JP2004115682A - 固体の固定化剤ならびに固体の固定化方法および分離方法 - Google Patents

固体の固定化剤ならびに固体の固定化方法および分離方法 Download PDF

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Nobuo Bessho
別所 信夫
Yasuaki Yokoyama
横山 泰明
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Abstract

【課題】一の固体を他の一の固体に堅固に固定し、その後容易に分離するための固体の固定化剤、ならびにその固体の固定化剤を用いる固体の固定化方法および分離方法を提供すること。
【解決手段】固定化剤は液晶化合物を含有する。
個体の固定化方法は、(1)上記の固体の固定化剤を、一の固体と他の一の固体の間に位置せしめ、(2)該固定化剤を加熱して溶融させて上記一の固体を上記他の一の固体に固定することを特徴とする。
個体の分離方法は、上記の方法により固定化された二の固体を、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする。
【選択図】     なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体の固定化剤ならびに固体の固定化方法および分離方法に関する。さらに詳しくは、一の固体を他の一の固体に堅固に固定し、その後容易に分離するための固体の固定化剤、ならびにその固体の固定化剤を用いる固体の固定化方法および分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一の固体を他の一の固体に堅固に固定した後、固体の加工等の何らかの処理を施し、その後再び二の固体を分離する必要のあることが、現代の経済的活動の場面で多く見られる。
例えば、半導体デバイス製造工程において略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された多数の領域にIC、LSI等の回路を形成し、該回路が形成された各領域を所定の切断ラインに沿ってダイシングすることにより個々の半導体素子を製造しているが、半導体素子の放熱性を良好にするために、また、携帯電話等のモバイル機器の小型化を可能にするためにも、半導体素子の厚さをできるだけ薄く形成することが望ましい。そのため、半導体ウエーハを個々の素子に分割する前に、その裏面を研削して所定の厚さに加工している。このとき、研削工程においては半導体素子は研削機の定盤などに堅固に固定されている必要があるが、研削終了後は半導体素子を研削機から分離する必要がある。しかし、薄く形成された半導体ウエーハや半導体素子は、剛性が低下して壊れやすくなっており、分離工程において破損する問題がある。
この場合、研削工程時には堅固な固定が、研削工程終了後には易分離性がそれぞれ必要であり、これらを両立する固定化方法および分離方法が要求されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、建築物などの壁面にひび割れ、空隙などが生じたときの補修工法では、注入部分またはその周辺部分から注入した樹脂類が漏れることを防ぐために、ひび割れ、空隙などの上に仮止めシ−ルをした後、樹脂を注入し、注入樹脂が硬化後、仮止めシ−ルを取り除くという方法が行われている。このとき、従来知られている接着剤を用いると、シールを除去する際に壁面を損傷する場合がある。
この場合、補修用樹脂の注入圧力に耐えうる付着強度と施工後に容易に剥離できる機能の両機能を備えた固定化方法が要求されている(例えば特許文献2参照。)。
【0004】
その他、各種材料の表面の微細加工処理、美術工芸品製作の際の木型の仮止め等、一の固体を他の一の固体に堅固に固定した後、固体の加工等の何らかの処理を施し、その後再び二の固体を分離する必要のある場合が多く見られるが、このような場面で固定の堅固性と分離の容易性を両立する固体の固定化剤ならびに固体の固定化方法および分離方法はいまだ提案されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−66911号公報
【特許文献2】
特開2002−249761号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記現状を鑑みなされたものであり、その目的は、一の固体を他の一の固体に堅固に固定し、その後容易に分離するための固体の固定化剤、ならびにその固体の固定化剤を用いる固体の固定化方法および分離方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によると本発明の上記目的は、第一に、液晶化合物を含有することを特徴とする、固体の固定化剤によって達成される。
本発明の上記課題は第二に、
(1)上記の固体の固定化剤を、一の固体と他の一の固体の間に位置せしめ、
(2)該固定化剤を加熱して溶融させて上記一の固体を上記他の一の固体に固定することを特徴とする、固体の固定化方法によって達成される。
本発明の上記課題は第三に、上記の方法により固定された二の固体を、上記固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする、固体の分離方法によって達成される。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】
本発明の固体の固定化剤は、液晶化合物を単独または成分として含有することを特徴とする。
本発明に用いることができる液晶化合物は、異方性結晶から等方性結晶に移る転移点と等方的結晶から等方性液体に移る融点を有するもの、および異方性結晶から異方性液体に移る融点と異方性液体と等方性液体に移る透明点を有するものの何れも用いることができる。本発明の固体の固定化剤は、一の固体を他の一の固体に堅固に固定した後、固体の加工等の何らかの処理を施し、その後再び二の固体を分離させる必要のある場合に用いられることから、室温で結晶または固体状態である液晶化合物、具体的には融点が35℃以上の液晶化合物を用いるのが好ましい。
【0009】
本発明に用いることができる液晶化合物としては、具体的には、iso−酪酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ヘキサヒドロ安息香酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、エチル−p−アゾキシベンゾエート、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムヨードダイド、2−n−トリデシルピリジニウムクロライド、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウムメチルスルホネート、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウム−p−メチルフェニルスルホネート、4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−ドデシルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−オクタノイルオキシビフェニル、p−オクチルオキシ安息香酸−4−シアノフェニルエステル等のスメクテイック液晶;
