JP2004071676A - Nbコンデンサおよびこれの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニオブコンデンサにおいて、容量ともれ電流の電圧依存性を低く、容量ともれ電流の熱安定性を高くする。
【解決手段】Nbを含む陽極と、この陽極に密着して形成された誘電体層と、を備えたNbコンデンサにおいて、陽極と誘電体層との接触部分に、Mnを含有させた。誘電体層は、たとえばNbを含んでおり、陽極は、Nbを主成分として含んでいる。陽極は、少なくとも表層部おける主成分としてNb酸化物またはNb窒化物を含むものとして形成してもよい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Nbコンデンサおよびこれの製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
固体電解コンデンサの代表的なものとしては、タンタルコンデンサが挙げられる。タンタルコンデンサは、たとえばタンタル粉末の焼結体を化成処理してTaの誘電体層を形成し、この化成体に固体電解質層および陰極を形成したものである。しかしながら、焼結体の原料であるタンタルは、比較的に高価な上に価格変動が大きいといった問題がある。そのため、焼結体の材料としては、資源的に豊富で、しかもタンタルに比べて安価かつ価格変動の小さいニオブを用いることが考えられている。
【0003】
焼結体材料としてニオブを用いるニオブコンデンサにおいても、たとえば焼結体を化成処理することによりニオブ酸化物として誘電体層が形成される。図7(a)に模式的に表したように、Taにより構成された誘電体層内においては酸素濃度のバラツキがほとんど見られないのに対して、同図(b)に模式的に表したように、Nb酸化物により構成された誘電体層内においては酸素濃度にバラツキが生じている。より詳細には、ニオブコンデンサの誘電体層は、その最外部がNbとなっているとともに、焼結体との界面に近い部分ほど酸素濃度が薄くなっている。これは、ニオブはタンタルに比べて反応性が高く、ニオブ酸化物はタンタル酸化物に比べて安定性が悪いことに起因している。そして、ニオブコンデンサに関していえば、焼結体との界面に近い部位ほど価数が変化しやすいといえる。言い換えれば、ニオブ焼結体と誘電体層との間の界面を介して、それらの間で酸素が移動(拡散、酸化還元反応)しやすい。
【0004】
Nb酸化物は、1原子当たりに結合する酸素原子数が多くなれば誘電体となり、結合酸素原子数が少なくなれば誘電体から導電体になる。たとえば、Nbは誘電体であるが、NbOは侵入型化合物であり金属と同等程度の導電性を有する導電体である。このため、酸化膜と金属の界面では酸素数が減少し、導電性をもった酸化物層が形成される。NbはTaより反応性が高く半田実装温度でもこの界面の酸素濃度が変化する。またニオブ酸化物は金属酸化物の半導体であり電圧等で導電層の厚さが変化し漏れ電流や容量が変化することが知られている。そして、誘電体層内において結合酸素原子数が変化(Nbの価数変化)した場合には、誘電体層の厚さが変化し、誘電体として機能する厚みが変化し、誘電率も変化する。その結果、酸素原子数に応じてニオブコンデンサの容量や漏れ電流も変化する。
【0005】
このような結合酸素原子数の変化(Nbの価数変化)は、ニオブコンデンサに作用する印加電圧が変化した場合、あるいはニオブコンデンサの製造時や駆動時の加熱により顕著に生じることが知られている。したがって、ニオブコンデンサでは、タンタルコンデンサに比べて、容量やもれ電流の変化が電圧や熱により起き易い。特に固体電解質層としての二酸化マンガン電極をもったものは、焼結体を化成したあとのwet特性(液体電解質層のコンデンサ)では顕著な電圧依存性が見られるが、二酸化マンガン電極を形成した固体電解コンデンサでは、容量の電圧依存性が減少している。その一方で、固体電解質層を導電性高分子により構成する有機電解コンデンサでは電圧依存性が確認される。
