JP2004075645A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)乳酸、乳酸塩からなる群より選択される1種以上と、(B)抗酸化効果を有する植物の圧搾物又は抽出物と、(C)美白成分を含有することを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関し、更に詳しくは、美白効果の高い化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、美白化粧料としては、様々なものが提案されてきている。
【0003】
例えば、アスコルビン酸やコウジ酸、アルブチン等の美白成分を用いた化粧料等である(特開2002−145759号公報等参照)。
【0004】
しかし、これらの美白化粧料は、美白効果の点で、必ずしも満足し得るものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上記の事情に鑑み、鋭意研究した結果、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、美白効果の高い化粧料を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、(A)乳酸、乳酸塩からなる群より選択される1種以上と、(B)抗酸化効果を有する植物の圧搾物又は抽出物と、(C)美白成分を含有することを特徴とする化粧料によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0008】
本発明で(A)成分として用いられる乳酸、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウムは、化粧品原料として公知の物質である。中でも、皮膚への感触がマイルドで刺激が少ない点で、乳酸カリウムが好ましい。
【0009】
本発明における(A)成分全体の含有量は、化粧料の総量を基準として、0.01〜50.0質量%(以下、%と略記する)が好ましく、特に好ましくは0.1〜20.0%である。0.01%以上で美白効果が特に高く、また50.0%以下が、コスト的にも有利だからである。
【0010】
本発明で(B)成分として用いられる抗酸化効果を有する植物の圧搾物又は抽出物としては、キクカ、キャロット、サルビア、ビワ、レンギョウ、ソウハクヒ、ペパーミント、カキョク、レモンバーム、オリーブ、オトギリソウ、ブドウ葉、アシタバ、アスパラサスリネアリス、アセンヤク、アルニカ、イチョウ、イラクサ、カワラヨモギ、ゼニアオイ、ウーロン茶、エイジツ、ヒキオコシ、オウゴン、ヨモギ、キンギンカ、クララ、ゲンノショウコ、紅茶、コンフリー、サボンソウ、セージ、サンザシ、シナノキ、シャクヤク、ドクダミ、ワレモコウ、シラカバ、スギナ、セイヨウキズタ、セイヨウネズ、ツボクサ、チャ、チョウジ、チンピ、テンチャ、トウキンセンカ、セイヨウニワトコ、ニンドウ、ハマメリス、セイヨウハッカ、ボタン、ホップ、マロニエ、メリッサ、モモ葉、ヤグルマギク、ユキノシタ、ユズ、ノバラ、ローズマリー等を挙げることができ、1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明で用いられる(B)成分全体の含有量は、化粧料の総量を基準として、成分固形分換算で0.0001〜5.0%が好ましく、特に好ましくは0.001〜3.0%である。0.0001%以上で、美白効果が特に高く、また5.0%以下で、十分効果があり、コスト的に有利だからである。
【0012】
本発明で(C)成分として用いられる美白成分としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸グルコシド、システイン、グルタチオン、グルタチオンの塩、N−アシル化グルタチオン、グルタチオンのエステル、ハイドロキノン、ハイドロキノンの塩、ハイドロキノンの配糖体、フェルラ酸、フェルラ酸の塩、イソフェルラ酸、イソフェルラ酸の塩、カフェー酸、カフェー酸の塩、4−n−ブチルレゾルシノール等のレゾルシノール類、エルゴ酸、エルゴ酸の塩、プラセンタエキス、カフェイン、タンニン、べラパミル、トラネキサム酸、甘草抽出物、グラブリジン、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、カミツレ抽出物、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸等が挙げられる。
【0013】
本発明で用いられる(C)成分全体含有量は、化粧料の総量を基準として、成分固形分換算で0.0001〜5.0%が好ましく、特に好ましくは0.001〜2.0%である。0.0001%以上で、特に美白効果が高く、また5.0%以下で、十分効果が得られ、コスト的に有利だからである。
【0014】
本発明で(B)成分あるいは(C)成分として用いられる植物の圧搾物又は抽出物は、植物体の各種部位(全草、地上部、花、果実、果皮、葉、枝、幹、茎、樹皮、根茎、根皮、塊茎、根、種子、菌核、子実体、菌糸体等)をそのまま又は粉砕後、搾取したものか、そのまま又は粉砕後、溶媒で抽出したものである。
【0015】
抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等の有機溶媒の1種類以上を任意に組み合わせて使用することができる。
【0016】
本発明で用いられる植物の圧搾物又は抽出物は、配合する化粧料の剤形・形態に応じて、乾燥、濃縮、又は希釈等を任意に行い調製すれば良い。
【0017】
尚、製造方法は特に制限されるものはないが、通常、常温、常圧下での溶媒の沸点の範囲であれば良く、抽出後は濾過又はイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすれば良い。更に多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要ならば、その効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色等の精製処理を加えても良く、脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラム等を用いれば良く、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えば良い。
【0018】
本発明の化粧料は、上述した成分を必須の構成成分とするが、当該組成物には本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、粘剤、油剤、粉体(色素、樹脂、顔料)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
以下に配合成分の具体例を示すが、これらに限られるものではない。
【0019】
陰イオン性界面活性剤としては、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
【0020】
両性界面活性剤としては、グリシン型、アミノプロピオン酸型、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、スルホン酸型、硫酸型、リン酸型等が挙げられ、好適なものとして2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が例示できる。
