JP2004339139A - 皮膚化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カルニチン類と、(B)ヒアルロン酸産生促進物質(例えば、N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、レチノイン酸、マジョラムエキス、セイヨウハッカエキス、ミドリハッカエキス、アップルミントエキス、キランソウエキス等)を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚化粧料に関し、更に詳しくは、皮膚に張りを与えることができる皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
加齢と紫外線障害の蓄積によって、みずみずしく、きめ細かく、弾力のある肌は、しだいに衰え、肌の張りが低下してくる。これらの皮膚老化の具体的な現象としては、ヒアルロン酸をはじめとするムコ多糖類の減少等が知られている。このような老化した皮膚の改善のために、ヒアルロン酸自体を用いることが知られているが、ヒアルロン酸自体を配合した化粧料は、皮膚表面における保湿効果を発揮するだけであり、本質的に老化肌を改善し得るものではない。
【0003】
このため、ヒアルロン酸産生促進物質を配合した化粧料が提案されているが(特許文献1参照)、これによっても、皮膚の張り低下を十分に改善するには至っていないのが現状である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−163794号公報
【0005】
一方、カルニチン類は、肌に対する美化作用、表皮透過バリア強度を強化する効果、表皮セラミド生成促進効果、老化して薄くなった表皮の厚さを若い状態に近づける老化皮膚改善効果等が報告されている(特許文献2〜5参照)。しかしながらカルニチン類を単独で配合するだけでは、肌の張りを十分に改善することができなかった。
【0006】
【特許文献2】
特開昭51−148042号公報
【特許文献3】
特開平11−302143号公報
【特許文献4】
特開2001−220345号公報
【特許文献5】
特開2001−240538号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は上記の事情に鑑み、鋭意研究した結果、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、皮膚の張りを改善することができる皮膚化粧料を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、(A)カルニチン類と、(B)ヒアルロン酸産生促進物質を含有することを特徴とする皮膚化粧料によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0010】
本発明で(A)成分として用いられるカルニチンは、4−トリメチルアミノ−3−ヒドロキシ酪酸のことであり、立体異性体としてD体とL体が存在し、混合物としてDL体が知られているが、特にL体及びDL体を用いることが好ましい。
【0011】
カルニチンの塩としては、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩等が挙げられ、特に塩化カルニチン(カルニチンの塩酸塩)が好ましいものとして挙げることができる。またカルニチンの誘導体としては、特開平11−180851号公報記載のアセチルカルニチン及びその塩を挙げることができる。アセチルカルニチンとは、下記一般式(1)で示されるものであり、具体的にはアセチル−L−カルニチン酸等が挙げられる。
【0012】
(CH3)3 N+CH2CH(OCOCH3)CH2COO− ・・・(1)
【0013】
アセチルカルニチンの塩とは、下記一般式(2)で示されるものであり、
【0014】
(CH3)3 N+CH2CH(OCOCH3)CH2COOH・X− ・・・(2)
[但し、X−は各種のアニオンを示す。]
【0015】
そのアニオン(X−)としては、クロリド、スルフォネート、ニトレート、アセテート、シトレート、ニコチネート、サリチレート等が挙げられ、具体的にはアセチル−L−カルニチン塩酸塩、アセチル−L−カルニチン硫酸塩、アセチル−L−カルニチン硝酸塩、アセチル−L−カルニチンアセテート、アセチル−L−カルニチンシトレート、アセチル−L−カルニチンニコチネート、アセチル−L−カルニチンサリチレート等が挙げられる。
【0016】
本発明で用いられる(A)成分全体の含有量は、皮膚化粧料の総量を基準として、0.01〜5.0質量%(以下、%と略記する)が好ましく、特に好ましくは0.1〜2.0%である。0.01%以上で皮膚の張り改善効果が特に高く、また5.0%以下が、コスト的にも有利だからである。
【0017】
本発明で(B)成分として用いられるヒアルロン酸産生促進物質としては、N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、レチノイン酸、マジョラムエキス、セイヨウハッカエキス、ミドリハッカエキス、アップルミントエキス、キランソウエキス、ビューグルエキス、メハジキエキス、キセワタエキス、シソエキス、アオジソエキス、チリメンジソエキス、エゴマエキス、レモンエゴマエキス、メボウキエキス、ヒキオコシエキス、マグワエキス、モウコグワエキス、ロウソエキス、パンノキエキス、コウゾエキス、カジノキエキス、イチジクエキス、オオイタビエキス、アナアオサエキス、オオアオサエキス、シジアオノリエキス、オゴノリエキス、マクサエキス、キリンサイエキス、アラメエキス、ワカメエキス、ヒジキエキス、ノッテドラックエキス、ダービリアエキス等を挙げることができ、1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明で用いられる(B)成分全体の含有量は、皮膚化粧料の総量を基準として、成分固形分換算で0.0001〜5.0%が好ましく、特に好ましくは0.001〜2.0%である。0.0001%以上で、皮膚の張り改善効果が特に高く、また5.0%以下で、十分効果があり、コスト的に有利だからである。
【0019】
本発明で(B)成分として用いられる植物および藻類の圧搾物又は抽出物は、例えば、植物体の場合、各種部位[全草、地上部、花、果実、果皮、葉、枝、幹、茎、樹皮、根茎、根皮、塊茎、根、種子、全藻、めかぶ(胞子葉又は成実葉)等]をそのまま又は粉砕後、搾取したものか、そのまま又は粉砕後、溶媒で抽出したものである。
【0020】
抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等の有機溶媒の1種類以上を任意に組み合わせて使用することができる。
【0021】
本発明で用いられる植物の圧搾物又は抽出物は、配合する皮膚化粧料の剤形・形態に応じて、乾燥、濃縮、又は希釈等を任意に行い調製すれば良い。
【0022】
