JP2016113439A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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倫典 茂木
Tomonori Mogi
倫典 茂木
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美和 吉田
良平 下田
Ryohei Shimoda
良平 下田
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Abstract

【課題】皮膚ターンオーバー以上を原因とした角栓形成、毛穴の色素沈着、過剰な皮脂によるギラツキによる毛穴目立ちを防止・改善する効果を有し、使用性に優れる皮膚外用剤を提供する。【解決手段】皮膚ターンオーバー正常化剤とNF−κB転写抑制剤とテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、皮膚ターンオーバー正常化剤とNF−κB抑制剤とテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤とを配合することにより、毛穴目立ちを防止・改善する効果を有し、なおかつ使用性にも優れる皮膚外用剤に関する。
技術背景
近年、特に若い女性を中心として、毛穴の目立ちに関する悩みが増えており、この目立ちを改善する皮膚外用剤が求められてきた。毛穴が目立つ原因は、皮膚ターンオーバー異常を原因とした角栓形成、毛穴の色素沈着、過剰な皮脂によるギラツキ等である。
これらのうち、角栓については種々の角栓除去剤が開発され、広く用いられている。しかしながら、角栓を除去しても、皮膚ターンオーバー異常を改善しなければ依然として角栓を形成してしまうため、毛穴目立ちは存在し、悩みの解決にはならない。また、毛穴は皮膚表面より凹んでいるため、毛口漏斗部に色素沈着を起こすとより顕著に黒く目立ってしまう。一方、思春期以降、皮脂分泌が過剰になると、顔の特にTゾーンと呼ばれる額、鼻部の毛穴が過剰な皮脂によるギラツキでより顕著に毛穴を目立たせる原因になったり、さらにはアクネ菌によるニキビ形成で毛穴に炎症を起こすこともある。過剰な皮脂分泌は、テストステロン5α−リダクターゼの働きが亢進することでも発現する。したがって、根本的に毛穴目立ちを改善する皮膚外用剤が望まれていた。
従来、毛穴を目立たせない方法として、不全角化を抑制する作用のある成分が優れた作用を有することが知られている(特許文献1)。
また、ケラチノサイト収縮と真皮引き締め剤を組み合わせると、毛穴目立ちに効果があること(特許文献2)や、硫酸多糖を有効成分とした毛穴収縮剤(特許文献3)等が知られている。
しかし、これらは毛穴目立ちを防止・改善する効果の点で必ずしも満足し得るものではなかった。
特開2009−215267号公報 特開2005−298403号公報 特開2000−169322号公報
本発明は上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、本発明に到達したものであって、毛穴目立ちを防止・改善するすぐれた効果を有し、なおかつ使用性にも優れる皮膚外用剤を提供することにある。
上記の目的は、(A)皮膚ターンオーバー正常化剤と(B)NF−κB転写抑制剤と(C)テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤によって達成される。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明における(A)成分全体の含有量は、皮膚外用剤の総量を基準として、0.001〜1.0質量%(以下、%と略記する)が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.2%である。0.001%以上で皮膚ターンオーバー正常化効果が特に高く、また1.0%以下で、十分効果が得られ、コスト的にも有利だからである。
本発明における(B)成分全体の含有量は、皮膚外用剤の総量を基準として、成分固形分換算で0.0001〜5.0%が好ましく、特に好ましくは0.001%〜3.0%である。0.00015%以上で、特にNF−κB転写抑制効果が高く、また5.0%以下で、十分効果が得られ、コスト的にも有利だからである。
本発明における(C)成分全体の含有量は、皮膚外用剤の総量を基準として、成分固形分換算で0.0001〜5.0%が好ましく、特に好ましくは0.001%〜3.0%である。0.00015%以上で、特にテストステロン5α−リダクターゼ阻害効果が高く、また5.0%以下で、十分効果が得られ、コスト的にも有利だからである。
(A)、(B)、(C)それぞれの成分のうち、(A)dl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、(B)アーティチョーク葉抽出物、(C)ホウセンカ抽出物を配合することが最も効果が高く、安定性と安全性に優れていた。
本発明で(B)成分あるいは(C)成分として用いられる植物の抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等の有機溶媒の1種類以上を任意に組み合わせて使用することができる。
本発明で用いられる植物の圧搾物又は抽出物は、配合する皮膚外用剤の剤形・形態に応じて、乾燥、濃縮、又は希釈等を任意に行い調整すればよい。
尚、製造方法は特に制限されるものはないが、通常、常温、常圧下での溶媒の沸点の範囲であればよく、抽出後はろ過又はイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすればよい。さらに多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要ならば、その効果に影響のない範囲でさらに脱臭、脱色等の生成処理を加えても良く、脱臭・脱色等の生成処理手段としては、活性炭カラム等を用いればよく、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えば良い。
本発明の皮膚外用剤は、上述した成分を必須の構成成分とするが、当該組成物には本発明の目的を損なわない範囲での他の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、年剤、油剤、粉体(色素、樹脂、顔料)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、パール化剤、中和剤、pH調整剤等の成分を適宜配合することができる。
以下に配合成分の具体例を示すが、これらに限られるものではない。
陰イオン性界面活性剤としては、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、グリシン型、アミノプロピオン酸型、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、スルホン酸型、硫酸型、リン酸型等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
