JP2004076216A - 紙塗工用組成物並びにそれを用いた塗工紙及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本紙塗工用組成物は、容積空孔率(中空率)が60〜99%、且つ平均粒径が300〜5000nmの中空ポリマー粒子(イ)を含有することを特徴とする。更に該中空ポリマー粒子(イ)は0.5〜99.5質量%、バインダー(ロ)は0.5〜99.5質量%顔料及(ハ)び/又は増粘剤(ニ)は0〜99質量%とすることができる。本塗工紙は、紙と、該紙の片面又は両面に形成され、且つ中空ポリマー粒子(イ)及びバインダーを含有する被膜とを備え、中空ポリマー粒子(イ)の容積空孔率及び平均粒径は上記所定の範囲であることを特徴とする。また、この塗工紙は紙に、乾燥後の塗工量が0.3〜30g/m2となるように塗工することにより得られる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙塗工用組成物、それを用いた塗工紙及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、白色度、不透明度、白紙光沢、塗膜強度、印刷光沢、及び低スペックル特性等をバランス良く備える塗工紙が得られる紙塗工用組成物、それを用いた塗工紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内部に単一の閉鎖空孔を有する中空ポリマー粒子は、例えば、その空孔に各種の物質を充填させた有機系マイクロカプセル粒子として使用されている。また、粒子を空孔化することよって生じる光散乱を利用した有機系光散乱剤、又は有機系光散乱助剤等としても用いられている。更に、この中空ポリマー粒子は、紙、繊維、皮革等のコーティング、及び塗料等の分野で従来から使用されている。また、これまで、紙塗工用組成物に配合されている中空ポリマー粒子は、その製造方法における制限及び製造コストの観点から、通常、容積空孔率が55%以下であり、塗工紙に白色度、白紙光沢、印刷光沢、不透明度などが十分に付与されているとはいい難い。
【0003】
このような中空ポリマー粒子の製造方法としては、例えば、少なくとも1個のカルボン酸基を含むモノマーを乳化重合させてコアを形成し、その後、異なったモノマー(少なくとも1種のモノマーは、硬質で、Tgが25℃を越え、20℃で皮膜を形成せず、且つアンモニア及びアミンに対して浸透可能なポリマーを生成するものである。)を重合させてシェルを形成し、次いで、コアをアンモニア又はアミンで中和することにより膨潤させ、その後、乾燥させてコア内に単一の空孔を形成させる方法が知られている(特開昭56−32513号公報及び特開昭63−213509号公報等)。
【0004】
しかし、この方法では、コア内に空孔を形成させる際の条件の制御が煩雑、且つ困難であり、更に、この方法により得られる粒子は、コーティング及び塗料等の分野で必要とされる特性のうち、隠蔽性、光沢、塗膜強度、白色度等に一定の改良は認められるものの、これらの特性のバランスの面では必ずしも十分に満足し得るものではない。また、コアをアンモニア又はアミンで中和膨潤させる際に、十分な容積空孔率を有する粒子とするためには、シェルを構成するポリマーのTgより高い温度にしなければならい。また、容積空孔率を高くしたり、シェルの高Tg化及び高分子化したり、又は架橋したりすること等が容易ではなく、そのような中空ポリマー粒子を用いた紙塗工用組成物も十分な性能を有しているとはいえない。尚、容積空孔率の低い中空ポリマー粒子であっても、配合量を多くすれば、隠蔽性、光沢、塗膜強度、白色度等に一定の改良はみられるものの、ある配合量を越えると、むしろ隠蔽性、光沢、塗膜強度、白色度等の特性が低下し、一方、塗工量を大きく引き下げた場合は改良がみられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の状況に鑑みなされたものであり、白色度、不透明度、白紙光沢、塗膜強度、低スペックル特性等をバランス良く備える塗工紙を製造するため紙塗工用組成物、それを用いた塗工紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のとおりである。
1.容積空孔率が60〜99%、且つ平均粒径が300〜5000nmの中空ポリマー粒子(イ)を含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
2.上記中空ポリマー粒子(イ)の殻の肉厚は、30〜200nmである1.に記載の紙塗工用組成物。
3.固形分換算で上記中空ポリマー粒子(イ)を0.5〜99.5質量%、バインダー(ロ)を0.5〜99.5質量%並びに顔料及(ハ)び/又は増粘剤(ニ)を0〜99質量%[但し、(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の合計を100質量%とする。]含有する1.2.に記載の紙塗工用組成物。
4.上記中空ポリマー粒子(イ)は、不飽和カルボン酸(a−1)5〜80質量%及び該不飽和カルボン酸(a−1)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(a−2)20〜95質量%[但し、(a−1)と(a−2)との合計を100質量%とする。]からなるモノマー(a)を乳化重合させてポリマー粒子(A)を調製し、その後、該ポリマー粒子(A)5〜1000質量部の存在下で、不飽和カルボン酸(b−1)0〜20質量%及び該不飽和カルボン酸(b−1)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(b−2)80〜100質量%[但し、(b−1)と(b−2)との合計を100質量%とする。]からなるモノマー(b)100質量部の一部を乳化重合させ、ポリマー粒子(A)の表層が、モノマー(b)の一部が重合してなるポリマー成分と、該モノマー(b)の未反応モノマー成分とを含むシェル層で被覆されたコアシェル状のポリマー粒子(B)を調製し、次いで、該ポリマー粒子(B)を含む分散体のpHを揮発性塩基によって7以上に調整して該ポリマー粒子(B)を中和膨潤させ、その後、上記未反応モノマー成分を重合させてなるものである上記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の紙塗工用組成物。
5.上記シェル層において、上記ポリマー成分と上記未反応モノマー成分との質量比が99:1〜50:50である上記4.に記載の紙塗工用組成物。
6.上記シェル層は、上記モノマー(b)のうち上記ポリマー成分となる上記モノマー(b)のうちの一部又は全部を最初に一括仕込みで乳化重合させる5.に記載の紙塗工用組成物。
7.上記一括仕込みされるモノマー(b)を100質量%とした場合に、該一括仕込みされるモノマー(b)の50質量%以上が不飽和カルボン酸エステル及び/又はエチレン性芳香族化合物である上記6.に記載の紙塗工用組成物。
8.上記一括仕込みされるモノマー(b)と上記ポリマー粒子(A)との質量比が10:1〜1:10である上記6.又は7.に記載の紙塗工用組成物。
9.上記ラジカル重合性モノマー(b−2)は架橋性ラジカル重合性モノマーを含有し、架橋性ラジカル重合性モノマーの含有量は、上記ラジカル重合性モノマー(b−2)の全質量を100質量%とした場合に、50質量%以下である4.乃至8.のうちのいずれかに記載の紙塗工用組成物。
10.上記ポリマー粒子(B)を中和膨潤させる際の上記分散体の温度を、上記ポリマー成分のガラス転移温度(Tg)以下とする上記4.乃至8.のうちのいずれかに記載の紙塗工用組成物。
11.上記モノマー(b)を乳化重合させる際に、上記ラジカル重合性モノマー(b−2)のみを用いて重合させ、該モノマー(b)の全量の25質量%が重合した後、上記不飽和カルボン酸(b−1)を共用して重合させる上記4.乃至9.のうちのいずれか1項に記載の紙塗工用組成物。
