JP2004071857A - 基板接続部の構造、並びに該構造を有する電子部品及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を提供する。
【解決手段】液晶パネルの表示基板8上に液晶駆動用IC4が、互いの電極であるパッド7とバンプ電極9とを対向させて、電極面間に介在する絶縁性接着剤12中に導電性粒子11が分散されてなるACF10を用いて接続されている。ここで、ACF10における導電性粒子11は、液晶駆動用IC4の長手方向端部側が大サイズ導電性粒子11aからなり、長手方向端部側を除く他の部分が、小サイズ導電性粒子11bからなる。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶パネルの表示基板8上に液晶駆動用IC4が、互いの電極であるパッド7とバンプ電極9とを対向させて、電極面間に介在する絶縁性接着剤12中に導電性粒子11が分散されてなるACF10を用いて接続されている。ここで、ACF10における導電性粒子11は、液晶駆動用IC4の長手方向端部側が大サイズ導電性粒子11aからなり、長手方向端部側を除く他の部分が、小サイズ導電性粒子11bからなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップやLEDチップなどの半導体基板と回路基板との接続にかかり、詳細には、半導体基板と回路基板とをフェイスダウンボンディング接続した基板接続部の構造、該構造を有する電子部品及び液晶表示装置、電子部品の製造方法、並びに異方性導電接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の表示装置として、液晶表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層が挟持された液晶パネルを有しており、これに表示信号及び走査信号を供給するための液晶駆動用IC(以下、駆動用IC)が実装される。
【0003】
駆動用ICの実装構造としては、従来、TCP(Tape Carrier package)を用いた構造が一般に知られているが、近年では、低コスト、高信頼性、薄型化等の観点から、駆動用IC(半導体基板)を、液晶パネルにベアチップ実装したCOG(Chip On Glass)方式も見られるようになってきている。
【0004】
COG方式の中でも、駆動用ICの電極に突起状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極と、液晶パネルに形成されたパッド(ボンディングパッド)とをフェイスダウンボンディング接続する接続方式が一般的である。
【0005】
そして、COG方式の接続方法としては、駆動用ICのバンプ電極を半田にて形成し、これを溶融してIC搭載部のパッドと接続する方法や、バンプ電極をAu等の金属により形成し、導電性ペーストまたは異方性導電接着剤によりパッドと接続する方法等がある。
【0006】
異方性導電接着剤とは、絶縁性接着剤中に導電性粒子を拡散させたものであり、異方性導電接着剤中の導電性粒子が、バンプ電極とパッドとの間に挟み込まれることで、駆動用ICと液晶パネルとの間に導通が生まれる。したがって、異方性導電接着剤を用いた接続では、接続ピッチが駆動用ICにおけるバンプ電極の大きさのみに依存し、また、隣り合うバンプ電極間に絶縁性接着剤が充填されるため、バンプ電極間に充分な絶縁性を容易に確保できるなどの利点を有している。このような利点から、近年、COG方式においては、異方性導電接着剤を用いた接続が主流となっている。
【0007】
ここで、液晶パネルに駆動用ICをフェイスダウンボンディング接続した従来の液晶表示装置について説明する。なお、理解を容易にするために、本発明の図面である図2、図3を援用して説明する。
【0008】
図2に示すように、液晶表示装置において、駆動用IC34は、液晶パネル31における液晶駆動用IC搭載部(以下、IC搭載部)33に接続される。IC搭載部33は、液晶パネル31を構成する一対の基板のうち、データ信号線及び走査信号線が形成されている側の表示基板(回路基板)に設けられている。詳細には、表示に寄与する表示部32の周囲であって、表示基板におけるもう一方の基板よりはみ出した周端部に設けられている。また、IC搭載部33には、外部回路よりデータ信号や走査信号を生成するための基となる信号や電源を供給するためのFPC(フレキシブル配線基板)35も接続されている。
【0009】
図9に、フェイスダウンボンディング接続した従来の駆動用IC34と液晶パネル31との接続部構成を示す。ここでは、異方性導電接着剤としてACF(Anisotoropic Conductive Film)と呼ばれる異方性導電膜を用いて接続している。
【0010】
図において、38が液晶パネル31の上記表示基板であり、基板本体部はガラス基板からなる。表示基板38上には、上記したパッド37が形成されている。
また、駆動用IC34には、該パッド37と対向する上記バンプ電極39が形成されている。そして、これら表示基板38と駆動用IC34との間には、ACF40が介在されている。ACF40は、絶縁性接着剤42に均一サイズの導電性粒子41が混在されてなるものである。上記パッド37とバンプ電極39との間には、このACF40に含まれる導電性粒子41が挟まれており、この導電性粒子41の周囲に、絶縁性接着剤42が充填されている。
【0011】
このようなACF40を用いた接続では、図3に示すように、まず、表示基板38上にACF40が圧着され、次いで、表示基板38と駆動用IC34との位置合わせが行われ、その後、圧着ツール36にて、駆動用IC34側より加熱圧着が施される。
【0012】
加熱圧着されることで、パッド37とバンプ電極39との間に挟まれた上記導電性粒子41は、厚み方向に弾性変形(扁平)し、その周りの絶縁性接着剤42が硬化することで、変形状態を保持したまま固定されることとなる。その結果、パッド37とバンプ電極39との導通が確保され、電気的接続が実現される。また、硬化した絶縁性接着剤42にて、表示基板38と駆動用IC34との機械的接続も実現される。
【0013】
なお、このような導電性粒子41を弾性変形させて、パッド37とバンプ電極39との導通を確保する接続方法については、例えば特開平10−206874号公報に記載されている。
【0014】
そして、近年、液晶表示装置に関わらず、表示装置全般に高精細化が求められており、この高精細化にて、上記バンプ電極39及びパッド37においては、配設ピッチの縮小及びサイズの縮小が進み、ACF40中に混在される導電性粒子41の粒子直径も、5μmから3μmへとより小さいものが使われるのが一般的となってきている。
【0015】
【発明が解決しようとする問題】
ところで、上述したように、従来、駆動用IC34を表示基板38にACF40を介して接続する際、駆動用IC34側から圧着ツール36を押し当てて加熱圧着している。そのため、圧着ツール36が接触する駆動用IC34と接触しない表示基板38とでは、熱による膨張量に差が生じ、このような膨張量に差を持った状態でACF40の硬化が進行することとなる。その結果、表示基板38と駆動用IC34とに収縮量の差が生じ、この差によって、接続後の駆動用IC34と表示基板38とには、図10に示すような、駆動用IC34側を凹とした反りが発生する。このような反りは、僅かであればさほど問題ではない。
【0016】
しかしながら、今日、高精細化による出力数の増加に加えて、液晶表示装置における狭額縁化が図られる結果、駆動用IC34は、その縦横の比であるアスペクト比(長辺寸法/短辺寸法)が高くなる傾向にあり、高アスペクト比の駆動用IC34においては、駆動用IC34と表示基板38とに発生する上記反りが大きくなる。
【0017】
反りが大きくなると、駆動用IC34における長手方向の端部側において、駆動用IC34に形成されたバンプ電極39と表示基板38上のパッド37との間の導通がとり難くなり、例えば、高温高湿試験後に、端部側の接続抵抗が大きく上昇するといった不具合を生じる。
【0018】
これは、反りにより、駆動用IC34の長手方向端部側に、駆動用IC34と、表示基板38との距離を広げる力が作用するためである。このような力が作用すると、長手方向端部側以外の部位では、図11(a)に示すように、導電性粒子41は十分に弾性変形(扁平)した状態で保持されるが、長手方向端部側においては、同図(b)に示すように、導電性粒子41が十分に弾性変形しなくなり、導電性粒子42とパッド37及びバンプ電極39との接触面積が低下し、接続抵抗が上がることとなる。
【0019】
また、高アスペクト化が進んで、駆動用IC34が細長くなると、加熱圧着時に、圧着ツール36を片当たりなく均一に押すことが難しくなり、これによっても、長手方向端部側における接続抵抗が上がることとなる。片当たりとは、圧着ツール36が駆動用IC34を均一に押圧するのではなく、圧着ツール36の押圧面が駆動用IC34の被押圧面に対して傾きを持った状態で押圧することである。当たりが浅い端部側では、導電性粒子41を十分に弾性変形させることができず、接続抵抗が上がる。
【0020】
そして今日、狭額縁化及び低コスト化を進める上で、駆動用IC34においては、バンプ電極39を、従来の長手方向に沿う長辺2辺だけでなく、長手方向端部となる短手方向に沿う2辺をも含めた矩形の4端片に置くことが必要となっている。そのため、このような長手方向端部側で生じる導通不良は、甚だ問題となり、接続信頼性を低下させている。
【0021】
本発明は、上記課題に鑑み成されたもので、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造、電子部品、液晶表示装置、電子部品の製造方法、異方性導電接着剤を提供することにある。
【0022】
【問題を解決するための手段】
本発明の基板接続部の構造は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいことを特徴としている。
【0023】
半導体基板を回路基板に電極面同士を対向させてフェイスダウンボンディング接続する場合、異方性導電接着剤を用いて接続すると、その加熱圧着プロセス時の半導体基板と回路基板との膨張量の差によって、半導体基板及び回路基板に反りが発生する。このような反りは、半導体基板の高アスペクト化が進むと大きくなり、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用し、半導体基板の端部側において、導電性粒子が十分に弾性変形しなくなる。その結果、導電性粒子と回路基板及び半導体基板との間に接触面積を確保できず、導通を確保できなくなり、接続抵抗が上がってしまう。
【0024】
また、このような異方性導電接着剤を用いた接続では、異方性導電接着剤は厚さ方向に導電性を有し、面方向に絶縁性を有する必要があるため、導電性粒子の粒子径を単純に大きくして上記した端部側における接続信頼性を向上するといったことはできない。粒子径を単純に大きくすると、電極が狭ピッチに形成されている場合に、短絡してしまう恐れがある。
【0025】
そこで、本発明では、異方性導電接着剤の導電性粒子の粒子径を、半導体基板の端部側で、他の部分の粒子径よりも大きくしている。これにより、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、該力が作用する端部側の導電性粒子は他の部分より大きいので、弾性変形した状態を保持することができる。したがって、導電性粒子と回路基板及び半導体基板との間に十分な接触面積を確保することができ、十分な導通を確保できる。
【0026】
そして、この場合、接続信頼性の低下する端部側だけ導電性粒子を大きくしているので、端部側以外の部分においては、従来通りの小さい導電性粒子を使用でき、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小に対応できる。
【0027】
また、半導体基板の高アスペクト化が進むと、加熱圧着プロセス時に、圧着ツールが片当たりし易くなるが、このように、端部側における導電性粒子の粒子径を大きくしておくことで、たとえ一方の端部側で圧着ツールの当たりが浅く(弱く)なっても、導電性粒子を弾性変形させることができる。特に、同じヤング率であっても、粒子径の大きな導電性粒子は粒子径の小さい導電性粒子よりも弾性変形し易いので、当たりが弱くなっても十分に変形して、導通を確保することができる。
