JP2000188241A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JP2000188241A
JP2000188241A JP10365558A JP36555898A JP2000188241A JP 2000188241 A JP2000188241 A JP 2000188241A JP 10365558 A JP10365558 A JP 10365558A JP 36555898 A JP36555898 A JP 36555898A JP 2000188241 A JP2000188241 A JP 2000188241A
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勝洋 吉田
Toshihiko Nishiyama
利彦 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体層の結晶化部分における絶縁抵抗の低
下を抑制して、漏れ電流特性を向上させた固体電解コン
デンサの提供を目的とする。 【解決手段】 タンタル(Ta)又はニオブ(Nb)よ
りなる陽極体と、該陽極体の表面に形成された酸化物よ
りなる誘電体層6と、該誘電体層6の上に形成された導
電性物質よりなる固体電解質層とを具備してなる固体電
解コンデンサにおいて、前記誘電体層6にマンガン(M
n)含有層を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サ及びその製造方法に係り、特に、優れた漏れ電流特性
を有する固体コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解コンデンサは、陽極・誘電体層
・陰極よりなる基本構造を有するもので、以下この固体
コンデンサを製造する従来工法を工程順に説明する。
【0003】(1) 陽極体の製造方法(図4及び図5
参照) まず、Ta(タンタル),Nb(ニオブ)等の弁作用金
属粉末に成形性を高めるためのバインダを混合し、プレ
ス成形用の造粒粉1を作成する。次に、この造粒粉1を
使用して、プレス工法により陽極リード2(粉末と同じ
材質の金属を使用)を埋設した圧縮成型体3を作成する
(図4参照)。この圧縮成形体3を使用する粉末に合わ
せて高温(Ta,Nbの場合1200〜1600℃程
度)、高真空(10-6Torr程度)の条件下で焼結す
ることにより、固体電解コンデンサ用の陽極体4を得る
(図5参照)。理論上では、陽極体4の材料として上記
で引用した「弁作用金属」と呼ばれている一群の金属材
料を使用できるはずであるが、実用化されている材料
は、その中のTa,Al(アルミニウム)だけである。
しかも、Alの場合は上記のような焼結により陽極体4
を製造することは少なく、エッチング箔を用いることが
一般には行われている。そのため、上記の方法によって
陽極体4を製造する場合、現時点ではその材料は殆どT
aのみに限定される。
【0004】(2) 誘電体層(酸化物層)の形成 次に、上記(1)の陽極体4の表面に誘電体層を形成す
るため、「陽極酸化」と呼ばれる手法により誘電体層と
しての酸化物層を形成する。この陽極酸化は、陽極体4
と通電のための対抗電極を電解質溶液中に浸せきし、陽
極体を正電位、対抗電極をそれ以下の電位に保ち通電す
ることにより、酸化物層を陽極体表面に形成する方法で
ある。このときの陽極体−対抗電極間の電位差を「化成
電圧」と呼んでいるが、この化成電圧を制御することに
より酸化物層の厚みを容易に決めることができる点がこ
の工法の特徴である。また、この陽極酸化を経た陽極体
4を「化成体」と呼んでいる。
【0005】(3) 固体電解質層の形成 続いて、上記(2)の化成体の酸化物層の上に導電性物
質層を形成すると、陽極(陽極体金属部分)/誘電体層
(酸化物層)/陰極(導電性物質層)というコンデンサ
としての基本構造が得られることになる。上記の導電性
物質層のことを「固体電解質層」と呼ぶ。この固体電解
質層としては、硝酸マンガンを熱分解することにより得
