JP2940794B2 - 電子機器のキャビネット構造 - Google Patents

電子機器のキャビネット構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本案は、VTR等電子機器のキャ
ビネットの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、VTR等の電子機器のキャビネッ
トを構成するシャーシは、メカニズム基体をシャーシに
載置した場合に、メカニズムがシャーシからはみ出さな
いように、又、フロントパネルやカバートップ等の支え
のためにも、セット高さと略同じ高さに設計されてい
る。
【0003】又、回路部品を搭載したメインのプリント
基板をシャーシの底面側から取り付ける場合、電源回路
部品等の比較的高さの高い電子部品・シールド板等の構
造物は、通常シャーシの上面から載置する構造が採られ
ている。又、メインのプリント基板のサイズは、シャー
シの底面積より小さく設計されていて、シャーシの底面
にすっぽり収まる構造に設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器のより
小型化・コスト低減の要求により、個々の部品及びセッ
ト外形寸法の小型化が図られている。その結果、プリン
ト基板の所要面積が縮小され、部品配置・プリントパタ
ーンの設計にも困難を伴っている。又、部品が小型化さ
れている反面、シャーシの外形寸法が小型化されず、そ
の保管・輸送により大きいスペースが必要であり、不経
済である。
【0005】
【課題を解決するための手段】メカニズム基体が載置さ
れるプラスチックシャーシの全高さ寸法をメカニズム基
体の全高さ寸法より小さく、セットの全高さ寸法の略1
/2に設計すると共に、メカニズム基体の4側面のみを
囲う枠状に形成し、該枠状の左右側面から後方へ突出壁
を有するシャーシと、電源回路及び端子板等が後方に配
置され、シャーシ底面側から取着されるプリント基板
と、シャーシ前面に係合取着されるフロントパネルと、
シャーシ後面に係合取着されるリアパネルと、シャーシ
及びリアパネルに螺着される断面コ字状のカバートップ
とで構成し、プリント基板の前方端縁及び後方端縁を、
それぞれフロントパネルとリアパネルで位置規制・保持
させる。
【0006】
【作用】上述の構成により、メカニズム基体が枠状のシ
ャーシに螺着され、該シャーシの底面側からプリント基
板が係合されて仮保持され、フロントパネルを取着する
とプリント基板の前方端縁が位置規制・保持され、リア
パネルを取着するとプリント基板の後方端縁が位置規制
・保持され、カバートップを嵌合し、シャーシ及びリア
パネルに螺着すると組立てが完了する。
【0007】
【実施例】以下、具体的な一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は分解斜視図、図2はプリント
基板部分の分解斜視図、図3はフロントパネル部分の分
解斜視図、図4はリアパネル部分の分解斜視図、図5は
組立て断面図である。
【0008】図1及び図2において、1は天面と底面が
開放された枠状のプラスチック製シャーシで、該シャー
シ1には、前面左右に突起(第1の係合手段)1a,1
a、左右側面の前方に突起(第2の係合手段)1b,1
b、及びボス1c,1c、左右側面後方から突出壁1
d,1dが形成され、該突出壁1d,1dには突起(第
3の係合手段)1e,1e形成されている。なお、シャ
ーシ1には、ボス1f,1f…、フック1g,1g、フ
ック1h,1i、ボス1j、及びボス1k(図4参照)
が一体に形成されている。
【0009】2は取り付け用の透孔2a,2a…を有す
るVTR等のメカニズムが組込まれたメカニズム基体、
3は透孔(第1の被係合手段)3a,3a(図3参
照)、及び透孔(第2の被係合手段)3b,3bを有す
るフロントパネル、3cはカセット等の挿入口又は、カ
セット蓋、3dは操作釦である。なお、フロントパネル
3には図5に示すように後述するプリント基板保持用の
リブ3e,3fがプリント基板の板厚分の間隔を空けて
複数個設けられている。4は透孔(第3の被係合手段)
4a,4aを有するリアパネルで、ボス4b、プリント
基板受け用のリブ4c,4c…、後述する電源ソケット
用の透孔4d、及び透孔4e(図4参照)が一体に形成
されている。5は左右側面に透孔5a,5a、及び背面
