JP2004070406A - 財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にする。
【解決手段】フォーマットが区々な投融資先の財務データを蓄積するとともに共通化された帳票を出力する。帳票には、貸借参照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、比率分析などが挙げられる。各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、財務データを簡略化し、且つ、各社間で比較が容易な帳票を作成する。例えば、実質上同じ科目であるが区々に表現されている勘定科目を統一化したり、2以上の勘定科目を単一の勘定科目に統合したりする。
【選択図】 図1
【解決手段】フォーマットが区々な投融資先の財務データを蓄積するとともに共通化された帳票を出力する。帳票には、貸借参照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、比率分析などが挙げられる。各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、財務データを簡略化し、且つ、各社間で比較が容易な帳票を作成する。例えば、実質上同じ科目であるが区々に表現されている勘定科目を統一化したり、2以上の勘定科目を単一の勘定科目に統合したりする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業における財務データを管理する財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、各企業の財務データを基に企業の格付け策定や自己査定を容易にする財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にする財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、フォーマットが区々である各企業の財務諸表を効率的に統合して、企業の格付け策定や自己査定を容易にする財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
企業における財務データは、その企業の経営状態を推測する上で重要な手掛かりとなる。例えば、企業に対して融資や貸付けなどの業務サービスを提供する事業者にとって、債務者が倒産などで債務の支払いができなくなるリスク(すなわち「信用リスク」)の程度を知る必要がある。
【0004】
このため、融資・貸付などの業務サービスを提供する事業者においては、一般に、融資・貸付先に対して財務諸表を提出させて、当該事業者において独自に融資・貸付先の格付け策定や自己査定を行ない、融資・貸付けの可否を判断したり、許容される融資額・貸付額を算出したりする。
【0005】
例えば、本出願人に既に譲渡されている特願2001−187397号明細書には、企業の財務データを基に企業の格付けを推定する格付け推定装置及び格付け推定方法について開示されている。同明細書に記載の格付け推定装置及び格付け推定方法では、財務データなどの公開情報に基づいて、企業の格付けが主としてどのような要因から定められるかを分析し、財務データから直接的に格付けを推定するモデルを構築する。この格付けモデルを用いて、格付を取得していない非公開企業の格付水準かを推定して、同一の尺度で信用リスクの企業間比較を行うことができる。例えば、格付けをスコア化した数値を被説明変数とし、各財務指標を説明変数とした重回帰分析を行ない、格付けの推定に相応しい重回帰モデルを採用する。
【0006】
ところで、株式市場への上場を行った企業は、一般に、財務データの公開が義務付けられている。したがって、融資・貸付け事業者は、この種の公開企業に関しては、特段の手配を行なうことなく、財務データを入手することができ、融資や貸付けの有無に拘わらず、公開企業に関する格付け策定や自己査定を行なうことができる。また、公開企業間では、比較的容易に相対評価を行なうことができる。
【0007】
これに対し、株式市場に上場を行なっていない企業は、基本的には財務データを公開する義務を負わない非公開企業である。このため、公開企業との間で相対評価を行なうことはできない。また、融資・貸付け事業者は、非公開企業に対して融資・貸付けを行なうに際して、投融資先に財務諸表を提出させてから、改めて格付け策定や自己査定を行なわなければならない。
【0008】
しかしながら、各企業において作成される財務諸表は、税務基準を満たした程度のフォーマットであり、言い換えれば各企業毎に財務諸表のフォーマットは定型的というよりもむしろ区々であり、統一的に取り扱うことが困難である。
【0009】
例えば、各非公開企業が使用する財務諸表のフォーマットは公開企業において公開される財務諸表のフォーマットとは相違するので、公開企業と非公開企業の間で財務データを単純に比較することはできず、非公開企業を全企業の中で相対評価することは難しい。
【0010】
また、非公開企業の多くは、未だ財務データを電子化しておらず、そのままではコンピュータ処理に投入することができない。
【0011】
いずれにせよ、非公開企業の財務帳票は投融資先より入手するしかなく、多くがペーパーでの入手であるため、別途ハンド入力を行なう必要がある(図22を参照のこと)。この場合、すべての決算書をいったん読み取り端末で処理しなければならず、作業が非効率的である。また、既に非公開企業の財務データベースは存在するものの、公開企業とは独立したデータベースであるため、取引先全体を網羅するデータベースとしては不十分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、各企業の財務データを基に企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、フォーマットが区々である各企業の財務諸表を効率的に統合して、企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合する財務データ管理システム又は財務データ管理方法であって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルと、
前記紐付きテーブルを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約手段又はステップと、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録手段又はステップと、
を具備することを特徴とする財務データ管理システム又は財務データ管理方法である。
【0016】
本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法によれば、フォーマットが区々な投融資先企業の財務データを蓄積するとともに共通化された帳票を出力するようになっている。ここで言う帳票には、貸借参照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、比率分析などが挙げられる。
【0017】
すなわち、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法によれば、各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、財務データを簡略化し、且つ、各社間で比較が容易な帳票を作成することができる。また、財務データを時系列的に蓄積するので、社内格付け策定や自己査定業務において、財務データの提供という形態で側面支援を行なうことも可能である。
【0018】
ここで、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管財務諸表で使用される勘定科目名が紐付きテーブルに用意されていない場合に読み替えたい勘定科目をユーザが手入力で選択するユーザ入力手段をさらに備えていてもよい。
【0019】
また、印刷物として提示された企業の財務諸表を光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換するデータ変換手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0020】
従来、非公開企業の財務帳票を投融資先より入手するしかなく、多くが印刷物すなわちペーパーでの入手であるため、別途ハンド入力を行なう必要がある。また、既に非公開企業の財務データベースは存在するものの、公開企業とは独立したデータベースであるため、取引先全体を網羅するデータベースとしては不十分である。
【0021】