られる二酸化マンガン層が一般的であるが、最近はポリ
ピロール等の導電性有機高分子を重合により層状に形成
したものも多くなってきている。
【0006】(4) 陰極層の形成 次の工程では、上記(3)の固体電解質層形成後の化成
体の上に更に導電性物質層を形成するが、この層を「陰
極層」と呼ぶ。この陰極層は固体電解質層と実装用の外
部端子(陰極)を接続させ、接続抵抗の減少、コンデン
サの外装時・実装時のストレス緩和等の作用を併せ持
つ。陰極層の形成には、グラファイトペースト、銀ペー
ストが併用されるのが一般的である。
【0007】(5) 外部端子形成・外装 最後の工程では、上記(4)の陰極形成後の素子に実装
のための金属製外部端子を溶接・接着等で付加し、さら
に耐湿性向上、ハンドリング性向上等を目的とした外装
(樹脂外装等)をして、固体電解コンデンサを得る。
【0008】[評価特性の説明]上述した構成の固体電
解コンデンサは、種々の特性を持ちその評価方法も様々
であるが、本発明で注目する特性は漏れ電流(LC)で
ある。この漏れ電流は、一定の直流電圧を一定時間コン
デンサに印加した後にコンデンサに流れている電流のこ
とであり、漏れ電流が小さい程良質なコンデンサである
と言える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来よりあ
る固体電解コンデンサは、下記のような欠点を有してい
る。なお、本発明は、Ta,Nbコンデンサに関するも
のであるため、ここでは従来の両者が有する欠点に関し
て記載する。
【0010】[従来品の欠点] (1) Taは、実用化されている固体電解コンデンサ
の陽極体材料としては誘電率,漏れ電流等の特性面で優
れているが、材料価格が高いという欠点がある。そのた
め、より材料の使用効率を高めるために粉末の粒径を小
さくし、単位重量当たりの表面積を大きくすることが重
要となる。このような粉末の微粉化に伴い本来アモルフ
ァスであるべき誘電体層(酸化物層)中に結晶化部分が
生じ易くなるが、この結晶化部分の絶縁抵抗が低いた
め、微粉化する程漏れ電流が増大する傾向がある。現
在、1次粒径1μm以下のTa粉末が使用されるように
なっているが、この結晶化に伴う漏れ電流特性の劣化が
大きな問題となっている。 (2) Nbは、近年その開発が進められている材料で
ある。しかし、このNbはTa以上に誘電体層の結晶化
が進みやすく漏れ電流特性も悪いため、これが製品化す
る上での大きな問題となっている。
【0011】[上記欠点の生じる理由]誘電体層におい
ては、結晶部分及びその粒界は絶縁抵抗が低いため、結
晶化の進行は漏れ電流の増大に繋がる。誘電体層の結晶
化が起こる理由は現在でも明確ではないが、その要因の
一つとして、陽極体表面の気相酸化物の影響が挙げられ
ている。Ta,Nb等は酸素との反応性が高く、従って
空気中に放置すると金属表面に薄い気相酸化膜が生じる
が、通常その厚みは極めて薄く結晶化の程度も低いた
め、実質的にコンデンサの誘電体層(アモルファス状の
酸化皮膜)に影響を与えることはない。しかし、陽極体
の焼結時、及び焼結炉から取り出す際に表面酸化が急激
に進行する場合等では、生じる気相酸化物の結晶化度が
高く、またその厚みも大きくなる。そのため、この時生
じた気相酸化物は、誘電体層形成時に結晶化を進行させ
る核となり得る。この傾向はTaよりもNbの場合によ
り顕著であるため、Nb酸化皮膜の漏れ電流特性がTa
よりも劣るものと考えられる。
【0012】[上記欠点に対する従来の対策] (1) 気相酸化物の発生を抑制する方法 真空中での焼結後の取り出しにおいて、徐々に大気を焼
結炉内に導入し気相酸化を緩やかに進行させることによ
り酸化熱の発生を抑え、酸化物の結晶化および酸化物そ
のものの発生を低下させる手段がとられている。この方
法では、気相酸化物の生成量・結晶化がある程度抑制で
きるが、完全に気相酸化物をなくすことができるわけで
はないため、効果は低い。また、Nbの場合は酸素との
親和力が強いため、この方法では殆ど効果がない。
