JP2004077046A - 煙突の接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】主として屋内の暖炉の煙を天井を経て屋外に導く断熱材を介在させた二重壁から成る筒体を適数個接続する煙突において、上下の筒体の接続作用が確実で、かつ、長期にわたって降雨等にさらされても接続部が腐蝕することがないようにした煙突の接続構造を提供する。
【解決手段】筒体上端の内壁に形成した嵌合筒部を別の筒体下端の内壁により形成した嵌合部に嵌合し、筒体上端の外壁に適数個形成したカギ型の掛止溝に別の筒体下端の外壁面に適数個形成した突起を挿入し回動して掛止し、その際、筒体上端の外壁の掛止溝の下方位置に筒体外壁の全周にわたって形成した突隆部と、別の筒体下端の外壁外面の最下方の位置に該筒体外壁の全周にわたって形成した突隆部とを当接させ、断面溝型の締付環で上下の筒体の当接している二条の突隆部全体を覆うと共に上下の筒体を締め付ける。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として屋内の暖炉の煙を天井を経て屋外に導く断熱材を介在させた二重壁から成る煙突の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、逐次接続して屋内の煙を屋外に導く煙突には、例えば、実開昭55−141736号公報に掲載されたものがある。このものは図6に示すように筒体aの上端に突出環部bを形成し、下端に下位の筒体aの突出環部bが嵌まる嵌合凹部cを設け、突出環部bと嵌合凹部cに互いに係合する係止突起d、eを数箇所突出させ、上下の筒体の突出環部bと嵌合凹部cとを嵌合させた後、筒体を僅少回して係止突起d、eを係止させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のタイプの煙突は、降雨等により、水が突出環部bと嵌合凹部cとの嵌合部に入り込むことを防止することが難しく、接続部の腐蝕が問題となり、接続構造としては好ましくなかった。
【0004】
本発明は、上記の門題点を解決し、接続作用が確実で、かつ、長期にわたって降雨等にさらされても接続部が腐蝕することがない煙突の接続構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を有効に達成するがために、本発明が採択した手段は次の通りである。
【0006】
即ち、本発明は、断熱材を介在させた二重壁から成る筒体上端の内壁で形成した嵌合筒部を別の筒体下端の内壁により形成した嵌合部に嵌合し、筒体上端の外壁に適数個形成したカギ型の掛止溝に別の筒体下端の内壁面に適数個突設した突起を挿入し回動して掛止し、その際、筒体上端の外壁の掛止溝の下方位置に筒体外壁の全周にわたって形成した突隆部と、別の筒体下端の外壁外面の最下方の位置に該筒体外壁の全周にわたって形成した突隆部とを当接させ、断面溝型の締付環で上下の筒体の当接している二条の突隆部全体を覆うと共に上下の筒体を締め付けることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の実施に際し、真っ直ぐな筒体だけを所定数接続して煙突とすることはまれで、通常は、煙突を室内から室外に導くために、真っ直ぐな筒体を適数個接続した後、90゜に屈曲した筒体に接続し、更に、真っ直ぐな筒体を適数個接続するのが通常である。そして、本発明は、真っ直ぐな筒体と90゜に屈曲した筒体との接続にも実施できることは勿論である。
【0008】
また、本発明の実施に際しては、断面溝型で上下の筒体の当接している二条の突隆部全体を覆うことができ、かつ、上下の筒体を漏水のおそれなくしっかりと締め付けることができるものであれば、締付環の形状や構造は任意に選択できるし、以下に説明するように筒体を締め付ける手段を備えていても、或いは、何らかの手段で締め付けた後、切断して両端を固定するようにしてもよいこと勿論である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、 図1乃至図5を参照し、二つの筒体を接続する場合を例として本発明の実施の一形態を説明する。本発明の実施が三つ以上の筒体を接続する場合でも可能であるし、屈曲した筒体と真っ直ぐな筒体とを接続する場合でも可能であることはいうまでもない。
【0010】
図1乃至図4に示した如く、本発明の実施に使用する筒体Aは、断熱材1を介在させた二重壁から成る。筒体Aの上端には、内壁2内面によって嵌合筒部3を形成してある。そして、筒体Aの上端の嵌合筒部3の位置の外壁4にはカギ型の掛止溝5が適数個形成してある。また、筒体A上端の前記掛止溝5の下方位置には、外壁4の全周にわたって突隆部6が形成してある。筒体Aの下端には、内壁2により下位の筒体Aの前記嵌合筒部3が嵌合する嵌合部7が形成されており、筒体Aの下端の外壁4面には下位の筒体Bの前記掛止溝5に挿入し得る突起8が適数個形成されている。そして、筒体A下端の外壁4面の最下方の位置には、前記突起8が下位の筒体Aの前記掛止溝5に挿入され回動された際に、下位の筒体Aの上端の突隆部6と当接する突隆部9がその全周にわたって形成されている。