12.紙と、該紙の片面又は両面に付着された中空ポリマー粒子(イ)と、上記中空ポリマー粒子(イ)を該紙の片面又は両面に接着させるためのバインダーとを備え、上記中空ポリマー粒子(イ)は、容積空孔率が60〜99%、且つ平均粒径が300〜5000nmであることを特徴とする塗工紙。
13.上記1.乃至11.のうちのいずれか1項に記載の紙塗工用組成物を、紙に、乾燥後の塗工量が0.3〜30g/m2となるように塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法。
14.上記塗工が非接触式塗工方法により行われる上記13.に記載の塗工紙の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]紙塗工用組成物
中空ポリマー粒子(イ)の容積空孔率は、60〜99%、好ましくは63〜98%、より好ましくは65〜98%、更に好ましくは68〜95%、特に好ましくは70〜92%である。この容積空孔率が60%未満の場合、不透明性、白色度、白紙光沢等が不十分になる。一方、99%を超えると、機械的安定性が低下し、調液時、或いは塗工時に粒子が変形、破壊される。また、中空ポリマー粒子(イ)の平均粒径は300〜5000nmであり、好ましくは500〜3000nm、更に好ましくは700〜2000nmである。この平均粒径が300nm未満の場合、不透明性、白色度、白紙光沢などが低下する。一方、5000nmを超えると、機械的安定性が低下する。
また、この中空ポリマー粒子(イ)の殻の肉厚は、20〜220nm、より好ましくは20〜190nm、更に好ましくは30〜180nm特に好ましくは30〜150nmとすることができる。これにより、紙塗工用組成物の軽量化を図ることができる。中空ポリマー粒子(イ)は、空孔内部に水等の後述する水性媒体が充填された状態で生成媒体中にこの中空ポリマー粒子(イ)を分散させて(以下、この状態の粒子を含水粒子という。)使用しても良いし、この含水粒子を乾燥させて内部の水を除去した乾燥中空粒子(以下、単に中空粒子という。)の状態で使用しても良い。尚、本明細書において、中空ポリマー粒子(イ)とは、この含水粒子と、この中空粒子の両方を示す。
【0008】
また、この中空ポリマー粒子(イ)の材質は、不飽和カルボン酸(b−1)(以下、「モノマー(b−1)」とする。)、及びこのモノマー(b−1)と共重合可能なラジカル重合性モノマー(b−2)(以下、「モノマー(b−2)」とする。)からなるモノマー(b)の共重合体、又はこのモノマー(b)の共重合体とモノマー(b−1)若しくはモノマー(b−2)の重合体との混合物等であることが好ましい。
このモノマー(b−1)として、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のモノ又はジカルボン酸、及びこのジカルボン酸の酸無水物等を挙げることができる。中でも、粒子の安定性の観点から、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等が好ましく、(メタ)アクリル酸が更に好ましい。これらは、1種のみでも良いし、2種以上を含有するものでも良い。
【0009】
モノマー(b−2)としては、例えば、不飽和カルボン酸エステル、エチレン性芳香族化合物、その他の非架橋性ラジカル重合性モノマー等を用いることができる。1種のみでも良いし、2種以上を含有するものでも良い。中でも、エチレン性芳香族化合物が好ましく、特に、モノマー(b−2)の全量の50質量%以上が、スチレン等のエチレン性芳香族化合物であることが好ましい。エチレン性芳香族化合物が、50質量%未満であると、ポリマーの屈折率が低下し、白色度、不透明度、光沢が不十分になることがある。
【0010】
また、不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等含侵挙げられ、これらは1種のみでも良いし、2種以上を含有するものでも良い。
また、このエチレン性芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これらは1種のみでも良いし、2種以上を含有するものでも良い。
更に、その他の非架橋性ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等を用いることができる。これらは1種のみでも良いし、2種以上を含有するものでも良い。
【0011】
また、モノマー(b−2)は、架橋性ラジカル重合性モノマーを含有することができる。これにより、最終的に得られる中空粒子の形状を、熱、機械的ストレス、溶剤又は薬品による膨潤、及び分解等に対して維持させることができる。この架橋性ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン、ブタジエン、イソプレン、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられ、特にジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種のみでも良いし、2種以上を含有するものでも良い。
架橋性ラジカル重合性モノマーの配合量は、モノマー(b−2)の全量の50質量%(以下、単に、「%」という。)以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜30%である。架橋性ラジカル重合性モノマーが50%を超えると、容積空孔率が不十分になり好ましくない。また、モノマー(b)の全量を100質量部(以下、単に「部」とする。)とした場合、20部以下、好ましくは0.1〜10部であることが好ましい。
【0012】
モノマー(b)におけるモノマー(b−1)及びモノマー(b−2)の各含有量は、(b−1)と(b−2)との合計を100%とした場合、モノマー(b−1)が0〜20%及びモノマー(b−2)が80〜100%、好ましくはモノマー(b−1)が0.1〜10%及びモノマー(b−2)が90〜99.9%、更に好ましくはモノマー(b−1)が0.2〜5%及びモノマー(b−2)が95〜99.8%である。モノマー(b−1)が20%を超えると、重合安定性が著しく低下し、また、揮発性塩基処理及び加熱処理後のポリマー粒子が、変形して容積空孔率が低下する。
【0013】
中空ポリマー粒子(イ)の含有量は、固形分換算で、中空ポリマー粒子(イ)、バインダー(ロ)顔料(ハ)[0%の場合も含む。]、増粘剤(ニ)[0%の場合も含む。]の含有量の合計(以下、単に、「(イ)〜(ニ)の合計」という。)を100%とした場合、0.5〜99.5%、より好ましくは1〜97%、更に好ましくは3〜95%である。中空ポリマー粒子(イ)が0.5%未満であると、不透明性、白色度、白紙光沢などが低下し、好ましくない。99.5%を超えると、バインダー(ロ)の含有量が0.5%未満となり表面強度が不足し、粉落ち、パイリング等の問題がおきて好ましくない。
また、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ハ)の合計を100部とした場合、中空ポリマー粒子(イ)の含有量は0.8〜100部、好ましくは20〜100部、より好ましくは25〜90部、より好ましくは30〜80部であることが好ましい。
【0014】