これに対し、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法によれば、印刷物の形式の決算書が提出された場合、光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換する。この結果、公開企業と非公開企業の財務帳票を統合した財務データベースを構築して、効率的な財務管理サービスを実現することができる
【0022】
また、業種毎に異なる紐付きテーブルを用意することによって、業種によって異なる勘定科目も表すことが可能である。
【0023】
また、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法は、統合財務データベース登録手段又はステップによって統合された統合財務データベースを基に統合財務帳票を作成出力する帳票出力手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0024】
したがって、ユーザはこのような出力帳票を参照することによって企業の財務内容を簡易に把握することができる。
【0025】
前記帳票出力手段又はステップは、業種別に帳票を作成して、それぞれの業種独特の勘定科目をカバーするようにしてよい。例えば、銀行業における「預金勘定」や、建設業における「完成工事未収入金」、学校法人の勘定科目などである。また、業種別の帳票を作成することによって、業種毎の特性を表すことも可能であり、他社比較を容易に行なうことができる。
【0026】
また、本発明の第2の側面は、複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルとを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約ステップと、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0027】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム及び財務データ管理方法と同様の作用効果をそれぞれ得ることができる。
【0028】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0030】
本発明に係る財務データ管理システムは、例えば、フォーマットが区々な投融資先企業の財務データを蓄積するとともに共通化された帳票を出力する。ここで言う帳票には、貸借参照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、比率分析などが挙げられる。各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、財務データを簡略化し、且つ、各社間で比較が容易な帳票を作成する。
【0031】
例えば、以下に示すように、実質上同じ科目であるが区々に表現されている勘定科目を統一化したり、あるいは、2以上の勘定科目を単一の勘定科目に統合したりして、財務データを簡素化する。
【0032】
【数1】
製品+半製品=棚卸資産
短期貸付金+関係会社短期貸付金=短期貸付金
【0033】
また、帳票を業種別に作成することで、それぞれの業種独特の勘定科目をカバーするようにする。例えば、銀行業における「預金勘定」や、建設業における「完成工事未収入金」、学校法人の勘定科目などである。
【0034】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、財務データを時系列的に蓄積するので、社内格付け策定や自己査定業務において、財務データの提供という形態で側面支援を行なうことも可能である。
【0035】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、入力メニューとしてハンド処理が用意され、業績予想、修正、短信などのデータも即時に反映することができるシステムである。データが確定された場合には、予想値などのデータは洗い替えされ、常に最新で且つ正確な数値を保つことも担保されている。
【0036】
図1には、本発明の一実施形態に係る財務データ管理システム1の概観構成を模式的に示している。
【0037】
株式市場に既に上場しているような公開企業はその財務データの公開が義務付けられており、公開企業の財務データを取りまとめて電子的に保管した公開企業データベース11は、所定の情報プロバイダから購入することができる。このデータベース11は、PowerBaseなど所定のフォーマットに則って作成されている。
【0038】
他方、株式市場には上場していないような非公開企業は、基本的に財務データの公開義務はない。したがって、融資・貸付事業者は、投融資の際の格付け策定や自己査定、信用リスクの推測のために、非公開企業から直接決算書などの財務帳票類を入手する必要がある。非公開企業は、印刷物として決算書を提出することもあれば、電子化されたファイルとしてフロッピー・ディスクなどの記録媒体で決算書を提出することもある。非公開企業において作成される財務帳票類は、通常、税法基準を満たす程度のフォーマットでしかなく、言い換えれば、各企業間で財務帳票のフォーマットは統一されている訳ではない。
【0039】
いずれにせよ、非公開企業の財務帳票は投融資先より入手するしかなく、多くが印刷物すなわちペーパーでの入手であるため、別途ハンド入力を行なう必要がある。また、既に非公開企業の財務データベースは存在するものの、公開企業とは独立したデータベースであるため、投融資の事業者が取引先全体を網羅するデータベースとしては不十分である。
【0040】
本実施形態に係る財務データ管理システム1は、これら公開企業と非公開企業の財務帳票を統合した財務データベースを構築するものである。図2には、財務データ管理システム1において統合財務データベースを構築するための処理フローを模式的に示している。
【0041】
印刷物の形態で決算書が提出された場合、財務データ管理システム1では、まず、OCR(Optical Character Reader:光学式文字読み取り装置)12により決算書から財務データを入力する。OCR12は、一般に、印刷物に光を当てて、その反射光を電気信号に変換して印刷物上に形成された手書き文字や印刷文字、罫線などから画像を読み取り、画像ファイルが作成される。さらに、この画像フレームに含まれている文字パターンを認識する。認識は、例えば、標準パターンとのパターン・マッチングにより行なう。
【0042】
例えば、図3並びに図4に示すような印刷物形式の決算書(貸借対照表並びに損益計算書)は、OCR12により読み取られて、文字認識が行なわれた後、CSV(Comma Separated Value)形式すなわち、データを項目毎にカンマで区切って羅列した形式のデータ・ファイルに変換される。そして、図3に示すような表形式のデータとしてコンピュータ内に電子的に取り込まれる。勿論、この段階で、コンピュータ画面上で読み取りミスなどの修正を行なうようにしてもよい。
【0043】
また、電子化されたファイルとしてフロッピー・ディスクなどの記録媒体を介して決算書が提出された場合、これらの決算書(貸借対照表並びに損益計算書)は、既に図5及び図6に示すような表形式のデータとなっているものとする。
【0044】
このようにCSVファイルとして電子化された決算書データは、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)のような計算機システム上で実行されるリレーショナル・データベース(RDB)によって処理することができる。RDBの一例は、米マイクロソフト社が市販する”Access”である。図5及び図6に示した帳票をAceess形式のデータに変換した後の表示例を図7及び図8に示しておく。
【0045】
そして、各非公開企業における、印刷物として提出された決算書、並びに電子データとして提出された決算書は、一旦、非公開企業データベース13として保管される。
【0046】
上述した公開企業データベース11と非公開企業データベース13は、基本的には互いに独立したデータベースである。したがって、そのままの形態では、例えば取引先となるすべての企業を網羅するデータベースとしては機能が不充分である。
【0047】
そこで、本実施形態に係る財務データ管理システム1では、これら公開企業データベース11及び非公開企業データベース13を統合した統合財務データベース14を構築する。また、統合財務データベース14を構築するに際して、後述するように、各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、簡略化し、且つ、企業間の比較(とりわけ、公開企業の中での非公開企業の相対比較)が容易な帳票を作成する。
【0048】
まず、公開企業データベース11を統合財務データベース14に統合する処理の流れについて説明する。
【0049】