【0006】
【発明の開示】
上述したように、Nbコンデンサは、誘電体層(Nb酸化物)の不安定さに起因して、電圧依存性が高くて耐圧が低く、熱安定性、リーク電流が大きいといった欠点があり、それらが実用化を阻害する要因となっている。このような欠点を解消すべく、本発明者が鋭意検討した結果、誘電体層とNb焼結体(下地Nb)の界面の近傍にMnを存在させることにより、誘電体層を安定化できることを見出し、本発明をするに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係るNbコンデンサは、Nbを含む陽極と、この陽極に密着して形成された誘電体層と、を備えたNbコンデンサであって、上記陽極と上記誘電体層との接触部分に、Mnを含有させたことを特徴としている。
【0008】
誘電体層は、たとえばNbを含んだものとして構成される。陽極としては、Nbを主成分とするものの他、少なくとも表層部における主成分としてNb酸化物またはNb窒化物を主成分とするものが挙げられる。この場合のNb酸化物としては、典型的にはNbOが挙げられ、Nb窒化物としては、典型的にはNbNが挙げられる。Nb酸化物やNb窒化物としては侵入型のものを使用するのが好ましい。
【0009】
上記Nbコンデンサは、電解質層を湿式として構成することもできるが、固体電解質層として構成するのが好ましい。この固体電解質層は、MnOにより構成するのが好ましい。そうすれば、コンデンサ全体としての熱安定性が高くなる。もちろん、固体電解質層を導電性高分子により構成してもよい。本発明で用いることができる導電性高分子としては、たとえばポリチオフェンやポリピロールが挙げられる。
【0010】
ここで、本発明でいう「接触部分」とは、陽極と誘電体層との界面を含むとともに、一定の厚みを有する部分をさすものとする。この接触部分でのMn成分含有形態としては、▲1▼陽極におけるに少なくとも界面側の部分にのみ含有、▲2▼誘電体層におけるに少なくとも界面側の部分にのみ含有、▲3▼陽極および誘電体層の双方におけるに少なくとも界面側の部分に含有、の3つが考えられる。また、Mnは、MnOの状態で接触部分に含有させるのが好ましい。
【0011】
接触部分におけるMnの含有量は、たとえば0.1%wt以上とされる。Mnの含有量が不当に小さければ、Nb酸化物を十分に安定化させることができないからである。Mnの含有量の上限は、陽極や誘電体層の機能を損なわない限りは特に制限はない。ただし、Mnイオンを含む化成液を用いた化成処理により誘電体層を形成する場合には、誘電体層におけるMnの含有量の上限は3wt%とするのが好ましい。これは。誘電体層におけるMnの含有量が3wt%よりも大きくなると、紫色のMn塩が誘電体層の表面に溶出し、陽極に対して適切に密着させた状態で、誘電体層(化成膜)を形成することができないからである。一方、誘電体層をMnを含む気相雰囲気において陽極を気相酸化することにより形成する場合には、誘電体層にはMnを10wt%程度は含有させることができる。したがって、気相酸化により誘電体層を形成する場合には、Mn含有量の上限は10wt%とするのが好ましい。
【0012】
陽極は、膜状に形成してもよいが、小型で容量の大きなコンデンサを提供すべく、多孔質焼結体として形成するのが好ましい。
【0013】
多孔質焼結体は、Nb含有粉末を圧縮成形した後に、これを焼結することにより形成することができる。Nb含有粉末としては、比表面積が2000CV/g以上、たとえば2000CV/g〜500000CV/gのものを使用し、焼結温度は1000℃〜1500℃とするのが好ましい。
【0014】
上記したように、多孔質焼結体にはMnを含有させることもあるが、Mnを含有させる手法としては次の2つが考えられる。第1は、少なくとも表層部にMnを含むNb粉末を用いる方法であり、第2は、Mn成分を含まないNb粉末を圧縮成形したものを焼結した後、これにMnをドープする方法である。誘電体層を形成する前の多孔質焼結体のMnの含有量は、達成すべき接触部分でのMnの含有量に応じて設定されるが、たとえば表層部におけるMn含有量は0.1〜10wt%とされる。