【0013】(2) 結晶化の進行を抑制する方法 結晶化の進行は、「本発明の製造工法の説明」にて後述
する誘電体層の形成条件(化成電圧、化成液種、温度
等)に依存することが知られている。従って、それらの
条件を最適化することにより結晶化の進行をある程度は
抑制できるが、その最適化領域が狭いため、製品によっ
ては条件の最適化ができない領域で誘電体層の形成を行
わなければならない場合も多い。
【0014】(3) 生成した結晶化部分の絶縁抵抗を
高くする方法 誘電体層の結晶化が進むことを抑制できなくても、結晶
化部分の絶縁抵抗を高くすることができれば漏れ電流の
増大を抑制できる。その方法の一つとして、セラミック
電子部品の分野で用いられているMn添加が考えられ
る。しかし、陽極体材料であるTa,Nb等に粉末段階
からMnを添加すると、陽極体焼結後に表面に存在する
金属Mnおよびその酸化物が弁作用特性を持たないた
め、次の陽極酸化工程において、その部分に酸化皮膜が
形成されず、却って漏れ電流特性の劣化をもたらす。そ
のため、実際にはMnは除去すべき不純物と見なされて
おり、数ppm以下のオーダーで管理されている。
【0015】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、誘電体層の結晶化部分における絶縁抵抗の低下を
抑制することにより、漏れ電流特性を向上させた固体電
解コンデンサ及びその製造方法の提供を目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の手段を
採用することにより上記課題を解決した。請求項1に記
載の固体電解コンデンサは、タンタル(Ta)又はニオ
ブ(Nb)よりなる陽極体と、該陽極体の表面に形成さ
れた酸化物よりなる誘電体層と、該誘電体層の上に形成
された導電性物質よりなる固体電解質層とを具備してな
る固体電解コンデンサにおいて、前記誘電体層にマンガ
ン(Mn)含有層を有することを特徴とするものであ
る。
【0017】このような固体電解コンデンサによれば、
誘電体層にマンガンを添加したマンガン含有層を形成し
たことにより、誘導体層における結晶化部分の絶縁抵抗
が低下するのを抑制することができる。
【0018】請求項2に記載の固体電解コンデンサの製
造方法は、タンタル(Ta)又はニオブ(Nb)よりな
る陽極体と、該陽極体の表面に形成された酸化物よりな
る誘電体層と、該誘電体層の上に形成された導電性物質
よりなる固体電解質層とを具備し、前記誘電体層にマン
ガン(Mn)含有層を有する固体電解コンデンサの製造
方法であって、前記陽極体の表面に前記誘電体層として
前記酸化物の層を形成する際、マンガン(Mn)含有ア
ニオンを有する化成液を使用することを特徴とするもの
である。
【0019】このような固体電解コンデンサの製造方法
によれば、マンガン添加の方法として、陽極酸化時にア
ニオンが酸化物層に取り込まれることを利用し、誘電体
層形成と同時にマンガン添加を行うことができるので、
金属Mnおよび導電性Mn酸化物の悪影響を排し、誘電
体層への均一なマンガン添加が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る固体電解コン
デンサ及びその製造方法の一実施形態を、図面に基づい
て説明する。なお、図1における符号2は陽極リード、
5は化成体、6は誘電体層、7はMn含有層、8はMn
非含有層、9は結晶性酸化物である。
【0021】最初に、本発明の第1実施例を説明する。
なお、この第1実施例では、Nb粉末を使用して陽極体
を製造する。 [本発明の製造工法の説明] (1) 陽極体の製造方法 本発明の陽極体に使用するNb粉末として、1次粒径が
1μmの粉末を使用した。粉末の造粒方法および陽極体
の焼結条件は、従来技術として説明した従来工法と同一
である。
【0022】(2) 誘電体層の形成(図1参照) 上記(1)の陽極体の表面に誘電体層を形成するため、
従来工法と同様の陽極酸化により誘電体層6を形成し、
化成体5を得た。この時用いる化成液(陽極酸化用電解
質溶液をこの様に呼ぶ)としては、リン酸水溶液(0.
