本実施形態は、仕訳処理対象の主文書の関連文書を効率的に見つけることを主な目的とする。第1の実施形態では、主文書に応じて設定された関連文書のマッチングルールを利用する。第2の実施形態では、機械学習された主文書と関連文書の関係を利用する。仕訳処理の結果、取引ごとに、借方の情報(勘定科目、金額、税等)と貸方の情報(勘定科目、金額、税等)とが対応付けられているデータが生成され、仕訳装置の不図示の保持部に格納される。このように生成されたデータは、後述のとおり表示の用に供されてもよいし、後続の税務処理、会計処理に用いられてもよい。
図1は、第1の実施形態に係る仕訳装置100の機能ブロック図である。仕訳装置100は、文書入力部101と、文書格納部102と、メタデータ抽出部103と、主文書取得部104と、複合ルール格納部105と、複合ルール登録部106と、複合ルール選択部107と、マッチングルール取得部108と、関連文書検索部109と、仕訳処理部110と、表示制御部111を備える。これらの機能ブロックは、コンピュータの中央演算処理装置、メモリ、入力装置、出力装置、コンピュータに接続される周辺機器等のハードウェア資源と、それらを用いて実行されるソフトウェアの協働により実現される。コンピュータの種類や設置場所は問わず、上記の各機能ブロックは、単一のコンピュータのハードウェア資源で実現してもよいし、複数のコンピュータに分散したハードウェア資源を組み合わせて実現してもよい。本実施形態では、仕訳装置100はインターネットなどのネットワークを介してユーザ端末(PC、スマートフォンなど)に接続され、ユーザはユーザ端末の適宜の入力手段(マウス、キーボード、タッチパネル、カメラなど)により入力や操作を行い、ユーザ端末のディスプレイに表示される表示画面20を見る場合を説明する。
文書入力部101は、仕訳処理対象の文書を入力し、文書格納部102に格納する。本実施形態では、文書は主文書と関連文書に分類される。主文書は、実行しようとする仕訳処理において必要不可欠な文書であり、取引の内容の証拠となる証憑書類が該当する。主文書がなければ仕訳処理は実行されない。関連文書は、主文書に基づく仕訳処理を補足する情報を提供する文書である。関連文書は、主文書と併せて取引の内容を証明する証憑書類でもよいし、仕訳処理の完了には必要とされない任意の補足書類(例えば、取引に関する関係者の通信記録や備忘録)でもよい。したがって、後述するように、関連文書がなければ仕訳処理が実行されない場合もあるし、関連文書がなくても仕訳処理が実行される場合もある。また、証憑書類は実行しようとする仕訳処理に応じて主文書にも関連文書にもなりうる。したがって、主文書と関連文書の分類は固定的なものではなく、実行しようとする仕訳処理に応じて変わる流動性をもつ場合もある。
主文書と関連文書の簡単な具体例をいくつか示す。図9は、仕訳装置100により提供される自動仕訳サービスを利用する企業40における請求書の支払処理を説明する模式図である。この例では、仕訳装置100と自動仕訳サービス利用企業40の企業担当者端末41とはインターネットなどのネットワーク42を介して通信可能に接続されている。自動仕訳サービス利用企業40は外注先などの取引先43に商品やサービスを発注し、取引先43は発注された商品やサービスを自動仕訳サービス利用企業40に提供する。取引先43は商品やサービスの対価を請求するために請求書を作成して自動仕訳サービス利用企業40に送付する。自動仕訳サービス利用企業40は自身が銀行口座を有する銀行44に、請求書に記載の額の金銭を自身の銀行口座から取引先43の銀行口座に振り込むよう指示する。銀行44は当該振り込み処理を行う。銀行44は月一回などの頻度で定期的に自動仕訳サービス利用企業40の銀行取引明細書(例えば、上記の振り込みの記録を含む)を作成し、当該企業40に提供する。この請求書の支払処理では、取引先からの請求書が主文書となり、その請求書に記載された請求額が取引先の銀行口座に出金されたことを示す銀行取引明細書が関連文書となる。この例では、主文書および関連文書が共に仕訳処理の完了に必要な証憑書類であり、両文書が揃った段階で、借方で請求額の費用を計上する、買掛金の減少に伴う負債減を計上する等の仕訳処理が実行され、貸方で銀行口座からの請求額の出金に伴う資産減を計上する仕訳処理が実行される。
税金の還付処理では、税務当局からの還付通知書が主文書となり、その還付通知書に記載された還付額が銀行口座に入金されたことを示す銀行取引明細書が関連文書となる。この例でも、主文書および関連文書が共に仕訳処理の完了に必要な証憑書類であり、両文書が揃った段階で、借方で銀行口座への還付額の入金に伴う資産増を計上する仕訳処理が実行され、貸方で入金に伴う収益を計上する、繰延税金資産の取り崩しに伴う資産減を計上する等の仕訳処理が実行される。
証憑書類の例を以下に示す。
・見積書、注文書、納品書、請求書、領収書、借入契約書、納税通知書、還付通知書、金利通知書、配当金支払通知書等の取引や資金移動の内容を示す書類
・銀行取引明細書等の銀行口座の入出金を示す書類
・減価償却の対象となる資本的経費(CAPEX)のリスト
・不動産の新規取得、工事完了報告書、稼働状況、賃料、収入、支出、敷金、未収金等の不動産管理に関する書類
・信託決算書等の信託に関する報告書
以上のような証憑書類やその他の任意の補足書類の種類は、後述するメタデータ抽出部103がメタデータを抽出したときに判定して文書格納部102に記録する。あるいはまた、文書の種類は、文書が入力されたとき、ユーザのマニュアル入力またはコンピュータの自動認識によって、文書入力部101が文書格納部102に記録してもよい。
なお、本実施形態において、「文書」および「書類」は、任意の種類、形式、拡張子のファイル、電子文書を意味する。したがって、文書および書類には、狭義の文書ファイルだけでなく、表計算ファイル、画像ファイル、動画ファイル、音声ファイル、電子メールやメッセージ等の通信ファイル等の非文書形式のファイルも含まれる。紙の証憑書類等をイメージスキャナで取り込んだ文書は、画像ファイルとして文書入力部101に入力される。
メタデータ抽出部103は、文書入力部101が文書格納部102に格納した文書からメタデータを抽出する。文書が文書ファイル、表計算ファイル、通信ファイル等のテキストデータを含むファイルの場合、仕訳処理に用いられる可能性のある各テキストデータを個別に抽出し、適当な種別情報を付してメタデータを生成する。
たとえば、文書の種類が請求書の場合、発行元の名前が「AAA」とのテキストデータだったとして、「発行元名前」との種別情報が付加されたメタデータ「発行元名前:AAA」が生成される。同様に、請求書の宛先の名前が「BBB」とのテキストデータだった場合は「宛先名前」との種別情報が付加されたメタデータ「宛先名前:BBB」が生成され、請求書の請求額が「CCC」とのテキストデータだった場合は「請求額」との種別情報が付加されたメタデータ「請求額:CCC」が生成され、請求書の発行日が「DDD」とのテキストデータだった場合は「発行日」との種別情報が付加されたメタデータ「発行日:DDD」が生成される。
なお、文書にテキストデータ以外の非テキストデータ、例えば、団体や商品等のロゴタイプの画像データが含まれている場合は、その非テキストデータをそのままメタデータとして抽出してもよい。この際、その非テキストデータが表すもの(ロゴタイプの画像データの例では団体や商品等)を種別情報としてメタデータに含めるのが好ましい。
文書が画像ファイル、動画ファイル、音声ファイル等の通常はテキストデータを含まないファイルの場合、メタデータ抽出部103は、画像認識や音声認識等の非テキストデータ認識によって仕訳処理に用いられる可能性のあるデータをファイルから抽出し、適当な種別情報を付してメタデータを生成する。典型的な例として、紙の証憑書類等をイメージスキャナで画像ファイルとして取り込んだ文書に対し、画像認識の一種である光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)を適用することで、画像ファイルからテキストデータを抽出できる。抽出されたテキストデータに基づくメタデータの生成は、上記のテキストデータを含むファイルと同様に行うことができる。
後述するように、文書のマッチングルールがテキストベースで設定される場合は、メタデータをこのようにテキストベースで抽出するのが好ましい。一方、画像や音声等の非テキストデータの認識技術の近年の進歩によって、非テキストデータのままでも文書のマッチングを行うことができる。したがって、メタデータは非テキストデータ、例えば画像データ、動画データ、音声データでもよい。上記の画像ファイルの例では、OCRを適用する代わりに、画像ファイル中で仕訳処理に用いられる可能性のある画像領域を特定し、その各画像領域の画像データに適当な種別情報を付してメタデータとしてもよい。
なお、人工知能(AI: Artificial Intelligence)技術の発展により、上記のような文書から直接抽出されたメタデータを人工知能が解釈し、仕訳処理に有用な補足データを自律的に生成することもできる。このように人工知能が生成した補足データもメタデータに含めるのが好ましい。
以上のようにメタデータ抽出部103によって文書から抽出されたメタデータは、当該文書と関係付けられ、当該文書と共に文書格納部102に格納される。以上が仕訳処理のための準備工程であり、以下が実際の仕訳処理である。
主文書取得部104は、文書格納部102から、仕訳処理対象の主文書を取得する。文書格納部102に格納されている多数の文書の中から、主文書取得部104が主文書を取得する順序やタイミングは任意であるが、以下、文書格納部102に新規文書が格納される都度、主文書取得部104がその新規文書を主文書として取得するものとする。なお、後述するように、主文書取得部104が取得した文書が結果的に主文書に該当しないこともあるが、その場合、仕訳装置100はその文書に基づく仕訳処理を中止して次の新規文書の格納まで待機する。
複合ルール格納部105は、主文書を指定する主文書指定情報、関連文書のマッチングルール、主文書および関連文書に基づく仕訳処理ルールを含む複合ルールを格納する。複合ルール登録部106は、複合ルール格納部105に複合ルールを登録する。複合ルール登録部106は、ユーザのマニュアル操作またはコンピュータの自動入力に応じて、新規の複合ルールの作成、既存の複合ルールの変更や削除等の登録処理を行う。
図2および図3は、複合ルール登録部106による複合ルールの登録画面例を示す。この登録画面は、後述する表示制御部111によって表示画面20に表示される。取引名表示領域21は、ユーザやコンピュータが任意に設定可能な取引の名称を表示する。取引概要表示領域22は、予め用意されたプルダウンリストから選択された取引の概要を表示する。エンティティ表示領域23は、本複合ルールが適用されるエンティティ(個人や法人)を表示する。例えば、多数の顧客を抱える税理士法人が本実施形態の仕訳装置100を利用する場合、エンティティ表示領域23で適用対象のエンティティを指定することで、税理士法人の顧客(エンティティ)毎に異なる複合ルールを設定できる。一方、全ての顧客に共通の複合ルールを設定する際は、図示のように「All」を指定する。税理士法人に所属する税理士は、自身が担当するエンティティの税務を行うために自身の端末からネットワークを介して仕訳装置100にアクセスし、当該エンティティのためのインスタンスにログインする。当該インスタンスでは、当該インスタンスに対応するエンティティが適用対象となっている複合ルールのみ使用される。例えば、「甲社」のインスタンスにログインしている場合、エンティティ表示領域23で「甲社」が指定されているか「ALL」が指定されている複合ルールのみが使用される。
仕訳表示領域24は、主文書表示領域25に表示される主文書と関連文書表示領域26に表示される関連文書を関連づけながら実行される仕訳処理の内容を表示する領域であり、複合ルールの主要部としての仕訳処理ルールを設定する。借方表示領域241は借方(Debit/Dr)の処理を設定し、貸方表示領域242は貸方(Credit/Cr)の処理を設定する。借方表示領域241および貸方表示領域242は、それぞれ、貸借表示部243、取引アカウント表示部244、取引サブアカウント表示部245、取引金額表示部246、税金アカウント表示部247、税金額表示部248を含み、それぞれの表示部が編集可能である。特にここでの日付や金額などの数値を指定する場合、主文書の項目および関連文書の項目の両方を演算に利用可能である。例えば、「金額=(主文書の項目1)-(関連文書の項目3)」のように、異なる文書の異なる項目に基づく設定が可能となっている。このように、仕訳表示領域24で指定される仕訳処理において主文書のみならず関連文書の情報も利用可能としたことにより、仕訳処理の設定の自由度を高めることができる。これにより、例えばより複雑な仕訳処理の自動化が可能となり、ユーザ利便性が向上する。
貸借表示部243は、借方(Dr)および貸方(Cr)の別を表示する。図示の取引例では、借方を表す借方表示領域241と貸方を表す貸方表示領域242がそれぞれ一つであるが、借方および/または貸方の項目が複数となる取引もある。その場合は、借方表示領域241および/または貸方表示領域242を複数設定できる。取引アカウント表示部244は、取引を記録する勘定科目(アカウント)を指定する。取引サブアカウント表示部245は、取引アカウント表示部244で指定された勘定科目の下位勘定科目(サブアカウント)を指定する。勘定科目に下位勘定科目がない場合、取引サブアカウント表示部245は空欄とされる。
取引金額表示部246は、取引アカウント表示部244および取引サブアカウント表示部245で指定された勘定科目および下位勘定科目に計上されるべき取引金額を指定する。図示の取引例は、取引概要表示領域22にあるように匿名組合出資金の入金処理に関し、主文書表示領域25に表示される主文書としての「Notice Letter」(匿名組合出資金の通知書)に基づいて実行される。借方表示領域241および貸方表示領域242の取引金額表示部246に表示される「NoticeAmount」は、「Notice Letter」に記載された匿名組合出資金の金額を取引金額とすることを意味する。このとき、借方表示領域241では匿名組合出資金の入金に伴う普通預金の増加が記録され、貸方表示領域242では匿名組合出資金の増加が記録される。
この例のように、借方表示領域241および貸方表示領域242がそれぞれ一つの場合、借方および貸方の取引金額表示部246は一致しなければならない。借方および/または貸方の項目が複数となる取引では、借方および貸方の取引金額表示部246の総額が一致しなければならない。
税金アカウント表示部247は、取引に関する税金を記録する勘定科目(アカウント)を指定する。税金額表示部248は、税金アカウント表示部247で指定された勘定科目に計上されるべき税金額を指定する。図示の取引例は、取引に関する税金が発生しないため、税金アカウント表示部247は「0 - 対象外」を表示し、税金額表示部248は「0」を表示する。
主文書表示領域25は、仕訳処理対象の主文書または主文書の種類を表示する。前述の通り、図示の例では、主文書または主文書の種類として「Notice Letter」(匿名組合出資金の通知書)が登録されている。主文書の詳細登録画面については図3に関して後述する。
関連文書表示領域26は、主文書について予め設定された関連文書のマッチングルールに基づき検索される関連文書または関連文書の種類を表示する。図示の例では、関連文書または関連文書の種類として「Bank Statement」(匿名組合出資金が入金される銀行の取引明細書)が登録されている。なお、主文書とは異なり、関連文書は一つの複合ルールに複数登録できるため、そのための関連文書追加ボタン261が設けられる。関連文書の詳細登録画面については図3にて後述する。
文書ルール表示領域27は、図3に示される主文書の指定情報および関連文書のマッチングルールの登録画面で登録された文書ルールの名称271と登録日272を表示する。画面上で文書ルールの名称271を選択することで、図3の詳細登録画面に遷移できる。
図3は、主文書の指定情報および関連文書のマッチングルールの詳細登録画面である。文書ルールの名称271は、ユーザやコンピュータが任意に設定可能である。
主文書表示領域25は、主文書を指定する主文書指定情報の設定項目として、文書種別251、メタデータ種別(Data Key)252、比較条件253、比較値254を含む。文書種別251は、文書の種類を設定する。例えば、先に例示した各種の証憑書類をプルダウンリストから選択できる。図示の例では、前述の通り、匿名組合出資金の通知書に対応する「Notice Letter」が設定されている。
メタデータ種別252は、文書種別251で設定された種類の文書について、主文書の指定に用いるメタデータの種類を設定する。メタデータ抽出部103の説明において、文書の種類が請求書の場合の「発行元名前:AAA」「宛先名前:BBB」「請求額:CCC」「発行日:DDD」等のメタデータを例示したが、これらの各メタデータの前段にある「発行元名前」「宛先名前」「請求額」「発行日」等の種別情報をメタデータ種別252で設定できる。文書種別251に応じて、主文書の指定に主に用いるメタデータの種類は限られるため、これらをプルダウンリストとしてユーザがその中から適当なものを選択できるようにしてもよい。図示の例では、匿名組合出資金の通知書の「Notice Sender」(発行元名前)が設定されている。
比較条件253は、メタデータ種別252で設定された種類のメタデータについて、比較値254で設定される比較値に対する比較条件を設定する。比較値254が図示のようにテキストデータである場合、比較条件253はテキストデータに対する各種の論理演算方法を設定する。例えば、比較値254のテキストに関し「それと同一である」「それと同一でない」「それを含む」「それを含まない」「それから始まる」「それから始まらない」「それで終わる」「それで終わらない」等の各種の比較条件を設定できる。また、比較値254が数値データである場合、比較条件253は数値データに対する各種の算術演算方法を設定する。例えば、比較値254の数値に関し「それと等しい」「それと等しくない」「それより大きい」「それより小さい」「それ以上」「それ以下」等の簡単な大小比較条件を設定できる。以上のような論理演算または算術演算において複数の比較値254を設定してもよい。その場合の比較条件253は、複数の比較値254に基づく任意の比較演算を行う多変数関数として設定できる。
図示の例では、「株式会社XX銀行」との比較値254に対し、「contains」(含む)との比較条件253が設定されている。したがって、この主文書指定情報は、「Notice Sender」(メタデータ種別252)として「株式会社XX銀行」(比較値254)を「含む」(比較条件253)「Notice Letter」(文書種別251)を主文書として指定するものである。換言すれば、この主文書指定情報によって株式会社XX銀行が発行した匿名組合出資金の通知書が主文書として指定される。
なお、図示の例では、設定項目251~254の組合せで定義される主文書指定情報が一つしかないが、主文書指定情報追加ボタン255によって主文書指定情報を追加できる。この際、一つの複合ルールに登録される主文書は一つであるため、必然的に文書種別251は既存の主文書指定情報と同じになる。したがって、新たに追加する主文書指定情報では、メタデータ種別252、比較条件253、比較値254の三つの項目を設定すればよい。また、主文書指定情報削除ボタン256によって既存の主文書指定情報を削除できる。
関連文書表示領域26は、主文書表示領域25と同様に、関連文書のマッチングルールの設定項目として、文書種別262、メタデータ種別263、比較条件264、比較値265を含む。これらの設定項目は、主文書表示領域25の文書種別251、メタデータ種別252、比較条件253、比較値254と同等であり、重複した説明は省略する。文書種別262は、主文書の文書種別251と同様に、文書の種類を設定する。主文書は証憑書類に限られるが、関連文書は証憑書類以外の任意の補足書類でもよいため、それらに対応する種類も追加的に設定可能である。図示の例では、前述の通り、匿名組合出資金の入金に関する「Bank Statement」が設定されている。そして、この「Bank Statement」について、二つのマッチングルールが設定されている。
第1のマッチングルールでは、メタデータ種別263に「Item Description」(摘要)が設定され、比較条件264に「contains」(含む)が設定され、比較値265に「ガイコクカンケイ」(外国関係)が設定されている。したがって、このマッチングルールは、「Item Description」(メタデータ種別263)に「ガイコクカンケイ」(比較値265)のテキストを「含む」(比較条件264)「Bank Statement」(文書種別262)を関連文書として見つけるものである。換言すれば、このマッチングルールによって外国関係の摘要を含む銀行取引明細書を関連文書として検索できる。
第2のマッチングルールでは、メタデータ種別263に「Transaction Amount」(取引金額)が設定され、比較条件264に「=」(等しい)が設定され、比較値265に「NoticeAmount」(前述の通り、主文書としての「Notice Letter」に記載された匿名組合出資金の金額)が設定されている。したがって、このマッチングルールは、「Transaction Amount」(メタデータ種別263)が「NoticeAmount」(比較値265)に「等しい」(比較条件264)「Bank Statement」(文書種別262)を関連文書として見つけるものである。換言すれば、このマッチングルールによって通知書に記載された匿名組合出資金の金額と等しい取引金額(入金額)を含む銀行取引明細書を関連文書として検索できる。
したがって、上記の第1および第2のマッチングルールの組合せによって、外国関係の摘要を含み、かつ、通知書に記載された匿名組合出資金の金額と等しい取引金額を含む銀行取引明細書を関連文書として検索できる。このように検索された関連文書としての銀行取引明細書は、主文書である株式会社XX銀行発行の匿名組合出資金の通知書と共に、図2の仕訳表示領域24に表示される取引の証憑となる。図示の例では、これらの両文書が揃った段階で、仕訳表示領域24に表示される取引(株式会社XX銀行からの匿名組合出資金の入金処理)の仕訳処理が後述する仕訳処理部110により実行される。
