JP2004075840A - 温度管理用シートセット - Google Patents
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Abstract
【課題】温度管理が必要な物品又は保管場所が、所定温度以下に保たれていたかどうかを簡便に検知することができる温度管理用シートセットを提供する。
【解決手段】支持体の片面に呈色剤を含有する記録層を設けた記録シートの記録層と、他の支持体の片面に粘着剤、前記呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を含有する粘着剤層を設けた粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせた構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体である温度管理用シートセットにおいて、前記粘着剤層の粘着剤が、遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤であることを特徴とする温度管理用シートセット。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体の片面に呈色剤を含有する記録層を設けた記録シートの記録層と、他の支持体の片面に粘着剤、前記呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を含有する粘着剤層を設けた粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせた構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体である温度管理用シートセットにおいて、前記粘着剤層の粘着剤が、遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤であることを特徴とする温度管理用シートセット。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度管理が必要な物品あるいは保管場所が、所定温度以下に保たれていたかどうかを簡便に検知することができる温度管理用シートセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、陳列、保存、輸送などを厳重な温度管理の下に行う必要のある多種多様の物品がある。特に、近年、手軽さから冷凍又は冷蔵食品(以下、冷凍食品等という)が大量に出回っているが、その取り扱いには厳重な温度管理が必要である。製造後、冷凍食品等が一般家庭に渡されるまでの輸送、保管の過程において、それぞれの食品が規定された温度以下に管理されていないと内容物の変質や雑菌の繁殖による腐敗が起こることがあるが、変質したものを再び低温で保存すると、外見上、未変質のものと区別できなくなり、食品衛生上、大きな社会問題となる可能性がある。
【0003】
このように厳密な温度管理が必要なものとしては、冷凍食品等に限らず、生花、医薬品、血液、写真用薬品、化学薬品等がある。しかしながら、現状では、冷凍食品等に代表される温度管理を厳重に行う必要のある物品が、製造後、温度管理が厳守されて消費者に手渡されたかどうかを知ることは困難であり、関連する業界では具体的な温度管理システムが求められている。
【0004】
冷凍食品等の温度管理システムを得る方法としては、例えば、特開昭48−61186号公報には、融解時の形状変化又は色調変化を利用する方法、特開昭59−58329号公報には、常温で固体の融解剤及び色剤からなる系に透液性で白色又は淡色の不透明シートを接触させる方法等が記載されているように、様々な方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では温度検知能、発色濃度等に問題があり、実用上満足のいくものは得られていない。
【0005】
本発明者らは、特開平11−72393号公報、特開2000−180271号公報、特開2000−248256号公報に記載された発明において、サリチル酸誘導体の亜鉛塩を含有する記録層を設けた記録シートと、粘着剤とロイコ染料及び特定のエステル化合物とを含有する粘着剤層を設けた粘着シートからなり、使用時に記録シートの記録層と粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせることにより、簡便で正確に保存温度を検知することができる温度管理用シートセットを提案した。このシートセットは、記録シートと粘着シートを貼り合わせた後も所定の温度以下であれば全く発色しないが、所定の温度を超えると発色するものである。
【0006】
しかしながら、この温度管理用シートセットは、使用前の保存性が劣るという欠点がある。即ち、温度管理用シートセットは、使用時に粘着シート及び記録シートを貼り合わせて使用するが、使用する前の保存期間に、粘着シート単独状態でも経時で微妙に発色する。また、低温での接着性、即ち0℃付近で、特に曲面へ接着する場合、接着が弱く、ラベル剥がれ等の不具合が発生していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記した温度管理用シートセットの使用前の保存性を改善すること、及び低温での接着性、特に曲面への接着性を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した温度管理用シートセットの保存性及び低温接着性を改善するために種々検討を重ねた結果、粘着シート側に用いる粘着剤を改良することによって保存性及び低温接着性を大幅に改善することができることを見出し、本発明を達成するに至った。
【0009】
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)支持体の片面に呈色剤を含有する記録層を設けた記録シートの記録層と、他の支持体の片面に粘着剤、前記呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を含有する粘着剤層を設けた粘着シートの粘着剤層が貼り合わせた構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体である温度管理用シートセットにおいて、前記粘着剤層の粘着剤が、遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤であることを特徴とする温度管理用シートセット。
【0010】
(2)前記遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤のモノマー組成が、
(a)架橋性モノマー:0.1〜5質量%、
(b)(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー:70〜99.9質量%、
(c)これらモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜30質量%、
であり、かつ前記アクリル系粘着剤が架橋剤により架橋された粘着剤である(1)項に記載された温度管理用シートセット。
【0011】
(3)前記記録層の呈色剤が、サリチル酸誘導体の亜鉛塩である(1)項又は(2)項に記載された温度管理用シートセット。
【0012】
本発明は、さらに以下の発明を包含する。
(4)前記粘着剤層の温度制御剤が、エステル化合物である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0013】
(5)前記アクリル系粘着剤の架橋剤の配合量は、全アクリル系粘着剤100質量部に対して0.1〜5質量部である(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0014】
(6)粘着シートが、粘着剤層/支持体/第2粘着剤層の積層構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体/第2粘着剤層の積層構造となる(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0015】
(7)記録シートが、第2粘着剤層/支持体/記録層の積層構造を有し、使用時の形態が、第2粘着剤層/支持体/記録層/粘着剤層/支持体の積層構造となる(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0016】
(8)記録シートは、さらに記録層上に前記呈色剤と該呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料との接触を遅延させるための隔膜層を有する積層構造を有しており、使用時の形態が下記のいずれかである(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体
支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体/第2粘着剤層
第2粘着剤層/支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体
【0017】
(9)前記隔膜層は、粘着剤成分と顔料とを含有する層である(8)項記載の温度管理用シートセット。
(10)前記顔料はタルクである(9)項記載の温度管理用シートセット。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の課題である粘着シートの保存性改善は、粘着剤として遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物を共重合して調製したアクリル系粘着剤を使用することによって達成され、さらに第二の課題である低温接着性は、粘着剤モノマー組成を適正化すること、また、粘着剤中に配合する主要成分である無色ないし淡色の染料及び温度制御剤が粘着剤の凝集力を低下させるため、粘着剤を架橋構造とすることによって達成される。
【0019】
本発明の温度管理用シートセットは、記録シートの記録層と粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせることによって使用する。このシートセットは、記録シートと粘着シートを貼り合わせた後も所定の温度以下であれば全く発色しないが、所定の温度を超えると発色する。
【0020】
本発明の粘着シートは、支持体の片面に粘着剤層を設けた構成で、粘着剤層は、基本成分として粘着剤、無色ないし淡色の染料及び温度制御剤から成る。
粘着剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の遊離のカルボン酸を含まないアクリル系モノマーのみからなるモノマー組成物を(共)重合して得られるアクリル系粘着剤であることが必要であり、かつ、粘着剤のモノマー組成が、
(a)架橋性モノマー:0.1〜5質量%、
(b)(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー:70〜99.9質量%、
(c)これらモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜30質量%、
であり、さらに架橋剤で架橋された粘着剤であることが好ましい。
【0021】
アクリル系粘着剤の架橋性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(ポリ)エチレングリコール又は(ポリ)プロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の−CONH2基や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のメチロール基を有するモノマー、や(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシ基含有モノマー、また、ジビニルベンゼン、ジビニルシラン、ジアクリルフタレート、シクロペンタジエン、メチレンビスアクリルアミド、テトラアリルオキシエタン等のエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマーが挙げられる。
【0022】
中でも、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有モノマーが、架橋剤との反応性及び粘着品質の面から好ましい。
また、それら架橋性モノマーの配合量は、アクリル系粘着剤のモノマー組成中の0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜3質量%である。架橋性モノマーの割合が0.1質量%未満では架橋性が乏しく、凝集力が不足する。逆に、3質量%を超えると低温接着性がやや乏しくなり、さらに5質量%を超えると低温接着性が不良となる。
【0023】