【0015】
誘電体層は、たとえば多孔質焼結体を化成処理し、あるいは気相酸化することにより形成することができる。この場合、誘電体層における界面近傍は、NbOを含む導電性部分とされる。誘電体層にMnを含有させる場合には、少なくとも導電性部分にMnが含有させられ、この導電性部分が上記接触部分を構成することとなる。
【0016】
化成処理は、化成液中に焼結体とともに対向電極を浸漬した上で、焼結体を陽極として焼結体を通電することにより行われる。化成液としては、公知のものを用いればよいが、たとえば0.1wt%のリン酸水溶液を用いることができる。化成液には、Mnイオンを含ませておいてもよい。その場合には、誘電体層はMnを含有したものとして形成され、上述したように誘電体層におけるMn含有量は、たとえば0.1〜3.0wt%とされる。焼結体の通電は、たとえば化成液の液温を室温〜100℃、電流密度を10〜100μA/cm、化成電圧(焼結体と対抗電極との間の目標到達電圧)を5〜120V、通電時間を0.1〜30時間として行う。ただし、焼結体の通電は、漏れ電流が十分低い値になるまで電流値の絞り込んで行うのが好ましい。
【0017】
一方、気相酸化は、大気中、減圧下、あるいは酸素をアルゴンなどで希釈した酸化雰囲気中に焼結体を放置し、加熱することより行われる。加熱温度は、たとえば、200〜400℃とされる。気相酸化時には、雰囲気中にMnを含ませておいてもよい。その場合には、誘電体層はMnを含んだものとして形成され、上述したように誘電体層におけるMn含有量は、たとえば0.1〜10wt%とされる。
【0018】
本発明によれば、Mnの存在によって誘電体層中におけるニオブに結合した酸素原子数が一定に維持され、ニオブ酸化物が安定化されると考えられる。たとえば、Nb酸化物が酸素を放出した場合には、その酸素放出量に応じた分だけMnOからNb酸化物に酸素が供給され、Nbに結合した酸素原子数が一定に維持される。とくに、本発明では、酸素の移動(Nbの価数変化)が生じ易い界面の近傍(接触部分)にMnを存在させているため、界面での安定性を効果的に高めることができる。その結果、電圧印加により容量が変化したり、熱により容量や漏れ電流が変化することの少ない、熱安定性の高いNbコンデンサが提供されることとなる。もちろん、Nb酸化物(誘電体層)を安定化させることにより、リーク電流を小さくできるようになる。
【0019】
【実施例】
実施例1
以下においては、湿式の薄膜コンデンサにおいて、誘電体層にMnを含ませた場合と、そうでない場合とで電圧依存性およびリーク電流を評価した。
【0020】
(薄膜コンデンサの作成)
薄膜コンデンサは、図1および図2に示したような構成とした。具体的には、薄膜コンデンサX1,X2は、ガラス基板1上に導体層2A,2Bおよび誘電体層3A,3Bをこの順序で積層するとともに、誘電体層3A,3Bを覆うようにして電解液4を保持した構成とした。導体層2A,2Bは、DCスパッタにより、厚みが約300nm、投影面積が1cmとなるように形成した。ただし、導体層2Aについては、純NbとMnとを気相中で混合してスパッタを行うことによりMn6wt%、Nb94wt%含むものとして形成し、導体層2Bについては、純Nbにより形成した。誘電体層3A,3Bは、化成液として0.1wt%のリン酸溶液を用いるとともに、最終達成電圧FVを25.5Vとして2時間化成処理を施すことにより形成した。電解液4としては、0.1wt%のリン酸溶液を用いた。
【0021】
(電圧依存性の評価)
電圧依存性は、図2に示したように導体層2A(2B)に電極棒50を、電解液4に電極棒51をそれぞれ接触させ、薄膜コンデンサX1,X2に所定値の電圧を印加し、そのときの容量を測定することにより行った。印加電圧が1.5Vのときの容量を基準とした各印加電圧での容量変化量を、図3に示した。
