JP2001101266A - キャッシュフロー計算システム - Google Patents

キャッシュフロー計算システム

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JP2001101266A
JP2001101266A JP27918599A JP27918599A JP2001101266A JP 2001101266 A JP2001101266 A JP 2001101266A JP 27918599 A JP27918599 A JP 27918599A JP 27918599 A JP27918599 A JP 27918599A JP 2001101266 A JP2001101266 A JP 2001101266A
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cash flow
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company
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JP27918599A
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Osamu Nagami
修 永見
Hiroshi Hayakawa
寛 早川
Masakazu Tanaka
優和 田中
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JFE Steel Corp
JFE Systems Inc
Original Assignee
Kawasaki Steel Systems R&D Corp
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャッシュフロー計算に要する手間やコスト
を削減する。 【解決手段】 予め勘定科目毎に処理区分を設定してお
く。そうしてから、勘定科目毎に資産・負債・資本金の
対前期増減額を自動把握する。又、前記処理区分設定に
基づいて、符号74A〜符号74Hに示すそれぞれの装
置部分において処理A〜処理Hの該当する処理というよ
うに、前記対前期増減額に対して勘定科目毎の処理を行
ってから、勘定科目間の処理を行う。このようにしてキ
ャッシュフロー計算が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャッシュフロー
計算システムに係り、特に、キャッシュフロー計算に要
する手間やコストを削減することができるキャッシュフ
ロー計算方法、キャッシュフロー計算装置、及び該キャ
ッシュフロー計算装置に係るコンピュータプログラムを
記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平7−44624では、財務会計処
理に関する技術が開示されている。該特開平7−446
24では、企業会計原則に基づいて定められた管理番号
が付された勘定科目を登録する財務会計の処理方法にお
いて、各勘定科目に対し、上記の管理番号とは独立にユ
ーザが任意に定めることができるユーザコード(ユーザ
コード番号)を付して、勘定科目名を登録することがで
きるようにしている。これによって、ユーザ独自のコー
ド体系を変更することなく、財務会計処理を行うことが
できる。
【0003】特開平11−39409では、連結決算シ
ステムに関する技術が開示されている。該特開平11−
39409では、ネットワークを利用して親会社及び複
数の関係会社のグループ間に係る会計情報を収集してい
る。又、このようにして収集した情報に基づいて、連結
決算を作成するようにしている。このようにしてコンピ
ュータを利用して連結決算処理を行うことによって、連
結決算書の作成に要する工数を削減することができる。
【0004】なお、関係会社には、子会社と、連結決算
の対象になる関連会社とが含まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
はいわゆるキャッシュフロー計算については、明瞭な技
術がなかった。特に、前述したような、連結決算の一環
として計算するような、キャッシュフロー計算の技術が
具体的には開示されていなかった。キャッシュフロー計
算においても、近年では、親会社及び子会社のグループ
で連結して計算する必要が生じている。
【0006】このように連結して計算する場合、親会社
及び子会社のグループの各関係会社では、長い年月に亘
り、独立した会計処理がなされている。従って、前述し
た特開平7−44624が問題にしているような、コー
ド体系の相違という問題がある。
【0007】これに加えて、各関係会社では、会社規模
が各段に相違することがある。更には、取り扱う製品
や、サービスが全く異なることがある。従って、単にコ
ード体系が異なるというだけでなく、コード体系の個々
の部分で細かさや、有無が全く異なるということもあ
る。
【0008】従って、実際に連結決算システムを運用す
るとなると、実際には人手による作業が増大することに
なる。例えば前述した特開平11−39409のように
ネットワークを利用して、あるいはその他の手段によっ
て収集される連結決算用の情報は、各関係会社において
人手によって作成しなければならないというようなこと
になる。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、キャッシュフロー計算に要する手間
やコストを削減することができるキャッシュフロー計算
システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】まず、本願の第1発明の
キャッシュフロー計算方法は、予め勘定科目毎に処理区
分を設定しておき、前期及び当期の貸借対照表から資
産、負債、資本金の対前期増減額を自動把握し、該対前
期増減額を基に、前記処理区分設定に従った前記勘定科
目毎の処理を行って、キャッシュフロー計算書を作成す
るようにしたことにより、前記課題を解決したものであ
る。
【0011】又、前記第1発明のキャッシュフロー計算
方法において、前記処理区分が、運転資本増減額の把
握、借入・貸付金の増減額の把握、有価証券増減額の把
握・固定資産増減額の把握、及び自己資本の増減額の把
握を含むようにしたことにより、より具体的な計算過程
を提示したものである。
【0012】前記第1発明のキャッシュフロー計算方法
において、分解の対象になる情報を自動的に抽出し、該
抽出情報の分解処理を人手によって行うようにしたこと
により、自動化できない部分は人手によるものの、極力
人手を減らすようにしたものである。
【0013】又、関係会社が、親会社が勘定科目毎に設
定した処理区分を受け取り、前期及び当期の貸借対照表
から資産、負債、資本金の対前期増減額を自動把握し、
該対前期増減額を基に、前記処理区分設定に従った前記
勘定科目毎の処理を行って、該関係会社のキャッシュフ
ロー計算書を作成することにより、前記課題を解決する
と共に、親会社及び関係会社で勘定科目などが統一され
たキャッシュフロー計算を容易にできるようにすること
ができる。
【0014】次に、本願の第2発明のキャッシュフロー
計算装置は、前期及び当期の貸借対照表から資産、負
債、資本金の対前期増減額を自動把握し、該対前期増減
額を基に、予め勘定科目毎に設定された処理区分に従っ
た勘定科目毎の処理を行って、キャッシュフローを計算
するキャッシュフロー計算処理部を備えるようにしたこ
とにより、前記課題を解決したものである。なお、上記
のキャッシュフロー計算処理部は、実体としてはコンピ
ュータプログラムによって実現することも可能である。
【0015】又、前記第2発明のキャッシュフロー計算
装置において、更に、親会社及び関係会社に共通のグル
ープ共通勘定科目と、該当関係会社の勘定科目との対応
付けを示す対応科目設定ファイルと、少なくともグルー
プ共通勘定科目が設定された上記対応科目設定ファイル
に対して、該当関係会社の勘定科目を入力するための対
応科目設定ファイル設定部と、前記対応科目設定ファイ
ルに基づいて、該当関係会社の残高試算表データを、グ
ループで統一したフォーマット、及び科目のコードのデ
ータへ変換する情報処理部と、を備え、該データ変換が
なされた情報に対して前記キャッシュフロー計算処理部
による処理を行うようにしたことにより、キャッシュフ
ロー計算を、親会社及び関係会社のグループで同一の内
容で計算することができるようにしたものである。
【0016】更に、本願の第3発明のコンピュータ読み
取り可能な記録媒体は、前記第2発明のキャッシュフロ
ー計算装置における前記キャッシュフロー計算処理部を
実現するコンピュータプログラムを記録したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体を提供することで、前記課題
を解決したものである。