アクリル系粘着剤の調製に使用できる(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、その配合量は、アクリル系粘着剤のモノマー組成中の70〜99.9質量%、好ましくは80〜98質量%である。アルキルエステルモノマーの割合が80質量%未満では低温接着性がやや乏しくなり、さらに70質量%未満では低温接着性が不良となる。逆に99.9質量%を超えると凝集力が乏しくなる。
【0024】
さらに、アクリル系粘着剤の前記モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、エチレン、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、その配合量はアクリル系粘着剤のモノマー組成中の0〜30質量%、好ましくは0〜10質量%である。前記他のモノマーの割合が30質量%を超えると低温接着性が乏しくなる。
【0025】
上記架橋性モノマー、(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー、及びこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを含有するモノマー組成物は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法など任意の方法で、通常40〜100℃の温度条件下、2〜8時間かけて重合される。なお、重合時のモノマー濃度は、通常30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%程度が適当である。
【0026】
また、重合の際に使用される重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過酸化アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ等との組み合わせからなるレドックス系の重合開始剤等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、重合に供する全粘着剤モノマー100質量部に対して0.1〜2質量部、より好ましくは0.2〜1質量部の範囲で調節される。
【0027】
さらに、共重合に際して添加する連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等をあげることができる。
特にチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセンを使用した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好ましい。
【0028】
なお連鎖移動剤の使用量は、重合させる全粘着剤モノマー100質量部に対して0.001〜3質量部の範囲で調製される。
重合に際しては、増粘剤、濡れ剤、レベリング剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
【0029】
アクリル系粘着剤の架橋剤としては、該粘着剤中の官能基と反応する官能基を1分子中に2個以上有するもので、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート等の金属キレート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤、多価アルコールのグリシジルエーテルやヒドラジド系架橋剤、ポリカルボジイミド系架橋剤などが挙げられる。
【0030】
前記架橋剤の配合量は、全粘着剤モノマー100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜3質量部である。架橋剤の割合が0.1質量部未満では架橋性が乏しく凝集力が不足し、逆に、5質量部を超えると低温接着性が乏しくなる。
【0031】
本発明のシートセットに使用される粘着剤には、さらに粘着物性向上のため、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤を配合することにより、例えば、ポリオレフィン等の被着体に対する接着性も改善される。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン等の天然樹脂、変成ロジン、ロジン及び変成ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変成体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体等が挙げられるが、表面基材が透明な場合、粘着剤の透明性の観点から脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂が好ましい。
また、粘着付与剤の配合割合は、全粘着剤モノマー100質量部に対して1〜50質量部が好ましい。粘着付与剤の割合が1質量部未満では、粘着力を向上させるのに充分でなく、逆に、50質量部を越えると、粘着力が低下する傾向にある。
【0032】
本発明のシートセットに使用される粘着剤層には、必要に応じて、さらに老化防止剤、安定剤、軟化剤、充填剤(顔料)、着色剤等の各種助剤を添加することができる。
【0033】
粘着シートの粘着剤層に含有させる無色ないし淡色の染料としては、各種公知のものが使用可能であり、中でもロイコ染料が好ましい。
ロイコ染料としては例えば下記のものが挙げられる。
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプルピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−キシリジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン。
【0034】
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−キシリジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ(フタリド−3,9’−キサンテン)−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン。
【0035】
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6,8,8−トリメチル−9−エチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6,8,8−トリメチル−9−エチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−〔1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−(4−ジブチルアミノフェニル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−フェニルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド等。
上記ロイコ染料は、勿論これらに限定されるものではなく、また必要に応じて二種以上併用することもできる。
【0036】
本発明のシートセットにおける粘着シートの粘着剤層において、無色ないし淡色の染料の使用量は特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して1〜30質量部程度配合するのが好ましい。染料の使用量が1質量部未満では発色濃度が低く、30質量部を超えると粘着剤を可塑化し、凝集力が低下する。
【0037】
本発明のシートセットにおける粘着シートの粘着剤層には、さらに温度制御剤が含まれる。本発明の温度管理用シートセットにおいては、発色温度の調節を温度制御剤で行う。
温度制御剤は、規定温度以下では固体状態であるため、染料と呈色剤が接触せず、ラベルは無色であるが、規定温度以上になると温度制御剤が融解し、染料と温度制御剤が記録シートに移動することによって、染料と呈色剤が接触し、発色するものであり、温度制御剤の融点を選択することによって、発色温度を調節することができる。
【0038】
温度制御剤としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、エステル化合物類、ケトン類、エーテル類、アミド類、アミン類等が挙げられる。好ましくは−50℃〜40℃の融点のものである。
さらに、好ましくはエステル化合物である。かかるエステル化合物は粘着剤との相溶性や安定性、冷凍あるいは冷蔵保存時の粘着性や透明性、無色ないし淡色の塩基性染料、呈色剤の溶解性、温度と時間制御の容易さ等に優れているものが好ましく、例えば下記一般式(1)
又は(2)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0039】
【化1】
〔式中、R1 は炭素数9〜17のアルキル基を、R2 は炭素数1〜12のアルキル基又はベンジル基を示す。〕
【0040】
【化2】
【0041】
〔式中、R3 は直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を、R4 、R5 は互いに独立に炭素数1〜18のアルキル基又はベンジル基を示す。〕
【0042】
上記一般式(1)で表わされるエステル化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
カプリン酸エチル、カプリン酸n−ブチル、カプリン酸イソブチル、カプリン酸−n−ヘキシル、カプリン酸−n−ヘプチル、カプリン酸−n−デシル、カプリン酸ラウリル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸−n−ブチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリン酸−n−ヘキシル、ラウリン酸−n−ヘプチル、ラウリン酸−n−デシル、ラウリン酸ラウリル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−n−ブチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸−n−ヘキシル、パルミチン酸ヘプチル、パルミチン酸−n−デシル、パルミチン酸ラウリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸−n−ブチル、ステアリン酸−n−ヘプチル、カプリン酸ベンジル、ラウリン酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル。
【0043】
上記一般式(2)で表わされるエステル化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル、シュウ酸ジヘキシル、マロン酸ジ−t−ブチル、マロン酸ジオクチル、スクシン酸ジブチル、スクシン酸ジペンチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジペンチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジペンチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジドデシル、アジピン酸ジオクタデシル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸ジペンチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、アゼライン酸ジメチル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジプロピル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジペンチル、オクタンジカルボン酸ジメチル、ノナンジカルボン酸ジメチル、ノナンジカルボン酸ジエチル、ノナンジカルボン酸ジイソブチル、デカンジカルボン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジプロピル、デカンジカルボン酸ジブチル、デカンジカルボン酸ジペンチル、デカンジカルボン酸ジヘキシル、デカンジカルボン酸ジ(1−エチルプロピル)、デカンジカルボン酸ベンジルブチル等。
上記一般式(1)及び(2)で表わされるエステル化合物は、勿論、これらに限定されるものではなく、また、必要に応じて二種以上を併用することも可能である。
【0044】
本発明のシートセットにおける粘着剤層において、上記温度制御剤の使用量は特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して3〜50質量部程度含有させるのが好ましい。温度制御剤の使用量が3質量部未満では発色性が低下し、逆に50質量部を超えると粘着剤を可塑化し、凝集力が低下する。
【0045】
