JP2004077976A - 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、黒ポチ、環境メモリの発生が少なく、且つ、広い階調性、高い画像濃度が得られる有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【解決手段】導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンターの分野において用いられる有機感光体、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法として最も代表的なカールソン法での複写機においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せしめ、静電荷潜像を形成する。この静電荷潜像をトナーによって現像して可視化し、次いでそのトナーを紙などに転写してから定着することにより画像形成が行われてきた。
【0003】
これまで電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、カドミウムなどの無機光導電性物質を感光層の主成分とする無機感光体が、広く使用されてきた。しかし、これらの無機感光体は有害なものが多く、環境対策上問題がある。
【0004】
従って近年、無公害である有機物を用いた有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきている。なかでも電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、所望の特性を有する化合物を広い範囲から選択できる機能分離型の感光体が盛んに開発されている。
【0005】
又、近年、電子写真法によるカラー画像形成方法として、デジタル信号処理による書き込みで、有機感光体上にカラー画像を形成するカラー画像形成方法が盛んに行われる様になってきた。
【0006】
従って、有機感光体としては、帯電特性及び感度が良好で、更に暗減衰が低いなど、電子写真特性は勿論のこと、カラー画像に要求される広い階調性、及びデシタル潜像の現像に最も適している反転現像に対する適正が要求される。
【0007】
即ち、電子写真画像の階調性を広くするため、反転現像において、未露光電位(VH)を高くすると電位の微小欠陥が拡大し黒ポチ(カラーの場合は色ポチ)・混色が顕在化し、低くすると十分な、階調性、画像濃度を得ることが出来ない。更に、未露光電位(VH)と、感光体と現像スリーブ間の直流バイアス電位(VDC)の電位差を大きくすると、電位の微小欠陥は顕在化しにくくなるが、大きくし過ぎると、弱帯電トナーの付着やキャリア付着が起こりやすいという問題点も提起されている。
【0008】
上記電位の微笑欠陥の問題を解決するため、有機感光体に中間層を用いる技術が開発されている。例えば、導電性基体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する有機感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、特開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号のアミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン、特開平9−258469号の有機ケイ素化合物で表面処理された酸化チタン、特開平8−328283号のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン、特開平11−344826号の金属酸化物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタンを用いた中間層を有する有機感光体が提案されている。
【0009】
しかし、これらの技術を用いても高温高湿等の厳しい環境下では、尚、黒ポチの発生防止が十分でなく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得られないといった問題が発生している。
【0010】
又、上記酸化チタン粒子等をポリアミド樹脂に分散させて中間層を形成する方法は、広く知られている。しかし、この場合のポリアミド樹脂として通常用いられる主に、6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂は、吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は環境依存性が高くなる傾向にあり、その結果、繰り返し使用による残留電位の上昇、高温高湿下の帯電特性等が変化しやすく、環境メモリ(高温高湿の環境から低温低湿の環境に変わったとき、帯状の画像欠陥が発生する現象)や黒ポチが発生しやすい。
【0011】
アミド結合間の炭素鎖の多い構成単位から構成される共重合ポリアミド樹脂、例えば12−ナイロン系樹脂は、吸水率が低い為、環境依存性が低い感光体を作るのに有効な材料であると予想される。しかし、このようなポリアミドは通常の有機溶媒には不溶で、感光体の製造には適さない。特開平5−72787号公報や特開平6−186767号公報等に記載の如く、メトキシメチル化により溶解性を向上させて用いる例があるが、メトキシメチル化は著しく吸水率を増加させる為、黒ポチや環境メモリを十分低くすることは難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、黒ポチ、環境メモリの発生が少なく、且つ、広い階調性、高い画像濃度が得られる有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記黒ポチ、環境メモリ等の課題解決には、導電性基体と感光層の間に、電荷キャリアの整流性を有し、且つ温湿度変動に対し安定した体積抵抗を有する中間層を設置することが有効であることを見いだし本発明を達成した。即ち本発明の目的は下記のような構成を取ることにより達成される。
【0014】
1.導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする有機感光体。
【0015】
2.導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、前記導電性基体の表面粗さRzが0.5〜2.5μmであり、前記中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有し、該中間層の膜厚Tが前記表面粗さRzと下記式(1)の関係を有することを特徴とする有機感光体。
【0016】
式(1) 0.7Rz≦T≦3.0Rz (μm)
3.上記アナターゼ形酸化チタン顔料が疎水化表面処理が施されていることを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
【0017】
4.前記疎水化表面処理が複数回の表面処理であることを特徴とする前記3に記載の有機感光体。
【0018】
5.前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする前記4に記載の有機感光体。
【0019】
6.前記複数回の表面処理のうち、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことを特徴とする前記4又は5に記載の有機感光体。
【0020】
7.前記アナターゼ形酸化チタン顔料の数平均一次粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載の有機感光体。
【0021】
8.前記バインダー樹脂の体積抵抗(A)及び(B)が、1012Ωcm以上であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0022】
9.前記1〜8のいずれか1項に記載の有機感光体を用い、反転現像方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0023】
10.前記9に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0024】
以下、本発明について詳細に記載する。
▲1▼ 本発明の有機感光体は、導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする。
【0025】
▲2▼ 本発明の有機感光体は、導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、前記導電性基体の表面粗さRzが0.5〜2.5μmであり、前記中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有し、該中間層の膜厚Tが前記表面粗さRzと前記式(1)の関係を有することを特徴とする。
【0026】
前記▲1▼又は▲2▼の構成を有することにより、感度や残留電位の環境依存性が小さく、高温高湿の環境から低温低湿の環境へ、使用条件が急に変化したとしても、安定した画像が得られ、又、反転現像でデジタル画像を形成するに際して、黒ポチや環境メモリ等の画像欠陥の発生が、どのような環境でも防止される。
【0027】
酸化チタン顔料には、アナターゼ、ルチル、ブロカイトの3つの結晶構造が異なる顔料が存在し、本発明のアナターゼ形酸化チタン顔料(以後、単にアナターゼ形酸化チタンともいう)は屈折率2.55、結晶型は正方晶系で、aが0.378nm、cが0.947nmの格子常数を有する白色酸化チタン顔料を云う。
【0028】
本発明ではこのアナターゼ形酸化チタン顔料を温湿度の環境依存性が小さいバインダー樹脂(30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂)中に、分散し、導電性基体と感光層の間に中間層として構成することにより、温湿度の環境条件が変化しても、帯電特性や感度特性の変化が小さく、その結果環境メモリの発生を防止し、且つ反転現像で発生しやすい黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止して、鮮鋭性の良好な電子写真画像を得ることができる。
【0029】
又、上記のような構成の中間層を表面を荒らした導電性基体(Rz:0.5〜2.5μm)上に前記式(1)の関係式の膜厚で設置することにより、前記した効果に加えて、導電性基体と感光層の膜付きを改善し、レーザ光等の像露光光を用いた画像形成に際し、発生しやすいモアレの発生防止にも顕著な効果がある。又、導電性基体の表面を荒らすことにより発生しやすい黒ポチは、本発明の中間層の膜厚を0.7Rz以上に設定することにより、防止することが出来る。
【0030】
本発明のアナターゼ形酸化チタン顔料は公知の硫酸法で製造することができる。即ち、イルメナイトを原料とし、溶解工程、加水分解工程、焼成工程、粉砕・整粒工程、仕上げ工程(表面処置工程)等を経て製造される。
【0031】
本発明の温湿度の環境依存性が小さいバインダー樹脂(30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂)としては以下のような樹脂が挙げられる。
【0032】
即ち、エチレン系共重合樹脂としてELVAX4260(デュポン社製)、ポリウレタン樹脂としてNL2532(三井化学社製)、NL2249E(三井化学社製)、ポリアミド樹脂としてX1010(ダイセル・デグサ(株)製)、変性ポリオレフィン樹脂としてスーパクロン(日本製紙社製)、GS2000((株)鉛市)等が挙げられる。
【0033】
又、上記樹脂の体積抵抗は上記(A)及び(B)共、1012Ωcm以上が好ましく、1012〜1016Ωcmがより好ましい。1012Ωcm未満では、黒ポチや環境メモリが発生しやすく、1016Ωcmより大きいと残留電位が上昇しやすく、反転現像での画像濃度の低下が発生しやすい。
【0034】
上記、体積抵抗の測定法について説明する。
体積抵抗率の測定法
体積抵抗率は、JIS K6911−1975に準じて行った。まず直径約100mm、厚さ20μmの円板状に形成したバインダー樹脂の試料を抵抗測定器ハイレスタIP(三菱油化株式会社製)を用いて測定、1分後の抵抗値より算出した値を測定値とした。なお、高温高湿条件下での測定値は、試料を30℃80%RHの環境下にて24時間調湿した後に測定を行った。又、低温低湿条件下での測定値は、試料を10℃20%RHの環境下にて24時間調湿した後に測定を行った。
【0035】
アナターゼ形酸化チタンの平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上200nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは20nm〜150nm、特に好ましくは、20nm〜100nmである。
【0036】
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるアナターゼ形酸化チタンを用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生や環境メモリ等の画像欠陥を防止する。
【0037】
前記アナターゼ形酸化チタンの数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
【0038】
上記アナターゼ形酸化チタンは表面処理が施されたものが好ましく、その表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
【0039】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはアナターゼ形酸化チタン表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0040】
また、アナターゼ形酸化チタンに行われる表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いて表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理が上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理が行われ、最後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。
【0041】
この様に、アナターゼ形酸化チタンの表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、アナターゼ形酸化チタン表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたアナターゼ形酸化チタンを中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のアナターゼ形酸化チタンの分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0042】
また、該複数回の表面処理をアルミナ及びシリカの表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものや、アルミナ及びシリカの表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を行ってもよい。
【0043】
なお、前述のアルミナ及びシリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
【0044】
アナターゼ形酸化チタンのアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったアナターゼ形酸化チタンは以下の様に作製することができる。
【0045】
アナターゼ形酸化チタンを用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
【0046】
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えばアナターゼ形酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
【0047】
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0048】
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0049】
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
【0050】