本発明の紙塗工用組成物には、バインダー(ロ)を含有させることができる。バインダー(ロ)としては、例えば、デンプン、変性デンプン、カゼイン等の天然バインダー、スチレン−ブタジエン系共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン系共重合体、アミン変性スチレン−ブタジエン系共重合体、水酸基変性スチレン−ブタジエン系共重合体等の変性スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル系重合体、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性アクリル系共重合体、アミン変性アクリル系共重合体、水酸基変性アクリル系共重合体等の変性アクリル系共重合体等の合成バインダー等を挙げることができ、これらのバインダーは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
中でも、変性スチレン−ブタジエン系共重合体、特に、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を単独で又はデンプン、カゼイン等の天然バインダーと組合せて用いることが好ましい。
尚、これらのバインダーは、ラテックスの固形分として含有しているものを用いても良いし、粉末状のものを用いても良い。
【0015】
また、バインダーの含有量は、固形分換算で、(イ)〜(ニ)の合計を100%とした場合、0.5〜99.5%、より好ましくは1〜99%、更に好ましくは2.5〜97%、特に好ましくは2.5〜20%ある。バインダーの配合量が0.5%に満たないと表面強度が不足し、粉落ち、パイリング等の問題がおきる場合がある。99.5%を超えると中空ポリマー粒子(イ)の配合量が0.5%未満になり不透明性、白色度、白紙光沢などが悪化し好ましくない。
また、バインダー(ロ)の含有量は、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ハ)の合計を100部とした場合、固形分換算で、1〜99部、好ましくは1〜20部、より好ましくは2.5〜18部とすることが好ましい。
【0016】
本発明の紙塗工用組成物は、顔料(ハ)及び/又は増粘剤を更に含有することができる。
顔料(ハ)としては、有機系の顔料、無機系の顔料を挙げることができる。無機系の顔料としては、例えば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン(ルチル、アナターゼ)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイト等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
有機系の顔料としては、スチレン系、スチレン/ブタジエン系、スチレン/アクリル系、中実プラスチックピグメント、尿素樹脂粒子等を挙げることができる。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0017】
顔料の含有量は、固形分換算で、(イ)〜(ニ)の合計を100%とした場合99%以下、好ましくは89%以下、より好ましくは20〜75%、更に好ましくは30〜65%とすることができる。
また、顔料(ハ)の含有量は、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ハ)の合計を100部とした場合、99.2部以下、好ましくは80部以下、より好ましくは10〜75部、更に好ましくは20〜70部、特に好ましくは30〜65部であることが好ましい。
【0018】
増粘剤(ニ)としては、でんぷん、カゼイン、カルボキシ変性セルロース、アクリル系アルカリ増粘剤などが挙げられる。上記増粘剤の含有量は、固形分換算で、(イ)〜(ニ)の合計を100%とした場合、3%以下、好ましくは0.05〜2%、より好ましくは0.05〜1%とすることができる。
更に、増粘剤(ニ)の含有量は、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ハ)の合計を100部とした場合、5部以下、好ましくは0.5部以下、より好ましくは0.05〜0.2部であることが好ましい。
【0019】
また、上記紙塗工用組成物は、固形分換算で、(イ)〜(ニ)の合計を100%とした場合、以下とすることができる。
[1]中空ポリマー粒子(イ)が0.5〜99.5%、バインダー(ロ)が0.5〜99.5%、且つ顔料(ハ)及び/又は増粘剤(ニ)を0〜99%。
[2]好ましくは中空ポリマー粒子(イ)を0.5〜70%、バインダー(ロ)を1〜15%、顔料(ハ)及び/又は増粘剤を0.5〜70。
[3]より好ましくは中空ポリマー粒子(イ)を30〜70%、バインダー(ロ)を1〜15%、且つ顔料(ハ)及び/又は増粘剤(ニ)を20〜60%。
このとき、顔料(ハ)及び増粘剤(ニ)の含有割合は、固形分換算で、(イ)〜(ニ)の合計を100%としたとき、中空ポリマー粒子(イ)が0.5〜99.5%、バインダー(ロ)0.5〜99.5%、のとき、顔料(ハ)が0〜99%、増粘剤が0〜3%とすることができる。
また、中空ポリマー粒子(イ)が0.5〜70%、バインダー(ロ)が1〜15%、のとき、顔料(ハ)が0.5〜70増粘剤が0.05〜5とすることができる。
更に、中空ポリマー粒子(イ)が30〜70%、バインダー(ロ)が1〜15%のとき、顔料(ハ)が20〜60%増粘剤(ニ)が0.05〜5%とすることができる。
【0020】
また、分散剤、消泡剤、耐水化剤、潤滑剤、湿潤剤、印刷適性向上剤、蛍光増白剤、着色顔料、染料等を更に含有することができる。
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリカルボン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。この分散剤の含有量は、固形部分換算で中空ポリマー粒子(イ)、顔料(ニ)の合計を100%とした場合、0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%とすることができる。
潤滑剤としてはステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウムなどの高級脂肪酸塩、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。潤滑剤の含有量は、固形分換算で、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ニ)の含有量の合計を100%とした場合、0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%とすることができる。
【0021】
湿潤剤としてはアルキルスルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩、ロジン酸塩、アルキル脂肪酸塩、アセチルグリコール系界面活性剤、ノニルフェニル系界面活性剤、オキシアルキル系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。この湿潤剤の含有量は、固形分換算で、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ニ)の含有量の合計を100%とした場合、0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%とすることができる。
消泡剤としてはポリグリコール脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコンオイル等が挙げられる。この消泡剤の含有量は、固形分換算で、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ニ)の含有量の合計を100%とした場合、0.01〜2%、好ましくは0.05〜1%とすることができる。
【0022】
