JP2004273722A - ウェハ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に半導体素子(微細パターンやホール)を有するウェハの裏面を加工処理するときに、該ウェハを基体に密着させ保持し、裏面加工時に表面の素子の破壊がなく、かつ被加工体のウェハが容易に剥離でき、さらにウェハに付着した固定化剤層を容易に除去および/または洗浄ができ、被加工体のウェハに対する汚染の問題がないウェハの裏面を処理するウェハの加工方法を提供する。
【解決手段】表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用い、該化合物の融点以上の温度に加熱して基体に貼り合せた後、半導体素子を有しない裏面を研磨加工処理し、次いで、上記化合物の融点以上の温度に加熱して研磨したウェハを基体から取り外し、次いで、溶剤を用いてウェハ固定化剤を洗浄する。
【選択図】 なし
【解決手段】表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用い、該化合物の融点以上の温度に加熱して基体に貼り合せた後、半導体素子を有しない裏面を研磨加工処理し、次いで、上記化合物の融点以上の温度に加熱して研磨したウェハを基体から取り外し、次いで、溶剤を用いてウェハ固定化剤を洗浄する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に半導体素子を有するウェハの裏面を研磨加工処理するときに、液晶性を有する化合物を含有する固定化剤を用いて該ウェハの素子を有する面を基体に密着させ保持した後、該ウェハの裏面を研磨加工処理するウェハの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体用ウェハおよび/またはデバイスの搭載されたウェハは、その使用する目的に応じて種々の表面および/または裏面の表面加工が行われる。例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などの表面加工技術による表面および/または裏面の均一化表面加工は、被加工物の加工される基準面がどこにあるか設定し、かつ加工材に対して加工時に一定の平面を保持することが必要になる。その加工される基準面の設定として、ウェハの表面または裏面を、例えば硬質プレートおよび/または弾性体キャリア(バッキング材)に密着させてウェハを保持するが、加工処理時にウェハが厳密に保持されることが必要になる。
【0003】
ウェハの表面または裏面を、例えば硬質プレートおよび/または弾性体キャリア(バッキング材)、ガラスやセラミックス基板および/またはウェハなどの基体に密着させて被加工体のウェハを保持する方法として、例えば、ワックスマウンテイング法と呼ばれる方法が存在する。このワックスマウンティング法は、ワックスを接着剤に用いてウェハの裏面と高精度の表面を有する硬質プレート(例えば高精度平面のセラミックスプレート)を密着させる(ウェハの裏面基準と呼ばれる)。この方法は、硬質プレート表面の平坦精度とワックスとの厚さを管理することによって、ウェハの裏面に倣って表面の表面加工が行われる。この方法は、表面加工に用いる被加工体のウェハの表面が基本的に平坦であることが必要で、デバイス搭載過程でのウェハ処理には適さないと言われ、ベアシリコンの表面加工に広く用いられている。しかし、この表面加工で接着剤として用いるワックスは、加工処理後の洗浄が難しく汚染の問題があり、またワックス中の金属不純物が洗浄後の被加工体ウェハの表面に残存し、それがウェハまたはデバイス中に拡散(マイグレーション)する汚染の問題がある。
【0004】
シリコンウェハを含め全てのウェハ表面を何らかの加工を施す場合は、前述のCMPの場合と同様に被加工体であるウェハの加工されない面を要求されるある特定の状態に保持する必要がある。そのために種々の接着剤が開発されているが、一般的に接着剤と呼ばれる材料は加工後の被加工体であるウェハを基体から外す際に容易に剥がすことができず、ウェハが割れる問題があった。さらに、剥離したウェハ上に付着する接着剤層の除去および/または洗浄が難しく、ウェハが汚染される問題があった。特に、本発明が目的とする表面に半導体素子を有するウェハの裏面を加工処理する場合は、基体とウェハの表面を貼り合わせた後、裏面を加工処理するが、裏面を加工処理する際に表面の素子(例えばパターンやホールなど)が加工時の圧力で破壊されたり、加工処理後の剥離時に表面の素子が破壊される問題があった。特に、研磨後のウェハが薄い場合は、剥離時のウェハの破断および/または素子の破壊が問題になっていた。同様の目的で仮止め用として粘着材と呼ばれる材料も種々開発されているが、加工時に被加工体を十分に保持し、かつ容易に被加工体の剥離、さらに被加工体上に付着する接着剤層の除去および/または洗浄することができ、表面の半導体素子の破壊がなく汚染のない満足のいく材料は見出されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面に半導体素子(微細パターンやホール)を有するウェハの裏面を加工処理するときに、該ウェハを基体に密着させ保持し、裏面加工時に表面の素子の破壊がなく、かつ被加工体のウェハが容易に剥離でき、さらにウェハに付着した固定化剤層を容易に除去および/または洗浄ができ、被加工体のウェハに対する汚染の問題がないウェハの裏面を処理するウェハの加工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用いて基体に貼り合せた後、半導体素子を有しない裏面を加工処理するウェハ加工方法に関する。
本発明のウェハ加工方法では、表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用いて基体に貼り合せる際、ウェハ固定化剤として用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度に該ウェハ固定化剤を加熱することが好ましい。
また、本発明のウェハ加工方法では、次いで、ウェハ固定化剤として用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度に加温してウェハを基体から外すことが好ましい。
さらに、本発明のウェハ加工方法では、次いで、基体から外されたウェハをウェハ固定化剤の溶剤で洗浄することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、表面に半導体素子を有するウェハの表面と基体とを液晶性を有する化合物からなるウェハ固定化剤を用いて貼り合わせることを特徴とする。
本発明に用いることができる液晶性を有する化合物は、異方性結晶から等方性結晶に移る転移点と等方的結晶から等方性液体に移る融点を有するもの、および異方性結晶から異方性液体に移る融点と異方性液体と等方性液体に移る透明点を有するものの何れも用いることができる。本発明のウェハ固定化剤は、基体と被加工体のウェハとを密着させることから、基体および/またはウェハ上に塗布し貼り合わせた後の状態が、室温で結晶または固体状態である液晶性を有する化合物、具体的には融点が35℃以上の液晶性を有する化合物を用いるのが好ましい。
【0008】
本発明に用いることができる液晶性を有する化合物としては、具体的には、iso−酪酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ヘキサヒドロ安息香酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、エチル−p−アゾキシベンゾエート、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムヨードダイド、2−n−トリデシルピリジニウムクロライド、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウムメチルスルホネート、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウム−p−メチルフェニルスルホネート、4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル、4−シアノ−4’―ドデシルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−オクタノイルオキシビフェニル、p−オクチルオキシ安息香酸−4−シアノフェニルエステル、
【0009】
ヘプタ−2,4−ジエン酸、オクタ−2,4−ジエン酸、ノナ−2,4−ジエン酸、デカ−2,4−ジエン酸、ウンデカ−2,4−ジエン酸、ノナ−2−エン−4−イン酸、パルミチック酸、ドコサン(ベヘン)酸、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸ジヒドラジド、p−n−ブチル安息香酸、p−n−アミル安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−フルオロ安息香酸、ω−n−ブチルソルビン酸、p’−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p−アゾキシアニソール、p−アゾキシフェネトール、アニシリデン−p−アミノフェニルアセテート、p−メトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、p−エトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、5−クロロ−6−n−プロピルオキシ−2−ナフトエ酸、1−ベンゼンアゾ−アニサル−4−ナフチルアミン、p−メトキシ−p’−ブチルアゾキシベンゼン、ジヘキシルオキシアゾベンゼン、p−ヘキシルカルボネート−p’−ヘプチルオキシフェニル安息香酸、p−アセトキシケイヒ酸、p−メトキシ−α−ケイヒ酸、フェニルペンタジエン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−ブロモケイヒ酸、p−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−エトキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m−ブロモ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−プロピルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−メトキシ−2−フルオレン酸、6−メトキシ−2−ナフチル酸、6−エトキシ−2−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−クロロ−2’−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−ブロモ−2’−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−クロロ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ブロモ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸メチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸エチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−クロロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−ニトロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p,p’−ビフェニルジカルボン酸ビフェニルエステル、p,p’−テルフェニルジカルボン酸ジメチルエステル、エチレングリコールビス(o−カルボエトキシ−p−オキシフェニルエステル)、ビス(p−メトキシシンナミル)アセトン、ジアリリデンシクロペンタノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロペンタノン、ジアリリデンシクロヘキサノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロヘキサノン、ビス〔p−(ベンゾイルオキシ)ベンザル〕−β−メチルシクロヘキサノン、p,p’−ビス(ビフェニルカルビノール)ビフェニル、1−クロロ−1,2−ビス(p−アセトキシフェニル)エチレン、p−アセトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシベンザル−p’−シアノアニリン、p−メトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシシンナミル−p’−メチルアニリン、p−ニトロシンナミル−p’−メチルアニリン、p−メトキシフェニルペンタジエナルアニリン、ベンザル−p−アミノ安息香酸p−シアノベンザル−p−アミノ安息香酸、ベンザル−p−アミノ(β−メチル)ケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルヒドロケイヒ酸、p−エトキシベンザル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸ブチルエステル、p−シアノベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メチルベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノメチルケイヒ酸メチルエステル、p−メトキシベンザル−p−α−メチルケイヒ酸プロピルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノ−α−エチルケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシシンナミル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ジメチルアミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ホルミルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−アセチルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−ベンゾイルアミノビフェニル、シンナミル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−メトキシベンザルアミノフェナンスレン、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−n−ブチルオキシベンザルアミノフルオレン、p−ノニルオキシベンザルフェニルヒドラジン、ビス(p−メトキシベンザル)−(ジメチル)アジン、ビス(p−フェニルベンザル)アジン、p−メトキシフェニルペンタジエナルフェニルヒドラジン、テレフタル−ビス−(p−クロロアニリン)、テレフタル−ビス(p−アミノ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−クロロベンザル)−p−フェニレンジアミン、ビス(p−メチルベンザル)−p−トルイレンジアミン、ジベンザル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(o−オキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ジシンナミル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−p,p’−ジアミノジメチルビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−1,4−ジアミノナフタレン、ビス(p−メトキシ−m−メチルベンザル)−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジシンナミル−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジベンザル−p,p’−ジアミノクオーターフェニル、p−メトキシ−p’−オキシアゾベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾベンゼン、p,p’−ジ−n−ヘキシルオキシアゾベンゼン、p−アセトキシベンゼン−p−アゾ安息香酸エチルエステル、ベンゾイル−p−オキシベンゼン−p−アゾ−α−メチルケイヒ酸アミルエステル、p,p’−アゾ安息香酸モノエチルエステル、1−アセトキシナフタリン−4−p−アセチルアゾベンゼン、ベンザル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−メチルアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−エトキシアゾベンゼン、シンナミル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−アゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アセチルアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−メトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−エトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、p−シンナミル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−イソプロピルベンザル)−p,p’−ジアミノアゾベンンゼン、(p−エトキシベンゼン)−p−アゾ(p−メトキシベンゾイル)−o−オキシベンザル−(p’−エトキシ)アニリン、p,p’−アゾベンザル−ビス−アニリン、ベンザル−p−アミノビフェニルアゾベンゼン、テレフタル−ビス(p−アミノアゾベンゼン)、p,p’−ジアセトキシアゾキシベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾキシベンゼン(アゾキシアニソール)、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸メチルエステル、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸フェニルエステル、p,p’−アゾキシ安息香酸ジメチルエステル、p,p’−アゾキシチオ安息香酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシケイヒ酸ジヘプチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチルケイヒ酸ジオクチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチル−β−ブロムケイヒ酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシ−β−メチルケイヒ酸ジメチルエステル、ジ−p−メトキシベンゾイルジスルフイド、炭酸メチルコレステリルエステル、炭酸エチルコレステリルエステル、安息香酸−Δ5,6−コレステン−3β−01−エステル、p−メトキシ安息香酸コレステリルエステル、p−アミノ安息香酸コレステリルエステル、p−n−ヘプチル安息香酸p’−シアノフェニルエステル、4−シアノ−4’−ペンチルジシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル−1−カルボン酸−p−シアノフェニルエステル、1−(p−シアノフェニル)−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、p−シアノ−(4−ヘプチル−2,6−ジオキサシクロヘキシル)ベンゼン、p−シアノ−(5−ペンチル−2−ピリミジル)ベンゼン、p−シアノ−〔4−(3−ペンテニル)シクロヘキシル〕ベンゼン、4−(p−シアノフェニル)−4’−ヘプチルビシクロヘキシル、p−シアノ−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−(p−シアノフェニル)−2−(4’−プロピル−4−ビシクロヘキシル)エタン、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2−シアノ−4−ペンチルフェニルエステル、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2,3−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニルエステル、p−(3−ペンチル−6−ピリダジニル)ペンチルオキシベンゼン、p−(1−シアノ−4−プロピルシクロヘキシル)−p’−ペンチルビフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−〔4−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル〕−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、3,4−ジフルオロ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、
【0010】
プロピオン酸コレステロール、安息香酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、塩化コレステロール、ギ酸コレステロール、酢酸コレステロール、ペラルゴン酸コレステロール、p−アミノケイヒ酸コレステリルエステル、安息香酸−Δ5,6;7,8−コレスタジエン−3β−01−エステル、
【0011】
p−n−オクチルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−クロル安息香酸、p−n−ドデシルオキシ安息香酸、5−クロロ−6−n−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸、p−n―ノニルオキシベンザル−p’−トルイジン、ミリスチン酸コレステロール、オクタン酸コレステロール、p−n−ノニルオキシ−m−フルオロ安息香酸、5−ヨード−6−n―ノニル−2−ナフトエ酸、n−ノナン酸コレステロール、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−クロロケイヒ酸、p−アミロキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸、6−n−ノニルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、6−n−ノニルオキシ−5−ニトロ−2−ナフチル酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸プロピルエステル、2−アセチル−7−n−ヘプチルオキシフルオレン、ジ−p,p’−エチル−3,6−ビフェニルピリダジン、ジメチル−p、p’−ジオキシテルフェニル、p,p’−ジアミノクオータフェニルキンキフェニル、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−エチルアニリン、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−プロピルアニリン、p−ヘキシルオキシベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、2−p−n−ヘキシルオキシベンザルアミノフェナンスレン、p−エトキシベンザル−p−アミノテルフェニル、ビス(p−アミノオキシベンザル)−p’−フェニレンジアミン、ビス(p−n−ブチルオキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−プロポキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−ペンチルオキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ジベンザル−p,p’−ジアミノテルフェニル、p−メトキシベンゼン−p−アゾケイヒ酸エチルエステル、p,p’−アゾケイヒ酸ジメチルエステル、(ベンゾイル)−p−オキシ−m−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−エトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、p,p’−ジヘキシルオキシアゾキシベンゼン、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシチオ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸(p−エチル)フェニルエステル、ビス(p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸)−m−ジオキシベンゼンエステル、4−(p−フルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−〔4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)〕エタン、4−(p−トリフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−(p−ジフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−トリフルオロメトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル−p−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニルアセチレン、
【0012】
1つのべンゼン環の1,3,5位にステロイドエステル基を有する化合物などのデイスコチック液晶、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの液晶性を有する高分子液晶化合物などを用いることができる。
【0013】
これら液晶性を有する化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上の液晶性を有する化合物を混合して用いてもよい。これら液晶性を有する化合物のうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。さらに、これら液晶性を有する化合物は、溶剤に溶解した溶液状態で用いることができる。
【0014】
本発明のウェハ固定化剤は、上記の液晶性を有する化合物をそのまま用いてもよいが、液晶性を有する化合物と溶剤とからなる溶液として用いることができる。
このウェハ固定化剤に用いることができる溶剤は、用いる液晶性を有する化合物が溶解するものであれば、何れの溶剤も使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノールなどのアルコール類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸などのカルボン酸類、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、n−デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、デカリン、テトラリン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、ヘキサメチルホスホミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、クロロホルム、塩化メチレンなどの極性溶剤、乳酸などの水溶性有機溶剤の水溶液が用いられる。
これら溶剤は、単独でも2種類以上を混合して用いても良い。
【0015】
本発明の、ウェハ固定化剤は、粘度を調整するために必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などと適宜混合して使用することができる。
【0016】
また、本発明のウェハ固定化剤は、粘度を調整するために、必要に応じて有機ポリマー、例えばポリ(無水アゼライン酸)、ポリ〔2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール−co―4−ヒドロキシ安息香酸〕、ポリ(1,4−ブタンジオール)ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1,4−ブテンアジペート−co−1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−ポリカプロラクタム)、ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co―ポリ(アルキレングリコール)テレフタレート〕、ポリカプロラクトンジオール、ポリカルボメチルシラン、ポリクロロプレン、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−co−ビニリデンフルオライド)、ポリ〔(o−クレシルグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド〕、ポリ〔ジメチルシロキサン−co−メチル(ステアロイルオキシアルキル)シロキサン〕、ポリエチレン、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)のナトリウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレンアジペート)のトリレン−2,4−ジイソシアネート反応物、ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン−co−1−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−カーボンモノオキシド)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−ブチレン)ジオール、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−グリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレン−graft−無水マレイン酸、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)のナトリウムまたはリチウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート−co−アクリル酸)、ポリエチレンモノアルコール、ポリ(エチレン−co−1−オクテン)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−block−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレン−co−トリアルコキシビニルシラン)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−co―ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、ポリイソプレン、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(オキシメチレン)アセテート、ポリプロピレン、ポリ(1,3−プロピレンアジペート)、ポリ(プロピレン−co−1−ブテン)、ポリ(プロピレン−co−エチレン)、ポリ(1,3−プロピレングルタレート)、ポリ(1,3−プロピレンスクシネート)、ポリ(無水セバシン酸)、ポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−ビニルクロライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニル−N−オクタデシルカルバメート)、ポリ(ビニルトルエン−co−α−メチルスチレン)などを添加して用いてもよい。これら有機ポリマーの添加量は、本発明に用いる液晶性を有する化合物の融点に依存するが、液晶性を有する化合物に対して200重量%以下、好ましくは150重量%以下で用いることができる。
【0017】
また、ウェハ固定化剤の被加工体であるウェハまたは/および基体に対する濡れ性を改良したり、塗布性および/または塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止するため、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。添加することのできる非イオン系界面活性剤としては、フッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤、またはオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。上記フッ素系界面活性剤としては、C9F19CONHC12H25、C8F17SO2NH−(C2H4O)6H、C9F17O(プルロニックL−35)C9F17、C9F17O(プルロニックP−84)C9F17などを挙げることができる。(ここで、プルロニックL−35:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900;プルロニックP−84:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200;テトロニック−704:旭電化工業(株)製、N,N,N′,N′−テトラキス(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)、平均分子量5,000)などを挙げることができる。これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることがでる。また、ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。これらのポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセルP−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボール55(三洋化成(株)製)などを挙げることができる。上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0018】
かくして得られたウェハ固定化剤は、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの支持体である基体に塗布するが、塗布方法は特に限定されず、刷毛塗り、スピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、インクジェット、印刷法などを用いることができる。塗布は1回で、または複数回、重ね塗りすることもできる。塗布し溶剤を飛散した後の好適な固定化剤層の厚みは、塗布方法、仮止め剤中の液晶性を有する化合物の濃度に依存して適宜変動するが、固定化剤層の厚みは0.001〜100μmが好ましく、0.005〜10μmであるのがさらに好ましい。
【0019】
本発明のウェハ固定化剤は、被加工体であるウェハまたは/および基体に塗布した後、用いた溶剤を飛散させるが、室温で放置して溶剤を飛散させてもよく、加熱して溶剤を飛散させてもよい。加熱して溶剤を飛散させる場合は、固定化剤組成物に用いた液晶性を有する化合物の融点以上〜融点+200℃以下の温度で、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃以下の温度、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃以下の温度で溶剤を飛散するのがよい。
【0020】