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電子写真特性を劣化させ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
【0051】
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0052】
一般式(1)
(R)n−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0053】
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0054】
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0055】
前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理アナターゼ形酸化チタンの量は、例えば表面処理酸化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチが発生せず、初期電位変動が小さい良好な中間層を形成することができる。
【0056】
有機感光体の構成
次に、本発明に用いられる有機感光体について記載する。
【0057】
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0058】
導電性基体
本発明の感光体に用いられる導電性基体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性基体の方が好ましい。
【0059】
本発明の円筒状導電性基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の基体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の基体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0060】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性基体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0061】
本発明で用いられる導電性基体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0062】
導電性基体の表面粗さは導電性基体の表面を切削加工や微細な粒子を基体表面に衝突させることによる、サンドブラスト加工の方法等を用いて、本発明の範囲内に加工することが出来る。又、前記したアルマイト加工等の化学的な表面処理によっても本発明の範囲内に加工することが出来る。
【0063】
中間層
本発明においては導電性基体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記のような中間層を設けることが好ましい。
【0064】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0065】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0066】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0067】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0068】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0069】
電荷輸送物質(CTM)としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMの併用は、相互のCTM間のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0070】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0071】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0072】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜50μmが好ましい。又、本発明の電荷輸送層は2層以上の多層構成とし、その最上層に保護層としての機能を持たせても良い。
【0073】
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
【0074】
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
【0075】
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0076】
前記中間層を含め、本発明の有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0077】
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布した本発明の感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0078】
感光体への一様帯電の後、像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0079】
ここで、本発明の感光体の未露光部電位とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われない領域の感光体表面電位を意味する。又、露光部電位とは像露光が行われた領域の感光体表面電位を意味する。電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置に設けて行う。
【0080】
その静電潜像は次いで現像工程で現像器54を用いて現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0081】
本発明で反転現像とは、デシタル方式の画像形成に用いられる現像方式であり、感光体に潜像を形成するため、像露光は文字及び図形等の画像部を露光し、この露光部を現像でトナー画像として顕像化する現像方式を云う。
【0082】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は現像スリーブ541に直流バイアス電圧、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0083】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0084】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0085】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0086】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0087】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0088】
本発明の反転現像方法は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、以下の文章で「部」とは質量部を表す。
【0090】
以下のようにして、評価に用いる感光体を作製した。
感光体1の作製
中間層1
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により表面粗さRz:1.0μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚1.0μmの中間層1を形成した。
【0091】
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
【0092】
(中間層分散液の作製)
樹脂ELVAX4260(デュポン社製) 1部
アナターゼ形酸化チタン(一次粒径35nm;表面処理は、シリカ処理、アル
ミナ処理、及びフッ化アルキルトリメトキシシラン処理) 3.0部