【0028】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができる。
【0029】
また、本発明の基板接続部の構造では、上記構成に加えて、さらに、上記回路基板と半導体基板とにおける上記大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチが、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成されていることを特徴としてもよい。
【0030】
上述したように、半導体基板の端部側における接続信頼性を上げるために、端部側に配される導電性粒子を大きくすることは有効である。しかしながら、電極ピッチを、中央部の小さい導電性粒子に適したものと同じとした場合、面方向の絶縁性を確保するためには、大きさの限界がある。
【0031】
そこで、上記構成では、回路基板と半導体基板とにおける大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチを、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成している。
つまり、まず、端部側の接続信頼性を十分に上げることのできる導電性粒子の径を決定し、この粒子径に合わせて、電極ピッチを設定している。したがって、端部側においてのみピッチが粗くなるが、端部側の接続信頼性を十分に上げることができる。
【0032】
また、本発明の基板接続部の構造では、さらに、上記構成に加えて、上記大きな導電性粒子が配される領域が、上記回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定されていることを特徴としてもよい。
【0033】
上述したように、半導体基板の端部側における導電性粒子の粒子径を他の部分よりも大きくしておくことで、反り及び片当たりによる半導体基板の端部側における接続不良を無くすることができる。しかしながら、このような大きな導電性粒子を設ける領域を必要以上に広くとると、特に、大きな導電性粒子に応じた電極ピッチ及びサイズで電極を形成した場合、狭ピッチ化が阻害される。
【0034】
そこで、上記構成では、大きな導電性粒子が配される領域を、回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定している。したがって、大きな導電性粒子を配置する領域を、目的にあった適切な大きさに設定することができ、端部側の接続信頼性を向上させながら、狭ピッチ化にも十分に対応できる。
【0035】
また、本発明の基板接続部の構造は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、上記半導体基板上の位置応じた値に設定されていることを特徴としている。
【0036】
上述したように、半導体基板を回路基板に電極面同士を対向させてフェイスダウンボンディング接続する場合、半導体基板及び回路基板に反りが発生し、このような反りは、半導体基板の高アスペクト化が進むと大きくなり、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用する結果、半導体基板の端部側において、導電性粒子が十分に弾性変形せず、導通を確保できなくなる。
【0037】
また、このような異方性導電接着剤を用いた接続では、異方性導電接着剤は厚さ方向に導電性を有し、面方向に絶縁性を有する必要があるため、導電性粒子の粒子径を単純に大きくして上記した端部側における接続信頼性を向上するといったことはできない。
【0038】
そこで、本発明では、異方性導電接着剤の導電性粒子の粒子径を、回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、半導体基板上の位置応じた値に設定している。つまり、半導体基板の端部側において、回路基板と半導体基板との距離が広がって、中央部と同じサイズの導電性粒子では十分な弾性変形が得られないのであれば、広がった距離でも十分な弾性変形が得られるような大きさの導電性粒子とする。
【0039】
これにより、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、例えば半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、該力の作用を鑑みて導電性粒子の大きさが設定されているので、導電性粒子を十分に弾性変形させて、十分な導通を確保できる。
【0040】
そして、この場合、反りによる接続信頼性の低下を、導電性粒子の大きさを全体的に大きくするのではなく、半導体基板上の位置に応じて導通不良が発生しないように制御するので、小さい導電性粒子でも導通を確保し得る部分には小さな導電性粒子を用い、これに応じた電極ピッチ及び寸法とすることで、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小にも対応できる。
【0041】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができる。
【0042】
また、本発明の基板接続部の構造においては、半導体基板のアスペクト比が10以上である構成に適用することが好ましい。半導体基板のアスペクト比が10を超えると、反りによる端部側の導通不良の問題が高い確率で発生し易くなる。
したがって、アスペクト比10以上の場合に本発明の基板接続部の構造を適用することが、非常に有効である。
【0043】
本発明の電子部品は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とを有し、該回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている電子部品において、上記回路基板と半導体基板とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0044】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を有する本発明の電子部品も、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなる。
【0045】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶パネルと、液晶を駆動するための駆動素子とを有し、上記液晶パネルの一方の基板に上記駆動素子が互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている液晶表示装置において、上記一方の基板と駆動素子とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0046】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を液晶パネルと駆動素子との接続部に有する本発明の液晶表示装置は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置となる。
【0047】
本発明の電子部品の製造方法は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程を有する電子部品の製造方法において、上記接続工程では、上記回路基板と半導体基板との反りに応じて導電性粒子の粒子径が制御された異方性導電接着剤を用いることを特徴としている。
【0048】
これによれば、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程において、導電性粒子の粒子径が回路基板と半導体基板との反りに応じて制御された異方性導電接着剤用いて、回路基板と半導体基板とを接続するようになっている。
【0049】
したがって、既に説明したように、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能な電子部品を製造することができる。また、該接続工程を、液晶表示装置における液晶パネルとその駆動素子との接続工程として液晶表示装置を製造すれば、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置を製造することができる。
【0050】
また、本発明の異方性導電接着剤は、上記課題を解決するために、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる、長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤であって、長尺方向と直交する方向の両端部側における上記導電性粒子の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きいことを特徴としている。
【0051】
このような、一枚の長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤において、長尺方向と直交する方向の両端部側、つまり、長尺方向に沿って延びる端部の導電性粒子を、中央部の導電性粒子よりも大きくしておくことで、これを、半導体基板或いは駆動素子が搭載される回路基板或いは表示基板上に、半導体基板或いは駆動素子の形状に合わせてカットして圧着することで、上記した基板接続部の構造、及びこれを有する電子部品、液晶表示装置を、容易に製造することができる。
【0052】
なお、特開平7−131153号公報には、半導体基板と回路基板とを接続するにおいて、粒子径が大きく柔らかい第1の導電性粒子と、粒子径が小さく硬い第2の導電性粒子とが絶縁性接着剤中に混合されてなる導電用接合剤を用いることが開示されている。しかしながら、これは、言うまでもないが、粒子径の大きい第1の導電性粒子にて導通を確保し、小さい第2の導電性粒子は、スペーサとして機能させるものであって、大きさの異なる2種類の導電性粒子は、絶縁性接着剤中にランダムに混在されており、半導体基板の端部側における安定した接続を実現し得る本発明の基板接続部の構造とは、全く異なるものである。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1〜図8に基づいて説明すれば以下の通りである。ここでは、本発明の基板接続部の構造、及び該構造を有する電子部品として、液晶表示装置を例示する。
【0054】
本実施の形態の表示装置である液晶表示装置は、液晶パネルに液晶駆動用IC(駆動素子、半導体基板)を、ベアチップ実装したCOG方式を採用している。
また、本液晶表示装置は、液晶駆動用IC(以下、駆動用IC)に突起状のバンプ電極(ボンディングバンプ電極)を形成し、このバンプ電極と液晶パネルのパッド(ボンディングパッド)とをフェイスダウンボンディング接続した構成となっている。
【0055】
図2は、本液晶表示装置の構成を概略的に示す平面図である。この図に示すように、本液晶表示装置は、液晶パネル1と、駆動用IC4と、FPC5とを備えている。
【0056】
液晶パネル1は、一対のガラス基板間に液晶層が封入されることで構成されており、表示部2及び液晶駆動用IC搭載部(以下、IC搭載部)3を有している。また、駆動用IC4は、液晶を駆動するための集積回路であり、FPC5は、駆動用IC4に対し、外部から供給されるデータ信号および走査信号を入力するためのものである。これら駆動用IC4及びFPC5は、液晶パネル1におけるIC搭載部3に搭載されている。
【0057】
IC搭載部3は、表示部2にデータ信号及び走査信号を供給する信号配線を有する表示基板側に設けられている。特に図示してはいないが、IC搭載部3には、上記信号配線と短絡されたパッドが形成されており、該パッドと駆動用IC4の出力側電極に設けられたバンプ電極とが接続されている。また、IC搭載部3には、駆動用IC4へ信号および電源を入力するための複数の入力配線、この入力配線の信号出力端と短絡されたパッド、及び上記入力配線の信号入力端と短絡されたFPC入力端子も形成されている。上記入力配線に短絡されたパッドと駆動用IC4の入力側に電極に設けられたバンプ電極とが接続されており、上記FPC入力端子に上記FPC5が接続されている。
【0058】
図1に、本液晶表示装置における駆動用IC4及び液晶パネル1との接続部構成を示す。これは、図2のB−B’断面図であり、ここでは、異方性導電接着剤としてACFを用いて接続している。
【0059】
