以下に添付図面を参照して、この発明に係る財務書類作成プログラムおよび財務書類作成方法の実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
以下の実施例では、実施例1に係る財務書類作成プログラムを実行する情報処理装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。なお、実施例1では、主に、現金主義会計を採用する地方公共団体の業務に従事する者(以下、ユーザという)を対象とした財務書類作成プログラムについて説明する。
[情報処理装置の構成]
最初に、図1を用いて、財務書類作成プログラムを実行する情報処理装置10の構成を説明する。図1は、実施例1に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表(後述する図2−1〜図10)を表示し、ユーザからの各項目に対応する金額の入力を受け付ける。そして、情報処理装置10は、受け付けた金額を財務書類に沿った科目に分類し、また、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。そして、情報処理装置10は、分類・算出した金額を用いて、財務書類を作成する。
図1に示すように、この情報処理装置10は、入力部11、出力部12、制御部13、記憶部14を備える。以下にこれらの各部の処理を説明する。
入力部11は、各種情報などを入力するものであり、キーボードやマウス、マイクなどを備えて構成される。また、出力部12は、財務書類を作成するための表や、作成した財務書類を表示するものであり、モニタ(若しくはディスプレイ、タッチパネル)やスピーカを備えて構成される。
記憶部14は、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、入力表記憶部14aおよび財務書類記憶部14bを備える。
例えば、記憶部14とは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
入力表記憶部14aは、後に図2−1〜図10を用いて詳述する各表を記憶する。各表は、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含み、各項目に対応する金額の入力をユーザから受け付けるためのテンプレートデータである。また、入力表記憶部14aは、各項目に対応する金額の入力を受け付けると、入力された金額のデータも記憶する。
また、入力表記憶部14aは、各項目に対応する金額の入力を受け付けると自動的に金額が入力されて作成される仕訳帳(図11−1〜図11−8)および精算表(図12−1〜図12−4)を記憶する。この仕訳帳および精算表は、図2−1〜図10の各表に入力された金額を分類・精算するためのテンプレートデータであり、且つ、財務書類を作成するための、いわゆる中間データとしての役割を担っている。
なお、図面に例示する表等に記載された「BS」とは、貸借対照表の英略であり、「PL」とは、行政コスト計算書の英略であり、「NWM(NW)」とは、純資産変動計算書の英略であり、「CF」とは、資金収支計算書の英略である。また、図面に例示する各表のセル等には、色が付されている場合があるが、図面においては、色が付されているセルには、便宜上ハッチングを施し、色の違いをハッチングの違いで表現している。
各表に付されたセルの色は、そのセルの役割や意味をユーザに知らせるために付されたものであり、色ごとに役割や意味が異なる。例えば、黄色が付されたセルは、ユーザに金額を入力させるためのセルであることを示しており、緑色が付されたセルは、他の表に入力された金額が転記されるセルであることを示しており、ベージュが付されたセルは、同一表に入力された金額が転記されるセル、または、同一表に入力された金額を用いて計算された金額が記載されるセルであることを示している。
財務書類記憶部14bは、財務書類のデータを記憶する。具体的には、財務書類記憶部14bは、後述する作成部13cによって作成された財務書類として、後に図13−1〜図16に例示する「貸借対照表」、「行政コスト計算書」、「純資産変動計算書」および「資金収支計算書」のデータを記憶する。なお、各財務書類の22年度の各金額は、既にユーザが把握している金額であり、ユーザにより入力されたものとする。
制御部13は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受付部13a、算出部13b、および作成部13cを備える。
例えば、制御部13とは、電子回路である。ここで、電子回路の例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、またはCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などを適用する。
受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表を表示し、該表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける。具体的には、受付部13aは、現金主義会計に基づいた財務に関する複数の項目を含む表と、発生主義会計に基づいた財務に関する複数の項目を含む表とを表示し、該各表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける。また、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目に対応する金額が複数の科目に分類される場合には、該項目に対応する金額の内訳の入力を受け付ける。また、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表において、各項目に対応する金額の入力を受け付ける箇所に、所定の色(例えば、黄色)を付して表示する。
また、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目として、歳出に関する項目、歳入に関する項目、債務および債権に関する項目、金融資産に関する項目、非金融資産に関する項目、公債および借入金に関する項目、引当金に関する項目、純資産変動に関する項目のいずれか一つまたは複数の項目を表示する。
例えば、図2−1〜図3−3に例示する歳出組替表および歳入組替表が現金主義会計に基づいた財務に関する項目を含む表であり、図4〜図10に例示する各表が発生主義会計に基づいた財務に関する項目を含む表である。
また、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表において、各項目に対応する金額の入力を受け付ける箇所(セル)に黄色を付して表示する。なお、セルの色は、黄色に限定されるものではなく、ユーザに入力を受け付けるセルであることが分かれる色であれば、他の色であってもよい。
また、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目として、歳出に関する項目、歳入に関する項目、債務および債権に関する項目、金融資産に関する項目、非金融資産に関する項目、公債および借入金に関する項目、引当金に関する項目、純資産変動に関する項目を表示する。
また、各表に金額を入力するユーザは、一人であってよいし、複数人であってもよい。例えば、表に対する金額の入力を部署ごとに分担するようにしてもよく、図2−1〜図2−4の表に対する入力を財政課、図3−1〜図3−3の表に対する入力を出納課、図4に対する入力を管財課・・・などと分担してもよい。つまり、各課・各部署により、把握している会計に関する金額が異なるため、各課・各部署に金額を入力する表をそれぞれ用意することで、効率よく金額の入力を受け付けることができ、財務書類の作成をより簡易に行うことが可能となる。
なお、図2−1〜図10の表のうち、いずれの表を表示するかは、ユーザが選択可能となっている。また、図2−1〜図10に例示する各表について、各セルに金額がすでに入力されている状態であるが、金額が入力される前の状態では、各セルに「0」の値が表示されるものとする。
最初に、図2−1〜図2−4を用いて、歳出に関する情報を入力するための歳出組替表について説明する。図2−1〜図2−4は、歳出組替表の一例を示す図である。この歳出組替表は、歳出に関する一年間の金額を集計してまとめた表である。図2に示すように、ユーザが入力する項目として、「報酬」、「給料」、「職員手当等」、「共済費」、「災害補償費」、「恩給及び退職年金」、「賃金」、「報償費」、「旅費」、「交際費」、「修繕費」、「修繕費以外の需用費」、「通信運搬費・保管料」、「通信運搬費・保管料以外の役務費」、「委託料」、「使用料及び賃借料」、「工事請負費」、「原材料費」、「土地購入費」、「土地以外の公有財産購入費」、「備品購入費」、「負担金」、「補助交付費」、「扶助費」、「貸付金」、「補償補填及び賠償金」、「償還金利子及び割引料」、「投資及び出資金」、「積立金」、「基金繰入額」、「寄付金」、「公課費」および「繰出金」が歳出組替表に表示される。そして、各項目に対応する「決算額」の列に、金額がそれぞれ入力される。