トルエン 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
【0093】
電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0094】
Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の
最大ピーク角度が2θで27.3) 20部
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
電荷輸送層
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
【0095】
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 75部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
100部
酸化防止剤(下記化合物A) 2部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比7/3) 750部
感光体2〜23の作製
アルミニウム基体の表面粗さRz、中間層の粒子、バインダー樹脂、中間層の乾燥膜厚等の組成を表1、2のように変更した以外は感光体1と同様にして感光体2〜23を作製した。
【0096】
【化1】
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
上表中、
A1、A2、A3、A4はアナターゼ形酸化チタン
Bはルチル型酸化チタン
ELVAX4260はエチレン系共重合樹脂0(デュポン社製)
X1010はポリアミド樹脂(ダイセル・デグサ(株)製)
NL2532、NL2249Eはポリウレタン樹脂(三井化学社製)
スーパクロンは変性ポリオレフィン樹脂(日本製紙社製)
SG2000は変性ポリオレフィン樹脂((株)鉛市)
X1874Mは共重合ナイロン(ダイセルヒュルス(株)製)
CM8000は共重合ナイロン(東レ(株)製)
上記表中、中間層の膜厚は中間層塗布乾燥後、均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を中間層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。
【0100】
又、表1、表2中、1次処理欄に記載のものは1次処理時の酸化チタン粒子表面に析出した物質であり、2次処理欄に記載のものは2次処理時に用いた物質を示す。
【0101】
又、表1、表2中の体積抵抗、融解熱の測定は以下のようにして行った。
体積抵抗の測定条件
測定条件;JIS:K6911−1975に準ずる。
【0102】
評価
得られたサンプルをコニカデジタル複写機Sitios7060(コニカ社製レーザデジタル複写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び除電器とが一体となったカートリッジを備えている。現像は反転現像)に装着し、帯電器のグリッド電圧を−700Vに調整し、低温低湿(LL:10℃20%RH)、常温常湿(NN:20℃60%RH)、高温高湿(HH:30℃80%RH)にて、各環境毎に、A4紙、各1万枚の連続コピー画像を作製し、画像評価を行った。又、高温高湿(30℃80%RH)の未露光部電位VHH、露光部電位VHLおよび低温低湿(10℃20%RH)の未露光部電位VLH、露光部電位VLLを測定し、|ΔVH|(VHH−VHLの絶対値)及び|ΔVL|(VLH−VLLの絶対値)を算出した。尚、上記電位評価は各環境条件での1万枚の連続コピー終了後、直ちに電位計で測定した。又、画像濃度、環境メモリ、黒ポチ、モアレの評価は下記のようにして行った。
【0103】
画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。各1万枚コピー後のべた黒画像部で測定した。)
◎:黒ベタ画像が1.2以上(良好)
○:黒ベタ画像が1.2未満〜1.0(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
環境メモリ:上記Konica7060複写機をHH下に24hr放置後、低湿低温下(LL:20RH%、10℃)に置き、30分後、コピーした。オリジナル画像で0.4の濃度のハーフトーン画像を0.4の濃度にコピー、コピー画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎:ΔHDが0.05以下(良好)
○:ΔHDが0.05より大で0.1未満(実用上問題なし)
×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)
黒ポチ(低温低湿又は高温高湿の黒ポチが多い方で判定した)
黒ポチについては、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0104】
◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
モアレの評価(常温常湿のハーフトーン画像や白地画像で評価した。)
◎:ハーフトーン画像や白地画像共、モアレ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像で軽微なモアレ発生(実用性に問題なし)
×:ハーフトーン画像又は白地画像で顕著なモアレ発生(実用性に問題有り)
評価結果を表3に示す。
【0105】
【表3】
【0106】
表3より、バインダー樹脂とアナターゼ形酸化チタンを含有する中間層を有する本発明の感光体1〜19はバインダー樹脂が本発明外の感光体20〜23に比し、画像濃度、環境メモリ、黒ポチ等の改良効果が顕著である。即ち、感光体20、21(いずれもバインダー体積抵抗比(A/B)が1/100より大きい)に比し、環境メモリや黒ポチが改良され、感光体22、23(ルチル型酸化チタンを用いた)に比し、画像濃度の改善効果が顕著である。特に、請求項1と請求項2の条件を共に満たした感光体1〜6、9〜17は高温高湿条件、低温低湿条件共、電位特性が安定しており、画像濃度、環境メモリ、黒ポチの画像評価も優れていることが見出される。
【0107】
【発明の効果】
実施例からも明らかなように、本発明の構成を有する有機感光体を用いることにより、環境変化に対する電位変動が小さく、且つ黒ポチや環境メモリ等も発生しない良好な有機感光体を得ることができる。又該有機感光体を用いた良好な電子写真画像を達成できる画像形成方法、画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
542 搬送量規制部材
543 現像剤攪拌搬送部材
544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンターの分野において用いられる有機感光体、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法として最も代表的なカールソン法での複写機においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せしめ、静電荷潜像を形成する。この静電荷潜像をトナーによって現像して可視化し、次いでそのトナーを紙などに転写してから定着することにより画像形成が行われてきた。
【0003】
これまで電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、カドミウムなどの無機光導電性物質を感光層の主成分とする無機感光体が、広く使用されてきた。しかし、これらの無機感光体は有害なものが多く、環境対策上問題がある。
【0004】
従って近年、無公害である有機物を用いた有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきている。なかでも電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、所望の特性を有する化合物を広い範囲から選択できる機能分離型の感光体が盛んに開発されている。
【0005】
又、近年、電子写真法によるカラー画像形成方法として、デジタル信号処理による書き込みで、有機感光体上にカラー画像を形成するカラー画像形成方法が盛んに行われる様になってきた。
【0006】