さらに、本発明のウェハ固定化剤は、ペレット状で用いることもできる。このウェハ固定化用ペレットは、射出成型法、鋳型成型法、キャスティング法、フィルムのカッテイング法などの公知の方法を用いて製造することができる。射出成型法または鋳型成型法で製造する場合の温度は、ウェハ接着用ペレットに用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。鋳型成型時の時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。キャスティング時の溶剤の飛散温度は、用いた溶剤の沸点に依存するが、用いた溶剤の沸点〜溶剤の沸点+200℃、好ましくは溶剤の沸点+5℃〜溶剤の沸点+150℃、さらに好ましくは溶剤の沸点+10℃〜溶剤の沸点+100℃である。
【0021】
本発明のペレット形状のウェハ固定化剤の形状は、特に限定されるものではないが、例えば円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱、円錐、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐のような多角錐、フットボール形状、立方体のような多面体などが挙げられる。これらのうち、本発明のウェハ用固定化剤として用いる場合は、被加工体のウェハと基体とを水平に保つために円柱や多角柱が好ましく、さらに、ペレットを作る容易さを加味すると円柱が特に好ましい。
【0022】
かくして得られたウェハ固定化用ペレットは、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの支持体である基体上にセットするが、セットする方法は特に限定されるものではない。
【0023】
本発明の固定化用ペレットは、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの基体にセットした後、被加工体であるウェハとウェハの基体とを圧着して貼り合わせるが、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの基体の少なくとも一方を固定化剤用ペレットに用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点以上の温度に加温した状態で貼り合わせるのが好ましい。この貼り合わせる温度は、ウェハ固定化剤用ペレットに用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。貼り合わせる時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。
【0024】
本発明に用いるウェハ固定化用ペレットの重量およびサイズは、被加工体の加工面および/または接着面のサイズに依存し、任意に選択するが、被加工体であるウェハとウェハの支持体である基体間に形成される固定化剤層の厚みが、0.01μm〜20mm、好ましくは0.05μm〜10mm、さらに好ましくは0.1μm〜5mmである。
【0025】
被加工体であるウェハとウェハの基体とを貼り合わせるときの圧力は、特に限定されるものではなく、被加工体のウェハを加工処理するのに耐えられる密着性が得られればよく、用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーによって任意に選択することができる。
【0026】
ウェハを支持する基体に貼り合わされた被加工体ウェハは、そのウェハの使用目的に応じて特定の加工処理、例えば研磨加工処理が施される。場合によっては、ウェハの基体に貼り合わされたウェハは、そのまま場所を移す(ウェハの搬送という)ために用いることもできる。何れの場合もその使用目的の処理が施された後、ウェハと基体とを剥離するが、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの基体の少なくとも一方を加温して剥離する。ウェハと基体を剥離するときの温度は、用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃で、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃である。
ここで、研磨加工処理とは、機械的研磨作用と化学的研磨作用の相乗性を利用した、いわゆるCMP法(Chemical Mechanical Polishing)である。
【0027】
研磨加工処理した後に剥離した被加工体のウェハは、ウェハに付着し残存したウェハ固定化剤を溶剤で洗浄するが、ウェハ固定化剤に接する表面が半導体素子を有するために素子の中に入ったウェハ固定化剤を十分に洗い落とすことが要求される。この洗浄に用いる溶剤は、用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーが溶解する溶剤が任意に選択される。具体的には、本発明の液晶性を有する化合物または固定化剤および固定化用ペレットを製造するために用いる溶剤と同じ溶剤を用いることができる。また、洗浄溶剤として水酸化カリウムのような無機アルカリの水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような有機塩基の水溶液、塩酸やフッ酸のような無機酸の水溶液、酢酸、酪酸、乳酸のような有機酸の水溶液を用いることができ、これら無機および有機化合物の水溶液は、有機溶剤、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフランのような水溶性有機溶剤を添加して用いることもできる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)(融点=74〜80℃)0.547gを、STI工程を経て得られる幅250μm、溝深さ0.8μmの溝がピッチ500μmで形成されたシリコン基板上に、積層膜厚2μm、かつ0.9μmでTEOS(トリエトキシシラン)膜が形成された6インチシリコンウェハ(SKW社製)全面に均一に塗布した後、120℃に加熱し、市販CMP装置の硬質プレート上に貼り付け、定盤上のパッドに200g/cm2の圧力で圧着して貼り合わせた。次に、パッド上に市販の研磨材溶液を塗布しながら硬質プレートに貼り付けた面と反対側の面を、研磨した。研磨条件は、JSR社製スラリー品名「CMS1101」、化学機械研磨装置形式「EPO112」、スラリー供給量200ml/分、研磨加重400g/cm2、定盤回転数70rpmで表面から厚さ100nm研磨した。研磨した後、6インチシリコンウェハの研磨した側から120℃の熱風を吹き付け加温した後、ウェハを硬質プレートから剥離した。剥離した6インチシリコンウェハを洗浄溶剤として2重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いてウェハに付着した固定化剤を洗浄し除去した。6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いたウェハ固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0030】
実施例2
実施例1のドコサン酸0.547gの代わりに0.547gの1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)(融点=128〜131℃)を用い、加熱温度として150℃を用いた以外は、実施例1と同様に6インチシリコンウェハの表面を研磨処理した。研磨処理した後、実施例1と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察した所、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0031】
実施例3
実施例1のドコサン酸の代わりにドコサン酸の5重量%テトラヒドロフラン/トルエン(容積比=80/20)混合溶液10gをスピンコートで6インチシリコンウェハに塗布し120℃/30分で乾燥した後、再度加温して貼り合わせた以外は、実施例1と同様にシリコンウェハを表面研磨した。表面研磨した後、実施例1と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。
次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0032】
実施例4
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)0.547gを直径20mmの柱状加圧成型器に秤量し、200kg・cm−2の圧力を5分間かけ、直径20mm厚さ1.7mmの円柱状ペレットを得た。このペレットを実施例1で用いたウェハ上におき、実施例1と同様に硬質プレート上に貼り合わせた。該ペレットは80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸が6インチウェハ全面に広がった。室温に戻した後、実施例1と同様に貼り付けた面と反対側の面を研磨した。研磨した後、6インチシリコンウェハの研磨した側から120℃の熱風を吹き付け加温した後、ウェハを硬質プレートから剥離した。剥離した6インチウェハを洗浄溶剤として2重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いてウェハに付着した固定化剤を洗浄し除去した。6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0033】
実施例5
実施例4のドコサン酸0.547gの代わりに0.547gの1,10−デカンジカルボン酸を用いたこと、および1,10−デカンジカルボン酸を溶融するための熱風の温度を150℃にした以外は、実施例4と同様に6インチシリコンウェハを市販CMP装置の硬質プレート上に貼り付け、6インチシリコンウェハの表面を研磨処理した。研磨処理した後、実施例4と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0034】
実施例6
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)10gを120℃に加温し溶融させた後、直径10mmの柱状成型器に溶融ドコサン酸を注ぎ、室温に戻してから柱状成型器から固体状のドコサン酸を抜き、直径10mm長さ約10cmの円柱状ドコサン酸を得た。この円柱状ドコサン酸をダイヤモンドカッターを用いて厚さ3mmのペレットに加工した。この直径10mm厚さ3mmのペレットを用いて、実施例4と同様に市販研磨機で6インチシリコンウェハの表面研磨を行った。表面研磨した後、実施例4と同様に処理し、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0035】
実施例7
実施例6のドコサン酸10gの代わりに10gの1,10−デカンジカルボン酸を用い150℃に加温し溶融した以外は、実施例6と同様に、直径10mm長さ約10cmの円柱状ドコサン酸を得た。この円柱状1,10−デカンジカルボン酸をダイヤモンドカッターを用いて厚さ3mmのペレットに加工した。このペレットを用いて熱風の温度を150℃にした以外は、実施例3と同様に6インチシリコンウェハの表面を研磨処理した。研磨処理した後、実施例6と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0036】
比較例1