公開企業データベース11は、情報プロバイダからの外部購入という形式で取得することができ、通常はコンピュータ・ファイル形式のデータベースの構造となっている。情報プロバイダによって用意される公開企業データベース11と、社内格付け策定や自己査定業務のために構築される統合財務データベース14においては、データ作成の経緯やその目的・趣旨の相違から、財務帳票を構成する勘定科目に相違が生じている。
【0050】
本実施形態では、公開企業データベース11と統合財務データベース14間での勘定科目の対応関係を記述した紐付けテーブルをあらかじめ用意しておく。そして、公開企業データベース11から企業毎に(あるいは財務帳票毎に)財務データを取り出して、データ統合処理に投入して、財務帳票中の勘定科目をこれら紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0051】
なお、紐付けテーブルでは、元の公開企業データベース11上の勘定科目と統合財務データベース14上の勘定科目は、一対一又は多対一の関係にある。
【0052】
図9及び図10には、情報プロバイダから提供される公開企業データベース11から取り出されたある特定の企業についての損益対照表と貸借参照表を示している。図示の例では、AccessにリンクされたPowerBase形式のデータとなっている。また、図11及び図12には、公開企業データベース11の統合処理のために使用される損益用及び貸借用の紐付けテーブルの構成例をそれぞれ示している。
【0053】
図9及び図10に示す所定形式の財務帳票をデータ統合処理に投入した際、財務帳票に含まれている各勘定科目を図11及び図12に示す紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。例えば、元の公開企業データベース11の損益貸借表上にある「受取利息・割引料」、「関係会社受取利息、割引料」は、統合データベース14上の勘定科目として「受取利息・割引料」に読み替え処理がなされる。この場合、元の公開企業データベース11上の勘定科目と統合財務データベース14上の勘定科目は、多対一の関係にある。
【0054】
また、公開企業データベース11の財務帳票で使用されている勘定科目が既存の紐付けテーブルに用意されていない場合には、ユーザは手入力で読み替えたい勘定科目を選択することができる。
【0055】
図13には、公開企業データベース11で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示している。
【0056】
図示の例で、左のフォームでは、公開企業データベース11上の勘定科目「為替差益(営業外収益)」に対応する統合財務データベース14上の勘定科目「その他の営業外収益」が自動的に選択されている。これに対し、右のフォームでは、公開企業データベース11上の勘定科目「貯蔵品」に対応する勘定科目が統合財務データベース14上には存在しないことから、科目選択フィールドのリストボックスを開いて、統合財務データベース14で用意されているすべての勘定科目の中から選択することができる。このフォームでの選択結果は、図11及び図12に示す紐付けテーブルに随時反映される。
【0057】
図14及び図15には、図9及び図10に示す公開企業データベース11上の損益対照表及び貸借参照表を、図11及び図12に示す紐付けテーブルを用いて科目名を読み替えて、統合財務データベース14に統合した結果をそれぞれ示している。各図に示すように、外部の情報プロバイダから取得した公開企業データベース11は、細分化している勘定科目を集約して、統合財務データベース14に統合される。
【0058】
次いで、非公開企業データベース13を統合財務データベース14に統合する処理の流れについて説明する。
【0059】
既に述べたように、非公開企業データベース13は、各非公開企業から直接入手した印刷物形式の決算書(図3及び図4を参照のこと)を、OCR12により読み取り、文字認識処理を経てCSV形式のデータ・ファイル(図5及び図6を参照のこと)に変換した後、リレーショナル・データベースとして処理可能なデータ形式(例えばAccess形式:図7及び図8を参照のこと)に変換したもので構成されている。勿論、非公開企業から既に電子化された形式で決算書を取得した場合には、OCR読み込みやCSV形式データへの変換など途中の処理過程を省略することができる。
【0060】
公開企業データベース11の場合と同様に、非公開企業データベース13と統合財務データベース14間での勘定科目の対応関係を記述した紐付けテーブルをあらかじめ用意しておく。そして、非公開企業データベース13から企業毎に(あるいは財務帳票毎に)Access形式に変換された財務データを取り出して、データ統合処理に投入して、財務帳票中の勘定科目をこれら紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0061】
ここで、各業種毎に紐付けテーブルを用意しておくことによって、業種によって異なる勘定科目からなる財務諸表を表すことが可能である。また、非公開企業データベース13上の勘定科目と統合財務データベース14上の勘定科目は、一対一又は多対一の関係にある。
【0062】
図16及び図17には、非公開企業データベース13の統合処理のために使用される損益用及び貸借用の紐付けテーブルの構成例をそれぞれ示している。同図に示す例では、例えば元の非公開企業の財務帳票(損益対照表)上では「有価証券売却益」という勘定科目名が紐付けテーブルによって「その他の特別利益」に関連付けられている。
【0063】
図7及び図8に示す所定形式の財務帳票をデータ統合処理に投入した際、財務帳票に含まれている各勘定科目を図16及び図17に示す紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0064】
図7及び図8に示す所定形式の財務帳票をデータ統合処理に投入した際、財務帳票に含まれている各勘定科目を図16及び図17に示す紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0065】
また、非公開企業データベース13の財務帳票で使用されている勘定科目が既存の紐付けテーブルに用意されていない場合には、ユーザは手入力で読み替えたい勘定科目を選択することができる。
【0066】
図18には、非公開企業データベース13で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示している。
【0067】
図示の例で、左のフォームでは、非公開企業データベース13上の勘定科目「債務免除益」に対応する統合財務データベース14上の勘定科目「その他の特別利益」が自動的に選択されている。これに対し、右のフォームでは、公開企業データベース11上の勘定科目「未払退職金」に対応する勘定科目が統合財務データベース14上には存在しないことから、科目選択フィールドのリストボックスを開いて、統合財務データベース14で用意されているすべての勘定科目の中から選択することができる。このフォームでの選択結果は、図16及び図17に示す紐付けテーブルに随時反映される。
【0068】
図19及び図20には、図7及び図8に示す非公開企業データベース13上の損益対照表及び貸借参照表を、図16及び図17に示す紐付けテーブルを用いて勘定科目名を読み替えて、統合財務データベース14に統合した結果をそれぞれ示している。各図に示すように、外部の情報プロバイダから取得した非公開企業データベース13は、細分化している勘定科目を集約して、公開企業データベース11とともに統合財務データベース14に統合される。
【0069】
要するに、本実施形態に係る財務データ管理システム1では、非公開企業データベース13に対して基本貸借対照表、基本損益計算書を用意し、勘定科目を読み替え、各データ項目に当てはめていく訳である。また、基本貸借対照表、基本損益計算書から作成される比率テーブルも用意する。また、基本財務諸表(貸借対照表、損益計算書)は各業種毎に用意することで、業種によって異なる勘定科目も表すことが可能である。
【0070】
統合財務データベース14が機能として有するレポート作成システムによって、出力帳票(統合財務帳票)を作成する。この出力帳票は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、財務比率を用意しているので、ユーザはこれを参照することによって企業の財務内容を簡易に把握することができる。また、業種別の帳票を作成することができるので、業種毎の特性を表すことも可能であり、他社比較を容易に行なうことができる。
【0071】