これらの各項目に入力された金額は、財務書類の科目区分に自動的に分類される。図2−1〜図2−4に示すように、財務書類の科目区分として、行政コスト計算書の科目区分である「議員歳費」、「職員給料」、「退職給付費用」、「その他の人件費」、「消耗品費」、「維持補修費」、「その他の物件費」、「業務費」、「委託費」、「その他の経費」、「その他の業務費用」、「他会計への移転支出」、「補助金等移転支出」、「社会保障関係費等移転支出」、「その他の移転支出」、貸借対照表の科目区分である「事業用資産」、「インフラ資産」、「長期金融資産」、純資産変動計算書(図2−3の例では「NWM」と記載)の科目区分である、「その他財源措置」、行政コスト計算書の科目区分である「公債費(利払分)支出」、「借入金支払利息支出」、「貸借対照表の科目区分である公債(短期)」、「公債」、「短期借入金」、「借入金」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」が表示されている。
ここで、地方公共団体の財務に関する項目の行に、黄色のセルが存在する場合には、該項目の決算の内訳を、黄色の各セルに金額を入力することで、各項目に入力された金額が財務書類の科目区分に分類される。
例えば、図2−1に例示するように、「報酬」の決算額の内訳は、「議員歳費」と、「その他の人件費」と、「維持補修費」とに分類される。図2−1の例を用いて具体的に説明すると、図2−1の例では、「報酬」の項目には、「決算額」として「1,931,703,200」が入力されている。そして、報酬の項目の行には、報酬のうち「その他の人件費」に該当する金額を入力する黄色いセルと「維持補修費」に該当する金額を入力する黄色いセルとが表示され、「その他の人件費」に該当する金額として「1,000,000,000」が入力されており、「維持補修費」に該当する金額として「0」が入力されている。また、報酬の項目の行における「議員歳費」には、決算額「1,931,703,200」から、その他の人件費「1,000,000,000」および維持補修費「0」を減算した値「931,703,200」が自動的に入力される。
また、地方公共団体の財務に関する項目の行に、ベージュのセルのみが存在する場合には、自動的に各項目に入力された金額が財務書類の科目区分に分類される。
例えば、図2−1に例示するように、「給料」の項目に入力された金額(図2−1の例では、「8,125,675,663」)は、「職員給料」に分類される。また、「職員手当等」の項目に入力された金額(図2−1の例では、「7,000,000,000」)は、「職員給料」に分類される。また、「共済」の項目に入力された金額(図2−1の例では、「3,547,002,562」)は、「その他の人件費」に分類される。また、「災害補償費」の項目に入力された金額(図2−1の例では、「4,905,963」)は、「その他の人件費」に分類される。また、「恩給及び退職年金」の項目に入力された金額(図2−1の例では、「4,098,700」)は、「退職給付費用」に分類される。また、「賃金」の項目に入力された金額(図2−1の例では、「1,193,486,551」)は、その他の人件費に分類される。
また、財務書類の科目区分に分類される金額として、他の表の金額が適用される場合がある。例えば、地方公共団体の財務に関する複数の項目の行に、緑色のセルのみが存在する場合には、該セルには自動的に他の表の金額が適用される。例えば、「使用料及び賃借料」の項目の列に対応する「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」のセルには、公債・借入金明細表におけるその他の流動負債の合計の金額と、その他の非流動負債の合計の金額とがそれぞれ適用される。
また、金額を入力するユーザに対するコメントなどを表示してもよい。例えば、図2−3に例示するように、「基本繰入額」の行、「その他の移転支出」の列に対応するセルには、「A4(後に説明する金融資産明細表)の残高を合わせるための調整」というコメントを表示し、金融資産明細表の残高を合わせるための調整金額を入力させる。このように、適宜コメントを表示することで、ユーザに入力させるデータの内容を分かりやすくすることが可能である。
また、図2−1〜図2−4の例に示すように、各列に入力された金額の合計として、「歳出合計」がそれぞれ表示される。また、歳出合計の下部には、「資金収支計算書への組替」として、資金収支計算書における各勘定科目「人件費支出」、「物件費支出」、「経費支出」、「業務関連費用支出」、「他会計への移転支出」、「補助金等移転支出」、「社会保障関係費移転支出」、「その他の移転支出」、「固定資産形成支出」、「長期金融資産形成支出」、「その他の資本形成支出」、「公債費(利払分)支出」、「借入金支払利息支出」、「公債(短期)元本償還支出」、「公債元本償還支出」、「短期借入金元本償還支出」、「借入金元本償還支出」、「その他の元本償還支出」に対応する各金額が、歳出合計を基に算出され、「転記額」の列の対応するセルにそれぞれ表示される。これらの各金額は、資金収支計算書(図16参照)を作成する際に、適用される金額である。
次に、図3−1〜図3−3を用いて、歳入に関する情報を入力するための歳入組替表について説明する。図3−1〜図3−3は、歳入組替表の一例を示す図である。この歳入組替表は、歳入に関する一年間の金額を集計してまとめた表である。図3−1〜図3−3に示すように、ユーザが入力する項目として、「地方税」、「地方譲与税」、「利子割交付金」、「配当割交付金」、「株式等譲渡所得割交付金」、「地方消費税交付金」、「ゴルフ場利用税交付金」、「自動車取得税交付金」、「軽油取引税交付金」、「国有提供施設等所在市町村」、「地方特例交付金」、「地方交付税」、「交通安全対策交付金」、「分担金負担金」、「使用料・手数料」、「国庫支出金」、「県支出金」、「財産収入」、「寄付金」、「繰入金」、「繰越金」、「諸収入」、「地方債」が歳入組替表に表示される。そして、各項目に対応する「決算額」の列に対して、ユーザが金額をそれぞれ入力する。
これらの各項目に入力された金額は、財務書類の科目区分に分類される。図3−1〜図3−3に示すように、純資産変動計算書の科目区分として、「税収」および「社会保険料収入」が表示され、また、行政コスト計算書の科目区分として、「自己収入」、「その他の業務収益」、「受取利息等」、「その他業務関連収益」が表示され、また、純資産変動計算書の科目区分として、「他会計からの移転収入」、「国庫支出金」、「都道府県等支出金」、「市町村等支出金」、「その他の移転収入」が表示され、固定資産明細表の科目区分として、「資産売却益」が表示され、長期金融資産明細表の科目区分として、「長期金融資産」が表示され、資金収支計算書の科目区分として、「その他の資本処分収入」が表示され、後述する公債・借入金明細表の科目区分として、「公債(短期)」、「公債」、「短期借入金」、「借入金」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」が表示される。
ここで、地方公共団体の財務に関する項目の行に、黄色のセルが複数存在する場合には、該項目の決算の内訳を、黄色の各セルに金額を入力することで、各項目に入力された金額が財務書類の科目区分に分類される。
例えば、図3−1〜図3−3に例示するように、「財産収入」の決算額の内訳は、「自己収入」と、「その他の業務収益」と、「受取利息等」と、「その他業務関連収益」と、「資産売却益」と、「長期金融資産」とに分類される。図3−1〜図3−3の例を用いて具体的に説明すると、図3−1〜図3−3の例では、「財産収入」の項目には、「決算額」として「214,510,353」が入力されている。そして、財産収入の項目の行には、財産収入のうち「自己収入」に該当する金額を入力する黄色いセルと、「その他の業務収益」に該当する金額を入力する黄色いセルと、「受取利息等」に該当する金額を入力する黄色いセルと、「その他業務関連収益」に該当する金額を入力する黄色いセルと、「資産売却益」に該当する金額を入力する黄色いセルと、「長期金融資産」に該当する金額を入力する黄色いセルとが表示される。例えば、図3−1〜図3−3の例では、「自己収入」に該当する金額として「63,735,550」が入力され、「その他の業務収益」に該当する金額として「0」が入力され、「受取利息等」に該当する金額として「15,073,419」が入力され、「その他業務関連収益」に該当する金額として「504,200」が入力され、「資産売却益」に該当する金額として「134,007,184」が入力され、「長期金融資産」に該当する金額として「1,190,000」が入力されている。
また、地方公共団体の財務に関する項目の行に、ベージュのセルのみが存在する場合には、自動的に各項目に入力された金額が財務書類の科目区分に分類される。例えば、図3−1に例示するように、「地方税」の項目に入力された金額(図3−1の例では、「40,000,000,000」)は、純資産変動計算書の科目区分である「税収」に分類される。
また、図3−1〜図3−3の例に示すように、各列に入力された金額の合計として、「歳出合計」がそれぞれ表示される。また、歳出合計の下部には、「資金収支計算書への組替」として、資金収支計算書における各勘定科目「租税収入」、「社会保険料収入」、「業務収益収入」、「業務関連収益収入」、「他会計から繰越収入」、「補助金等移転収入」、「その他の移転収入」、「固定資産売却収入」、「長期金融資産償還収入」、「その他の資本処分収入」、「公債(短期)発行収入」、「公償発行収入」、「短期借入金収入」、「借入金収入」、「その他の財務的収入」に対応する各金額が、歳出合計に基づいてそれぞれ算出され、「転記額」の列の対応するセルにそれぞれ表示される。
