JP2004077382A - 電子時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種回路部品の実装密度が高められ得、小型化が可能なウオッチタイプの電子時計を提供すること
【解決手段】電子時計1の時計部品を支える地板やケースの如き支持構造体10自体が三次元の配線パターンを備える三次元回路基板になっている。この支持構造体10は、例えば、地板11からなる。支持構造体10のうち配線パターンを含む部分は、回路部品の配設スペースを低減させるように、非平面的形状を有する部分12、13、14、16等を備え得る。支持構造体10の配線パターンを含む部分が主面に直角な方向に拡がった厚さ方向延在部分14を備え、該厚さ方向延在部分14の厚さ方向に延在する表面に回路部品44が実装され得る。
【選択図】 図1
【解決手段】電子時計1の時計部品を支える地板やケースの如き支持構造体10自体が三次元の配線パターンを備える三次元回路基板になっている。この支持構造体10は、例えば、地板11からなる。支持構造体10のうち配線パターンを含む部分は、回路部品の配設スペースを低減させるように、非平面的形状を有する部分12、13、14、16等を備え得る。支持構造体10の配線パターンを含む部分が主面に直角な方向に拡がった厚さ方向延在部分14を備え、該厚さ方向延在部分14の厚さ方向に延在する表面に回路部品44が実装され得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子時計に関し、より詳しくはウオッチタイプの電子時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウオッチタイプの従来の電子時計101では、例えば、図5の断面図で示したように、ケースに取付けられた見切り板のような前面の板102と裏蓋103との間の室ないし配設空間104内において、地板111や中枠等の支持構造体110によって平板状のプリント配線基板120を支持し、電池130に加えて、水晶発振子141や昇圧コイル142や集積回路チップやコンデンサ143や抵抗144等の回路部品140を平板状配線基板120の一方または両方の面に実装することにより、回路ブロック150を構成していた。なお、161は表示用の液晶パネル、162はバックライトとして働くELパネル、163は圧電素子からなるブザーである。この図では、前面側の外装ガラスは図示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような回路ブロック150の構成では、各種回路部品130、140の配置が制限されることから、ケース105の室104内に未利用スペースが残っていても該スペースが回路部品の配設に利用できないことがあるので実装密度の向上に限度があるだけでなく、回路基板120が回路部品130、140等を支えるに十分な機械的剛性を備える必要があることから回路基板120自体がある程度厚くなって無視し難いスペースを占有するので、電子時計101の小型化等に限度があった。
【0004】
また、図6に示したようにケース105及び前面側の外層ガラス106が湾曲すると共に表示用の液晶パネル161aやELパネル162aが同様に湾曲したタイプのウオッチタイプの電子時計101aの場合、電池130aの収容領域を別個に設けたとしても、平板状の回路基板120aをほぼ蒲鉾型の室104a内に収容するために、回路部品140aの配設領域が制限されることから、小型化は更に難しかった。なお、図6において、図5の要素に対応する要素には、同一の符号の後に添字「a」を付してある。
【0005】
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、各種回路部品の実装密度が高められ得、小型化が可能なウオッチタイプの電子時計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のウオッチタイプの電子時計は、前記目的を達成すべく、時計部品を支える支持構造体が三次元の配線パターンを備えた三次元回路基板になっている。
【0007】
本発明の電子時計では、時計部品を支える支持構造体自体が三次元の配線パターンを備えた三次元回路基板になっているので、支持構造体の三次元形状からして空きスペース(未利用空間)が形成されやすい領域に臨む部分が三次元回路基板として働き得るようにすることにより、ケース内のスペースを最大限有効に利用しつつ各種回路部品をケース内の所望の場所に所望の向きで実装することが可能になる。すなわち、従来は回路基板の平面上に拡がった配線パターンに沿って平面上に配置されていた回路部品を従来は利用できなかった空いた空間ないし場所に従来は配設できなかった向きでレイアウトすることが可能になる。その結果、ウオッチタイプの電子時計において、外装ケースの内側の空間が最大限効率的に利用され得、各種回路部品の実装密度が高められ得る。従って、実質的に外装ケース内部の空間の大きさを最小限にすることが可能になり、ケースの小型化が図られ得、電子時計の小型化が可能になる。また、場合によっては、電子時計の(設計)形状も所望に応じて種々変更することが容易になり、更に、従来は回路部品を実装する基台になっていた回路基板を別個に設ける必要がなくなるので、電子時計の薄型化を図ることが可能になり得るだけでなく、部品点数の削減によるコストダウンを図ることも可能になる。
【0008】