【0017】以下、本発明の作用について、簡単に説明
する。
【0018】キャッシュフロー計算においては、様々な
処理が含まれ、勘定項目によって処理が異なる。このた
め本発明においては、予め勘定科目毎に処理区分を設定
しておく。そうしてから、勘定科目毎に資産・負債・資
本金の対前期増減額を自動把握する。そして、前記処理
区分設定に基づいて、前記対前期増減額に対して勘定科
目毎の処理を行ってキャッシュフロー計算書を作成す
る。
【0019】このようにすることで、キャッシュフロー
計算に精通していなくても、容易かつ確実にキャッシュ
フロー計算を行うことができる。又、コンピュータを利
用できる処理の範囲を拡大することができる。従って、
キャッシュフロー計算に要する手間やコストを削減する
ことができる。
【0020】なお、本発明は、これに限定するものでは
ないが、本発明と同一の出願人及び発明者による連結決
算用データ作成システムの発明を利用することも可能で
ある。即ち、親会社及びその子会社のグループにおい
て、総括的なキャッシュフロー計算をする際に、本発明
の技術に加え、上記の連結決算用データ作成システムの
発明を適用することも可能である。
【0021】この連結決算用データ作成システムの発明
においては、親会社が用意したグループ共通勘定科目に
各関係会社の勘定科目を対応付ける。又、該対応付けに
基づいて、各関係会社固有の残高試算表データをグルー
プで統一したフォーマット、及び科目のコードのデータ
に変換する。この変換は、コンピュータを利用するなど
して、ほとんど手間をかけずにすることができる。
【0022】又、このように変換するため、各関係会社
の間に勘定科目の相違があっても、グループ共通勘定科
目に共通化することができる。更に、各関係会社の間に
勘定科目のコードの相違があっても、グループ共通勘定
科目のコードに共通化することができる。
【0023】又、このような変換に際しては、各関係会
社の複数の勘定科目を、グループ共通勘定科目に変換す
る際に、1つの勘定項目に集約(併合)することも可能
である。このように集約する場合は、各関係会社におい
て複数の勘定項目のコードが、グループ共通の勘定項目
では1つのコードに併合される。
【0024】前述したように、各関係会社では、会社規
模が各段に相違することがある。更には、取り扱う製品
や、サービスが全く異なることがある。従って、単にコ
ード体系が異なるというだけでなく、コード体系の個々
の部分で細かさや、有無が全く異なるということもあ
る。しかしながら、本発明において上述のように集約す
ることで、コード体系の個々の部分で細かさや、有無が
全く異なるといった場合でも、グループにおいて同一の
勘定項目の体系に統一した会計情報に変換することがで
きる。そうして、統一した体系で連結決算用データ作成
をすることができるので、この連結決算用データ作成に
際して要する人手を削減することができる。
【0025】このような連結決算用データ作成システム
の発明においては、親会社及び子会社のグループ間で連
携して効率的に運用でき、連結決算に要する手間やコス
トを削減することができる。そうして、該連結決算用デ
ータ作成システムの発明は、本願発明と併せて適用する
ことも可能である。
【0026】なお、「残高試算表」は、勘定科目毎の期
末残高が記された表である。会社の規模によっては、残
高試算表に取引先毎の取引額が示されている場合もあ
る。残高試算表とは別の「取引先明細」として取引先毎
の取引額を示すファイルが作成される場合もある。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明が適用された実施形態の連
結決算システムの全体構成を示すブロック図である。
【0029】該連結決算システムにおいては、本来の連
結決算に加えて、各社の単独のキャッシュフロー計算が
可能である。
【0030】図示される連結決算システムは、親会社及
び複数の関係会社のグループ間で構築されている。連結
決算センタ設置装置1は、親会社に設置されている。国
内関係会社設置装置3及び親会社所管部署設置装置4
は、いずれもそれぞれ、本発明の連結決算用データ作成
システムが適用されており、国内の複数の関係会社に設
置され、更に親会社においても設置されている。親会社
所管部署設置装置4は、主として親会社の、海外関係会
社の所管部署などに設置されている。海外関係会社パソ
コン5は、海外にある複数の関係会社に設置されてい
る。
【0031】このような連結決算システムにおいて、国
内の関係会社の情報については、国内関係会社設置装置
3により、又国内にある親会社の情報も国内関係会社設
置装置3により、本発明が適用される連結決算用データ
作成を行う。そうして作成されたものが、グループネッ
トワーク7を経由して連結決算センタ設置装置1に集め
られる。
【0032】又、海外の関係会社の情報は、海外関係会
社パソコン5によりフロッピやMO(magneto optic
s)などの記憶媒体に格納してから、郵送などして、主
として親会社にある、海外関係会社の所管部署などに送
付される。又、送付されたこの海外の関係会社の情報に
ついては、該所管部署に設置されている親会社所管部署
設置装置4により、本発明が適用される連結決算用デー
タ作成を行う。そうして作成されたものが、グループネ
ットワーク7を経由して連結決算センタ設置装置1に集
められる。なお、海外関係会社パソコン5は、主として
上述のような情報の記憶媒体への格納を行うものであ
り、該格納は通常のパソコンが有するようなワープロ機
能や表計算機能によって実現してもよい。該海外関係会
社パソコン5は、本発明が適用される連結決算用データ
作成の機能は有していない。
【0033】なお、設備やセキュリティや、ハードウェ
ア及びソフトウェアを含む保守などの問題がなければ、
海外の関係会社においても、国内関係会社設置装置3を
用いて、本発明が適用される連結決算用データ作成を行
い、そうしてからグループネットワーク7により必要な
情報を連結決算センタ設置装置1に送るようにしてもよ
い。
【0034】又、集められた情報に基づいて、親会社及
び複数の関係会社に亘った、法律などで規定された連結
決算を行う(以下、制度連結業務と呼ぶ)。更には、会
社経営やグループ運営に必要な情報を得るための、親会
社及び複数の関係会社に亘った情報を作成する(以下、
管理連結業務と呼ぶ)。
【0035】図2は、本実施形態の国内関係会社設置装
置3、あるいは親会社所管部署設置装置4の構成を示す
ブロック図である。
【0036】図示されるように、国内関係会社設置装置
3や、親会社所管部署設置装置4は、情報処理装置10
と、処理入力データファイル12と、処理出力データフ
ァイル14と、通信制御装置16と、表示入力装置22
と、帳票出力装置24とにより構成されている。
【0037】まず通信制御装置16は、グループネット
ワーク7に接続するハードウェアを有している。該通信
制御装置16は、グループネットワーク7を介して、連
結決算センタ設置装置1から得られた様々な情報を、直
接もしくは情報処理装置10を介して、マスタファイル
13に書き込んだり、処理入力データファイル12にあ
る表計算関係データファイル46に書き込むことができ
る。あるいは該通信制御装置16は、処理出力データフ
ァイル14から読み出した情報を、グループネットワー
ク7を介して、連結決算センタ設置装置1に対して送り
出すことができる。上記のマスタファイル13は、勘定
項目コードや取引先コードを変換する際に用いる設定リ
ストが格納される。又、キャッシュフロー計算に使用さ
れる各種のマスタリストが格納される。グループネット
ワーク7を介して受け取って格納されたリストは必要に
応じて、情報処理装置10や表示入力装置22により修
正することができる。
【0038】又、処理入力データファイル12には、図
示されるように、他システムから直接的に、あるいは、
手入力により、あるいは、フロッピやMOなどの記憶媒
体により、本発明を適用した連結決算用データ作成の元
になる各関係会社における情報が書き込まれる。
【0039】後述する補助データ入力は、表示入力装置
22において、その表示装置でなされる表示を参照しな
がら、その入力装置から情報をキー入力するというもの
である。又、上述のフロッピやMOなどの記憶媒体に
は、例えば表計算汎用ソフトウェア用シートなどの情報
格納形式で、あるいは他の汎用の情報格納形式で情報が
格納されている。例えば、CSVファイルのような表形
式データ取扱い用テキストファイルなどの、汎用の情報
格納形式で格納されている。
【0040】又、情報処理装置10は、上記のマスタフ
ァイル13や処理入力データファイル12にある情報に
基づいて、後述するような所定の処理を行い、処理結果
を処理出力データファイル14に書き込むことができ
る。
【0041】又、このようにして処理出力データファイ
ル14に書き込まれた処理結果は、情報処理装置10の
機能により、帳票出力装置24から帳票として印刷し、