6vol%)に0.03wt%となるようにKMnO4
を溶解させたものを使用した。陽極酸化は、この化成液
を80℃に保ち、電流密度を15μA/cm2 、到達電
圧を20Vに設定して行い、陽極酸化電圧が20Vに到
達した後、3時間電圧印加状態を保持した。電流密度を
高くすると、酸化還元反応によりMnO2 塊が発生し酸
化皮膜を劣化させるため、電流密度は30μA/cm2
以下とすることが望ましい。この時形成された誘電体層
6は、Mn含有層7とMnを含まないMn非含有層8と
からなる。また、誘電体層6の形成中に結晶性酸化物9
が同時に成長する。この時、Mn含有層7中で成長する
結晶性酸化物9とその粒界には、Mnが含有されること
になる。
【0023】(3) 固体電解質層の形成 上記(2)で得た化成体5の誘電体層6上に、陽極体金
属に対応する対抗電極面としての固体電解質層を従来工
法と同様に形成した。固体電解質層としては、導電性高
分子層を形成した。
【0024】(4) 陰極層の形成 上記(3)の固体電解質層形成後の化成体5の上に、更
に従来工法と同様にグラファイトペースト、銀ペースト
から成る陰極層を形成した。
【0025】(5) 外部端子形成・外装 上記(4)の陰極層形成後の素子に、従来工法と同様に
実装のための金属製外部端子を溶接・接着等で付加し、
さらに耐湿性向上、ハンドリング性向上等を目的とし
て、樹脂等で外装しNb固体電解コンデンサを得た。
【0026】[製品評価方法]本発明の効果を表現する
手段として、先の「上記欠点の生じる理由」で述べた漏
れ電流特性を用いた。従来品と本発明の工法を適用した
コンデンサの特性を比較するため、従来工法で化成液組
成以外(粉末粒径,粉末量,焼結条件,化成電圧等)を
本実施例と同一に設定して製造したコンデンサを比較対
象品とした。その比較の際の測定条件は下記の通りであ
る。 (1)印加電圧・・・4V (2)測定時間・・・電圧印加後1min値
【0027】[第1実施例の動作の説明]図2のグラフ
は、本発明で実施した誘電体層へのMnの添加により、
漏れ電流がどの様に変化するかを示したグラフである。
このグラフから、本発明の工法を適用したNbコンデン
サの漏れ電流は、平均値で0.6μAとなり、1.5μ
Aとなる従来品の1/2以下となっていることが判る。
【0028】[効果の説明]第1実施例で述べた誘電体
層6へのMn添加により、Nb電解コンデンサの漏れ電
流(LC)を低減することができた(図2参照)。この
様な効果が得られる理由は、誘電体層6中の結晶化部分
の絶縁抵抗が、Mnの存在により向上したためと考えら
れる。
【0029】次に、本発明の第2実施例を示して説明す
る。 [製造工法の説明] (1) 陽極体の製造方法 上述した第1実施例と同様の工程を経て陽極体を得る。 (2) 誘電体層の形成(図1参照) 上記(1)の陽極体の表面に誘電体層を形成するため、
陽極酸化工法を用いて誘電体層6を形成し、化成体5を
得た。本実施例では、陽極酸化を2段階に分けて実施し
た。まず最初に、化成液として80℃の0.6vol%
リン酸水溶液を用い、電流密度を60μA/cm2 、目
標到達電圧を20Vに設定した。この条件で陽極酸化を
開始し、電圧が設定電圧に到達し、電流密度が30μA
/cm2 に低下するまで通電した(第1段階の陽極酸
化)。続いて、化成液を0.6vol%リン酸にKMn
4 を0.03wt%溶解させた水溶液(80℃)に交
換し、20Vの電圧を印加して陽極酸化を3時間実施し
た(第2段階の陽極酸化)。 (3) 固体電解質層の形成〜外装 第1実施例1と同様な工程を経る。
【0030】[第2実施例の動作および効果]この第2
実施例においても、第1実施例と殆ど同様な効果が得ら
れる。第2実施例の陽極酸化工程は2段階から成り、第
1段階でMnを含まない化成液を用い陽極酸化がある程
度進行し、通電電流が低下してから第2段階のMnを含
有する化成液での陽極酸化に移行する構成となってい
る。そのため、工程は増えるものの、前記第1実施例と
異なり、MnO2 塊の析出を考慮せずに済み、また、第
1段階の陽極酸化時の電圧昇圧時間も短縮できることに
なる。
【0031】続いて、本発明の第3実施例を示して説明
する。 [製造工法の説明] (1) 陽極体の製造方法 上述した第1実施例と同様の工程を経て陽極体を得る。 (2) 誘電体層の形成 この場合も第1実施例及び第2実施例と同様に陽極酸化
を行うが、化成液中のMn含有アニオンとして、Mn2+
イオンとアニオン(CN- 等)の錯体を使用する。 (3) 固体電解質層の形成〜外装 第1実施例1と同様な工程を経る。