従って、有機感光体としては、帯電特性及び感度が良好で、更に暗減衰が低いなど、電子写真特性は勿論のこと、カラー画像に要求される広い階調性、及びデシタル潜像の現像に最も適している反転現像に対する適正が要求される。
【0007】
即ち、電子写真画像の階調性を広くするため、反転現像において、未露光電位(VH)を高くすると電位の微小欠陥が拡大し黒ポチ(カラーの場合は色ポチ)・混色が顕在化し、低くすると十分な、階調性、画像濃度を得ることが出来ない。更に、未露光電位(VH)と、感光体と現像スリーブ間の直流バイアス電位(VDC)の電位差を大きくすると、電位の微小欠陥は顕在化しにくくなるが、大きくし過ぎると、弱帯電トナーの付着やキャリア付着が起こりやすいという問題点も提起されている。
【0008】
上記電位の微笑欠陥の問題を解決するため、有機感光体に中間層を用いる技術が開発されている。例えば、導電性基体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する有機感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、特開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号のアミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン、特開平9−258469号の有機ケイ素化合物で表面処理された酸化チタン、特開平8−328283号のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン、特開平11−344826号の金属酸化物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタンを用いた中間層を有する有機感光体が提案されている。
【0009】
しかし、これらの技術を用いても高温高湿等の厳しい環境下では、尚、黒ポチの発生防止が十分でなく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得られないといった問題が発生している。
【0010】
又、上記酸化チタン粒子等をポリアミド樹脂に分散させて中間層を形成する方法は、広く知られている。しかし、この場合のポリアミド樹脂として通常用いられる主に、6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂は、吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は環境依存性が高くなる傾向にあり、その結果、繰り返し使用による残留電位の上昇、高温高湿下の帯電特性等が変化しやすく、環境メモリ(高温高湿の環境から低温低湿の環境に変わったとき、帯状の画像欠陥が発生する現象)や黒ポチが発生しやすい。
【0011】
アミド結合間の炭素鎖の多い構成単位から構成される共重合ポリアミド樹脂、例えば12−ナイロン系樹脂は、吸水率が低い為、環境依存性が低い感光体を作るのに有効な材料であると予想される。しかし、このようなポリアミドは通常の有機溶媒には不溶で、感光体の製造には適さない。特開平5−72787号公報や特開平6−186767号公報等に記載の如く、メトキシメチル化により溶解性を向上させて用いる例があるが、メトキシメチル化は著しく吸水率を増加させる為、黒ポチや環境メモリを十分低くすることは難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、黒ポチ、環境メモリの発生が少なく、且つ、広い階調性、高い画像濃度が得られる有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記黒ポチ、環境メモリ等の課題解決には、導電性基体と感光層の間に、電荷キャリアの整流性を有し、且つ温湿度変動に対し安定した体積抵抗を有する中間層を設置することが有効であることを見いだし本発明を達成した。即ち本発明の目的は下記のような構成を取ることにより達成される。
【0014】
1.導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする有機感光体。
【0015】
2.導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、前記導電性基体の表面粗さRzが0.5〜2.5μmであり、前記中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有し、該中間層の膜厚Tが前記表面粗さRzと下記式(1)の関係を有することを特徴とする有機感光体。
【0016】
式(1) 0.7Rz≦T≦3.0Rz (μm)
3.上記アナターゼ形酸化チタン顔料が疎水化表面処理が施されていることを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
【0017】
4.前記疎水化表面処理が複数回の表面処理であることを特徴とする前記3に記載の有機感光体。
【0018】
5.前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする前記4に記載の有機感光体。
【0019】
6.前記複数回の表面処理のうち、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことを特徴とする前記4又は5に記載の有機感光体。
【0020】
7.前記アナターゼ形酸化チタン顔料の数平均一次粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載の有機感光体。
【0021】
8.前記バインダー樹脂の体積抵抗(A)及び(B)が、1012Ωcm以上であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0022】
9.前記1〜8のいずれか1項に記載の有機感光体を用い、反転現像方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0023】
10.前記9に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0024】
以下、本発明について詳細に記載する。
▲1▼ 本発明の有機感光体は、導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする。
【0025】
▲2▼ 本発明の有機感光体は、導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、前記導電性基体の表面粗さRzが0.5〜2.5μmであり、前記中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有し、該中間層の膜厚Tが前記表面粗さRzと前記式(1)の関係を有することを特徴とする。
【0026】
前記▲1▼又は▲2▼の構成を有することにより、感度や残留電位の環境依存性が小さく、高温高湿の環境から低温低湿の環境へ、使用条件が急に変化したとしても、安定した画像が得られ、又、反転現像でデジタル画像を形成するに際して、黒ポチや環境メモリ等の画像欠陥の発生が、どのような環境でも防止される。
【0027】
酸化チタン顔料には、アナターゼ、ルチル、ブロカイトの3つの結晶構造が異なる顔料が存在し、本発明のアナターゼ形酸化チタン顔料(以後、単にアナターゼ形酸化チタンともいう)は屈折率2.55、結晶型は正方晶系で、aが0.378nm、cが0.947nmの格子常数を有する白色酸化チタン顔料を云う。
【0028】
本発明ではこのアナターゼ形酸化チタン顔料を温湿度の環境依存性が小さいバインダー樹脂(30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂)中に、分散し、導電性基体と感光層の間に中間層として構成することにより、温湿度の環境条件が変化しても、帯電特性や感度特性の変化が小さく、その結果環境メモリの発生を防止し、且つ反転現像で発生しやすい黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止して、鮮鋭性の良好な電子写真画像を得ることができる。
【0029】