に透孔5b,5b,5bを有する断面コ字状の導電性の
カバートップである。
【0010】図2において、6は透孔6a,6a、6b
を有するメインのプリント基板で、後方に電源回路が組
込まれると共に、断面コ字状のシールドケース7aでシ
ールドされた電源部7、及び端子板8が取着され、前方
にコネクタ9、中央部にフィクサー10,10…が取着
されている。このプリント基板6は、図5に示すように
前縁はフロントパネル3に規制され、後縁はリアパネル
4により規制される。即ち、プリント基板6のサイズ
は、セット組立て完了時、セットの投影面積を最大限に
活用する大きさに設計する。11は中央に透孔11aを
有し、コーナに舌片11b,11b…が形成された導電
性のカバーボトムであり、舌片11bには透孔11cが
設けられている。12はコネクタ13が取着されたスイ
ッチ基板である。
【0011】図5において、14は上述の電源部7を構
成するサブ基板であり、電源回路が組込まれると共にコ
ネクタ15によりメインプリント基板6に接続され、シ
ールドケース16により電磁気的に遮蔽されている。な
お、シールドケース16はサブ基板14の外周に設けら
れたアースパターン(図示せず)、及びプリント基板6
のアースパターン(図示せず)に半田付けされる。17
はプリント基板6に取着された電源ソケットで、該電源
ソケット17とサブ基板14間にフィクサー18を介在
させ、電源ソケット17の背面の支えにしている。図中
20はネジである。
【0012】なお、本発明の特徴は、図1又は、図5に
示すように、シャーシ1の全高をh2とし、メカニズム
基体2の全高をh1とし、機器の全高をH0とした場合、
h1>h2≒1/2×H0に設定している点である。即
ち、シャーシ1の最大高さh1をメカニズム基体2の最
大高さh1より低くすると共に、機器の最大高さH0の略
半分に設定している。
【0013】次に本案の組立てについて説明する。先
ず、シャーシ1の底面側からプリント基板6を装着す
る。すると、シャーシ1のフック1g,1gが透孔6
a,6aに係合し、且つ透孔6bにボス1jが貫通し、
プリント基板6がシャーシ1の底面に仮保持される。プ
リント基板6の後方部に取着されている電源部7、端子
板8等はシャーシ1の突出壁1d,1d内に配置される
ので、メカニズム基体2とは隔絶されている。メカニズ
ム基体2をシャーシ1に載置して四隅をネジ20で止め
る。次に、リアパネル4をシャーシ1の後方から嵌合さ
せる。その場合、シャーシ1の突起1e,1eにリアパ
ネル4の透孔4a,4aを係合させると、電源ソケット
17が透孔4dに嵌合する。又、プリント基板6の後方
端縁は、リアパネル4の内面に当接し位置決めされると
共に、底面はリブ4c,4c…により支えられる。カバ
ーボトム11を被せて中央部をネジ止めする。カバーボ
トム11の後方は、リアパネル4の底面のフック(図示
せず)に係合させる。
【0014】次に、シャーシ1の前面のフック1h,1
iにスイッチ基板12を係合させ、コネクタ9とコネク
タ13を接続する。引き続いて、フロントパネル3を嵌
合する。その場合、図3に示すように、シャーシ1の突
起1a,1aをフロントパネル3の透孔3a,3aに係
合させ、シャーシ1の突起1b,1bにフロントパネル
3の透孔3b,3bを係合させる。また、プリント基板
6の前方端縁は、図5に示すようにフロントパネル3の
内面に当接すると共に、リブ3e,3f…により挟持さ
れる。カバーボトム11の前方の舌片11d,11dを
フロントパネル3の内面に係合させ位置決めする。
【0015】最後に、カバートップ5を後方(図5の右
側)から前方(図5の左)へ摺動させながら装着し、左
右側面2ケ所及び背面3ケ所をネジ止めすると完成す
る。カバーボトム11の左右側面及び背面2ケ所の舌片
11b,11b…がシャーシ1と導電性のカバートップ
5との間に挟まれる。透孔11c,11c…は外向き
(カバートップ5側)に尖鋭突起11c’,11c’…
(図3参照)が数個形成されているので、該突起がカバ
ートップ5の内面に接触し、電気的に接続される。
【0016】
【発明の効果】上述の構成により、シャーシの全高さを
従来の半分の高さにしたので、シャーシ単体で50%、
リアパネルも含めて全体で重量が30%削減され、更に
は、シャーシを構成するボス・リブ等の高さも低くな
り、プラスチックシャーシの成型性が良くなり、成型サ
イクルが大幅に向上する。又、シャーシの容積が小さく