粘着剤層を支持体上に設けるには、主に、粘着剤、無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を有機溶剤に溶解して得た粘着剤層用塗液を、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、ダイコーター、グラビアコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機など公知の塗布方法で塗布、乾燥する。この場合の塗布量は、乾燥重量で5〜30g/m2程度、好ましくは10〜25g/m2の範囲で調節される。
【0046】
なお、本発明においては、粘着剤層を保護するための剥離紙を粘着剤層の上に貼着しても良い。
剥離紙としては、紙などの支持体に、例えばシリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル等の非シリコーン系剥離剤を、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機などの公知の塗布方法で、剥離剤の乾燥重量が、0.05〜3g/m2、好ましくは0.1〜2g/m2の範囲で調整される。剥離剤の乾燥重量が0.05g/m2未満では剥離効果が乏しく、また3g/m2を超えると剥離効果が飽和し、経済的にも好ましくない。
【0047】
なお、粘着シートを製造する方法には、剥離紙上に粘着剤層を形成した後、支持体を貼り合わせる転写方式と、支持体に直接粘着剤層を形成し、その後剥離紙を貼り合わせる直接方式とがあるが、いずれを採用することもできる。
【0048】
本発明のシートセットにおける記録シートは、支持体の片面に、接着剤と呈色剤を含有する記録層を有しており、呈色剤としては公知のものが使用できる。
かかる呈色剤の具体例としては、例えばヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’,4’−テトラメチレンジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔2−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸亜鉛などが挙げられる。
【0049】
中でも、発色性、発色濃度、及び記録画像の保存性に優れている点で、サリチル酸誘導体の亜鉛塩が好ましい。
サリチル酸誘導体の亜鉛塩の具体例としては、下記のものも挙げられる。
3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル−6−フェニルサリチル酸、3,5−ジ−tert−アミルサリチル酸、3,5−ジシクロヘキシルサリチル酸、3−シクロヘキシル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−ドデシルサリチル酸、3−メチル−5−ドデシルサリチル酸、3−ドデシル−6−メチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−フェニルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−ブロモサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−4−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3−ノニルサリチル酸、3,5−ジノニルサリチル酸、3−ノニル−5−メチルサリチル酸、3−ノニル−6−メチルサリチル酸、3−ノニル−5−フェニルサリチル酸、3−メチル−5−ノニルサリチル酸、5−(4−メシチルメチルベンジル)サリチル酸、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂、ベンジル化スチレン化サリチル酸等の亜鉛塩。
【0050】
上記サリチル酸誘導体の亜鉛塩は、必要に応じて2種以上を併用することもできる。また、これらのサリチル酸誘導体の亜鉛塩のうちでも、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩、テルペン化サリチル酸の亜鉛塩及びベンジル化スチレン化サリチル酸の亜鉛塩は、発色性や記録像の保存性に優れるため、特に好ましく用いられる。
【0051】
記録層用接着剤の具体例としては、デンプン類、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等が挙げられる。
記録層における呈色剤と、接着剤の割合は、呈色剤100質量部に対して接着剤10〜200質量部である。接着剤の量が10質量部に満たないと記録層の支持体への接着強度が低く、200質量部を超えると発色濃度が低下するため好ましくない。
【0052】
また、記録層中には、必要に応じて、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の顔料、カプロン酸アミド、ベンズアニリド、2−ベンジルオキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジベンジルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等の熱可融性物質、及び耐水化剤、界面活性剤、滑剤、蛍光染料等の助剤を添加することもできる。
【0053】
記録層は、例えば、呈色剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩を使用する場合、水を媒体としてサンドミル等の攪拌・粉砕機により平均粒子径を3μm以下となるように微分散したサリチル酸誘導体の亜鉛塩及び/又は、溶媒法あるいは溶融法でエマルジョン化されたサリチル酸誘導体の亜鉛塩と、接着剤とを混合攪拌して調製された記録層用塗液を、支持体上に塗布、乾燥する方法によって形成される。
塗工装置としては、公知のものが適用でき、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーター、ダイコーター、などの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機が挙げられる。
記録層の塗布量については、特に限定されるものではないが、通常、乾燥重量で2〜10g/m2、好ましくは3〜7g/m2程度の範囲で調節される。
【0054】
本発明においては、記録シートの記録層の上に、顔料と接着剤を主成分とする隔膜層を設けることも可能である。前記隔膜層を積層することで、使用時の温度検知開始を遅延させることができ、温度管理に入る前のラベリング作業に要する時間、例えば、室温で記録シートと粘着シートを貼り合わせても一定時間は発色せず、しかもその後は温度検知シートとして充分な温度検知特性を有する温度管理用シートセットとなるので好ましい形態のひとつである。
【0055】
本発明のシートセットにおいて、隔膜層を設ける場合、隔膜層に使用する顔料の具体例としては、例えば、クレー、カオリン、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、セリサイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の無機顔料や、ポリスチレン、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ナイロン、ポリエチレン、尿素・ホルマリン樹脂、生デンプン等の有機顔料が挙げられる。なお、有機顔料は、中空粒子や貫通孔を有する粒子であってもよい。また、これらの顔料は、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0056】
上記顔料のうちでも、タルクは、温度制御剤(特に、エステル化合物)に対する初期のバリア性と、その後の浸透性、即ち、発色性とのバランスが特によく、また、発色性を阻害したり地発色を生じたりせず、極めて優れた品質の温度管理用シートセットが得られるため、とりわけ好ましく用いられる。タルクが優れた効果を発揮する理由は明らかではないが、粒子形状がリン片状であることと、分散液のpHが8〜10でほぼ中性のためではないかと推測される。
【0057】
また、隔膜層の顔料の平均粒子径は、特に限定するものではないが、0.5〜10μmのものが初期のバリア性と浸透性のバランスがよく、温度検知特性に優れるため好ましい。なお、平均粒子径が0.5μm未満の場合には、温度制御剤に対する初期のバリア性が低いため、室温で温度管理用シートセットを貼着する際に、徐々に発色する傾向があり、また、10μmを超えると温度制御剤の浸透性が低くなり、温度検知による発色性が極端に低下するおそれがある。ここで、本発明でいう平均粒子径とは、重力沈降法を利用した光透過式粒度分布測定器にて求めた値である。
【0058】
隔膜層に用いる接着剤としては、デンプン類、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水分散性高分子化合物が使用できる。中でも、温度制御剤(特に、エステル化合物)に対する適度な初期バリア性と、その後の良好な発色性が得られる点で水溶性高分子化合物、特にポリビニルアルコールの使用が好ましい。
【0059】
隔膜層における接着剤の使用量は、併用する顔料の種類や平均粒子径、さらには隔膜層に要求されるバリア性の程度などに応じて適宜調節するもので、特に限定するものではないが、顔料100質量部に対して1〜40質量部程度用いるのが好ましい。接着剤の使用量が1質量部未満では充分な接着能を得がたく、一方、40質量部を超えると温度制御剤の浸透性を過度に阻害し、温度検知能を極端に低下させるおそれがある。
【0060】
隔膜層には、上記顔料と接着剤の他に、必要に応じて界面活性剤、滑剤、蛍光染料、増粘剤等の助剤を添加することもできる。
【0061】
隔膜層を記録シートの記録層の上に形成するには、一般に顔料、接着剤、助剤を水を分散媒体として、ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル等の攪拌・粉砕機により、混合攪拌し、調製された隔膜層用塗液を記録層上に塗布、乾燥する方法によって形成される。
隔膜層の塗布方法については特に限定されるものではなく、公知の方法が適用でき、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機等を用いた塗布方法が挙げられる。また、塗液の塗布量は、隔膜層に要求するバリア性の程度等に応じて適宜調節すべきであるが、通常は、乾燥重量で0.1〜5g/m2程度の範囲で調節される。
【0062】
本発明のシートセットにおいて、記録シート及び粘着シートに用いる支持体としては、厚さ25〜250μm程度の透明及び不透明なシートが適用でき、例えば、塩化ビニルフィルム、合成紙、蒸着フィルム(PETフィルム、ポリオレフィンフィルム等にアルミニウムなどを金属蒸着したもの)などの不透明なシート類や、紙類、また、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の透明フィルム類などの透明シートが適宜使用できる。なお、塗布適性を高める目的で、支持体表面にコロナ放電処理や電子線照射処理を施したり、アンカーコート層を設けることもでき、さらには支持体を着色することも可能である。
中でも、どちらか一方の支持体が透明であると、貼り合わせた状態でも発色状態が確認できるので好ましい。
【0063】
本発明のシートセットにおいて、粘着シートに紫外線吸収剤を適用すると、発色後の変色及び褪色等の耐光性が向上し、より好ましい。粘着シートへの適用の仕方には、粘着シートの支持体の中に紫外線吸収剤を配合する、粘着シートの支持体上に紫外線吸収剤を含む保護層を設ける、粘着シートの粘着剤中に紫外線吸収剤を配合する等の方法がある。
【0064】
紫外線吸収剤としては、上記いずれの場合にも、同様の紫外線吸収剤を使用することができ、例えば、シアノアクリレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系又はハイドロキノン系等の紫外線吸収剤、及び反応型紫外線吸収剤とポリマーとを反応させるか、又は反応型紫外線吸収剤とモノマーを重合させて得られる紫外線吸収性ポリマー等の各種公知のものが使用可能である。中でも、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が紫外線、太陽光等に対する耐光性能が優れているために、好ましく用いられる。勿論、使用する紫外線吸収剤はこれらに限定されるものではなく、一種を単独で、又は必要に応じて二種以上を併用することができる。
【0065】
紫外線吸収剤を支持体の中に配合する場合の粘着シートの支持体はフィルムであり、樹脂成分と紫外線吸収剤を混合し、溶融押出しすることにより、紫外線吸収剤入りの支持体を得る。この場合には、樹脂成分100質量部に対し、紫外線吸収剤0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部を加える。紫外線吸収剤が0.1質量部未満では効果に乏しく、10質量部を超えると、フィルム自体の強度や透明性等の基本物性が低下する。