更に、上記紙塗工用組成物を用いて実施例条件下で塗工紙を製造された塗工紙の性能は、(1)白紙光沢が70〜85、印刷光沢が79〜96、不透明度が88〜97、白色度が80〜87、(2)好ましくは白紙光沢が74〜85、印刷光沢が85〜96、不透明度が90〜97、白色度が80〜87、(3)より好ましくは白紙光沢が81〜85、印刷光沢が90〜96、不透明度が91〜97、白色度が82〜87とすることができる。
【0023】
また、(イ)〜(ニ)の合計を100%としたとき、中空ポリマー粒子(イ)が0.5〜99.5%、バインダー(ロ)0.5〜99.5%、顔料(ハ)が0〜99%及び増粘剤が0〜3%の場合、白紙光沢が70〜85、印刷光沢が79〜96、不透明度が88〜97、白色度が80〜87、とすることができる。
また、中空ポリマー粒子(イ)が0.5〜70%、バインダー(ロ)が1〜15%、のとき、顔料(ハ)が0.5〜70増粘剤が0.05〜5%の場合、白紙光沢が74〜85、印刷光沢が85〜96、不透明度が90〜97、白色度が80〜87とすることができる。
更に、中空ポリマー粒子(イ)が30〜70%、バインダー(ロ)が1〜15%の、顔料(ハ)が20〜60%、及び増粘剤(ニ)が0.05〜5%の場合、紙光沢が81〜85、印刷光沢が90〜96、不透明度が91〜97、白色度が82〜87とすることができる。
【0024】
[2]中空ポリマー粒子の製造方法
本発明の紙塗工用組成物に用いる中空ポリマー粒子は以下の方法で製造できる。
即ち、特定のモノマー(a)を乳化重合させてポリマー粒子(A)を調製し、その後、ポリマー粒子(A)の表層を、特定のモノマー(b)を重合させたポリマー成分と、(b)の未反応モノマー成分とを含むシェル層で被覆したコアシェル状のポリマー粒子(B)を調製し、次いで、このポリマー粒子(B)の分散体のpHを揮発性塩基によって7以上に調整し、ポリマー粒子(B)を中和膨潤させ、その後、この未反応モノマーを重合させて中空ポリマー粒子(イ)を得る。以下、工程ごとに具体的に説明する。
【0025】
(1)ポリマー粒子(A)の調製
まず、不飽和カルボン酸(a−1)(以下、「モノマー(a−1)」とする。)、及びこのモノマー(a−1)と共重合可能なラジカル重合性モノマー(a−2)(以下、「モノマー(a−2)」とする。)からなるモノマー(a)を乳化重合させることによってポリマー粒子(A)を調製する。このときに用いる分散媒は、特に限定されないが、通常、水性媒体を用いる。
この水性媒体としては、通常、水を用いるが、水に水溶性有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール、アセトン等)が含有されたものを用いても良い。
【0026】
モノマー(a−1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のモノ又はジカルボン酸、及びこのジカルボン酸の酸無水物等を挙げることができる。中でも、粒子の安定性の観点から、(メタ)アクリル酸、イタコン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸が更に好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0027】
モノマー(a−2)としては、例えば、不飽和カルボン酸エステル、エチレン性芳香族化合物、その他の非架橋性ラジカル重合性モノマー等を用いることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。中でも、不飽和カルボン酸エステルが好ましく、特に、モノマー(a−2)の50%以上が、不飽和カルボン酸エステルであることが好ましい。不飽和カルボン酸エステルが、モノマー(a−2)の50%未満であると、中空粒子がいびつな形になり、容積空孔率が上がらない。
不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
また、エチレン性芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。更に、その他の非架橋性ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、 N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0028】
また、モノマー(a−2)の一部として架橋性モノマーを使用することができる。この架橋性モノマーとして、ブタジエン、イソプレン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を用いることができ、これらは1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。この架橋性モノマーの配合量は、好ましくはモノマー(a)の全量の5%以下であり、更に好ましくは0.2〜2%である。架橋性モノマーの割合が、モノマー(a)の5%を超えると、揮発性塩基による膨潤が十分でなくなり、容積空孔率が低くなって、隠蔽性、白色度、光沢等の特性が不十分なものとなり好ましくない。
【0029】
モノマー(a)におけるモノマー(a−1)及びモノマー(a−2)の各含有量は、(a−1)と(a−2)との合計を100%とした場合、モノマー(a−1)が5〜80%及びモノマー(a−2)が20〜95%、好ましくはモノマー(a−1)が10〜60%及びモノマー(a−2)が40〜90%、更に好ましくはモノマー(a−1)が20〜50%及びモノマー(a−2)が50〜80%とすることができる。
モノマー(a−1)の含有量が5%未満であると、揮発性塩基による膨潤が十分でなく、容積空孔率が低くなって、隠蔽性、白色度、光沢等の特性が不十分なものとなり好ましくない。一方、モノマー(a−1)が80%を超えると、モノマー(a)の重合安定性が低下し、表層にモノマー(b)からなるポリマーを均一に被覆させることが困難になり、中空粒子の形状がいびつになるため好ましくない。
【0030】
モノマー(a)を分散媒中で乳化重合させる方法については、特に制限はなく、例えば、モノマーを一括添加して重合してもよく、連続的に添加して重合してもよい。均一な粒径の粒子を安定性よく得るためには後者が好ましい。また、ポリマー粒子(A)の調製は、1段の重合で行ってもよく、2段以上の多段階の重合で行ってもよい。更に、シード粒子の存在化にモノマー(a)をシード乳化重合させてもよい。シード粒子としては、均一な粒径の粒子が安定性よく得られるため、モノマー(a)とSP値(溶解度パラメーター)が近いものが特に好ましい。
【0031】
モノマー(a)を乳化重合させるとき乳化剤を用いることができる。この乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、有機懸濁保護剤等を用いることができ、中でも、粒子の安定性の点でアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、有機懸濁保護剤を用いることが好ましい。これらの乳化剤は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム等のロジン酸塩、オレイン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸のナトリウム塩又はカリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリルスルフォン酸等を挙げることができる。これらのアニオン性界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0032】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールのアルキルエステル、アルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。これらの非イオン系界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