又、上記のような構成の中間層を表面を荒らした導電性基体(Rz:0.5〜2.5μm)上に前記式(1)の関係式の膜厚で設置することにより、前記した効果に加えて、導電性基体と感光層の膜付きを改善し、レーザ光等の像露光光を用いた画像形成に際し、発生しやすいモアレの発生防止にも顕著な効果がある。又、導電性基体の表面を荒らすことにより発生しやすい黒ポチは、本発明の中間層の膜厚を0.7Rz以上に設定することにより、防止することが出来る。
【0030】
本発明のアナターゼ形酸化チタン顔料は公知の硫酸法で製造することができる。即ち、イルメナイトを原料とし、溶解工程、加水分解工程、焼成工程、粉砕・整粒工程、仕上げ工程(表面処置工程)等を経て製造される。
【0031】
本発明の温湿度の環境依存性が小さいバインダー樹脂(30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂)としては以下のような樹脂が挙げられる。
【0032】
即ち、エチレン系共重合樹脂としてELVAX4260(デュポン社製)、ポリウレタン樹脂としてNL2532(三井化学社製)、NL2249E(三井化学社製)、ポリアミド樹脂としてX1010(ダイセル・デグサ(株)製)、変性ポリオレフィン樹脂としてスーパクロン(日本製紙社製)、GS2000((株)鉛市)等が挙げられる。
【0033】
又、上記樹脂の体積抵抗は上記(A)及び(B)共、1012Ωcm以上が好ましく、1012〜1016Ωcmがより好ましい。1012Ωcm未満では、黒ポチや環境メモリが発生しやすく、1016Ωcmより大きいと残留電位が上昇しやすく、反転現像での画像濃度の低下が発生しやすい。
【0034】
上記、体積抵抗の測定法について説明する。
体積抵抗率の測定法
体積抵抗率は、JIS K6911−1975に準じて行った。まず直径約100mm、厚さ20μmの円板状に形成したバインダー樹脂の試料を抵抗測定器ハイレスタIP(三菱油化株式会社製)を用いて測定、1分後の抵抗値より算出した値を測定値とした。なお、高温高湿条件下での測定値は、試料を30℃80%RHの環境下にて24時間調湿した後に測定を行った。又、低温低湿条件下での測定値は、試料を10℃20%RHの環境下にて24時間調湿した後に測定を行った。
【0035】
アナターゼ形酸化チタンの平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上200nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは20nm〜150nm、特に好ましくは、20nm〜100nmである。
【0036】
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるアナターゼ形酸化チタンを用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生や環境メモリ等の画像欠陥を防止する。
【0037】
前記アナターゼ形酸化チタンの数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
【0038】
上記アナターゼ形酸化チタンは表面処理が施されたものが好ましく、その表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
【0039】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはアナターゼ形酸化チタン表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0040】
また、アナターゼ形酸化チタンに行われる表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いて表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理が上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理が行われ、最後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。
【0041】
この様に、アナターゼ形酸化チタンの表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、アナターゼ形酸化チタン表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたアナターゼ形酸化チタンを中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のアナターゼ形酸化チタンの分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0042】
また、該複数回の表面処理をアルミナ及びシリカの表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものや、アルミナ及びシリカの表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を行ってもよい。
【0043】
なお、前述のアルミナ及びシリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
【0044】
アナターゼ形酸化チタンのアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったアナターゼ形酸化チタンは以下の様に作製することができる。
【0045】
アナターゼ形酸化チタンを用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
【0046】
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えばアナターゼ形酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
【0047】
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0048】
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0049】
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
【0050】
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電子写真特性を劣化させ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
【0051】
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0052】
一般式(1)
(R)n−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0053】
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0054】
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0055】
前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理アナターゼ形酸化チタンの量は、例えば表面処理酸化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチが発生せず、初期電位変動が小さい良好な中間層を形成することができる。
【0056】
有機感光体の構成
次に、本発明に用いられる有機感光体について記載する。
【0057】
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0058】
導電性基体
本発明の感光体に用いられる導電性基体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性基体の方が好ましい。
【0059】
本発明の円筒状導電性基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の基体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の基体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0060】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性基体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0061】