なお、マッチングルール追加ボタン266によって、既存の関連文書「Bank Statement」(文書種別262)についてマッチングルールを追加できる。また、また、マッチングルール削除ボタン267によって既存のマッチングルールを削除できる。さらに、図2と同様の関連文書追加ボタン261によって、別の関連文書を追加することもできる。
図3に示される文書ルールは、文書から抽出されたテキストデータを比較値254、265とするものである。これに対し、画像データ、動画データ、音声データ、AIによる補足データ等の非テキストデータに基づいて文書ルールを構成することもできる。この場合、比較値254、265の代わりに非テキストデータそのものを比較対象データとし、比較条件253、264の代わりに比較対象データの形式に合わせた類否判断アルゴリズムを用いればよい。例えば、団体や商品等のロゴタイプの画像データを比較対象データとする場合、任意の画像類否判断アルゴリズムを用いて、そのロゴタイプと類似の画像を含む文書を検索できる。
図4は、複合ルール格納部105に格納される複合ルールのデータ構造を示す。本図に示される各データについては、図2および図3で詳述した。複合ルールは、基本情報と、仕訳処理ルール24と、主文書指定情報25と、関連文書マッチングルール26を含む。基本情報は、複合ルールを特定するID(例えば、取引名表示領域21に入力された名称や一意の記号番号)と、複合ルールが対応する取引の概要(例えば、取引概要表示領域22に入力された情報)と、複合ルールの適用対象のエンティティ(例えば、エンティティ表示領域23で指定されたエンティティ)の各情報を含む。
仕訳処理ルール24は、借方情報241と貸方情報242を含む。借方情報241および貸方情報242は、それぞれ、貸借情報243、取引アカウント情報244、取引サブアカウント情報245、取引金額情報246、税金アカウント情報247、税金額情報248を含む。
取引に応じて実行すべき仕訳処理の内容に応じて、借方情報241および/または貸方情報242が複数あってもよい。主文書指定情報25は、文書種別251、メタデータ種別252、比較条件253、比較値254を含む。これらのデータの組251~254は複数あってもよい。その場合、前述したように、文書種別251は全てのデータの組で同一である。関連文書マッチングルール26は、文書種別262、メタデータ種別263、比較条件264、比較値265を含む。これらのデータの組262~265は複数あってもよい。
図1に戻り、仕訳装置100の残りの構成について説明する。
複合ルール選択部107は、主文書取得部104が取得した主文書を指定する主文書指定情報を含む複合ルールを複合ルール格納部105から選択する。ここでいう主文書指定情報は、図3の主文書表示領域25における文書種別251、メタデータ種別252、比較条件253、比較値254で構成されるものである。したがって、主文書取得部104が取得した主文書が「株式会社XX銀行が発行した匿名組合出資金の通知書」との図3の主文書指定情報251~254に合致する場合、図2および図3に示される複合ルールが複合ルール選択部107によって選択される。
一方、主文書取得部104が取得した文書に合致する主文書指定情報251~254を含む複合ルールがない場合、本文書は関連文書である可能性が高い。その場合、仕訳装置100はその文書についての以降の処理を中止して、主文書取得部104が新たな文書を取得するまで待機する。また、主文書取得部104が取得した文書に合致する主文書指定情報251~254を含む複合ルールが複数ある場合、複合ルール選択部107は、予め定められた優先順位に従って、または、任意の順番で複合ルールを選択する。この処理については後述する。
マッチングルール取得部108は、主文書取得部104が取得した主文書について予め設定された関連文書のマッチングルールを取得する。具体的には、マッチングルール取得部108は、複合ルール選択部107で選択された複合ルールに含まれる関連文書のマッチングルールを取得する。ここでいうマッチングルールは、図3の関連文書表示領域26における文書種別262、メタデータ種別263、比較条件264、比較値265で構成されるものである。
関連文書検索部109は、マッチングルール取得部108が取得したマッチングルールに基づき、文書格納部102に格納された関連文書を検索する。図2および図3に示される複合ルールが複合ルール選択部107によって選択され、マッチングルール取得部108によってそのマッチングルール262~265が取得された場合、関連文書検索部109は「外国関係の摘要を含み、かつ、通知書に記載された匿名組合出資金の金額と等しい取引金額を含む銀行取引明細書」を関連文書として検索する。文書格納部102内で関連文書が見つかった場合は、次の仕訳処理部110の処理に進む。文書格納部102内で関連文書が見つからなかった場合の処理については後述する。
仕訳処理部110は、主文書取得部104が取得した主文書および関連文書検索部109が検索した関連文書を関連づけながら仕訳処理を実行する。具体的には、仕訳処理部110は、複合ルール選択部107によって選択された複合ルールに含まれる仕訳処理ルールに基づき仕訳処理を実行する。ここでいう仕訳処理ルールは、図2の仕訳表示領域24に表示されるものである。図2および図3の複合ルールが選択された場合は、主文書表示領域25の主文書と関連文書表示領域26の関連文書が揃った段階で、仕訳処理部110が仕訳表示領域24の仕訳処理を実行する。
表示制御部111は、仕訳処理部110が実行する仕訳処理の状況または結果を表示画面20に表示させる。画面例は後述する図6に示す。
図5は、仕訳装置100の処理を示すフローチャートである。フローチャートの説明において「S」は「ステップ」を意味する。
S1では文書入力部101が仕訳処理対象の文書を入力する。S2ではS1で入力された文書が文書格納部102に格納される。S3ではメタデータ抽出部103がS2で格納された文書からメタデータを抽出する。S4ではS3で抽出されたメタデータに基づきメタデータ抽出部103が文書の種別(請求書、還付通知書、銀行取引明細書など)を判定する。この文書の種別の判定は、ルールベースで行われてもよいし、機械学習により得られるモデルを用いて行われてもよい。S3で抽出されたメタデータが文書の種別を含む場合はその種別が採用され、含まない場合は、文書の画像認識および/または他のメタデータの内容に基づいてルールベースまたは機械学習ベースで種別が判定されてもよい。なお、S3で抽出されたメタデータおよびS4で判定された文書種別は、S2で格納された文書と関係づけられ、当該文書と共に文書格納部102に格納される。本実施形態では、S1~S4の文書準備工程と、S5以降の文書処理工程が引き続いて行われるが、文書準備工程と文書処理工程を別工程として、それぞれを任意のタイミングで行ってもよい。
S5では、主文書取得部104が文書格納部102から仕訳処理対象の文書を取得する。S6では、主文書取得部104がS5で取得した文書について未処理取引の有無を判定する。銀行取引明細書のように、一つの文書に複数の取引が含まれる場合は、各取引が順次処理される。
