JP2004075921A - インクジェット記録液 - Google Patents

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Kyoko Iwamoto
岩本 京子
Takashi Suzuki
鈴木 隆嗣
▲高▼橋 真理
Mari Takahashi
Satoru Ikesu
池洲 悟
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】色画像の耐光性に優れ、良好な分散安定性を有するインクジェット記録液、またさらには、耐光性に加えて長期使用を保証できる水系のインクジェット記録液を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【化1】
Figure 2004075921

(式中、R11、R12はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R13〜R16は水素原子又は1価の置換基を表し、Qは置換又は無置換のナフチル基を表す。)
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の色素を含有するインクジェット記録液に関するものである。特に、インク保存性、吐出安定性が高く、耐光性に優れたインクジェット記録液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、ピエゾ素子の電気−機械変換により液滴を圧力吐出させる方式、電気−熱変換により気泡を発生させて液滴を圧力吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等に大別される。
【0003】
インクジェット記録液(以下、インクジェット用インク、又は単にインクともいう)においては、たとえば上記から選択され使用される記録方式に適合すること、高い記録画像濃度を有し色調が良好であること、耐光性や耐熱性および耐水性といった色画像堅牢性に優れること、被記録媒体に対して定着性がよく記録後ににじまないこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性や引火性といった安全性に問題がないこと、安価であること等が要求される。
【0004】
このような観点から、種々のインクジェット記録液が提案、検討されているが、要求の多くを同時に満足するインクジェット記録液はきわめて限られている。
【0005】
例えば水溶性染料を用いたインクの例としては、従来から公知のC.I.ナンバーを有する染料、例えばC.I.ダイレクトイエロー86やC.I.ダイレクトレッド20等があげられる。しかし、このような染料を含有したインクをインクジェット記録に用いると、染料の溶解性が悪いため長期保存中に沈殿物が生じ、あるいはインク物性が変化するなど保存安定性に劣るという問題があった。
【0006】
一方、特開2001−181548や特開2001−181549等の公報には、アゾ構造をもつ油溶性染料を水性媒体中に分散したインクが記載されているが、分散安定性の点で十分といえるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、色画像の耐光性に優れ、良好な分散安定性を有するインクジェット記録液、またさらには、耐光性に加えて長期使用を保証できる水系のインクジェット記録液を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、下記構成のいずれかを採ることにより達成されることがわかった。
【0009】
〔1〕 前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【0010】
〔2〕 前記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
【0011】
〔3〕 一般式(2)におけるR26が、−OR(ただしRは水素原子、各々置換又は無置換のアルキル基もしくはアリール基を表す)であることを特徴とする〔2〕に記載のインクジェット記録液。
【0012】
〔4〕 一般式(1)又は(2)におけるR16又はR26が水素原子であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット記録液。
【0013】
〔5〕 一般式(1)又は(2)で表される化合物が、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録液。
【0014】
〔6〕 一般式(1)又は(2)で表される化合物が、微粒子分散物として含有されることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録液。
【0015】
〔7〕 一般式(1)又は(2)で表される化合物が、油溶性ポリマーとともに微粒子分散物として含有されることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録液。
【0016】
尚、本発明においては、色素の化学構造から、主な対象としてはイエローもしくはマゼンタ色のインクジェット記録液を提供するに適している。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる化合物、実施の態様等につき更に説明する。
【0018】
まず、本発明の一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。
11、R12はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)、置換基を有してもよいアリール基(例えばフェニル基等)又は置換基を有してもよい複素環(ヘテロ環)基(例えばピロリジン環基、ピペリジン環基、ピリジン環基、テトラヒドロフラン環基、チオフエン環基等)を表す。
【0019】
13〜R16は水素原子又は1価の置換基を表す。これらの置換基としては、特に制限はないが、代表的には、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられ、さらにこの他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等が挙げられる。
【0020】
一般式(1)において、R16は水素原子であることが好ましい。
は置換又は無置換のナフチル基を表し、1個又は2個以上の置換基で置換されていてもよい。
