溶液、塩酸のような無機酸の水溶液、酢酸のような有機酸の水溶液を用いることができ、これら無機および有機化合物の水溶液は、必要に応じて適当な有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γーブチロラクトンのような水溶性有機溶媒を添加して用いることができる。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)14.8gを市販のCMP装置((株)荏原製作所製、形式「EPO112」)の定盤上に散布し、その上に裏面の両面テープを除去した直径787mm、厚み2.5mmのウレタン系パッド(ロデール・ニッタ社製、品番「IC1000」)を乗せ、該パッドに温風ヒーターにより100℃の熱風を吹き付け昇温した。該固体粉末は80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸が、パッドの自重でパッド全面に均一に広がった。その後、室温まで放冷することによりパッドが定盤上に固定された。このとき、パッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
かくして本発明の方法により定盤上に固定されたCMP用パッド上で、シリカスラリー(ジェイエスアール(株)製、品番「CMS1101」)を用いて、8インチシリコンウェハを、下記の条件にて化学機械的に研磨した。
キャリア荷重:300g/cm2
キャリア回転数:50rpm
定盤回転数:100rpm
スラリー供給量:200mL/分
研磨時間:3分
研磨温度:25℃
研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に120℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
本実施例の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができた。またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0044】
実施例2
実施例1において、ドコサン酸14.8gの代わりに1,12−ドデカンジカルボン酸14.9gを用い、1,12−ドデカンジカルボン酸を溶融するための熱風の温度を150℃にした以外は、実施例1と同様にして定盤上にCMP用パッドを固定した。このときのパッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
かくして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に150℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
実施例2の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができた。またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0045】
実施例3
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)14.8gを直径50mmの柱状加圧成型器に秤量し、200kg・cm−2の圧力を5分間かけ、直径50mm厚さ7.5mmの円柱状ペレットを得た。このペレットを市販CMP装置((株)荏原製作所製、形式「EPO112」)の定盤上に置き、その上に裏面の両面テープを除去した直径787mm、厚み2.5mmのウレタン系パッド(ロデール・ニッタ社製、品番「IC1000」)を乗せ、該パッドに温風ヒーターにより100℃の熱風を吹き付け昇温した。該ペレットは80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸がパッド全面に広がった。このときのパッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
このようにして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に120℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
本実施例の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができ、またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0046】
実施例4
実施例3において、ドコサン酸14.8gの代わりに1,12−ドデカンジカルボン酸15.0gを用い、柱状加圧成型器の直径を20mmとし、さらに1,12−ドデカンジカルボン酸を溶融するための熱風の温度を150℃にした以外は、実施例3と同様にして定盤上にパッドを固定した。このときのパッドと定盤の間のパッド固定化剤層の厚さは0.030mm(計算値)であった。
このようにして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。研磨終了後、CMP用パッド上に150℃の熱風を吹き付け加温した後、パッドを定盤から剥離した。次いで、洗浄溶剤としてテトラヒドロフランを用いて定盤上に付着、残存したCMP用パッド固定化剤を洗浄し除去した。
本実施例の方法で定盤上に固定されたCMP用パッドは、加熱により容易に剥離することができ、またCMP用パッドを剥離した定盤上には有機物が観察されなかった。
【0047】
比較例1
実施例1において、ドコサン酸の代わりに市販のエポキシ接着剤15.0gを用いた以外は実施例1と同様にして、定盤上にCMP用パッドを固定した。
このようにして固定されたCMP用パッド上で実施例1と同様に化学機械研磨を行った。研磨工程中、CMP用パッドは定盤から剥離することなく、固定されたままであった。
化学機械研磨終了後、CMP用パッドを定盤から剥離しようとしたが、容易には剥離することができなかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、容易にCMP用パッドを定盤上に厳密、確実に固定することができ、しかもパッドの交換時にその分離(剥離)が容易なCMPパッド用固定化剤、ならびにその固定化剤を用いたCMP用パッドの固定化方法および分離方法が提供され、さらに上記の方法によって定盤上に固定されたパッドを用いたウェハの加工方法が提供される。
Claims (6)
- 液晶化合物を含有することを特徴とする、CMP用パッド固定化剤。
- ペレット形状であることを特徴とする、請求項1に記載のCMP用パッド固定化剤。
- 液晶化合物の融点が35℃以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のパッド固定化剤。
- (1)請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッド固定化剤をCMP用パッド表面と定盤表面の間に位置せしめ、
(2)該固定化剤を加熱して溶融させて該パッドを該定盤に固定する、
ことを特徴とするCMP用パッドの固定化方法。 - 請求項4に記載の方法により固定されたCMP用パッドを、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする、CMP用パッドの分離方法。
- 請求項4に記載の方法で定盤に固定されたCMP用パッド上で該固定化剤の融点より低い温度でウェハを加工処理することを特徴とする、ウェハの加工方法。
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