【0010】
ヘプタ−2,4−ジエン酸、オクタ−2,4−ジエン酸、ノナ−2,4−ジエン酸、デカ−2,4−ジエン酸、ウンデカ−2,4−ジエン酸、ノナ−2−エン−4−イン酸、ドコサン酸(ベヘン酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、p−n−ブチル安息香酸、p−n−アミル安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−フルオロ安息香酸、ω−n−ブチルソルビン酸、p’−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p−アゾキシアニソール、p−アゾキシフェネトール、アニシリデン−p−アミノフェニルアセテート、p−メトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、p−エトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、5−クロロ−6−n−プロピルオキシ−2−ナフトエ酸、1−ベンゼンアゾ−アニサル−4−ナフチルアミン、p−メトキシ−p’−ブチルアゾキシベンゼン、ジヘキシルオキシアゾベンゼン、
【0011】
p−ヘキシルカルボネート−p’−ヘプチルオキシフェニル安息香酸、p−アセトキシケイヒ酸、p−メトキシ−α−ケイヒ酸、フェニルペンタジエン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−ブロモケイヒ酸、p−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−エトキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−ブロモ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−プロピルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−メトキシ−2−フルオレン酸、6−メトキシ−2−ナフチル酸、6−エトキシ−2−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−クロロ−2’−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−ブロモ−2’−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−クロロ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ブロモ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸メチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸エチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−クロロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−ニトロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p,p’−ビフェニルジカルボン酸ビフェニルエステル、p,p’−テルフェニルジカルボン酸ジメチルエステル、エチレングリコールビス(o−カルボエトキシ−p−オキシフェニルエステル)、
【0012】
ビス(p−メトキシシンナミル)アセトン、ジアリリデンシクロペンタノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロペンタノン、ジアリリデンシクロヘキサノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロヘキサノン、ビス〔p−(ベンゾイルオキシ)ベンザル〕−β−メチルシクロヘキサノン、p,p’−ビス(ビフェニルカルビノール)ビフェニル、1−クロロ−1,2−ビス(p−アセトキシフェニル)エチレン、p−アセトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシベンザル−p’−シアノアニリン、p−メトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシシンナミル−p’−メチルアニリン、p−ニトロシンナミル−p’−メチルアニリン、p−メトキシフェニルペンタジエナルアニリン、
【0013】
ベンザル−p−アミノ安息香酸、p−シアノベンザル−p−アミノ安息香酸、ベンザル−p−アミノ(β−メチル)ケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルヒドロケイヒ酸、p−エトキシベンザル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸ブチルエステル、p−シアノベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メチルベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノメチルケイヒ酸メチルエステル、p−メトキシベンザル−p−α−メチルケイヒ酸プロピルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノ−α−エチルケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシシンナミル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、
【0014】
p−メトキシベンザル−p−アミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ジメチルアミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ホルミルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−アセチルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−ベンゾイルアミノビフェニル、シンナミル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−メトキシベンザルアミノフェナンスレン、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−n−ブチルオキシベンザルアミノフルオレン、p−ノニルオキシベンザルフェニルヒドラジン、ビス(p−メトキシベンザル)−(ジメチル)アジン、ビス(p−フェニルベンザル)アジン、p−メトキシフェニルペンタジエナルフェニルヒドラジン、テレフタル−ビス−(p−クロロアニリン)、テレフタル−ビス(p−アミノ安息香酸エチルエステル)、
【0015】