【0021】
ナフチル基の置換基は、特に制限されないが、具体例としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基(例えばスルホン酸アルカリ塩など)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ヘキシルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、およびベンゾイルアミノ基等のアリールカルボニルアミノ基)、炭素数1〜9の置換又は無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等の無置換のアルキル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン置換アルキル基、およびジメチルアミノメチル基等の置換又は無置換のアミノ基で置換されたアルキル基等)、炭素数1〜9の置換又は無置換のアルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等の無置換のアルコキシル基;およびヒドロキシエトキシ基、メトキシエトキシ基、ベンゾイルオキシ基、カルボキシメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基等の、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アリール基、カルボキシル基、カルボン酸エステル残基等で置換されたアルコキシ基)、およびハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)が挙げられる。
【0022】
次に、一般式(2)で表される化合物について説明する。
一般式(2)において、R21、R22はそれぞれ独立してアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えばフェニル基等)又は複素環基(例えばピロリジン環基、ピペリジン環基、ピリジン環基、テトラヒドロフラン環基、チオフエン環基等)を表す。
【0023】
23〜R26は水素原子又は1価の置換基を表す。
これらの置換基としては特に制限はないが、代表的には、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられ、さらにこの他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0024】
一般式(2)において、R26が−ORを表すとき、Rは水素原子、各々置換又は無置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)、もしくはアリール基(例えばフェニル基等)を表す。
【0025】
一般式(2)において、R26は−OR又は水素原子であることが好ましい。
一般式(2)において、Qは置換又は無置換の不飽和複素環基を表し、置換基を有するときは1個又は2個以上の置換基で置換されていてもよい。不飽和複素環基は芳香族性を有することが好ましく、5員環又は6員環を有することが好ましい。不飽和複素環基には、他の複素環又は芳香族環が縮合していてもよく、複素環を形成するヘテロ原子には、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が少なくとも一つ含まれることが好ましい。不飽和複素環基の置換基の例としては、一般式(1)におけるQの置換基として挙げた置換基と同じ置換基が挙げられる。
【0026】
次に、一般式(1)及び一般式(2)で表される具体的例示化合物を挙げる。
【0027】
【化3】
Figure 2004075921
【0028】
【化4】
Figure 2004075921
【0029】
【化5】
Figure 2004075921
【0030】
【化6】
Figure 2004075921
【0031】
【化7】
Figure 2004075921
【0032】
【化8】
Figure 2004075921
【0033】
【化9】
Figure 2004075921
【0034】
【化10】
Figure 2004075921
【0035】
【化11】
Figure 2004075921
【0036】
又、上記化合物中の代表例につき、その合成方法を下記に示す。
〔合成例〕
i) 例示化合物47の合成
例示化合物47はスキーム(1)に従って合成した。
【0037】
【化12】
Figure 2004075921
【0038】
1.6g(0.01mol)の(1a)を、15mlの12%塩酸に加える。この懸濁溶液を氷冷し、氷冷下、亜硝酸ナトリウム0.7g(0.01mol)を少量ずつ添加することにより、(1b)懸濁液が得られる。
【0039】
一方、3.4g(0.01mol)の(1c)をメタノール30mlに溶解させ、これに1gの酢酸カリウムを加え、氷冷する。氷冷下、先に調製した(1b)懸濁液を滴下する。滴下終了後、氷冷のまま1時間反応させ、さらに室温で30分反応させる。
【0040】
反応液から析出物を濾過、水洗後、得られた赤色粉末をエタノールで再結晶することにより、例示化合物47が3.4g(66%)得られた。
【0041】
ii) 例示化合物26の合成
例示化合物26はスキーム(2)に従って合成した。
【0042】
【化13】
Figure 2004075921
【0043】
4.5g(0.02mol)の(2a)に3.8g(0.02mol)の(2b)を加え、さらに粉末の水酸化ナトリウム2.0g(0.05mol)を添加して約170℃に加熱し、1時間反応させる。反応終了後、中和、酢酸エチルで抽出した後カラムクロマトグラフィーにかけることにより、例示化合物26が3.3g(収率43%)得られた。
【0044】
〔インクジェット記録液の組成〕
本発明の色素を含有するインクジェット記録液は、本発明の色素を1種類のみ使用したものであっても、2種類以上の色素を併用したものであってもよく、また本発明外の色素と併用したものであってもよい。
【0045】
本発明の色素を含有するインクジェット記録液は水系溶媒、油系溶媒、固体(相変化)溶媒等の種々の溶媒系を用いることができ、特に水系溶媒で本発明の効果を発揮する。
【0046】
水系溶媒は、水(例えばイオン交換水が好ましい)と水溶性有機溶媒を一般に使用する。
【0047】
水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0048】