出力することができる。あるいは、通信制御装置16を
用いて、グループネットワーク7を介して、連結決算セ
ンタ設置装置1に対して送り出すことができる。
【0042】なお、図2の処理入力データファイル12
やマスタファイル13や処理出力データファイル14、
又後述する図3〜図6に図示される、その他のファイル
は、いずれもしかるべき記憶装置を用いて構成されてい
るものとする。例えば、ハードディスク記憶装置などを
利用して構成されているものとする。
【0043】図3は、前述した処理入力データファイル
12や、処理出力データファイル14を詳細に示すブロ
ック図である。
【0044】図示されるように、処理入力データファイ
ル12は、残高試算表データファイル42と、取引先明
細データファイル44と、表計算関係データファイル4
6とを含んでいる。又、処理出力データファイル14
は、連結用B/S・P/Lデータファイル53と、連結
用資本増減明細データファイル54と、連結用キャッシ
ュフロー・データファイル55と、連結用付属情報デー
タファイル56とにより構成されている。
【0045】表計算関係データファイル46及び連結用
付属情報データファイル56は、表計算汎用ソフトウェ
ア用シートとして情報を保存する。本実施形態において
は、表計算汎用ソフトウェアとして、例えば、米国マイ
クロソフト社製の「エクセル」などを用いることができ
る。
【0046】図4は、本実施形態の情報処理装置10内
部における処理部の構成を示すブロック図である。
【0047】図示されるように、情報処理装置10は、
処理用データ変換処理部70と、貸借対照表・損益計算
書関連処理部72と、資本増減明細表関連処理部73
と、キャッシュフロー計算処理部74と、連結付属情報
関連処理部75とを有している。なお、キャッシュフロ
ー計算処理部74は、本願の第2発明のキャッシュフロ
ー計算処理部に相当する。
【0048】まず、処理用データ変換処理部70は、そ
の処理に際しては、予め、親会社から送られた親会社及
び関係会社共通の取引先の名称及びコードを記した表
に、該当関係会社独自で使用する取引先名称及びコード
を入力し、取引先コード変換マスタを作成しておく。こ
れにより、親会社及び関係会社共通の取引先名称及びそ
のコードと、該当関係会社独自で使用する取引先の名称
及びそのコードとの対応表が得られる。
【0049】又、該処理用データ変換処理部70は、残
高試算表データファイル42及び取引先明細データファ
イル44から得られる情報のデータ変換を行い、貸借対
照表・損益計算書関連処理部72に出力する。該処理用
データ変換処理部70においては、グループ内の各関係
会社独自の、例えば科目などを示すコードを、連結決算
用データ作成としてグループで共通のコード(コード番
号)に変換するなど、コードやフォーマットの変換処理
を行う。該変換に際しては、後述する図7の対応取引先
設定リストや、図8の対応科目設定リストを用い、勘定
科目や取引先を示す、コードや名称を変換する。更に
は、円単位情報を千円単位へ変換する処理を行う。
【0050】続いて貸借対照表・損益計算書関連処理部
72では、連結決算用データ作成用の貸借対照表(B/
Sシート)や、同じく連結決算用データ作成用の損益計
算書(P/Lシート)に関する情報を作成する。これら
の処理結果は、連結用B/S・P/Lデータファイル5
3に書き込まれる。
【0051】資本増減明細表関連処理部73において
は、処理用データ変換処理部70や貸借対照表・損益計
算書関連処理部72により得られた情報を用いて、又、
後述する図9の資本増減明細書に示すような情報を用い
て、グループ共通の資本増減明細表、即ち連結用資本増
減明細書に関する情報を作成する。得られた情報は、連
結用資本増減明細データファイル54に書き込まれる。
該資本増減明細書の情報の内、処理用データ変換処理部
70や貸借対照表・損益計算書関連処理部72から得ら
れないものは、資本増減明細表関連処理部73の処理中
に、表示入力装置22によるキー入力により、あるいは
他の処理装置から適宜入力する。
【0052】次に、キャッシュフロー計算処理部74
は、図5のブロック図に示すように構成されている。即
ち、未収未払等調整処理部74Bと、借入貸付等調整処
理部74Cと、有価証券増減整理処理部74Eと、固定
資産増減整理処理部74Fと、自己資本増減整理処理部
74Gと、為替差額等整理処理部74Aと、項目間振替
処理部74Dと、前期末現金残指定処理部74Hとを含
んでいる。
【0053】キャッシュフロー計算においては、予め勘
定科目毎に処理区分を設定する。該処理区分としては、
例えば次のような処理A〜処理Hを取り上げることがで
きる。即ち、処理Aとして為替差額等整理処理部74A
で行う為替差額等整理、処理Bとして未収未払等調整処
理部74Bで行う未収未払等調整、処理Cとして借入貸
付等調整処理部74Cで行う借入貸付等調整、処理Dと
して項目間振替処理部74Dで行うCF項目間損益振
替、処理Eとして有価証券増減整理処理部74Eで行う
有価証券増減整理、処理Fとして固定資産増減整理処理
部74Fで行う固定資産増減整理、処理Gとして自己資
本増減整理処理部74Gで行う自己資本増減整理、処理
Hとして前期末現金残指定処理部74Hで行う前期末現
金残指定を取り上げることができる。なお、CFはキャ
ッシュフロー(cash flow)を示す。
【0054】キャッシュフロー計算処理部74による処
理においては、項目マスタリスト(例えば後述する図
10)、処理マスタリスト(例えば後述する図1
1)、処理集約マスタリストを用いる(例えば後述す
る図12)。又、該キャッシュフロー計算処理部74の
処理に際して、為替換算損益内訳、有価証券関係損
益内訳、固定資産関係損益内訳、借入・貸付増減内
訳の、それぞれの各関係会社の情報を入力する。これら
の情報は、キャッシュフロー計算処理部74の処理中
に、表示入力装置22によるキー入力により、あるいは
他の処理装置から適宜入力する。
【0055】キャッシュフロー計算処理部74において
は、処理用データ変換処理部70や貸借対照表・損益計
算書関連処理部72、更には資本増減明細表関連処理部
73により得られた情報を用いて、グループ共通のキャ
ッシュフロー計算書に関する情報を作成する。得られた
情報は、連結用キャッシュフロー・データファイル55
に書き込まれる。該キャッシュフロー計算処理部74に
おいては、前述の処理A〜処理Hは、それぞれ、後述す
る図13〜図20のマスタリストを用いて処理される。
【0056】連結付属情報関連処理部75においては、
連結用B/S・P/Lデータファイル53、連結用資本
増減明細データファイル54、及び、連結用キャッシュ
フロー・データファイル55の、いずれにも含まれない
ものの、親会社の連結決算センタ設置装置1に送付すべ
き情報となる、送付に好適な形態の連結付属情報を生成
する。
【0057】本実施形態においては、複数の関係会社間
で共通の表計算汎用ソフトウェア用シートの入力シート
を、不特定シートとして親会社が用意し、これらの関係
会社に配布している。該入力シートは、グループネット
ワーク7及び通信制御装置16を経由して配布し、処理
入力データファイル表計算関係データファイル46に書
き込むようにしている。あるいは、フロッピやMOなど
の記憶媒体により、海外関係会社パソコン5に配布する
ようにしている。この親会社が用意するシートは、複数
の関係会社又親会社間で共通の表計算汎用ソフトウェア
用シートであり、例えば、米国マイクロソフト社製の
「エクセル」などの表計算汎用ソフトウェアのシートで
ある。実際には、複数のシートが含まれる、いわゆるブ
ックを用意し、配布することが好ましい。
【0058】この連結付属情報は、様々な種類や形態の
情報が含まれるものの、いずれにおいても、どの関係会
社あるいは親会社に関する情報か明確に示されている必
要がある。このため、関係会社側では連結付属情報関連
処理部75においてまず、自動的に該入力シートに当該
関係会社の会社コードを自動的に付加することによっ
て、上述のように親会社から受領した不特定シートを、
当該関係会社固有の入力シートに変換する。即ち、その
連結付属情報がどの関係会社で作成されたものか明示す
るために用いるために、該当関係会社の会社コードを入
力し、これら会社コードを親会社から受領した入力シー
トに付加する。このような当該関係会社固有の入力シー
トへの変換は、例えば、親会社からの共通シートの配布
を受けた時に、表計算関係データファイル46に書き込
む前に、情報処理装置10内の連結付属情報関連処理部
75で行うことができる。その後に、必要な情報を該シ
ートに入力するようにしている。
【0059】なお、該連結付属情報関連処理部75によ
り取り扱って、親会社の連結決算センタ設置装置1に送
付する情報には、貸借対照表、損益計算書、資本増減明
細書、キャッシュフロー計算書のいずれにも含まれない
が、連結決算を行うために親会社が必要とする情報が含
まれる。例えば、相殺消去情報、ディスクローズ情