実施例1のドコサン酸の代わりに市販のエポキシ接着剤[セメダイン(株)製、「EP160」]0.547gを用いた以外は、実施例1と同様に6インチシリコンウェハを表面研磨した。表面研磨した後、実施例1と同様に、硬質プレートから外そうとしたが、6インチシリコンウェハが破損した。また、破損したが一部の剥離したシリコウェハのエポキシ樹脂を接着させた面をFT−IRで表面観察したところ、有機物に帰属される吸収が観察され、貼り合わせに用いた接着剤が洗浄で除去しきれなかったことを示した。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、特定の液晶性を有する化合物を含有するウェハ固定化剤を用いることにより、ウェハの表面に半導体素子を有する面を硬質プレートおよび/または弾性体キャリア(バッキング材)および/またはウェハなどの基体に密着させ保持することができ、かつ被加工体のウェハが容易に剥離でき、さらにウェハに付着した固定化剤層を容易に除去および/または洗浄ができ、被加工体のウェハに対する汚染および基板表面の半導体素子の破壊などの問題がない、半導体用ウェハの加工処理ができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に半導体素子を有するウェハの裏面を研磨加工処理するときに、液晶性を有する化合物を含有する固定化剤を用いて該ウェハの素子を有する面を基体に密着させ保持した後、該ウェハの裏面を研磨加工処理するウェハの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体用ウェハおよび/またはデバイスの搭載されたウェハは、その使用する目的に応じて種々の表面および/または裏面の表面加工が行われる。例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などの表面加工技術による表面および/または裏面の均一化表面加工は、被加工物の加工される基準面がどこにあるか設定し、かつ加工材に対して加工時に一定の平面を保持することが必要になる。その加工される基準面の設定として、ウェハの表面または裏面を、例えば硬質プレートおよび/または弾性体キャリア(バッキング材)に密着させてウェハを保持するが、加工処理時にウェハが厳密に保持されることが必要になる。
【0003】
ウェハの表面または裏面を、例えば硬質プレートおよび/または弾性体キャリア(バッキング材)、ガラスやセラミックス基板および/またはウェハなどの基体に密着させて被加工体のウェハを保持する方法として、例えば、ワックスマウンテイング法と呼ばれる方法が存在する。このワックスマウンティング法は、ワックスを接着剤に用いてウェハの裏面と高精度の表面を有する硬質プレート(例えば高精度平面のセラミックスプレート)を密着させる(ウェハの裏面基準と呼ばれる)。この方法は、硬質プレート表面の平坦精度とワックスとの厚さを管理することによって、ウェハの裏面に倣って表面の表面加工が行われる。この方法は、表面加工に用いる被加工体のウェハの表面が基本的に平坦であることが必要で、デバイス搭載過程でのウェハ処理には適さないと言われ、ベアシリコンの表面加工に広く用いられている。しかし、この表面加工で接着剤として用いるワックスは、加工処理後の洗浄が難しく汚染の問題があり、またワックス中の金属不純物が洗浄後の被加工体ウェハの表面に残存し、それがウェハまたはデバイス中に拡散(マイグレーション)する汚染の問題がある。
【0004】
シリコンウェハを含め全てのウェハ表面を何らかの加工を施す場合は、前述のCMPの場合と同様に被加工体であるウェハの加工されない面を要求されるある特定の状態に保持する必要がある。そのために種々の接着剤が開発されているが、一般的に接着剤と呼ばれる材料は加工後の被加工体であるウェハを基体から外す際に容易に剥がすことができず、ウェハが割れる問題があった。さらに、剥離したウェハ上に付着する接着剤層の除去および/または洗浄が難しく、ウェハが汚染される問題があった。特に、本発明が目的とする表面に半導体素子を有するウェハの裏面を加工処理する場合は、基体とウェハの表面を貼り合わせた後、裏面を加工処理するが、裏面を加工処理する際に表面の素子(例えばパターンやホールなど)が加工時の圧力で破壊されたり、加工処理後の剥離時に表面の素子が破壊される問題があった。特に、研磨後のウェハが薄い場合は、剥離時のウェハの破断および/または素子の破壊が問題になっていた。同様の目的で仮止め用として粘着材と呼ばれる材料も種々開発されているが、加工時に被加工体を十分に保持し、かつ容易に被加工体の剥離、さらに被加工体上に付着する接着剤層の除去および/または洗浄することができ、表面の半導体素子の破壊がなく汚染のない満足のいく材料は見出されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面に半導体素子(微細パターンやホール)を有するウェハの裏面を加工処理するときに、該ウェハを基体に密着させ保持し、裏面加工時に表面の素子の破壊がなく、かつ被加工体のウェハが容易に剥離でき、さらにウェハに付着した固定化剤層を容易に除去および/または洗浄ができ、被加工体のウェハに対する汚染の問題がないウェハの裏面を処理するウェハの加工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用いて基体に貼り合せた後、半導体素子を有しない裏面を加工処理するウェハ加工方法に関する。
本発明のウェハ加工方法では、表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用いて基体に貼り合せる際、ウェハ固定化剤として用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度に該ウェハ固定化剤を加熱することが好ましい。
また、本発明のウェハ加工方法では、次いで、ウェハ固定化剤として用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度に加温してウェハを基体から外すことが好ましい。
さらに、本発明のウェハ加工方法では、次いで、基体から外されたウェハをウェハ固定化剤の溶剤で洗浄することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、表面に半導体素子を有するウェハの表面と基体とを液晶性を有する化合物からなるウェハ固定化剤を用いて貼り合わせることを特徴とする。
本発明に用いることができる液晶性を有する化合物は、異方性結晶から等方性結晶に移る転移点と等方的結晶から等方性液体に移る融点を有するもの、および異方性結晶から異方性液体に移る融点と異方性液体と等方性液体に移る透明点を有するものの何れも用いることができる。本発明のウェハ固定化剤は、基体と被加工体のウェハとを密着させることから、基体および/またはウェハ上に塗布し貼り合わせた後の状態が、室温で結晶または固体状態である液晶性を有する化合物、具体的には融点が35℃以上の液晶性を有する化合物を用いるのが好ましい。
【0008】
本発明に用いることができる液晶性を有する化合物としては、具体的には、iso−酪酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ヘキサヒドロ安息香酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、エチル−p−アゾキシベンゾエート、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムヨードダイド、2−n−トリデシルピリジニウムクロライド、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウムメチルスルホネート、3−n−ドデシルオキシメチルピリジニウム−p−メチルフェニルスルホネート、4−シアノ−4’−オクチルオキシビフェニル、4−シアノ−4’―ドデシルオキシビフェニル、4−シアノ−4’−オクタノイルオキシビフェニル、p−オクチルオキシ安息香酸−4−シアノフェニルエステル、
【0009】
ヘプタ−2,4−ジエン酸、オクタ−2,4−ジエン酸、ノナ−2,4−ジエン酸、デカ−2,4−ジエン酸、ウンデカ−2,4−ジエン酸、ノナ−2−エン−4−イン酸、パルミチック酸、ドコサン(ベヘン)酸、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸ジヒドラジド、p−n−ブチル安息香酸、p−n−アミル安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−フルオロ安息香酸、ω−n−ブチルソルビン酸、p’−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p−アゾキシアニソール、p−アゾキシフェネトール、アニシリデン−p−アミノフェニルアセテート、p−メトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、p−エトキシベンジリデン−p−ブチルアニリン、5−クロロ−6−n−プロピルオキシ−2−ナフトエ酸、1−ベンゼンアゾ−アニサル−4−ナフチルアミン、p−メトキシ−p’−ブチルアゾキシベンゼン、ジヘキシルオキシアゾベンゼン、p−ヘキシルカルボネート−p’−ヘプチルオキシフェニル安息香酸、p−アセトキシケイヒ酸、p−メトキシ−α−ケイヒ酸、フェニルペンタジエン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−ブロモケイヒ酸、p−メトキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−エトキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m−ブロモ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−プロピルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−メトキシ−2−フルオレン酸、6−メトキシ−2−ナフチル酸、6−エトキシ−2−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−クロロ−2’−ナフチル酸、6−n−プロピルオキシ−5−ブロモ−2’−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−クロロ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ブロモ−2−ナフチル酸、6−n−ブチルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸メチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸エチルエステル、p’−n−ヘキシルオキシ−p−ビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−クロロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p’−n−ドデシルオキシ−m’−ニトロビフェニルカルボン酸プロピルエステル、p,p’−ビフェニルジカルボン酸ビフェニルエステル、p,p’−テルフェニルジカルボン酸ジメチルエステル、エチレングリコールビス(o−カルボエトキシ−p−オキシフェニルエステル)、ビス(p−メトキシシンナミル)アセトン、ジアリリデンシクロペンタノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロペンタノン、ジアリリデンシクロヘキサノン−ビス(p−メトキシベンザル)シクロヘキサノン、ビス〔p−(ベンゾイルオキシ)ベンザル〕−β−メチルシクロヘキサノン、p,p’−ビス(ビフェニルカルビノール)ビフェニル、1−クロロ−1,2−ビス(p−アセトキシフェニル)エチレン、p−アセトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシベンザル−p’−シアノアニリン、p−メトキシベンザル−p’−メトキシアニリン、p−メトキシシンナミル−p’−メチルアニリン、p−ニトロシンナミル−p’−メチルアニリン、p−メトキシフェニルペンタジエナルアニリン、ベンザル−p−アミノ安息香酸p−シアノベンザル−p−アミノ安息香酸、ベンザル−p−アミノ(β−メチル)ケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルケイヒ酸、p−メトキシベンザル−p−アミノ−o−メチルヒドロケイヒ酸、p−エトキシベンザル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸ブチルエステル、p−シアノベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メチルベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノメチルケイヒ酸メチルエステル、p−メトキシベンザル−p−α−メチルケイヒ酸プロピルエステル、p−エトキシベンザル−p−アミノ−α−エチルケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシシンナミル−p−アミノ安息香酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ジメチルアミノビフェニル、ベンザル−p−アミノ−p’−ホルミルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−アセチルアミノビフェニル、p−メチルベンザル−p−アミノ−p’−ベンゾイルアミノビフェニル、シンナミル−p−アミノ−p’−アセチルビフェニル、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−メトキシベンザルアミノフェナンスレン、2−p−メトキシベンザルアミノフルオレン、2−p−n−ブチルオキシベンザルアミノフルオレン、p−ノニルオキシベンザルフェニルヒドラジン、ビス(p−メトキシベンザル)−(ジメチル)アジン、ビス(p−フェニルベンザル)アジン、p−メトキシフェニルペンタジエナルフェニルヒドラジン、テレフタル−ビス−(p−クロロアニリン)、テレフタル−ビス(p−アミノ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−クロロベンザル)−p−フェニレンジアミン、ビス(p−メチルベンザル)−p−トルイレンジアミン、ジベンザル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(o−オキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ジシンナミル−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−p,p’−ジアミノジメチルビフェニル、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−メトキシベンザル)−1,4−ジアミノナフタレン、ビス(p−メトキシ−m−メチルベンザル)−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジシンナミル−p,p’−ジアミノテルフェニル、ジベンザル−p,p’−ジアミノクオーターフェニル、p−メトキシ−p’−オキシアゾベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾベンゼン、p,p’−ジ−n−ヘキシルオキシアゾベンゼン、p−アセトキシベンゼン−p−アゾ安息香酸エチルエステル、ベンゾイル−p−オキシベンゼン−p−アゾ−α−メチルケイヒ酸アミルエステル、p,p’−アゾ安息香酸モノエチルエステル、1−アセトキシナフタリン−4−p−アセチルアゾベンゼン、ベンザル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−メチルアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−p−アミノ−p’−エトキシアゾベンゼン、シンナミル−p−アミノアゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−アゾベンゼン、p−メトキシベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アセチルアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−メトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−エトキシアゾベンゼン)、p−メチルベンザル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、p−シンナミル−1−アミノナフタリン−4−(p’−アゾ安息香酸エチルエステル)、ビス(p−イソプロピルベンザル)−p,p’−ジアミノアゾベンンゼン、(p−エトキシベンゼン)−p−アゾ(p−メトキシベンゾイル)−o−オキシベンザル−(p’−エトキシ)アニリン、p,p’−アゾベンザル−ビス−アニリン、ベンザル−p−アミノビフェニルアゾベンゼン、テレフタル−ビス(p−アミノアゾベンゼン)、p,p’−ジアセトキシアゾキシベンゼン、p,p’−ジメトキシアゾキシベンゼン(アゾキシアニソール)、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸メチルエステル、p−メトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸フェニルエステル、p,p’−アゾキシ安息香酸ジメチルエステル、p,p’−アゾキシチオ安息香酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシケイヒ酸ジヘプチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチルケイヒ酸ジオクチルエステル、p,p’−アゾキシ−o−メチル−β−ブロムケイヒ酸ジエチルエステル、p,p’−アゾキシ−β−メチルケイヒ酸ジメチルエステル、ジ−p−メトキシベンゾイルジスルフイド、炭酸メチルコレステリルエステル、炭酸エチルコレステリルエステル、安息香酸−Δ5,6−コレステン−3β−01−エステル、p−メトキシ安息香酸コレステリルエステル、p−アミノ安息香酸コレステリルエステル、p−n−ヘプチル安息香酸p’−シアノフェニルエステル、4−シアノ−4’−ペンチルジシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル−1−カルボン酸−p−シアノフェニルエステル、1−(p−シアノフェニル)−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、p−シアノ−(4−ヘプチル−2,6−ジオキサシクロヘキシル)ベンゼン、p−シアノ−(5−ペンチル−2−ピリミジル)ベンゼン、p−シアノ−〔4−(3−ペンテニル)シクロヘキシル〕ベンゼン、4−(p−シアノフェニル)−4’−ヘプチルビシクロヘキシル、p−シアノ−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−(p−シアノフェニル)−2−(4’−プロピル−4−ビシクロヘキシル)エタン、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2−シアノ−4−ペンチルフェニルエステル、p−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸−2,3−ジシアノ−4−ペンチルオキシフェニルエステル、p−(3−ペンチル−6−ピリダジニル)ペンチルオキシベンゼン、p−(1−シアノ−4−プロピルシクロヘキシル)−p’−ペンチルビフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−〔4−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロヘキシル〕−2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エタン、3,4−ジフルオロ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、
【0010】
プロピオン酸コレステロール、安息香酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、塩化コレステロール、ギ酸コレステロール、酢酸コレステロール、ペラルゴン酸コレステロール、p−アミノケイヒ酸コレステリルエステル、安息香酸−Δ5,6;7,8−コレスタジエン−3β−01−エステル、
【0011】
p−n−オクチルオキシ安息香酸、p−n−オクチルオキシ−m−クロル安息香酸、p−n−ドデシルオキシ安息香酸、5−クロロ−6−n−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸、p−n―ノニルオキシベンザル−p’−トルイジン、ミリスチン酸コレステロール、オクタン酸コレステロール、p−n−ノニルオキシ−m−フルオロ安息香酸、5−ヨード−6−n―ノニル−2−ナフトエ酸、n−ノナン酸コレステロール、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、p−n−ヘキシルオキシ−m−クロロケイヒ酸、p−アミロキシ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−ブチルオキシ−m’−クロロ−p−ビフェニルカルボン酸、p’−n−ヘキシルオキシ−m’−ニトロ−p−ビフェニルカルボン酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸、6−n−ノニルオキシ−5−ヨード−2−ナフチル酸、6−n−ノニルオキシ−5−ニトロ−2−ナフチル酸、7−n−ヘプチルオキシ−2−フルオレン酸プロピルエステル、2−アセチル−7−n−ヘプチルオキシフルオレン、ジ−p,p’−エチル−3,6−ビフェニルピリダジン、ジメチル−p、p’−ジオキシテルフェニル、p,p’−ジアミノクオータフェニルキンキフェニル、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−エチルアニリン、p−n−ノニルオキシベンザル−p’−プロピルアニリン、p−ヘキシルオキシベンザル−p−アミノケイヒ酸エチルエステル、p−メトキシベンザル−p−アミノケイヒ酸アミルエステル、2−p−n−ヘキシルオキシベンザルアミノフェナンスレン、p−エトキシベンザル−p−アミノテルフェニル、ビス(p−アミノオキシベンザル)−p’−フェニレンジアミン、ビス(p−n−ブチルオキシベンザル)−p,p’−ジアミノビフェニル、ビス(p−プロポキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ビス(p−ペンチルオキシベンザル)−2,7−ジアミノフルオレン、ジベンザル−p,p’−ジアミノテルフェニル、p−メトキシベンゼン−p−アゾケイヒ酸エチルエステル、p,p’−アゾケイヒ酸ジメチルエステル、(ベンゾイル)−p−オキシ−m−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−メトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、(ベンゾイル)−p−オキシ−o−エトキシベンゼン−p’−アセチルアゾベンゼン、p,p’−ジヘキシルオキシアゾキシベンゼン、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシチオ安息香酸エチルエステル、p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸(p−エチル)フェニルエステル、ビス(p−エトキシベンゼン−p−アゾキシ安息香酸)−m−ジオキシベンゼンエステル、4−(p−フルオロフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、1−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−〔4−(4’−ペンチルビシクロヘキシル)〕エタン、4−(p−トリフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−(p−ジフルオロメトキシフェニル)−4’−ペンチルビシクロヘキシル、4−トリフルオロメトキシ−4’−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル−p−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニルアセチレン、
【0012】
1つのべンゼン環の1,3,5位にステロイドエステル基を有する化合物などのデイスコチック液晶、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの液晶性を有する高分子液晶化合物などを用いることができる。
【0013】