図4を用いて、債権債務に関する情報を入力するための債権債務等明細表について説明する。図4は、債権債務等明細表の一例を示す図である。この債権債務等明細表は、債権債務に関する一年間の金額の動きをまとめた表である。図4に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目の列において、区分「債権」の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、また、「棚卸資産」、区分「債務」の「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」が表示されている。そして、「税等未収金」の行であって、「貸倒引当金目的取崩額」の列にあるセルと、「当年度残高」の列にあるセルとを黄色く表示し、ユーザに該当する金額(例えば、収入未済額、不納欠損額および歳計外現金等)を入力させる。
また、図4に示すように、「未収金」の行であって「貸倒引当金目的取崩額」の列にあるセルと、「当年度残高」の列にあるセルとを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。また、「その他の債権」の行であって、「貸倒引当金目的取崩額」の列にあるセルと、「当年度残高」の列にあるセルとを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、図4に示すように、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの行であって、「当年度残高」の列にあるセルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、図4に示すように、前年度残高の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額を表示する。この前年度残高の各金額は、後述する図13の貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額を転記したものである。ここで、前年度残高の各金額を表示させることで、債権債務等明細表を作成する際に、ユーザに前年度の各金額を参考にさせることができる。
また、図4に示すように、前年度残高の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額から、貸倒引当金目的取崩額の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額を減算し、減算した金額を「差引後の残高」の列に表示する。
また、図4に示すように、当年度残高の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額から、「差引後の残高」の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額を減算し、減算した金額を「増減」の列に表示する。
図5を用いて、金融資産に関する情報を入力するための金融資産明細表について説明する。図5は、金融資産明細表の一例を示す図である。この金融資産明細表は、金融資産に関する一年間の金額の増減をまとめた表である。図5に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目の列に「貸付金」、「有価証券」、「出資金」、「財政調整基金」、「減債基金」、「その他の基金・積立金」、「その他の投資」が表示されている。各項目に対応する繰越の金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額を転記したものである。
また、資金支出の合計の金額には、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表の長期金融資産の歳出合計の金額が転記される。また、回収の合計の金額には、図3−1〜図3−3に例示した歳入組替表の長期金融資産の歳入合計の金額が転記される。
また、各項目について、金融資産の増加に対応する「資金支出」、「評価益」、「受贈益」の列のセルと、金融資産の減少に対応する「回収」、「評価損」、「貸倒引当金」の列のセルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。なお、その他の投資の行であって、資金支出の列に対応するベージュのセルには、資金支出の合計の金額から、「貸付金」、「有価証券」、「出資金」、「財政調整基金」、「減債基金」、「その他の基金・積立金」の各資金支出の合計を減算した金額(図5の例では、「0」)を入力して表示する。また、その他の投資の行であって、資金支出の列に対応するベージュ色のセルには、回収の合計の金額から、「貸付金」、「有価証券」、「出資金」、「財政調整基金」、「減債基金」、「その他の基金・積立金」の各回収金額の合計を減算した金額(図5の例では、「1,000,000」)を入力して表示する。
図6−1、図6−2を用いて、非金融資産に関する情報を入力するための非金融資産明細表について説明する。図6は、非金融資産明細表の一例を示す図である。この非金融資産明細表は、非金融資産に関する一年間の金額の増減をまとめた表である。図6−1、図6−2に示すように、ユーザが入力する項目である勘定科目として、「事業用資産」に区分される有形固定資産である「土地」、「立木竹」、「建物」、「工作物」、「機械器具」、「物品」、「船舶」、「航空機」、「その他の有形固定資産」および「建設仮勘定」、「事業用資産」に区分される無形固定資産である「地上権」、「著作権・特許権」、「ソフトウェア」、「電話加入権」および「その他の無形固定資産」、インフラ資産である「公共用財産用地」、「公共用財産施設」、「その他の公共用財産」および「公共用財産建設仮勘定」が表示される。
各項目に対応する「繰越」の列には、後述する図13−1〜図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額が転記される。また、事業用資産の有償取得の合計の金額には、図2に例示した歳出組替表の事業用資産の合計の金額が転記される。また、インフラ資産の有償取得の合計の金額には、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表のインフラ資産の合計の金額が転記される。
また、各項目について、非金融資産の増加に対応する「有償取得」、「無償取得」、「調査判明」、「評価益」、「リース」および「振替」の列のセルと、非金融資産の減少に対応する「振替」、「評価損」、「売却」、「除却」、「無償譲渡」および「減価償却」の列のセルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。なお、その他の無形固定資産の行であって、有償取得の列のセルには、事業用資産の有償取得の合計の金額から、有形固定資産の有償取得の合計と無形固定資産(「地上権」、「著作権・特許権」、「ソフトウェア」、「電話加入権」)の合計とを減算した金額を表示する。
図7を用いて、公債・借入金に関する情報を入力するための公債・借入金明細表について説明する。図7は、公債・借入金明細表の一例を示す図である。この公債・借入金明細表は、公債・借入金に関する一年間の金額の増減をまとめた表である。図7の例では、公債・借入金明細表には、上段、下段にそれぞれ表が表示されている。まず、上段の表ついて説明する。図7に示すように、ユーザが入力する項目である勘定科目として、「公債」、「流動」の行、「借入金」、「流動」の行、「借入金」、「非流動」の行であって、「減少」、「振替」の列に対応する各セルを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、「公債」、「流動」の行、「繰越」の列に対応するセルの金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の流動負債の公債(短期)の金額を転記したものである。また、「公債」、「非流動」の行、「繰越」の列に対応するセルの金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の非流動負債の公債の金額を転記したものである。また、「借入金」、「流動」の行、「繰越」の列に対応するセルの金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の短期借入金の金額を転記したものである。また、「借入金」、「非流動」の行、「繰越」の列に対応するセルの金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の非流動負債の借入金の金額を転記したものである。また、「その他の非流動負債」、「流動」の行、「繰越」の列に対応するセルの金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度のその他の流動負債の金額を転記したものである。また、「その他の非流動負債」、「非流動」の行であって、「繰越」の列に対応するセルの金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度のその他の非流動負債の金額を転記したものである。
また、「公債」、「流動」の行、「増加」、「借入」の列に対応するセルの金額は、図13−1、図13−2に例示した歳入組替表の公債(短期)の歳入合計の金額を転記したものであり、「公債」、「非流動」の行、「増加」、「借入」の列に対応するセルの金額は、図3−1〜図3−3に例示した歳入組替表の公債の歳入合計の金額を転記したものであり、「借入金」、「流動」の行、「増加」、「借入」の列に対応するセルの金額は、図3−1〜図3−3に例示した歳入組替表の短期借入金の歳入合計の金額を転記したものであり、「借入金」、「非流動」の行、「増加」、「借入」の列に対応するセルの金額は、図3−1〜図3−3に例示した歳入組替表の借入金の歳入合計の金額を転記したものである。また、「その他の非流動負債」、「非流動」の行、「増加」、「借入」の列に対応するセルの金額は、「合計」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルの金額を転記したものである。