【0066】
粘着シートの支持体上に紫外線吸収剤を含む保護層を設ける場合は、保護層は紫外線吸収剤と接着剤で構成される。
接着剤としては、例えば、デンプン類、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水分散性高分子化合物等が使用できる。この場合には、接着剤100質量部に対し、紫外線吸収剤1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部の範囲で調整される。紫外線吸収剤の量が1質量部未満では効果に乏しく、30質量部を超えると、透明性が低下する。
保護層の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲に調整される。保護層の厚さが0.1μm未満では効果が乏しく、5μmを超えると透明性が低下する。
【0067】
紫外線吸収剤を粘着シートの粘着剤中に配合する場合は、粘着剤100質量部に対して紫外線吸収剤を3〜20質量部、好ましくは5〜15質量部の範囲で配合する。紫外線吸収剤が3質量部未満では効果が乏しく、15質量部を越えると、粘着物性が低下する。
【0068】
本発明の温度管理用シートセットにおいては、シートセットを物品に貼り付けて使用できるように、記録シート又は粘着シートの他方の面(非塗布面)に第2粘着剤層を設けることもできる。
第2粘着剤層には、前記粘着シートに使用される粘着剤を使用することができ、ディレード型、ホットメルト型粘着剤等の従来公知の粘着剤を使用してもよい。第2粘着剤層は、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーター、ホットメルトコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機などの公知の塗布方法で、記録シート又は粘着シートの他方の面(非塗布面)に塗布して形成される。
第2粘着剤層の塗布量は、乾燥重量で5〜40g/m2、好ましくは15〜25g/m2の範囲で調節される。第2粘着剤層の塗布量が5g/m2未満では接着力が乏しく、また40g/m2を超えると接着力が飽和し、経済的に好ましくない。
【0069】
また、本発明のシートセットにおいては、第2粘着剤層を保護するための剥離紙を、粘着剤層の上に貼着しても良い。
この場合の剥離紙は、粘着シートの粘着剤層を保護するために使用される剥離紙と同じ剥離紙を使用することが出来る。
また、必要に応じて、記録シート又は粘着シートの他方の面(非塗布面)には、印刷や印字を施すことにより、意匠性が向上し、取扱い説明が表示できるので好ましい。
【0070】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、むろん、本発明は、これらによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、各例中の部及び%はそれぞれ質量部及び質量%を示す。
【0071】
実施例1
〔粘着シート用粘着剤組成物の製造〕
攪拌機、温度計、冷却器、及び窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、次の処方で粘着剤用共重合体組成物を合成した。
ブチルアクリレート 94部
酢酸ビニル 5部
アクリル酸−2−ヒドロキシエチル 1部
トルエン 90部
酢酸エチル 10部
以上をフラスコに仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、80℃まで昇温し、さらに80℃に保ちながら、ここに、上記成分合計100部に対し、アゾビスイソブチロニトリル 0.25部を6時間にわたって数回に分けて添加し、最終添加後1時間さらに80℃に保持した後、室温まで冷却し、固形分濃度が45%の粘着剤用共重合体組成物を得た。
【0072】
〔粘着シート用粘着剤塗液の調製〕
前記粘着剤用共重合体組成物100部に対し、粘着付与剤(商品名:タマノル803L、荒川化学工業社製)15部、ポリイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、ポリウレタン社製)1部、カプリン酸n−デシル20部、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド2部(商品名:RED−40、山本化成社製)及びトルエン230部を混合・攪拌して粘着シート用粘着剤塗液を得た。
【0073】
〔粘着シートの作製〕
前記粘着シート用粘着剤塗液を厚さ95μmの剥離紙(ポリエチレンラミネートグラシン紙)にリバースロールコーターで乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥した後、厚さ50μmの透明PETフィルム(商品名:エンブレットS、ユニチカ社製)と貼り合わせて、検知温度として5℃の粘着シートを作製した。
【0074】
〔記録シートの作製〕
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩の40%分散液(平均粒子径1.2μm)50部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製)80部、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1571、旭化成社製)20部(固形分)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース1部及び水200質量部からなる組成物を混合攪拌して得た記録層用塗液を、厚さ60μmの合成紙(商品名:ユポSGS−60、ユポ・コーポレーション社製)の片面に、バーコーターで乾燥後の塗布量が5g/m2となるように塗布、乾燥して記録層を形成し、検知温度として5℃設定の記録シートを作製した。
【0075】
実施例2
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート94.9部、酢酸ビニル5部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.1部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を0.3部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0076】
実施例3
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート85部、酢酸ビニル12部、アクリル酸−2−ヒドロキプロピル3部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を3部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0077】
実施例4
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート70部、酢酸ビニル25部、アクリル酸−2−ヒドロキプロピル5部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を5部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0078】
実施例5
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート95部、酢酸ビニル5部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0079】
実施例6
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート67部、酢酸ビニル27部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル6部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を7部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0080】
比較例1
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート90部、酢酸ビニル5部、アクリル酸5部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を5部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0081】
〔評価〕
このようにして得られた7種類の粘着シートと記録シートからなる温度管理用シートセットについて、下記の評価を行い、保存性、低温接着性、ウーズ及び総合判定の結果を表1に示した。保存性評価、発色性評価、冷凍保存性評価での色濃度の測定はマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)にてグリーンフィルターを使用して行った。
【0082】
〔保存性〕
粘着シートを40℃、60%RHの環境下に1週間保管後、透明PETフィルム側から粘着剤の色濃度を測定し、下記評価基準にて判定した。
○:0.2以下
△:0.2を超え、0.5未満
×:0.5以上
【0083】
〔低温接着性〕
−10℃の環境下で下記作業を行い、粘着ラベルの記録シートへの低温接着性を評価した。
巾5cm、長さ8cmにカットした記録シート(支持体A/記録層)の記録層塗工面へ、同じく巾2.5cm、長さ5cmにカットした粘着ラベル(支持体B/粘着剤層)の粘着剤層を、記録シートの中央部に2kgのゴムロールを1往復して貼り合わせ、温度管理用シートセットを作った。温度管理用シートセットの構成は、上から支持体B/粘着剤層/記録層/支持体Aとなり、次に外径10cmのパイプに、記録シートの長さ方向をパイプ周りとなるように、また、支持体Aがパイプ表面へ接するように巻き付け、両端部を粘着テープで固定した。1時間後に、粘着シートの記録シートへの接着性を観察し、下記評価基準にて判定した。
○:記録シートから粘着シートが浮くことなく、接着性が良好
△:記録シートから粘着シートが少し浮く(1cm未満)が、剥がれることは
ない
×:記録シートから粘着シートが大きく浮き(1cm以上)、簡単に剥がせる
【0084】
〔ウーズ〕
23℃、50%RHの環境下で、粘着シートを50枚重ねてギロチンでカットし、その切り口を手指で触って、糊のはみ出しを確認し、下記評価基準にて判定した。
○:粘着剤によるベトツキがなく、良好
△:粘着剤によるベトツキが若干あるが、問題ない
×:粘着剤によるベトツキがひどく、指に粘着剤が付着した
【0085】
〔発色性〕
5℃、10%RHの環境下、記録シートの記録層面に粘着剤層を介して粘着シートを貼り合わせ、支持体/記録層/粘着剤層/支持体の構成の温度管理用シートセットとした後、5℃で2時間後の発色部の濃度を、粘着シートの支持体(透明PETフィルム)側からマクベス濃度計にて測定した結果、7種すべてにおいて1.0以上を示し、良好な発色性を示した。
【0086】
〔冷凍保存性〕
−10℃の環境下、記録シートの記録層面に粘着剤層を介して粘着シートを貼り合わせた後、−10℃で3ヶ月後の発色部の濃度を、粘着シートの支持体(透明PETフィルム)側からマクベス濃度計で測定した結果、7種すべてにおいて0.2以下を示し、良好な冷凍保存性を示した。
【0087】
以上の評価を行い、下記判断基準にて総合判定を行った。各評価項目の評価結果を表1にまとめて示す。
〔総合判定〕
○:発色性、冷凍保存性は良好であり、かつ保存性、低温接着性、ウーズは実用上問題なし
×:保存性、低温接着性、ウーズで致命的な欠陥があり、不良
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明の温度管理用シートセットは、使用前の保存性、低温での接着性、及び粘着剤のはみ出しがなく、優れたものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度管理が必要な物品あるいは保管場所が、所定温度以下に保たれていたかどうかを簡便に検知することができる温度管理用シートセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、陳列、保存、輸送などを厳重な温度管理の下に行う必要のある多種多様の物品がある。特に、近年、手軽さから冷凍又は冷蔵食品(以下、冷凍食品等という)が大量に出回っているが、その取り扱いには厳重な温度管理が必要である。製造後、冷凍食品等が一般家庭に渡されるまでの輸送、保管の過程において、それぞれの食品が規定された温度以下に管理されていないと内容物の変質や雑菌の繁殖による腐敗が起こることがあるが、変質したものを再び低温で保存すると、外見上、未変質のものと区別できなくなり、食品衛生上、大きな社会問題となる可能性がある。
【0003】