【0021】
非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
【0022】
粘剤の例としては、アクリル酸アミド及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、セルロース、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グァーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等が挙げられる。
【0023】
油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わない。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、分岐脂肪酸コレステリル等のコレステロールエステル、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
【0024】
粉体の例としては、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の樹脂、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料の顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。
【0025】
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができる。また、本発明の化粧料は、一般の皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を包含するものであり、その剤形も目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、クリーム、軟膏、乳液、溶液、ゲル等の剤形やパック、ローション(化粧水)、パウダー、スティック等の形態とすることができる。
【0027】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、含有量は全て質量%である。
【0028】
実施例1〜2,比較例1〜16
評価例1 美白実用試験
夏期の太陽光に3時間(1日1.5時間で2日間)曝された被験者10名の、両前腕屈側部9カ所に、表1に示す組成の化粧水(実施例1、比較例1〜8)を、1日2回、適量を塗布し、3ヶ月連用させた。また別の10名の、両前腕屈側部9カ所に、表2に示すクリーム(実施例2、比較例9〜16)を、1日2回、適量を塗布し、3ヶ月連用させた。連用後、各塗布部位を著効(3)、有効(2)、やや有効(1)、効果なし(0)の4段階スコアで評価した。その10名の評価スコアの平均によって美白効果を判定した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
表1及び表2より、(A)〜(C)の成分を全て含有する本発明の化粧料(実施例1〜2)は、相乗的な美白効果を有することがわかる。これに対して、(A)のみの比較例1及び比較例9、(C)のみの比較例2及び比較例10,(B)のみの比較例3及び比較例11は、特に効果が低く、(A)〜(C)のいずれか1つを欠く比較例4〜6及び比較例12〜14も、効果が低かった。更に、(C)を欠く分(A)を増量した比較例7及び比較例15、(A)を欠く分(C)を増量した比較例8及び比較例16も、実施例に比べると、効果は低かった。これらの比較例から、(A)、(B)、(C)は、それぞれが必須の成分であることが明らかとなった。
【0032】
実施例3〜6
下記に示す組成の化粧水を常法により調製した。上記評価例1により評価したところ、美白効果に優れたものであった。
【0033】
【表3】
【0034】
実施例7〜11
下記に示す組成のクリームを常法により調製した。上記評価例1により評価したところ、美白効果に優れたものであった。
【0035】
【表4】
【0036】
尚、上記実施例中で用いられた香料は、下記香料処方のものである。
【表5】
【0037】
また、いずれの実施例の化粧料を使用した場合にも、皮膚に発赤、炎症、その他副作用と考えられる症状は発現せず、本発明に係る化粧料は安全性にも優れることが明らかであった。また、中でも、乳酸がカリウム塩として含有されているものは、特に肌に対する低刺激性に優れるものであった。
【0038】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明の化粧料は、美白効果を発揮することができるものである。特に、乳酸カリウムを用いた場合には、肌に対する刺激も特に少ないという利点を有する。
Claims (4)
- (A)乳酸、乳酸塩からなる群より選択される1種以上と、(B)抗酸化効果を有する植物の圧搾物又は抽出物と、(C)美白成分を含有することを特徴とする化粧料。
- (A)の乳酸塩が、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、乳酸カルシウムからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- (B)の植物が、キクカ、キャロット、サルビア、ビワ、レンギョウ、ソウハクヒ、ペパーミント、カキョク、レモンバーム、オリーブ、オトギリソウ、ブドウ葉、アシタバ、アスパラサスリネアリス、アセンヤク、アルニカ、イチョウ、イラクサ、カワラヨモギ、ゼニアオイ、ウーロン茶、エイジツ、ヒキオコシ、オウゴン、ヨモギ、キンギンカ、クララ、ゲンノショウコ、紅茶、コンフリー、サボンソウ、セージ、サンザシ、シナノキ、シャクヤク、ドクダミ、ワレモコウ、シラカバ、スギナ、セイヨウキズタ、セイヨウネズ、ツボクサ、チャ、チョウジ、チンピ、テンチャ、トウキンセンカ、セイヨウニワトコ、ニンドウ、ハマメリス、セイヨウハッカ、ボタン、ホップ、マロニエ、メリッサ、モモ葉、ヤグルマギク、ユキノシタ、ユズ、ノバラ、ローズマリーからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
- (C)の美白成分が、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸グルコシド、システイン、グルタチオン、グルタチオンの塩、N−アシル化グルタチオン、グルタチオンのエステル、ハイドロキノン、ハイドロキノンの塩、ハイドロキノンの配糖体、フェルラ酸、フェルラ酸の塩、イソフェルラ酸、イソフェルラ酸の塩、カフェー酸、カフェー酸の塩、レゾルシノール類、エルゴ酸、エルゴ酸の塩、プラセンタエキス、カフェイン、タンニン、べラパミル、トラネキサム酸、甘草抽出物、グラブリジン、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、カミツレ抽出物、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料。
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