報、税効果会計用情報、会計処理方法などの情報で
ある。これらの情報は、連結付属情報関連処理部75の
処理中に、表示入力装置22によるキー入力により、あ
るいは他の処理装置から適宜入力する。又、上記の表示
入力装置22によるキー入力は、米国マイクロソフト社
製の「エクセル」などの表計算汎用ソフトウェアの機能
を利用することができる。
【0060】次に、図6は、本実施形態の連結決算セン
タ設置装置1の構成を示すブロック図である。
【0061】この図に示すように、連結決算センタ設置
装置1は、連結情報センタ装置80と、通信制御装置9
0と、関係会社関連情報データベース92とを有してい
る。又、連結情報センタ装置80は、制度連結業務情報
処理部82と、制度連結情報データファイル83と、管
理連結業務情報処理部85と、管理連結情報データファ
イル86とを有している。
【0062】グループネットワーク7を経由して各関係
会社の国内関係会社設置装置3や親会社所管部署設置装
置4から送られる、連結決算に必要な情報は、通信制御
装置90で受け、一旦、関係会社関連情報データベース
92に格納される。本実施形態においては、既に国内関
係会社設置装置3や親会社所管部署設置装置4におい
て、本発明を適用して連結決算用データ作成をしてお
り、このような連結決算用の各関係会社の情報は、グル
ープ間で統一された体系とされ、勘定項目の体系などは
統一されている。
【0063】前述したように、各関係会社では、会社規
模が各段に相違することがある。更には、取り扱う製品
や、サービスが全く異なることがある。従って、単にコ
ード体系が異なるというだけでなく、コード体系の個々
の部分で細かさや、有無が全く異なるということもあ
る。しかしながら、本実施形態において本発明を適用
し、上述のように情報の体系を統一して、関係会社関連
情報データベース92に、連結決算に必要な情報を収集
することができる。これにより、コード体系の個々の部
分で細かさや、有無が全く異なるといった場合でも、グ
ループにおいて同一の勘定項目の体系に統一した会計情
報で連結決算することができる。従って、該連結決算に
際して要する人手を削減することができる。
【0064】制度連結業務情報処理部82は前述した制
度連結業務に関する処理を行い、管理連結業務情報処理
部85は前述した管理連結業務を行う。又、一旦必要な
情報が連結決算センタ設置装置1側において収集されて
いれば、これら制度連結業務情報処理部82及び管理連
結業務情報処理部85は、いずれも、パッケージソフト
ウェアによって実現することも可能である。
【0065】まず、本実施形態における全体的な作用に
ついて説明する。
【0066】まず第1に、本実施形態は、勘定科目・取
引先コード変換マスタ作成の機能を有する。該機能は以
下に列挙するようなものである。
【0067】(1)親会社から、グループ共通科目・取
引先コードの入ったファイルをEメール等で送り各関係
会社で受け取る。
【0068】(2)各関係会社で、対応する科目・取引
先コードを入力し、変換マスタを作成する。なお、各関
係会社において、科目の区分けが共通科目より細かい場
合は、共通科目をコピーし、任意の数の各社コードを対
応付けることができる。当該関係会社において不要な科
目に対しては、対応付けを行う必要はない。
【0069】第2に、各社残高試算表データの取り込み
と変換、及び、グループ共通「貸借対照表」「損益計算
書」作成の機能を有する。該機能は以下に列挙するよう
なものである。
【0070】(1)各関係会社の財務会計システムの残
高試算表データのCSVファイルでの取り込み、直接ハ
ンド入力、もしくは、フロッピ等に格納された表計算シ
ートからの取り込みにより、各社残高試算表データを取
り込む。
【0071】(2)当該関係会社の残高試算表データに
取引先明細データが含まれる場合には、同時に読み込
む。含まれない場合には、各社取引先明細データファイ
ルから読み込みこんで、残高試算表データを置き換え
る。取引先明細データの読み込み元は、予め設定してお
く。
【0072】(3)取引先明細データがない場合には、
ダミーデータを作成する。
【0073】(4)勘定科目・取引先コード変換マスタ
を使用して、各社科目・取引先コードを共通コードに変
換する。
【0074】(5)グループ共通のデータ・フォーマッ
トに変換する。
【0075】(6)円単位の情報を千円単位に変換す
る。
【0076】(7)上記変換したデータを使用して、当
該関係会社のグループ共通「貸借対照表」「損益計算
書」を作成する。
【0077】(8)作成したグループ共通「貸借対照
表」「損益計算書」を、Eメールなどを通じて親会社に
送る。
【0078】第3に、グループ共通「資本増減明細書」
を作成する機能を有する。該機能は以下に列挙するよう
なものである。
【0079】(1)上述した第2の機能で変換したデー
タから、資本勘定の前期残、当期算、当期利益を自動的
に把握し、資本増減明細データ入力用のシートを作成す
る。
【0080】(2)(1)のシートを表示し、手入力に
より資本増減明細データを入力する。
【0081】(3)(1)で自動把握されたデータ及び
(2)で手入力されたデータを使用して、当該関係会社
のグループ共通「資本増減明細書」を作成する。
【0082】(4)作成したグループ共通「資本増減明
細書」を、Eメールなどを通じて親会社に送る。
【0083】第4に、グループ共通「キャッシュフロー
計算書」を作成する機能を有する。該機能は以下に列挙
するようなものである。
【0084】(1)親会社が作成した共通勘定科目毎の
処理区分を定めたマスタリスト(処理A〜Hマスタリス
ト、項目マスタリスト、処理マスタリスト、処理集約マ
スタリスト)の入ったファイル(その他マスタファイ
ル)を親会社から受け取り、マスタファイルを作成す
る。
【0085】(2)上述した第3の機能までに取得した
データから、共通勘定科目毎に資産・負債・資本金の対
前期増減額を自動把握する。
【0086】(3)共通科目毎に(1)の処理区分に従
って処理を行う。その際、分解の対象になる情報を自動
的に抽出し、手入力を行うためのシートを作成し、表示
する。
【0087】(4)表示に従って、キャッシュフローを
計算するために必要な補足データ(為替換算損益内訳、
有価証券関係損益内訳、固定資産関係損益内訳、借入・
貸付増減内訳)を手入力する。
【0088】(5)(4)のデータを使って(3)の処
理を更に進め、当該関係会社のグループ共通「キャッシ
ュフロー計算書」を作成する。
【0089】(6)作成したグループ共通「キャッシュ
フロー計算書」を、Eメールなどを通じて親会社に送
る。
【0090】第5に、連結付属情報データ取得の機能を
有する。該機能は以下に列挙するようなものである。
【0091】(1)貸借対照表、損益計算書、資本増減
明細書、キャッシュフロー計算書のいずれにも含まれな
いが、連結決算を行うために親会社が必要とする情報を
入力するためのシートが含まれる連結付属情報オリジナ
ルブック(表計算ソフトのブック)を、親会社が不特定
の関係会社用に作成し、Eメールなどを通じて関係会社
に送る。
【0092】(2)関係会社で連結付属情報オリジナル
ブックを取り込む。この時に、自動的に当該関係会社の
コートが付され、当該関係会社用の連結付属情報ブック
になる。
【0093】(3)各関係会社で付属情報(相殺消去用
情報、ディスクローズ情報、税効果会計用情報、会計処
理方法情報)を入力し、当該関係会社の、グループ共通
連結付属情報ブック(各社ブック)を作成する。
【0094】(4)作成したグループ共通連結付属情報
ブックを、Eメールなどを通じて親会社に送る。
【0095】次に、具体的に本実施形態の作用について
説明する。
【0096】図7は、前述した処理用データ変換処理部
70で用いる対応取引先設定リストである。
【0097】グループ内の各関係会社は、独自に取引先
の会計上の名称を定め、又それぞれの取引先に各関係会
社独自の会計上のコード(コード番号)を決めている。
又本実施形態においては、連結決算用データ作成に際し
て、グループ全体に共通の会計上の取引先名称、又それ
ぞれの取引先にグループ全体に共通の会計上のコードを
定める。この対応取引先設定リストは、各関係会社の取
引先名称及びコードと、グループ全体に共通の取引先名
称及びコードとの対応を示すリストである。
【0098】親会社からは、共通取引先名称及び共通コ
ードが記された、対応取引先設定リストの基となる表が
送られてくる。各関係会社では、自らの関係会社独自に
定められた各社取引先名称及び各社コードを入力して、
図7に示すような対応取引先設定リストを作成する。
【0099】図8は、前述した処理用データ変換処理部
70で用いる対応科目設定リストである。
【0100】グループ内の各関係会社は、独自に会計上
の勘定科目の名称を定め、又それぞれの勘定科目に各関
係会社独自の会計上のコード(コード番号)を決めてい
る。又本実施形態においては、連結決算用データ作成に