このように厳密な温度管理が必要なものとしては、冷凍食品等に限らず、生花、医薬品、血液、写真用薬品、化学薬品等がある。しかしながら、現状では、冷凍食品等に代表される温度管理を厳重に行う必要のある物品が、製造後、温度管理が厳守されて消費者に手渡されたかどうかを知ることは困難であり、関連する業界では具体的な温度管理システムが求められている。
【0004】
冷凍食品等の温度管理システムを得る方法としては、例えば、特開昭48−61186号公報には、融解時の形状変化又は色調変化を利用する方法、特開昭59−58329号公報には、常温で固体の融解剤及び色剤からなる系に透液性で白色又は淡色の不透明シートを接触させる方法等が記載されているように、様々な方法が提案されている。しかしながら、これらの方法では温度検知能、発色濃度等に問題があり、実用上満足のいくものは得られていない。
【0005】
本発明者らは、特開平11−72393号公報、特開2000−180271号公報、特開2000−248256号公報に記載された発明において、サリチル酸誘導体の亜鉛塩を含有する記録層を設けた記録シートと、粘着剤とロイコ染料及び特定のエステル化合物とを含有する粘着剤層を設けた粘着シートからなり、使用時に記録シートの記録層と粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせることにより、簡便で正確に保存温度を検知することができる温度管理用シートセットを提案した。このシートセットは、記録シートと粘着シートを貼り合わせた後も所定の温度以下であれば全く発色しないが、所定の温度を超えると発色するものである。
【0006】
しかしながら、この温度管理用シートセットは、使用前の保存性が劣るという欠点がある。即ち、温度管理用シートセットは、使用時に粘着シート及び記録シートを貼り合わせて使用するが、使用する前の保存期間に、粘着シート単独状態でも経時で微妙に発色する。また、低温での接着性、即ち0℃付近で、特に曲面へ接着する場合、接着が弱く、ラベル剥がれ等の不具合が発生していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記した温度管理用シートセットの使用前の保存性を改善すること、及び低温での接着性、特に曲面への接着性を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した温度管理用シートセットの保存性及び低温接着性を改善するために種々検討を重ねた結果、粘着シート側に用いる粘着剤を改良することによって保存性及び低温接着性を大幅に改善することができることを見出し、本発明を達成するに至った。
【0009】
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)支持体の片面に呈色剤を含有する記録層を設けた記録シートの記録層と、他の支持体の片面に粘着剤、前記呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を含有する粘着剤層を設けた粘着シートの粘着剤層が貼り合わせた構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体である温度管理用シートセットにおいて、前記粘着剤層の粘着剤が、遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤であることを特徴とする温度管理用シートセット。
【0010】
(2)前記遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤のモノマー組成が、
(a)架橋性モノマー:0.1〜5質量%、
(b)(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー:70〜99.9質量%、
(c)これらモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜30質量%、
であり、かつ前記アクリル系粘着剤が架橋剤により架橋された粘着剤である(1)項に記載された温度管理用シートセット。
【0011】
(3)前記記録層の呈色剤が、サリチル酸誘導体の亜鉛塩である(1)項又は(2)項に記載された温度管理用シートセット。
【0012】
本発明は、さらに以下の発明を包含する。
(4)前記粘着剤層の温度制御剤が、エステル化合物である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0013】
(5)前記アクリル系粘着剤の架橋剤の配合量は、全アクリル系粘着剤100質量部に対して0.1〜5質量部である(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0014】
(6)粘着シートが、粘着剤層/支持体/第2粘着剤層の積層構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体/第2粘着剤層の積層構造となる(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0015】
(7)記録シートが、第2粘着剤層/支持体/記録層の積層構造を有し、使用時の形態が、第2粘着剤層/支持体/記録層/粘着剤層/支持体の積層構造となる(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
【0016】
(8)記録シートは、さらに記録層上に前記呈色剤と該呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料との接触を遅延させるための隔膜層を有する積層構造を有しており、使用時の形態が下記のいずれかである(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載された温度管理用シートセット。
支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体
支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体/第2粘着剤層
第2粘着剤層/支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体
【0017】
(9)前記隔膜層は、粘着剤成分と顔料とを含有する層である(8)項記載の温度管理用シートセット。
(10)前記顔料はタルクである(9)項記載の温度管理用シートセット。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の課題である粘着シートの保存性改善は、粘着剤として遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物を共重合して調製したアクリル系粘着剤を使用することによって達成され、さらに第二の課題である低温接着性は、粘着剤モノマー組成を適正化すること、また、粘着剤中に配合する主要成分である無色ないし淡色の染料及び温度制御剤が粘着剤の凝集力を低下させるため、粘着剤を架橋構造とすることによって達成される。
【0019】
本発明の温度管理用シートセットは、記録シートの記録層と粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせることによって使用する。このシートセットは、記録シートと粘着シートを貼り合わせた後も所定の温度以下であれば全く発色しないが、所定の温度を超えると発色する。
【0020】
本発明の粘着シートは、支持体の片面に粘着剤層を設けた構成で、粘着剤層は、基本成分として粘着剤、無色ないし淡色の染料及び温度制御剤から成る。
粘着剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の遊離のカルボン酸を含まないアクリル系モノマーのみからなるモノマー組成物を(共)重合して得られるアクリル系粘着剤であることが必要であり、かつ、粘着剤のモノマー組成が、
(a)架橋性モノマー:0.1〜5質量%、
(b)(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー:70〜99.9質量%、
(c)これらモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜30質量%、
であり、さらに架橋剤で架橋された粘着剤であることが好ましい。
【0021】
アクリル系粘着剤の架橋性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(ポリ)エチレングリコール又は(ポリ)プロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の−CONH2基や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のメチロール基を有するモノマー、や(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシ基含有モノマー、また、ジビニルベンゼン、ジビニルシラン、ジアクリルフタレート、シクロペンタジエン、メチレンビスアクリルアミド、テトラアリルオキシエタン等のエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマーが挙げられる。
【0022】
中でも、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有モノマーが、架橋剤との反応性及び粘着品質の面から好ましい。
また、それら架橋性モノマーの配合量は、アクリル系粘着剤のモノマー組成中の0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜3質量%である。架橋性モノマーの割合が0.1質量%未満では架橋性が乏しく、凝集力が不足する。逆に、3質量%を超えると低温接着性がやや乏しくなり、さらに5質量%を超えると低温接着性が不良となる。
【0023】
アクリル系粘着剤の調製に使用できる(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、その配合量は、アクリル系粘着剤のモノマー組成中の70〜99.9質量%、好ましくは80〜98質量%である。アルキルエステルモノマーの割合が80質量%未満では低温接着性がやや乏しくなり、さらに70質量%未満では低温接着性が不良となる。逆に99.9質量%を超えると凝集力が乏しくなる。
【0024】
さらに、アクリル系粘着剤の前記モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、エチレン、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、その配合量はアクリル系粘着剤のモノマー組成中の0〜30質量%、好ましくは0〜10質量%である。前記他のモノマーの割合が30質量%を超えると低温接着性が乏しくなる。
【0025】
上記架橋性モノマー、(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー、及びこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを含有するモノマー組成物は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法など任意の方法で、通常40〜100℃の温度条件下、2〜8時間かけて重合される。なお、重合時のモノマー濃度は、通常30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%程度が適当である。
【0026】
また、重合の際に使用される重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過酸化アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ等との組み合わせからなるレドックス系の重合開始剤等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、重合に供する全粘着剤モノマー100質量部に対して0.1〜2質量部、より好ましくは0.2〜1質量部の範囲で調節される。
【0027】
さらに、共重合に際して添加する連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等をあげることができる。
特にチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセンを使用した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好ましい。
【0028】
なお連鎖移動剤の使用量は、重合させる全粘着剤モノマー100質量部に対して0.001〜3質量部の範囲で調製される。
重合に際しては、増粘剤、濡れ剤、レベリング剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