本発明で用いられる導電性基体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0062】
導電性基体の表面粗さは導電性基体の表面を切削加工や微細な粒子を基体表面に衝突させることによる、サンドブラスト加工の方法等を用いて、本発明の範囲内に加工することが出来る。又、前記したアルマイト加工等の化学的な表面処理によっても本発明の範囲内に加工することが出来る。
【0063】
中間層
本発明においては導電性基体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記のような中間層を設けることが好ましい。
【0064】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0065】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0066】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0067】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0068】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0069】
電荷輸送物質(CTM)としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMの併用は、相互のCTM間のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0070】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0071】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0072】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜50μmが好ましい。又、本発明の電荷輸送層は2層以上の多層構成とし、その最上層に保護層としての機能を持たせても良い。
【0073】
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
【0074】
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
【0075】
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0076】
前記中間層を含め、本発明の有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0077】
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布した本発明の感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0078】
感光体への一様帯電の後、像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0079】
ここで、本発明の感光体の未露光部電位とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われない領域の感光体表面電位を意味する。又、露光部電位とは像露光が行われた領域の感光体表面電位を意味する。電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置に設けて行う。
【0080】
その静電潜像は次いで現像工程で現像器54を用いて現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0081】
本発明で反転現像とは、デシタル方式の画像形成に用いられる現像方式であり、感光体に潜像を形成するため、像露光は文字及び図形等の画像部を露光し、この露光部を現像でトナー画像として顕像化する現像方式を云う。
【0082】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は現像スリーブ541に直流バイアス電圧、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0083】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0084】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0085】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0086】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0087】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0088】
本発明の反転現像方法は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、以下の文章で「部」とは質量部を表す。
【0090】
以下のようにして、評価に用いる感光体を作製した。
感光体1の作製
中間層1
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により表面粗さRz:1.0μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚1.0μmの中間層1を形成した。
【0091】
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
【0092】
(中間層分散液の作製)
樹脂ELVAX4260(デュポン社製) 1部
アナターゼ形酸化チタン(一次粒径35nm;表面処理は、シリカ処理、アル
ミナ処理、及びフッ化アルキルトリメトキシシラン処理) 3.0部
トルエン 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
【0093】
電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0094】
Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の
最大ピーク角度が2θで27.3) 20部
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
電荷輸送層
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
【0095】
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 75部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
100部
酸化防止剤(下記化合物A) 2部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比7/3) 750部
感光体2〜23の作製
アルミニウム基体の表面粗さRz、中間層の粒子、バインダー樹脂、中間層の乾燥膜厚等の組成を表1、2のように変更した以外は感光体1と同様にして感光体2〜23を作製した。
【0096】
【化1】
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
上表中、
A1、A2、A3、A4はアナターゼ形酸化チタン
Bはルチル型酸化チタン
ELVAX4260はエチレン系共重合樹脂0(デュポン社製)
X1010はポリアミド樹脂(ダイセル・デグサ(株)製)
NL2532、NL2249Eはポリウレタン樹脂(三井化学社製)
スーパクロンは変性ポリオレフィン樹脂(日本製紙社製)
SG2000は変性ポリオレフィン樹脂((株)鉛市)
X1874Mは共重合ナイロン(ダイセルヒュルス(株)製)
CM8000は共重合ナイロン(東レ(株)製)