【0022】
図3から分かるように、導体層2Bとして純Nbを用いるとともにこれを化成処理した誘電体層3Bを備えた薄膜コンデンサX2では、印加電圧の変化に対する容量の変化量が大きくて電圧依存性が高くなっている。これに対して、導体層2AにMnを含有させ、この導体層2Aを化成処理して誘電体層3Aを形成した薄膜コンデンサX1では、容量の変化が殆ど見受けられない。この結果から、Mnを含有させた導体層2Aを化成処理して誘電体層3Aと導体層2Aの界面近傍にMnを存在させた薄膜コンデンサX1では、電圧依存性が小さくなることが確認された。また、Mnの存在により電圧依存性が改善された薄膜コンデンサX1では、耐圧が高いものと推測される。
【0023】
(リーク電流の評価)
リーク電流は、化成電圧FV(25.5V)の65%に相当する電圧を1分間印加した後の値として測定した。その結果を図4に示した。なお、図4には10個のサンプルの測定値を掲載している。
【0024】
図4から分かるように、導体層2Aと誘電体層3Aの界面近傍にMnを含む薄膜コンデンサX1では、Mnを含まない薄膜コンデンサX2に比べてリーク電流が著しく小さくなっている。このため、導体層2Aと誘電体層3Aとの界面の近傍にMnを存在させれば、リーク電流が小さくなることが確認された。
【0025】
先の評価では、湿式の薄膜コンデンサを用いているが、固体電解コンデンサにおいても、Mn添加により、電圧依存性およびリーク電流について同様な効果が得られるものと推測される。
【0026】
実施例2
以下においては、湿式の薄膜コンデンサにおいて、化成処理により誘電体膜を形成する場合のMn濃度の最適化を試みた。
【0027】
(コンデンサの作成)
本実施例の薄膜コンデンサは、基本的には実施例1と同様にして形成した。ただし、導体層は、純Nbにより直径1cmの円形に形成した。誘電体層は、化成液として目的量のMnイオンを含む0.1wt%のリン酸溶液を用い、最終達成電圧FVを20Vとして2時間化成処理を施すことにより、目的濃度(0wt%、0.10wt%、0.20wt%、2.00wt%)のMnを含有するものとして形成した。
【0028】
(Mn濃度の最適化)
Mn濃度の最適化は、実施例1と同様にして電圧依存性を評価するとともに、印加電圧を0V→3Vに変化させたときの容量変化率として評価した。電圧依存性の結果を図5に、電圧変化時の容量変化の結果を図6にそれぞれ示した。
【0029】
図5および図6から明らかなように、Mnを含有しない薄膜コンデンサに比べて、Mnを含有する薄膜コンデンサは、電圧依存性が小さく、印加電圧値が変化した場合でも容量の変化率が小さくなっている。このような効果は、0.1wt%といった微量なMn添加によっても充分に得られている。Mn含有量が2.0wt%までしか検証していないが、Mn含有量が大きくなるにつれて電圧依存性や容量の変化率が小さくなっている。したがって、誘電体層に対するMnを含有量は、0.1wt%以上とするのが好ましく、陽極や誘電体層の機能を損なわない限りはMn含有量の上限には特に制限はないといえる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明では、陽極と誘電体層との接触部分にMnを存在させることにより、電圧依存性およびリーク電流が小さく、耐圧が大きいNbコンデンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた薄膜コンデンサの全体斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】実施例1における電圧依存性の評価結果を示すグラフである。
【図4】実施例1におけるリーク電流の評価結果を示すグラフである。
【図5】実施例2における電圧依存性の評価結果を示すグラフである。
【図6】実施例2における印加電圧の変化に対する容量の変化率の評価結果を示すグラフである。