【0029】
アクリル系粘着剤の架橋剤としては、該粘着剤中の官能基と反応する官能基を1分子中に2個以上有するもので、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート等の金属キレート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤、多価アルコールのグリシジルエーテルやヒドラジド系架橋剤、ポリカルボジイミド系架橋剤などが挙げられる。
【0030】
前記架橋剤の配合量は、全粘着剤モノマー100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜3質量部である。架橋剤の割合が0.1質量部未満では架橋性が乏しく凝集力が不足し、逆に、5質量部を超えると低温接着性が乏しくなる。
【0031】
本発明のシートセットに使用される粘着剤には、さらに粘着物性向上のため、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤を配合することにより、例えば、ポリオレフィン等の被着体に対する接着性も改善される。
粘着付与剤としては、例えば、ロジン等の天然樹脂、変成ロジン、ロジン及び変成ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変成体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体等が挙げられるが、表面基材が透明な場合、粘着剤の透明性の観点から脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂が好ましい。
また、粘着付与剤の配合割合は、全粘着剤モノマー100質量部に対して1〜50質量部が好ましい。粘着付与剤の割合が1質量部未満では、粘着力を向上させるのに充分でなく、逆に、50質量部を越えると、粘着力が低下する傾向にある。
【0032】
本発明のシートセットに使用される粘着剤層には、必要に応じて、さらに老化防止剤、安定剤、軟化剤、充填剤(顔料)、着色剤等の各種助剤を添加することができる。
【0033】
粘着シートの粘着剤層に含有させる無色ないし淡色の染料としては、各種公知のものが使用可能であり、中でもロイコ染料が好ましい。
ロイコ染料としては例えば下記のものが挙げられる。
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプルピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−キシリジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン。
【0034】
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−キシリジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ(フタリド−3,9’−キサンテン)−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン。
【0035】
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6,8,8−トリメチル−9−エチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6,8,8−トリメチル−9−エチル−8,9−ジヒドロ−(3,2,e)ピリドフルオラン、3−〔1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−(4−ジブチルアミノフェニル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−フェニルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド等。
上記ロイコ染料は、勿論これらに限定されるものではなく、また必要に応じて二種以上併用することもできる。
【0036】
本発明のシートセットにおける粘着シートの粘着剤層において、無色ないし淡色の染料の使用量は特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して1〜30質量部程度配合するのが好ましい。染料の使用量が1質量部未満では発色濃度が低く、30質量部を超えると粘着剤を可塑化し、凝集力が低下する。
【0037】
本発明のシートセットにおける粘着シートの粘着剤層には、さらに温度制御剤が含まれる。本発明の温度管理用シートセットにおいては、発色温度の調節を温度制御剤で行う。
温度制御剤は、規定温度以下では固体状態であるため、染料と呈色剤が接触せず、ラベルは無色であるが、規定温度以上になると温度制御剤が融解し、染料と温度制御剤が記録シートに移動することによって、染料と呈色剤が接触し、発色するものであり、温度制御剤の融点を選択することによって、発色温度を調節することができる。
【0038】
温度制御剤としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、エステル化合物類、ケトン類、エーテル類、アミド類、アミン類等が挙げられる。好ましくは−50℃〜40℃の融点のものである。
さらに、好ましくはエステル化合物である。かかるエステル化合物は粘着剤との相溶性や安定性、冷凍あるいは冷蔵保存時の粘着性や透明性、無色ないし淡色の塩基性染料、呈色剤の溶解性、温度と時間制御の容易さ等に優れているものが好ましく、例えば下記一般式(1)
又は(2)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0039】
【化1】
〔式中、R1 は炭素数9〜17のアルキル基を、R2 は炭素数1〜12のアルキル基又はベンジル基を示す。〕
【0040】
【化2】
【0041】
〔式中、R3 は直接結合又は炭素数1〜10のアルキレン基を、R4 、R5 は互いに独立に炭素数1〜18のアルキル基又はベンジル基を示す。〕
【0042】
上記一般式(1)で表わされるエステル化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
カプリン酸エチル、カプリン酸n−ブチル、カプリン酸イソブチル、カプリン酸−n−ヘキシル、カプリン酸−n−ヘプチル、カプリン酸−n−デシル、カプリン酸ラウリル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸−n−ブチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリン酸−n−ヘキシル、ラウリン酸−n−ヘプチル、ラウリン酸−n−デシル、ラウリン酸ラウリル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−n−ブチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸−n−ヘキシル、パルミチン酸ヘプチル、パルミチン酸−n−デシル、パルミチン酸ラウリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸−n−ブチル、ステアリン酸−n−ヘプチル、カプリン酸ベンジル、ラウリン酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル。
【0043】
上記一般式(2)で表わされるエステル化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル、シュウ酸ジヘキシル、マロン酸ジ−t−ブチル、マロン酸ジオクチル、スクシン酸ジブチル、スクシン酸ジペンチル、グルタル酸ジエチル、グルタル酸ジペンチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジペンチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジドデシル、アジピン酸ジオクタデシル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸ジペンチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、アゼライン酸ジメチル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジプロピル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジペンチル、オクタンジカルボン酸ジメチル、ノナンジカルボン酸ジメチル、ノナンジカルボン酸ジエチル、ノナンジカルボン酸ジイソブチル、デカンジカルボン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジプロピル、デカンジカルボン酸ジブチル、デカンジカルボン酸ジペンチル、デカンジカルボン酸ジヘキシル、デカンジカルボン酸ジ(1−エチルプロピル)、デカンジカルボン酸ベンジルブチル等。
上記一般式(1)及び(2)で表わされるエステル化合物は、勿論、これらに限定されるものではなく、また、必要に応じて二種以上を併用することも可能である。
【0044】
本発明のシートセットにおける粘着剤層において、上記温度制御剤の使用量は特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して3〜50質量部程度含有させるのが好ましい。温度制御剤の使用量が3質量部未満では発色性が低下し、逆に50質量部を超えると粘着剤を可塑化し、凝集力が低下する。
【0045】
粘着剤層を支持体上に設けるには、主に、粘着剤、無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を有機溶剤に溶解して得た粘着剤層用塗液を、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、ダイコーター、グラビアコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機など公知の塗布方法で塗布、乾燥する。この場合の塗布量は、乾燥重量で5〜30g/m2程度、好ましくは10〜25g/m2の範囲で調節される。
【0046】
なお、本発明においては、粘着剤層を保護するための剥離紙を粘着剤層の上に貼着しても良い。
剥離紙としては、紙などの支持体に、例えばシリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル等の非シリコーン系剥離剤を、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機などの公知の塗布方法で、剥離剤の乾燥重量が、0.05〜3g/m2、好ましくは0.1〜2g/m2の範囲で調整される。剥離剤の乾燥重量が0.05g/m2未満では剥離効果が乏しく、また3g/m2を超えると剥離効果が飽和し、経済的にも好ましくない。
【0047】
なお、粘着シートを製造する方法には、剥離紙上に粘着剤層を形成した後、支持体を貼り合わせる転写方式と、支持体に直接粘着剤層を形成し、その後剥離紙を貼り合わせる直接方式とがあるが、いずれを採用することもできる。
【0048】
本発明のシートセットにおける記録シートは、支持体の片面に、接着剤と呈色剤を含有する記録層を有しており、呈色剤としては公知のものが使用できる。
かかる呈色剤の具体例としては、例えばヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’,4’−テトラメチレンジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔2−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸亜鉛などが挙げられる。
【0049】
中でも、発色性、発色濃度、及び記録画像の保存性に優れている点で、サリチル酸誘導体の亜鉛塩が好ましい。
サリチル酸誘導体の亜鉛塩の具体例としては、下記のものも挙げられる。
3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル−6−フェニルサリチル酸、3,5−ジ−tert−アミルサリチル酸、3,5−ジシクロヘキシルサリチル酸、3−シクロヘキシル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−ドデシルサリチル酸、3−メチル−5−ドデシルサリチル酸、3−ドデシル−6−メチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−フェニルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−ブロモサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−4−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3−ノニルサリチル酸、3,5−ジノニルサリチル酸、3−ノニル−5−メチルサリチル酸、3−ノニル−6−メチルサリチル酸、3−ノニル−5−フェニルサリチル酸、3−メチル−5−ノニルサリチル酸、5−(4−メシチルメチルベンジル)サリチル酸、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂、ベンジル化スチレン化サリチル酸等の亜鉛塩。