上記のような水系溶媒は、本発明の色素がその溶媒系に可溶であればそのまま溶解して用いることができる。この場合、本発明の色素の水系溶媒への溶解性が重要であり、本発明の化合物が、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を少なくとも1つ以上有することが好ましく、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を少なくとも2つ以上有することがさらに好ましい。
【0049】
一方、本発明の色素が、その溶媒系にそのままでは不溶の固体である場合、色素を種々の分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等)を用いて微粒子化するか、あるいは可溶である有機溶媒に色素を溶解した後に、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。さらに、そのままでは不溶の液体又は半溶融状物である場合、そのまま、あるいは可溶である有機溶媒に溶解して、高分子分散剤や界面活性剤とともにその溶媒系に分散させることができる。
【0050】
本発明の色素が、その溶媒系に不溶である場合には、微粒子化させてその溶媒系に分散させることが好ましく、150nm以下の微粒子に分散されていることがさらに好ましい。
【0051】
又は、本発明の色素が、可溶である有機溶媒に色素を溶解した後に、油溶性ポリマーとともに微粒子分散物として水系溶媒に分散させることが好ましい。
【0052】
このようなインクジェット記録液用に使用される水系溶媒の具体的調製法については、例えば特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号等の各公報に記載の方法を参照することができる。
【0053】
次に油溶性ポリマーについて説明する。
前記油溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ビニルポリマーが好適なものとして挙げられる。前記ビニルポリマーとしては、従来公知のものが挙げられ、水不溶性型、水分散(自己乳化)型、水溶性型の何れもものであってもよいが、着色微粒子の製造容易性、分散安定性等の点で水分散型のものが好ましい。
【0054】
前記水分散型のビニルポリマーとしては、イオン解離型のもの、非イオン性分散性基含有型のもの、あるいはこれらの混合型のもののいずれであってもよい。
【0055】
前記イオン解離型のビニルポリマーとしては、三級アミノ基などのカチオン性の解離性基を含有するビニルポリマーや、カルボン酸、スルホン酸などのアニオン性の解離性基を含有するビニルポリマーが挙げられる。前記非イオン性分散性基含有型のビニルポリマーとしては、ポリエチレンオキシ鎖などの非イオン性分散性基を含有するビニルポリマーが挙げられる。これらの中でも、着色微粒子の分散安定性の点で、アニオン性の解離性基を含有するイオン解離型のビニルポリマー、非イオン性分散性基含有型のビニルポリマー、混合型のビニルポリマーが好ましい。
【0056】
前記ビニルポリマーを形成するモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、アクリル酸エステル類、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルアクリレート等が挙げられる。
【0057】
メタクリル酸エステル類、具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−iso−プロポキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルメタクリレートなどが挙げられる。
【0058】
ビニルエステル類、具体的には、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。
【0059】
アクリルアミド類、具体的には、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、tert−オクチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
【0060】
メタクリルアミド類、具体的には、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0061】
オレフィン類、具体的には、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等、スチレン類、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
【0062】
ビニルエーテル類、具体的には、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0063】
その他のモノマーとして、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどが挙げられる。
【0064】
又、解離性基を有するモノマーとしては、アニオン性の解離性基を有するモノマー、カチオン性の解離性基を有するモノマーが挙げられる。
【0065】
前記アニオン性の解離性基を有するモノマーとしては、例えば、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。
【0066】
前記カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イタコン酸モノアルキルエステル(例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルなど)、マレイン酸モノアルキルエステル(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチルなど)などが挙げられる。
【0067】
前記スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸など)、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、メタクリロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸など)、アクリルアミドアルキルスルホン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸など)、メタクリルアミドアルキルスルホン酸(例えば、2−メタクルリアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸など)などが挙げられる。