図において、8が液晶パネル1の上記表示基板であり、基体本体はガラスからなる。表示基板8上には、上記したパッド7が形成されている。また、駆動用IC4には、該パッド7と対向する上記バンプ電極9が形成されている。そして、これら表示基板8と駆動用IC4との間には、絶縁性接着剤12に導電性粒子11が混合されてなる導電性粒子ACF10が介在されている。
【0060】
ここで、注目すべきは、このACF10に含まれている導電性粒子11の粒子径にある。図9、図10に示した従来の接続に用いられていたACF40は、絶縁性接着剤41中に均一サイズの導電性粒子42が混在されてなるものであった。これに対し、本液晶表示装置に用いられているACF10は、導電性粒子11の粒子径が、駆動用IC4の部位に応じて異なっている。詳細には、図1に示すように、駆動用IC4の長手方向方向の両端部側における導電性粒子11の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きくなっている。以降、粒子径で導電性粒子11を区別する必要がある場合、大きい方の導電性粒子を大サイズ導電性粒子11aとし、小さい方の導電性粒子を小サイズ導電性粒子11bとする。なお、ここでは導電性粒子11の粒子径を2種類としたが、3種類以上としてもよい。
【0061】
駆動用IC4の長手方向端部側でパッド7とバンプ電極9との接続に寄与する導電性粒子11を、このような大サイズ導電性粒子11aとすることで、駆動用IC4と表示基板8との加熱圧着後の反りにて、駆動用IC4と表示基板8との間を広げる方向の力が駆動用IC4の端部側に作用したとしても、導電性粒子11を十分に弾性変形させることが可能となり、長手方向端部側の導通不良を防止することができる。
【0062】
以下、これについて詳細に説明する。図3は、駆動用IC4を表示基板8にフェイスダウンボンディング接続する際の加熱圧着プロセスを説明するものである。接続に当たっては、まず、表示基板8に上にACF10が圧着され、次いで、表示基板8と駆動用IC4との位置合わせが行われる。そして、その後、圧着ツール6にて、駆動用IC4側より加熱圧着が施されることとなる。圧着条件としては、例えば、温度170℃〜190℃、加圧力70MpPa〜90MPa、加圧時間8秒〜12秒である。これにより、ACF10が硬化(熱硬化)して、駆動用IC4と表示基板8とが接着される
加熱圧着されることで、図1に示すように、パッド7とバンプ電極9との間に挟まれた上記導電性粒子11は、厚み方向に弾性変形(扁平)し、その周りの絶縁性接着剤12が硬化することで、変形状態を保持したまま固定されることとなる。その結果、パッド7とバンプ電極9との導通が確保され、電気的接続が実現される。また、硬化した絶縁性接着剤12にて、表示基板8と駆動用IC4との機械的接続も実現される。
【0063】
ところで、前述したように、駆動用IC4を表示基板8にACF10を用いて接続する際、駆動用IC4側から圧着ツール6を押し当てて加熱圧着するため、圧着ツール6が接触する駆動用IC4と接触しない表示基板8との熱膨張量の差が生じ、この差によって、接続後の駆動用IC4と表示基板8とには、図1にも示すような、駆動用IC4側を凹とした反りが発生する。
【0064】
このような反りは、今日の駆動用IC4における高アスペクト化が進むと問題となる程度に大きくなり、駆動用IC4の長手方向端部側における導通不良を引き起こすこととなる。これは、反りにより、駆動用IC4の長手方向端部側に、駆動用IC4と表示基板8との距離を広げる力が作用するためである。
【0065】
本液晶表示装置では、図1に示すように、ACF10に混合されている導電性粒子11を、粒子径の異なる2種類とし、反りにて導通不良の問題が発生しない長手方向端部側を除く部分(その他の部分)では、狭ピッチ化されたパッド7及びバンプ電極9に適した小サイズ導電性粒子11bとし、反りによる導通不良の問題のある長手方向端部側においては、大サイズ導電性粒子11aを配している。
【0066】
したがって、図4(b)に示すように、長手方向端部側を除く部分で、小サイズ導電性粒子11bが十分に弾性変形(扁平)した状態で保持されるに加え、たとえ反りにて駆動用IC4と表示基板8との距離を広げる力が長手方向端部側に作用しても、同図(b)に示すように、長手方向端部側において大サイズ導電性粒子11aが十分に弾性変形し、導電性粒子11とパッド7及びバンプ電極9との接触面積を十分に確保して、十分な導通を確保できる。
【0067】
また、高アスペクト化が進んで、駆動用IC4が細長くなると、上記した加熱圧着時に、圧着ツール6を片当たりなく均一に押すことが難しくなり、これによっても、駆動用IC4の長手方向端部側における導通不良が発生し易くなるが、このように、長手方向端部側の接続に寄与する導電性粒子11を大サイズ導電性粒子11aとすることで、たとえ一方の端部側で圧着ツール6の当たりが浅く(弱く)なっても、導電性粒子11を弾性変形させることができる。
【0068】
特に、同じヤング率であっても、粒子径の大きな導電性粒子11は粒子径の小さい導電性粒子よりも弾性変形し易いため、圧着ツール6の当たりが弱くなっても十分に変形して、導通を確保することができる。
【0069】
ところで、このように、反りによる導通不良を考えて、駆動用IC4上の位置に応じて接続に寄与する導電性粒子11の粒子径を異ならせ、導通不良が発生しやすい長手方向端部側において、粒子径を大きくするとは有効である。しかしながら、大サイズ導電性粒子11aにて接続するパッド7及びバンプ電極9のサイズや配設ピッチを、小サイズ導電性粒子11bに適したものと同じとした場合、面方向の絶縁性を確保するために、大サイズ導電性粒子11aの大きさには限界がある。
【0070】
そこで、本液晶表示装置では、図1にも示されているが、大サイズ導電性粒子11aに応じて、長手方向端部側におけるパッド7及びバンプ電極9の配設ピッチを設定している。つまり、まず、長手方向端部側の導通を十分に確保できる導電性粒子11の粒子径を決定し、この粒子径に合わせて、長手方向端部側におけるパッド7及びバンプ電極9の配設ピッチを決定している。
【0071】
図5に上記駆動用IC4の電極面の平面図を示し、図6にACF10の平面図に相当するものを模式的に示している。
導電性粒子の平面図を模式的に示す。図5において、9bが入力側電極に形成されたバンプ電極であり、矩形を成す駆動用IC4における3辺に形成されている。また、9aが出力側電極に形成されたバンプ電極であり、駆動用IC4の長手方向に沿う1辺に形成されている。また、図6において、10aにて示す領域が、ACF10における大サイズ導電性粒子11aが混合されている領域であり、10bにて示す領域が、ACF10における小サイズ導電性粒子11bが混合されている領域である。
【0072】
図5、図6よりわかるように、駆動用IC4における長手方向の両端部の短手方向に沿う端部に設けられた入力側電極のバンプ電極9bは、同じ入力側電極のバンプ電極9bであっても、接続に寄与する大サイズ導電性粒子11aに合わせて、長手方向に沿う長辺に設けられたものとは、配設ピッチが広くなっている。
【0073】
このような構成とすることで、長手方向端部側においてのみ電極ピッチが粗くはなるが、接続信頼性は十分に上げることができる。
【0074】
そして、図6に示す、このような導電性粒子11を大サイズ導電性粒子11aとする領域10aの長手方向寸法L1は、上記した反りに応じて設定されており、つまり、反りにて導通不良が発生する領域の長手方向寸法に相当する。
【0075】
例えば、駆動用IC4の長手方向寸法をLとすると、アスペクト比が10の駆動用IC4では、上記L1/L=0.017〜0.020の範囲とすることが望ましい。これは、上記した圧着条件で、厚さ0,4mmの駆動用IC4を、厚さ0.7mmのガラス基板からなる表示基板8に、接続した場合の反りに応じて設定した値である。
【0076】
なお、このような大サイズ導電性粒子11aとする領域10aの長手方向寸法L1は、駆動用IC4のアスペクト比、駆動用IC4の厚み、表示基板8側の基板厚、及び圧着条件等が変われば当然変化するものであり、種々の条件を基に、該条件に最適な大サイズ導電性粒子11aとする領域10aの長手方向寸法L1を設定すればよい。
【0077】
本願発明者らは、駆動用IC4のアスペクト比が10近傍より、上記した反りによる端部側の導通不良が顕著に表れることを確認している。したがって、アスペクト比が10以上の駆動用IC4を使用する場合に、このような導電性粒子11を駆動用IC4の位置に応じて制御する接続構造が好ましい。
【0078】
また、図7に、アスペクト比とL1/Lとの関係を示すように、アスペクト比が大きくなるほど、L1/Lは大きくなり、長手方向端部側のより広い領域において、大サイズ導電性粒子11aを配置する必要があることも確認している。さらに、図8に、アスペクト比と反り量の関係を示すように、アスペクト比が大きくなるほど、反り量が大きくなることも確認している。なお、図7、図8のデータ、温度180℃、加圧力70MpPa、加圧時間10秒とし、厚さ0,4mmの駆動用IC4を、厚さ0.7mmのガラス基板からなる表示基板8に搭載し、駆動用IC4のチップ幅1.1〜1.8mm、チップ長さ11.6〜20mmの範囲に入るものを用いた。
【0079】
ここで、上記ACF10の一例について説明する。上述したように、ACF10は、2種類の粒子径の導電性粒子11を絶縁性接着剤12中に混在してなる。
ACF10は、大サイズ導電性粒子11aが粒子径4〜5μm、小サイズ導電性粒子11bが粒子径2〜3μmからなり、大サイズ導電性粒子11aの充填量は25000〜30000個/mm2、小サイズ導電性粒子11bの充填量は55000〜60000個/mm2からなる。
【0080】
また、導電性粒子11としては、プラスチック球にニッケルめっきした後、金メッキを施して形成されたものを用いている。そして、このような導電性粒子11加えて、絶縁性接着剤12として、エポキシ樹脂a(重量平均分子量が1万〜10万の範囲内の樹脂a)と、エポキシ樹脂b(重量平均分子量が1000以下の樹脂b)と、硬化剤とを含有している。
【0081】
このようなACF10では、上記のような成分を含んでいることにより、硬化後のヤング率が1.4GPa〜2.0GPaであり、また、硬化後のガラス転移温度が110℃〜135℃となっている。
【0082】
ここで挙げた一例のACF10に適している駆動用IC4のバンプ電極9のピッチは、長手方向端部側で70μm、それ以外の領域では60μmとなっている。ピッチが70μmの場合のパッド7とバンプ電極9とのズレが生じた際の許容幅は20μmであり、ピッチ60μmの許容幅は10μmである。通常、導電性粒子11が3つ並んだ寸法が、この許容幅以下であれば、ACFにおける面方向の絶縁性は確保されるとされている。ここで挙げた一例のACF10の場合、長手方向端部側の大サイズ導電性粒子11aは粒子径4〜5μm、小サイズ導電性粒子11bは粒子径2〜3μmである。したがって、長手方向端部側及びその他の部分も全て上記許容幅以下の条件を満足し、面方向の絶縁性が確保されていることがわかる。
【0083】
また、このようなACF10は、通常、長尺状に形成され、リールに巻き取られており、ここでは、長尺方向と直交する方向の両端部側、つまり、長尺方向に沿って延びる端部の寸法Ll部分が大サイズ導電性粒子11aを含み、その他の中央部で小サイズ導電性粒子11bを含んだ構成となっている。したがって、このようなACF10を使用することで、ACF10を駆動用IC4の寸法(図6のH)に合わせカットするだけで、粒子径の異なる導電性粒子11を一工程で配置でき、製造工程を簡素化できる。
【0084】
もちろん、図6の10aにて示す領域に相当する大サイズ導電性粒子11aが混合されているACFと、10bにて示す領域に相当する小サイズ導電性粒子11bが混合されているACFとを別々に用意し、各々別工程で配置してもよい。
【0085】
【発明の効果】
本発明の基板接続部の構造は、以上のように、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいことを特徴としている。
【0086】
これによれば、異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいので、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、弾性変形した状態を保持することができ、十分な導通を確保できる。
【0087】