【0011】
尚、図例の筒体Aにおいては、1000゜の熱にも耐えられる種類の断熱材1を採択しているが、用途に応じて適宜の耐用温度の断熱材1を選択できる。また、図例の筒体Aにおいては、下端部に下位の筒体Aの先端を挿入するために挿入部分には断熱材1が存在せず、中空となっているように記載されているが、この部分にも断熱材1を充填することは可能である。
【0012】
図5に示した如く、本発明の実施に使用する締付環10は、後記する通り、上下の筒体Aの当接している二条の突隆部6、9の全体を覆うことが出来る幅と深さを有する断面溝型であって、両端が適宜間隔を配して向き合う略環状であり、筒体Aの二条の突隆部6、9の外周より少しく長く形成されている。この締付環10の一端には、リング11を中間に回動自在に取り付けた緊締用レバ12の一端が180゜回動自在に取り付けられている。そして、緊締用レバ12の回動限界位置には、緊締用レバ12を鋲13により固定するための固定板14が取り付けられている。また、締付環10の他端には、前記リング11を引っ掛けるフック15が固定されている。
【0013】
次に、上記した筒体Aの接続は、下位の筒体Aの上端の内壁2により形成した嵌合筒部3に上位の筒体Aの下端の内壁2で形成した嵌合部7を嵌合する。その際、下位の筒体A上端の外壁4に適数個形成したカギ型の掛止溝5に上位の筒体A下端の外壁4面に適数個形成した突起8を挿入し回動して掛止することにより上位の筒体Aと下位の筒体Aは一応接続される。このとき、下位の筒体A上端の外壁4の掛止溝5の下方位置に筒体A外壁4の全周にわたって形成した突隆部6と、上位の筒体A下端の外壁4外面の最下方の位置に該筒体A外壁4の全周にわたって形成した突隆部9とが当接する。
【0014】
次に、当接している下位の筒体Aの突隆部6と上位の筒体Aの突隆部9とをその溝部に納めてこれを覆うように締付環10を巻き付ける。締付環10を巻き付ける作業は、締付環10の全長が前記の通り筒体Aの二条の突隆部6、9の外周より少しく長く形成されているので容易である。続いて、リング11をフック15に引っ掛けて緊締用レバ12を180゜回動させると、締付環10の両端が少しく重なり合う状態となって上下の筒体Aを締め付け、上下の筒体Aの外周に密着する。最後に、鋲13により緊締用レバ12の末端と固定板14を固定して接続作業を終える。
【0015】
【発明の効果】
以上に説明したところから明らかな通り、本発明によれば、上下の筒体の接続作用が確実に、かつ、簡単に行えるだけでなく、締付環が二条の突隆部全体を覆うと共に上下の筒体に密着してこれを締め付けるので長期にわたって降雨等にさらされても接続部が腐蝕することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する筒体の正面図
【図2】図1の筒体の平面図
【図3】図1の筒体の底面図
【図4】筒体の接続状態を示す一部を省略した断面図
【図5】筒体の接続の接続に使用する締付環を示したもので、aはその連結部の平面図、bは連結部の側面図、cはbのA−A線矢視断面図、dは連結前の状態の側面図
【図6】従来の煙突の正面図
【符号の説明】
A   筒体
1   断熱材
2   内壁
3   嵌合筒部
4   外壁
5   掛止溝
6   突隆部
7   嵌合部
8   突起
9   突隆部
10  締付環
11  リング
12  緊締用レバ
13  鋲
14  固定板
15  フック

Claims (2)

  1. 断熱材を介在させた二重壁から成る筒体上端の内壁で形成した嵌合筒部を別の筒体下端の内壁により形成した嵌合部に嵌合し、筒体上端の外壁に適数個形成したカギ型の掛止溝に別の筒体下端の内壁面に適数個突設した突起を挿入し回動して掛止し、その際、筒体上端の外壁の掛止溝の下方位置に筒体外壁の全周にわたって形成した突隆部と、別の筒体下端の外壁外面の最下方の位置に該筒体外壁の全周にわたって形成した突隆部とを当接させ、断面溝型の締付環で上下の筒体の当接している二条の突隆部全体を覆うと共に上下の筒体を締め付けることを特徴とする煙突の接続構造。
  2. 締付環に筒体を締め付ける手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の煙突の接続構造。
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