JP2004072515A - 直接変換回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合器で発生する直流オフセット成分によるベースバンド信号の歪みを解消する。
【解決手段】高周波信号と高周波信号の周波数と同一周波数の局部発振信号とが入力される第一乃至第四の混合器1〜4と、二つの信号の差の成分を出力する第一及び第二のマルチプレクサ8、9とを備え、第一及び第二の混合器1、2に入力される高周波信号の位相と第三及び第四の混合器3、4に入力される高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、第一及び第三の混合器1、3に入力される局部発振信号の位相と第二及び第四の混合器2、4に入力される局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、第一の混合器1と第三の混合器3とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を第一のマルチプレクサ回路8に入力し、第二の混合器2と第四の混合器4とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を第二のマルチプレクサ回路9に入力した。
【選択図】 図1
【解決手段】高周波信号と高周波信号の周波数と同一周波数の局部発振信号とが入力される第一乃至第四の混合器1〜4と、二つの信号の差の成分を出力する第一及び第二のマルチプレクサ8、9とを備え、第一及び第二の混合器1、2に入力される高周波信号の位相と第三及び第四の混合器3、4に入力される高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、第一及び第三の混合器1、3に入力される局部発振信号の位相と第二及び第四の混合器2、4に入力される局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、第一の混合器1と第三の混合器3とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を第一のマルチプレクサ回路8に入力し、第二の混合器2と第四の混合器4とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を第二のマルチプレクサ回路9に入力した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はベースバンド信号によって変調された高周波信号から混合器によってベースバンド信号を直接出力する直接変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の直接変換回路を図4に示す。ベースバンド信号によって変調された高周波信号(RF信号と略す)は受信機等によって受信され、第一の混合器31と第二の混合器32とに入力される。第一及び第二の混合器31、32には発振器33からRF信号(詳しくは搬送波)と同じ周波数の局部発振信号が供給されるが、その位相は互いにπ/2(90°)異なる。例えば、第一の混合器31には基準となる同相の局部発振信号(LOi)、第二の混合器32には移相器34によってπ/2遅れた直交の局部発振信号(LOq)が入力される。
【0003】
各混合器31、32においてはRF信号と局部発振信号とが混合される。RF信号と局部発振信号との周波数が同一なので各混合器31、32からは図5に示すように、周波数が0の位置で折り畳まれた状態の帯域Δ/2(Δはベースバンド信号の元の帯域)のベースバンド信号が出力されるが、第一の混合器31からは同相成分のベースバンド信号(I)が出力され、第二の混合器32からは直交成分のベースバンド信号(Q)が出力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
混合器においてRF信号と局部発振信号とが混合される際、特に局部発振信号のレベルが大きいので混合用半導体が励振される際に振幅の上下方向が非対称となっていわゆる直流オフセット成分が発生する。そのため、出力されるベースバンド信号のうち、周波数が0の位置付近のベースバンド信号が歪みを受けるという問題が発生する。
【0005】
本発明は、混合器で発生する直流オフセット成分によるベースバンド信号の歪みを解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、ベースバンド信号によって変調された高周波信号と前記高周波信号と同一周波数の局部発振信号とが入力される第一乃至第四の混合器と、二つの信号の和の成分を出力する第一及び第二のマルチプレクサとを備え、前記第一及び第二の混合器に入力される前記高周波信号の位相と前記第三及び第四の混合器に入力される前記高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、前記第一及び第三の混合器に入力される前記局部発振信号の位相と前記第二及び第四の混合器に入力される前記局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、前記第一の混合器と前記第三の混合器とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を前記第一のマルチプレクサ回路に入力し、前記第二の混合器と前記第四の混合器とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を前記第二のマルチプレクサ回路に入力し、前記第一のマルチプレクサ回路に入力される一方の前記同相成分のベースバンド信号と前記第二のマルチプレクサ回路に入力される一方の前記直交成分のベースバンド信号との位相を反転した。