また、「公債」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルの金額は、「公債」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額を転記したものである。また、「借入金」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルの金額は、「借入金」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額を転記したものである。また、「その他の非流動負債」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルの金額は、「その他の非流動負債」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額を転記したものである。
また、「公債」、「流動」の行、「減少」、「返済」の列に対応するセルの金額は、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表の公債(短期)の歳出合計の金額を転記したものである。また、「公債」、「非流動」の行、「返済」の列に対応するセルの金額は、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表の公債の歳出合計の金額を転記したものである。また、「借入金」、「流動」の行、「返済」の列に対応するセルの金額は、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表の短期借入金の歳出合計の金額を転記したものである。また、「借入金」、「非流動」の行、「返済」の列に対応するセルの金額は、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表の借入金の歳出合計の金額を転記したものである。また、「その他の非流動負債」、「流動」の行、「返済」の列に対応するセルの金額は、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表のその他の流動負債の歳出合計の金額を転記したものである。また、「その他の非流動負債」、「非流動」の行、「返済」の列に対応するセルの金額は、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表のその他の非流動負債の歳出合計の金額を転記したものである。
また、「その他の非流動負債」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルには、「合計」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に入力された金額が入力される。
次に、下段の表について説明する。図7に示すように、ユーザが入力する項目である勘定科目として、「その他の有形」、「流動」の行、「その他の有形」、「非流動」の行、「その他の無形」、「流動」の行、または、「その他の無形」、「非流動」の行であって、「増加」、「繰越」の列、または、「減少」、「残高」の列に対応する各セルを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、「その他有形」、「合計」の行、繰越の列に対応するセルには、「その他の有形」、「流動」の行、および「その他の有形」、「非流動」の行であって、「増加」、「繰越」の列に入力された金額の合計が入力される。また、「その他無形」、「合計」の行、繰越の列に対応するセルには、「その他の無形」、「流動」の行、および「その他の無形」、「非流動」の行であって、「増加」、「繰越」の列に対応する各セルに入力された金額の合計が入力される。
また、「合計」、「流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、および「その他無形」、「流動」の行であって、「増加」、「繰越」の列に対応する各セルに入力された金額の合計が入力される。また、「合計」、「非流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルには、「その他有形」、「非流動」の行、および「その他無形」、「非流動」の行であって、「増加」、「繰越」の列に対応する各セルに入力された入力された金額の合計が入力される。そして、「合計」、「流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額と、「合計」、「非流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額の合計とが、「合計」、「合計」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力される。
また、「その他有形」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルには、図6−1、図6−2に例示した非金融資産明細表における「その他の有形固定資産」の行、「リース」の列に対応するセルに入力された金額が入力される。また、「その他無形」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルには、図6−1、図6−2に例示した非金融資産明細表における「その他の無形固定資産」の行、「リース」の列に対応するセルに入力された金額が入力される。そして、「合計」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルには、「その他有形」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルに入力された金額との合計の金額が入力される。
また、「その他有形」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、「残高」の行に対応するセルに入力された金額が転記される。また、「その他無形」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルには、「その他無形」、「流動」の行、「残高」の行に対応するセルに入力された金額が転記される。また、「合計」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルには、「合計」、「流動」の行、「残高」の行に対応するセルに入力された金額が転記される。
また、「その他有形」、「流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額が転記される。また、「その他有形」、「非流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルには、「その他有形」、「非流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他有形」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルに入力された金額とを加算した金額から、「その他有形」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額と「その他有形」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額とを減算した金額を入力する。
また、「その他無形」、「流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルには、「その他無形」、「流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額が転記される。また、「その他無形」、「非流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルには、「その他無形」、「非流動」の行、「増加」、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「非流動」の行、「増加」、「契約」の列に対応するセルに入力された金額とを加算した金額から、「その他無形」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額と「その他無形」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額とを減算した金額を入力する。
また、「合計」、「流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額を入力する。また、「合計」、「非流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルには、「その他有形」、「非流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「非流動」の行、「減少」、「支払」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額を入力する。