これら液晶性を有する化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上の液晶性を有する化合物を混合して用いてもよい。これら液晶性を有する化合物のうち、単独および/または2種類以上の混合物の融点が35℃以上200℃以下のものが好ましく、さらに融点が40℃以上150℃以下のものが好ましい。さらに、これら液晶性を有する化合物は、溶剤に溶解した溶液状態で用いることができる。
【0014】
本発明のウェハ固定化剤は、上記の液晶性を有する化合物をそのまま用いてもよいが、液晶性を有する化合物と溶剤とからなる溶液として用いることができる。
このウェハ固定化剤に用いることができる溶剤は、用いる液晶性を有する化合物が溶解するものであれば、何れの溶剤も使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノールなどのアルコール類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸などのカルボン酸類、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、n−デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、デカリン、テトラリン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、ヘキサメチルホスホミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、クロロホルム、塩化メチレンなどの極性溶剤、乳酸などの水溶性有機溶剤の水溶液が用いられる。
これら溶剤は、単独でも2種類以上を混合して用いても良い。
【0015】
本発明の、ウェハ固定化剤は、粘度を調整するために必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などと適宜混合して使用することができる。
【0016】
また、本発明のウェハ固定化剤は、粘度を調整するために、必要に応じて有機ポリマー、例えばポリ(無水アゼライン酸)、ポリ〔2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール−co―4−ヒドロキシ安息香酸〕、ポリ(1,4−ブタンジオール)ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(1,4−ブテンアジペート−co−1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−ポリカプロラクタム)、ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)の1,6−ジイソシアネートヘキサン反応物、ポリ〔ブチレンテレフタレート−co―ポリ(アルキレングリコール)テレフタレート〕、ポリカプロラクトンジオール、ポリカルボメチルシラン、ポリクロロプレン、ポリ(クロロトリフルオロエチレン−co−ビニリデンフルオライド)、ポリ〔(o−クレシルグリシジルエーテル)−co−ホルムアルデヒド〕、ポリ〔ジメチルシロキサン−co−メチル(ステアロイルオキシアルキル)シロキサン〕、ポリエチレン、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)のナトリウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレンアジペート)のトリレン−2,4−ジイソシアネート反応物、ポリ(エチレンアゼレート)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン−co−1−ヘキセン)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−カーボンモノオキシド)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−ブチレン)ジオール、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−co−グリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリエチレン−graft−無水マレイン酸、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)のナトリウムまたはリチウムまたは亜鉛塩、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート−co−アクリル酸)、ポリエチレンモノアルコール、ポリ(エチレン−co−1−オクテン)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン−block−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレン−co−トリアルコキシビニルシラン)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−co―ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、ポリイソプレン、ポリラウリルラクタム−block−ポリテトラヒドロフラン、ポリ(オキシメチレン)アセテート、ポリプロピレン、ポリ(1,3−プロピレンアジペート)、ポリ(プロピレン−co−1−ブテン)、ポリ(プロピレン−co−エチレン)、ポリ(1,3−プロピレングルタレート)、ポリ(1,3−プロピレンスクシネート)、ポリ(無水セバシン酸)、ポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド−co−ビニルクロライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニル−N−オクタデシルカルバメート)、ポリ(ビニルトルエン−co−α−メチルスチレン)などを添加して用いてもよい。これら有機ポリマーの添加量は、本発明に用いる液晶性を有する化合物の融点に依存するが、液晶性を有する化合物に対して200重量%以下、好ましくは150重量%以下で用いることができる。
【0017】
また、ウェハ固定化剤の被加工体であるウェハまたは/および基体に対する濡れ性を改良したり、塗布性および/または塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止するため、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を少量添加することができる。添加することのできる非イオン系界面活性剤としては、フッ化アルキル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤、またはオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。上記フッ素系界面活性剤としては、C9F19CONHC12H25、C8F17SO2NH−(C2H4O)6H、C9F17O(プルロニックL−35)C9F17、C9F17O(プルロニックP−84)C9F17などを挙げることができる。(ここで、プルロニックL−35:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量1,900;プルロニックP−84:旭電化工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体、平均分子量4,200;テトロニック−704:旭電化工業(株)製、N,N,N′,N′−テトラキス(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共重合体)、平均分子量5,000)などを挙げることができる。これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることがでる。また、ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。これらのポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセルP−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル20、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いずれも(株)花王製)、ノニボール55(三洋化成(株)製)などを挙げることができる。上記以外の非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミスタット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0018】
かくして得られたウェハ固定化剤は、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの支持体である基体に塗布するが、塗布方法は特に限定されず、刷毛塗り、スピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、インクジェット、印刷法などを用いることができる。塗布は1回で、または複数回、重ね塗りすることもできる。塗布し溶剤を飛散した後の好適な固定化剤層の厚みは、塗布方法、仮止め剤中の液晶性を有する化合物の濃度に依存して適宜変動するが、固定化剤層の厚みは0.001〜100μmが好ましく、0.005〜10μmであるのがさらに好ましい。
【0019】
本発明のウェハ固定化剤は、被加工体であるウェハまたは/および基体に塗布した後、用いた溶剤を飛散させるが、室温で放置して溶剤を飛散させてもよく、加熱して溶剤を飛散させてもよい。加熱して溶剤を飛散させる場合は、固定化剤組成物に用いた液晶性を有する化合物の融点以上〜融点+200℃以下の温度で、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃以下の温度、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃以下の温度で溶剤を飛散するのがよい。
【0020】
さらに、本発明のウェハ固定化剤は、ペレット状で用いることもできる。このウェハ固定化用ペレットは、射出成型法、鋳型成型法、キャスティング法、フィルムのカッテイング法などの公知の方法を用いて製造することができる。射出成型法または鋳型成型法で製造する場合の温度は、ウェハ接着用ペレットに用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。鋳型成型時の時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。キャスティング時の溶剤の飛散温度は、用いた溶剤の沸点に依存するが、用いた溶剤の沸点〜溶剤の沸点+200℃、好ましくは溶剤の沸点+5℃〜溶剤の沸点+150℃、さらに好ましくは溶剤の沸点+10℃〜溶剤の沸点+100℃である。
【0021】
本発明のペレット形状のウェハ固定化剤の形状は、特に限定されるものではないが、例えば円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱、円錐、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐のような多角錐、フットボール形状、立方体のような多面体などが挙げられる。これらのうち、本発明のウェハ用固定化剤として用いる場合は、被加工体のウェハと基体とを水平に保つために円柱や多角柱が好ましく、さらに、ペレットを作る容易さを加味すると円柱が特に好ましい。
【0022】
かくして得られたウェハ固定化用ペレットは、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの支持体である基体上にセットするが、セットする方法は特に限定されるものではない。
【0023】