なり、保管・輸送経費の削減が図られる効果がある。
【0017】プリント基板をシャーシの底面に配置する
構成により、メインのプリント基板を機器の投影面積一
杯に設計することが可能となる。更には、メインプリン
ト基板上に載置される部品高さも、従来のものより、よ
り高い部品の使用が可能になり、その結果、電源基板を
独立させ、メインのプリント基板に立設させる構成に出
来、且つ、電源基板をシールドケースで電磁シールドす
ると共に、該シールドケースを電源基板の支えに兼用で
きるので、補強部材等が不要となり経済的である。
【0018】フロントパネル部分に操作スイッチ等が配
置されている場合、機器の前面近傍までプリントパター
ンを配置できるので、プリントパターンの設計の自由度
が大幅に向上した。又、カバーボトムを外すだけでメイ
ンのプリント基板の裏面の点検が行えるので、サービス
性が極めてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】分解斜視図である。
【図2】プリント基板部分の分解斜視図である。
【図3】フロントパネル部分の分解斜視図である。
【図4】リアパネル部分の分解斜視図である。
【図5】組立て断面図である。
【符号の説明】
1 シャーシ 2 メカニズム基体 3 フロントパネル 4 リアパネル 5 カバートップ 6 プリント基板 14 サブ基板 16 シールドケース 17 電源ソケット 18 フィクサー

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メカニズムが組込まれたメカニズム基体
    と、 該メカニズム基体が載置されると共に複数の第1、第
    2、第3の係合手段を備え、天面及び底面が開放された
    プラスチック製シャーシと、 電源回路及び端子板等が後方に配置され、前記シャーシ
    底面側から該シャーシに取着されるプリント基板と、 前記第1及び第2の係合手段に係合される第1及び第2
    の被係合手段を備え、前記シャーシ前面に係合取着され
    るフロントパネルと、 前記第3の係合手段に係合する第3の被係合手段を備
    え、前記シャーシ後面に係合取着されるリアパネルと、 前記シャーシ及び前記リアパネルに蝶着される断面コ字
    状のカバートップとからなり、 前記シャーシは前記メカニズム基体の4側面のみを囲う
    枠状に形成すると共に、該枠状の左右側面から後方へ突
    出壁を設け、該突出壁に第3の係合手段を設けることを
    特徴とする電子機器のキャビネット構造。
  2. 【請求項2】 前記フロントパネルに複数個の保持手段
    を設け、前記プリント基板の前方端縁を位置規制・保持
    せしめることを特徴とする請求項1の電子機器のキャビ
    ネット構造。
  3. 【請求項3】 前記リアパネルに複数個の保持手段を設
    け、前記プリント基板の後方端縁を位置規制・保持せし
    めることを特徴とする請求項1の電子機器のキャビネッ
    ト構造。
  4. 【請求項4】 前記電源回路が組込まれたサブ基板をコ
    ネクタを介して前プリント基板に直角に配置すると共
    に、コ字状のシールド板を前記サブ基板の端縁のアース
    パターン及び前記プリント基板のアースパターンに半田
    付け固定することを特徴とする請求項1の電子機器のキ
    ャビネット構造。
  5. 【請求項5】 電源ソケットを前記プリント基板に半田
    付け固定すると共、前記サブ基板に取着されたフィクサ
    ーを前記電源ソケット背面に当接せしめることを特徴と
    する請求項4の電子機器のキャビネット構造。
  6. 【請求項6】 前記被係合手段及び係合手段は、それぞ
    れ透孔と突起、又は突起と透孔の組合わせである請求項
    1の電子機器のキャビネット構造。
  7. 【請求項7】 前記シャーシの全高h2を前記メカニズ
    ム基体の全高h1より小(h2<h1)に設定することを
    特徴とする請求項1の電子機器のキャビネット構造。
  8. 【請求項8】 前記シャーシの全高h2は、電子機器キ
    ャビネットの全高H0の略1/2(h2≒1/2×HO)であ
    る請求項1の電子機器のキャビネット構造。
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