ここで、支持構造体は、地板、中枠、押さえ部材及びケースからなる群から選択された少なくとも一つの部材であり、典型的には、例えば、地板や中枠等と呼ばれてきた部分である。なお、地板や中枠等の全ての部分が三次元回路基板として働くようになっていてもよいけれども、所望ならば、機械的強度等を考慮して、地板や中枠のうちの一部の領域が三次元回路基板として働き残りの領域は、従来どおり単なる支持構造体として働くようになっていてもよい。ケースが電気絶縁性の樹脂などで形成される場合には、該ケースも同様な支持構造体として利用され得る。なお、三次元回路基板として働く領域が一部である場合、その領域は、一箇所のみでもよいけれども、複数の離れた箇所であってもよい。これらの複数の箇所は、典型的には、内部の配線で電気的に接続されるけれども、所望ならばケーブルなどにより外部で電気的に接続されていてもよい。
【0009】
回路部品としては、コイルやコンデンサや抵抗などの一般的な回路部品だけでなく、電気ないし電子回路を構成し得る限り、ICや水晶発振子等のような各種の電気ないし電子素子が含まれ得る。
【0010】
配線パターンに関して、「三次元」のパターンとは、支持構造体の平面状延在部分の表面に沿って実質的に二次元の拡がりを有するだけでなく実質的に三次元方向の延在部分を有する支持構造体の種々の延在部分に沿って三次元の拡がりを有するものをいい、支持構造体の表面や内部に沿って面状に拡がっていても、支持構造体の交差(分岐)する部分に沿って拡がっていてもよく、典型的には、空きスペースを回路部品の配設に最大限に利用し得るように、支持構造体自体が該回路部品の実装を可能にする三次元の凹凸や分岐形状を有する。
【0011】
当然ながら、支持構造体自体が回路基板として働くようにすることから、地板や中枠やケースの内面等の形状も従来の地板や中枠やケースの内面等の形状とは、異なり得、各種回路部品の配置・実装に適した形状に形成され得る。
【0012】
すなわち、本発明の電子時計において、典型的には、支持構造体のうち配線パターンを含む部分が、回路部品の配設スペースを低減させるように、非平面的形状を有する。
【0013】
この場合、回路部品が支持構造体の配線パターンを含む部分のうち非平面的形状を有する部分の両面に実装されていても、また、支持構造体の配線パターンを含む部分が主面に直角な方向に拡がった厚さ方向延在部分を備え、該厚さ方向延在部分の厚さ方向に延在する表面に回路部品が実装されていてもよい。
【0014】
また、本発明の好ましい一実施例の電子時計では、支持構造体のうち配線パターンを含む部分が湾曲面を備えた剛性支持体からなる。
【0015】
以上において、三次元の配線パターンを含む三次元の回路基板を与える支持構造体は、典型的には、いわゆるMID(Molded Interconnect Device;三次元射出回路部品)技術により、形成される。ここで、三次元配線は、インサート成形などによって一体的に形成されても、プラスチックの多色成形技術ないし射出成形技術等が用いられてもフォトリソグラフィの如き集積回路形成技術等や乾式又は湿式のメッキ技術ないしプレーティング技術などが用いられてもよい。樹脂としては、所望に応じてエンジニアリングプラスチックが用いられ得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
【0017】
【実施例】
図1及び図2には、本発明による好ましい第一実施例のウオッチタイプの電子時計1が示されている。
【0018】
この電子時計1は、ケース2と裏蓋3と前面の見切り板4とにより囲まれた室5内に配置され、ケース2に支持・固定された支持構造体10を有する。
【0019】
この支持構造体10は、三次元の拡がりと剛性とを備え、従来の地板や中枠などと同様な三次元の機械的な支持構造を与える枠体(三次元の機械的支持構造体)として機能するだけでなく、MID技術により形成された三次元の配線パターンを表面や内部に含んでおり、三次元の回路基板(三次元の電気的支持構造体)11としても機能する。なお、この支持構造体10は、複数の部分が個別にケース2の別個の部位などで支持されるようになっていても、締結手段や形状に応じた嵌合せ等により一体化されて全体として一体的に形成された一つのものとして、ケース2に対して位置決め・固定されるようになっていても、また、予め一体物になるように成形されていてもよい。
【0020】
この例の電子時計1では、図5に示した従来の電子時計101と同様な広義の回路部品が実装されている。但し、この電子時計1では、電池30に加えて、水晶発振子41や昇圧コイル42やコンデンサ43や抵抗44等の回路部品40が全て、それ自体が地板としても働く支持構造体10に実装されている。
【0021】
図1の電子時計1を図5の従来の電子時計101と比較すれば明らかなように、電子時計1では、例えば、水晶発振器の如き発振ユニット41のような比較的大きい回路部品を、回路基板120上に実装し且つその機械的な端子や接点等を地板111に取付ける(図5)代わりに、三次元回路を含む支持構造体10の関連配線部分に発振ユニット41を実装すると共にスイッチばね51の如き電気機械的な部品を該配線部分に隣接して直接実装させ得る。即ち、この電子時計の支持構造体10は、それ自体が三次元の機械的支持構造に加えて三次元の配線パターンを備え得るから、支持構造体10の発振ユニット41の支持部分12自体で発振ユニット41の機械的支持と電気的接続とをまかない得る。
【0022】