有機懸濁保護剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の親水性合成高分子物質、ゼラチン、水溶性でんぷん等の天然親水性高分子物質、カルボキシメチルセルロース等の親水性半合成高分子物質等を挙げることができる。これらの有機懸濁保護剤は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
カチオン系界面活性剤として脂肪族アミン塩、脂肪四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種類以上組合わせて用いることができる。
両性界面活性剤としてカルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩等が挙げられる。
【0033】
モノマー(a)の乳化重合において用いる重合開始剤としては、例えば、(1)クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等で代表される有機ハイドロパーオキサイド類と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸処方及びスルホキシレート処方の混合系処方、及びホルムアルデヒド樹脂処方等で代表される還元剤とをそれぞれ組合わせたレドックス系の開始剤、(2)過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、(3)アゾビスイソブチロニトリル、(4)ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド類等を挙げることができる。中でも、粒子の安定性及び粒径の均一性の点で、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
【0034】
モノマー(a)を重合する際の重合温度は、好ましくは5〜95℃、更に好ましくは50〜90℃である。重合温度が5℃未満であると、不飽和カルボン酸の反応性が低く、粒子が不安定になることがある。一方、95℃を超えると、粒子が不安定になることがある。
このようにして得られるポリマー粒子(A)は、アルカリ膨潤性のコア粒子となるものであり、ポリマー粒子(A)の平均粒子径としては、好ましくは0.1〜2μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。
【0035】
(2)ポリマー粒子(B)の調製
ポリマー粒子(A)5〜1000部、好ましくは7〜100部、更に好ましくは10〜50部の存在下で、モノマー(b)100部を乳化重合させて、ポリマー粒子(A)の表層が、モノマー(b)の一部が重合してなるポリマー成分と、モノマー(b)の未反応モノマー成分とを含むシェル層で被覆されたコアシェル状のポリマー粒子(B)を調製する。
ポリマー粒子(A)が、5部未満であると、最終目的物である中空ポリマー粒子(イ)の空孔形成が不十分となり、塗膜としたときに隠蔽性、白色度、光沢等が劣ったものとなる。一方、ポリマー粒子(A)が1000部を超えると、重合安定性が低下し、また、揮発性塩基処理及び加熱処理後のポリマー粒子が、破裂、変形して潰れてしまい、容積空孔率が低下する。
ここで、このモノマー(b)は、前記したモノマー(b−1)と、前記モノマー(b−2)とからなるものを用いることができ、これらの含有量は、前記したとおりである。
【0036】
モノマー(b)を乳化重合する方法としては特に制限はなく、前記のポリマー粒子(A)の場合と同様の方法を用いることができる。
この場合、シェルの被覆構造を完全にするためには、モノマー(b)のうち上記ポリマー成分となるモノマー(b)の一部又は全部を最初に一括して仕込み、乳化重合させることが好ましい。その際、一括仕込みされるモノマー(b)とポリマー粒子(A)の質量比は(10:1)〜(1:10)、より好ましくは(5:1)〜(1:5)が好ましい。この比率が(10:1)を超えた場合、安定性に問題を生じる。また、(1:10)未満の場合、ポリマー粒子(A)の被覆が十分でなく中空粒子がいびつになり容積空孔率が低下する。
この最初に一括仕込みされるモノマー(b)は、スチレン等エチレン性芳香族化合物及びメチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステルが特に好ましい。
【0037】
また、中空粒子の容積空孔率を上げるためには、最初にモノマー(b−2)のみで重合を行い、モノマー(b)の全量の10〜35%、好ましくは20〜30%の重合が終了した後に、モノマー(b−1)を併用して重合させることが好ましい。
【0038】
またポリマー粒子(B)のシェル層においてモノマー(b)が重合してなるポリマー成分と、未反応のモノマー成分との質量比が(99:1)〜(50:50)、より好ましくは(97:3)〜(80:20)であることがより好ましい。この比率が(99:1)を超えると、容積空孔率を高くするためには、揮発性塩基による中和時に温度を高くする必要があるため好ましくない。更に、(50:50)未満だと、中和膨潤時の温度、PHコントロールが難しく、様態が悪化しやすく、中空粒子がいびつに変形して好ましくない。
【0039】
ポリマー粒子(B)の上記シェル層のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上であることが、白色度、不透明度、光沢の向上の点から好ましい。また、ポリマー粒子(B)の粒子径は、好ましくは0.15〜4μm、更に好ましくは0.25〜3μmである。
【0040】
(5)中空ポリマー粒子(イ)の調製
前工程で調製したコアシェル状のポリマー粒子(B)の分散体のpHをアンモニア、アミン等の揮発性塩基によって7以上に調整して中和膨潤させて、その後、必要に応じて加温し、更にはモノマー(b)のうちの未反応のモノマー成分を重合させることによって、内部に水性媒体が充填された中空ポリマー粒子(イ)(含水粒子)を調製する。
【0041】
ポリマー粒子(B)を中和膨潤させる際の分散体の温度は、ポリマー粒子(B)のシェル層の未反応モノマー成分量にもよるが、ポリマー粒子(B)のシェル層を構成する上記ポリマー成分のガラス転移温度(Tg)以下とすることが好ましい。このTgを超える温度で中和膨潤させるとコアが殻を破って外に飛び出す可能性がある。
モノマー(b)が重合してなるポリマー成分は、揮発性塩基が浸透し得るものであるので、揮発性塩基の浸透によって、ポリマー粒子(A)を構成する成分が中和される。これに伴い、ポリマー粒子(A)を構成する成分が著しく吸水する。
【0042】
ポリマー粒子(B)を中和膨潤させた後、シェル層に存在する未反応モノマー成分を重合させて含水粒子を得る。この未反応モノマー成分を重合させた後の残存モノマーの分散体中における濃度は3000ppm以下が好ましく、1000ppm以下が更に好ましく、300ppm以下が特に好ましい。分散体中に3000ppmを超えるモノマーが残存していると、中空ポリマー粒子(イ)の殻の剛性が不十分になり、この中空ポリマー粒子(イ)が変形し易くなり好ましくない。
【0043】