【0007】
また、前記第一及び第二のマルチプレクサ回路はそれぞれエミッタ同士が互いに接続され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗に接続された一対のトランジスタを有し、一方の前記トランジスタのベースと他方の前記トランジスタのベースとにそれぞれ前記二つの同相成分のベースバンド信号又は前記二つの直交成分のベースバンド信号を入力した。
【0008】
また、前記第一乃至第四の混合器と前記第一及び第二のマルチプレクサ回路とをそれぞれ平衡回路で構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の直接変換回路を図1によって説明する。ベースバンド信号によって変調された高周波信号(RF信号と略す)は受信機等によって受信され、同一構成の第一乃至第四の混合器1〜4に入力される。この際、第一の混合器1及び第二の混合器2には同じ移相のRF信号が入力されるが、第三の混合器3及び第四の混合器には、例えば移相器5によってπだけ位相がずれた(位相反転された)RF信号が入力される。
【0010】
第一乃至第四の混合1〜4には発振器6から局部発振信号が供給される。局部発振信号の周波数はRF信号のそれ(詳しくは搬送波)と同じである。第一の混合器1及び第三の混合器3には基準となる同相の局部発振信号(LOi)が供給され、第二の混合器2及び第四の混合器4には、移相器7によって位相がπ(90°)ずれた直交の局部発振信号(LOq)が供給される。
【0011】
以上の構成において、第一の混合器1においてはRF信号と同相の局部発振信号(LOi)とが混合されてベースバンド信号Iが出力される。同時に、直流オフセット成分αも出力される。この直流オフセット成分αは混合器内の混合用半導体素子が特に大振幅の局部発振信号によって励振されることによって発生する。 また、第二の混合器2においては、RF信号と直交の局部発振信号(LOq)とが混合されてベースバンド信号Qが出力される。第二の混合器2が第一の混合器1と同一構成とすれば同じレベルの直流オフセット成分αも同時に出力される。
【0012】
また、第三の混合器3においては、位相反転されたRF信号と同相の局部発振信号(LOi)とが混合されてベースバンド信号−I(マイナス符号(−)は位相が反転していることを示す)が出力される。同時に直流オフセット成分αも出力される。
さらに、第四のの混合器4においては、位相反転されたRF信号と直交の局部発振信号(LOq)とが混合されてベースバンド信号−Qが出力される。同時に直流オフセット成分αも出力される。
【0013】
第一の混合器1から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(I+α)と、第三の混合器3から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(−I+α)とは第一のマルチプレクサ回路8に入力される。また、第二の混合器2から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(Q+α)と、第四の混合器4から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(−Q+α)とは第二のマルチプレクサ回路9に入力される。
【0014】
第一のマルチプレクサ回路8と第二のマルチプレクサ回路9とは同一構成を有し、入力された二つの信号の和の成分を出力する。よって、第一のマルチプレクサ回路8および第二のマルチプレクサ回路9のそれぞれの一方の入力端の前段に位相反転回路8a(9a)を設けておけば、第一のマルチプレクサ8からは次式によって2Iが出力され、
(I+α)−(−I+α)=2I
第二のマルチプレクサ回路9からは次式によって2Qが出力される。
(Q+α)−(−Q+α)=2Q
すなわち、直流オフセット成分αを含むベースバンド信号をマルチプレクサ8、9を通すことによって直流オフセット成分αを除去することができる。
【0015】
図2はマルチプレクサ8(9)の構成の一例を示す。一対のトランジスタ11、12はエミッタ同士が互いに接続されてバイアス抵抗13によって接地され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗14を介して電源Bに接続される。そして、一方のトランジスタ11のベースには第一の混合器1から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(I+α)(又は第二の混合器2から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(Q+α))が入力され、他方のトランジスタ12のベースには第三の混合器3から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(−I+α)(又は第四の混合器4から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(−Q+α))が位相反転回路8a(9a)を介して入力される。二つのトランジスタ11、12は位相反転回路8a(9a)によって差動的に動作するので、直流オフセット成分αはキャンセルされ、コレクタからは純粋なベースバンド信号I(又はQ)のみが出力される。