そして、この場合、接続信頼性の低下する端部側だけ導電性粒子を大きくしているので、端部側以外の部分においては、従来通りの小さい導電性粒子を使用でき、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小に対応できる。
【0088】
また、半導体基板の高アスペクト化が進むと、加熱圧着プロセス時に、圧着ツールが片当たりし易くなるが、このように、端部側における導電性粒子の粒子径を大きくしておくことで、たとえ一方の端部側で圧着ツールの当たりが浅く(弱く)なっても、導電性粒子を弾性変形させることができる。特に、同じヤング率であっても、粒子径の大きな導電性粒子は粒子径の小さい導電性粒子よりも弾性変形し易いので、当たりが弱くなっても十分に変形して、導通を確保することができる。
【0089】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができるという効果を奏する。
【0090】
また、本発明の基板接続部の構造では、上記構成に加えて、さらに、上記回路基板と半導体基板とにおける上記大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチが、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成されていることを特徴としてもよい。
【0091】
これによれば、回路基板と半導体基板とにおける大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチを、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成しているので、端部側においてのみピッチが粗くなるが、端部側の接続信頼性を十分に上げることができるという効果を奏する。
【0092】
また、本発明の基板接続部の構造では、さらに、上記構成に加えて、上記大きな導電性粒子が配される領域が、上記回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定されていることを特徴としてもよい。
【0093】
これによれば、大きな導電性粒子が配される領域を、回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定しているので、大きな導電性粒子を配置する領域を、目的にあった適切な大きさに設定することができ、端部側の接続信頼性を向上させながら、狭ピッチ化にも十分に対応できるという効果を奏する。
【0094】
また、本発明の基板接続部の構造は、以上のように、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、上記半導体基板上の位置応じた値に設定されていることを特徴としている。
【0095】
これによれば、異方性導電接着剤の導電性粒子の粒子径を、回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、半導体基板上の位置応じた値に設定している。つまり、半導体基板の端部側において、回路基板と半導体基板との距離が広がって、中央部と同じサイズの導電性粒子では十分な弾性変形が得られないのであれば、広がった距離でも十分な弾性変形が得られるような大きさの導電性粒子とする。
【0096】
これにより、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、例えば半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、該力の作用を鑑みて導電性粒子の大きさが設定されているので、導電性粒子を十分に弾性変形させて、十分な導通を確保できる。
【0097】
そして、この場合、反りによる接続信頼性の低下を、導電性粒子の大きさを全体的に大きくするのではなく、半導体基板上の位置に応じて導通不良が発生しないように制御するので、小さい導電性粒子でも導通を確保し得る部分には小さな導電性粒子を用い、これに応じた電極ピッチ及び寸法とすることで、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小にも対応できる。
【0098】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができるという効果を奏する。
【0099】
また、本発明の基板接続部の構造においては、半導体基板のアスペクト比が10以上である構成に適用することが好ましい。半導体基板のアスペクト比が10を超えると、反りによる端部側の導通不良の問題が高い確率で発生し易くなる。
したがって、アスペクト比10以上の場合に本発明の基板接続部の構造を適用することが、非常に有効である。
【0100】
本発明の電子部品は、以上のように、回路基板と半導体基板とを有し、該回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている電子部品において、上記回路基板と半導体基板とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0101】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を有する本発明の電子部品も、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなるという効果を奏する。
【0102】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶パネルと、液晶を駆動するための駆動素子とを有し、上記液晶パネルの一方の基板に、上記駆動素子が、互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている液晶表示装置において、上記一方の基板と駆動素子とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0103】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を液晶パネルと駆動素子との接続部に有する本発明の液晶表示装置は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置となるという効果を奏する。
【0104】
本発明の電子部品の製造方法は、以上のように、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程を有する電子部品の製造方法において、上記接続工程では、上記回路基板と半導体基板との反りに応じて導電性粒子の粒子径が制御された異方性導電接着剤を用いることを特徴としている。
【0105】
これによれば、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程において、導電性粒子の粒子径が回路基板と半導体基板との反りに応じて制御された異方性導電接着剤用いて、回路基板と半導体基板とを接続するようになっている。
【0106】
したがって、既に説明したように、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能な電子部品を製造することができる。また、該接続工程を、液晶表示装置における液晶パネルとその駆動素子との接続工程として液晶表示装置を製造すれば、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置を製造することができるという効果を奏する。
【0107】
また、本発明の異方性導電接着剤は、以上のように、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる、長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤であって、長尺方向と直交する方向の両端部側における上記導電性粒子の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きいことを特徴としている。
【0108】
このような、一枚の長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤において、長尺方向と直交する方向の両端部側、つまり、長尺方向に沿って延びる端部の導電性粒子を、中央部の導電性粒子よりも大きくしておくことで、これを、半導体基板或いは駆動素子が搭載される回路基板或いは表示基板上に、半導体基板或いは駆動素子の形状に合わせてカットして圧着することで、上記した基板接続部の構造、及びこれを有する電子部品、液晶表示装置を、容易に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板接続部の構造を有する液晶表示装置における、液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続部分の構造を示す断面図である。
【図2】本発明及び従来の液晶表示装置の概略平面図である。
【図3】本発明及び従来の液晶表示装置の液晶パネルに液晶駆動用ICを接続する接続プロセスを示す断面図である。
【図4】本発明での液晶駆動用ICにおけるバンプ電極と液晶パネルのパッドとの接続部分の構造を拡大して示す説明図であり、(a)は、長手方向端部側、(b)は長手方向端部側を除くその他の部分のものである。
【図5】本発明の液晶表示装置における上記液晶駆動用ICの電極面の平面図である。
【図6】本発明の液晶表示装置において、液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続に用いられるACFの平面図を模式的に示した図面である。
【図7】液晶駆動用ICのアスペクト比と、L1(液晶駆動用ICにおける大サイズ導電性粒子を配する領域の長手方向寸法)/L(液晶駆動用ICの長手方向寸法)との関係を示すグラフである。
【図8】液晶駆動用ICのアスペクト比と、液晶駆動用ICと表示基板とに発生する反り量との関係を示すグラフである。
【図9】従来の液晶表示装置における、液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続部分の要部の構造を示す断面図である。
【図10】反りを示す、従来の液晶表示装置における液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続部分の構造を示す断面図である。
【図11】従来の液晶表示装置における、液晶駆動用ICにおけるバンプ電極と液晶パネルのパッドとの接続部分の構造を拡大して示す説明図であり、(a)は、長手方向端部側、(b)は長手方向端部側を除くその他の部分のものである。
【符号の説明】
1 液晶パネル
2 表示部
3 液晶駆動用IC搭載部
4 液晶駆動用IC(半導体基板、駆動素子)
6 圧着ツール
7 ボンディングパッド(電極)
8 表示基板(回路基板)
9 ボンディング用バンプ電極(電極)
10 ACF(異方性導電接着剤)
10a 大サイズ導電性粒子が混合されている領域
10b 小サイズ導電性粒子が混合されている領域
11 導電性粒子
11a 大サイズ導電性粒子
11b 小サイズ導電性粒子
12 絶縁性接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップやLEDチップなどの半導体基板と回路基板との接続にかかり、詳細には、半導体基板と回路基板とをフェイスダウンボンディング接続した基板接続部の構造、該構造を有する電子部品及び液晶表示装置、電子部品の製造方法、並びに異方性導電接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の表示装置として、液晶表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層が挟持された液晶パネルを有しており、これに表示信号及び走査信号を供給するための液晶駆動用IC(以下、駆動用IC)が実装される。
【0003】
駆動用ICの実装構造としては、従来、TCP(Tape Carrier package)を用いた構造が一般に知られているが、近年では、低コスト、高信頼性、薄型化等の観点から、駆動用IC(半導体基板)を、液晶パネルにベアチップ実装したCOG(Chip On Glass)方式も見られるようになってきている。
【0004】