【0032】[第3実施例の動作および効果]この場合
の動作及び効果は、上述した第1実施例1及び第2実施
例の動作および効果と同じである。
【0033】さらに、本発明の第4実施例を示して説明
する。 [製造工法の説明] (1) 陽極体の製造方法 材料として1次粒径0.6μmのTa粉末を使用し、従
来例と同様な工程を経て陽極体を得た。 (2) 誘電体層の形成 上述した第1実施例と同一な工法・化成液を使用した。 (3) 固体電解質層の形成〜外装 第1実施例と同様な工程を経る。
【0034】[第4実施例の動作および効果]図3のグ
ラフは、この第4実施例で行った誘電体層6へのMnの
添加により、漏れ電流(LC)がどの様に変化するかを
示したグラフである。比較対象品として従来工法で製造
した同一容量・定格電圧のTaコンデンサを使用した。
本実施例で用いたような粒径が1μm未満の粉末の場
合、Taでも誘電体層中の結晶化が進行し、漏れ電流増
大を招来しやすいが、図3のグラフから、本発明の工法
を適用したTaコンデンサの漏れ電流(LC)平均値
は、0.07μAとなって従来工法品の0.11μAよ
りも低下していることが判る。このことから、Taコン
デンサの場合でも、誘電体層6へのMn添加が有効であ
ることが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明の固体電解コンデンサおよびその
製造方法によれば、以下の効果を奏する。 (1) 誘導体層形成時にMn含有アニオンを有する化
成液を使用することによって、誘電体層の形成と同時
に、誘導体層への均一なMn添加を行うことが可能にな
る。すなわち、粉末段階からMnを添加する場合に問題
となっていた弁作用特性を持たない金属Mn及びその酸
化物の悪影響を排除することができ、結晶化部分の絶縁
抵抗を向上させるというMn添加の効果を有効に利用で
きるようになる。 (2) 誘電体層にMn含有層を設けたことにより、結
晶化部分の絶縁抵抗低下を抑制することができるので、
絶縁抵抗の低下が抑制されて漏れ電流の小さい固体電解
コンデンサを提供できる。なお、固体コンデンサの特性
として、漏れ電流が小さいほど良質である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る固体電解コンデンサの一実施形
態を示す説明図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係るNbコンデンサ
(22μF/4V定格品)の漏れ電流(LC)特性を従
来工法品と比較した図である。
【図3】 本発明の第4実施例に係るTaコンデンサ
(33μF/4V定格品)の漏れ電流(LC)特性を従
来工法品と比較した図である。
【図4】 陽極体の製造方法において成形された圧縮成
形体を示す平面図である。
【図5】 陽極体の製造方法において、図4の圧縮成形
体を焼結して製造された陽極体を示す平面図である。
【符号の説明】
1 造粒粉 2 陽極リード 3 圧縮成形体 4 陽極体 5 化成体 6 誘電体層 7 Mn含有層 8 Mn非含有層 9 結晶性酸化物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンタル(Ta)又はニオブ(Nb)よ
    りなる陽極体と、該陽極体の表面に形成された酸化物よ
    りなる誘電体層と、該誘電体層の上に形成された導電性
    物質よりなる固体電解質層とを具備してなる固体電解コ
    ンデンサにおいて、前記誘電体層にマンガン(Mn)含
    有層を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 タンタル(Ta)又はニオブ(Nb)よ
    りなる陽極体と、該陽極体の表面に形成された酸化物よ
    りなる誘電体層と、該誘電体層の上に形成された導電性
    物質よりなる固体電解質層とを具備し、前記誘電体層に
    マンガン(Mn)含有層を有する固体電解コンデンサの
    製造方法であって、 前記陽極体の表面に前記誘電体層として前記酸化物の層
    を形成する際、マンガン(Mn)含有アニオンを有する
    化成液を使用することを特徴とする固体電解コンデンサ
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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