本発明の固定化用ペレットは、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの基体にセットした後、被加工体であるウェハとウェハの基体とを圧着して貼り合わせるが、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの基体の少なくとも一方を固定化剤用ペレットに用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点以上の温度に加温した状態で貼り合わせるのが好ましい。この貼り合わせる温度は、ウェハ固定化剤用ペレットに用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点に依存するが、液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーの融点〜融点+300℃、好ましくは融点+5℃〜融点+250℃、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+200℃である。貼り合わせる時間は、1〜120分、好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜60分である。
【0024】
本発明に用いるウェハ固定化用ペレットの重量およびサイズは、被加工体の加工面および/または接着面のサイズに依存し、任意に選択するが、被加工体であるウェハとウェハの支持体である基体間に形成される固定化剤層の厚みが、0.01μm〜20mm、好ましくは0.05μm〜10mm、さらに好ましくは0.1μm〜5mmである。
【0025】
被加工体であるウェハとウェハの基体とを貼り合わせるときの圧力は、特に限定されるものではなく、被加工体のウェハを加工処理するのに耐えられる密着性が得られればよく、用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーによって任意に選択することができる。
【0026】
ウェハを支持する基体に貼り合わされた被加工体ウェハは、そのウェハの使用目的に応じて特定の加工処理、例えば研磨加工処理が施される。場合によっては、ウェハの基体に貼り合わされたウェハは、そのまま場所を移す(ウェハの搬送という)ために用いることもできる。何れの場合もその使用目的の処理が施された後、ウェハと基体とを剥離するが、被加工体であるウェハまたは/およびウェハの基体の少なくとも一方を加温して剥離する。ウェハと基体を剥離するときの温度は、用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度、好ましくは融点+5℃〜融点+150℃で、さらに好ましくは融点+10℃〜融点+100℃である。
ここで、研磨加工処理とは、機械的研磨作用と化学的研磨作用の相乗性を利用した、いわゆるCMP法(Chemical Mechanical Polishing)である。
【0027】
研磨加工処理した後に剥離した被加工体のウェハは、ウェハに付着し残存したウェハ固定化剤を溶剤で洗浄するが、ウェハ固定化剤に接する表面が半導体素子を有するために素子の中に入ったウェハ固定化剤を十分に洗い落とすことが要求される。この洗浄に用いる溶剤は、用いた液晶性を有する化合物または液晶性を有する化合物および有機ポリマーが溶解する溶剤が任意に選択される。具体的には、本発明の液晶性を有する化合物または固定化剤および固定化用ペレットを製造するために用いる溶剤と同じ溶剤を用いることができる。また、洗浄溶剤として水酸化カリウムのような無機アルカリの水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような有機塩基の水溶液、塩酸やフッ酸のような無機酸の水溶液、酢酸、酪酸、乳酸のような有機酸の水溶液を用いることができ、これら無機および有機化合物の水溶液は、有機溶剤、例えばエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフランのような水溶性有機溶剤を添加して用いることもできる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)(融点=74〜80℃)0.547gを、STI工程を経て得られる幅250μm、溝深さ0.8μmの溝がピッチ500μmで形成されたシリコン基板上に、積層膜厚2μm、かつ0.9μmでTEOS(トリエトキシシラン)膜が形成された6インチシリコンウェハ(SKW社製)全面に均一に塗布した後、120℃に加熱し、市販CMP装置の硬質プレート上に貼り付け、定盤上のパッドに200g/cm2の圧力で圧着して貼り合わせた。次に、パッド上に市販の研磨材溶液を塗布しながら硬質プレートに貼り付けた面と反対側の面を、研磨した。研磨条件は、JSR社製スラリー品名「CMS1101」、化学機械研磨装置形式「EPO112」、スラリー供給量200ml/分、研磨加重400g/cm2、定盤回転数70rpmで表面から厚さ100nm研磨した。研磨した後、6インチシリコンウェハの研磨した側から120℃の熱風を吹き付け加温した後、ウェハを硬質プレートから剥離した。剥離した6インチシリコンウェハを洗浄溶剤として2重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いてウェハに付着した固定化剤を洗浄し除去した。6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いたウェハ固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0030】
実施例2
実施例1のドコサン酸0.547gの代わりに0.547gの1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)(融点=128〜131℃)を用い、加熱温度として150℃を用いた以外は、実施例1と同様に6インチシリコンウェハの表面を研磨処理した。研磨処理した後、実施例1と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察した所、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0031】
実施例3
実施例1のドコサン酸の代わりにドコサン酸の5重量%テトラヒドロフラン/トルエン(容積比=80/20)混合溶液10gをスピンコートで6インチシリコンウェハに塗布し120℃/30分で乾燥した後、再度加温して貼り合わせた以外は、実施例1と同様にシリコンウェハを表面研磨した。表面研磨した後、実施例1と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。
次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0032】
実施例4
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)0.547gを直径20mmの柱状加圧成型器に秤量し、200kg・cm−2の圧力を5分間かけ、直径20mm厚さ1.7mmの円柱状ペレットを得た。このペレットを実施例1で用いたウェハ上におき、実施例1と同様に硬質プレート上に貼り合わせた。該ペレットは80℃位から溶解し、2〜3分で溶融ドコサン酸が6インチウェハ全面に広がった。室温に戻した後、実施例1と同様に貼り付けた面と反対側の面を研磨した。研磨した後、6インチシリコンウェハの研磨した側から120℃の熱風を吹き付け加温した後、ウェハを硬質プレートから剥離した。剥離した6インチウェハを洗浄溶剤として2重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いてウェハに付着した固定化剤を洗浄し除去した。6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本加工処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0033】
実施例5
実施例4のドコサン酸0.547gの代わりに0.547gの1,10−デカンジカルボン酸を用いたこと、および1,10−デカンジカルボン酸を溶融するための熱風の温度を150℃にした以外は、実施例4と同様に6インチシリコンウェハを市販CMP装置の硬質プレート上に貼り付け、6インチシリコンウェハの表面を研磨処理した。研磨処理した後、実施例4と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0034】
実施例6
固体粉末のドコサン酸(ベヘン酸)10gを120℃に加温し溶融させた後、直径10mmの柱状成型器に溶融ドコサン酸を注ぎ、室温に戻してから柱状成型器から固体状のドコサン酸を抜き、直径10mm長さ約10cmの円柱状ドコサン酸を得た。この円柱状ドコサン酸をダイヤモンドカッターを用いて厚さ3mmのペレットに加工した。この直径10mm厚さ3mmのペレットを用いて、実施例4と同様に市販研磨機で6インチシリコンウェハの表面研磨を行った。表面研磨した後、実施例4と同様に処理し、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0035】
実施例7
実施例6のドコサン酸10gの代わりに10gの1,10−デカンジカルボン酸を用い150℃に加温し溶融した以外は、実施例6と同様に、直径10mm長さ約10cmの円柱状ドコサン酸を得た。この円柱状1,10−デカンジカルボン酸をダイヤモンドカッターを用いて厚さ3mmのペレットに加工した。このペレットを用いて熱風の温度を150℃にした以外は、実施例3と同様に6インチシリコンウェハの表面を研磨処理した。研磨処理した後、実施例6と同様に、6インチシリコンウェハの洗浄した面をFT−IRおよびESCAで表面観察したが、有機物に帰属される吸収は一切観察されず、貼り合わせに用いた固定化剤は洗浄で除去されたことを示した。次に、該ウェハのパターンを有する断面をSEMで観察したところ、パターン中およびベタ基板上には固定化剤が全く残っていないことを確認した。また、貼り合わせ前のパターンのSEM写真と比較したが、両者のパターンは同等で本処理中にパターンの破壊および変形が起きていないことが確認された。
【0036】
比較例1
実施例1のドコサン酸の代わりに市販のエポキシ接着剤[セメダイン(株)製、「EP160」]0.547gを用いた以外は、実施例1と同様に6インチシリコンウェハを表面研磨した。表面研磨した後、実施例1と同様に、硬質プレートから外そうとしたが、6インチシリコンウェハが破損した。また、破損したが一部の剥離したシリコウェハのエポキシ樹脂を接着させた面をFT−IRで表面観察したところ、有機物に帰属される吸収が観察され、貼り合わせに用いた接着剤が洗浄で除去しきれなかったことを示した。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、特定の液晶性を有する化合物を含有するウェハ固定化剤を用いることにより、ウェハの表面に半導体素子を有する面を硬質プレートおよび/または弾性体キャリア(バッキング材)および/またはウェハなどの基体に密着させ保持することができ、かつ被加工体のウェハが容易に剥離でき、さらにウェハに付着した固定化剤層を容易に除去および/または洗浄ができ、被加工体のウェハに対する汚染および基板表面の半導体素子の破壊などの問題がない、半導体用ウェハの加工処理ができる。
Claims (4)
- 表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用いて基体に貼り合せた後、半導体素子を有しない裏面を研磨加工処理するウェハ加工方法。
- 表面に半導体素子を有するウェハ面を、ウェハ固定化剤として液晶性を有する化合物を用いて基体に貼り合せる際、ウェハ固定化剤として用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度に該ウェハ固定化剤を加熱する請求項1記載のウェハの加工方法。
- 次いで、ウェハ固定化剤として用いた液晶性を有する化合物の融点以上の温度に加温してウェハを基体から外す、請求項1または2記載のウェハの加工方法。
- 次いで、基体から外されたウェハをウェハ固定化剤の溶剤で洗浄する請求項3記載のウェハの加工方法。
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