際して、グループ全体に共通の会計上の勘定科目、又そ
れぞれの勘定科目にグループ全体に共通の会計上のコー
ドを定める。この対応科目設定リストは、各関係会社の
勘定科目及びコードと、グループ全体に共通の勘定科目
及びコードとの対応を示すリストである。
【0101】親会社からは、グループ共通の科目名称及
びコードが記され、「貸借」、「区分」、「CF処」、
「CF活」欄の記入がなされた、対応科目設定リストの
元になる表が送られてくる。各関係会社では、自らの関
係会社独自の体系で定められている科目名称及びコード
を入力して、図8に示すような対応科目設定リストを作
成する。
【0102】該設定リストにおいて、例えば図8の上か
ら1行目から4行目までは全て、共通コード「0101
01」が付された、共通勘定科目名称「現金・預金・満
期3ヶ月未満」である。ただし煩雑になることを避ける
ために、第1行目のみに、このような科目名称及びコー
ドが表示されている。この共通の科目に対して、この関
係会社では、「外貨預金キャッシュ(3ヶ月以内)」、
「現金」、「預金」、「預金キャッシュ(3ヶ月以
内)」に分けて管理し、それぞれに、この会社独自のコ
ードを付している。このように本発明の連結決算方法に
おいては、図8に示すような対応科目設定リストを作成
して用いることで、グループ全体に共通の科目に対し
て、任意の数の、各社独自の体系の科目を対応づけるこ
とができる。
【0103】逆に、その関係会社において不要であり、
管理していない科目に対しては、各社コード及び名称を
空欄のままにしておくことができる。
【0104】なお、グループ全体で共通の1つの科目に
対して、任意の数の、各関係会社独自の体系の複数の科
目を対応づける場合、グループ共通の科目が同一で、各
関係会社独自の異なる科目の複数の行を、対応科目設定
リストにおいて作成することになる。このような場合な
ど、設定リスト作成時の便宜のため、設定リストの任意
の行をコピーすれば、共通の科目名所、及びコード、並
びに、「貸借」、「区分」、「CF処」、「CF活」欄
の記載がコピーされた、各関係会社におけるコード及び
名称を入力するための行が作成される。
【0105】ここで「貸借」は貸方と借方の区別を、
「区分」は相殺消去の対象を示す。「CF処」はCF処
理区分であり、キャッシュフロー計算時の処理区分を表
す。「CF活」はCF活動区分であり、現金・営業関連
とそれ以外の区分を表す。即ち、“G”が付されたのは
現金に関する科目、“E”が付されたのは営業活動に関
する科目、いずれも付されていないのがその他の科目で
ある。
【0106】それぞれの関係会社においては、連結決算
に際しても、図8に示すような対応科目設定リストを作
成して用いることで、これまで社内で使用していた独自
のコード体系をそのまま使い続けることができる。又、
連結決算に精通した担当者がいなくても、親会社から送
られたグループ共通の科目及び取引先コードの表に、自
社のコードを対応付けた設定リストを作成するのみで、
連結決算用のデータを作成し、更に、グループ共通の貸
借対照表、損益計算書等を作成することができる。言う
までもなく、この設定リストは、一度作成すれば、その
後は、変更がない限りそのまま使うことができる。又、
変更が生じる場合にも、変更箇所だけ修正すればよい。
【0107】図9は、前述の資本増減明細表関連処理部
73で用いる資本増減明細書を示す線図である。
【0108】この資本増減明細書において、最左列に
は、上から下に取引種別の項目が列挙されている。又、
それぞれの取引の内容として、最上行には、資本金、資
本準備金、利益準備金、その他の剰余金、資本合計とい
う取引内容の項目が示されている。
【0109】ここで、首記残高の取引種別で、かつ、資
本金、資本準備金、利益準備金、その他の剰余金、又
は、資本合計のいずれかの取引内容の項目となるデータ
は、処理用データ変換処理部70や、貸借対照表・損益
計算書関連処理部72までの処理で求めることができ
る。又、(計算期末残高)の取引種別で、かつ、資本
金、資本準備金、利益準備金、その他の剰余金、又は、
資本合計のいずれかの取引内容の項目となるデータは、
処理用データ変換処理部70や、貸借対照表・損益計算
書関連処理部72までの処理で求めることができる。更
には、当期利益の取引種別で、かつ、その他の剰余金の
取引内容の項目のデータも、処理用データ変換処理部7
0や、貸借対照表・損益計算書関連処理部72までの処
理で求めることができる。これら以外のデータは、資本
増減明細表関連処理部73の処理において、表示入力装
置22から手入力する。
【0110】この表示入力装置22からの手入力の際に
は、図9が表示入力装置22の画面に表示され、それに
従って入力する。従って、各関係会社の担当者は、連結
決算制度に精通していなくても、確実に、グループ共通
の資本増減明細書を作成することができる。
【0111】図10は項目マスタリストを示し、図11
は表示マスタリストを示し、図12は処理集約マスタリ
ストを示す線図である。これらの図に示される項目は、
キャッシュフロー計算処理部74で求めるキャッシュフ
ロー計算書の項目になる。
【0112】具体的には、図10では、キャッシュフロ
ー計算書において最左列に上から下に表示される、CF
項目のコード及び名称を示す。Eで始まるコードの項目
は営業活動に関する項目、Tで始まるコードの項目は投
資活動に関する項目、Zで始まるコードの項目は財務活
動に関する項目、Gで始まるコードの項目はキャッシュ
(現金及び現金同等物)に関する項目である。
【0113】図11では、キャッシュフロー計算書にお
いて最上行で左右に表示される、キャッシュフロー計算
のための処理区分及びその処理において行われる分割の
項目を示す。又、図12は、キャッシュフロー計算書を
求める際に、損益計算書に比べて、貸借対照表の方が項
目分類が細かくて項目数が多いので、貸借対照表の項目
を、損益計算書の項目に合わせるよう集約する際に用い
る。
【0114】図13〜図20は、この順に、前述の処理
A〜処理Hのそれぞれを、キャッシュフロー計算処理部
74において行う際に用いるマスタリストを示す線図で
ある。図37には、これらの処理のマスタリストの構成
を示す。例えば、処理Aマスタでは、対象PL科目をキ
ーとして、CF項目のコード及び現金振替先のコードが
データとして対応付けられている。
【0115】キャッシュフロー計算処理部74において
は、これらのマスタリストを用いて、以下の処理を行っ
てキャッシュフロー計算書に関する情報を得る。
【0116】即ち、第1に、勘定科目毎に資産・負債・
資本金の対前期増減額を自動把握する。第2に、処理A
によって、科目毎の増減額から為替換算による影響を排
除する。第3に、処理E及び処理Fにより、資産の廃却
・売却等損益を収入、支出、取得価額、償却累計額に分
割し、資産科目毎の増減額をキャッシュ、非キャッシュ
に整理する。第4に、処理Bによって、運転資本の増減
額を整理する。第5に、処理Cにより、債権債務の増減
額を増加と減少に分割整理する。第6に、処理Dによ
り、キャッシュフロー項目間の振替を行う。第7に、処
理Gにより、資本増減額をキャッシュと非キャッシュに
分割整理する。第8に、以上の結果について強制的に修
正する。即ち、以上のようなキャッシュフロー計算方法
による処理の後に、自動的に不整合情報を見い出し、少
なくとも該不整合情報を含め、人手により強制的に修正
する。
【0117】本実施形態でキャッシュフロー計算をする
際には、まず、親会社が勘定科目毎の処理区分を設定
し、その設定を、各関係会社がEメールなどを通じて受
け取る。そうして、キャッシュフロー計算処理部74に
おいて、勘定科目毎に資産・負債・資本金の対前期増減
額を自動把握する。又、該キャッシュフロー計算処理部
74において、前記処理区分設定に基づいて、前記対前
期増減額に対して勘定科目毎の処理を行う。
【0118】具体的には、親会社は、設定した区分に従
って図13〜図20のようなマスタリストを作成し、各
関係会社に送る。各関係会社では、これらのマスタリス
トを使用することによって、親会社が定めた処理区分の
設定に基づいたキャッシュフロー計算処理が行われる。
従って、各関係会社の担当者は、キャッシュフロー計算
処理に精通していなくても、確実に、連結決算に対応し
たグループ共通のキャッシュフロー計算書を作成するこ
とができる。
【0119】図39には、キャッシュフロー計算書の構
成を示す。
【0120】まず、営業活動に関するキャッシュフロー
計算が行われる。即ち、P/Lシートから税引前当期純
利益が表示され、更にa.減価償却費補正、b.その他
引当金(その他非キャッシュ)、c.営業外損益・特別
損益、d.運転資本残高増減額補正、e.営業活動その
他への項目間振替、が表示される。そして、以上の小計
を算出する。更にf.営業活動その他項目を表示し、合
計を算出する。これをとする。
【0121】次に、投資活動に関するキャッシュフロー
計算が行われる。即ち、投資活動のg.各種収入、h.