COG方式の中でも、駆動用ICの電極に突起状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極と、液晶パネルに形成されたパッド(ボンディングパッド)とをフェイスダウンボンディング接続する接続方式が一般的である。
【0005】
そして、COG方式の接続方法としては、駆動用ICのバンプ電極を半田にて形成し、これを溶融してIC搭載部のパッドと接続する方法や、バンプ電極をAu等の金属により形成し、導電性ペーストまたは異方性導電接着剤によりパッドと接続する方法等がある。
【0006】
異方性導電接着剤とは、絶縁性接着剤中に導電性粒子を拡散させたものであり、異方性導電接着剤中の導電性粒子が、バンプ電極とパッドとの間に挟み込まれることで、駆動用ICと液晶パネルとの間に導通が生まれる。したがって、異方性導電接着剤を用いた接続では、接続ピッチが駆動用ICにおけるバンプ電極の大きさのみに依存し、また、隣り合うバンプ電極間に絶縁性接着剤が充填されるため、バンプ電極間に充分な絶縁性を容易に確保できるなどの利点を有している。このような利点から、近年、COG方式においては、異方性導電接着剤を用いた接続が主流となっている。
【0007】
ここで、液晶パネルに駆動用ICをフェイスダウンボンディング接続した従来の液晶表示装置について説明する。なお、理解を容易にするために、本発明の図面である図2、図3を援用して説明する。
【0008】
図2に示すように、液晶表示装置において、駆動用IC34は、液晶パネル31における液晶駆動用IC搭載部(以下、IC搭載部)33に接続される。IC搭載部33は、液晶パネル31を構成する一対の基板のうち、データ信号線及び走査信号線が形成されている側の表示基板(回路基板)に設けられている。詳細には、表示に寄与する表示部32の周囲であって、表示基板におけるもう一方の基板よりはみ出した周端部に設けられている。また、IC搭載部33には、外部回路よりデータ信号や走査信号を生成するための基となる信号や電源を供給するためのFPC(フレキシブル配線基板)35も接続されている。
【0009】
図9に、フェイスダウンボンディング接続した従来の駆動用IC34と液晶パネル31との接続部構成を示す。ここでは、異方性導電接着剤としてACF(Anisotoropic Conductive Film)と呼ばれる異方性導電膜を用いて接続している。
【0010】
図において、38が液晶パネル31の上記表示基板であり、基板本体部はガラス基板からなる。表示基板38上には、上記したパッド37が形成されている。
また、駆動用IC34には、該パッド37と対向する上記バンプ電極39が形成されている。そして、これら表示基板38と駆動用IC34との間には、ACF40が介在されている。ACF40は、絶縁性接着剤42に均一サイズの導電性粒子41が混在されてなるものである。上記パッド37とバンプ電極39との間には、このACF40に含まれる導電性粒子41が挟まれており、この導電性粒子41の周囲に、絶縁性接着剤42が充填されている。
【0011】
このようなACF40を用いた接続では、図3に示すように、まず、表示基板38上にACF40が圧着され、次いで、表示基板38と駆動用IC34との位置合わせが行われ、その後、圧着ツール36にて、駆動用IC34側より加熱圧着が施される。
【0012】
加熱圧着されることで、パッド37とバンプ電極39との間に挟まれた上記導電性粒子41は、厚み方向に弾性変形(扁平)し、その周りの絶縁性接着剤42が硬化することで、変形状態を保持したまま固定されることとなる。その結果、パッド37とバンプ電極39との導通が確保され、電気的接続が実現される。また、硬化した絶縁性接着剤42にて、表示基板38と駆動用IC34との機械的接続も実現される。
【0013】
なお、このような導電性粒子41を弾性変形させて、パッド37とバンプ電極39との導通を確保する接続方法については、例えば特開平10−206874号公報に記載されている。
【0014】
そして、近年、液晶表示装置に関わらず、表示装置全般に高精細化が求められており、この高精細化にて、上記バンプ電極39及びパッド37においては、配設ピッチの縮小及びサイズの縮小が進み、ACF40中に混在される導電性粒子41の粒子直径も、5μmから3μmへとより小さいものが使われるのが一般的となってきている。
【0015】
【発明が解決しようとする問題】
ところで、上述したように、従来、駆動用IC34を表示基板38にACF40を介して接続する際、駆動用IC34側から圧着ツール36を押し当てて加熱圧着している。そのため、圧着ツール36が接触する駆動用IC34と接触しない表示基板38とでは、熱による膨張量に差が生じ、このような膨張量に差を持った状態でACF40の硬化が進行することとなる。その結果、表示基板38と駆動用IC34とに収縮量の差が生じ、この差によって、接続後の駆動用IC34と表示基板38とには、図10に示すような、駆動用IC34側を凹とした反りが発生する。このような反りは、僅かであればさほど問題ではない。
【0016】
しかしながら、今日、高精細化による出力数の増加に加えて、液晶表示装置における狭額縁化が図られる結果、駆動用IC34は、その縦横の比であるアスペクト比(長辺寸法/短辺寸法)が高くなる傾向にあり、高アスペクト比の駆動用IC34においては、駆動用IC34と表示基板38とに発生する上記反りが大きくなる。
【0017】
反りが大きくなると、駆動用IC34における長手方向の端部側において、駆動用IC34に形成されたバンプ電極39と表示基板38上のパッド37との間の導通がとり難くなり、例えば、高温高湿試験後に、端部側の接続抵抗が大きく上昇するといった不具合を生じる。
【0018】
これは、反りにより、駆動用IC34の長手方向端部側に、駆動用IC34と、表示基板38との距離を広げる力が作用するためである。このような力が作用すると、長手方向端部側以外の部位では、図11(a)に示すように、導電性粒子41は十分に弾性変形(扁平)した状態で保持されるが、長手方向端部側においては、同図(b)に示すように、導電性粒子41が十分に弾性変形しなくなり、導電性粒子42とパッド37及びバンプ電極39との接触面積が低下し、接続抵抗が上がることとなる。
【0019】
また、高アスペクト化が進んで、駆動用IC34が細長くなると、加熱圧着時に、圧着ツール36を片当たりなく均一に押すことが難しくなり、これによっても、長手方向端部側における接続抵抗が上がることとなる。片当たりとは、圧着ツール36が駆動用IC34を均一に押圧するのではなく、圧着ツール36の押圧面が駆動用IC34の被押圧面に対して傾きを持った状態で押圧することである。当たりが浅い端部側では、導電性粒子41を十分に弾性変形させることができず、接続抵抗が上がる。
【0020】
そして今日、狭額縁化及び低コスト化を進める上で、駆動用IC34においては、バンプ電極39を、従来の長手方向に沿う長辺2辺だけでなく、長手方向端部となる短手方向に沿う2辺をも含めた矩形の4端片に置くことが必要となっている。そのため、このような長手方向端部側で生じる導通不良は、甚だ問題となり、接続信頼性を低下させている。
【0021】
本発明は、上記課題に鑑み成されたもので、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造、電子部品、液晶表示装置、電子部品の製造方法、異方性導電接着剤を提供することにある。
【0022】
【問題を解決するための手段】
本発明の基板接続部の構造は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいことを特徴としている。
【0023】
半導体基板を回路基板に電極面同士を対向させてフェイスダウンボンディング接続する場合、異方性導電接着剤を用いて接続すると、その加熱圧着プロセス時の半導体基板と回路基板との膨張量の差によって、半導体基板及び回路基板に反りが発生する。このような反りは、半導体基板の高アスペクト化が進むと大きくなり、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用し、半導体基板の端部側において、導電性粒子が十分に弾性変形しなくなる。その結果、導電性粒子と回路基板及び半導体基板との間に接触面積を確保できず、導通を確保できなくなり、接続抵抗が上がってしまう。
【0024】
また、このような異方性導電接着剤を用いた接続では、異方性導電接着剤は厚さ方向に導電性を有し、面方向に絶縁性を有する必要があるため、導電性粒子の粒子径を単純に大きくして上記した端部側における接続信頼性を向上するといったことはできない。粒子径を単純に大きくすると、電極が狭ピッチに形成されている場合に、短絡してしまう恐れがある。
【0025】
そこで、本発明では、異方性導電接着剤の導電性粒子の粒子径を、半導体基板の端部側で、他の部分の粒子径よりも大きくしている。これにより、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、該力が作用する端部側の導電性粒子は他の部分より大きいので、弾性変形した状態を保持することができる。したがって、導電性粒子と回路基板及び半導体基板との間に十分な接触面積を確保することができ、十分な導通を確保できる。
【0026】
そして、この場合、接続信頼性の低下する端部側だけ導電性粒子を大きくしているので、端部側以外の部分においては、従来通りの小さい導電性粒子を使用でき、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小に対応できる。
【0027】
また、半導体基板の高アスペクト化が進むと、加熱圧着プロセス時に、圧着ツールが片当たりし易くなるが、このように、端部側における導電性粒子の粒子径を大きくしておくことで、たとえ一方の端部側で圧着ツールの当たりが浅く(弱く)なっても、導電性粒子を弾性変形させることができる。特に、同じヤング率であっても、粒子径の大きな導電性粒子は粒子径の小さい導電性粒子よりも弾性変形し易いので、当たりが弱くなっても十分に変形して、導通を確保することができる。
【0028】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができる。
【0029】
また、本発明の基板接続部の構造では、上記構成に加えて、さらに、上記回路基板と半導体基板とにおける上記大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチが、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成されていることを特徴としてもよい。
【0030】
上述したように、半導体基板の端部側における接続信頼性を上げるために、端部側に配される導電性粒子を大きくすることは有効である。しかしながら、電極ピッチを、中央部の小さい導電性粒子に適したものと同じとした場合、面方向の絶縁性を確保するためには、大きさの限界がある。
【0031】
そこで、上記構成では、回路基板と半導体基板とにおける大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチを、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成している。
つまり、まず、端部側の接続信頼性を十分に上げることのできる導電性粒子の径を決定し、この粒子径に合わせて、電極ピッチを設定している。したがって、端部側においてのみピッチが粗くなるが、端部側の接続信頼性を十分に上げることができる。
【0032】
また、本発明の基板接続部の構造では、さらに、上記構成に加えて、上記大きな導電性粒子が配される領域が、上記回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定されていることを特徴としてもよい。
【0033】
上述したように、半導体基板の端部側における導電性粒子の粒子径を他の部分よりも大きくしておくことで、反り及び片当たりによる半導体基板の端部側における接続不良を無くすることができる。しかしながら、このような大きな導電性粒子を設ける領域を必要以上に広くとると、特に、大きな導電性粒子に応じた電極ピッチ及びサイズで電極を形成した場合、狭ピッチ化が阻害される。
【0034】
そこで、上記構成では、大きな導電性粒子が配される領域を、回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定している。したがって、大きな導電性粒子を配置する領域を、目的にあった適切な大きさに設定することができ、端部側の接続信頼性を向上させながら、狭ピッチ化にも十分に対応できる。