【0016】
以上までの説明では第一乃至第四の混合器1〜4と第一及び第二のマルチプレクサ回路8、9とについては特に平衡回路、不平衡回路の区別をしなかったが、平衡回路で構成した場合は移相器5が不要となると共に、歪みの点でも有利となる。また、位相反転回路8a(9a)も不要となる。その場合に使用される第一及び第二のマルチプレクサ8(9)は図3に示されるように、図2示す第一の一対のトランジスタ11、12の他に第二の一対のトランジスタ21、22が使用される。それらのエミッタはバイアス抵抗23によって接地され、コレクタは共通の負荷抵抗24によって電源Bに接続される。第一の一対のトランジスタ11及び12のエミッタと第二の一対のトランジスタ21及び22のエミッタとの間は抵抗30によって接続される。よって、第一の一対のトランジスタ11及び12と第二の一対のトランジスタ21及び22との間でも差動的に動作する。よって、直流オフセット成分以外にもベースバンド信号中に同相の歪み成分が含まれる場合にはこれもキャンセルされるので、歪み対しては一層有利となる。
【0017】
そして、第一の1対のトランジスタ11、12の一方11のベース端11bと第二の一対のトランジスタ21、22の一方22のベース端22bとの間に第一の混合器1から出力された直流オフ接地成分を含むベースバンド信号(I+α)(又は第二の混合器2から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(Q+α))が平衡入力される。また、第一の一対のトランジスタ11、12の一他方12のベース端12bと第二の一対のトランジスタ21、22の他方21のベース端21bとの間に第三の混合器3から出力された直流オフ接地成分を含むベースバンド信号(−I+α)(又は第四の混合器4から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(−Q+α))が平衡入力される。
この結果、第一の一対のトランジスタ11及び12のコレクタ端10cと第二の一対のトランジスタ21及び22のコレクタ端20cとの間には直流オフセット成分が除去されたベースバンド信号I(又はQ)が平衡出力される。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、第一及び第二の混合器に入力される高周波信号の位相と第三及び第四の混合器に入力される高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、第一及び第三の混合器に入力される局部発振信号の位相と第二及び第四の混合器に入力される局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、第一の混合器と第三の混合器とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を第一のマルチプレクサ回路に入力し、第二の混合器と第四の混合器とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を第二のマルチプレクサ回路に入力したので、第一のマルチプレクサ回路からは第一及び第三の混合器で発生した直流オフセット成分が除去された同相ベースバンド信号のみを出力でき、第二のマルチプレクサ回路からは第二及び第四の混合器で発生した直流オフセット成分が除去された直交ベースバンド信号のみを出力できる。
【0019】
また、第一及び第二のマルチプレクサ回路はそれぞれエミッタ同士が互いに接続され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗に接続された一対のトランジスタと他方のトランジスタの前段に設けられた位相反転回路とを有し、一方のトランジスタのベースと位相反転回路とにそれぞれ二つの同相成分のベースバンド信号又は二つの直交成分のベースバンド信号を入力したので、コレクタには直流オフセット成分が除去されたベースバンド信号のみを簡単に出力できる。
【0020】
また、第一乃至第四の混合器と第一及び第二のマルチプレクサ回路とをそれぞれ平衡回路で構成したので、マルチプレクサ回路には位相反転回路を必要としないでベースバンド信号を位相反転して入力できる。また、直流オフセット成分以外の歪み成分も除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接変換回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の直接変換回路に使用するマルチプレクサ回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の直接変換回路に使用するマルチプレクサ回路を平衡回路で構成した場合の回路図である。
【図4】従来の直接変換回路の構成を示す回路図である。
【図5】直接変換回路から出力されるベースバンド信号の周波数スペクトラムである。
【符号の説明】
1 第一の混合器