また、「その他有形」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に入力された金額が転記される。また、「その他無形」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルには、「その他無形」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に入力された金額が転記される。また、「合計」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルには、「その他有形」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「非流動」の行、「減少」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額が入力される。
また、「その他有形」、「合計」の行、「残高」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他有形」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額が入力される。また、「その他無形」、「合計」の行、「残高」の列に対応するセルには、「その他無形」、「流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額が入力される。
また、「合計」、「流動」の行、「残高」の列に対応するセルには、「その他有形」、「流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額が入力される。また、「合計」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルには、「その他有形」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額と、「その他無形」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力された金額との合計金額が入力される。
また、「合計」、「流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力されたセルの金額と、「合計」、「非流動」の行、「残高」の列に対応するセルに入力されたセルの金額との合計金額が、「合計」、「合計」の行、「残高」の列に対応するセルに入力される。
図8を用いて、引当金に関する情報を入力するための引当金明細表について説明する。図8は、引当金明細表の一例を示す図である。この引当金明細表は、引当金に関する一年間の金額の増減をまとめた表である。図8に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目である「貸倒引当金」、「賞与引当金」、「退職給付引当金」および「その他の引当金」が表示される。各項目に対応する繰越の金額は、後述する図13−1、図13−2の貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額を転記したものである。
また、各項目について、「増加」、「繰入」の列に対応する各セル、「増加」、「その他」の列に対応する各セル、「減少」、「その他」の列に対応する各セルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。また、勘定科目である「退職給付引当金」および「その他の引当金」について、「減少」、「目的取崩」の列に対応する各セルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、図8の下部に、「目的取崩の内訳」として、「税等未収金」、「未収金」、「貸付金」、「その他の債権」が、図4に例示した債権債務等明細表および図5に例示した金融資産明細表に入力された金額が転記されており、各金額の合計を表示している。この金額の合計を、勘定科目である「貸倒引当金」の行、「減少」、「目的取崩」の列に対応するセルに入力する。また、勘定科目である「賞与引当金」の行、「減少」、「目的取崩」の列に対応するセルに、「賞与引当金」の行、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額を入力する。
図9−1〜図9−3を用いて、純資産の変動を整理するための表である純資産変動整理表について説明する。図9−1〜図9−3は、純資産変動整理表の一例を示す図である。この純資産変動整理表は、純資産に関する一年間の金額の変動をまとめた表である。図9−1に示すように、各勘定科目として、「純経常費用への財源措置」、「固定資産形成財源措置」としての「事業用資産形成」および「インフラ資産形成」、「長期金融資産への財源措置」、「その他の財源の使途」としての「直接資本減耗」および「その他の財源措置」がそれぞれ表示される。各勘定科目について、「合計額」、「財源別金額」として「財源余剰」および「未実現財源消費」が表示される。
図9−1〜図9−3に示すように、ユーザが入力する項目として、各勘定科目に対応する「合計額」の列における緑色のセルに入力された金額は、他の表から金額を転記したものである。例えば、「事業用資産形成への財源措置」、「土地」の行、「合計額」の列に対応するセルに入力された金額「232,389,391」は、図6−1、図6−2に例示した非金融資産明細表における「事業用資産」、「有形固定資産」、「土地」の行、「増加」、「有償取得」の列に対応するセルに入力された金額「232,389,391」を転記したものである。
また、各勘定科目に対応する「財源別金額」がユーザに入力される。具体的には、図9−1〜図9−3に示すように、財源別金額として、「税収」、「社会保険料」、「移転収入」、「公債等」、「その他の収入」、「評価・換算差額等」の列における黄色のセルは、黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。例えば、「事業用資産形成への財源措置」、「土地」の行について、「税収」の列に対応するセルには「278,391」が入力され、「社会保険料」の列に対応するセルには「0」が入力され、「移転収入」の列に対応するセルには、「102,211,000」が入力され、「公債」の列に対応するセルには、「129,900,000」が入力され、「評価・換算差額等」の列に対応する列には、「0」が入力される。
上述した図2−1〜図9−3の各表は、各種金額の一年間の動きを把握するために用いることができる。つまり、図2−1〜図9−3の各表を見ることで、ユーザは、各項目の一年間の合計金額や、一年間の金額の増減を一目で把握することができる。このため、ユーザは、年間を通した各種金額の動きが適切であったかチェックすることや、将来への財務計画に活用することができる。
また、上述した図4〜図8の各表を用いることで、各勘定科目の金額を、現金主義仕訳と発生主義仕訳とに簡易に分別することができる。例えば、図5の例を用いて説明すると、「資金支出」の列に入力された金額が現金主義仕訳に自動的に分別され、「評価益」や「受贈益」の列に入力された金額が発生主義仕訳に自動的分別される(後述する図11−1〜図11−8参照)。つまり、財務や会計の知識に精通していないユーザは、ある金額について、現金主義仕訳に該当する金額なのか、発生主義仕訳に該当する金額なのかを判断することが難しい。このため、図4〜図8の各表に表示される項目に従って金額をユーザが入力するだけで、入力された各金額を図11−1〜図11−8の仕訳帳に自動的に転用して、現金主義仕訳と発生主義仕訳とに分別することができる。
図10を用いて、追加の仕訳に関する情報を入力するための追加仕訳帳について説明する。図10は、追加仕訳帳の一例を示す図である。この追加仕訳帳は、図2−1〜図9−3に例示した表において入力されていない項目であるが、財務書類を作成するために必要な項目を表示し、ユーザに金額を入力させるための表である。
例えば、図10に例示するように、出資金の売却についての金額をユーザに入力させるための表を表示する。図10の例を挙げて説明すると、内容「出資金の売却」、仕訳番号「追1」、勘定科目「その他業務関連収益」、四表「PL」、金額、勘定科目「資産売却益」、四表「PL」、金額を表示する。そして、勘定科目「その他業務関連収益」の金額として「504,000」、勘定科目「資産売却益」の金額として「504,000」がユーザにより入力されている。
図1の説明に戻って、算出部13bは、受付部13aによって受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。具体的には、算出部13bは、図11−1〜図12−4に例示する仕訳帳および精算表を用いて、図2−1〜図10に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。例えば、算出部13bは、受付部13aによって受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類するとともに、該金額を現金主義会計仕訳または発生主義仕訳に分類し、同一科目に分類された現金主義会計仕訳の金額と発生主義仕訳の金額とを用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。