中和膨潤後のポリマー粒子(B)のシェル層に残存する未反応モノマー成分を十分重合させるために、重合開始剤、重合開始助剤、還元剤等を更に添加してもよい。この重合開始剤としては、例えば、(1)クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等で代表される有機ハイドロパーオキサイド類と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸処方/スルホキシレート処方の混合系処方、ホルムアルデヒド樹脂処方等で代表される還元剤との組合せによるレドックス系の開始剤、(2)過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、(3)アゾビスイソブチロニトリル、(4)ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド類等を挙げることができ、中でも、高い反応性を有している点からt−ブチルハイドロパーオキサイドとホルムアルデヒド樹脂とを組み合わせた系が好ましい。
【0044】
また、ポリマー粒子(B)を中和膨潤させた後、新たにラジカル重合性モノマーを添加して重合させ、中空ポリマー粒子(イ)の殻の一部にすることもできる。その場合、上記の重合開始剤等を併せて添加することが好ましい。
【0045】
中空ポリマー粒子(イ)は、上記紙塗工用組成物として用いる場合は、乾燥を行うことなく、この含水粒子の状態のまま用いることもできるが、その後、乾燥この含水粒子を乾燥させて分散媒である水性媒体を揮発させて粒子内部の水性媒体も揮発させた粉末状の中空粒子として用いても良い。尚、含水粒子を上記紙塗工用組成物として用いた場合、塗料等の乾燥時に水性媒体が揮発して中空となる。
【0046】
この生成した含水粒子を乾燥させて粉末状の中空粒子とする方法は特に制限されないが、例えば、135〜155℃の温度における噴霧乾燥法、50〜70℃の温度における熱風乾燥機を用いたトレイ乾燥法、及び15〜70℃の温度における流動床乾燥法等を挙げることができる。
以上の製造工程により、粒子径が300〜5000nmで、且つ単一の空孔を有し、容積空孔率が、60〜99%の中空ポリマー粒子(イ)を得ることができる。
【0047】
[3]塗工紙及びその製造方法
本発明の塗工紙は、紙と、この紙の片面又は両面に形成され、且つ中空ポリマー粒子(イ)及びバインダーを含有する被膜とを備え、上記中空ポリマー粒子(イ)は、容積空孔率が60〜99%、且つ平均粒径が300〜5000nmである。
この中空ポリマー粒子(イ)は、前記[1]の中空ポリマー粒子(イ)の説明をそのまま適用することができる。
バインダーは、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ニ)同士等をお互いに接着させるためのものであり、更に、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ニ)の粒子が紙表面と接する箇所で、これらを接着させる機能等を有するものである。尚、塗工紙においてこのバインダーは接着層として構成される。また、このバインダーは、前記[1]のバインダー(ロ)の説明をそのまま適用することができる。また、中空ポリマー粒子(イ)を作製する方法は、前記[2]の説明をそのまま適用することができる。
更に、顔料(ハ)、増粘剤(ニ)を含有させることができ、これらの材質、含有量等は前記[1]の説明をそのまま適用することができる。
分散剤、消泡剤、耐水化剤、潤滑剤、湿潤剤、印刷適性向上剤、蛍光増白剤、着色顔料、染料等を更に含有することができ、これらの材質、含有量等は前記した説明をそのまま適用することができる。
【0048】
また、本発明の塗工紙は、前記[1]で説明した塗工用組成物を紙に塗工することによって製造することができる。
この塗工用組成物の塗工量は乾燥後において0.3〜30g/m2であり、好ましくは0.5〜20g/m2、更に好ましくは1〜15g/m2である。この塗工量が0.3g/m2未満であると、紙を十分に被覆することができず、不透明性、白紙光沢、白色度等が劣り、30g/m2を超えると、塗工層の嵩が大きくなりすぎて、表面強度が低下する。
【0049】
この塗工方法としては、例えば、ショートデュエルコーター、バリデュエルコーター、ロッドブレードコーター等のブレードコーター、ゲートロールコーター、インラインサイズプレス、メータードサイズプレス等のロールコーター等による接触式塗工方法を挙げることができる。また、エアナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等による非接触式塗工方法を挙げることができる。そのなかでもカーテンコーター、スプレーコーター等の非接触式塗工方法が不透明性、白色度、白紙光沢、印刷光沢の点から特に好ましい。
また、後処理工程でスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトニップカレンダー、ラスタープレス等のカレンダー処理を施すことが好ましい。これにより、光沢がより優れた塗工紙が得られる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
尚、以下の記載において「部」及び「%」は、特別に規定しない限り質量部および質量%を示す。
また、実施例及び比較例における重合は、すべて窒素ガス雰囲気において行った。
【0051】
(1)シード粒子の水性分散体の調製
シード粒子の水性分散体の調製例を以下に示す。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水109.5部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[花王(株)製、商品名「F65」]0.2部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5部を投入した。
一方で、メタクリル酸メチル90部、メタクリル酸10部、分子量調整剤としてオクチルチオグリコレート0.5部、乳化剤[花王(株)製、商品名「F65」]0.1部及び水40部を混合攪拌してモノマーの水性分散体を調製した。
このモノマーの水性分散体の20%を上記反応容器に投入し、反応容器内の液を攪拌しながら温度75℃まで昇温して1時間重合反応を行い、その後、温度を75℃に保ちながら残りのモノマーの水性分散体を連続的に2時間かけて反応容器に添加し、さらに、2時間熟成を行い、固形分40%、粒子径200nm、重量平均分子量70,000のシード粒子の水性分散体を得た。
【0052】
(2)ポリマー粒子(A)の水性分散体の調製
ポリマー粒子(A)の水性分散体の調製例を以下に示す。
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水186部を投入し、これに(1)で調製したシード粒子の水性分散体を固形分換算で10部(水性分散体で25部)、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5部を投入した。
一方で、メタクリル酸メチル69.5部、メタクリル酸30部、ジビニルベンゼン0.5部(純度55%)、乳化剤[花王(株)製、商品名「F65」]0.1部及び水40部を混合攪拌してモノマーの水性分散体を調製した。
その後、反応容器内の液を攪拌しながら温度80℃まで昇温、保持し、このモノマーの水性分散体を反応容器に連続的に3時間かけて投入した。次いで、更に2時間熟成を行ない、固形分として粒子径410nmのポリマー粒子(A−1)を31%含有する水性分散体を得た。
【0053】
(3)ポリマー粒子(B)及び中空ポリマー粒子(イ)の調製
中空ポリマー粒子(B)及び本発明の中空ポリマー粒子(イ)の調製例を以下の重合例1〜14により示す。
▲1▼重合例1
容量2リットルの反応容器に、予め、媒体として水300部を投入し、これに(2)で調製したポリマー粒子(A−1)の水性分散体を固形分換算で16部(水性分散体で51.6部)、最初に一括仕込みで重合させるモノマー(b−2)としてのスチレン10部、重合開始剤としての過硫酸ナトリウム0.4部を投入した。
一方で、連続仕込みで重合させるためのモノマー(b−2)としてのスチレン69.5部、乳化剤[花王(株)製、商品名「F65」]0.1部、モノマー(b−1)としてのアクリル酸0.5部及び水40部を混合攪拌してモノマーの水性分散体を調製した。