【0035】
また、本発明の基板接続部の構造は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、上記半導体基板上の位置応じた値に設定されていることを特徴としている。
【0036】
上述したように、半導体基板を回路基板に電極面同士を対向させてフェイスダウンボンディング接続する場合、半導体基板及び回路基板に反りが発生し、このような反りは、半導体基板の高アスペクト化が進むと大きくなり、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用する結果、半導体基板の端部側において、導電性粒子が十分に弾性変形せず、導通を確保できなくなる。
【0037】
また、このような異方性導電接着剤を用いた接続では、異方性導電接着剤は厚さ方向に導電性を有し、面方向に絶縁性を有する必要があるため、導電性粒子の粒子径を単純に大きくして上記した端部側における接続信頼性を向上するといったことはできない。
【0038】
そこで、本発明では、異方性導電接着剤の導電性粒子の粒子径を、回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、半導体基板上の位置応じた値に設定している。つまり、半導体基板の端部側において、回路基板と半導体基板との距離が広がって、中央部と同じサイズの導電性粒子では十分な弾性変形が得られないのであれば、広がった距離でも十分な弾性変形が得られるような大きさの導電性粒子とする。
【0039】
これにより、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、例えば半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、該力の作用を鑑みて導電性粒子の大きさが設定されているので、導電性粒子を十分に弾性変形させて、十分な導通を確保できる。
【0040】
そして、この場合、反りによる接続信頼性の低下を、導電性粒子の大きさを全体的に大きくするのではなく、半導体基板上の位置に応じて導通不良が発生しないように制御するので、小さい導電性粒子でも導通を確保し得る部分には小さな導電性粒子を用い、これに応じた電極ピッチ及び寸法とすることで、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小にも対応できる。
【0041】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができる。
【0042】
また、本発明の基板接続部の構造においては、半導体基板のアスペクト比が10以上である構成に適用することが好ましい。半導体基板のアスペクト比が10を超えると、反りによる端部側の導通不良の問題が高い確率で発生し易くなる。
したがって、アスペクト比10以上の場合に本発明の基板接続部の構造を適用することが、非常に有効である。
【0043】
本発明の電子部品は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とを有し、該回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている電子部品において、上記回路基板と半導体基板とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0044】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を有する本発明の電子部品も、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなる。
【0045】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶パネルと、液晶を駆動するための駆動素子とを有し、上記液晶パネルの一方の基板に上記駆動素子が互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている液晶表示装置において、上記一方の基板と駆動素子とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0046】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を液晶パネルと駆動素子との接続部に有する本発明の液晶表示装置は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置となる。
【0047】
本発明の電子部品の製造方法は、上記課題を解決するために、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程を有する電子部品の製造方法において、上記接続工程では、上記回路基板と半導体基板との反りに応じて導電性粒子の粒子径が制御された異方性導電接着剤を用いることを特徴としている。
【0048】
これによれば、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程において、導電性粒子の粒子径が回路基板と半導体基板との反りに応じて制御された異方性導電接着剤用いて、回路基板と半導体基板とを接続するようになっている。
【0049】
したがって、既に説明したように、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能な電子部品を製造することができる。また、該接続工程を、液晶表示装置における液晶パネルとその駆動素子との接続工程として液晶表示装置を製造すれば、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置を製造することができる。
【0050】
また、本発明の異方性導電接着剤は、上記課題を解決するために、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる、長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤であって、長尺方向と直交する方向の両端部側における上記導電性粒子の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きいことを特徴としている。
【0051】
このような、一枚の長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤において、長尺方向と直交する方向の両端部側、つまり、長尺方向に沿って延びる端部の導電性粒子を、中央部の導電性粒子よりも大きくしておくことで、これを、半導体基板或いは駆動素子が搭載される回路基板或いは表示基板上に、半導体基板或いは駆動素子の形状に合わせてカットして圧着することで、上記した基板接続部の構造、及びこれを有する電子部品、液晶表示装置を、容易に製造することができる。
【0052】
なお、特開平7−131153号公報には、半導体基板と回路基板とを接続するにおいて、粒子径が大きく柔らかい第1の導電性粒子と、粒子径が小さく硬い第2の導電性粒子とが絶縁性接着剤中に混合されてなる導電用接合剤を用いることが開示されている。しかしながら、これは、言うまでもないが、粒子径の大きい第1の導電性粒子にて導通を確保し、小さい第2の導電性粒子は、スペーサとして機能させるものであって、大きさの異なる2種類の導電性粒子は、絶縁性接着剤中にランダムに混在されており、半導体基板の端部側における安定した接続を実現し得る本発明の基板接続部の構造とは、全く異なるものである。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1〜図8に基づいて説明すれば以下の通りである。ここでは、本発明の基板接続部の構造、及び該構造を有する電子部品として、液晶表示装置を例示する。
【0054】
本実施の形態の表示装置である液晶表示装置は、液晶パネルに液晶駆動用IC(駆動素子、半導体基板)を、ベアチップ実装したCOG方式を採用している。
また、本液晶表示装置は、液晶駆動用IC(以下、駆動用IC)に突起状のバンプ電極(ボンディングバンプ電極)を形成し、このバンプ電極と液晶パネルのパッド(ボンディングパッド)とをフェイスダウンボンディング接続した構成となっている。
【0055】
図2は、本液晶表示装置の構成を概略的に示す平面図である。この図に示すように、本液晶表示装置は、液晶パネル1と、駆動用IC4と、FPC5とを備えている。
【0056】
液晶パネル1は、一対のガラス基板間に液晶層が封入されることで構成されており、表示部2及び液晶駆動用IC搭載部(以下、IC搭載部)3を有している。また、駆動用IC4は、液晶を駆動するための集積回路であり、FPC5は、駆動用IC4に対し、外部から供給されるデータ信号および走査信号を入力するためのものである。これら駆動用IC4及びFPC5は、液晶パネル1におけるIC搭載部3に搭載されている。
【0057】
IC搭載部3は、表示部2にデータ信号及び走査信号を供給する信号配線を有する表示基板側に設けられている。特に図示してはいないが、IC搭載部3には、上記信号配線と短絡されたパッドが形成されており、該パッドと駆動用IC4の出力側電極に設けられたバンプ電極とが接続されている。また、IC搭載部3には、駆動用IC4へ信号および電源を入力するための複数の入力配線、この入力配線の信号出力端と短絡されたパッド、及び上記入力配線の信号入力端と短絡されたFPC入力端子も形成されている。上記入力配線に短絡されたパッドと駆動用IC4の入力側に電極に設けられたバンプ電極とが接続されており、上記FPC入力端子に上記FPC5が接続されている。
【0058】
図1に、本液晶表示装置における駆動用IC4及び液晶パネル1との接続部構成を示す。これは、図2のB−B’断面図であり、ここでは、異方性導電接着剤としてACFを用いて接続している。
【0059】
図において、8が液晶パネル1の上記表示基板であり、基体本体はガラスからなる。表示基板8上には、上記したパッド7が形成されている。また、駆動用IC4には、該パッド7と対向する上記バンプ電極9が形成されている。そして、これら表示基板8と駆動用IC4との間には、絶縁性接着剤12に導電性粒子11が混合されてなる導電性粒子ACF10が介在されている。
【0060】
ここで、注目すべきは、このACF10に含まれている導電性粒子11の粒子径にある。図9、図10に示した従来の接続に用いられていたACF40は、絶縁性接着剤41中に均一サイズの導電性粒子42が混在されてなるものであった。これに対し、本液晶表示装置に用いられているACF10は、導電性粒子11の粒子径が、駆動用IC4の部位に応じて異なっている。詳細には、図1に示すように、駆動用IC4の長手方向方向の両端部側における導電性粒子11の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きくなっている。以降、粒子径で導電性粒子11を区別する必要がある場合、大きい方の導電性粒子を大サイズ導電性粒子11aとし、小さい方の導電性粒子を小サイズ導電性粒子11bとする。なお、ここでは導電性粒子11の粒子径を2種類としたが、3種類以上としてもよい。
【0061】
駆動用IC4の長手方向端部側でパッド7とバンプ電極9との接続に寄与する導電性粒子11を、このような大サイズ導電性粒子11aとすることで、駆動用IC4と表示基板8との加熱圧着後の反りにて、駆動用IC4と表示基板8との間を広げる方向の力が駆動用IC4の端部側に作用したとしても、導電性粒子11を十分に弾性変形させることが可能となり、長手方向端部側の導通不良を防止することができる。
【0062】
以下、これについて詳細に説明する。図3は、駆動用IC4を表示基板8にフェイスダウンボンディング接続する際の加熱圧着プロセスを説明するものである。接続に当たっては、まず、表示基板8に上にACF10が圧着され、次いで、表示基板8と駆動用IC4との位置合わせが行われる。そして、その後、圧着ツール6にて、駆動用IC4側より加熱圧着が施されることとなる。圧着条件としては、例えば、温度170℃〜190℃、加圧力70MpPa〜90MPa、加圧時間8秒〜12秒である。これにより、ACF10が硬化(熱硬化)して、駆動用IC4と表示基板8とが接着される