また、図1の電子時計1では、機械的な支持を兼ねた支持構造体10の部分13自体が配線パターンを備え且つ隣接部分が厚さ方向のどの位置にあるかにほとんど影響されることなく所望に応じて支持構造体10の部分を曲折させ得るので、該支持構造体部分13が室5の厚さ方向の中間部に配置されることにより、その両面にコンデンサ43の如き電子部品40が実装され得る。すなわち、図5に示したような従来の回路基板120においても、コンデンサ143や抵抗144のような回路部品を回路基板120の両面に実装することは行われているけれども、電子時計のケースの内部のような狭いスペースでは、回路基板が採るべき位置が限られることから、両面実装の可能な領域が狭い範囲に限られることも少なくない。例えば、図5に示した例の場合、水晶発振器ユニット141の厚さ方向の大きさDP1が地板111と回路基板120との間の間隔WP1をWP1>DP1の範囲内でWP1〜DP1として実際上規定するので、コンデンサ143などの回路部品140の高さHP1が比較的低くてHP1<<WP1であり、高さないし幅ΔP1=WP1−HP1の比較的大きいスペース151が残っても、そのスペース151が有効に利用され難い。なお、該当部分において、地板111の厚さを不必要に大きくすること自体は可能であるけれども、これは単にスペースを埋めることにしかならない。これに対して、電子時計1では、支持構造体10を関連部分13に限って厚さW1(>WP1)の実際上中間領域に沿って延在させ得るので、当該部分13の両面に回路部品40を実装することが可能になり、結果として実装密度を高め得る。
【0023】
また、支持構造体10では、図1において、符号14で示したように、室5内において厚さ方向に延在する部分自体にも配線パターンを形成することにより、当該厚さ方向延在部分14にコンデンサや抵抗44のような回路部品40を実装することが可能になり、その実装密度が一層高められ得る。この場合、厚さ方向延在部分14は、室5の裏蓋3側に沿って延在していた支持構造体10の部分12と、中央延在部分13とを繋ぐために実際上不可避の部分であるので、厚さ方向延在部分14は、関連部分12、13の接続機能を併せもち得ることになる。また、回路部品44のこのような向きの異なる配置は、該回路部品44が、生成する静電場や時間的に変動する磁場や電場を、隣接回路部品などとの間の迷結合が最小限になるように選択する可能性を高め、実装密度を高めつつより柔軟な回路配置の選択を可能にする。
【0024】
図1の電子時計1では、昇圧コイル42も、回路基板としても機能する地板部分15に、直接組込まれている。ここでも、非平面的形状を与える部分としての遷移部16を介して地板部分15を中央の地板部分13よりも裏蓋3に近接する位置に位置決めすることにより、昇圧コイル42の周囲の部分のスペース6が、図5の電子時計101の昇圧コイル142の周囲の部分のスペース109よりも広くなり得るので、他の回路部品40がコイル42の動作に起因するノイズの影響を受ける虞れが少なくなり得る。遷移部分16の形状等は、該部分16が果たすべき役割に応じて適宜選択ないし設定され得る。
【0025】
図1の電子時計1では、電池30に関しても、電源として働く電池130の出力をフレキシブルケーブルなどの配線を介して回路基板120に与えるようにしていた図5の従来の電子時計101とは異なり、三次元回路パターンを備えた支持構造体10の他の部位にある回路部品40の直接給電し得るので、余分な配線が不要となるだけでなく、給電エネルギのロスや迷容量などに起因するノイズ等を最小限に抑制し得る。
【0026】
なお、45は、静電気を逃がすための接地機能を備えたばねである。図5に示した電子時計101においても同様なばね145が地板111から裏蓋103に向かって延びているけれども、この従来の電子時計101では、地板111は樹脂のような電気絶縁材料からなり(地板がステンレス鋼などの導電性材料からなる場合もあるけれども、その場合には地板自体を回路基板120や電気部品140の大半の部分から絶縁する必要があるので回路基板や回路部品などとの相対配置が異なる)、地板111に形成さた導電性部分146を介して静電気の放電を行うようにしているもので、地板111とばね145による接地機能は必ずしも十分でないのに対して、この電子時計1の場合、地板11としてはたらく支持構造体10は、多数の配線パターンを備え得るので、そのうちの基本となる大きな導電パターン領域の電位を接地用電位として選択することにより、広範囲にわたって接地が可能となり、回路全体即ち回路ブロック50の動作が安定になり易い。
【0027】
なお、図1において、61は表示用の液晶パネル、62はバックライトとして働くELパネルである。
【0028】
図2には、図1の電子時計1で電池30が配置されていた領域に集積回路47が配置されている電子時計1bを示したもので、その他の点では、図1の電子時計1と同様に配置さている。この場合、集積回路47の周囲に比較的広いスペースが確保されるので、該集積回路47からの放熱を促して発熱による影響を最小限に抑えたり該集積回路47がその接点端子などを介してノイズの影響を受ける虞れを最小限に抑制することが可能になる。但し、図示の例では集積回路47の厚さが比較的薄いので、図2において、支持構造体10のうち集積回路47が実装されている部分17は、裏蓋3により近接した領域に配置されていてもよい。
【0029】