ビス(p−クロロベンザル)−p−フェニレンジアミン、ビス(p−メチルベンザル)−p−トルイレンジアミン、ジベンザル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(o−オキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ジシンナミルーp,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−p,p’−ジアミノジメチルビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−1,4−ジアミノナフタレン、ビス(p−メトキシ−m−メチルベンザル)−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジシンナミル−p,p’− ジアミノテルフェニル、ジベンザル−p,p’−ジアミノクオーターフェニル、p−メトキシ−p’−オキシアゾベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾベンゼン、p,p’−ジ−n−ヘキシルオキシアゾベンゼン、p−アセトキシベンゼン−p−アゾ安息香酸エチルエステル、ベンゾイル−p−オキシベンゼン−p−アゾ−α−メチルケイヒ酸アミルエステル、p,p’−アゾ安息香酸モノエチルエステル、
【0016】
1−アセトキシナフタリン−4−p−アセチルアゾベンゼン、ベンザル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−メチルアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−エトキシアゾベンゼン、シンナミル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−アゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アセチルアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−メトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−エトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、p−シンナミル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−イソプロピルベンザル)−p,p’−ジアミノアゾベンンゼン、(p−エトキシベンゼン)−p−アゾ(p−メトキシベンゾイル)−o−オキシベンザル−(p’−エトキシ)アニリン、p,p’−アゾベンザル−ビス−アニリン、ベンザル−p−アミノビフェニルアゾベンゼン、
【0017】
テレフタル−ビス(p−アミノアゾベンゼン)、p,p’−ジアセトキシアゾキシベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾキシベンゼン(アゾキシアニソール)、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸メチルエステル、p−メトキシベンゼンーp−アゾキシ安息香酸フェニルエステル、p,p’−アゾキシ安息香酸ジメチルエステル、p,p’−アゾキシチオ安息香酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシケイヒ酸ジヘプチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチルケイヒ酸ジオクチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチル−β−ブロムケイヒ酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシ−β−メチルケイヒ酸ジメチルエステル、
【0018】
ジ−p−メトキシベンゾイルジスルフイド、炭酸メチルコレステリルエステル、炭酸エチルコレステリルエステル、安息香酸―Δ5,6―コレステン−3β−01−エステル、p−メトキシ安息香酸コレステリルエステル、p−アミノ安息香酸コレステリルエステル、p−n−ヘプチル安息香酸−p’−シアノフェニルエステル、4−シアノ−4’−ペンチルジシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル−1−カルボン酸−p−シアノフェニルエステル、1−(p−シアノフェニル)−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、p−シアノ−(4−ヘプチル−2,6−ジオキサシクロヘキシル)ベンゼン、p−シアノ−(5−ペンチル−2−ピリミジル)ベンゼン、p−シアノ−〔4−(3−ペンテニル)シクロヘキシル〕ベンゼン、4−(p−シアノフェニル)−4’−ヘプチルビシクロヘキシル、p−シアノ−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−(p−シアノフェニル)−2−(4’−プロピル−4−ビシクロヘキシル)エタン、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2−シアノ−4−ペンチルフェニルエステル、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2,3−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニルエステル、
【0019】
p−(3−ペンチル−6−ピリダジニル)ペンチルオキシベンゼン、p−(1−シアノ−4−プロピルシクロヘキシル)−p’−ペンチルビフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−〔4−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル〕−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、3,4−ジフルオロ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル等のネマチック液晶;
【0020】
プロピオン酸コレステロール、安息香酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、塩化コレステロール、ギ酸コレステロール、酢酸コレステロール、ペラルゴン酸コレステロール、p−アミノケイヒ酸コレステリルエステル、安息香酸―Δ5,6;7,8−コレスタジエン−3β−01−エステル等のコレステリック液晶;
【0021】
p−n−オクチルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−クロル安息香酸、p−n−ドデシルオキシ安息香酸、5−クロロ−6−n−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−トルイジン、ミリスチン酸コレステロール、オクタン酸コレステロール、p−n−ノニルオキシ−m−フルオロ安息香酸、5−ヨード−6−n−ノニル−2−ナフトエ酸、n−ノナン酸コレステロール、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−クロロケイヒ酸、p−アミロキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸、6−n−ノニルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、6−n−ノニルオキシ−5−ニトロ−2−ナフチル酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸プロピルエステル、2−アセチル−7−n−ヘプチルオキシフルオレン、ジ−p,p’−エチル−3,6−ビフェニルピリダジン、