S7では複合ルール選択部107がS4で判定された文書種別に基づいて複合ルール格納部105に格納された複合ルールを検索する。具体的には、図3の主文書表示領域25に表示される主文書指定情報として、S4で判定された文書種別と同一の文書種別251を含む複合ルールが検索される。例えば、S4で判定された文書種別が「請求書」であった場合、文書種別251が「請求書」になっている複合ルールが検索される。
つづくS8では複合ルール選択部107がS7で検索された同一文書種別の複合ルールについてS5で取得された文書が主文書指定情報252~254に合致するか否かを判定する。合致しなかった場合はS7に戻り、同一文書種別の他の複合ルールが検索される。合致した場合はS9に進み、その主文書指定情報252~254を含む複合ルールを複合ルール選択部107が選択する。この時点で、S5で取得された文書が、特定の複合ルールに対応する主文書と認定されたことになる。
S10ではマッチングルール取得部108がS9で選択された複合ルールに含まれる関連文書のマッチングルール262~265を取得する。S11では関連文書検索部109がS10で取得された関連文書のマッチングルール262~265に基づき関連文書を検索する。S12では関連文書検索部109が関連文書が見つかった否かを判定する。関連文書が見つかった場合はS13に進み、仕訳処理部110がS9で選択された複合ルールの仕訳表示領域24に表示される仕訳処理ルールに基づき仕訳処理を実行する。関連文書が見つからなかった場合はS14に進み後述する例外処理が実行される。
その後、S6に戻り、S5で取得された文書について未処理取引がなくなるまでS7~S14の処理が繰り返される。
つづいて、S12で関連文書が見つからなかった場合のS14の例外処理について、請求書の支払処理を例に説明する。請求書の支払処理では、S5で取得された取引先からの請求書が主文書となり、その請求書に記載された請求額が取引先の銀行口座に出金されたことを示す銀行取引明細書が関連文書となる。
関連文書が見つからなかった場合は、同じ複合ルール内で例外処理を行う場合と、他の複合ルールに遷移して例外処理を行う場合の二通りに分けられる。また、例外処理の内容について、関連文書が見つからなかった場合に所期の仕訳処理とは異なる勘定科目を使用する場合と、関連文書が見つからなかった旨を記録した上で所期の仕訳処理と同じ勘定科目を使用する場合の二通りがある。これらの組合せにより、例外処理には四つの類型がある。以下、それぞれの類型について順次説明する。
第1の類型の例外処理では、同じ複合ルール内で例外処理を行い、関連文書が見つからなかった場合に所期の仕訳処理とは異なる勘定科目を使用する。この類型では、S12で関連文書が見つからなかった場合でも、S9で選択された複合ルール内で例外処理が行われる。この複合ルールは、図2の仕訳表示領域24に表示される所期の仕訳処理ルール(第1の仕訳処理ルール)に加えて、関連文書が見つからなかった場合に仕訳処理部110が例外的に実行する予備の仕訳処理ルール(第2の仕訳処理ルール)を含む。請求書の支払処理の例では、所期の仕訳処理ルールが「借方に請求額の費用を計上し、貸方に請求額の出金に伴う銀行口座の資産減を計上する」であるのに対し、関連文書としての銀行取引明細書が見つからなかった場合の予備の仕訳処理ルールが「借方に請求額の費用を計上し、貸方に請求額の支払義務である買掛金を計上する」である。銀行取引明細書が見つからなかった場合は、銀行口座からの出金の証憑がない状態であるため、それが解消されるまでの間は買掛金として会計帳簿に記録される。
第2の類型の例外処理では、同じ複合ルール内で例外処理を行い、関連文書が見つからなかった旨を記録した上で所期の仕訳処理と同じ勘定科目を使用する。この類型では、S12で関連文書が見つからなかった場合でも、S9で選択された複合ルール内で例外処理が行われる。仕訳処理部110は、図2の仕訳表示領域24に表示される所期の仕訳処理ルールに基づき仕訳処理を実行するが、関連文書が見つからなかった場合は、その情報を併せて記録する。請求書の支払処理の例では、所期の仕訳処理ルール「借方に請求額の費用を計上し、貸方に請求額の出金に伴う銀行口座の資産減を計上する」に基づく仕訳処理が実行されるが、関連文書としての銀行取引明細書が見つからなかった場合は、決済が未確認であることを示す「w/o settlement」等のステータス情報が仕訳処理時に付与される。一方、関連文書としての銀行取引明細書が見つかった場合は、決済が確認済であることを示す「with settlement」等のステータス情報が仕訳処理時に付与される。このように、未決済の仕訳処理(JE: Journal Entry)は「JE w/o settlement」等と表示され、決済済の仕訳処理は「JE with settlement」等と表示されるため、各仕訳処理の決済状況を効果的に把握できる。例えば、ユーザは月末など所定の期日にステータス情報=「JE w/o settlement」を指定することで未払いの仕訳を特定し、特定された仕訳に対応する振り込み処理を行うことで未払い金の取り崩し処理(または買掛金の取り崩し処理)を一括して効率的に行うことができる。
第3の類型の例外処理では、他の複合ルールに遷移して例外処理を行い、関連文書が見つからなかった場合に所期の仕訳処理とは異なる勘定科目を使用する。この類型では、S12で関連文書が見つからなかった場合、S9に戻って他の複合ルールが選択される。ここでいう他の複合ルールとは、元々S9で選択されていた複合ルールと、主文書指定情報251~254が同一で、関連文書のマッチングルール262~265および仕訳処理ルール24が異なる複合ルールである。ここで、他の複合ルールは関連文書のマッチングルール262~265を含まなくてもよく、その場合は関連文書のマッチング処理S10~S12がスキップされて、元々S9で選択されていた複合ルールの仕訳処理ルール(第1の仕訳処理ルール)とは異なる仕訳処理ルール(第2の仕訳処理ルール)に基づく仕訳処理がS13で実行される。第1の仕訳処理ルールと第2の仕訳処理ルールについては、第1の類型の例外処理で前述した通りである。
第4の類型の例外処理では、他の複合ルールに遷移して例外処理を行い、関連文書が見つからなかった旨を記録した上で所期の仕訳処理と同じ勘定科目を使用する。この類型では、S12で関連文書が見つからなかった場合、S9に戻って他の複合ルールが選択される。ここでいう他の複合ルールとは、元々S9で選択されていた複合ルールと、主文書指定情報251~254と仕訳処理ルール24が同一で、関連文書のマッチングルール262~265を含まない複合ルールである。この場合、関連文書のマッチング処理S10~S12がスキップされて、S13で仕訳処理部110が所期の仕訳処理ルールに基づく仕訳処理を実行するが、関連文書が見つからなかった旨のステータス情報を併せて記録する。ステータス情報については、第2の類型の例外処理で前述した通りである。
なお、関連文書が見つからなかった場合に他の複合ルールに遷移する第3および第4の類型において、複合ルール選択部107(S9)は、関連文書のマッチングルール262~265が厳しい複合ルールを先に選択し、関連文書のマッチングルール262~265が緩い、または、ない複合ルールを後に選択するのが好ましい。このようにすれば、所期の関連文書の有無を先に確認でき、関連文書が不足している場合に限って例外処理が実行される。