その後、反応容器内の液を攪拌しながら温度80℃まで昇温、保持して30分間でスチレンの重合を行い、ポリマー粒子(A−1)にスチレンポリマーが複合したポリマー粒子を得た。次いで、この反応容器内の液を攪拌しながら80℃に保持して上記モノマーの水性分散体を反応容器に連続的に4時間かけて投入した。
更に、上記モノマーの水性分散体をすべて反応容器に投入した直後に、最後に一括仕込みで重合するためのモノマー(b−2)としてのスチレン20部を一括投入し、ポリマー粒子(A−1)の表層にスチレンとアクリル酸とを重合させ、積層させたコアシェル状のポリマー粒子(B−1)を得た。このポリマー粒子(B−1)の粒子径は810nmであった。
すべてのモノマーを投入した後、およそ3分後に攪拌しながら25%水酸化アンモニウム2部(水溶液で8部)を一括投入して、2時間攪拌し、熟成した。25%水酸化アンモニウム投入直前のモノマー(b)全体に対する未反応モノマー成分の質量比は9%であった。
その後、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.3部とホルムアルデヒド樹脂0.1部を投入し、そのまま1時間攪拌して、固形分23.3%、外径1100nm、内径930nmの球状の中空ポリマー粒子(イ−1)の水性分散体を得た。
【0054】
▲2▼重合例2〜14
ポリマー粒子(A−1)の配合量及びモノマー(b)の種類と配合量を変えたこと以外は重合例1と同様にして、ポリマー粒子(B−2)〜(B−14)を調製した。また、重合例3及び重合例9では(B−3)及び(B−9)の固形分を18%に希釈してpH調整時における加熱処理を行い、pH調整時におけるモノマー(b)のうちの未反応モノマーの質量比、pH調整後の熱処理温度を表1に示すように変えたこと以外は重合例1と同様にして、中空ポリマー粒子(イ−2)〜(イ−14)を調製した。
【0055】
【表1】
【0056】
(4)中空ポリマー粒子(イ)の評価
▲1▼重合安定性
重合安定性;反応容器内壁及び攪拌翼への凝集物の付着状態により評価した。評価基準は、下記〇、△及び×のとおりである。結果を表1に併記する。
○:付着物極少量、△;付着物やや多い、×;付着物非常に多い
【0057】
▲2▼平均粒径
平均粒径は、電子顕微鏡(日本電子社製、型式「JSM−6360LA」)、倍率5000倍による観察において無作為に抽出した100個の粒子の測定結果の平均値である。その結果、中空ポリマー粒子(イ−1)〜(イ−14)の平均粒子径は、990〜1190nmであった。結果を表1に併記する。
▲3▼平均空孔径
平均空孔径は、電子顕微鏡(日本電子社製、型式「JSM−6360LA」)による倍率5000倍の観察において無作為に抽出した100個の粒子の測定結果の平均値である。その結果、中空ポリマー粒子(イ−1)〜(イ−14)の平均空孔径は、800〜1100nmであった。結果を表1に併記する。
【0058】
▲4▼容積空孔率
容積空孔率は、上記で得られた平均粒子径及び平均空孔形から粒子の体積と内孔の容積を算出し、式:(内孔容積/粒子体積)×100により求めた。その結果、中空ポリマー粒子(イ−1)〜(イ−9)の容積空孔率は61〜89%、(イ−10)〜(イ−14)の容積空孔率は38〜59%であった。結果を表1に併記する。
▲5▼粒子形状及び内孔の形状
重合例1〜14における中空ポリマー粒子(イ−1)〜(イ−14)を、電子顕微鏡(日本電子社製、型式「JSM−6360LA」)により倍率5000倍で観察し、外形を及び空孔形を確認した。その結果、中空ポリマー粒子(イ−1)〜(イ−14)はいずれも単一空孔を有する球状中空粒子であった。結果を表1に併記する。
【0059】
(5)紙塗工用組成物の調製
▲1▼実施例1〜12及び比較例1〜8
分散剤(東亜合成化学工業(株)製、商品名「アロンT−40」)0.05%、水酸化ナトリウム0.2%を水に溶解し、コーレス分散機で攪拌しながら表2及び表3に示す無機系顔料を添加した。尚、表2及び表3おいて、一級クレーとしては、EMC社製、商品名「UW−90」、二級クレーとしては、Huber社製、商品名「HS」、炭酸カルシウムとしては、ECC社製、商品名「カービタル90」を使用した。
無機系顔料を添加した後、30分間攪拌し、更に表2及び表3に示す中空ポリマー粒子(イ−1)〜(イ−14)、バインダー(ロ)としての共重合体ラテックス[JSR(株)製、商品名「JSR0619」(固形分率48%)]及びスターチ[日本食品(株)製、商品名「MS−4600」]、増粘剤(サンノプコ社製、商品名「モデコールVD―S」)を、表2及び表3に示す量添加し、全固形分率(以下、カラー固形分率という。)が表2及び表3示す値になるように水を加え、紙塗工用組成物を調製した。尚、表2及び表3の括弧内の数値は固形分換算における中空ポリマー粒子(イ)、バインダー(ロ)、顔料(ハ)及び、増粘剤(ニ)の合計を100部とした場合における配合量を示す。
また、比較例1〜5は、中空ポリマー粒子(イ)として、容積空孔率が60%未満である(イ−10)〜(イ−14)を用いたものである。また、比較例7は、固形分換算における中空ポリマー粒子(イ)、バインダー(ロ)、顔料(ハ)及び、増粘剤(ニ)の合計を100部とした場合における顔料(ハ)の配合量が0.5部未満(表4及表5参照)のものである。更に、比較例7は、固形分換算における中空ポリマー粒子(イ)、バインダー(ロ)、顔料(ハ)及び、増粘剤(ニ)の合計を100部とした場合におけるバインダー(ロ)の配合量が0.5部未満(表4及び表5参照)のものである。
【0060】
▲2▼比較例9
ポリマー粒子として、中空でないポリマー粒子(JSR(株)製、商品名「JSR0640」)を用いたこと以外は、実施例1〜12、比較例1〜8と同様な方法により、紙塗工用組成物を調製した。
▲3▼比較例10
ポリマー粒子として、容積空孔率が60%未満である市販のポリマー粒子(JSR(株)製、商品名「JSRAE850」)を用いたこと以外は、実施例1〜11、比較例1〜8と同様な方法により、紙塗工用組成物を調製した。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
(6)塗工紙の製造
市販の上質紙(坪量72g/m2)に、実施例1〜11及び比較例1〜10の紙塗工用組成物を乾燥後の塗工量が表2及び表3に示した値となるようにラボカーテンコーター(アネスト岩田社製、型式「フローコーターFL−S3G」、塗工速度100m/s)で塗工した後、150℃のギヤオーブンで3秒間乾燥した。得られた片面塗工紙をラボスーパーカレンダー(由利ロール社製)に、ロール表面温度40℃、線圧10N/mの条件で2回通し、光沢のある塗工紙を得た。尚、比較例8は、紙塗工用組成物の乾燥後の塗工量が0.3g/m2未満のものである。
【0066】
(7)塗工紙の評価方法
(6)で得られた塗工紙を下記の方法により評価した。結果を表2及び表3に併記する。
▲1▼ドライピック強度
RI型印刷機を使用し、タックNo.9のインキで数回重ね刷りを行い、印刷面のピッキング状態を肉眼で評価した(5段階評価で数値が大きいほうが良好である。)。
▲2▼ウエットピック強度
RI型印刷機を使用し、モルトンロールで試験片上に給水を行った後に1回印刷を行い、印刷面のピッキング状態を肉眼で評価した(5段階評価で数値が大きいほうが良好である。)。
▲3▼白紙光沢
未印刷塗工紙の光沢を、村山式光沢計を用い、入射角75度,反射角75度で測定した。数値の大きい方が良好である。
▲4▼印刷光沢
RI型印刷機を使用し、タックNo.5のインキで印刷をおこない、インキが乾いた後、印刷面の光沢を村山式光沢計を用い、入射角75度,反射角75度で測定した。数値の大きい方が良好である。
▲5▼白色度