本実施形態に係る財務データ管理システム1によれば、公開企業データベース11と非公開企業データベース13を統合した財務データベースを構築することにより、効率的な財務管理サービスを実現することができる。また、ユーザがパーソナル・コンピュータのような比較的安価な情報機器を用いて帳票やーフォームを自由にデザインすることもできるので、外部環境の変化に応じたニーズに対応することができる。
【0072】
さらに、財務データベースの取り扱い・管理という運用面で考えた場合、従来は決算書読み取り、勘定科目編集、データベース登録という作業が一人に制限されてしまい非効率的であったが(図22を参照のこと)、図21に示すように、本実施形態に係る財務データ管理システム1にローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を組み込むことにより、勘定科目編集、データベース登録などの作業を複数名で分担して効率的に行なうことが可能である。
【0073】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0074】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、各企業の財務データを基に企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びに記憶媒体を提供することができる。
【0075】
また、本発明によれば、公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びに記憶媒体を提供することができる。
【0076】
また、本発明によれば、フォーマットが区々である各企業の財務諸表を効率的に統合して、企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びに記憶媒体を提供することができる。
【0077】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、財務データを時系列的に蓄積するので、社内格付け策定や自己査定業務において、企業への投融資業務に対して財務データの提供という形態で側面支援を行なうことも可能である。
【0078】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、入力メニューとしてハンド処理が用意され、業績予想、修正、短信などのデータも即時に反映することができるシステムである。データが確定された場合には、予想値などのデータは洗い替えされ、常に最新で且つ正確な数値を保つことも担保されている。
【0079】
本発明に係る財務データ管理システムによれば、公開企業データベースと非公開企業データベースを統合した財務データベースを構築することにより、効率的な財務管理サービスを実現することができる。また、ユーザがパーソナル・コンピュータのような比較的安価な情報機器を用いて帳票やーフォームを自由にデザインすることもできる。
【0080】
財務データベースの取り扱い・管理という運用面で考えた場合、従来は決算書読み取り、勘定科目編集、データベース登録という作業が一人に制限されてしまい非効率的であった。これに対し、本発明に係る財務データ管理システムにローカル・エリア・ネットワークを組み込むことにより、勘定科目編集、データベース登録の作業を複数名で分担して効率的に行なうことが可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る財務データ管理システム1の概観構成を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る財務データ管理システム1において統合財務データベースを構築するための処理フローを模式的に示した図である。
【図3】印刷物形式の決算書(損益計算書)を例示した図である。
【図4】印刷物形式の決算書(貸借参照表)を例示した図である。
【図5】図3に示した印刷物形式の決算書(損益計算書)がCSV形式データに変換された様子を表形式で示した図である。
【図6】図4に示した印刷物形式の決算書(貸借参照表)がCSV形式データに変換された様子を表形式で示した図である。
【図7】図5に示したCSV形式の決算書(損益計算書)がAccess形式データに変換された画面表示例を示した図である。
【図8】図6に示したCSV形式の決算書(貸借参照表)がAccess形式データに変換された画面表示例を示した図である。
【図9】情報プロバイダから提供される公開企業データベース11から取り出されたある特定の企業についての損益対照表を示した図である。
【図10】情報プロバイダから提供される公開企業データベース11から取り出されたある特定の企業についての貸借参照表を示した図である。
【図11】公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した損益用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図12】公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した貸借用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図13】公開企業データベース11で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示した図である。
【図14】図9に示した公開企業データベース11上の損益対照表を図11に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図15】図10に示した公開企業データベース11上の貸借参照表を図12に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図16】非公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した損益用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図17】非公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した貸借用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図18】非公開企業データベース13で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示した図である。
【図19】図7に示した非公開企業データベース13上の損益対照表を図16に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図20】図8に示した非公開企業データベース13上の貸借参照表を図17に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図21】本実施形態に係る財務データ管理システム1による財務データの管理作業の仕組みを概略的に示した図である。
【図22】各非公開企業の財務帳票を統合的に取り扱えための従来のシステム構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…財務データ管理システム
11…公開企業データベース
12…OCR(光学式文字読取装置)
13…非公開企業データベース
14…統合財務データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業における財務データを管理する財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、各企業の財務データを基に企業の格付け策定や自己査定を容易にする財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にする財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、フォーマットが区々である各企業の財務諸表を効率的に統合して、企業の格付け策定や自己査定を容易にする財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
企業における財務データは、その企業の経営状態を推測する上で重要な手掛かりとなる。例えば、企業に対して融資や貸付けなどの業務サービスを提供する事業者にとって、債務者が倒産などで債務の支払いができなくなるリスク(すなわち「信用リスク」)の程度を知る必要がある。
【0004】
このため、融資・貸付などの業務サービスを提供する事業者においては、一般に、融資・貸付先に対して財務諸表を提出させて、当該事業者において独自に融資・貸付先の格付け策定や自己査定を行ない、融資・貸付けの可否を判断したり、許容される融資額・貸付額を算出したりする。
【0005】
