JP4608872B2 - 色素、着色組成物、着色微粒子分散物、インクジェット記録液及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
(2)
前記一般式(1)で表される色素が下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表されることを特徴とする1に記載の色素。
置換のシアノ基を表す。)
前記一般式(1)、(2)〜(4)のいずれかで表される色素がスルホ基またはその塩を有することを特徴とする1または2項に記載の色素。
(4)
1〜3のいずれか1項に記載の色素を含有することを特徴とする着色組成物。
(5)
1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)を水系媒体に分散してなることを特徴とする着色微粒子分散物。
(6)
1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)をコアとし、その周りにポリマーシェルを形成し、コア/シェル構造とした着色微粒子(B)を水系媒体に分散してなることを特徴とする着色微粒子分散物。
(7)
1〜3のいずれか1項に記載の色素を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
(8)
1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)または1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)をコアとし、その周りにポリマーシェルを形成し、コア/シェル構造とした着色微粒子(B)を含むことを特徴とするインクジェット記録液。
(9)
7または8に記載のインクジェット記録液を用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
(1) 色素 樹脂
(2) 色素+樹脂 樹脂
上記の組み合わせの中でも、コア/シェル粒子の分散安定性向上の観点から、コア部が樹脂や色材を含み、シェル部が樹脂により構成されている組み合わせ(2)が好ましい。
コアとなる色素含有(色素を含むともいう)樹脂は、各種の手法で調製することができる。例えば、色素と樹脂とを混練し、その後、水系で分散し樹脂被覆色素を作製する手法などがある。それに樹脂シェルを設ける手法としては、コアとなる樹脂の水系サスペンションに水溶性の樹脂分散剤を添加し吸着させる手法、モノマーを徐々に滴下し、重合と同時にコア表面に沈着させる方法、あるいは有機溶剤に溶解した樹脂を徐々に滴下し、析出と同時にコア表面に吸着させる方法などがある。
コアとなる樹脂と色材(色素)を、重合後にシェルとなるモノマーに溶解または分散し、水中で懸濁後重合する手法や、その液を活性剤ミセルを含有する水中に徐々に滴下しながら乳化重合していく手法などもある。モノマーがコア、樹脂がシェルとなってもよい。あるいは、重合後にコアとなりうるモノマーとシェルとなりうるモノマー混合液に色素を溶解または分散し、懸濁重合あるいは乳化重合する手法もある。
(d)本発明の着色微粒子分散物が、コア領域(樹脂と色素とを含む)と前記コア領域を被覆するように形成されたシェル領域(樹脂を含む)からなるコアシェル粒子の分散物として調製される場合
前記(c)の態様の好ましい一例としては、前記一般式(1)〜(4)で表される色素を、可溶である有機溶媒(親油性溶媒ともいう)に溶解した後、油溶性ポリマー(親油性ポリマーともいう)と共に、微粒子分散物を調製し、水系溶媒に分散させる等が挙げられる。次に、前記(d)の態様の好ましい一例としては、前記一般式(1)〜(4)で表される色素を、可溶である有機溶媒(親油性溶媒ともいう)に溶解した後、油溶性ポリマー(親油性ポリマーともいう)と共に分散してコア粒子(油溶性ポリマーと色素を構成成分として含む)を作製し、更に前記コア粒子を油溶性ポリマーで被覆してシェル領域を形成するなどが挙げられる。
メタクリル酸エステル類、具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−iso−プロポキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルメタクリレート等;
ビニルエステル類、具体的にはビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等;
アクリルアミド類、具体的にはアクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、tert−オクチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等;
メタクリルアミド類、具体的には、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミド等;
オレフィン類、具体的にはジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等、スチレン類、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等;
ビニルエーテル類、具体的にはメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等;
その他のモノマーとして、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等;が挙げられる。
《例示化合物1−1の合成》
得られた例示化合物1−1を0.2g、リン酸トリクレジル2.0g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.16gを、酢酸エチル1.3gに溶解した。次に該溶液を、石灰処理ゼラチン15%水溶液6.8g及び水5.5gを40℃で均一に混合した中に添加し、ホモジナイザーを使用して、40℃、10000rpmにて10分間乳化分散した。得られた乳化分散物において、例示化合物1−1の濃度が0.25mmol/m2となるように加水し、これを印画紙用支持体上にワイヤーバーを用いて塗布した。塗布後に形成された膜は鮮やかな色を呈した。
《例示化合物1−59の合成》
得られた例示化合物1−59を0.2g、リン酸トリクレジル2.0g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.16gを、酢酸エチル1.3gに溶解した。次に該溶液を、石灰処理ゼラチン15%水溶液6.8g及び水5.5gを40℃で均一に混合した中に添加し、ホモジナイザーを使用して、40℃、10000rpmにて10分間乳化分散した。得られた乳化分散物において、例示化合物1−59の濃度が0.25mmol/m2となるように加水し、これを印画紙用支持体上にワイヤーバーを用いて塗布した。塗布後に形成された膜は鮮やかな色を呈した。
《例示化合物1−73の合成》
得られた例示化合物1−73を0.2g、リン酸トリクレジル2.0g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.16gを、酢酸エチル1.3gに溶解した。次に該溶液を、石灰処理ゼラチン15%水溶液6.8g及び水5.5gを40℃で均一に混合した中に添加し、ホモジナイザーを使用して、40℃、10000rpmにて10分間乳化分散した。得られた乳化分散物において、例示化合物1−73の濃度が0.25mmol/m2となるように加水し、これを印画紙用支持体上にワイヤーバーを用いて塗布した。塗布後に形成された膜は鮮やかな色を呈した。
《インクジェット記録液1〜11の作製:水系インク》