図1や図2に示したような断面構造を有する電子時計1又は1bは、例えば、図3に示したような平面構造を有し得る。図3からわかるように、この電子時計1や1bでは、回路部品40が支持構造体10により形成される三次元回路パターンの側面や背面等に三次元の凹凸の許容範囲内で実装されるので、実装密度が比較的高い割には、回路部品40が表面に露出する割合が少なくなる。
【0030】
図4においては、外装ガラス106や液晶パネル161a及びELパネル162aやケースの底壁105が湾曲している従来の電子時計101aに対応し、支持構造体10aが三次元配線パターンを一体的に備える本発明による好ましい別の一実施例の電子時計1aが、示されている。すなわち、この電子時計1aでは、外装ガラス6や液晶パネル61a及びELパネル62aやケースの底壁5が湾曲している。但し、この電子時計1aでは、支持構造体10aが、ケースの底壁5兼地板として働くだけでなく、回路部品40aが実装される配線パターンを備える。
【0031】
図4の電子時計1aにおいて、図1や図2の電子時計1や1bと同様な要素には、同一の符号の後に添字「a」を付してある。また、図6の従来の電子時計101aの対応する用途と比較した場合、対応する要素には、原則として「100」だけ小さい数字が当てられている。
【0032】
図4の電子時計1aでは、底壁5に直角な方向に室5a内に、裏面側から表側に向かって立上った直立壁部18、18、・・・を有する。非平面的形状の厚さ方向延在部分としてのこの直立壁部18の表面及び/又は内部には配線パターンが形成され、例えば、コンデンサ43aや抵抗44aのような回路部品40aが実装されている。直立壁部18のうち、図4の中央の三つの壁部18、18、18では、夫々、その延在方向(時計1aの厚さ方向)に二個づつの回路部品40aが、その両面に実装されている。従って、この電子時計1aでは、その厚さが最大限に利用されて、回路部品40aの実装が行われる。また、底壁5の延在方向が湾曲面になっていてもその湾曲が回路部品40aの実装に直接的な障害にならない。この場合、柱のように直立した部分18は、底壁部5に対して別体で形成されて時計1a等の組立ての際に組み付けられてもよいけれども、ウオッチでは、この直立部分18の高さは、典型的には、2〜3mm程度又はそれ以下であるので、実際上一体的に成形されることがむしろ好ましい。なお、このような直立した柱状壁部18を林立させておいて、夫々の壁部18に回路部品40aを実装することにより、底壁5が湾曲していても極めて高密度に回路部品40の実装が可能になる。
【0033】
また、底壁5を兼ねた支持構造体10aに回路パターンが形成されていることから、図4の電子時計1aでは、昇圧コイル42a等が、支持構造体10aの表面に直接実装されている。すなわち、この領域15aの表面などに配線パターンを形成しておくことになる。ここで、図6に示した従来の電子時計101aでは、配線基板120aが平面状であったことから、湾曲の中央部から離れたところでは配線基板120aが表面側に近接するので昇圧コイル142a等の配設スペースを十分に確保し難かったけれども、この電子時計1aでは、底壁5の内面に配線パターンを形成しておいて、該パターン上に昇圧コイル42a等を直接実装することにより、昇圧コイル42aの周囲に十分に大きなスペースが確保され得る。この図4に示した例では、図6に示した従来例と比較して、符号80で示した想像線の領域が実際上余ることになり、この領域80の大きさ分だけケース2等のサイズを小さくすることが可能になる。勿論、余ることになる領域80の少なくとも一部に付加機能実現手段等を追加してもよい。
【0034】
また、この場合、底壁5を兼ねた支持構造体10aが、配線パターンを有するので、電池30aの正極31aのための電極接点端子32aが、支持構造体10aのうち電池30aの収容領域の近傍に一体的に電池ケースの一部として形成された壁部19によって容易且つ確実に支持され得る。
【0035】
すなわち、図6に示した従来の電子時計101aの場合、基板120aから電極接点端子132aを延ばす必要があることから、基板120aをELパネル162aの領域の近傍まで延ばす必要が生じたり、基板120aと他の部品との干渉を最小限にし得るように、電池130aを時計101aの端に配置したりする必要があった。これに対して、電子時計1aでは、支持構造体10aの形状が実際上所望に応じて非平面状に形成され得るので、各種部品の相対配置が困難化したりする虞れがないだけでなく、所望ならば、電池30aをもう少し、中央部に寄せた構成を採ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の電子時計の断面説明図。
【図2】図1の電子時計の変形例についての図1と同様な断面説明図。
【図3】図1や図2に示した電子時計の一例の表側の外装ガラスや液晶パネル及びELパネルを取除いた状態での平面説明図(但し、厳密には、図1や図2の電子時計とは回路部品などの配置が異なる)。
【図4】本発明による好ましい別の一実施例の電子時計の断面説明図。
【図5】図1の電子時計と同様な回路部品を備えた従来の電子時計についての図1と同様な断面説明図。
【図6】図5の電子時計と同様な回路部品を備えた従来の電子時計についての図4と同様な断面説明図。
【符号の説明】
1、1a、1b 電子時計
2 ケース
3 裏蓋
5 室
10 支持構造体
11 地板
12、13、14、15、16、17 支持構造体の一部の部分
30 電池
40 回路部品
41 水晶発振器ユニット
42 昇圧コイル
43 コンデンサ
44 抵抗
45 接地用ばね
61 液晶パネル