白色度計を用いてブルーフィルターによって測定するハンター比色により評価した。数値の大きい方が良好である。
▲6▼不透明度
白色度計を用いてグリーンフィルターで測定するハンター比色により評価した。数値の大きい方が良好である。
▲7▼王研式透気平滑度
王研式透気平滑度計を用いて試験片の平滑度を求めた。大きい方が良好である。
【0067】
(8)実施例の効果
ポリマー粒子として中空ではないものを使用した場合、或いは容積空孔率が60%未満の場合(比較例1〜5、9及び10)は、白紙光沢が58.6〜68.5、印刷光沢が67.3〜73.3、不透明度が83.2〜87.7、白色度が76.6〜81.0であり、劣っていた。
また、バインダー(ロ)(固形分)、顔料(ハ)及び、増粘剤(ニ)の合計を100部とした場合における顔料(ハ)の配合量が0.5部未満(表3参照)の場合、白紙光沢が60.4、印刷光沢68.3、不透明度84.3、白色度が77.9であり、各特性が十分ではなかった。
これに対し、容積空孔率が60%以上、且つ配合した中空粒子が0.5%以上の場合(比較例7、及び実施例1〜12)、白紙光沢が75.1〜83.9、印刷光沢が78.2〜95.3、不透明度が90.0〜94.2、白色度が82.9〜85.2であり、優れていた。
【0068】
特に、中空ポリマー粒子(イ)及び顔料(ハ)の合計を100部とした場合における中空ポリマー粒子(イ)の配合量が40〜70部、顔料(ハ)の配合量が30〜60部の場合(実施例5、9、11)白紙光沢82.9〜83.9、印刷光沢91.0〜92.1、不透明度92.4〜94.2、白色度83.1〜84.4であり、これらの性能及びそのバランスが極めて優れていることが判る。
【0069】
更に、バインダー(ロ)(固形分)、顔料(ハ)及び、増粘剤(ニ)の合計を100部とした場合におけるバインダー(ロ)の配合量が0.5部未満の場合(比較例7)、十分なドライピック強度、ウエットピック強度が得られないが、0.5%以上の場合(実施例1〜12)、ドライピック強度が4.0〜5.0、ウエットピック強度が4.1〜5.0であり、十分優れていることが判る。
【0070】
また、配合量が本発明の範囲にある場合であっても、塗工量が0.3g/m2未満の場合(比較例8)、十分な白紙光沢、印刷光沢、不透明度、白色度が得られないが、塗工量が0.3g/m2以上場合(実施例1〜12)、白紙光沢、印刷光沢、不透明度、白色度が優れている。
【0071】
【発明の効果】
本発明の紙塗工用組成物では、容積空孔率及び平均粒径が所定の範囲にある中空ポリマー粒子が含有されているので、白色度、不透明度、白紙光沢、塗膜強度、及び印刷光沢等の印刷特性をバランス良く備える塗工紙を得ることができる。また、バインダーが所定の割合で含有される場合は、より優れた表面強度、不透明性、白色光沢等を有する塗工紙が得られる紙塗工用組成物とすることができる。
更に、顔料等のその他の添加物を含有する場合は、より優れた白色度、不透明度、白紙光沢、塗膜強度、及び印刷光沢等の印刷特性を有する塗工紙が得られる紙塗工用組成物とすることができる。
また、中空ポリマー粒子を所定の方法により製造した場合は、より容積空孔率が大きい中空ポリマー粒子が得られる。
更に、上記紙塗工用組成物を用いて、塗工量を所定の値で塗工することによって、より優れた性能を有する塗工紙が得られる。
また、非接触式塗工方法により塗工した場合は、より優れた性能を有する塗工紙が得られる。
Claims (14)
- 容積空孔率が60〜99%、且つ平均粒径が300〜5000nmの中空ポリマー粒子(イ)を含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
- 上記中空ポリマー粒子(イ)の殻の肉厚は、30〜200nmである請求項1に記載の紙塗工用組成物。
- 固形分換算で、上記中空ポリマー粒子(イ)を0.5〜99.5%、バインダー(ロ)を0.5〜99.5質量%並びに顔料及(ハ)び/又は増粘剤(ニ)を0〜99質量%[但し、(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の合計を100質量%とする。]含有する請求項1又は2に記載の紙塗工用組成物。
- 上記中空ポリマー粒子(イ)は、不飽和カルボン酸(a−1)5〜80質量%及び該不飽和カルボン酸(a−1)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(a−2)20〜95質量%[但し、(a−1)と(a−2)との合計を100質量%とする。]からなるモノマー(a)を乳化重合させてポリマー粒子(A)を調製し、
その後、該ポリマー粒子(A)5〜1000質量部の存在下で、不飽和カルボン酸(b−1)0〜20質量%及び該不飽和カルボン酸(b−1)と共重合可能な他のラジカル重合性モノマー(b−2)80〜100質量%[但し、(b−1)と(b−2)との合計を100質量%とする。]からなるモノマー(b)100質量部の一部を乳化重合させ、ポリマー粒子(A)の表層が、モノマー(b)の一部が重合してなるポリマー成分と、該モノマー(b)の未反応モノマー成分とを含むシェル層で被覆されたコアシェル状のポリマー粒子(B)を調製し、
次いで、該ポリマー粒子(B)を含む分散体のpHを揮発性塩基によって7以上に調整して該ポリマー粒子(B)を中和膨潤させ、その後、上記未反応モノマー成分を重合させてなるものである請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の紙塗工用組成物。 - 上記シェル層において、上記ポリマー成分と上記未反応モノマー成分との質量比が99:1〜50:50である請求項4に記載の紙塗工用組成物。
- 上記シェル層は、上記モノマー(b)のうち上記ポリマー成分となる上記モノマー(b)のうちの一部又は全部を最初に一括仕込みで乳化重合させる請求項5に記載の紙塗工用組成物。
- 上記一括仕込みされるモノマー(b)を100質量%とした場合に、該一括仕込みされるモノマー(b)の50質量%以上が不飽和カルボン酸エステル及び/又はエチレン性芳香族化合物である請求項6に記載の紙塗工用組成物。
- 上記一括仕込みされるモノマー(b)と上記ポリマー粒子(A)との質量比が10:1〜1:10である請求項6又は7に記載の紙塗工用組成物。
- 上記ラジカル重合性モノマー(b−2)は架橋性ラジカル重合性モノマーを含有し、架橋性ラジカル重合性モノマーの含有量は、上記ラジカル重合性モノマー(b−2)の全質量を100質量%とした場合に、50質量%以下である請求項4乃至8のうちのいずれかに記載の紙塗工用組成物。
- 上記ポリマー粒子(B)を中和膨潤させる際の上記分散体の温度を、上記ポリマー成分のガラス転移温度(Tg)以下とする請求項4乃至8のうちのいずれかに記載の紙塗工用組成物。
- 上記モノマー(b)を乳化重合させる際に、上記ラジカル重合性モノマー(b−2)のみを用いて重合させ、該モノマー(b)の全量の25質量%が重合した後、上記不飽和カルボン酸(b−1)を共用して重合させる請求項4乃至9のうちのいずれか1項に記載の紙塗工用組成物。
- 紙と、該紙の片面又は両面に形成され、且つ中空ポリマー粒子(イ)及びバインダーを含有する被膜とを、備え、上記中空ポリマー粒子(イ)は、容積空孔率が60〜99%、且つ平均粒径が300〜5000nmであることを特徴とする塗工紙。
- 請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載の紙塗工用組成物を、紙に、乾燥後の塗工量が0.3〜30g/m2となるように塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法。
- 上記塗工が非接触式塗工方法により行われる請求項13に記載の塗工紙の製造方法。
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