粘剤としては、アクリル酸アミド及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、セルロース、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グァーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等が挙げられる。
油剤としては、通常皮膚外用剤に用いられる揮発性および不揮発性の油剤、溶剤及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であってもかまわない。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、分岐脂肪酸コレステリル等のコレステロールエステル、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナウバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、シア脂、ツバキ油、コメ胚芽油、ヒマシ油、ボラージ油、オリーブ油等の油脂、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
粉体としては、赤色201号、赤色202号、黄色4号Alレーキ、黄色5号Alレーキ、青色1号Alレーキ等の法廷色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の樹脂、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)に特に制限はない。
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、老化防止剤、美白剤、紫外線防御剤、引き締め剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、常法に従って製造することができる。また、本発明の皮膚外用剤の剤形も目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、クリーム、軟膏、乳液、溶液、ゲル等の剤形やパック、ローション(化粧水)、パウダー、スティック等の形態とすることができる。
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、含有量は全て質量%である。
実施例1比較例1〜6:乳液
表1に示す組成の乳液を常法により製造した。
得られた乳液を、被験者10名の顔に朝晩2回、3ヶ月塗布し、評価前後で写真撮影を行った。得られた写真を専門評価者3名により毛穴目立ち防止・改善効果を目視評価した。本発明の乳液は安定性が良好で、使用感や毛穴目立ち防止・改善効果に優れるものであった。
Figure 2016113439
Figure 2016113439
実施例2 化粧水
成分 配合量(質量%)
(1)濃グリセリン 7.0
(2)1,3−ブチレングリコール 5.0
(3)イノシトール 0.1
(4)エデト酸二ナトリウム 0.1
(5)クエン酸 0.04
(6)クエン酸ナトリウム 0.3
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.2
(8)エタノール 4.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(10)ヒアルロン酸ナトリウム1%水溶液 1.0
(11)(A)dl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸 0.05
リン酸ジエステルカリウム塩
(12)(B)アーティチョーク葉抽出物 0.1
(13)(C)ホウセンカ抽出物 0.05
(14)精製水 残余
上記に示す組成の化粧水を常法により製造した。得られた化粧水は安定性が良好で、使用感や毛穴目立ち防止・改善効果に優れるものであった。
実施例3:美容液
成分 配合量(質量%)
(1)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.24
(2)キサンタンガム 0.4
(3)1,3−ブチレングリコール 4.0
(4)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 1.0
(5)濃グリセリン 10.0
(6)イノシトール 0.1
(7)エデト酸二ナトリウム 0.05
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.3
(9)L−アルギニン 0.35
(10)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリル 1.0
コリン・メタクリル酸ブチル共重合体液
(11)(A)dl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸 0.2
リン酸ジエステルカリウム塩
(12)(B)アーティチョーク葉抽出物 5.0
(13)(C)ホウセンカ抽出物 0.2
(14)精製水 残余
上記に示す組成の美容液を常法により製造した。得られた美容液は安定性が良好で、使用感や毛穴目立ち防止・改善効果に優れるものであった。
また、いずれの実施例の皮膚外用剤を使用した場合にも、皮膚に発赤、炎症、その他副作用と考えられる症状は発言せず、本発明に係る皮膚外用剤は安全性にも優れることが明らかであった。
発明の効果
以上記載のごとく、本発明の皮膚外用剤は、毛穴目立ちを防止・改善する効果を発揮できるものである。

Claims (4)

  1. (A)皮膚ターンオーバー正常化剤と(B)NF−κB転写抑制剤と(C)テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  2. (A)皮膚ターンオーバー正常化剤がdl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. (B)NF−κB転写抑制剤がアーティチョーク葉抽出物である、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. (C)テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤がホウセンカ抽出物である、請求項1乃至3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017066116A (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 御木本製薬株式会社 水性皮膚外用剤
JP2019043904A (ja) * 2017-09-05 2019-03-22 日本精化株式会社 1,4−アンヒドロエリスリトールを含有する化粧料又は皮膚外用剤
WO2020196852A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 千寿製薬株式会社 水性製剤

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