例えば、本出願人に既に譲渡されている特願2001−187397号明細書には、企業の財務データを基に企業の格付けを推定する格付け推定装置及び格付け推定方法について開示されている。同明細書に記載の格付け推定装置及び格付け推定方法では、財務データなどの公開情報に基づいて、企業の格付けが主としてどのような要因から定められるかを分析し、財務データから直接的に格付けを推定するモデルを構築する。この格付けモデルを用いて、格付を取得していない非公開企業の格付水準かを推定して、同一の尺度で信用リスクの企業間比較を行うことができる。例えば、格付けをスコア化した数値を被説明変数とし、各財務指標を説明変数とした重回帰分析を行ない、格付けの推定に相応しい重回帰モデルを採用する。
【0006】
ところで、株式市場への上場を行った企業は、一般に、財務データの公開が義務付けられている。したがって、融資・貸付け事業者は、この種の公開企業に関しては、特段の手配を行なうことなく、財務データを入手することができ、融資や貸付けの有無に拘わらず、公開企業に関する格付け策定や自己査定を行なうことができる。また、公開企業間では、比較的容易に相対評価を行なうことができる。
【0007】
これに対し、株式市場に上場を行なっていない企業は、基本的には財務データを公開する義務を負わない非公開企業である。このため、公開企業との間で相対評価を行なうことはできない。また、融資・貸付け事業者は、非公開企業に対して融資・貸付けを行なうに際して、投融資先に財務諸表を提出させてから、改めて格付け策定や自己査定を行なわなければならない。
【0008】
しかしながら、各企業において作成される財務諸表は、税務基準を満たした程度のフォーマットであり、言い換えれば各企業毎に財務諸表のフォーマットは定型的というよりもむしろ区々であり、統一的に取り扱うことが困難である。
【0009】
例えば、各非公開企業が使用する財務諸表のフォーマットは公開企業において公開される財務諸表のフォーマットとは相違するので、公開企業と非公開企業の間で財務データを単純に比較することはできず、非公開企業を全企業の中で相対評価することは難しい。
【0010】
また、非公開企業の多くは、未だ財務データを電子化しておらず、そのままではコンピュータ処理に投入することができない。
【0011】
いずれにせよ、非公開企業の財務帳票は投融資先より入手するしかなく、多くがペーパーでの入手であるため、別途ハンド入力を行なう必要がある(図22を参照のこと)。この場合、すべての決算書をいったん読み取り端末で処理しなければならず、作業が非効率的である。また、既に非公開企業の財務データベースは存在するものの、公開企業とは独立したデータベースであるため、取引先全体を網羅するデータベースとしては不十分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、各企業の財務データを基に企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、フォーマットが区々である各企業の財務諸表を効率的に統合して、企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合する財務データ管理システム又は財務データ管理方法であって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルと、
前記紐付きテーブルを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約手段又はステップと、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録手段又はステップと、
を具備することを特徴とする財務データ管理システム又は財務データ管理方法である。
【0016】
本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法によれば、フォーマットが区々な投融資先企業の財務データを蓄積するとともに共通化された帳票を出力するようになっている。ここで言う帳票には、貸借参照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、比率分析などが挙げられる。
【0017】
すなわち、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法によれば、各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、財務データを簡略化し、且つ、各社間で比較が容易な帳票を作成することができる。また、財務データを時系列的に蓄積するので、社内格付け策定や自己査定業務において、財務データの提供という形態で側面支援を行なうことも可能である。
【0018】
ここで、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管財務諸表で使用される勘定科目名が紐付きテーブルに用意されていない場合に読み替えたい勘定科目をユーザが手入力で選択するユーザ入力手段をさらに備えていてもよい。
【0019】
また、印刷物として提示された企業の財務諸表を光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換するデータ変換手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0020】
従来、非公開企業の財務帳票を投融資先より入手するしかなく、多くが印刷物すなわちペーパーでの入手であるため、別途ハンド入力を行なう必要がある。また、既に非公開企業の財務データベースは存在するものの、公開企業とは独立したデータベースであるため、取引先全体を網羅するデータベースとしては不十分である。
【0021】
これに対し、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法によれば、印刷物の形式の決算書が提出された場合、光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換する。この結果、公開企業と非公開企業の財務帳票を統合した財務データベースを構築して、効率的な財務管理サービスを実現することができる
【0022】
また、業種毎に異なる紐付きテーブルを用意することによって、業種によって異なる勘定科目も表すことが可能である。
【0023】
また、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム又は財務データ管理方法は、統合財務データベース登録手段又はステップによって統合された統合財務データベースを基に統合財務帳票を作成出力する帳票出力手段又はステップをさらに備えていてもよい。
【0024】
したがって、ユーザはこのような出力帳票を参照することによって企業の財務内容を簡易に把握することができる。
【0025】
前記帳票出力手段又はステップは、業種別に帳票を作成して、それぞれの業種独特の勘定科目をカバーするようにしてよい。例えば、銀行業における「預金勘定」や、建設業における「完成工事未収入金」、学校法人の勘定科目などである。また、業種別の帳票を作成することによって、業種毎の特性を表すことも可能であり、他社比較を容易に行なうことができる。
【0026】
また、本発明の第2の側面は、複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルとを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約ステップと、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0027】
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る財務データ管理システム及び財務データ管理方法と同様の作用効果をそれぞれ得ることができる。
【0028】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0030】
本発明に係る財務データ管理システムは、例えば、フォーマットが区々な投融資先企業の財務データを蓄積するとともに共通化された帳票を出力する。ここで言う帳票には、貸借参照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、比率分析などが挙げられる。各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、財務データを簡略化し、且つ、各社間で比較が容易な帳票を作成する。
【0031】
例えば、以下に示すように、実質上同じ科目であるが区々に表現されている勘定科目を統一化したり、あるいは、2以上の勘定科目を単一の勘定科目に統合したりして、財務データを簡素化する。
【0032】
【数1】
製品+半製品=棚卸資産
短期貸付金+関係会社短期貸付金=短期貸付金
【0033】
また、帳票を業種別に作成することで、それぞれの業種独特の勘定科目をカバーするようにする。例えば、銀行業における「預金勘定」や、建設業における「完成工事未収入金」、学校法人の勘定科目などである。
【0034】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、財務データを時系列的に蓄積するので、社内格付け策定や自己査定業務において、財務データの提供という形態で側面支援を行なうことも可能である。
【0035】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、入力メニューとしてハンド処理が用意され、業績予想、修正、短信などのデータも即時に反映することができるシステムである。データが確定された場合には、予想値などのデータは洗い替えされ、常に最新で且つ正確な数値を保つことも担保されている。
【0036】
図1には、本発明の一実施形態に係る財務データ管理システム1の概観構成を模式的に示している。
【0037】
株式市場に既に上場しているような公開企業はその財務データの公開が義務付けられており、公開企業の財務データを取りまとめて電子的に保管した公開企業データベース11は、所定の情報プロバイダから購入することができる。このデータベース11は、PowerBaseなど所定のフォーマットに則って作成されている。
【0038】
他方、株式市場には上場していないような非公開企業は、基本的に財務データの公開義務はない。したがって、融資・貸付事業者は、投融資の際の格付け策定や自己査定、信用リスクの推測のために、非公開企業から直接決算書などの財務帳票類を入手する必要がある。非公開企業は、印刷物として決算書を提出することもあれば、電子化されたファイルとしてフロッピー・ディスクなどの記録媒体で決算書を提出することもある。非公開企業において作成される財務帳票類は、通常、税法基準を満たす程度のフォーマットでしかなく、言い換えれば、各企業間で財務帳票のフォーマットは統一されている訳ではない。
【0039】
いずれにせよ、非公開企業の財務帳票は投融資先より入手するしかなく、多くが印刷物すなわちペーパーでの入手であるため、別途ハンド入力を行なう必要がある。また、既に非公開企業の財務データベースは存在するものの、公開企業とは独立したデータベースであるため、投融資の事業者が取引先全体を網羅するデータベースとしては不十分である。
【0040】
本実施形態に係る財務データ管理システム1は、これら公開企業と非公開企業の財務帳票を統合した財務データベースを構築するものである。図2には、財務データ管理システム1において統合財務データベースを構築するための処理フローを模式的に示している。
【0041】
印刷物の形態で決算書が提出された場合、財務データ管理システム1では、まず、OCR(Optical Character Reader:光学式文字読み取り装置)12により決算書から財務データを入力する。OCR12は、一般に、印刷物に光を当てて、その反射光を電気信号に変換して印刷物上に形成された手書き文字や印刷文字、罫線などから画像を読み取り、画像ファイルが作成される。さらに、この画像フレームに含まれている文字パターンを認識する。認識は、例えば、標準パターンとのパターン・マッチングにより行なう。
【0042】
例えば、図3並びに図4に示すような印刷物形式の決算書(貸借対照表並びに損益計算書)は、OCR12により読み取られて、文字認識が行なわれた後、CSV(Comma Separated Value)形式すなわち、データを項目毎にカンマで区切って羅列した形式のデータ・ファイルに変換される。そして、図3に示すような表形式のデータとしてコンピュータ内に電子的に取り込まれる。勿論、この段階で、コンピュータ画面上で読み取りミスなどの修正を行なうようにしてもよい。
【0043】
また、電子化されたファイルとしてフロッピー・ディスクなどの記録媒体を介して決算書が提出された場合、これらの決算書(貸借対照表並びに損益計算書)は、既に図5及び図6に示すような表形式のデータとなっているものとする。
【0044】
このようにCSVファイルとして電子化された決算書データは、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)のような計算機システム上で実行されるリレーショナル・データベース(RDB)によって処理することができる。RDBの一例は、米マイクロソフト社が市販する”Access”である。図5及び図6に示した帳票をAceess形式のデータに変換した後の表示例を図7及び図8に示しておく。
【0045】
そして、各非公開企業における、印刷物として提出された決算書、並びに電子データとして提出された決算書は、一旦、非公開企業データベース13として保管される。
【0046】
上述した公開企業データベース11と非公開企業データベース13は、基本的には互いに独立したデータベースである。したがって、そのままの形態では、例えば取引先となるすべての企業を網羅するデータベースとしては機能が不充分である。
【0047】
そこで、本実施形態に係る財務データ管理システム1では、これら公開企業データベース11及び非公開企業データベース13を統合した統合財務データベース14を構築する。また、統合財務データベース14を構築するに際して、後述するように、各企業毎に多数ある勘定科目を集約化することで、簡略化し、且つ、企業間の比較(とりわけ、公開企業の中での非公開企業の相対比較)が容易な帳票を作成する。
【0048】
まず、公開企業データベース11を統合財務データベース14に統合する処理の流れについて説明する。
【0049】
公開企業データベース11は、情報プロバイダからの外部購入という形式で取得することができ、通常はコンピュータ・ファイル形式のデータベースの構造となっている。情報プロバイダによって用意される公開企業データベース11と、社内格付け策定や自己査定業務のために構築される統合財務データベース14においては、データ作成の経緯やその目的・趣旨の相違から、財務帳票を構成する勘定科目に相違が生じている。
【0050】
本実施形態では、公開企業データベース11と統合財務データベース14間での勘定科目の対応関係を記述した紐付けテーブルをあらかじめ用意しておく。そして、公開企業データベース11から企業毎に(あるいは財務帳票毎に)財務データを取り出して、データ統合処理に投入して、財務帳票中の勘定科目をこれら紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0051】
なお、紐付けテーブルでは、元の公開企業データベース11上の勘定科目と統合財務データベース14上の勘定科目は、一対一又は多対一の関係にある。
【0052】
図9及び図10には、情報プロバイダから提供される公開企業データベース11から取り出されたある特定の企業についての損益対照表と貸借参照表を示している。図示の例では、AccessにリンクされたPowerBase形式のデータとなっている。また、図11及び図12には、公開企業データベース11の統合処理のために使用される損益用及び貸借用の紐付けテーブルの構成例をそれぞれ示している。
【0053】
図9及び図10に示す所定形式の財務帳票をデータ統合処理に投入した際、財務帳票に含まれている各勘定科目を図11及び図12に示す紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。例えば、元の公開企業データベース11の損益貸借表上にある「受取利息・割引料」、「関係会社受取利息、割引料」は、統合データベース14上の勘定科目として「受取利息・割引料」に読み替え処理がなされる。この場合、元の公開企業データベース11上の勘定科目と統合財務データベース14上の勘定科目は、多対一の関係にある。
【0054】
また、公開企業データベース11の財務帳票で使用されている勘定科目が既存の紐付けテーブルに用意されていない場合には、ユーザは手入力で読み替えたい勘定科目を選択することができる。
【0055】
図13には、公開企業データベース11で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示している。
【0056】
図示の例で、左のフォームでは、公開企業データベース11上の勘定科目「為替差益(営業外収益)」に対応する統合財務データベース14上の勘定科目「その他の営業外収益」が自動的に選択されている。これに対し、右のフォームでは、公開企業データベース11上の勘定科目「貯蔵品」に対応する勘定科目が統合財務データベース14上には存在しないことから、科目選択フィールドのリストボックスを開いて、統合財務データベース14で用意されているすべての勘定科目の中から選択することができる。このフォームでの選択結果は、図11及び図12に示す紐付けテーブルに随時反映される。