図11−1〜図11−8を用いて仕訳帳について説明する。図11−1〜図11−8は、仕訳帳の一例を示す図である。図11−1〜図11−8に示すように、仕訳帳は、(1)現金主義仕訳と、(2)発生主義仕訳と、(3)財源変動仕訳とに分かれる。(1)現金主義仕訳には、現金主義会計に基づく取引に関する仕訳が分類され、(2)発生主義仕訳には、発生主義会計に基づく取引に関する仕訳が分類され、(3)財源変動仕訳には、金融資産・非金融資産の資金増加等に関する仕訳が分類される。
図11−1〜図11−3の例を用いて説明すると、(1)現金主義仕訳では、「歳出外現金の受入仕訳」、「決算書の歳出額の仕訳」、「決算書の歳入額の仕訳」で仕訳の種別を分けており、図2−1〜図10に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類している。
例えば、「歳出外現金の受入仕訳」において、図4に例示した債権債務等明細表の「債務」、「預り金(保管金等)」の行、「増減」の列に対応するセルに入力された金額「3,719,814」を、「借方」の勘定科目「資金」の金額に分類する。また、「借方」の勘定科目「資金」の金額を、「貸方」の勘定科目「預り金(保管金等)」の金額として転記する。この「預り金(保管等)」の金額は、貸借対照表の「負債の部」、「流動負債」の勘定科目「預り金(保管等)」の「増減」の金額として、貸借対照表の作成の際に利用される。
また、例えば、「決算書の歳出額の仕訳」において、図2−1〜図2−4に例示した歳出組替表の「議員歳費」の歳出合計の金額「931,703,200」を、「借方」の勘定科目「議員歳費」の金額に分類する。この「借方」の勘定科目「議員歳費」の金額は、行政コスト計算書の「経常費用」、「人件費」の勘定科目「議員歳費」の本年度(23年度)の金額として、行政コスト計算書の作成の際に利用される。また、「貸方」の勘定科目「資金」の金額には、借方の勘定科目「議員歳費」、「職員給料」、「その他の人件費」・・・「その他の非流動負債」の金額の合計を算出して自動で入力する。
また、例えば、「決算書の歳入額の仕訳」において、図3−1〜図3−3に例示した歳入組替表の「自己収入」の歳入合計の金額「3,732,268,448」を、「貸方」の勘定科目「自己収入」の金額に分類する。この「貸方」の勘定科目「自己収入」の金額は、行政コスト計算書の「経常収益」、「業務収益」の勘定科目「自己収入」の本年度(23年度)の金額の一部として、行政コスト計算書の作成の際に利用される。また、「借方」の勘定科目「資金」の金額には、貸方の勘定科目「自己収入」、「その他の業務収益」、「受取利息等」・・・「その他の移転収入」の金額の合計を算出して自動で入力する。
次に、(2)発生主義仕訳では、「債権債務の修正(発生主義への調整)仕訳」、「長期金融資産の修正仕訳」、「非金融資産の仕訳」、「公債・借入金の修正仕訳」、「引当金の修正仕訳」で仕訳の種別を分けており、図2−1〜図10に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類している。
例えば、「債権債務の修正(発生主義への調整)仕訳」において、図4に例示した債権債務等明細表の「債権」、「税等未収金」の行、「増減」の列に対応するセルに入力された金額「446,900,107」を、「借方」の勘定科目「税等未収金」の金額に分類する。また、「借方」の勘定科目「税等未収金」の金額を、「貸方」の勘定科目「税等未収金」の金額として転記する。この「税等未収金」の金額は、貸借対照表の「資産の部」、「金融資産」の勘定科目「税等未収金」の本年度(23年度)の金額の一部として、貸借対照表の作成の際に利用される。また、「貸方」の勘定科目「税等未収金」の金額には、「借方」の勘定科目「税等未収金」の金額を転記する。
また、例えば、「長期金融資産の修正仕訳」において、図5に例示した金融資産明細表の勘定科目「有価証券」の行、「増加」、「評価益」の列に対応するセルに入力された「0」と、図5に例示した金融資産明細表の勘定科目「有価証券」の行、「増加」、「受贈益」の列に対応するセルに入力された「0」との合計額である「0」を、「借方」の勘定科目「有価証券」の金額に分類する。この「有価証券」の金額は、貸借対照表の「資産の部」、「金融資産」の勘定科目「有価証券」の本年度(23年度)の金額の一部として、貸借対照表の作成の際に利用される。
また、例えば、「非金融資産の仕訳」において、図6−1、図6−2に例示した非金融資産明細表の勘定科目「土地」の行、「増加」、「無償取得」の列に対応するセルに入力された「0」と、勘定科目「土地」の行、「増加」、「調査判明」の列に対応するセルに入力された「38,087,228」と、勘定科目「土地」の行、「増加」、「評価益」の列に対応するセルに入力された「0」と、勘定科目「土地」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルに入力された「0」との合計を算出し、勘定科目「土地」の金額「38,087,228」を入力する。この勘定科目「土地」の金額「38,087,228」は、貸借対照表の「資産の部」、「事業用資産」の勘定科目「土地」の本年度(23年度)の金額の一部として、貸借対照表の作成の際に利用される。
また、例えば、「公債・借入金の修正仕訳」において、図7に例示した公債・借入金明細表の勘定科目「公債」、「流動」の行、「増加」、「振替」の列に対応するセルに入力された金額「15,119,775,676」を、勘定科目「公債」の金額に分類する。この勘定科目「公債」の金額「15,119,775,676」は、貸借対照表の「負債の部」、「非流動負債」の勘定科目「公債」の本年度(23年度)の金額の一部として、貸借対照表の作成の際に利用される。
また、例えば、「引当金の修正仕訳」において、図7に例示した引当金明細表の勘定科目「貸倒引当金」の行、「増加」、「計」の列に対応するセルに入力された金額「0」を、勘定科目「貸倒引当金繰入」の金額に分類する。この勘定科目「貸倒引当金繰入」の金額「0」は、行政コスト計算書の「経常費用」、「経費」の勘定科目「貸倒引当金繰入」の本年度(23年度)の金額の一部として、行政コスト計算書の作成の際に利用される。
次に、(3)財源変動仕訳では、「金融資産の資金増加仕訳」、「金融資産の資金減少仕訳」、「非金融資産の資金増加仕訳」、「非金融資産の非資金減少仕訳」で仕訳の種別を分けており、図2−1〜図10に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類している。
例えば、「金融資産の資金増加仕訳」において、図5に例示した金融資産明細表の「増加」、「資金支出」の列の合計金額「12,616,748,582」を、「借方」の勘定科目「長期金融資産形成への財源措置」の金額に分類する。純資産変動計算書の「長期金融資産形成への財源措置」の本年度(23年度)の金額として、純資産変動計算書の作成の際に利用される。
また、例えば、「金融資産の資金減少仕訳」において、図5に例示した金融資産明細表の「減少」、「回収」の列の合計金額「10,727,548,855」を、「借方」の勘定科目「長期金融資産の変動」の金額に分類する。純資産変動計算書の「長期金融資産の減少」の本年度(23年度)の金額として、純資産変動計算書の作成の際に利用される。
次に、図12−1〜図12−4を用いて、精算表について説明する。精算表は、図11−1〜図11−8の仕訳帳により財務書類に沿った科目に分類された金額同士用いて、財務書類(行政コスト計算書、貸借対照表、純資産変動計算書)に沿った科目に対応する金額を算出するための表である。また、各勘定科目の金額を現金主義仕訳の借方・貸方、または、発生主義仕訳の借方・貸方に分類する。なお、資金収支計算書については、図2−1〜図10の表に入力された金額を組み替えるのみで作成できるため、図11―1〜図11−8の仕訳帳や図12−1〜図12−4の精算表を用いた科目の分類や算出を行っていない。
具体的には、行政コスト計算書では、各「勘定科目」について、「現金主義仕訳」の借方・貸方、または、「発生主義仕訳」の借方・貸方の各セルに、図11−1〜図11−8の仕訳帳に入力された金額を分類するとともに、「残高」の借方(現金主義仕訳の借方+発生主義仕訳の借方−現金主義仕訳の貸方−発生主義仕訳の貸方)と、「残高」の貸方(発生主義仕訳の借方+現金主義仕訳の貸方+発生主義仕訳の貸方)とを算出して入力する。
例えば、図11−1の仕訳帳により行政コスト計算書(PL)の勘定科目「議員歳費」に分類された金額「931,703,200」を、図12−1の行政コスト計算書の勘定科目「議員歳費」の現金主義仕訳の「借方」に分類する。また、右側の残高「借方」には、現金主義仕訳の借方+発生主義仕訳の借方−現金主義仕訳の貸方−発生主義仕訳の貸方を算出した金額「931,703,200」を入力する。
また、貸借対照表では、各「勘定科目」について、「開始時残高」の借方・貸方、「現金主義仕訳」の借方・貸方、または、「発生主義仕訳」の借方・貸方のセルに対して、図2−1〜図11−8に入力された金額を分類するとともに、「残高」の借方と、「残高」の貸方とを算出して入力する。
例えば、図13−1、図13−2を用いて後述する貸借対照表の勘定科目「資金」の前年度(22年度)の金額「3,800,000,000」を、図12−2の貸借対照表の勘定科目「資金」の開始時残高の「借方」に分類する。また、図11−1の仕訳帳における「歳計外現金の受入仕訳」の項目の貸借対照表(BS)の勘定科目「資金」の借方に分類された金額「3,719,814」と、図11−3の仕訳帳における「決算書の歳入額の仕訳」の項目の貸借対照表(BS)の勘定科目「資金」の借方に分類された金額「155,252,166,568」との合計金額を、図12−2の貸借対照表の勘定科目「資金」の現金主義仕訳の「借方」に分類する。また、図11−1の仕訳帳により「決算書の歳出額の仕訳」の項目の貸借対照表(BS)の勘定科目「資金」の貸方に分類された金額「153,944,875,639」を、図12−2の貸借対照表の勘定科目「資金」の現金主義仕訳の「貸方」に分類する。そして、開始時残高の「借方」の金額「3,800,000,000」と、勘定科目「資金」の現金主義仕訳の「借方」の金額「155,252,166,568」との合計から、勘定科目「資金」の貸方に分類された金額「153,944,875,639」を減算した金額「5,111,010,743」を、残高「借方」に分類する。