各種支出、を表示し、合計を算出する。これをとす
る。
【0122】次に、財務活動に関するキャッシュフロー
計算が行われる。即ち、財務活動のi.各種収入、j.
各種支出を表示し、合計を算出する。これをとする。
【0123】そして最後に、現金及び現金同等物に関す
るキャッシュフロー計算が行われる。即ち、現金及び
現金同等物に係わる換算差額を表示し、〜の合計で
ある現金及び現金同等物の当期増減額を算出する。そ
して、現金及び現金同等物の前期末残高を表示し、
との合計である現金及び現金同等物の当期末残高を
算出する。
【0124】図38には、上記の処理A〜H相互の関係
も含めて、本実施形態におけるキャッシュフロー計算全
体の流れを模式的に示した。
【0125】この図の左端に記されたのが、キャッシュ
フロー計算の基になるB/Sの対前期増減額の自動計算
処理である。そして、これから右に向かう流れに沿っ
て、キャッシュフロー計算処理が行われる。
【0126】処理Bとして、処理Bマスタの対象B/S
科目の対前期増減額から、未収未払等の調整が行われ
る。即ちまず、対前期増減額から為替換算による増減額
を排除する。ただし、当該科目の活動区分が営業活動の
場合には無視する。即ち、為替換算による増減額の排除
を行わない。そして、処理Bマスタの対応CF項目コー
ド従って、CF計算のb.その他非キャッシュ補正、
d.運転資本増減額補正処理項目へ表示する。
【0127】処理Cとして、処理Cマスタに定められた
対象B/S科目の対前期増減額から、借り入れ貸付等の
調整が行われる。即ちまず、対前期増減額から為替換算
による増減額を排除する。この額について、活動項目毎
にグロス額(増加及び減少それぞれの額)への手入力に
よる分解が行われる。そして、処理Cマスタの各活動の
対応CF項目コードに従って、CF計算のg.投資活動
収入、i.財務活動収入、及びh.投資活動支出、j.
財務活動支出項目へ表示する。
【0128】処理Eとして、処理Eマスタに定められた
B/S科目の対前期増減額を処理集約マスタに従って損
益計算上の単位に集約してから、有価証券増減額の整理
が行われる。即ちまず、集約した増減額から為替換算に
よる増減額を排除する。又、処理Eマスタの対象PL科
目から求めた有価証券関係の損益を、売却収入と帳簿価
格とに手入力で分解する。これらの額から売却収入と当
期取得額を算出する。そして、処理Eマスタの売却収入
と取得支出の対応CF項目コードに従って、CF計算の
g.投資活動収入、i.財務活動収入、及びh.投資活
動支出、j.財務活動支出項目へ表示する。一方、P/
Lシートから求めた有価証券関係損益は、処理Eマスタ
の損益修正の対応CF項目コードに従って、CF計算の
c.営業外・特別損益処理項目に表示する。即ち、実際
のキャッシュの動きがなかった損益の取消を行う。
【0129】処理Fとして、処理Fマスタに定められた
B/S科目の対前期増減額を処理集約マスタに従って損
益計算上の単位に集約してから、固定資産増減の整理が
行われる。即ちまず、集約した増減額から為替換算によ
る増減額を排除する。又、処理Fマスタの対象PL科目
から求めた固定資産関係の損益を、売却収入、帳簿価
格、償却累計額、処分費用に手入力で分解する。これら
の額から売却収入と当期取得額を算出すると共に、当期
営業損益内の減価償却費を算出する。そして、売却収入
と当期取得額は、処理Fマスタの売却収入・諸費用支出
のCF項目コードに従って、CF計算のg.投資活動収
入、i.財務活動収入、及びh.投資活動支出、j.財
務活動支出項目へ表示する。又、当期営業損益内の減価
償却費は、処理Fマスタの減価償却費の対応CF項目コ
ードに従って、CF計算のa.減価償却費補正項目に表
示する。一方、P/Lシートから求めた固定資産関係損
益額は、処理Fマスタの損益修正の対応CF項目コード
に従って、CF計算のc.営業外・特別損益処理項目に
表示する。これは、処理Eの場合と同様の損益の取消処
理である。
【0130】処理Gとして、処理Gマスタに定められた
B/S科目の対前期増減額に対して、自己資本増減の整
理が行われる。即ちまず、対前期増減額から為替換算に
よる増減額を排除する。この額と、処理Gマスタに示さ
れた対象資本増減明細表科目の額から、現金増減額を算
出し、処理Gマスタの対応CF項目コードに従って、C
F計算のi.財務活動収入、j.財務活動支出項目に表
示する。
【0131】処理Aとして、為替差額等の整理が行われ
る。即ち、処理Aマスタに定められた対象PL科目につ
いて為替換算損益が求められ、処理Aマスタの対応CF
項目コードに従って、対応するCF計算の項目へ「営業
外・特別損益処理」として表示する。又、為替換算損益
から換算対象のB/S科目の内訳が手入力され、勘定科
目マスタの活動区分に基づいて活動区分の判定が行われ
る。そして、営業活動科目は無視され、キャッシュ科目
(現金科目)は、処理Aマスタの現金振替先コードに従
って、CF計算の現金及び同等物換算差額項目に表示
する。その他の科目は、処理B、C、E、F、Gにおけ
る為替換算による増減額排除処理のために使われる。な
お、本実施形態においては、図8に示した対応科目設定
リストを勘定科目マスタとして使用する。即ち、対応科
目設定リストのCF活動区分によって、活動区分が判定
される。
【0132】処理Hとして、前期末現金残指定処理が行
われる。即ち、Hマスタに定められた対象B/S科目の
前期B/S額から、前期末現金残が求められ、処理Hマ
スタの対応CF項目コードに従って、CF計算の現金
及び現金同等物の前期末残高項目に表示する。
【0133】処理Dとして、項目間振替が行われる。即
ち、処理Dマスタに定められたPL科目の額を、処理D
マスタの振替元CF項目コード及び振替先CF項目コー
ドに従ってe.営業活動その他への項目間振替、f.営
業活動その他項目に表示する。
【0134】なお、上記の「表示」においては、必要に
応じて正負の逆転が行われる。
【0135】図38に太線の四角で示したのは、手入力
による情報の分解処理である。この手入力処理を効率的
かつ確実に行うため、自動処理によって必要な情報が取
得された後に、手入力用のシートが自動的に作成され、
表示入力装置22に表示される。そして、この表示に従
って担当者が手入力を行う。この手入力のためのシート
を図34〜36に示す。
【0136】例えば図34のシートでの為替差額等科目
別内訳入力においては、合計額は自動的に取得され、表
示される。これらが既に表示されたシートに、担当者が
内訳の科目及びその金額を手入力する。図34は、対応
科目の手入力までが完了した状態を示す。内訳科目のコ
ードについては、マスタの存在がチェックされる。更に
金額の入力後には、合計と手入力された内訳との一致が
チェックされる。
【0137】処理Cでの資産増減額の分解入力において
は、図35の上側のシートが、増減額を自動的に取得し
た後に表示される。そして、増加額、減少額の内訳を入
力しようとする行を、例えばマウスポインタでクリック
すると、図35の下側の、取引先別の内訳を入力するた
めのシートが表示される。このシートに取引先別の内訳
を入力すれば、自動的に合計が計算され、上側のシート
に入力される。
【0138】図36のシートにおいても、同様に、自動
的に取得できる情報を取得、表示し、適切な科目、項目
名称を表示した状態で表示入力装置22に表示され、手
入力後に必要なチェックが行われる。これによって、キ
ャッシュフロー計算に精通していない担当者であっても
容易に、かつ確実に入力を行い、キャッシュフロー計算
を行うことが可能である。
【0139】上記の処理は、図21に示されたような構
成の表を使って実施することができる。ここでアの部分
には、キャッシュフロー計算の基となるB/Sシートの
対前期増減額計算が示される。Aが、その計算結果であ
る。破線イの部分は上記の処理A〜Gの処理に使用され
る。この部分の横方向の合計がB欄に、縦方向の合計が
C欄に示される。ここで、B欄のそれぞれの額は0にな
る。破線ウの部分は、キャッシュフローの表示のために
使用される。この部分の縦方向の合計がD欄に示され
る。ここで、D欄のそれぞれの額は、対応するC欄の額
と一致する。又、CF項目の現金及び現金同等物の当期
増加額G2が、B/S科目の現金(キャッシュ)増減額
G1と一致することがチェックされる。
【0140】図21の構成に従って、モデル計算を行っ
た結果を、図22〜図30に示すキャッシュフロー・モ
デル計算書1/9〜9/9)に示す。
【0141】図22のキャッシュフロー・モデル計算書
1/9は、図21の破線ア及び破線イの左側に当たる部
分を含む。図22において、又次に説明する図23及び
図24においても、左端の欄にはB/S科目のコード及
び名称が示されている。図22のキャッシュフロー・モ
デル計算書1/9では、これらB/S科目のコード及び
名称に続き、右へ順番に、「前記末残高」、「当期末残
高」と、図21のAである「増減額」が示されている。
「現金・預金(キャッシュ)」の「増減額」である“9