図6は、仕訳装置100の仕訳処理の状況を示す画面例である。この画面は、表示制御部111によって表示画面20に表示される。取引タイプ表示領域31は、図2の複合ルールの登録画面例における取引概要表示領域22に対応し、取引のタイプを表示する。日付表示領域32は、仕訳装置100の処理の日付を表示する。決済ステータス表示領域33は、第2および第4の類型の例外処理に関して前述した決済のステータス情報を表示する。コメント表示領域34には、ユーザが任意のコメントを記入できる。進捗状況表示領域35は、仕訳装置100の処理の進捗状況を表示する。
仕訳表示領域36は、図2の仕訳表示領域24に対応し、仕訳処理部110が実行した仕訳処理の内容を表示する。仕訳表示領域36は、借方の合計金額と貸方の合計金額の差額を表示する差額表示部361を含む。正しい仕訳処理では借方と貸方の金額が一致するため、差額表示部361には「0」が表示される。一方、仕訳処理が誤っている場合は、差額表示部361に「0」ではない差額が表示される。
差額理由示唆部362は、差額表示部361に表示された差額が、想定されるエラーシナリオに合致する場合、そのエラーシナリオの基礎となったエラーを差額理由として示唆する。エラーシナリオは例えば税率の変更に関する。借方の金額が変更前の税率(例えば8%)に基づき、貸方の金額が変更後の税率(例えば10%)に基づく場合、差額表示部361には変更前後の税率の差異に相当する差額が生じる。差額理由示唆部362は、税率の変更に関するエラーシナリオに合致する差額(例えば2%の税率差に相当する金額)が差額表示部361に生じたことを検知し、税率の変更が差額の理由と推測されることを画面上で示唆する。図示の例では、エラーシナリオに合致する差額が生じた場合、差額理由示唆部362のアイコンが画面上に現われ、そのアイコンをユーザが選択することで詳細な差額理由を確認できる。なお、税率の変更以外のエラーシナリオとしては、税抜表記と税込表記の違いによるもの、海外取引の場合の税金有無によるもの等が考えられる。
主文書表示領域37は、図2の主文書表示領域25に対応し、仕訳処理部110で実行された仕訳処理に関する主文書を表示する。主文書添付部371には、実際の主文書が添付される。
関連文書表示領域38は、図2の関連文書表示領域26に対応し、仕訳処理部110で実行された仕訳処理に関する関連文書を表示する。関連文書添付部381には、実際の関連文書が添付される。また、関連文書要約部382には、仕訳処理に関する関連文書の要約情報が表示される。
以下、仕訳装置100を用いた自動仕訳の具体例を示す。
仕訳装置100により提供される自動仕訳サービスを利用する税理士法人に所属する税理士乙が、当該税理士法人のクライアントのひとつである「丙社」から電子的に受領した請求書「invoice.pdf」を仕訳装置100にアップロードする(S1)。請求書「invoice.pdf」は「丁社」が発行した「丙社」宛ての請求書であり、品目は「事務用品」、請求額は「3800円」、発行日は「2020年1月5日」、振込先銀行は「ABC銀行」である。仕訳装置100はアップロードされた請求書「invoice.pdf」にOCRを行うことにより、文書の種別が「請求書」であることを判定する(S4)と共に、以下のメタデータを抽出し(S3)、請求書「invoice.pdf」と対応付けて文書格納部102に格納する(S2):
(メタデータ)
文書種別:請求書
宛先名前:丙社
発行元名前:丁社
請求額:3800円
発行日:2020年1月5日
摘要:事務用品
振込先銀行:ABC銀行
仕訳装置100は、請求書「invoice.pdf」を主文書として取得し(S5)、その文書種別「請求書」に基づき複合ルールを検索する(S7)。その結果、以下の複合ルールが取得される(S9)。
(複合ルール)
取引名:経費(事務用品)
主文書指定情報:文書種別=請求書、主文書の摘要が単語「事務用品」を含む、主文書の請求額が10000円以下
関連文書マッチングルール:文書種別=「銀行取引明細書」、口座番号=丙社の口座の口座番号、左記を充たす銀行取引明細書に含まれる行のなかでも、出金額=主文書の請求額、摘要が単語「ABC銀行」を含む行
仕訳処理ルール:日付を関連文書の行の取引日に設定し、借方の勘定科目を「消耗品」、金額を主文書の請求額、税率を10%に設定し、貸方の勘定科目を「銀行預金」、金額を主文書の請求額、税率を10%に設定する
仕訳装置100は、上記の関連文書マッチングルールに従い文書格納部102を検索し、銀行取引明細書「January Statement.pdf」の第8行が関連文書マッチングルールを充たすことを見出す(S11)。仕訳装置100は、見出した銀行取引明細書「January Statement.pdf」の第8行を請求書「invoice.pdf」に関連付ける。仕訳装置100は、銀行取引明細書「January Statement.pdf」のメタデータおよび請求書「invoice.pdf」のメタデータを用いて上記の仕訳処理ルールにしたがい仕訳データを生成し、不図示の保持部に格納する(S13)。
(仕訳データ)
日付=2020年1月6日(銀行取引明細書「January Statement.pdf」の第8行の日付)、借方の勘定科目=「消耗品」、借方の金額=3800円、借方の税額=380円、貸方の勘定科目=「銀行預金」、貸方の金額=3800円、貸方の税額=380円、主文書=請求書「invoice.pdf」、関連文書=銀行取引明細書「January Statement.pdf」の第8行。
以上、仕訳装置100の構成および作用について説明した。この仕訳装置100によれば、主文書について予め設定されたマッチングルールに基づき、主文書と併せて仕訳処理されるべき関連文書を効率的に検索できる。
また、本実施形態に係る仕訳装置100によると、主文書だけでなく関連文書を探せるようにしたので、より自由度の高い複合ルールの設定が可能となる。例えば、決済の証拠の有無で勘定科目またはステータスを変えることが可能となる。また、ユーザが自分で関連文書を探さなくてもシステムが自動で仕訳作成時に探してくれるので、ユーザの手間を削減できる。また、関連文書がない場合の例外処理を規定したので、実際の会計、税務の様々な状況に柔軟に対応できる。また、例えば請求に係る仕訳データに、主文書として請求書を添付する場合に、関連文書として銀行明細を添付することにより、決済が完了している仕訳であることがひと目でわかる。
つづいて、仕訳装置100の応用例をいくつか示す。
仕訳装置100の第1の応用例では、それぞれが単独で主文書として仕訳処理可能な複数の文書が、一つの複合ルールでまとめて仕訳処理される。具体例として、発行元が同一の三つの請求書の支払処理をまとめて仕訳処理する複合ルールについて、図2および図3の複合ルールの登録画面例を参照しながら説明する。この例では、三つの請求書のうち任意の一つが主文書として主文書表示領域25に登録され、残りの二つが関連文書として関連文書表示領域26に登録される。また、三つの請求書の合計請求額の銀行口座からの出金を記録した銀行取引明細書も関連文書として関連文書表示領域26に登録される。