【0022】
ジメチル−p,p’−ジオキシテルフェニル、p,p’−ジアミノクオータフェニルキンキフェニル、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−エチルアニリン、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−プロピルアニリン、p−ヘキシルオキシベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、2−p−n−ヘキシルオキシベンザルアミノフェナンスレン、p−エトキシベンザル−p−アミノテルフェニル、ビス(p−アミノオキシベンザル)−p’−フェニレンジアミン、ビス(p−n−ブチルオキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−プロポキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−ペンチルオキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ジベンザル−p,p’−ジアミノテルフェニル、p−メトキシベンゼン−p−アゾケイヒ酸エチルエステル、p,p’−アゾケイヒ酸ジメチルエステル、
【0023】
(ベンゾイル)−p−オキシ−m−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−エトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、p,p’−ジヘキシルオキシアゾキシベンゼン、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシチオ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸(p−エチル)フェニルエステル、ビス(p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸)−m−ジオキシベンゼンエステル、4−(p−フルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−〔4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)〕エタン、4−(p−トリフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−(p−ジフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−トリフルオロメトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル−p−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニルアセチレン等の複合転移を示す液晶化合物;
【0024】
1つのべンゼン環の1,3,5位にステロイドエステル基を有する化合物等デイスコチック液晶、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等液晶性を有する高分子液晶化合物等を用いることができる。
【0025】
これら液晶化合物は単独で用いてもよく、2種類以上の液晶化合物を混合して用いてもよい。これら液晶のうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。さらに、これら液晶化合物は、溶剤に溶解した溶液状態で用いることができる。
【0026】
本発明の固体の固定化剤は、液晶化合物の融点を調整するために有機ポリマーを添加して調製することができる。添加することのできる有機ポリマーは、融点が室温以上200℃未満のものが好ましい。
具体的には、例えばポリ(無水アゼライン酸)、ポリ〔2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール−co−4−ヒドロキシ安息香酸〕、ポリ(1,4−ブタンジオール)ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1,4−ブテンアジペート−co−1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−ポリカプロラクタム)、ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co−ポリ(アルキレングリコール)テレフタレート〕、
【0027】
ポリカプロラクトンジオール、ポリカルボメチルシラン、ポリクロロプレン、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−co−ビニリデンフルオライド)、ポリ〔(o−クレシルグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド〕、ポリ〔ジメチルシロキサン−co−メチル(ステアロイルオキシアルキル)シロキサン〕、ポリエチレン、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)のナトリウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレンアジペート)のトリレン−2,4−ジイソシアネート反応物、ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン−co−1−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−カーボンモノオキシド)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−ブチレン)ジオール、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−グリシジルメタクリレート)、
【0028】
ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレン−graft−無水マレイン酸、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)のナトリウムまたはリチウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート−co−アクリル酸)、ポリエチレンモノアルコール、ポリ(エチレン−co−1−オクテン)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−block−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレン−co−トリアルコキシビニルシラン)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−co−ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、
ポリイソプレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(オキシメチレン)アセテート、
【0029】
ポリプロピレン、ポリ(1,3−プロピレンアジペート)、ポリプロピレンオキシド、ポリフェニレンオキシド、ポリ(プロピレン−co−1−ブテン)、ポリ(プロピレン−co−エチレン)、ポリ(1,3−プロピレングルタレート)、ポリ(1,3−プロピレンスクシネート)、ポリ(無水セバシン酸)、ポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(ビニリデンクロライド−co−メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−ビニルクロライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニル−N−オクタデシルカルバメート)、ポリ(ビニルトルエン−co−α−メチルスチレン)、ポリ(ビスフェノール−A−co−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン)、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等を用いることができる。
【0030】
これら有機ポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上の有機ポリマーを混合して用いてもよい。これら有機ポリマーのうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。
これら有機ポリマーの使用量は、本発明に用いる液晶化合物と有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物に対して有機ポリマーが1〜200重量%以下、好ましくは5〜150重量%以下で用いることができる。
【0031】
本発明の固体の固定化剤に使用される液晶化合物、および任意的に使用される有機ポリマーは、適当な溶剤を使用した溶液として用いてもよい。この溶液に用いることができる溶剤は、固体の固定化剤に用いる液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーが溶解するものであれば、何れの溶媒も使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノール等アルコール類、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、n−デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、デカリン、テトラリン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;
【0032】
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等ケトン類、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;
【0033】
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、ヘキサメチルホスホミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、クロロホルム、塩化メチレン等の極性溶媒が用いられる。これら溶媒は、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
【0034】
また、本発明の固体の固定化剤は、加温した溶融状態での粘度を調整するために、必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などと適宜混合して使用することができる。
さらに、本発明の固体の固定化剤は、加温した溶融状態での粘度を調整するために、必要に応じて融点が200℃を超える有機ポリマーを添加して用いることもできる。
【0035】
融点が200℃を超える有機ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン−alt−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)、ポリ(エレン−co−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)、ポリ(イソブチレン−co−無水マレイン酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化エチレン、ナイロン−6、ナイロン−8、ナイロン−6,6、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co−(ポリアルキレングリコール)テレフタレート〕、ポリカルボメチルシラン、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリカーボネート、ポリーp−キシリレン、ポリ(ベンゼンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)、ポリ(ベンゼンテトラカルボン酸二無水物−co−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、ポリ(無水トリメリック酸クロライド−co−4,4’−メチレンジアニリン)、ポリベンズイミダゾール、ポリアセナフチレン、ポリグリコリド、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(4−ビニルフェノール−co−メチルメタクリレート)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフェニルスルホン等を挙げることができる。
これら融点が200℃を超える有機ポリマーの添加量は、本発明に用いる液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物に対して好ましくは200重量%以下、より好ましくは150重量%以下で用いることができる。
【0036】