0,000千円”が、図21の符号G1である。ここま
でが破線アに当たる部分である。そして「未収未払等調
整」から右側が破線イの部分である。「未収未払等調
整」、「借入貸付等調整」、「CF項目間損益振替」の
部分はそれぞれ、処理B、処理C、処理Dに使用され
る。
【0142】図23のキャッシュフロー・モデル計算書
2/9は、キャッシュフロー・モデル計算書1/9の右
側に続く部分であり、図21の破線イの中央に当たる部
分を含む。「有価証券増減調整」、「固定資産増減整
理」の部分はそれぞれ、処理E、処理Fに使用される。
【0143】図24のキャッシュフロー・モデル計算書
3/9は、キャッシュフロー・モデル計算書2/9の右
側に続く部分であり、図21の破線イの右側に当たる部
分を含む。「自己資本増減整理」、「為替換算差額
等」、「現金振替」の部分はそれぞれ、処理G、処理
A、処理Hに使用される。そして右端の欄は、図21の
Bである「合計」が示される。
【0144】図25のキャッシュフロー・モデル計算書
4/9は、キャッシュフロー・モデル計算書1/9の下
側に続く部分であり、図21の破線ウの左上側の部分を
含む。左端の欄にはCF項目のコード及び名称が示され
ている。この内でE000からE**までが営業活動に
関する項目であり、E*は小計、E**は合計である。
図26のキャッシュフロー・モデル計算書5/9は、キ
ャッシュフロー・モデル計算書4/9の右側に続く部分
であり、左端の欄にはCF項目のコード及び名称が示さ
れ、又図21の破線ウの中央上側の部分を含む。図27
のキャッシュフロー・モデル計算書6/9は、キャッシ
ュフロー・モデル計算書5/9の右側に続く部分であ
り、左端の欄にはCF項目のコード及び名称が示され、
又図21の破線ウの右上側の部分を含む。右端の欄は合
計である。
【0145】図28のキャッシュフロー・モデル計算書
7/9は、キャッシュフロー・モデル計算書4/9の下
側に続く部分であり、図21の破線ウの左下側の部分を
含む。左端の欄にはCF項目のコード及び名称が示され
ている。この内でT011からT**までは投資活動に
関する項目であり、T**が合計である。Z010から
Z**までが財務活動に関する項目であり、Z**が合
計である。G010からG999までが現金に関する項
目であり、G999が図21の符号Dである。
【0146】図29のキャッシュフロー・モデル計算書
8/9は、キャッシュフロー・モデル計算書7/9の右
側に続く部分である。この図の左端の欄にはCF項目の
コード及び名称が示され、又図21の破線ウの中央下側
の部分を含む。
【0147】図30のキャッシュフロー・モデル計算書
9/9は、キャッシュフロー・モデル計算書8/9の右
側に続く部分である。この図の左端の欄にはCF項目の
コード及び名称が示され、又図21の破線ウの右下側の
部分を含む。右端の欄は合計であり、右下すみに図39
の、、、である「現金及び現金同等物に係る換
算差額」、「現金及び現金同等物の増加額」、「現金及
び現金同等物期首残高」、「現金及び現金同等物期末残
高」が示される。この内「現金及び現金同等物の増加
額」が図21の符号G2であり、その額“90,000
千円”は、符号G1の値と一致している。
【0148】図31〜図33は、図22〜図30と同一
のモデルに基づく、貸借対照表(B/S)の対前期比
較、当期の損益計算書(P/L)及び資本増減明細書で
ある。又、前述の図34〜図36の手入力シート中の数
値も、同一のモデルになっている。
【0149】このモデル計算書及び図36の資産廃棄売
却損益等内訳を使用して、処理Eの詳細を説明する。
【0150】まず、処理Eマスタの対象B/S科目コー
ドが“0104−02”(「有価証券(非キャッシ
ュ)」)の対前期比較から、前期末残高が“310,0
00千円”、当期末残高が“300,000千円”であ
り、増減額が“−10,000千円”であったことが把
握される。これらについては為替換算による増減はなか
ったものとする。又図32のP/Lから、処理Eマスタ
の対象PL科目コードが“2606”(「営業外費用」
の項中の「有価証券評価損」)、及び“2702”
(「特別利益」の項中の「投資有価証券売却益」)が、
それぞれ“−30,000千円”、“10,000千
円”であったことが把握される。そして、これらの損益
額を表示した処理Eに係わる手入力シート(図36の上
側)が表示され、売却価格、簿価価格が手入力される。
【0151】有価証券評価損の“−30,000千円”
は、キャッシュフロー・モデル計算書2/9の部分の、
「有価証券(非キャッシュ)」の行の「有価証券増減整
理」の項中の「評価替関係」の欄に、正負を逆転して表
示される。又、処理Eマスタの対応CF項目コードの損
益修正コードに従って、キャッシュフロー・モデル計算
書5/9の部分の、“E021”(「有価証券評価
損」)の行の、「有価証券増減整理」の項中で「評価替
関係」の欄に、正負を逆転して表示される。「投資有価
証券売却益」の“10,000千円”は、処理Eマスタ
の対応CF項目コードの売却収入コードに従って、キャ
ッシュフロー・モデル計算書5/9の部分の、“E05
1”(「投資有価証券売却益」)の行の、「有価証券増
減整理」の項中の「売却関係」の欄に、正負を逆転して
表示される。
【0152】手入力された「投資有価証券売却益」の売
買価格“50,000千円”は、処理Eマスタの対応C
F項目コードの売却収入コードに従って、キャッシュフ
ロー・モデル計算書8/9の部分の“T051”(「投
資有価証券の売却による収入」)の行の、「有価証券増
減整理」の項中の「売却関係」の欄に表示される。
【0153】手入力された「投資有価証券売却益」の売
買価格が“50,000千円”であり、B/Sから求め
られた「有価証券(非キャッシュ)」の増減額が“−1
0,000千円”であることから、当期の購入額が“6
0,000千円”と算出される。この値は、キャッシュ
フロー・モデル計算書2/9の部分において、「有価証
券(非キャッシュ)」の行の「有価証券増減整理」の項
中にある「取得関係」の欄に、正負逆転して表示され
る。又、処理Eマスタの対応CF項目の取得支出項目に
従って、キャッシュフロー・モデル計算書8/9の部分
において、“T050”(「投資有価証券の取得による
支出」)の行の「有価証券増減整理」における「取得関
係」の欄に、正負を逆転して表示される。
【0154】他の処理についての詳細な説明は省略す
る。しかしながら、いずれの処理においても同様に、最
小限必要な分解作業を手入力で行うのみで、他の処理は
コンピュータを利用して自動的に行うことができる。
【0155】以上のように、本実施形態においては、本
発明を効果的に適用することができる。従って、親会社
及び子会社のグループにおけるキャッシュフロー計算を
することができ、キャッシュフロー計算に要する手間や
コストを削減することができる。
【0156】又、本実施形態においては、親会社及び複
数の関係会社のグループ間で連携して効率的に運用で
き、連結決算用データ作成に要する手間やコストを削減
することができる。
【0157】特に、各関係会社は、これまで社内で使用
した独自のコード体系をそのまま使い続けながら、連結
決算制度に対応することができる。又、各関係会社は、
連結決算制度に精通した担当者がいなくても、確実に、
グループ共通の貸借対照表、損益計算書、資本増減明細
書を作成することができる。親会社は、各関係会社に連
結決算制度に精通した担当者を配置しなくても、制度連
結業務及び管理連結業務を円滑に行うことができる。
【0158】本実施形態においては、図1に示したよう
な連結決算システムを利用し、各関係会社が、親会社が
設定した勘定科目毎の処理区分をマスタリストとして受
け取り、それに従ってキャッシュフロー計算を行う例を
示した。しかしながら本発明はこれに限定されるもので
はない。親会社は、自らが処理区分を設定し、キャッシ
ュフロー計算を行うことができる。又、図1に示したよ
うな親会社と関係会社とをつないだシステムの利用は本
発明の実施の前提ではなく、単独の企業が自ら処理区分
を設定して行うこともできる。
【0159】
【発明の効果】本発明によれば、キャッシュフロー計算
に要する手間やコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された実施形態の連結決算システ
ムの全体構成を示すブロック図
【図2】上記実施形態の国内関係会社設置装置、あるい
は海外関係会社設置装置の構成を示すブロック図
【図3】前記実施形態の処理入力データファイルや処理
出力データファイルを示すブロック図
【図4】前記実施形態の情報処理装置内部における処理
部の構成を示すブロック図
【図5】前記実施形態のキャッシュフロー計算処理部に
おける処理部の構成を示すブロック図
【図6】前記実施形態の連結決算センタ設置装置の構成
を示すブロック図
【図7】前記実施形態の処理用データ変換処理部で用い
る対応取引先設定リストを示す線図
【図8】前記実施形態の処理用データ変換処理部で用い