【0057】
図14及び図15には、図9及び図10に示す公開企業データベース11上の損益対照表及び貸借参照表を、図11及び図12に示す紐付けテーブルを用いて科目名を読み替えて、統合財務データベース14に統合した結果をそれぞれ示している。各図に示すように、外部の情報プロバイダから取得した公開企業データベース11は、細分化している勘定科目を集約して、統合財務データベース14に統合される。
【0058】
次いで、非公開企業データベース13を統合財務データベース14に統合する処理の流れについて説明する。
【0059】
既に述べたように、非公開企業データベース13は、各非公開企業から直接入手した印刷物形式の決算書(図3及び図4を参照のこと)を、OCR12により読み取り、文字認識処理を経てCSV形式のデータ・ファイル(図5及び図6を参照のこと)に変換した後、リレーショナル・データベースとして処理可能なデータ形式(例えばAccess形式:図7及び図8を参照のこと)に変換したもので構成されている。勿論、非公開企業から既に電子化された形式で決算書を取得した場合には、OCR読み込みやCSV形式データへの変換など途中の処理過程を省略することができる。
【0060】
公開企業データベース11の場合と同様に、非公開企業データベース13と統合財務データベース14間での勘定科目の対応関係を記述した紐付けテーブルをあらかじめ用意しておく。そして、非公開企業データベース13から企業毎に(あるいは財務帳票毎に)Access形式に変換された財務データを取り出して、データ統合処理に投入して、財務帳票中の勘定科目をこれら紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0061】
ここで、各業種毎に紐付けテーブルを用意しておくことによって、業種によって異なる勘定科目からなる財務諸表を表すことが可能である。また、非公開企業データベース13上の勘定科目と統合財務データベース14上の勘定科目は、一対一又は多対一の関係にある。
【0062】
図16及び図17には、非公開企業データベース13の統合処理のために使用される損益用及び貸借用の紐付けテーブルの構成例をそれぞれ示している。同図に示す例では、例えば元の非公開企業の財務帳票(損益対照表)上では「有価証券売却益」という勘定科目名が紐付けテーブルによって「その他の特別利益」に関連付けられている。
【0063】
図7及び図8に示す所定形式の財務帳票をデータ統合処理に投入した際、財務帳票に含まれている各勘定科目を図16及び図17に示す紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0064】
図7及び図8に示す所定形式の財務帳票をデータ統合処理に投入した際、財務帳票に含まれている各勘定科目を図16及び図17に示す紐付けテーブルで検索して、統合財務データベース用の科目名に読み替える処理を行なう。
【0065】
また、非公開企業データベース13の財務帳票で使用されている勘定科目が既存の紐付けテーブルに用意されていない場合には、ユーザは手入力で読み替えたい勘定科目を選択することができる。
【0066】
図18には、非公開企業データベース13で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示している。
【0067】
図示の例で、左のフォームでは、非公開企業データベース13上の勘定科目「債務免除益」に対応する統合財務データベース14上の勘定科目「その他の特別利益」が自動的に選択されている。これに対し、右のフォームでは、公開企業データベース11上の勘定科目「未払退職金」に対応する勘定科目が統合財務データベース14上には存在しないことから、科目選択フィールドのリストボックスを開いて、統合財務データベース14で用意されているすべての勘定科目の中から選択することができる。このフォームでの選択結果は、図16及び図17に示す紐付けテーブルに随時反映される。
【0068】
図19及び図20には、図7及び図8に示す非公開企業データベース13上の損益対照表及び貸借参照表を、図16及び図17に示す紐付けテーブルを用いて勘定科目名を読み替えて、統合財務データベース14に統合した結果をそれぞれ示している。各図に示すように、外部の情報プロバイダから取得した非公開企業データベース13は、細分化している勘定科目を集約して、公開企業データベース11とともに統合財務データベース14に統合される。
【0069】
要するに、本実施形態に係る財務データ管理システム1では、非公開企業データベース13に対して基本貸借対照表、基本損益計算書を用意し、勘定科目を読み替え、各データ項目に当てはめていく訳である。また、基本貸借対照表、基本損益計算書から作成される比率テーブルも用意する。また、基本財務諸表(貸借対照表、損益計算書)は各業種毎に用意することで、業種によって異なる勘定科目も表すことが可能である。
【0070】
統合財務データベース14が機能として有するレポート作成システムによって、出力帳票(統合財務帳票)を作成する。この出力帳票は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、財務比率を用意しているので、ユーザはこれを参照することによって企業の財務内容を簡易に把握することができる。また、業種別の帳票を作成することができるので、業種毎の特性を表すことも可能であり、他社比較を容易に行なうことができる。
【0071】
本実施形態に係る財務データ管理システム1によれば、公開企業データベース11と非公開企業データベース13を統合した財務データベースを構築することにより、効率的な財務管理サービスを実現することができる。また、ユーザがパーソナル・コンピュータのような比較的安価な情報機器を用いて帳票やーフォームを自由にデザインすることもできるので、外部環境の変化に応じたニーズに対応することができる。
【0072】
さらに、財務データベースの取り扱い・管理という運用面で考えた場合、従来は決算書読み取り、勘定科目編集、データベース登録という作業が一人に制限されてしまい非効率的であったが(図22を参照のこと)、図21に示すように、本実施形態に係る財務データ管理システム1にローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を組み込むことにより、勘定科目編集、データベース登録などの作業を複数名で分担して効率的に行なうことが可能である。
【0073】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0074】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、各企業の財務データを基に企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びに記憶媒体を提供することができる。
【0075】
また、本発明によれば、公開企業並びに非公開企業の財務諸表を統合して財務データベースを構築して企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びに記憶媒体を提供することができる。
【0076】
また、本発明によれば、フォーマットが区々である各企業の財務諸表を効率的に統合して、企業の格付け策定や自己査定を容易にすることができる、優れた財務データ管理システム及び財務データ管理方法、並びに記憶媒体を提供することができる。
【0077】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、財務データを時系列的に蓄積するので、社内格付け策定や自己査定業務において、企業への投融資業務に対して財務データの提供という形態で側面支援を行なうことも可能である。
【0078】
また、本発明に係る財務データ管理システムは、入力メニューとしてハンド処理が用意され、業績予想、修正、短信などのデータも即時に反映することができるシステムである。データが確定された場合には、予想値などのデータは洗い替えされ、常に最新で且つ正確な数値を保つことも担保されている。
【0079】
本発明に係る財務データ管理システムによれば、公開企業データベースと非公開企業データベースを統合した財務データベースを構築することにより、効率的な財務管理サービスを実現することができる。また、ユーザがパーソナル・コンピュータのような比較的安価な情報機器を用いて帳票やーフォームを自由にデザインすることもできる。
【0080】