62 ELパネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子時計に関し、より詳しくはウオッチタイプの電子時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウオッチタイプの従来の電子時計101では、例えば、図5の断面図で示したように、ケースに取付けられた見切り板のような前面の板102と裏蓋103との間の室ないし配設空間104内において、地板111や中枠等の支持構造体110によって平板状のプリント配線基板120を支持し、電池130に加えて、水晶発振子141や昇圧コイル142や集積回路チップやコンデンサ143や抵抗144等の回路部品140を平板状配線基板120の一方または両方の面に実装することにより、回路ブロック150を構成していた。なお、161は表示用の液晶パネル、162はバックライトとして働くELパネル、163は圧電素子からなるブザーである。この図では、前面側の外装ガラスは図示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような回路ブロック150の構成では、各種回路部品130、140の配置が制限されることから、ケース105の室104内に未利用スペースが残っていても該スペースが回路部品の配設に利用できないことがあるので実装密度の向上に限度があるだけでなく、回路基板120が回路部品130、140等を支えるに十分な機械的剛性を備える必要があることから回路基板120自体がある程度厚くなって無視し難いスペースを占有するので、電子時計101の小型化等に限度があった。
【0004】
また、図6に示したようにケース105及び前面側の外層ガラス106が湾曲すると共に表示用の液晶パネル161aやELパネル162aが同様に湾曲したタイプのウオッチタイプの電子時計101aの場合、電池130aの収容領域を別個に設けたとしても、平板状の回路基板120aをほぼ蒲鉾型の室104a内に収容するために、回路部品140aの配設領域が制限されることから、小型化は更に難しかった。なお、図6において、図5の要素に対応する要素には、同一の符号の後に添字「a」を付してある。
【0005】
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、各種回路部品の実装密度が高められ得、小型化が可能なウオッチタイプの電子時計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のウオッチタイプの電子時計は、前記目的を達成すべく、時計部品を支える支持構造体が三次元の配線パターンを備えた三次元回路基板になっている。
【0007】
本発明の電子時計では、時計部品を支える支持構造体自体が三次元の配線パターンを備えた三次元回路基板になっているので、支持構造体の三次元形状からして空きスペース(未利用空間)が形成されやすい領域に臨む部分が三次元回路基板として働き得るようにすることにより、ケース内のスペースを最大限有効に利用しつつ各種回路部品をケース内の所望の場所に所望の向きで実装することが可能になる。すなわち、従来は回路基板の平面上に拡がった配線パターンに沿って平面上に配置されていた回路部品を従来は利用できなかった空いた空間ないし場所に従来は配設できなかった向きでレイアウトすることが可能になる。その結果、ウオッチタイプの電子時計において、外装ケースの内側の空間が最大限効率的に利用され得、各種回路部品の実装密度が高められ得る。従って、実質的に外装ケース内部の空間の大きさを最小限にすることが可能になり、ケースの小型化が図られ得、電子時計の小型化が可能になる。また、場合によっては、電子時計の(設計)形状も所望に応じて種々変更することが容易になり、更に、従来は回路部品を実装する基台になっていた回路基板を別個に設ける必要がなくなるので、電子時計の薄型化を図ることが可能になり得るだけでなく、部品点数の削減によるコストダウンを図ることも可能になる。
【0008】
ここで、支持構造体は、地板、中枠、押さえ部材及びケースからなる群から選択された少なくとも一つの部材であり、典型的には、例えば、地板や中枠等と呼ばれてきた部分である。なお、地板や中枠等の全ての部分が三次元回路基板として働くようになっていてもよいけれども、所望ならば、機械的強度等を考慮して、地板や中枠のうちの一部の領域が三次元回路基板として働き残りの領域は、従来どおり単なる支持構造体として働くようになっていてもよい。ケースが電気絶縁性の樹脂などで形成される場合には、該ケースも同様な支持構造体として利用され得る。なお、三次元回路基板として働く領域が一部である場合、その領域は、一箇所のみでもよいけれども、複数の離れた箇所であってもよい。これらの複数の箇所は、典型的には、内部の配線で電気的に接続されるけれども、所望ならばケーブルなどにより外部で電気的に接続されていてもよい。
【0009】
回路部品としては、コイルやコンデンサや抵抗などの一般的な回路部品だけでなく、電気ないし電子回路を構成し得る限り、ICや水晶発振子等のような各種の電気ないし電子素子が含まれ得る。
【0010】
配線パターンに関して、「三次元」のパターンとは、支持構造体の平面状延在部分の表面に沿って実質的に二次元の拡がりを有するだけでなく実質的に三次元方向の延在部分を有する支持構造体の種々の延在部分に沿って三次元の拡がりを有するものをいい、支持構造体の表面や内部に沿って面状に拡がっていても、支持構造体の交差(分岐)する部分に沿って拡がっていてもよく、典型的には、空きスペースを回路部品の配設に最大限に利用し得るように、支持構造体自体が該回路部品の実装を可能にする三次元の凹凸や分岐形状を有する。