尚、製造方法は特に制限されるものはないが、通常、常温、常圧下での溶媒の沸点の範囲であれば良く、抽出後は濾過又はイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすれば良い。更に多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要ならば、その効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色等の精製処理を加えても良く、脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラム等を用いれば良く、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えば良い。
【0023】
本発明の皮膚化粧料は、上述した成分を必須の構成成分とするが、当該組成物には本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、粘剤、油剤、粉体(色素、樹脂、顔料)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
以下に配合成分の具体例を示すが、これらに限られるものではない。
【0024】
陰イオン性界面活性剤としては、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤としては、グリシン型、アミノプロピオン酸型、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、スルホン酸型、硫酸型、リン酸型等が挙げられ、好適なものとして2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が例示できる。
【0026】
非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
【0027】
粘剤の例としては、アクリル酸アミド及びその誘導体、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、セルロース、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グァーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等が挙げられる。
【0028】
油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わない。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、分岐脂肪酸コレステリル等のコレステロールエステル、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
【0029】
粉体の例としては、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の樹脂、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料の顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。
【0030】
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
【0031】
本発明の皮膚化粧料は、常法に従って製造することができる。また、本発明の皮膚化粧料は、一般の皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を包含するものであり、その剤形も目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、クリーム、軟膏、乳液、溶液、ゲル等の剤形やパック、ローション(化粧水)、パウダー、スティック等の形態とすることができる。
【0032】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、含有量は全て質量%である。
【0033】
実施例1〜2,比較例1〜6
評価方法 被験者による評価
40−60代の女性被験者を1群20名の8群に分け、表1に示す組成のクリーム(実施例1、比較例1〜3)及び表2に示す化粧水(実施例2、比較例4〜6)の各々を、それぞれ別の1群に与え、1日2回、適量を顔面に塗布し、3ヶ月連用させた。連用後、肌の張り感を評価した。
評価は著効(肌の張り感が、かなり改善された)、有効(肌の張り感が良好に改善された)、やや有効(肌の張り感が改善された)、効果なし(変化無し)の4段階で評価した。著効、有効と答えた合計人数の割合(%)によって効果を判定した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表1及び表2より、本発明の皮膚化粧料である実施例1〜2は、相乗的な皮膚の張り感改善効果を有することがわかる。
【0037】
尚、上記実施例中で用いられた香料は、下記香料処方のものである。
【表3】
【0038】
尚、いずれの実施例の皮膚化粧料を使用した場合にも、皮膚に発赤、炎症、その他副作用と考えられる症状は発現せず、本発明に係る皮膚化粧料は安全性にも優れることが明らかであった。
【0039】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明の皮膚化粧料は、皮膚の張りを改善することができるものである。
Claims (3)
- (A)カルニチン類と、(B)ヒアルロン酸産生促進物質を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
- (A)のカルニチン類が、DL−カルニチン及びL−カルニチン、並びにこれらの塩及び誘導体からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚化粧料。
- (B)のヒアルロン酸産生促進物質が、N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、レチノール、レチノールパルミチン酸エステル、レチノイン酸、マジョラムエキス、セイヨウハッカエキス、ミドリハッカエキス、アップルミントエキス、キランソウエキス、ビューグルエキス、メハジキエキス、キセワタエキス、シソエキス、アオジソエキス、チリメンジソエキス、エゴマエキス、レモンエゴマエキス、メボウキエキス、ヒキオコシエキス、マグワエキス、モウコグワエキス、ロウソエキス、パンノキエキス、コウゾエキス、カジノキエキス、イチジクエキス、オオイタビエキス、アナアオサエキス、オオアオサエキス、シジアオノリエキス、オゴノリエキス、マクサエキス、キリンサイエキス、アラメエキス、ワカメエキス、ヒジキエキス、ノッテドラックエキス、ダービリアエキスからなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
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2003
- 2003-05-15 JP JP2003136881A patent/JP2004339139A/ja active Pending
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