財務データベースの取り扱い・管理という運用面で考えた場合、従来は決算書読み取り、勘定科目編集、データベース登録という作業が一人に制限されてしまい非効率的であった。これに対し、本発明に係る財務データ管理システムにローカル・エリア・ネットワークを組み込むことにより、勘定科目編集、データベース登録の作業を複数名で分担して効率的に行なうことが可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る財務データ管理システム1の概観構成を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る財務データ管理システム1において統合財務データベースを構築するための処理フローを模式的に示した図である。
【図3】印刷物形式の決算書(損益計算書)を例示した図である。
【図4】印刷物形式の決算書(貸借参照表)を例示した図である。
【図5】図3に示した印刷物形式の決算書(損益計算書)がCSV形式データに変換された様子を表形式で示した図である。
【図6】図4に示した印刷物形式の決算書(貸借参照表)がCSV形式データに変換された様子を表形式で示した図である。
【図7】図5に示したCSV形式の決算書(損益計算書)がAccess形式データに変換された画面表示例を示した図である。
【図8】図6に示したCSV形式の決算書(貸借参照表)がAccess形式データに変換された画面表示例を示した図である。
【図9】情報プロバイダから提供される公開企業データベース11から取り出されたある特定の企業についての損益対照表を示した図である。
【図10】情報プロバイダから提供される公開企業データベース11から取り出されたある特定の企業についての貸借参照表を示した図である。
【図11】公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した損益用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図12】公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した貸借用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図13】公開企業データベース11で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示した図である。
【図14】図9に示した公開企業データベース11上の損益対照表を図11に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図15】図10に示した公開企業データベース11上の貸借参照表を図12に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図16】非公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した損益用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図17】非公開企業データベースと統合財務データベース間での勘定科目の対応関係を記述した貸借用の紐付けテーブルの構成例を示した図である。
【図18】非公開企業データベース13で使用されている勘定科目を統合財務データベース14の勘定科目に読み替える際の勘定科目を選択するために利用する入力フォームを示した図である。
【図19】図7に示した非公開企業データベース13上の損益対照表を図16に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図20】図8に示した非公開企業データベース13上の貸借参照表を図17に示す紐付けテーブルを参照して統合財務データベース14にデータ統合した結果を示した図である。
【図21】本実施形態に係る財務データ管理システム1による財務データの管理作業の仕組みを概略的に示した図である。
【図22】各非公開企業の財務帳票を統合的に取り扱えための従来のシステム構成を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…財務データ管理システム
11…公開企業データベース
12…OCR(光学式文字読取装置)
13…非公開企業データベース
14…統合財務データベース
Claims (14)
- 複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合する財務データ管理システムであって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルと、
前記紐付きテーブルを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約手段と、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録手段と、
を具備することを特徴とする財務データ管理システム。 - 財務諸表で使用される勘定科目名が紐付きテーブルに用意されていない場合に読み替えたい勘定科目をユーザが手入力で選択するユーザ入力手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の財務データ管理システム。 - 印刷物として提示された企業の財務諸表を光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換するデータ変換手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の財務データ管理システム。 - 業種毎に異なる紐付きテーブルを用意する、
ことを特徴とする請求項1に記載の財務データ管理システム。 - 前記統合財務データベース登録手段によって統合された統合財務データベースを基に統合財務帳票を作成出力する帳票出力手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の財務データ管理システム。 - 前記帳票出力手段は、業種別に帳票を作成する、
ことを特徴とする請求項5に記載の財務データ管理システム。 - 複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合する財務データ管理方法であって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルとを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約ステップと、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録ステップと、
を具備することを特徴とする財務データ管理方法。 - 財務諸表で使用される勘定科目名が紐付きテーブルに用意されていない場合に読み替えたい勘定科目をユーザが手入力で選択するユーザ入力ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の財務データ管理方法。 - 印刷物として提示された企業の財務諸表を光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換するデータ変換ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の財務データ管理方法。 - 業種毎に異なる紐付きテーブルを使用する、
ことを特徴とする請求項7に記載の財務データ管理方法。 - 前記統合財務データベース登録ステップによって統合された統合財務データベースを基に統合財務帳票を作成出力する帳票出力ステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の財務データ管理方法。 - 前記帳票出力ステップでは、業種別に帳票を作成する、
ことを特徴とする請求項11に記載の財務データ管理方法。 - 複数の勘定科目からなる各企業の財務諸表を統合するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
各企業の財務諸表で使用される勘定科目名と統合財務データベースで使用される勘定科目名との対応関係を記述した紐付きテーブルとを参照して、各企業の財務諸表で使用される勘定科目を集約する勘定科目集約ステップと、
勘定科目が集約された各企業の財務諸表を統合財務データベースに統合する統合財務データベース登録ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - 印刷物として提示された企業の財務諸表を光学的に読み取り、文字認識し、データベースに連携したコンピュータ・データに変換するデータ変換ステップをさらに備える、
を特徴とする請求項13に記載のコンピュータ・プログラム。
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