【図7】コンデンサの誘電体層における酸素濃度の分布状態を説明するための模式図であり、(a)はタンタルコンデンサ、(b)はNbコンデンサをそれぞれ示している。
【符号の説明】
X1、X2 薄膜コンデンサ
2A,2B 導体層(陽極)
3A,3B 誘電体層

Claims (19)

  1. Nbを含む陽極と、この陽極に密着して形成された誘電体層と、を備えたNbコンデンサであって、
    上記陽極と上記誘電体層との接触部分に、Mnを含有させたことを特徴とする、Nbコンデンサ。
  2. 上記誘電体層は、Nbを含んでいる、請求項1に記載のNbコンデンサ。
  3. 上記陽極は、Nbを主成分として含んでいる、請求項1または2に記載のNbコンデンサ。
  4. 上記陽極は、少なくとも表層部おける主成分としてNb酸化物またはNb窒化物を含んでいる、請求項1または2に記載のNbコンデンサ。
  5. Nb酸化物またはNb窒化物は、侵入型化合物である、請求項4に記載のNbコンデンサ。
  6. 上記陽極は、Nb含有粉末の圧縮物を焼結させた多孔質焼結体である、請求項1ないし5のいずれかに記載のNbコンデンサ。
  7. 上記誘電体層は、上記接触部分を構成する導電性部分を有しており、
    この導電性部分は、NbOおよびMnを含んでいる、請求項1ないし6のいずれかに記載のNbコンデンサ。
  8. 上記Nb含有粉末は、少なくとも表層部にMnを含んでいる、請求項6または7に記載のNbコンデンサ。
  9. Mnは、MnOの状態で上記接触部分に含有させられている、請求項1ないし8のいずれかに記載のNbコンデンサ。
  10. 上記接触部分におけるMnの含有量は、0.1〜10wt%である、請求項1ないし9のいずれかに記載のNbコンデンサ。
  11. 上記誘電体層は、化成膜として形成されており、
    上記接触部分におけるMnの含有量は、0.1〜3wt%である、請求項10に記載のNbコンデンサ。
  12. 上記誘電体層の表面に密着して形成された固体電解質層をさらに備えており、この固体電解質層は、MnOにより構成されている、請求項1ないし11のいずれかに記載のNbコンデンサ。
  13. NbおよびMnを含む陽極を形成する工程と、
    上記陽極に密着して誘電体層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、Nbコンデンサの製造方法。
  14. 上記陽極を形成する工程は、少なくとも表層部において、Mnを0.1〜10wt%含むNb含有粉末を圧縮成形した後に、これを焼結することにより行う、請求項13に記載のNbコンデンサの製造方法。
  15. 上記陽極を形成する工程は、Nb含有粉末を圧縮成形したものを焼結した後、これにMnをドープして上記陽極における少なくとも表層部のMnの含有量を0.1〜10wt%とすることにより行う、請求項13に記載のNbコンデンサの製造方法。
  16. Nbを含む陽極を形成する工程と、
    Nb酸化物を主成分とし、かつMnを0.1〜10wt%含有する誘電体層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、Nbコンデンサの製造方法。
  17. 上記誘電体層を形成する工程は、Mnイオンを含む化成液を用いて、上記陽極を化成処理することにより行われ、
    上記誘電体層は、Mnを0.1〜3wt%含有したものとして形成される、請求項16に記載のNbコンデンサの製造方法。
  18. 上記誘電体層を形成する工程は、Mn元素を含む気相雰囲気において、上記陽極を酸化することにより行われ、
    上記誘電体層は、Mnを0.1〜3wt%含有したものとして形成される、請求項16に記載のNbコンデンサの製造方法。
  19. 上記陽極は、Nb、Nb酸化物またはNb窒化物を主成分としている、請求項13ないし18のいずれかに記載のNbコンデンサの製造方法。
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