【0011】
当然ながら、支持構造体自体が回路基板として働くようにすることから、地板や中枠やケースの内面等の形状も従来の地板や中枠やケースの内面等の形状とは、異なり得、各種回路部品の配置・実装に適した形状に形成され得る。
【0012】
すなわち、本発明の電子時計において、典型的には、支持構造体のうち配線パターンを含む部分が、回路部品の配設スペースを低減させるように、非平面的形状を有する。
【0013】
この場合、回路部品が支持構造体の配線パターンを含む部分のうち非平面的形状を有する部分の両面に実装されていても、また、支持構造体の配線パターンを含む部分が主面に直角な方向に拡がった厚さ方向延在部分を備え、該厚さ方向延在部分の厚さ方向に延在する表面に回路部品が実装されていてもよい。
【0014】
また、本発明の好ましい一実施例の電子時計では、支持構造体のうち配線パターンを含む部分が湾曲面を備えた剛性支持体からなる。
【0015】
以上において、三次元の配線パターンを含む三次元の回路基板を与える支持構造体は、典型的には、いわゆるMID(Molded Interconnect Device;三次元射出回路部品)技術により、形成される。ここで、三次元配線は、インサート成形などによって一体的に形成されても、プラスチックの多色成形技術ないし射出成形技術等が用いられてもフォトリソグラフィの如き集積回路形成技術等や乾式又は湿式のメッキ技術ないしプレーティング技術などが用いられてもよい。樹脂としては、所望に応じてエンジニアリングプラスチックが用いられ得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
【0017】
【実施例】
図1及び図2には、本発明による好ましい第一実施例のウオッチタイプの電子時計1が示されている。
【0018】
この電子時計1は、ケース2と裏蓋3と前面の見切り板4とにより囲まれた室5内に配置され、ケース2に支持・固定された支持構造体10を有する。
【0019】
この支持構造体10は、三次元の拡がりと剛性とを備え、従来の地板や中枠などと同様な三次元の機械的な支持構造を与える枠体(三次元の機械的支持構造体)として機能するだけでなく、MID技術により形成された三次元の配線パターンを表面や内部に含んでおり、三次元の回路基板(三次元の電気的支持構造体)11としても機能する。なお、この支持構造体10は、複数の部分が個別にケース2の別個の部位などで支持されるようになっていても、締結手段や形状に応じた嵌合せ等により一体化されて全体として一体的に形成された一つのものとして、ケース2に対して位置決め・固定されるようになっていても、また、予め一体物になるように成形されていてもよい。
【0020】
この例の電子時計1では、図5に示した従来の電子時計101と同様な広義の回路部品が実装されている。但し、この電子時計1では、電池30に加えて、水晶発振子41や昇圧コイル42やコンデンサ43や抵抗44等の回路部品40が全て、それ自体が地板としても働く支持構造体10に実装されている。
【0021】
図1の電子時計1を図5の従来の電子時計101と比較すれば明らかなように、電子時計1では、例えば、水晶発振器の如き発振ユニット41のような比較的大きい回路部品を、回路基板120上に実装し且つその機械的な端子や接点等を地板111に取付ける(図5)代わりに、三次元回路を含む支持構造体10の関連配線部分に発振ユニット41を実装すると共にスイッチばね51の如き電気機械的な部品を該配線部分に隣接して直接実装させ得る。即ち、この電子時計の支持構造体10は、それ自体が三次元の機械的支持構造に加えて三次元の配線パターンを備え得るから、支持構造体10の発振ユニット41の支持部分12自体で発振ユニット41の機械的支持と電気的接続とをまかない得る。
【0022】
また、図1の電子時計1では、機械的な支持を兼ねた支持構造体10の部分13自体が配線パターンを備え且つ隣接部分が厚さ方向のどの位置にあるかにほとんど影響されることなく所望に応じて支持構造体10の部分を曲折させ得るので、該支持構造体部分13が室5の厚さ方向の中間部に配置されることにより、その両面にコンデンサ43の如き電子部品40が実装され得る。すなわち、図5に示したような従来の回路基板120においても、コンデンサ143や抵抗144のような回路部品を回路基板120の両面に実装することは行われているけれども、電子時計のケースの内部のような狭いスペースでは、回路基板が採るべき位置が限られることから、両面実装の可能な領域が狭い範囲に限られることも少なくない。例えば、図5に示した例の場合、水晶発振器ユニット141の厚さ方向の大きさDP1が地板111と回路基板120との間の間隔WP1をWP1>DP1の範囲内でWP1〜DP1として実際上規定するので、コンデンサ143などの回路部品140の高さHP1が比較的低くてHP1<<WP1であり、高さないし幅ΔP1=WP1−HP1の比較的大きいスペース151が残っても、そのスペース151が有効に利用され難い。なお、該当部分において、地板111の厚さを不必要に大きくすること自体は可能であるけれども、これは単にスペースを埋めることにしかならない。これに対して、電子時計1では、支持構造体10を関連部分13に限って厚さW1(>WP1)の実際上中間領域に沿って延在させ得るので、当該部分13の両面に回路部品40を実装することが可能になり、結果として実装密度を高め得る。