図3の詳細登録画面では、第1の請求書を主文書として取得するために、同一発行元である「YY株式会社」(比較値254)を「発行元名前」(メタデータ種別252)に「含む」(比較条件253)「請求書」(文書種別251)を取得する主文書指定情報が設定される。また、第2の請求書を関連文書して取得するために、「YY株式会社」(比較値265)を「発行元名前」(メタデータ種別263)に「含む」(比較条件264)「請求書」(文書種別262)を取得するマッチングルールが設定される。このとき、第1の請求書が第2の請求書として重複して取得されないように、「請求書ID」(メタデータ種別263)が「第1の請求書の請求書ID」(比較値265)と「異なる」(比較条件264)「請求書」(文書種別262)との補足的なマッチングルールが設定される。同様に、第3の請求書を関連文書して取得するために、「YY株式会社」(比較値265)を「発行元名前」(メタデータ種別263)に「含む」(比較条件264)「請求書」(文書種別262)を取得するマッチングルールが設定される。このとき、第1または第2の請求書が第3の請求書として重複して取得されないように、「請求書ID」(メタデータ種別263)が「第1および第2の請求書の請求書ID」(比較値265)と「異なる」(比較条件264)「請求書」(文書種別262)との補足的なマッチングルールが設定される。
最後の関連文書としての銀行取引明細書については、「出金先」(メタデータ種別263)が「YY株式会社」(比較値265)と「等しい」(比較条件264)「銀行取引明細書」(文書種別262)とのマッチングルールが設定される。さらに、出金額が三つの請求書の合計請求額と等しくなるように、「出金額」(メタデータ種別263)が「第1~3の請求書の合計請求額」(比較値265)と「等しい」(比較条件264)「銀行取引明細書」(文書種別262)との補足的なマッチングルールが設定される。
以上の文書ルールを満たす主文書(第1の請求書)および関連文書(第2および第3の請求書、銀行取引明細書)が揃った段階で、仕訳処理部110は、借方に三つの請求書の合計請求額の費用を計上し、貸方に三つの請求書の合計請求額の出金に伴う銀行口座の資産減を計上する仕訳処理を実行する。このとき、図2の仕訳表示領域24の借方および貸方の取引金額表示部246では、いずれも三つの請求書の合計金額が指定される。
仕訳装置100の第1の応用例の変形例として、一つの請求書の請求額を複数回に分割して支払うこともできる。この場合、各回の支払処理の都度、その仕訳処理を実行する複合ルールが適用される。各回の複合ルールは実質的に取引金額のみが異なる。第1回の支払処理の複合ルールは、請求書(以下、オリジナル請求書という)を主文書とし、銀行取引明細書を関連文書とする。第1回の支払処理の自動仕訳の実行時に、オリジナル請求書に対応するバーチャルな(仮想的な)請求書が新たに生成され、文書格納部102に登録される。バーチャルな請求書は、そのメタデータにおいて請求金額のみ(オリジナル請求書の請求金額-第1回の支払金額)が異なり、その他の項目はオリジナル請求書のそれと同じ請求書である。バーチャルな請求書は、それがバーチャルであること、すなわち仕訳装置100内においてのみ存在する請求書であることを示す情報(フラグなど)を伴ってもよい。
ここで、オリジナル請求書の請求額を「100」とし、第1回の支払処理では「30」を支払い、その出金履歴が銀行取引明細書に記録されているものとする。したがって、第1回の支払処理の複合ルールでは、取引額「30」の仕訳処理が実行される。仕訳装置100は、第1回の仕訳処理後、第1のバーチャルな請求書を発行し、その請求額を未払の「70」に設定する(オリジナル請求書を未払の「70」に減額したことと等価)。つづく第2回の支払処理の複合ルールは、「70」の請求額の第1のバーチャルな請求書を主文書とし、銀行取引明細書を関連文書とする。ここで、第2回の支払処理では「40」を支払い、その出金履歴が銀行取引明細書に記録されているものとする。したがって、第2回の支払処理の複合ルールでは、取引額「40」の仕訳処理が実行される。
仕訳装置100は、第2回の仕訳処理後、第2のバーチャルな請求書を発行し、その請求額を未払の「30」に設定する(オリジナル請求書を未払の「30」に減額したことと等価)。つづく第3回の支払処理の複合ルールは、「30」の請求額の第2のバーチャルな請求書を主文書とし、銀行取引明細書を関連文書とする。ここで、第3回の支払処理では残額の「30」を支払い、その出金履歴が銀行取引明細書に記録されているものとする。したがって、第3回の支払処理の複合ルールでは、取引額「30」の仕訳処理が実行される。以上の3回の支払処理によって、請求額「100」のオリジナル請求書が完済される。
このように、オリジナル請求書に対応する一または複数のバーチャルな請求書を発行するまたは生成することにより、分割払いの自動仕訳が可能となる。この他にも、例えば売掛、買掛の場合などあるべき証憑がまだ存在しない場合に、あるべき証憑のプレースホルダーとしてバーチャルな証憑を発行するなど、自動仕訳における様々な用途にバーチャルな証憑を用いることができる。バーチャルな証憑の種類としては、上記のバーチャルな請求書のように意味のある情報が記載された証憑の他に、何も記載されていないブランクの証憑や、意味のない情報が記載された証憑などがあってもよい。
仕訳装置100の第2の応用例では、主文書や関連文書の候補を提示して、ユーザの判断を仰ぐ。文書間の関係が複雑な場合、コンピュータだけでは、主文書および関連文書の組合せを一つに確定できないこともある。このような場合、コンピュータは主文書および関連文書の可能性のある複数の組合せを表示制御部111を介して表示画面20上で提示し、ユーザはその中から一つの組合せを選択できる。また、主文書が決まっている状態で、コンピュータが関連文書の候補を提示して、ユーザの判断を仰いでもよい。
あるいはまた、実施形態では関連文書のマッチングルールに従い自動的に関連文書の検索を行なったが、これに加えてまたは代えて、ユーザの指示を受け付けたことに応じてそのような検索を行うように構成してもよい。図10は、仕訳装置100の仕訳処理の状況を示す別の画面例である。この例では、関連文書のマッチングルールを含まない複合ルールで仕訳されたので、この画面は主文書表示領域37を有するが、関連文書表示領域38を有さない。この画面は、関連文書の追加の指示を受け付けるための追加ボタン901を含む。追加ボタン901がユーザによって指定(タップまたはクリックなど)されると、仕訳装置100は、(主文書表示領域37に表示されている主文書に対応するマッチングルールは登録されていないものの、)デフォルトのマッチングルールに従い関連文書を検索する。デフォルトのマッチングルールは、例えば「主文書の種類と同じ種類の文書」、「主文書のキーワードと同じキーワードを有する文書」などであり、適宜設定されてもよい。
仕訳装置100は、検索の結果発見された候補文書から関連文書をユーザに選ばせるための候補表示画面を表示画面20に表示させる。図11は、候補表示画面の一例を示す代表画面図である。候補表示画面は追加の関連文書の候補を提示し、ユーザに選択させる。ユーザは、提示された候補のなかから関連文書として追加する文書を選択する。図示の例では、三つの候補文書が表示される。候補文書選択領域45には三つの候補文書の基本情報(図示の例では「支払先」「金額」「ステータス」)が並べて表示される。ユーザが各候補文書のチェックボックスをチェックすることで、当該各文書を関連文書として選択および追加できる。候補文書閲覧領域46では、実際の各候補文書が閲覧可能に添付されており、ユーザの検討時に参照できる。