加熱圧着されることで、図1に示すように、パッド7とバンプ電極9との間に挟まれた上記導電性粒子11は、厚み方向に弾性変形(扁平)し、その周りの絶縁性接着剤12が硬化することで、変形状態を保持したまま固定されることとなる。その結果、パッド7とバンプ電極9との導通が確保され、電気的接続が実現される。また、硬化した絶縁性接着剤12にて、表示基板8と駆動用IC4との機械的接続も実現される。
【0063】
ところで、前述したように、駆動用IC4を表示基板8にACF10を用いて接続する際、駆動用IC4側から圧着ツール6を押し当てて加熱圧着するため、圧着ツール6が接触する駆動用IC4と接触しない表示基板8との熱膨張量の差が生じ、この差によって、接続後の駆動用IC4と表示基板8とには、図1にも示すような、駆動用IC4側を凹とした反りが発生する。
【0064】
このような反りは、今日の駆動用IC4における高アスペクト化が進むと問題となる程度に大きくなり、駆動用IC4の長手方向端部側における導通不良を引き起こすこととなる。これは、反りにより、駆動用IC4の長手方向端部側に、駆動用IC4と表示基板8との距離を広げる力が作用するためである。
【0065】
本液晶表示装置では、図1に示すように、ACF10に混合されている導電性粒子11を、粒子径の異なる2種類とし、反りにて導通不良の問題が発生しない長手方向端部側を除く部分(その他の部分)では、狭ピッチ化されたパッド7及びバンプ電極9に適した小サイズ導電性粒子11bとし、反りによる導通不良の問題のある長手方向端部側においては、大サイズ導電性粒子11aを配している。
【0066】
したがって、図4(b)に示すように、長手方向端部側を除く部分で、小サイズ導電性粒子11bが十分に弾性変形(扁平)した状態で保持されるに加え、たとえ反りにて駆動用IC4と表示基板8との距離を広げる力が長手方向端部側に作用しても、同図(b)に示すように、長手方向端部側において大サイズ導電性粒子11aが十分に弾性変形し、導電性粒子11とパッド7及びバンプ電極9との接触面積を十分に確保して、十分な導通を確保できる。
【0067】
また、高アスペクト化が進んで、駆動用IC4が細長くなると、上記した加熱圧着時に、圧着ツール6を片当たりなく均一に押すことが難しくなり、これによっても、駆動用IC4の長手方向端部側における導通不良が発生し易くなるが、このように、長手方向端部側の接続に寄与する導電性粒子11を大サイズ導電性粒子11aとすることで、たとえ一方の端部側で圧着ツール6の当たりが浅く(弱く)なっても、導電性粒子11を弾性変形させることができる。
【0068】
特に、同じヤング率であっても、粒子径の大きな導電性粒子11は粒子径の小さい導電性粒子よりも弾性変形し易いため、圧着ツール6の当たりが弱くなっても十分に変形して、導通を確保することができる。
【0069】
ところで、このように、反りによる導通不良を考えて、駆動用IC4上の位置に応じて接続に寄与する導電性粒子11の粒子径を異ならせ、導通不良が発生しやすい長手方向端部側において、粒子径を大きくするとは有効である。しかしながら、大サイズ導電性粒子11aにて接続するパッド7及びバンプ電極9のサイズや配設ピッチを、小サイズ導電性粒子11bに適したものと同じとした場合、面方向の絶縁性を確保するために、大サイズ導電性粒子11aの大きさには限界がある。
【0070】
そこで、本液晶表示装置では、図1にも示されているが、大サイズ導電性粒子11aに応じて、長手方向端部側におけるパッド7及びバンプ電極9の配設ピッチを設定している。つまり、まず、長手方向端部側の導通を十分に確保できる導電性粒子11の粒子径を決定し、この粒子径に合わせて、長手方向端部側におけるパッド7及びバンプ電極9の配設ピッチを決定している。
【0071】
図5に上記駆動用IC4の電極面の平面図を示し、図6にACF10の平面図に相当するものを模式的に示している。
導電性粒子の平面図を模式的に示す。図5において、9bが入力側電極に形成されたバンプ電極であり、矩形を成す駆動用IC4における3辺に形成されている。また、9aが出力側電極に形成されたバンプ電極であり、駆動用IC4の長手方向に沿う1辺に形成されている。また、図6において、10aにて示す領域が、ACF10における大サイズ導電性粒子11aが混合されている領域であり、10bにて示す領域が、ACF10における小サイズ導電性粒子11bが混合されている領域である。
【0072】
図5、図6よりわかるように、駆動用IC4における長手方向の両端部の短手方向に沿う端部に設けられた入力側電極のバンプ電極9bは、同じ入力側電極のバンプ電極9bであっても、接続に寄与する大サイズ導電性粒子11aに合わせて、長手方向に沿う長辺に設けられたものとは、配設ピッチが広くなっている。
【0073】
このような構成とすることで、長手方向端部側においてのみ電極ピッチが粗くはなるが、接続信頼性は十分に上げることができる。
【0074】
そして、図6に示す、このような導電性粒子11を大サイズ導電性粒子11aとする領域10aの長手方向寸法L1は、上記した反りに応じて設定されており、つまり、反りにて導通不良が発生する領域の長手方向寸法に相当する。
【0075】
例えば、駆動用IC4の長手方向寸法をLとすると、アスペクト比が10の駆動用IC4では、上記L1/L=0.017〜0.020の範囲とすることが望ましい。これは、上記した圧着条件で、厚さ0,4mmの駆動用IC4を、厚さ0.7mmのガラス基板からなる表示基板8に、接続した場合の反りに応じて設定した値である。
【0076】
なお、このような大サイズ導電性粒子11aとする領域10aの長手方向寸法L1は、駆動用IC4のアスペクト比、駆動用IC4の厚み、表示基板8側の基板厚、及び圧着条件等が変われば当然変化するものであり、種々の条件を基に、該条件に最適な大サイズ導電性粒子11aとする領域10aの長手方向寸法L1を設定すればよい。
【0077】
本願発明者らは、駆動用IC4のアスペクト比が10近傍より、上記した反りによる端部側の導通不良が顕著に表れることを確認している。したがって、アスペクト比が10以上の駆動用IC4を使用する場合に、このような導電性粒子11を駆動用IC4の位置に応じて制御する接続構造が好ましい。
【0078】
また、図7に、アスペクト比とL1/Lとの関係を示すように、アスペクト比が大きくなるほど、L1/Lは大きくなり、長手方向端部側のより広い領域において、大サイズ導電性粒子11aを配置する必要があることも確認している。さらに、図8に、アスペクト比と反り量の関係を示すように、アスペクト比が大きくなるほど、反り量が大きくなることも確認している。なお、図7、図8のデータ、温度180℃、加圧力70MpPa、加圧時間10秒とし、厚さ0,4mmの駆動用IC4を、厚さ0.7mmのガラス基板からなる表示基板8に搭載し、駆動用IC4のチップ幅1.1〜1.8mm、チップ長さ11.6〜20mmの範囲に入るものを用いた。
【0079】
ここで、上記ACF10の一例について説明する。上述したように、ACF10は、2種類の粒子径の導電性粒子11を絶縁性接着剤12中に混在してなる。
ACF10は、大サイズ導電性粒子11aが粒子径4〜5μm、小サイズ導電性粒子11bが粒子径2〜3μmからなり、大サイズ導電性粒子11aの充填量は25000〜30000個/mm2、小サイズ導電性粒子11bの充填量は55000〜60000個/mm2からなる。
【0080】
また、導電性粒子11としては、プラスチック球にニッケルめっきした後、金メッキを施して形成されたものを用いている。そして、このような導電性粒子11加えて、絶縁性接着剤12として、エポキシ樹脂a(重量平均分子量が1万〜10万の範囲内の樹脂a)と、エポキシ樹脂b(重量平均分子量が1000以下の樹脂b)と、硬化剤とを含有している。
【0081】
このようなACF10では、上記のような成分を含んでいることにより、硬化後のヤング率が1.4GPa〜2.0GPaであり、また、硬化後のガラス転移温度が110℃〜135℃となっている。
【0082】
ここで挙げた一例のACF10に適している駆動用IC4のバンプ電極9のピッチは、長手方向端部側で70μm、それ以外の領域では60μmとなっている。ピッチが70μmの場合のパッド7とバンプ電極9とのズレが生じた際の許容幅は20μmであり、ピッチ60μmの許容幅は10μmである。通常、導電性粒子11が3つ並んだ寸法が、この許容幅以下であれば、ACFにおける面方向の絶縁性は確保されるとされている。ここで挙げた一例のACF10の場合、長手方向端部側の大サイズ導電性粒子11aは粒子径4〜5μm、小サイズ導電性粒子11bは粒子径2〜3μmである。したがって、長手方向端部側及びその他の部分も全て上記許容幅以下の条件を満足し、面方向の絶縁性が確保されていることがわかる。
【0083】
また、このようなACF10は、通常、長尺状に形成され、リールに巻き取られており、ここでは、長尺方向と直交する方向の両端部側、つまり、長尺方向に沿って延びる端部の寸法Ll部分が大サイズ導電性粒子11aを含み、その他の中央部で小サイズ導電性粒子11bを含んだ構成となっている。したがって、このようなACF10を使用することで、ACF10を駆動用IC4の寸法(図6のH)に合わせカットするだけで、粒子径の異なる導電性粒子11を一工程で配置でき、製造工程を簡素化できる。
【0084】
もちろん、図6の10aにて示す領域に相当する大サイズ導電性粒子11aが混合されているACFと、10bにて示す領域に相当する小サイズ導電性粒子11bが混合されているACFとを別々に用意し、各々別工程で配置してもよい。
【0085】
【発明の効果】
本発明の基板接続部の構造は、以上のように、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいことを特徴としている。
【0086】
これによれば、異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいので、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、弾性変形した状態を保持することができ、十分な導通を確保できる。
【0087】
そして、この場合、接続信頼性の低下する端部側だけ導電性粒子を大きくしているので、端部側以外の部分においては、従来通りの小さい導電性粒子を使用でき、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小に対応できる。
【0088】
また、半導体基板の高アスペクト化が進むと、加熱圧着プロセス時に、圧着ツールが片当たりし易くなるが、このように、端部側における導電性粒子の粒子径を大きくしておくことで、たとえ一方の端部側で圧着ツールの当たりが浅く(弱く)なっても、導電性粒子を弾性変形させることができる。特に、同じヤング率であっても、粒子径の大きな導電性粒子は粒子径の小さい導電性粒子よりも弾性変形し易いので、当たりが弱くなっても十分に変形して、導通を確保することができる。
【0089】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができるという効果を奏する。
【0090】
また、本発明の基板接続部の構造では、上記構成に加えて、さらに、上記回路基板と半導体基板とにおける上記大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチが、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成されていることを特徴としてもよい。
【0091】
これによれば、回路基板と半導体基板とにおける大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチを、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成しているので、端部側においてのみピッチが粗くなるが、端部側の接続信頼性を十分に上げることができるという効果を奏する。
【0092】
また、本発明の基板接続部の構造では、さらに、上記構成に加えて、上記大きな導電性粒子が配される領域が、上記回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定されていることを特徴としてもよい。
【0093】
これによれば、大きな導電性粒子が配される領域を、回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定しているので、大きな導電性粒子を配置する領域を、目的にあった適切な大きさに設定することができ、端部側の接続信頼性を向上させながら、狭ピッチ化にも十分に対応できるという効果を奏する。