また、純資産変動計算書では、「現金主義仕訳」の借方・貸方、発生主義仕訳の借方・貸方、財源変動仕訳に、図2−1〜図11−8の各表に入力された金額を分類するとともに、さらに分類した金額を用いて「残高」の借方と、「残高」の貸方とを算出して入力する。
例えば、図11−8の仕訳帳により純資産変動計算書(NW)の勘定科目、「事業用資産形成への財源措置」に分類された金額「2,834,848,150」を、図12−4の純資産変動計算書の「財源の使途」、「固定資産形成への財源措置」、「事業用資産」における「財源変動仕訳」の「借方」に分類する。そして、その金額「2,834,848,150」を「財源の使途」、「固定資産形成への財源措置」、「事業用資産」における「残高」、「借方」のセルに入力する。
作成部13cは、算出部13bによって分類された財務書類に沿った科目に対応する金額、および、算出部13bによって算出された財務書類に沿った科目に対応する金額に基づいて、財務書類を作成する。具体的には、作成部13cは、財務書類として、貸借対照表と、行政コスト計算書、純資産変動計算書および資金収支計算書を作成する。なお、作成された各財務書類は、連結決済の際にも当然利用することが可能である。
例えば、作成部13cは、図12−1〜図12−4の精算表に入力された値と、図15−1〜図15−4に例示する純資産変動計算書に入力された値を用いて、貸借対照表を作成する。図13−1、図13−2の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、貸借対照表の23年度末「税等未収金」の金額には、図12−1〜図12−4の貸借対照表の勘定科目「資金」における「残高」・「借方」の金額「5,111,010,743」が自動的に入力される。また、例えば、貸借対照表の23年度末「財源」の金額には、図15−1〜図15−4に例示する純資産変動計算書における「当期末残高」の行、「財源合計」の列に対応するセルに入力された金額「6,408,255,925」が自動的に入力される。
このように、作成部13cは、各勘定科目の23年度末の金額を自動で入力する。さらに、作成部13cは、入力された金額を用いて22年度末と23年度末との金額の差を示す増減金額や各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、貸借対照表を作成する。
また、作成部13cは、図12−1〜図12−4の精算表に入力された値を用いて、行政コスト計算書を作成する。図14の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、行政コスト計算書の23年度「議員歳費」の金額には、図12−1の行政コスト計算書の勘定科目「議員歳費」における「残高」・「借方」の金額「931,703,200」が自動的に入力される。
さらに、作成部13cは、入力された金額を用いて22年度と23年度との金額の差を示す増減金額や各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、行政コスト計算書を作成する。
また、図12−1〜図12−4の精算表に入力された値と、図13−1、図13−2の貸借対照表に入力された値と、図14の行政コスト計算書に入力された値と、図9−1〜図9−3の純資産変動整理表に入力された値とを用いて、純資産変動計算書を作成する。図15−1〜図15−4の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、純資産変動整理表の23年度の純資産合計に対応する「前期末残高」の金額には、図13−1、図13−2の貸借対照表の純資産合計の金額「408,031,910,102」が自動的に入力される。また、純資産変動整理表の23年度の純資産合計に対応する「純経常費用への財源措置」の金額には、図14の行政コスト計算書の純経常費用の金額「408,031,910,102」が自動的に入力される。また、純資産変動整理表の23年度の純資産合計に対応する「事業用資産形成」の金額には、図12−4の純資産変動計算書の勘定科目「事業用資産」における「残高」・「借方」の金額「2,834,848,150」が自動的に入力される。また、純資産変動整理表の23年度の未実現財源消費に対応する「事業用資産形成」の金額には、図9−1の純資産変動整理表の勘定科目「事業用資産形成」における「未実現財源消費」の金額「842,440,977」が自動的に入力される。
このように、作成部13cは、各セルに金額を入力するとともに、入力された金額を用いて各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、純資産変動計算書を作成する。
また、作成部13cは、図2の歳出組替表に入力された値や、図3−1〜図3−3の歳入組替表に入力された値を用いて、資産収支計算書を作成する。図16の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、資産収支計算書の勘定科目「人件費支出」の23年度の金額には、図2−1の歳出組替表の勘定科目「人件費支出」の「転記額」の金額「21,806,872,639」が自動的に入力される。また、資産収支計算書の勘定科目「租税収入」の23年度の金額には、図3−1の歳入組替表の勘定科目「租税収入」の「転記額」の金額「45,331,477,584」が自動的に入力される。
このように、作成部13cは、各セルに金額を入力するとともに、入力された金額を用いて各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、資産収支計算書を作成する。
[情報処理装置による処理]
次に、図17を用いて、実施例1に係る情報処理装置10による処理を説明する。図17は、実施例1に係る情報処理装置10の処理動作を示すフローチャートである。
図17に示すように、情報処理装置10の受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表を表示し、該表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける(ステップS101)。具体的には、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表として、図2−1〜図10に例示する表を表示し、表における各項目に対応する黄色いセルへのユーザからの金額の入力を受け付ける。
そして、算出部13bは、受付部13aによって受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類する(ステップS102)。具体的には、算出部13bは、図11−1〜図12−4に例示する仕訳帳および精算表を用いて、図2−1〜図10に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類する。
そして、算出部13bは、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する(ステップS103)。具体的には、算出部13bは、図11−1〜図12−4に例示する仕訳帳および精算表を基に、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。
続いて、作成部13cは、算出部13bによって算出された財務書類に沿った科目に対応する金額に基づいて、財務書類を作成する(ステップS104)。具体的には、作成部13cは、財務書類として、貸借対照表と、行政コスト計算書、純資産変動計算書および資金収支計算書を作成する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、情報処理装置10は、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表を表示し、該表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける。そして、情報処理装置10は、受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。続いて、分類された財務書類に沿った科目に対応する金額、および、算出された財務書類に沿った科目に対応する金額に基づいて、財務書類を作成する。このため、地方公共団体の業務に従事する者が、地方公共団体の財務に関する項目に金額を入力するだけで、自動的に財務書類を作成する結果、地方公共団体の業務に従事する者が容易に財務書類を作成することが可能である。