る対応科目設定リストを示す線図
【図9】前記実施形態の資本増減明細表関連処理部で用
いる資本増減明細書を示す線図
【図10】前記実施形態の項目マスタリストを示す線図
【図11】前記実施形態の表示マスタリストを示す線図
【図12】前記実施形態の処理集約マスタリストを示す
線図
【図13】前記実施形態の処理Aにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図14】前記実施形態の処理Bにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図15】前記実施形態の処理Cにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図16】前記実施形態の処理Dにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図17】前記実施形態の処理Eにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図18】前記実施形態の処理Fにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図19】前記実施形態の処理Gにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図20】前記実施形態の処理Hにおいて用いるテーブ
ルを示す線図
【図21】前記実施形態においてキャッシュフロー計算
を具体的に実施するための表の構成を示す線図
【図22】前記実施形態においてキャッシュフロー計算
をモデル的に実施したキャッシュフロー・モデル計算書
の最上段で左端の部分を示す線図
【図23】上記キャッシュフロー・モデル計算書の最上
段で中央の部分を示す線図
【図24】前記キャッシュフロー・モデル計算書の最上
段で右端の部分を示す線図
【図25】前記キャッシュフロー・モデル計算書の中央
段で左端の部分を示す線図
【図26】前記キャッシュフロー・モデル計算書の中央
段で中央の部分を示す線図
【図27】前記キャッシュフロー・モデル計算書の中央
段で右端の部分を示す線図
【図28】前記キャッシュフロー・モデル計算書の最下
段で左端の部分を示す線図
【図29】前記キャッシュフロー・モデル計算書の最下
段で中央の部分を示す線図
【図30】前記キャッシュフロー・モデル計算書の最下
段で右端の部分を示す線図
【図31】前記キャッシュフロー・モデル計算書に関連
した、貸借対照表(B/Sシート)の対前期比較を示す
シートの線図
【図32】前記キャッシュフロー・モデル計算書に関連
した損益計算書(P/Lシート)を示すシートの線図
【図33】前記キャッシュフロー・モデル計算書に関連
した資本増減明細表を示すシートの線図
【図34】前記キャッシュフロー・モデル計算書に関連
した為替差額等科目別内訳入力用のシートの線図
【図35】前記キャッシュフロー・モデル計算書に関連
した資産増減額の分解入力用のシートの線図
【図36】前記キャッシュフロー・モデル計算書に関連
した資産廃売却損益等内訳(有価証券)入力用のシート
と資産廃売却損益等内訳(固定資産・繰延資産)入力用
のシートとの線図
【図37】上記処理A〜処理Hの処理で用いるマスタリ
ストの構成を示す線図
【図38】上記処理A〜処理Hの処理の流れを示す線図
【図39】キャッシュフロー計算書の構成を示す線図
【符号の説明】
1…連結決算センタ設置装置 3…国内関係会社設置装置 4…親会社所管部署設置装置 5…海外関係会社パソコン 7…グループネットワーク 10…情報処理装置 12…処理入力データファイル 14…処理出力データファイル 16…通信制御装置 22…表示入力装置 24…帳票出力装置 42…残高試算表データファイル 44…取引先明細データファイル 46…表計算関係データファイル 53…連結用B/S・P/Lデータファイル 54…連結用資本増減明細データファイル 55…連結用キャッシュフロー・データファイル 56…連結用付属情報データファイル 70…処理用データ変換処理部 72…貸借対照表・損益計算書関連処理部 73…資本増減明細表関連処理部 74…キャッシュフロー計算処理部 75…連結付属情報関連処理部 80…連結情報センタ装置 82…制度連結業務情報処理部 83…制度連結情報データファイル 85…管理連結業務情報処理部 86…管理連結情報データファイル 90…通信制御装置 92…関係会社関連情報データベース
フロントページの続き (72)発明者 早川 寛 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 田中 優和 東京都江東区南砂弐丁目36番11号 川鉄情 報システム株式会社内 Fターム(参考) 5B049 AA06 BB46 CC00 DD01 DD05 EE01 EE05 FF02 FF09 GG02 GG04 GG07 GG09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め勘定科目毎に処理区分を設定してお
    き、 前期及び当期の貸借対照表から資産、負債、資本金の対
    前期増減額を自動把握し、 該対前期増減額を基に、前記処理区分設定に従った前記
    勘定科目毎の処理を行って、キャッシュフロー計算書を
    作成することを特徴とするキャッシュフロー計算方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のキャッシュフロー計算方
    法において、前記処理区分が、運転資本増減額の把握、
    借入・貸付金の増減額の把握、有価証券増減額の把握・
    固定資産増減額の把握、及び自己資本の増減額の把握を
    含むことを特徴とするキャッシュフロー計算方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のキャッシュ
    フロー計算方法において、分解の対象になる情報を自動
    的に抽出し、 該抽出した情報の分解処理を人手によって行うことを特
    徴とするキャッシュフロー計算方法。
  4. 【請求項4】関係会社が、親会社が勘定科目毎に設定し
    た処理区分を受け取り、 前期及び当期の貸借対照表から資産、負債、資本金の対
    前期増減額を自動把握し、 該対前期増減額を基に、前記処理区分設定に従った前記
    勘定科目毎の処理を行って、該関係会社のキャッシュフ
    ロー計算書を作成することを特徴とするキャッシュフロ
    ー計算方法。
  5. 【請求項5】前期及び当期の貸借対照表から資産、負
    債、資本金の対前期増減額を自動把握し、該対前期増減
    額を基に、予め勘定科目毎に設定された処理区分に従っ
    た勘定科目毎の処理を行って、キャッシュフローを計算
    するキャッシュフロー計算処理部を備えるようにしたこ
    とを特徴とするキャッシュフロー計算装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のキャッシュフロー計算装
    置において、更に、 親会社及び関係会社に共通のグループ共通勘定科目と、
    該当関係会社の勘定科目との対応付けを示す対応科目設
    定ファイルと、 少なくともグループ共通勘定科目が設定された上記対応
    科目設定ファイルに対して、該当関係会社の勘定科目を
    入力するための対応科目設定ファイル設定部と、 前記対応科目設定ファイルに基づいて、該当関係会社の
    残高試算表データを、グループで統一したフォーマッ
    ト、及び科目のコードのデータへ変換する情報処理部
    と、を備え、 該データ変換がなされた情報に対して前記キャッシュフ
    ロー計算処理部による処理を行うようにしたことを特徴
    とするキャッシュフロー計算装置。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の前記キャッシュフロー計
    算処理部を実現するコンピュータプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014164604A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Yukitaka Ochiai 財務書類作成プログラムおよび財務書類作成方法
JP2020102134A (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 株式会社オービック 与信余力算出装置、与信余力算出方法および与信余力算出プログラム
JP7340080B2 (ja) 2018-12-25 2023-09-06 株式会社オービック 与信余力算出装置、与信余力算出方法および与信余力算出プログラム

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