【0068】
前記リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、メタクリロイルオキシエチルホスホン酸などが挙げられる。
【0069】
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸がより好ましい。
【0070】
前記カチオン性の解離性基を有するモノマーとしては、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ジアルキルアミノエチルアタクリレートなどの3級アミノ基を有するモノマーが挙げられる。
【0071】
又、非イオン性分散性基を含有するモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとカルボン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとスルホン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとリン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとイソシアネート基含有モノマーから形成されるビニル基含有ウレタン、ポリビニルアルコール構造を含有するマクロモノマーなどが挙げられる。前記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのエチレンオキシ部の繰り返し数としては、8〜50が好ましく、10〜30がより好ましい。前記ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素原子数としては、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましい。
【0072】
これらのモノマーは、1種単独で使用されてビニルポリマーが形成されていてもよいし、2種以上が併用されてビニルポリマーが形成されていてもよく、前記ビニルポリマーの目的(Tg調節、溶解性改良、分散物安定性等)に応じて適宜選択することができる。
【0073】
本発明に使用される油系溶媒は、有機溶媒を使用する。
油系溶媒の溶媒の例としては、上記水系溶媒において水溶性有機溶媒として例示したものに加えて、アルコール類(例えば、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フルフリルアルコール、アニルアルコール等)、エステル類(エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸フェノキシエチル、フェニル酢酸エチル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、ジエチルマロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ(2−メトキシエチル)、セバシン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジオクチル、ケイ皮酸−3−ヘキセニル等)、エーテル類(例えば、ブチルフェニルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、ケトン類(例えば、ベンジルメチルケトン、ベンジルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等)、炭化水素類(例えば、石油エーテル、石油ベンジル、テトラリン、デカリン、ターシャリーアミルベンゼン、ジメチルナフタリン等)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド等)が挙げられる。
【0074】
上記のような油系溶媒は、本発明の色素をそのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散又は溶解させて用いることもできる。
【0075】
このようなインクジェット記録液に使用される油系溶媒の具体的調製法については、特開平3−231975号、特表平5−508883号の公報に記載の方法を参照することができる。
【0076】
本発明に使用される固体(相変化)溶媒は、溶媒として室温で固体であり、かつインクジェット記録液の加熱噴射時には溶融した液体状である相変化溶媒を使用する。
【0077】
このような相変化溶媒としては、天然ワックス(例えば、密ロウ、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、鯨ロウ、カンデリラワックス、ラノリン、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等)、ポリエチレンワックス誘導体、塩素化炭化水素、有機酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、チグリン酸、2−アセトナフトンベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸等)、有機酸エステル(例えば、上記した有機酸のグリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等のアルコールとのエステル等)、アルコール(例えば、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ドデセノール、ミリシルアルコール、テトラセノール、ヘキサデセノール、エイコセノール、ドコセノール、ピネングリコール、ヒノキオール、ブチンジオール、ノナンジオール、イソフタリルアルコール、メシセリン、テレアフタリルアルコール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ドコサンジオール、テトラコサンジオール、テレビネオール、フェニルグリセリン、エイコサンジオール、オクタンジオール、フェニルプロピレングリコール、ビスフェノールA、パラアルファクミルフェノール等)、ケトン(例えば、ベンゾイルアセトン、ジアセトベンゼン、ベンゾフェノン、トリコサノン、ヘプタコサノン、ヘプタトリアコンタノン、ヘントリアコンタノン、ヘプタトリアコンタノン、ステアロン、ラウロン、ジアニソール等)、アミド(例えば、オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド、ステアリン酸アミド、リシノール酸アミド、パルミチン酸アミド、テトラヒドロフラン酸アミド、エルカ酸アミド、ミリスチン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N′−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N′−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N′−システアリルセバシン酸アミド、N,N′−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミド、フェナセチン、トルアミド、アセトアミド、オレイン酸2量体/エチレンジアミン/ステアリン酸(1:2:2のモル比)のような2量体酸とジアミンと脂肪酸の反応生成物テトラアミド等)、スルホンアミド(例えば、パラトルエンスルホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、ブチルベンゼンスルホンアミド等)、シリコーン類(例えば、シリコーンSH6018(東レシリコーン)、シリコーンKR215、216、220(信越シリコーン)等)、クマロン類(例えば、エスクロンG−90(新日鐵化学)等)、コレステロール脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ミリスチン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール、ラウリン酸コレステロール、メリシン酸コレステロール等)、糖類脂肪酸エステル(ステアリン酸サッカロース、パルミチン酸サッカロース、ベヘン酸サッカロース、ラウリン酸サッカロース、メリシン酸サッカロース、ステアリン酸ラクトース、パルミチン酸ラクトース、ミリスチン酸ラクトース、ベヘン酸ラクトース、ラウリン酸ラクトース、メリシン酸ラクトース等)が挙げられる。
【0078】
固体(相変化)溶媒の固体−液体相変化における相変化温度は、60℃〜200℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。
【0079】
上記のような固体(相変化)溶媒は、加熱した溶融状態の溶媒に本発明の色素をそのまま溶解させて用いることができ、また樹脂状分散剤や結合剤を併用して分散又は溶解させて用いることもできる。
【0080】
このような相変化溶媒の具体的調製法については、特開平5−186723号、特開平7−70490号の各公報に記載の方法を参照することができる。
【0081】
上記したような水系、油系、固体(相変化)溶媒を使用し本発明の色素を溶解した本発明のインクジェット記録液は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。
【0082】
又、上記本発明のインクジェット記録液は、その飛翔時の表面張力として200〜1000μN/cmが好ましく、300〜800μN/cmであることがより好ましい。
【0083】
本発明の色素は、インクジェット記録液の0.1〜25質量%の範囲で使用されることが好ましく、0.5〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0084】
本発明に使用される樹脂型分散剤としては、分子量1,000〜1,000,000の高分子化合物が好ましく、これらはインクジェット記録液中に0.1〜50質量%含有されることが好ましい。
【0085】
本発明のインクジェット記録液には、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加することもできる。
【0086】
〔記録方式〕
本発明のインクジェット記録液は、その使用する記録方式に関して特に制約はないが、特にオンデマンド方式のインクジェットプリンタ用のインクジェット記録液として好ましく使用することができる。オンデマンド型方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)、放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができる。
【0087】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0088】
〔実施例1〕
(水系インクの作製)
表1に記載の色素を色素の含有量が仕上がりインクとして、2質量%になる量を秤量し、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、サーフィノール465(日信化学工業社製)0.3質量%、残りが純水になるように調整してインク組成液を作製した。更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表1に示すようなインクジェット用インク1〜5を得た。
【0089】
(サンプル作製及び評価)
各インクを市販のエプソン社製インクジェットプリンター(PM−800)を用いてコニカフォトジェットペーパー Photolike QP 光沢紙(コニカ社製)にプリントした。得られた画像の耐光性および保存性の評価を行った結果を表1に併せて示す。
【0090】
耐光性
キセノンフェードメーターにて24時間曝射した後のサンプルの、未曝射サンプルからの可視領域極大吸収波長における反射スペクトル濃度の残存率で表示した。
耐光性(%)=(曝射試料極大吸収波長濃度/未曝射試料極大吸収波長濃度)×100
保存性
インクを80℃で1週間、密閉ガラス容器中に保存後、上記同様に画像記録し、500時間の連続噴出における噴出異常の有無と色調変化の評価を行った。好ましい保存性を下記のように定義した。
【0091】
○:連続噴出にて異常なく、未保存インクからの色調変化がa、bともに±10未満
×:連続噴出異常、又は色調変化がa又はbとして少なくとも一方が10以上認められる場合
(a、bとは、サンプルの390〜730nm領域のインターバル10nmによる反射スペクトルを測定し、これをCIE L色空間系に基づいて算出した値)
【0092】
【表1】
Figure 2004075921
【0093】
【化14】
Figure 2004075921
【0094】
以上の結果から明らかなように、本発明が比較に比して耐光性に優れていることがわかる。