【0050】
上記サリチル酸誘導体の亜鉛塩は、必要に応じて2種以上を併用することもできる。また、これらのサリチル酸誘導体の亜鉛塩のうちでも、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩、テルペン化サリチル酸の亜鉛塩及びベンジル化スチレン化サリチル酸の亜鉛塩は、発色性や記録像の保存性に優れるため、特に好ましく用いられる。
【0051】
記録層用接着剤の具体例としては、デンプン類、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等が挙げられる。
記録層における呈色剤と、接着剤の割合は、呈色剤100質量部に対して接着剤10〜200質量部である。接着剤の量が10質量部に満たないと記録層の支持体への接着強度が低く、200質量部を超えると発色濃度が低下するため好ましくない。
【0052】
また、記録層中には、必要に応じて、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の顔料、カプロン酸アミド、ベンズアニリド、2−ベンジルオキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジベンジルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等の熱可融性物質、及び耐水化剤、界面活性剤、滑剤、蛍光染料等の助剤を添加することもできる。
【0053】
記録層は、例えば、呈色剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩を使用する場合、水を媒体としてサンドミル等の攪拌・粉砕機により平均粒子径を3μm以下となるように微分散したサリチル酸誘導体の亜鉛塩及び/又は、溶媒法あるいは溶融法でエマルジョン化されたサリチル酸誘導体の亜鉛塩と、接着剤とを混合攪拌して調製された記録層用塗液を、支持体上に塗布、乾燥する方法によって形成される。
塗工装置としては、公知のものが適用でき、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーター、ダイコーター、などの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機が挙げられる。
記録層の塗布量については、特に限定されるものではないが、通常、乾燥重量で2〜10g/m2、好ましくは3〜7g/m2程度の範囲で調節される。
【0054】
本発明においては、記録シートの記録層の上に、顔料と接着剤を主成分とする隔膜層を設けることも可能である。前記隔膜層を積層することで、使用時の温度検知開始を遅延させることができ、温度管理に入る前のラベリング作業に要する時間、例えば、室温で記録シートと粘着シートを貼り合わせても一定時間は発色せず、しかもその後は温度検知シートとして充分な温度検知特性を有する温度管理用シートセットとなるので好ましい形態のひとつである。
【0055】
本発明のシートセットにおいて、隔膜層を設ける場合、隔膜層に使用する顔料の具体例としては、例えば、クレー、カオリン、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、セリサイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の無機顔料や、ポリスチレン、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ナイロン、ポリエチレン、尿素・ホルマリン樹脂、生デンプン等の有機顔料が挙げられる。なお、有機顔料は、中空粒子や貫通孔を有する粒子であってもよい。また、これらの顔料は、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0056】
上記顔料のうちでも、タルクは、温度制御剤(特に、エステル化合物)に対する初期のバリア性と、その後の浸透性、即ち、発色性とのバランスが特によく、また、発色性を阻害したり地発色を生じたりせず、極めて優れた品質の温度管理用シートセットが得られるため、とりわけ好ましく用いられる。タルクが優れた効果を発揮する理由は明らかではないが、粒子形状がリン片状であることと、分散液のpHが8〜10でほぼ中性のためではないかと推測される。
【0057】
また、隔膜層の顔料の平均粒子径は、特に限定するものではないが、0.5〜10μmのものが初期のバリア性と浸透性のバランスがよく、温度検知特性に優れるため好ましい。なお、平均粒子径が0.5μm未満の場合には、温度制御剤に対する初期のバリア性が低いため、室温で温度管理用シートセットを貼着する際に、徐々に発色する傾向があり、また、10μmを超えると温度制御剤の浸透性が低くなり、温度検知による発色性が極端に低下するおそれがある。ここで、本発明でいう平均粒子径とは、重力沈降法を利用した光透過式粒度分布測定器にて求めた値である。
【0058】
隔膜層に用いる接着剤としては、デンプン類、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水分散性高分子化合物が使用できる。中でも、温度制御剤(特に、エステル化合物)に対する適度な初期バリア性と、その後の良好な発色性が得られる点で水溶性高分子化合物、特にポリビニルアルコールの使用が好ましい。
【0059】
隔膜層における接着剤の使用量は、併用する顔料の種類や平均粒子径、さらには隔膜層に要求されるバリア性の程度などに応じて適宜調節するもので、特に限定するものではないが、顔料100質量部に対して1〜40質量部程度用いるのが好ましい。接着剤の使用量が1質量部未満では充分な接着能を得がたく、一方、40質量部を超えると温度制御剤の浸透性を過度に阻害し、温度検知能を極端に低下させるおそれがある。
【0060】
隔膜層には、上記顔料と接着剤の他に、必要に応じて界面活性剤、滑剤、蛍光染料、増粘剤等の助剤を添加することもできる。
【0061】
隔膜層を記録シートの記録層の上に形成するには、一般に顔料、接着剤、助剤を水を分散媒体として、ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル等の攪拌・粉砕機により、混合攪拌し、調製された隔膜層用塗液を記録層上に塗布、乾燥する方法によって形成される。
隔膜層の塗布方法については特に限定されるものではなく、公知の方法が適用でき、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機等を用いた塗布方法が挙げられる。また、塗液の塗布量は、隔膜層に要求するバリア性の程度等に応じて適宜調節すべきであるが、通常は、乾燥重量で0.1〜5g/m2程度の範囲で調節される。
【0062】
本発明のシートセットにおいて、記録シート及び粘着シートに用いる支持体としては、厚さ25〜250μm程度の透明及び不透明なシートが適用でき、例えば、塩化ビニルフィルム、合成紙、蒸着フィルム(PETフィルム、ポリオレフィンフィルム等にアルミニウムなどを金属蒸着したもの)などの不透明なシート類や、紙類、また、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の透明フィルム類などの透明シートが適宜使用できる。なお、塗布適性を高める目的で、支持体表面にコロナ放電処理や電子線照射処理を施したり、アンカーコート層を設けることもでき、さらには支持体を着色することも可能である。
中でも、どちらか一方の支持体が透明であると、貼り合わせた状態でも発色状態が確認できるので好ましい。
【0063】
本発明のシートセットにおいて、粘着シートに紫外線吸収剤を適用すると、発色後の変色及び褪色等の耐光性が向上し、より好ましい。粘着シートへの適用の仕方には、粘着シートの支持体の中に紫外線吸収剤を配合する、粘着シートの支持体上に紫外線吸収剤を含む保護層を設ける、粘着シートの粘着剤中に紫外線吸収剤を配合する等の方法がある。
【0064】
紫外線吸収剤としては、上記いずれの場合にも、同様の紫外線吸収剤を使用することができ、例えば、シアノアクリレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系又はハイドロキノン系等の紫外線吸収剤、及び反応型紫外線吸収剤とポリマーとを反応させるか、又は反応型紫外線吸収剤とモノマーを重合させて得られる紫外線吸収性ポリマー等の各種公知のものが使用可能である。中でも、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が紫外線、太陽光等に対する耐光性能が優れているために、好ましく用いられる。勿論、使用する紫外線吸収剤はこれらに限定されるものではなく、一種を単独で、又は必要に応じて二種以上を併用することができる。
【0065】
紫外線吸収剤を支持体の中に配合する場合の粘着シートの支持体はフィルムであり、樹脂成分と紫外線吸収剤を混合し、溶融押出しすることにより、紫外線吸収剤入りの支持体を得る。この場合には、樹脂成分100質量部に対し、紫外線吸収剤0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部を加える。紫外線吸収剤が0.1質量部未満では効果に乏しく、10質量部を超えると、フィルム自体の強度や透明性等の基本物性が低下する。
【0066】
粘着シートの支持体上に紫外線吸収剤を含む保護層を設ける場合は、保護層は紫外線吸収剤と接着剤で構成される。
接着剤としては、例えば、デンプン類、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水分散性高分子化合物等が使用できる。この場合には、接着剤100質量部に対し、紫外線吸収剤1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部の範囲で調整される。紫外線吸収剤の量が1質量部未満では効果に乏しく、30質量部を超えると、透明性が低下する。
保護層の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲に調整される。保護層の厚さが0.1μm未満では効果が乏しく、5μmを超えると透明性が低下する。
【0067】
紫外線吸収剤を粘着シートの粘着剤中に配合する場合は、粘着剤100質量部に対して紫外線吸収剤を3〜20質量部、好ましくは5〜15質量部の範囲で配合する。紫外線吸収剤が3質量部未満では効果が乏しく、15質量部を越えると、粘着物性が低下する。
【0068】
本発明の温度管理用シートセットにおいては、シートセットを物品に貼り付けて使用できるように、記録シート又は粘着シートの他方の面(非塗布面)に第2粘着剤層を設けることもできる。
第2粘着剤層には、前記粘着シートに使用される粘着剤を使用することができ、ディレード型、ホットメルト型粘着剤等の従来公知の粘着剤を使用してもよい。第2粘着剤層は、例えば、バーコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ピュアブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、ロールコーター、リップコーター、グラビアコーター、ホットメルトコーターなどの塗布装置や、凸版、凹版、グラビア、スクリーン等の印刷機などの公知の塗布方法で、記録シート又は粘着シートの他方の面(非塗布面)に塗布して形成される。
第2粘着剤層の塗布量は、乾燥重量で5〜40g/m2、好ましくは15〜25g/m2の範囲で調節される。第2粘着剤層の塗布量が5g/m2未満では接着力が乏しく、また40g/m2を超えると接着力が飽和し、経済的に好ましくない。
【0069】
また、本発明のシートセットにおいては、第2粘着剤層を保護するための剥離紙を、粘着剤層の上に貼着しても良い。
この場合の剥離紙は、粘着シートの粘着剤層を保護するために使用される剥離紙と同じ剥離紙を使用することが出来る。
また、必要に応じて、記録シート又は粘着シートの他方の面(非塗布面)には、印刷や印字を施すことにより、意匠性が向上し、取扱い説明が表示できるので好ましい。
【0070】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、むろん、本発明は、これらによって限定されるものではない。また、特に断らない限り、各例中の部及び%はそれぞれ質量部及び質量%を示す。
【0071】
実施例1
〔粘着シート用粘着剤組成物の製造〕