【0023】
また、支持構造体10では、図1において、符号14で示したように、室5内において厚さ方向に延在する部分自体にも配線パターンを形成することにより、当該厚さ方向延在部分14にコンデンサや抵抗44のような回路部品40を実装することが可能になり、その実装密度が一層高められ得る。この場合、厚さ方向延在部分14は、室5の裏蓋3側に沿って延在していた支持構造体10の部分12と、中央延在部分13とを繋ぐために実際上不可避の部分であるので、厚さ方向延在部分14は、関連部分12、13の接続機能を併せもち得ることになる。また、回路部品44のこのような向きの異なる配置は、該回路部品44が、生成する静電場や時間的に変動する磁場や電場を、隣接回路部品などとの間の迷結合が最小限になるように選択する可能性を高め、実装密度を高めつつより柔軟な回路配置の選択を可能にする。
【0024】
図1の電子時計1では、昇圧コイル42も、回路基板としても機能する地板部分15に、直接組込まれている。ここでも、非平面的形状を与える部分としての遷移部16を介して地板部分15を中央の地板部分13よりも裏蓋3に近接する位置に位置決めすることにより、昇圧コイル42の周囲の部分のスペース6が、図5の電子時計101の昇圧コイル142の周囲の部分のスペース109よりも広くなり得るので、他の回路部品40がコイル42の動作に起因するノイズの影響を受ける虞れが少なくなり得る。遷移部分16の形状等は、該部分16が果たすべき役割に応じて適宜選択ないし設定され得る。
【0025】
図1の電子時計1では、電池30に関しても、電源として働く電池130の出力をフレキシブルケーブルなどの配線を介して回路基板120に与えるようにしていた図5の従来の電子時計101とは異なり、三次元回路パターンを備えた支持構造体10の他の部位にある回路部品40の直接給電し得るので、余分な配線が不要となるだけでなく、給電エネルギのロスや迷容量などに起因するノイズ等を最小限に抑制し得る。
【0026】
なお、45は、静電気を逃がすための接地機能を備えたばねである。図5に示した電子時計101においても同様なばね145が地板111から裏蓋103に向かって延びているけれども、この従来の電子時計101では、地板111は樹脂のような電気絶縁材料からなり(地板がステンレス鋼などの導電性材料からなる場合もあるけれども、その場合には地板自体を回路基板120や電気部品140の大半の部分から絶縁する必要があるので回路基板や回路部品などとの相対配置が異なる)、地板111に形成さた導電性部分146を介して静電気の放電を行うようにしているもので、地板111とばね145による接地機能は必ずしも十分でないのに対して、この電子時計1の場合、地板11としてはたらく支持構造体10は、多数の配線パターンを備え得るので、そのうちの基本となる大きな導電パターン領域の電位を接地用電位として選択することにより、広範囲にわたって接地が可能となり、回路全体即ち回路ブロック50の動作が安定になり易い。
【0027】
なお、図1において、61は表示用の液晶パネル、62はバックライトとして働くELパネルである。
【0028】
図2には、図1の電子時計1で電池30が配置されていた領域に集積回路47が配置されている電子時計1bを示したもので、その他の点では、図1の電子時計1と同様に配置さている。この場合、集積回路47の周囲に比較的広いスペースが確保されるので、該集積回路47からの放熱を促して発熱による影響を最小限に抑えたり該集積回路47がその接点端子などを介してノイズの影響を受ける虞れを最小限に抑制することが可能になる。但し、図示の例では集積回路47の厚さが比較的薄いので、図2において、支持構造体10のうち集積回路47が実装されている部分17は、裏蓋3により近接した領域に配置されていてもよい。
【0029】
図1や図2に示したような断面構造を有する電子時計1又は1bは、例えば、図3に示したような平面構造を有し得る。図3からわかるように、この電子時計1や1bでは、回路部品40が支持構造体10により形成される三次元回路パターンの側面や背面等に三次元の凹凸の許容範囲内で実装されるので、実装密度が比較的高い割には、回路部品40が表面に露出する割合が少なくなる。
【0030】
図4においては、外装ガラス106や液晶パネル161a及びELパネル162aやケースの底壁105が湾曲している従来の電子時計101aに対応し、支持構造体10aが三次元配線パターンを一体的に備える本発明による好ましい別の一実施例の電子時計1aが、示されている。すなわち、この電子時計1aでは、外装ガラス6や液晶パネル61a及びELパネル62aやケースの底壁5が湾曲している。但し、この電子時計1aでは、支持構造体10aが、ケースの底壁5兼地板として働くだけでなく、回路部品40aが実装される配線パターンを備える。
【0031】
図4の電子時計1aにおいて、図1や図2の電子時計1や1bと同様な要素には、同一の符号の後に添字「a」を付してある。また、図6の従来の電子時計101aの対応する用途と比較した場合、対応する要素には、原則として「100」だけ小さい数字が当てられている。
【0032】