表1に記載の化合物の仕上がりインク中の含有量が2質量%になるように秤量し、これに、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、サーフィノール465(日信化学工業社製)0.3質量%、残りが純水になるように調整して純水を加え、混合分散し、2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して、表1に示すようなインクジェット記録液1〜11を得た。用いた比較化合物の構造式を下記に示す。
上記で得たインクジェット記録液1〜11の各々のインクを市販のエプソン製インクジェットプリンター(PM−800)を用いてコニカフォトジェットペーパー PhotolikeQP光沢紙(コニカミノルタフォトイメージング株式会社製)にプリントし、得られた画像試料1〜11について、下記のように画像の耐光性、画像の色調およびインクの保存性の評価を行った。
得られた試料にキセノンフェードメーターで48時間光照射を行い、各画像の色素残存率で耐光性を評価した。尚、色素残存率(%)は、光照射前の濃度をD0、光照射後の濃度をDとして、
耐光性(%)=D/D0×100(%)
で表す。尚、濃度はコニカミノルタフォトイメージング株式会社製PDA−65濃度計を用い測定した。
各塗布試料について、10人のモニターによる目視評価で4段階評価による得点の平均点を算出した。2.3点以上であれば、実用上問題ない。
2点:鮮やかな色と感じる
1点:あまり鮮やかな色と感じない
0点:汚い色と感じる
《インクの保存性評価》
インクジェット記録液1〜11を80℃で1週間、密閉ガラス容器中に保存後、上記画像試料の作製の場合と同様にして画像を作製し、500時間の連続吐出における吐出異常の有無を観察した。また該画像について色調の評価を上記と同様にして行って、保存性を下記の評価基準により評価した。
×:連続吐出に異常が認められる、未保存インクからの色調変化がa*またはb*の少なくとも一方に、絶対値で10以上認められる
a*、b*は共にCIE L*a*b*色空間における知覚色度指数を表す。
《着色微粒子分散物の調製》
表2に記載の化合物を10g、メチルエチルケトン20g、グリセリン5g、共重合ポリマー(スチレン/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=80/5/15の共重合比である、中和済み樹脂)を6g、イオン交換水40gの混合液に、平均粒子径が0.5mmのジルコニアビーズ250gを加え、メディア分散機(システムゼータ;(株)アシザワ製)を用いて4時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを濾別して分散液を得た。この分散液に水40mlを加えて希釈した後、減圧留去によりメチルエチルケトンを除去し着色微粒子分散物を得た。
表2に記載の化合物の含有量がインクジェット記録液の仕上がり量に対して3質量%になるように、上記着色微粒子分散物を秤量し、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール465を0.3質量%、残りが純水になるように調整し、混合分散し、次いで2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表2に示すようにインクジェット記録液12〜19を得た。
インクジェット記録液12〜19について、60℃で7日間保存した際の平均粒子径変化率、保存後のインクの濾過性を下記のように評価した。
インクジェット記録液12〜19を、各々60℃で7日間保管し、大塚電子製レーザ粒径解析システムを用いて保存後のインクの平均(体積平均)粒子径を求め、同様にして求めた未保存の場合のインクの平均粒子径との平均粒子径変化率を下式にて求め、下記基準によりランク評価した。
×:10%以上(実用不可レベル)
○:5〜10%未満(実用許容レベル)
◎:粒子径変化率が5%未満
(インクの濾過性評価)
インクジェット記録液12〜19を60℃で7日間保管した後に、5ml採取し、0.8μmのセルロースアセテートメンブランフィルターで濾過を行い、下記のようにランク評価した。
○:半量以上濾過できたもの(実用可)
×:半量未満しか濾過ができなかったもの(不可レベル)
本発明では、◎、○が実用可のレベルである。
インクジェット記録液12〜19の各々のインクを用いて、実施例4と同様に画像試料12〜19を作製し、画像の色調を評価した。
《着色微粒子分散物の作製》:コアシェル構造粒子
表3に示す化合物を5g、5gのポリビニルブチラール(積水化学製BL−S、平均重合度350)及び50gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2ガスで置換後、攪拌して上記ポリビニルブチラール及び化合物を完全溶解させた。
色素の含有量がインクの仕上がり量に対して2質量%になる量の上記着色微粒子分散物を秤量し、これに、エチレングリコール15質量%、グリセリン15質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量%、サーフィノール465を0.3質量%、残りが純水になるように調整して純水を加え混合分散し、更に2μmのメンブランフィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して表3に示すようにインクジェット記録液20〜26を得た。
インクジェット記録液20〜26について、60℃で7日間保存した際の平均粒子径変化率、保存後のインクの濾過性を実施例5と同様に評価した。
インクジェット記録液20〜26の各々のインクを用いて実施例4と同様に画像試料20〜26を作製し、画像の色調、画像の耐光性を評価した。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表されることを特徴とする色素。
- 前記一般式(1)で表される色素が下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1に記載の色素。
- 前記一般式(1)、(2)〜(4)のいずれかで表される色素がスルホ基またはその塩を有することを特徴とする請求項1または2項に記載の色素。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素を含有することを特徴とする着色組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)を水系媒体に分散してなることを特徴とする着色微粒子分散物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)をコアとし、その周りにポリマーシェルを形成し、コア/シェル構造とした着色微粒子(B)を水系媒体に分散してなることを特徴とする着色微粒子分散物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素を含有することを特徴とするインクジェット記録液。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)または請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素及び油溶性ポリマーからなる着色微粒子(A)をコアとし、その周りにポリマーシェルを形成し、コア/シェル構造とした着色微粒子(B)を含むことを特徴とするインクジェット記録液。
- 請求項7または8に記載のインクジェット記録液を用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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