仕訳装置100は候補表示画面における選択の結果を取得し、それを主文書の仕訳に反映させる。例えば、主文書と選択された関連文書とで勘定科目、補助科目、税金、取引先、部門などが一致し条件が揃う場合には、値を合算するか、同じ値を削除する仕訳更新処理が行われる。更新された仕訳表示領域36にはこのような仕訳更新処理の結果が表示される。併せて、選択された関連文書に対応する情報が関連文書表示領域38に表示されるようになる。なお、追加ボタン901は主文書が関連文書を伴う場合にも表示されてもよく、この場合でも追加ボタン901が指定されると上記と同様の処理が実行される。
仕訳装置100の第3の応用例では、仕訳処理対象の主文書に適用する複合ルールを仮決定して以降の処理を進める。第3の応用例では、複合ルールは、関連文書を必須とするか否かを設定可能に構成され、かつ、未払いか否かなどを示すステータス情報を記録するか否かを設定可能に構成される。例えば、図2の登録画面例において、エンティティ表示領域23の隣に、ステータス情報を記録するか否かを指定するためのチェックボックスを設け、かつ、関連文書表示領域26に、関連文書を必須とするか否かを指定するためのチェックボックスを設けてもよい。図7は、第3の応用例にかかるフローチャートである。図5と同様の処理S1~S6の後のS15およびS8では、複合ルール選択部107がS5で取得された主文書について複合ルールを検索する。具体的には、S5で取得された主文書を指定する主文書指定情報251~254(図3)を含む複合ルールが検索される。そのような複合ルールが見つかった場合、S16で複合ルール選択部107がそれを仮決定する。
S17では、マッチングルール取得部108が、S16で仮決定された複合ルールが関連文書のマッチングルール262~265を含むか否かを判定する。関連文書のマッチングルール262~265が含まれない場合、その複合ルールを本決定し(S21)、S13に進んで仕訳処理部110が仕訳処理を実行する。関連文書のマッチングルール262~265が含まれる場合、S11に進んで関連文書検索部109が関連文書を検索する。
S12では、関連文書検索部109が、関連文書が見つかった否かを判定する。関連文書が見つかった場合、S23に進んで関連文書検索部109が関連文書が仕訳処理において必須か否かを判定する。関連文書検索部109は、S16で仮決定された複合ルールにおいて関連文書を必須とするよう設定されている場合(S23のY)、その複合ルールを本決定し(S21)、S13に進んで仕訳処理部110が仕訳処理を実行する。関連文書検索部109は、S16で仮決定された複合ルールにおいて関連文書を必須とするよう設定されていない場合(S23のN)、後述のS19に進む。S12において関連文書が見つからなかった場合、S18に進んで関連文書検索部109が関連文書が仕訳処理において必須か否かを判定する。
関連文書が仕訳処理において必須の場合、すなわち、S16で仮決定された複合ルールにおいて関連文書を必須とするよう設定されている場合、関連文書がない状態で仕訳処理を実行できないため、S16で仮決定された複合ルールは破棄され、S15に戻って他の複合ルールが検索される。関連文書が仕訳処理において必須でない場合、S19に進んで仕訳処理部110がステータス情報の設定要否を判定する。仕訳処理部110は、ステータス情報の設定が不要の場合、すなわち、S16で仮決定された複合ルールにおいてステータス情報を記録するよう設定されていない場合、その複合ルールを本決定し(S21)、S13に進んで仕訳処理部110がステータス情報を付与せずに仕訳処理を実行する。この場合、関連文書が発見されていることもあれば(S23経由)、発見されていないこともある(S18経由)。これは、取引についてのメモなどの必須でない補足情報を関連文書として指定する場合に好適である。ステータス情報の設定が必要な場合、すなわち、S16で仮決定された複合ルールにおいてステータス情報を記録するよう設定されている場合、S20に進んで仕訳処理部110がステータス情報を付与する。ステータス情報は関連文書を発見したか否かなどのステータスを表す情報である。例えば主文書の種類が請求書、関連文書の種類が銀行取引明細書の場合、S11で関連文書が発見された場合(S23経由)であれば前述した「with settlement」がステータス情報として記録され、S11で関連文書が発見されていない場合(S18経由)であれば「w/o settlement」がステータス情報として記録される。これにより、第2の類型の例外処理で前述した通りの利便性が提供される。S21では、複合ルール選択部107が複合ルールを本決定する。S13では、仕訳処理部110が仕訳処理を実行し、S20で設定されたステータス情報と共に記録する。
なお、複合ルールにおいて関連文書を複数指定する場合、関連文書ごとに必須かそうでないかを指定できるよう構成してもよい。この場合、例えば第1の応用例において第2の請求書を必須とし、第3の請求書および銀行取引明細書をいずれも必須でないと設定することで、請求書2枚の合算、請求書3枚の合算、決済済み、未決済のいずれの場合にも対応可能な合算払い用の複合ルールを設定できる。
図8は、第2の実施形態に係る仕訳装置100の機能ブロック図である。第1の実施形態に係る仕訳装置100の複合ルール格納部105、複合ルール登録部106、複合ルール選択部107、マッチングルール取得部108の代わりに、機械学習部112、訓練データ提供部113、評価部114が設けられる。
機械学習部112は、仕訳処理対象の主文書と、当該主文書と併せて仕訳処理されるべき関連文書の関係を機械学習可能である。訓練データ提供部113は、機械学習のための訓練データを機械学習部112に提供する。訓練データは、主文書の想定される各類型と関連文書の想定される各類型の関係を網羅し、参考データとしてグラフ化されたドメイン知識を含む。機械学習部112は、仕訳装置100の初期セットアップやメンテナンスの際、これらの包括的な訓練データを機械学習することで、主文書取得部104で取得された主文書に対応する関連文書を指示して、関連文書検索部109に検索させることができる。
訓練データには、主文書と関連文書の網羅的な組合せに応じた仕訳処理の内容を入れておくこともできる。この場合、機械学習部112は、主文書取得部104で取得された主文書および関連文書検索部109で検索された関連文書を関連づけながら実行される仕訳処理を仕訳処理部110に指示できる。
評価部114は、主文書取得部104で取得された主文書、関連文書検索部109で検索された関連文書、仕訳処理部110で実行された仕訳処理の一部または全部の内容を評価し、その正誤を判定する。評価は、ユーザが主導してもよいし、コンピュータが自律的に行ってもよい。たとえば、仕訳処理部110が実行した仕訳処理の結果が、既に実行された他の仕訳処理の結果と矛盾する場合、その仕訳処理は誤りと判定される。
評価によって誤りが検出された場合、評価部114は関連文書検索部109および仕訳処理部110に対して訂正指示を発信し、それぞれの処理を訂正させる。また、評価部114は正誤判定結果を訓練データ提供部113にフィードバックする。訓練データ提供部113は、これらを訓練データとして機械学習部112に提供する。このように、機械学習部112は、仕訳装置100の実際の処理で使われたデータを用いて継続的に機械学習でき、その処理精度を高く維持できる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
なお、実施の形態で説明した各装置の機能構成はハードウェア資源またはソフトウェア資源により、あるいはハードウェア資源とソフトウェア資源の協働により実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。