図4の電子時計1aでは、底壁5に直角な方向に室5a内に、裏面側から表側に向かって立上った直立壁部18、18、・・・を有する。非平面的形状の厚さ方向延在部分としてのこの直立壁部18の表面及び/又は内部には配線パターンが形成され、例えば、コンデンサ43aや抵抗44aのような回路部品40aが実装されている。直立壁部18のうち、図4の中央の三つの壁部18、18、18では、夫々、その延在方向(時計1aの厚さ方向)に二個づつの回路部品40aが、その両面に実装されている。従って、この電子時計1aでは、その厚さが最大限に利用されて、回路部品40aの実装が行われる。また、底壁5の延在方向が湾曲面になっていてもその湾曲が回路部品40aの実装に直接的な障害にならない。この場合、柱のように直立した部分18は、底壁部5に対して別体で形成されて時計1a等の組立ての際に組み付けられてもよいけれども、ウオッチでは、この直立部分18の高さは、典型的には、2〜3mm程度又はそれ以下であるので、実際上一体的に成形されることがむしろ好ましい。なお、このような直立した柱状壁部18を林立させておいて、夫々の壁部18に回路部品40aを実装することにより、底壁5が湾曲していても極めて高密度に回路部品40の実装が可能になる。
【0033】
また、底壁5を兼ねた支持構造体10aに回路パターンが形成されていることから、図4の電子時計1aでは、昇圧コイル42a等が、支持構造体10aの表面に直接実装されている。すなわち、この領域15aの表面などに配線パターンを形成しておくことになる。ここで、図6に示した従来の電子時計101aでは、配線基板120aが平面状であったことから、湾曲の中央部から離れたところでは配線基板120aが表面側に近接するので昇圧コイル142a等の配設スペースを十分に確保し難かったけれども、この電子時計1aでは、底壁5の内面に配線パターンを形成しておいて、該パターン上に昇圧コイル42a等を直接実装することにより、昇圧コイル42aの周囲に十分に大きなスペースが確保され得る。この図4に示した例では、図6に示した従来例と比較して、符号80で示した想像線の領域が実際上余ることになり、この領域80の大きさ分だけケース2等のサイズを小さくすることが可能になる。勿論、余ることになる領域80の少なくとも一部に付加機能実現手段等を追加してもよい。
【0034】
また、この場合、底壁5を兼ねた支持構造体10aが、配線パターンを有するので、電池30aの正極31aのための電極接点端子32aが、支持構造体10aのうち電池30aの収容領域の近傍に一体的に電池ケースの一部として形成された壁部19によって容易且つ確実に支持され得る。
【0035】
すなわち、図6に示した従来の電子時計101aの場合、基板120aから電極接点端子132aを延ばす必要があることから、基板120aをELパネル162aの領域の近傍まで延ばす必要が生じたり、基板120aと他の部品との干渉を最小限にし得るように、電池130aを時計101aの端に配置したりする必要があった。これに対して、電子時計1aでは、支持構造体10aの形状が実際上所望に応じて非平面状に形成され得るので、各種部品の相対配置が困難化したりする虞れがないだけでなく、所望ならば、電池30aをもう少し、中央部に寄せた構成を採ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の電子時計の断面説明図。
【図2】図1の電子時計の変形例についての図1と同様な断面説明図。
【図3】図1や図2に示した電子時計の一例の表側の外装ガラスや液晶パネル及びELパネルを取除いた状態での平面説明図(但し、厳密には、図1や図2の電子時計とは回路部品などの配置が異なる)。
【図4】本発明による好ましい別の一実施例の電子時計の断面説明図。
【図5】図1の電子時計と同様な回路部品を備えた従来の電子時計についての図1と同様な断面説明図。
【図6】図5の電子時計と同様な回路部品を備えた従来の電子時計についての図4と同様な断面説明図。
【符号の説明】
1、1a、1b 電子時計
2 ケース
3 裏蓋
5 室
10 支持構造体
11 地板
12、13、14、15、16、17 支持構造体の一部の部分
30 電池
40 回路部品
41 水晶発振器ユニット
42 昇圧コイル
43 コンデンサ
44 抵抗
45 接地用ばね
61 液晶パネル
62 ELパネル
Claims (6)
- 時計部品を支える支持構造体が三次元の配線パターンを備える三次元回路基板になっているウオッチタイプの電子時計。
- 支持構造体が地板、中枠、押さえ部材及びケースからなる群から選択された少なくとも一つの部材を含む請求項1に記載の電子時計。
- 前記支持構造体のうち前記配線パターンを含む部分が非平面的形状を有する請求項1又は2に記載の電子時計。
- 回路部品が前記支持構造体の前記配線パターンを含む部分のうち非平面的形状を有する部分の両面に実装されている請求項3に記載の電子時計。
- 前記支持構造体の前記配線パターンを含む部分が前記支持構造体の主面に直角な方向に拡がった厚さ方向延在部分を備え、該厚さ方向延在部分の厚さ方向に延在する表面に回路部品が実装されている請求項3に記載の電子時計。
- 前記支持構造体のうち前記配線パターンを含む部分が湾曲面を備えた剛性支持体からなる請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の電子時計。
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Cited By (2)
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2002
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