攪拌機、温度計、冷却器、及び窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、次の処方で粘着剤用共重合体組成物を合成した。
ブチルアクリレート 94部
酢酸ビニル 5部
アクリル酸−2−ヒドロキシエチル 1部
トルエン 90部
酢酸エチル 10部
以上をフラスコに仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、80℃まで昇温し、さらに80℃に保ちながら、ここに、上記成分合計100部に対し、アゾビスイソブチロニトリル 0.25部を6時間にわたって数回に分けて添加し、最終添加後1時間さらに80℃に保持した後、室温まで冷却し、固形分濃度が45%の粘着剤用共重合体組成物を得た。
【0072】
〔粘着シート用粘着剤塗液の調製〕
前記粘着剤用共重合体組成物100部に対し、粘着付与剤(商品名:タマノル803L、荒川化学工業社製)15部、ポリイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、ポリウレタン社製)1部、カプリン酸n−デシル20部、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド2部(商品名:RED−40、山本化成社製)及びトルエン230部を混合・攪拌して粘着シート用粘着剤塗液を得た。
【0073】
〔粘着シートの作製〕
前記粘着シート用粘着剤塗液を厚さ95μmの剥離紙(ポリエチレンラミネートグラシン紙)にリバースロールコーターで乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥した後、厚さ50μmの透明PETフィルム(商品名:エンブレットS、ユニチカ社製)と貼り合わせて、検知温度として5℃の粘着シートを作製した。
【0074】
〔記録シートの作製〕
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸の亜鉛塩の40%分散液(平均粒子径1.2μm)50部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製)80部、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1571、旭化成社製)20部(固形分)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース1部及び水200質量部からなる組成物を混合攪拌して得た記録層用塗液を、厚さ60μmの合成紙(商品名:ユポSGS−60、ユポ・コーポレーション社製)の片面に、バーコーターで乾燥後の塗布量が5g/m2となるように塗布、乾燥して記録層を形成し、検知温度として5℃設定の記録シートを作製した。
【0075】
実施例2
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート94.9部、酢酸ビニル5部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.1部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を0.3部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0076】
実施例3
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート85部、酢酸ビニル12部、アクリル酸−2−ヒドロキプロピル3部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を3部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0077】
実施例4
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート70部、酢酸ビニル25部、アクリル酸−2−ヒドロキプロピル5部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を5部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0078】
実施例5
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート95部、酢酸ビニル5部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0079】
実施例6
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート67部、酢酸ビニル27部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル6部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を7部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0080】
比較例1
粘着シート用粘着剤組成物の製造において、モノマー組成をブチルアクリレート90部、酢酸ビニル5部、アクリル酸5部とし、また粘着シート用粘着剤塗液の調製において、ポリイソシアネート架橋剤を5部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0081】
〔評価〕
このようにして得られた7種類の粘着シートと記録シートからなる温度管理用シートセットについて、下記の評価を行い、保存性、低温接着性、ウーズ及び総合判定の結果を表1に示した。保存性評価、発色性評価、冷凍保存性評価での色濃度の測定はマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)にてグリーンフィルターを使用して行った。
【0082】
〔保存性〕
粘着シートを40℃、60%RHの環境下に1週間保管後、透明PETフィルム側から粘着剤の色濃度を測定し、下記評価基準にて判定した。
○:0.2以下
△:0.2を超え、0.5未満
×:0.5以上
【0083】
〔低温接着性〕
−10℃の環境下で下記作業を行い、粘着ラベルの記録シートへの低温接着性を評価した。
巾5cm、長さ8cmにカットした記録シート(支持体A/記録層)の記録層塗工面へ、同じく巾2.5cm、長さ5cmにカットした粘着ラベル(支持体B/粘着剤層)の粘着剤層を、記録シートの中央部に2kgのゴムロールを1往復して貼り合わせ、温度管理用シートセットを作った。温度管理用シートセットの構成は、上から支持体B/粘着剤層/記録層/支持体Aとなり、次に外径10cmのパイプに、記録シートの長さ方向をパイプ周りとなるように、また、支持体Aがパイプ表面へ接するように巻き付け、両端部を粘着テープで固定した。1時間後に、粘着シートの記録シートへの接着性を観察し、下記評価基準にて判定した。
○:記録シートから粘着シートが浮くことなく、接着性が良好
△:記録シートから粘着シートが少し浮く(1cm未満)が、剥がれることは
ない
×:記録シートから粘着シートが大きく浮き(1cm以上)、簡単に剥がせる
【0084】
〔ウーズ〕
23℃、50%RHの環境下で、粘着シートを50枚重ねてギロチンでカットし、その切り口を手指で触って、糊のはみ出しを確認し、下記評価基準にて判定した。
○:粘着剤によるベトツキがなく、良好
△:粘着剤によるベトツキが若干あるが、問題ない
×:粘着剤によるベトツキがひどく、指に粘着剤が付着した
【0085】
〔発色性〕
5℃、10%RHの環境下、記録シートの記録層面に粘着剤層を介して粘着シートを貼り合わせ、支持体/記録層/粘着剤層/支持体の構成の温度管理用シートセットとした後、5℃で2時間後の発色部の濃度を、粘着シートの支持体(透明PETフィルム)側からマクベス濃度計にて測定した結果、7種すべてにおいて1.0以上を示し、良好な発色性を示した。
【0086】
〔冷凍保存性〕
−10℃の環境下、記録シートの記録層面に粘着剤層を介して粘着シートを貼り合わせた後、−10℃で3ヶ月後の発色部の濃度を、粘着シートの支持体(透明PETフィルム)側からマクベス濃度計で測定した結果、7種すべてにおいて0.2以下を示し、良好な冷凍保存性を示した。
【0087】
以上の評価を行い、下記判断基準にて総合判定を行った。各評価項目の評価結果を表1にまとめて示す。
〔総合判定〕
○:発色性、冷凍保存性は良好であり、かつ保存性、低温接着性、ウーズは実用上問題なし
×:保存性、低温接着性、ウーズで致命的な欠陥があり、不良
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明の温度管理用シートセットは、使用前の保存性、低温での接着性、及び粘着剤のはみ出しがなく、優れたものである。
Claims (10)
- 支持体の片面に呈色剤を含有する記録層を設けた記録シートの記録層と、他の支持体の片面に粘着剤、前記呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料及び温度制御剤を含有する粘着剤層を設けた粘着シートの粘着剤層とを貼り合わせた構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体である温度管理用シートセットにおいて、前記粘着剤層の粘着剤が、遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤であることを特徴とする温度管理用シートセット。
- 前記遊離カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系モノマー組成物から調製されているアクリル系粘着剤のモノマー組成が、
(a)架橋性モノマー:0.1〜5質量%、
(b)(メタ)アクリル酸のC4〜18アルキルエステルモノマー:70〜99.9質量%、
(c)これらモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜30質量%、
であり、かつ前記アクリル系粘着剤が架橋剤により架橋されている粘着剤である請求項1記載の温度管理用シートセット。 - 前記記録層の呈色剤が、サリチル酸誘導体の亜鉛塩である請求項1又は2に記載の温度管理用シートセット。
- 前記粘着剤層の温度制御剤が、エステル化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度管理用シートセット。
- 前記アクリル系粘着剤の架橋剤の配合量は、全アクリル系粘着剤100質量部に対して0.1〜5質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度管理用シートセット。
- 前記粘着シートが、粘着剤層/支持体/第2粘着剤層の積層構造を有し、使用時の形態が、支持体/記録層/粘着剤層/支持体/第2粘着剤層の積層構造となる請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度管理用シートセット。
- 前記記録シートが、第2粘着剤層/支持体/記録層の積層構造を有し、使用時の形態が、第2粘着剤層/支持体/記録層/粘着剤層/支持体の積層構造となる請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度管理用シートセット。
- 前記記録シートは、さらに記録層上に前記呈色剤と該呈色剤によって発色する無色ないし淡色の染料との接触を遅延させるための隔膜層を有する積層構造を有しており、使用時の形態が下記のいずれかである請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度管理用シートセット。
支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体
支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体/第2粘着剤層
第2粘着剤層/支持体/記録層/隔膜層/粘着剤層/支持体 - 前記隔膜層は、粘着剤成分と顔料とを含有する層である請求項8記載の温度管理用シートセット。
- 前記顔料はタルクである請求項9記載の温度管理用シートセット。
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JP2002238040A JP2004075840A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 温度管理用シートセット |
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2002
- 2002-08-19 JP JP2002238040A patent/JP2004075840A/ja active Pending
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