また、本発明の固体の固定化剤は、固定化される一の固体および他の一の固体に対する濡れ性および/または固定化性能を改良するため、目的とする機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。添加することの出来る非イオン系界面活性剤としては、フッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤、またはオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。前記フッ素系界面活性剤としては、例えばC19CONHC1225、C17SONH−(CO)H、C17O(プルロニックL−35)C17、C17O(プルロニックP−84)C17などを挙げることができる。(ここで、プルロニックL−35:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900;プルロニックP−84:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200;テトロニック−704:旭電化工業(株)製、N,N,N’,N’−テトラキス(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)などを挙げることができる。これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることがでる。
【0037】
また、ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。これらのポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセルP−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボール55(三洋化成(株)製)などを挙げることができる。
上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0038】
本発明の固体の固定化剤は、液晶化合物単独もしくは複数の液晶化合物の混合物として、または液晶化合物と任意的に添加されるその他の添加剤の混合物としてそのままの状態で使用することができ、また上記した適当な溶媒に溶解した溶液状体で使用することができ、さらにペレット状に成形して使用することができる。
本発明の固体の固定化剤をペレット状に成形する場合には、射出成型法、鋳型成型法、キャスティング法、フィルムのカッティング法等公知の方法を用いることができる。射出成型法または鋳型成型法で成形する場合の温度は、好ましくは固体の固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物と有機ポリマーの融点〜融点+300℃、より好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。鋳型成型時の時間は、例えば1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。キャスティング時の溶媒の飛散温度は、用いた溶媒の沸点に依存するが、好ましくは用いた溶媒の沸点〜溶媒の沸点+200℃、好ましくは溶媒の沸点+5℃〜溶媒の沸点+150℃、さらに好ましくは溶媒の沸点+10℃〜溶媒の沸点+100℃である。
【0039】
本発明のペレットの形状は、特に限定されない。例えば円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱、円錐、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐のような多角錐、フットボール形状、立方体のような多面体等が挙げられる。これらのうち、固定化される一の固体と他の一の固体との固定化面の間隙を水平に保つため、円柱や多角柱が好ましく、さらに、ペレットを作る容易さを加味すると円柱が特に好ましい。
【0040】
かくして得られた本発明の固体の固定化剤を用いて、以下のようにして一の固体を他の一の固体に固定することができる。
工程(1)において本発明の固体の固定化剤を、一の固体と他の一の固体の間に位置せしめ、次いで工程(2)において該固定化剤を加熱して溶融させて上記一の固体を上記他の一の固体に固定する。
上記工程(1)において本発明の固体の固定化剤を一の固体と他の一の固体の間に位置せしめる方法は特に限定されない。通常、本発明の固体の固定化剤を一の個体上および/または他の一の固体上に散布、塗布、静置等適宜の方法で位置せしめ、次いで両固体の固定化面を合わせることにより実現することができる。
本発明の固体の固定化剤を使用することができる固体の材質としては、特に限定されるものではなく、金属、ガラス、セラミクス、磁器、プラスチック、ゴム、木材、紙および布から選択される少なくとも1種から構成されるもの等何れも用いることができる。各固体は、これらの材料を単独からなるものでもよく、または2種類以上から構成されるものであってもよい。
【0041】
本発明の固体の固定化剤は、一の固体と他の一の固体の間に位置せしめた後、工程(2)において該固定化剤を加熱、溶融させて一の固体を他の一の固体に固定するが、一の固体および他の一の固体の少なくとも一方を、固体の固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点以上の温度に加温した後、圧着して張り合わせるのが好ましい。この張り合わせる温度は、固体の固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、更に好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。張り合わせる時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、更に好ましくは5〜60分である。
【0042】
本発明の固体の固定化剤の使用量は、使用する固体の接着面のサイズに依存し任意に選択することができるが、一の固体と他の一の固体の間に形成される固定化剤層の厚みが、0.01μm〜20mm、好ましくは0.05μm〜10mm、更に好ましくは0.1μm〜5mmとなる量を使用することが好ましい。
一の固体を他の一の固体に張り合わせるときの圧力は、特に限定されるものではなく、引き続いて実施されることとなる所定の加工工程乃至処理工程に耐えられる密着性が得られれば良く、用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーによって任意に選択することができる。
【0043】
かくして固定化された複数の固体は、所定の加工工程乃至処理工程に供することができる。ここで、行われる所定の加工工程乃至処理工程は、使用した液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点より低い温度で実施することが好ましい。
なお、ここで、所定の加工工程乃至処理工程は、上記の温度範囲にて行うことが好ましいことを除けば、当該分野の当業者に公知の方法により適当な条件にて実施することができる。
【0044】
上記のようにして固定され、所定の加工工程乃至処理工程に供された複数の固体は、所定の工程が終了した後には分離されることとなる。この分離工程に際しては、一の固体および他の一の固体のうちの少なくとも一方を加温して分離することが好ましい。分離するときの加熱温度は、固体の固定化剤に用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーの融点以上の温度、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃で、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃である。