【0094】
また、本発明の基板接続部の構造は、以上のように、回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、上記半導体基板上の位置応じた値に設定されていることを特徴としている。
【0095】
これによれば、異方性導電接着剤の導電性粒子の粒子径を、回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、半導体基板上の位置応じた値に設定している。つまり、半導体基板の端部側において、回路基板と半導体基板との距離が広がって、中央部と同じサイズの導電性粒子では十分な弾性変形が得られないのであれば、広がった距離でも十分な弾性変形が得られるような大きさの導電性粒子とする。
【0096】
これにより、接続時の加熱圧着プロセスにて、半導体基板と回路基板とに反りが生じ、例えば半導体基板の端部側に、半導体基板と回路基板との距離を広げる力が作用したとしても、該力の作用を鑑みて導電性粒子の大きさが設定されているので、導電性粒子を十分に弾性変形させて、十分な導通を確保できる。
【0097】
そして、この場合、反りによる接続信頼性の低下を、導電性粒子の大きさを全体的に大きくするのではなく、半導体基板上の位置に応じて導通不良が発生しないように制御するので、小さい導電性粒子でも導通を確保し得る部分には小さな導電性粒子を用い、これに応じた電極ピッチ及び寸法とすることで、高精細化に伴う電極ピッチの縮小及び電極サイズの縮小にも対応できる。
【0098】
つまり、これにより、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能な基板接続部の構造を実現することができるという効果を奏する。
【0099】
また、本発明の基板接続部の構造においては、半導体基板のアスペクト比が10以上である構成に適用することが好ましい。半導体基板のアスペクト比が10を超えると、反りによる端部側の導通不良の問題が高い確率で発生し易くなる。
したがって、アスペクト比10以上の場合に本発明の基板接続部の構造を適用することが、非常に有効である。
【0100】
本発明の電子部品は、以上のように、回路基板と半導体基板とを有し、該回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている電子部品において、上記回路基板と半導体基板とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0101】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を有する本発明の電子部品も、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなるという効果を奏する。
【0102】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶パネルと、液晶を駆動するための駆動素子とを有し、上記液晶パネルの一方の基板に、上記駆動素子が、互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている液晶表示装置において、上記一方の基板と駆動素子とが、上記した基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴としている。
【0103】
既に説明したように、上記した構成の基板接続部の構造は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化にも対応可能である。したがって、このような基板接続部の構造を液晶パネルと駆動素子との接続部に有する本発明の液晶表示装置は、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置となるという効果を奏する。
【0104】
本発明の電子部品の製造方法は、以上のように、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程を有する電子部品の製造方法において、上記接続工程では、上記回路基板と半導体基板との反りに応じて導電性粒子の粒子径が制御された異方性導電接着剤を用いることを特徴としている。
【0105】
これによれば、回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程において、導電性粒子の粒子径が回路基板と半導体基板との反りに応じて制御された異方性導電接着剤用いて、回路基板と半導体基板とを接続するようになっている。
【0106】
したがって、既に説明したように、接続信頼性と絶縁抵抗信頼性を共に確保しながら、電極ピッチ及び電極サイズの縮小に対応可能であると共に、半導体基板の高アスペクト化に対応可能な電子部品を製造することができる。また、該接続工程を、液晶表示装置における液晶パネルとその駆動素子との接続工程として液晶表示装置を製造すれば、高精細化及び狭額縁化を図る上で不可欠な、電極ピッチ及び電極サイズの縮小、及び、半導体基板の高アスペクト化に対応可能なものとなり、高付加価値を有する液晶表示装置を製造することができるという効果を奏する。
【0107】
また、本発明の異方性導電接着剤は、以上のように、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる、長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤であって、長尺方向と直交する方向の両端部側における上記導電性粒子の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きいことを特徴としている。
【0108】
このような、一枚の長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤において、長尺方向と直交する方向の両端部側、つまり、長尺方向に沿って延びる端部の導電性粒子を、中央部の導電性粒子よりも大きくしておくことで、これを、半導体基板或いは駆動素子が搭載される回路基板或いは表示基板上に、半導体基板或いは駆動素子の形状に合わせてカットして圧着することで、上記した基板接続部の構造、及びこれを有する電子部品、液晶表示装置を、容易に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板接続部の構造を有する液晶表示装置における、液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続部分の構造を示す断面図である。
【図2】本発明及び従来の液晶表示装置の概略平面図である。
【図3】本発明及び従来の液晶表示装置の液晶パネルに液晶駆動用ICを接続する接続プロセスを示す断面図である。
【図4】本発明での液晶駆動用ICにおけるバンプ電極と液晶パネルのパッドとの接続部分の構造を拡大して示す説明図であり、(a)は、長手方向端部側、(b)は長手方向端部側を除くその他の部分のものである。
【図5】本発明の液晶表示装置における上記液晶駆動用ICの電極面の平面図である。
【図6】本発明の液晶表示装置において、液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続に用いられるACFの平面図を模式的に示した図面である。
【図7】液晶駆動用ICのアスペクト比と、L1(液晶駆動用ICにおける大サイズ導電性粒子を配する領域の長手方向寸法)/L(液晶駆動用ICの長手方向寸法)との関係を示すグラフである。
【図8】液晶駆動用ICのアスペクト比と、液晶駆動用ICと表示基板とに発生する反り量との関係を示すグラフである。
【図9】従来の液晶表示装置における、液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続部分の要部の構造を示す断面図である。
【図10】反りを示す、従来の液晶表示装置における液晶駆動用ICと液晶パネルとの接続部分の構造を示す断面図である。
【図11】従来の液晶表示装置における、液晶駆動用ICにおけるバンプ電極と液晶パネルのパッドとの接続部分の構造を拡大して示す説明図であり、(a)は、長手方向端部側、(b)は長手方向端部側を除くその他の部分のものである。
【符号の説明】
1 液晶パネル
2 表示部
3 液晶駆動用IC搭載部
4 液晶駆動用IC(半導体基板、駆動素子)
6 圧着ツール
7 ボンディングパッド(電極)
8 表示基板(回路基板)
9 ボンディング用バンプ電極(電極)
10 ACF(異方性導電接着剤)
10a 大サイズ導電性粒子が混合されている領域
10b 小サイズ導電性粒子が混合されている領域
11 導電性粒子
11a 大サイズ導電性粒子
11b 小サイズ導電性粒子
12 絶縁性接着剤
Claims (9)
- 回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、
上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記半導体基板の端部側にて他の部分よりも大きいことを特徴とする基板接続部の構造。 - 上記回路基板と半導体基板とにおける上記大きな導電性粒子が配される領域の電極ピッチが、当該導電性粒子の粒子径に応じて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板接続部の構造。
- 上記大きな導電性粒子が配される領域が、上記回路基板と半導体基板との反りの量に応じて設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板接続部の構造。
- 回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている基板接続部の構造において、
上記異方性導電接着剤における導電性粒子の粒子径が、上記回路基板と半導体基板とが反ることで生じる電極間の導通不良を無くするように、上記半導体基板上の位置応じた値に設定されていることを特徴とする基板接続部の構造。 - 上記半導体基板のアスペクト比が10以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基板接続部の構造。
- 回路基板と半導体基板とを有し、該回路基板と半導体基板とが互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている電子部品において、
上記回路基板と半導体基板とが、請求項1〜5に記載の基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴とする電子部品。 - 一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶パネルと、液晶を駆動するための駆動素子とを有し、上記液晶パネルの一方の基板に上記駆動素子が互いの電極面同士を対向させて、電極面間に介在する、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を用いて接続されている液晶表示装置において、
上記一方の基板と駆動素子とが、請求項1〜5に記載の基板接続部の構造を有して接続されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 回路基板と半導体基板とを、電極面同士を対向させて、電極面間に、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる異方性導電接着剤を介在させて圧着して接続する基板の接続工程を有する電子部品の製造方法において、
上記接続工程では、上記回路基板と半導体基板との反りに応じて導電性粒子の粒子径が制御された異方性導電接着剤を用いることを特徴とする電子部品の製造方法。 - 絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散されてなる、長尺状かつフィルム状の異方性導電接着剤であって、
長尺方向と直交する方向の両端部側における上記導電性粒子の粒子径が、その他の部分の粒子径より大きいことを特徴とする異方性導電接着剤。
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