2 第二の混合器
3 第三の混合器
4 第四の混合器
5 移相器
6 発振器
7 移相器
8 第一のマルチプレクサ回路
9 第二のマルチプレクサ回路
8a。9a 位相反転回路
11、12、21、22 トランジスタ
10c、20c 平衡出力端
11b、22b 平衡入力端
12b、21b 平衡入力端
13、23 バイアス抵抗
14、24 負荷抵抗
30 抵抗
【発明の属する技術分野】
この発明はベースバンド信号によって変調された高周波信号から混合器によってベースバンド信号を直接出力する直接変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の直接変換回路を図4に示す。ベースバンド信号によって変調された高周波信号(RF信号と略す)は受信機等によって受信され、第一の混合器31と第二の混合器32とに入力される。第一及び第二の混合器31、32には発振器33からRF信号(詳しくは搬送波)と同じ周波数の局部発振信号が供給されるが、その位相は互いにπ/2(90°)異なる。例えば、第一の混合器31には基準となる同相の局部発振信号(LOi)、第二の混合器32には移相器34によってπ/2遅れた直交の局部発振信号(LOq)が入力される。
【0003】
各混合器31、32においてはRF信号と局部発振信号とが混合される。RF信号と局部発振信号との周波数が同一なので各混合器31、32からは図5に示すように、周波数が0の位置で折り畳まれた状態の帯域Δ/2(Δはベースバンド信号の元の帯域)のベースバンド信号が出力されるが、第一の混合器31からは同相成分のベースバンド信号(I)が出力され、第二の混合器32からは直交成分のベースバンド信号(Q)が出力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
混合器においてRF信号と局部発振信号とが混合される際、特に局部発振信号のレベルが大きいので混合用半導体が励振される際に振幅の上下方向が非対称となっていわゆる直流オフセット成分が発生する。そのため、出力されるベースバンド信号のうち、周波数が0の位置付近のベースバンド信号が歪みを受けるという問題が発生する。
【0005】
本発明は、混合器で発生する直流オフセット成分によるベースバンド信号の歪みを解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、ベースバンド信号によって変調された高周波信号と前記高周波信号と同一周波数の局部発振信号とが入力される第一乃至第四の混合器と、二つの信号の和の成分を出力する第一及び第二のマルチプレクサとを備え、前記第一及び第二の混合器に入力される前記高周波信号の位相と前記第三及び第四の混合器に入力される前記高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、前記第一及び第三の混合器に入力される前記局部発振信号の位相と前記第二及び第四の混合器に入力される前記局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、前記第一の混合器と前記第三の混合器とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を前記第一のマルチプレクサ回路に入力し、前記第二の混合器と前記第四の混合器とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を前記第二のマルチプレクサ回路に入力し、前記第一のマルチプレクサ回路に入力される一方の前記同相成分のベースバンド信号と前記第二のマルチプレクサ回路に入力される一方の前記直交成分のベースバンド信号との位相を反転した。
【0007】
また、前記第一及び第二のマルチプレクサ回路はそれぞれエミッタ同士が互いに接続され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗に接続された一対のトランジスタを有し、一方の前記トランジスタのベースと他方の前記トランジスタのベースとにそれぞれ前記二つの同相成分のベースバンド信号又は前記二つの直交成分のベースバンド信号を入力した。
【0008】
また、前記第一乃至第四の混合器と前記第一及び第二のマルチプレクサ回路とをそれぞれ平衡回路で構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の直接変換回路を図1によって説明する。ベースバンド信号によって変調された高周波信号(RF信号と略す)は受信機等によって受信され、同一構成の第一乃至第四の混合器1〜4に入力される。この際、第一の混合器1及び第二の混合器2には同じ移相のRF信号が入力されるが、第三の混合器3及び第四の混合器には、例えば移相器5によってπだけ位相がずれた(位相反転された)RF信号が入力される。
【0010】
第一乃至第四の混合1〜4には発振器6から局部発振信号が供給される。局部発振信号の周波数はRF信号のそれ(詳しくは搬送波)と同じである。第一の混合器1及び第三の混合器3には基準となる同相の局部発振信号(LOi)が供給され、第二の混合器2及び第四の混合器4には、移相器7によって位相がπ(90°)ずれた直交の局部発振信号(LOq)が供給される。
【0011】