【0095】
〔実施例2〕
(微粒子分散物の作製)
表2記載の色素10g、メチルエチルケトン20g、グリセリン5g、スチレン/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=80/5/15(各モノマーのモル比)の中和済み樹脂を6g、イオン交換水40gの混合液に平均粒子径が0.5mmのジルコニアビーズ250gを加え、メディア分散機(システムゼータ アシザワ社製)を用いて4時間分散を行った。
【0096】
分散終了後、ジルコニアビーズを濾別して顔料分散液を得た。この分散液に水40mlを加えて希釈した後、減圧留去によりメチルエチルケトンを除去し顔料の着色微粒子を得た。
【0097】
(水系インクの作製)
色素の含有量がインクの仕上がり量に対して3質量%になる量を秤量し、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール465を0.3質量%、残りが純水になるように調整してインク組成物を作製した。更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表2に示すようにインクジェット用インク6〜10を得た。
【0098】
(サンプル作製および評価)
それぞれのインクを60℃で7日間保存した際の粒子径変化率、保存後のインクの濾過性を評価した。結果を表2に示す。
【0099】
粒子径変化率
インクを60℃で7日間保管し、粒子径変化率が5%未満のものを◎、5%ないし10%未満のものを○(許容レベル)、10%以上のものを×(不可レベル)とした。
【0100】
濾過性
インクを60℃7日間保管した後に、インクを5ml採取し0.8μmのセルロースアセテートメンブランフィルターで濾過を行い、全量濾過できたものを◎、半量以上濾過できたものを○(許容レベル)、半量以上濾過ができなかったものを×(不可レベル)とした。
【0101】
【表2】
Figure 2004075921
【0102】
以上の結果から明らかなように、本発明が比較に比してインクの粒子径変化率や濾過性といった保存安定性の面で優れていることがわかる。
【0103】
〔実施例3〕
(微粒子分散物の作製)
表3に示す色素5g、5gのポリビニルブチラール(積水化学社製 BL−S、平均重合度350)及び50gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN置換後、撹拌して上記ポリマー及び染料を完全溶解させた。ラウリル硫酸ナトリウム2gを含む水溶液100gを滴下後、超音波分散機(UH−150型、エスエムテー社製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料を含浸する着色微粒子を得た。
【0104】
この分散液に0.15gの過硫酸カリウムを加えて溶解し、ヒーターを付して70℃に加温後、更に2gのスチレン及び1gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合液を滴下しながら7時間反応させてコアシェル型の着色微粒子を得た。
【0105】
水系インクの作製
色素の含有量がインクの仕上がり量に対して2質量%になる量を秤量し、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール465を0.3質量%、残りが純水になるように調整してインク組成液を作製した。更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表3に示すようにインクジェット用インク11〜15を得た。
【0106】
(サンプル作製および評価)
実施例2と同様にそれぞれのインクを60℃で7日間保存した際の粒子径変化率、保存後のインクの濾過性、更に、実施例1と同様に各インクを用いてプリントした画像についての耐光性を評価した。結果を表3に示す。
【0107】
【表3】
Figure 2004075921
【0108】
上記の結果から明らかなように、本発明が比較に比してインクの粒子径変化率や濾過性といった保存安定性および耐光性の面で優れていることがわかる。
【0109】
【発明の効果】
本発明により、色画像の耐光性に優れ、良好な分散安定性を有するインクジェット記録液、またさらには、耐光性に加えて長期使用を保証できる水系のインクジェット記録液を提供することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
    Figure 2004075921
    (式中、R11、R12はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R13〜R16は水素原子又は1価の置換基を表し、Qは置換又は無置換のナフチル基を表す。)
  2. 下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
    Figure 2004075921
    (式中、R21、R22はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R23〜R26は水素原子又は1価の置換基を表し、Qは不飽和へテロ環基を表す。)
  3. 一般式(2)におけるR26が、−OR(ただしRは水素原子、各々置換又は無置換のアルキル基もしくはアリール基を表す)であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録液。
  4. 一般式(1)又は(2)におけるR16又はR26が水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録液。
  5. 一般式(1)又は(2)で表される化合物が、スルホン酸基もしくはカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録液。
  6. 一般式(1)又は(2)で表される化合物が、微粒子分散物として含有されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録液。
  7. 一般式(1)又は(2)で表される化合物が、油溶性ポリマーとともに微粒子分散物として含有されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録液。
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