上記表中、中間層の膜厚は中間層塗布乾燥後、均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を中間層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。
【0100】
又、表1、表2中、1次処理欄に記載のものは1次処理時の酸化チタン粒子表面に析出した物質であり、2次処理欄に記載のものは2次処理時に用いた物質を示す。
【0101】
又、表1、表2中の体積抵抗、融解熱の測定は以下のようにして行った。
体積抵抗の測定条件
測定条件;JIS:K6911−1975に準ずる。
【0102】
評価
得られたサンプルをコニカデジタル複写機Sitios7060(コニカ社製レーザデジタル複写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び除電器とが一体となったカートリッジを備えている。現像は反転現像)に装着し、帯電器のグリッド電圧を−700Vに調整し、低温低湿(LL:10℃20%RH)、常温常湿(NN:20℃60%RH)、高温高湿(HH:30℃80%RH)にて、各環境毎に、A4紙、各1万枚の連続コピー画像を作製し、画像評価を行った。又、高温高湿(30℃80%RH)の未露光部電位VHH、露光部電位VHLおよび低温低湿(10℃20%RH)の未露光部電位VLH、露光部電位VLLを測定し、|ΔVH|(VHH−VHLの絶対値)及び|ΔVL|(VLH−VLLの絶対値)を算出した。尚、上記電位評価は各環境条件での1万枚の連続コピー終了後、直ちに電位計で測定した。又、画像濃度、環境メモリ、黒ポチ、モアレの評価は下記のようにして行った。
【0103】
画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。各1万枚コピー後のべた黒画像部で測定した。)
◎:黒ベタ画像が1.2以上(良好)
○:黒ベタ画像が1.2未満〜1.0(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
環境メモリ:上記Konica7060複写機をHH下に24hr放置後、低湿低温下(LL:20RH%、10℃)に置き、30分後、コピーした。オリジナル画像で0.4の濃度のハーフトーン画像を0.4の濃度にコピー、コピー画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎:ΔHDが0.05以下(良好)
○:ΔHDが0.05より大で0.1未満(実用上問題なし)
×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)
黒ポチ(低温低湿又は高温高湿の黒ポチが多い方で判定した)
黒ポチについては、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0104】
◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
モアレの評価(常温常湿のハーフトーン画像や白地画像で評価した。)
◎:ハーフトーン画像や白地画像共、モアレ発生なし(良好)
○:ハーフトーン画像で軽微なモアレ発生(実用性に問題なし)
×:ハーフトーン画像又は白地画像で顕著なモアレ発生(実用性に問題有り)
評価結果を表3に示す。
【0105】
【表3】
【0106】
表3より、バインダー樹脂とアナターゼ形酸化チタンを含有する中間層を有する本発明の感光体1〜19はバインダー樹脂が本発明外の感光体20〜23に比し、画像濃度、環境メモリ、黒ポチ等の改良効果が顕著である。即ち、感光体20、21(いずれもバインダー体積抵抗比(A/B)が1/100より大きい)に比し、環境メモリや黒ポチが改良され、感光体22、23(ルチル型酸化チタンを用いた)に比し、画像濃度の改善効果が顕著である。特に、請求項1と請求項2の条件を共に満たした感光体1〜6、9〜17は高温高湿条件、低温低湿条件共、電位特性が安定しており、画像濃度、環境メモリ、黒ポチの画像評価も優れていることが見出される。
【0107】
【発明の効果】
実施例からも明らかなように、本発明の構成を有する有機感光体を用いることにより、環境変化に対する電位変動が小さく、且つ黒ポチや環境メモリ等も発生しない良好な有機感光体を得ることができる。又該有機感光体を用いた良好な電子写真画像を達成できる画像形成方法、画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
542 搬送量規制部材
543 現像剤攪拌搬送部材
544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ
Claims (10)
- 導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、該中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有することを特徴とする有機感光体。
- 導電性基体上に中間層、感光層を有する有機感光体において、前記導電性基体の表面粗さRzが0.5〜2.5μmであり、前記中間層が30℃80%RHの体積抵抗(A)と10℃20%RHの体積抵抗(B)の比(A/B)が1〜1/100のバインダー樹脂中にアナターゼ形酸化チタン顔料を分散含有し、該中間層の膜厚Tが前記表面粗さRzと下記式(1)の関係を有することを特徴とする有機感光体。
式(1) 0.7Rz≦T≦3.0Rz (μm) - 上記アナターゼ形酸化チタン顔料が疎水化表面処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機感光体。
- 前記疎水化表面処理が複数回の表面処理であることを特徴とする請求項3に記載の有機感光体。
- 前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする請求項4に記載の有機感光体。
- 前記複数回の表面処理のうち、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の有機感光体。
- 前記アナターゼ形酸化チタン顔料の数平均一次粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の有機感光体。
- 前記バインダー樹脂の体積抵抗(A)及び(B)が、1012Ωcm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機感光体を用い、反転現像方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項9に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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JP2002240485A JP2004077976A (ja) | 2002-08-21 | 2002-08-21 | 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置 |
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Cited By (2)
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US7795330B2 (en) | 2004-04-27 | 2010-09-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Preparation of organic additive-treated, pyrogenic silica-encapsulated titanium dioxide particles |
EP2317389A1 (en) | 2009-11-02 | 2011-05-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
-
2002
- 2002-08-21 JP JP2002240485A patent/JP2004077976A/ja active Pending
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