以上の構成において、第一の混合器1においてはRF信号と同相の局部発振信号(LOi)とが混合されてベースバンド信号Iが出力される。同時に、直流オフセット成分αも出力される。この直流オフセット成分αは混合器内の混合用半導体素子が特に大振幅の局部発振信号によって励振されることによって発生する。 また、第二の混合器2においては、RF信号と直交の局部発振信号(LOq)とが混合されてベースバンド信号Qが出力される。第二の混合器2が第一の混合器1と同一構成とすれば同じレベルの直流オフセット成分αも同時に出力される。
【0012】
また、第三の混合器3においては、位相反転されたRF信号と同相の局部発振信号(LOi)とが混合されてベースバンド信号−I(マイナス符号(−)は位相が反転していることを示す)が出力される。同時に直流オフセット成分αも出力される。
さらに、第四のの混合器4においては、位相反転されたRF信号と直交の局部発振信号(LOq)とが混合されてベースバンド信号−Qが出力される。同時に直流オフセット成分αも出力される。
【0013】
第一の混合器1から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(I+α)と、第三の混合器3から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(−I+α)とは第一のマルチプレクサ回路8に入力される。また、第二の混合器2から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(Q+α)と、第四の混合器4から出力されたベースバンド信号及び直流オフセット成分(−Q+α)とは第二のマルチプレクサ回路9に入力される。
【0014】
第一のマルチプレクサ回路8と第二のマルチプレクサ回路9とは同一構成を有し、入力された二つの信号の和の成分を出力する。よって、第一のマルチプレクサ回路8および第二のマルチプレクサ回路9のそれぞれの一方の入力端の前段に位相反転回路8a(9a)を設けておけば、第一のマルチプレクサ8からは次式によって2Iが出力され、
(I+α)−(−I+α)=2I
第二のマルチプレクサ回路9からは次式によって2Qが出力される。
(Q+α)−(−Q+α)=2Q
すなわち、直流オフセット成分αを含むベースバンド信号をマルチプレクサ8、9を通すことによって直流オフセット成分αを除去することができる。
【0015】
図2はマルチプレクサ8(9)の構成の一例を示す。一対のトランジスタ11、12はエミッタ同士が互いに接続されてバイアス抵抗13によって接地され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗14を介して電源Bに接続される。そして、一方のトランジスタ11のベースには第一の混合器1から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(I+α)(又は第二の混合器2から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(Q+α))が入力され、他方のトランジスタ12のベースには第三の混合器3から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(−I+α)(又は第四の混合器4から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(−Q+α))が位相反転回路8a(9a)を介して入力される。二つのトランジスタ11、12は位相反転回路8a(9a)によって差動的に動作するので、直流オフセット成分αはキャンセルされ、コレクタからは純粋なベースバンド信号I(又はQ)のみが出力される。
【0016】
以上までの説明では第一乃至第四の混合器1〜4と第一及び第二のマルチプレクサ回路8、9とについては特に平衡回路、不平衡回路の区別をしなかったが、平衡回路で構成した場合は移相器5が不要となると共に、歪みの点でも有利となる。また、位相反転回路8a(9a)も不要となる。その場合に使用される第一及び第二のマルチプレクサ8(9)は図3に示されるように、図2示す第一の一対のトランジスタ11、12の他に第二の一対のトランジスタ21、22が使用される。それらのエミッタはバイアス抵抗23によって接地され、コレクタは共通の負荷抵抗24によって電源Bに接続される。第一の一対のトランジスタ11及び12のエミッタと第二の一対のトランジスタ21及び22のエミッタとの間は抵抗30によって接続される。よって、第一の一対のトランジスタ11及び12と第二の一対のトランジスタ21及び22との間でも差動的に動作する。よって、直流オフセット成分以外にもベースバンド信号中に同相の歪み成分が含まれる場合にはこれもキャンセルされるので、歪み対しては一層有利となる。
【0017】
そして、第一の1対のトランジスタ11、12の一方11のベース端11bと第二の一対のトランジスタ21、22の一方22のベース端22bとの間に第一の混合器1から出力された直流オフ接地成分を含むベースバンド信号(I+α)(又は第二の混合器2から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(Q+α))が平衡入力される。また、第一の一対のトランジスタ11、12の一他方12のベース端12bと第二の一対のトランジスタ21、22の他方21のベース端21bとの間に第三の混合器3から出力された直流オフ接地成分を含むベースバンド信号(−I+α)(又は第四の混合器4から出力された直流オフセット成分を含むベースバンド信号(−Q+α))が平衡入力される。