分離した後の固体の固定化面に、固体の固定化剤が残存した場合、溶媒で洗浄して除去することができる。ここで洗浄に使用できる溶媒は、用いた液晶化合物または液晶化合物および有機ポリマーが溶解する溶媒が任意に選択されるが、具体的には、本発明の固体の固定化剤に使用することができる溶媒として例示したものと同様の溶媒を用いることができる他、水酸化カリウムのような無機アルカリ水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような有機塩基の水溶液、塩酸のような無機酸の水溶液、酢酸のような有機酸の水溶液を用いることができ、これら無機および有機化合物の水溶液は、必要に応じて適当な有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γーブチロラクトンのような水溶性有機溶媒を添加して用いることができる。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)0.547gを直径20mmの柱状加圧成型器に秤量し、200kg・cm−2の圧力を3分間かけ、直径20mm厚さ0.7mmの円柱状ペレットを得た。このペレットを厚み0.7mm1辺20cmの正方形ガラス基板上におき、その上に6インチシリコンウェハ(厚さ650μm)を乗せ、温風ヒータにて該ガラス基板に熱風を吹き付けガラス基板を120℃に加熱した。該ペレットは80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸が6インチウェハ全面に広がった。室温に戻した後、市販の研磨装置を用いてシリコンウェハを研磨した。研磨後、温風ヒータにより6インチシリコンウェハの研磨した側から150℃の熱風を吹き付け加温した後、ウェハをガラス基板から剥離し、シリコンウェハの固定されていた面を、洗浄溶剤として10%イソプロピルアルコールを含有する2%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて洗浄した。この6インチシリコンウェハの厚みを測定した所、研磨前の厚み650μmに対して250μmであり、面内の厚みのバラツキは±5μmで、良好に研磨された事を示した。6インチシリコンウェハの洗浄した面を反射型FT―IRで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、張り合わせに用いた接着剤は洗浄で除去されたことを示した。
【0046】
実施例2
実施例1において、6インチシリコンウェハの代わりに6インチアルミニウム基板(厚さ3mm)を、またドコサン酸0.547gの代わりに1,12−ドデカンジカルボン酸0.547gを用いたこと、更に1,12−ドデカンジカルボン酸を溶融するための温度を150℃にした以外は、実施例1と同様にしてガラス基板にアルミニウム基板を貼り合わせた後、アルミニウム基板を研磨し、その後剥離した。さらに、5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて固定されていた面を洗浄した。この6インチアルミニウム基板の厚みを測定した所、研磨前の厚み3mmに対して2.5mmであり、面内の厚みのバラツキは±0.01mmで、良好に研磨された事を示した。6インチアルミニウム基板の洗浄した面を反射型FT―IRで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、張り合わせに用いた接着剤は洗浄で除去されたことを示した。
【0047】
実施例3
実施例1において、6インチシリコンウェハの代わりに厚み25μm1片13cmの正方形のポリエチレンテレフタレート(PET)6インチ基板を用いた以外は、実施例1と同様にガラス基板にプラスチック基板を貼り合わせて研磨し、その後剥離し、洗浄した。研磨処理後の6インチプラスチック基板の厚みを測定した所、研磨前の厚み25μmに対して18μmであり、面内の厚みのバラツキは±0.5μmで、良好に研磨された事を示した。プラスチック基板の固定化されていた面を反射型FT―IRで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、張り合わせに用いた接着剤は洗浄で除去されたことを示した。
【0048】
実施例4
実施例2において、6インチアルミニウム基板の代わりに6インチシリコンウェハ(厚さ650μm)を、ガラス基板の代わりにゴム(ジェイエスアール(株)製、品番「EP01P」)を厚み2mm1辺20cmの正方形に成形したゴムシートを用いた以外は、実施例2と同様にしてゴムシートにシリコンウェハを貼り合わせた後、研磨、剥離、洗浄した。この6インチシリコンウェハの厚みを測定した所、研磨前の厚み650μmに対して400μmであり、面内の厚みのバラツキは±5μmで、良好に研磨された事を示した。6インチシリコンウェハの洗固定化されていた面を反射型FT―IRで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、張り合わせに用いた接着剤は洗浄で除去されたことを示した。
【0049】
比較例1
実施例1のドコサン酸の代わりに市販のエポキシ接着剤を用いた以外は実施例1と同様にガラス基板とシリコンウェハを貼り合わせた後、6インチシリコンウェハを表面研磨した。表面研磨した後、実施例1と同様に、ガラス基板から外そうとしたが6インチシリコンウェハが破損した。また、一部剥離した破損シリコウェハのエポキシ樹脂を接着させた面を、5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのジメチルスルホキシド溶液で洗浄後、反射型FT―IRで表面観察した所、有機物に帰属される吸収が観察され、貼り合わせに用いた接着剤が洗浄で除去しきれなかったことを示した。
【0050】
【発明の効果】
本発明によると、一の固体を他の一の固体に堅固に固定し、その後容易に分離するための固体の固定化剤、ならびにその固体の固定化剤を用いる固体の固定化方法および分離方法が提供される。本発明の方法を用いると、一の固体と他の一の固体は堅固に固定され、かつ容易に分離することができ、しかも分離後の固体の面は清浄であるので、現代の経済活動の場面で要求される様々な加工、例えば、半導体基板の極薄研削、建築物の壁面補修、各種材料表面の微細加工処理、美術工芸品製作の鋳造などの際の仮止めとして好適である。

Claims (5)

  1. 液晶化合物を含有することを特徴とする、固体の固定化剤。
  2. ペレット形状であることを特徴とする、請求項1に記載の固体の固定化剤。
  3. (1)請求項1または2に記載の固体の固定化剤を、一の固体と他の一の固体の間に位置せしめ、
    (2)該固定化剤を加熱して溶融させて上記一の固体を上記他の一の固体に固定する、
    ことを特徴とする、固体の固定化方法。
  4. 上記一の固体および他の一の固体が、それぞれ独立に金属、ガラス、セラミクス、磁器、プラスチック、ゴム、木材、紙および布から選択される少なくとも1種から構成されるものである、請求項3に記載の固体の固定化方法。
  5. 請求項3または4の方法により固定化された二の固体を、該固定化剤の融点を超える温度で分離せしめることを特徴とする、固体の分離方法。
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