この結果、第一の一対のトランジスタ11及び12のコレクタ端10cと第二の一対のトランジスタ21及び22のコレクタ端20cとの間には直流オフセット成分が除去されたベースバンド信号I(又はQ)が平衡出力される。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、第一及び第二の混合器に入力される高周波信号の位相と第三及び第四の混合器に入力される高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、第一及び第三の混合器に入力される局部発振信号の位相と第二及び第四の混合器に入力される局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、第一の混合器と第三の混合器とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を第一のマルチプレクサ回路に入力し、第二の混合器と第四の混合器とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を第二のマルチプレクサ回路に入力したので、第一のマルチプレクサ回路からは第一及び第三の混合器で発生した直流オフセット成分が除去された同相ベースバンド信号のみを出力でき、第二のマルチプレクサ回路からは第二及び第四の混合器で発生した直流オフセット成分が除去された直交ベースバンド信号のみを出力できる。
【0019】
また、第一及び第二のマルチプレクサ回路はそれぞれエミッタ同士が互いに接続され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗に接続された一対のトランジスタと他方のトランジスタの前段に設けられた位相反転回路とを有し、一方のトランジスタのベースと位相反転回路とにそれぞれ二つの同相成分のベースバンド信号又は二つの直交成分のベースバンド信号を入力したので、コレクタには直流オフセット成分が除去されたベースバンド信号のみを簡単に出力できる。
【0020】
また、第一乃至第四の混合器と第一及び第二のマルチプレクサ回路とをそれぞれ平衡回路で構成したので、マルチプレクサ回路には位相反転回路を必要としないでベースバンド信号を位相反転して入力できる。また、直流オフセット成分以外の歪み成分も除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接変換回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の直接変換回路に使用するマルチプレクサ回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の直接変換回路に使用するマルチプレクサ回路を平衡回路で構成した場合の回路図である。
【図4】従来の直接変換回路の構成を示す回路図である。
【図5】直接変換回路から出力されるベースバンド信号の周波数スペクトラムである。
【符号の説明】
1 第一の混合器
2 第二の混合器
3 第三の混合器
4 第四の混合器
5 移相器
6 発振器
7 移相器
8 第一のマルチプレクサ回路
9 第二のマルチプレクサ回路
8a。9a 位相反転回路
11、12、21、22 トランジスタ
10c、20c 平衡出力端
11b、22b 平衡入力端
12b、21b 平衡入力端
13、23 バイアス抵抗
14、24 負荷抵抗
30 抵抗
Claims (3)
- ベースバンド信号によって変調された高周波信号と前記高周波信号と同一周波数の局部発振信号とが入力される第一乃至第四の混合器と、二つの信号の和の成分を出力する第一及び第二のマルチプレクサとを備え、前記第一及び第二の混合器に入力される前記高周波信号の位相と前記第三及び第四の混合器に入力される前記高周波信号の位相とを互いにπ異ならせ、前記第一及び第三の混合器に入力される前記局部発振信号の位相と前記第二及び第四の混合器に入力される前記局部発振信号の位相を互いにπ/2異ならせ、前記第一の混合器と前記第三の混合器とからそれぞれ出力される同相成分のベースバンド信号を前記第一のマルチプレクサ回路に入力し、前記第二の混合器と前記第四の混合器とからそれぞれ出力される直交成分のベースバンド信号を前記第二のマルチプレクサ回路に入力し、前記第一のマルチプレクサ回路に入力される一方の前記同相成分のベースバンド信号と前記第二のマルチプレクサ回路に入力される一方の前記直交成分のベースバンド信号との位相を反転したことを特徴とする直接変換回路。
- 前記第一及び第二のマルチプレクサ回路はそれぞれエミッタ同士が互いに接続され、コレクタ同士が共通の負荷抵抗に接続された一対のトランジスタを有し、一方の前記トランジスタのベースと他方の前記トランジスタのベースとにそれぞれ前記二つの同相成分のベースバンド信号又は前記二つの直交成分のベースバンド信号を入力したことを特徴とする請求項1に記載の直接変換回路。
- 前記第一乃至第四の混合器と前記第一及び第二のマルチプレクサ回路とをそれぞれ平衡回路で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の直接変換回路。
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