また、情報処理装置10は、現金主義会計に基づいた財務に関する複数の項目を含む表と、発生主義会計に基づいた財務に関する複数の項目を含む表とを表示し、該各表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける。そして、情報処理装置10は、受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類するとともに、該金額を現金主義会計仕訳または発生主義仕訳に分類し、同一科目に分類された現金主義会計仕訳の金額と発生主義仕訳の金額とを用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。このため、主に、現金主義会計を採用する一般会計等の歳入歳出決算書を基に金額を受け付けるとともに、債権債務等整理表などに発生主義の仕訳を追加することで、自動的に財務書類を作成する結果、現金主義会計を採用する一般会計等の歳入歳出決算書等から財務書類の作成を容易にすることが可能である。
また、情報処理装置10は、地方公共団体の財務に関する項目に対応する金額が複数の科目に分類される場合には、該項目に対応する金額の内訳の入力を受け付ける。このため、地方公共団体の財務に関する項目に対応する金額の内訳を地方公共団体の業務に従事する者に入力させることが可能である。
また、情報処理装置10は、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表において、各項目に対応する金額の入力を受け付ける箇所に、所定の色を付して表示する。このため、地方公共団体の業務に従事する者に対して金額の入力する箇所を分かりやすくすることが可能である。
また、情報処理装置10は、地方公共団体の財務に関する複数の項目として、歳出に関する項目、歳入に関する項目、債務および債権に関する項目、金融資産に関する項目、非金融資産に関する項目、公債および借入金に関する項目、引当金に関する項目、純資産変動に関する項目のいずれか一つまたは複数の項目を表示する。このため、地方公共団体の業務に従事する者が把握している金額を項目として表示し、該項目に対応する金額を入力させるので、地方公共団体の業務に従事する者による財務書類の作成を容易にすることが可能である。
ところで、上記の実施例1では、主に、現金主義により決算書を作成している会計の場合において、該現金主義の決算書から財務書類を作成するための財務書類作成プログラムの例について説明したが、これに限定されるものではなく、発生主義を採用する会計単位、例えば水道事業・第3セクター等に係る決算書を作成している会計の場合において、該決算書から財務書類を作成するための財務書類作成プログラムであってもよい。そこで、実施例2では、主に、発生主義会計を採用する地方公共団体の業務に従事する者を対象とした財務書類作成プログラムについて説明する。
以下の実施例2では、発生主義の決算書から財務書類を作成する場合として、図18〜図33−2を用いて、財務書類を作成するための処理について説明する。なお、情報処理装置の構成は図1に示した構成と同様であるため、説明を省略する。
実施例2に係る情報処理装置10の受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表として、図18〜図26に例示する表を表示する。具体的には、受付部13aは、発生主義会計に基づいた財務に関する複数の項目を含む表(図18〜図26参照)を表示し、該各表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける。なお、図18〜図26の表のうち、いずれの表を表示するかは、ユーザが選択可能となっている。また、図18〜図26に示す各表について、各セルに金額がすでに入力されている状態であるが、金額が入力される前の状態では、各セルに「0」の値が表示されるものとする。
最初に、図18を用いて、貸借対照表の科目組替表について説明する。図18は、歳出組替表の一例を示す図である。図18に示すように、ユーザが入力する項目の区分として、「資産」、「負債」、「純資産」が表示されている。このうち、区分「資産」には、勘定科目として「資金」、「税等未収金」、「未収金」、「貸付金」、「その他の債権」、「貸倒引当金」、「有価証券」、「出資金」、「財政調整基金」、「減債基金」、「その他の基金・積立金」、「その他の投資」、「土地」、「立木竹」、「建物」、「工作物」、「機械器具」「物品」、「船舶」、「航空機」、「その他の有形固定資産」、「建設仮勘定」、「地上権」、「著作権・特許権」、「ソフトウェア」、「電話加入権」、「その他の無形固定資産」、「棚卸資産」、「公共用財産用地」、「公共用財産施設」、「その他の公共用財産」、「公共用財産建設仮勘定」および「繰延資産」が表示される。これらの各勘定科目に対応する「固定資産」および「流動資産」の列に対応する黄色いセルに金額を入力させる。
また、区分「負債」には、勘定科目として、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「賞与引当金」、「預り金(保管金等)」、「公債(短期)」、「短期借入金」、「その他の流動負債」、「公債」、「借入金」、「責任準備金」、「退職給付引当金」、「その他の引当金」、「その他の非流動負債」が表示される。これらの各勘定科目に対応する「固定負債」および「流動負債」の列に対応する黄色いセルに金額を入力させる。また、区分「純資産」に対応する「純資産」の列に対応する黄色いセルに金額を入力させる。
これらの各項目に入力された金額は、貸借対照表へ転記される。例えば、区分「資金」に対応するセルに入力された金額「462,470,270」は、貸借対照表の勘定科目「資金」に転記される(後述する図30−1参照)。
次に、図19−1〜図19−3を用いて、損益計算書と純資産の部の科目組替表について説明する。図19−1〜図19−3は、損益計算書と純資産の部の科目組替表の一例を示す図である。図19−1〜図19−3に示すように、「行政コスト計算書」の各決算額や各科目(例えば、議員歳費等)に対応するセルと、「純資産変動計算書」の各科目(直接資本減耗)に対応するセルについて、黄色く表示されたセルに金額を入力さえる。例えば、行政コスト計算書の「販管費」の「決算額」に、「1,052,971,448」が入力されている。
また、図19−3に示すように、経常費用集経表には、その他の業務関連費用、職員給料、退職給付費用等の経常費用についての金額が入力され、集計される。ここで入力された値は、上記した図19−1、図19−2の行政コスト計算書または純資産変動計算書の各科目に転記される。例えば、図19−3に示す職員給料の合計「186,615,560」が、図19−1に示した「職員給料」の「販管費」の金額に転記される。
次に、図20を用いて、債権債務に関する情報を入力するための債権債務等明細表について説明する。図20は、債権債務等明細表の一例を示す図である。図20の上段に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目の列において、区分「債権」の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」の行であって、「貸倒引当金目的取崩額」の列にあるセルを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、図20に示すように、前年度残高の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額を表示する。この前年度残高の各金額は、後述する貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額を転記したものである。
また、図20に示すように、前年度残高の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額から、貸倒引当金目的取崩額の「税等未収金」、「未収金」、「その他の債権」、「棚卸資産」、「未払金及び未払費用」、「前受金及び前受収益」、「預り金(保管金等)」、「その他の流動負債」、「その他の非流動負債」それぞれの金額を減算し、減算した金額を「差引後の残高」の列に表示する。
また、図20に示すように、当年度残高は、図18の表に入力された金額を転記して入力する。そして、各勘定科目について「当年度残高」の金額から「差引」の金額を減算した金額を、「増減」のセルに入力する。これにより、債権、債務、棚卸試算についての当年度の残高や前年度と比較した増減等を把握することができる。
また、図20の下段には、資金収支計算書を作成するための科目振替仕訳が表示されている。これは、図20の上段において、入力された金額を、資金収支計算書を作成するための項目に振り替える。例えば、仕訳番号「1」の借方「社会保険料」と貸方「税等未収金」の金額「0」とは、税等未収金の増減から転記されたものである。これらの金額は、資金収支計算書を作成する際に用いられる金額である。
次に、図21−1〜図21−3を用いて、金融資産に関する情報を入力するための金融資産明細表について説明する。図21−1〜図21−3は、金融資産明細表の一例を示す図である。図21−1に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目の列に「貸付金」、「有価証券」、「出資金」、「財政調整基金」、「減債基金」、「その他の基金・積立金」、「その他の投資」が表示されている。各項目に対応する繰越の金額は、後述する貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額を転記したものである。
また、図21−1に示すように、各勘定科目について、資金支出、評価益、受贈益、評価損、貸倒引当金目的取崩額のセルを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。また、様式BA残高のセルには、様式BA(貸借対照表)から各勘定科目の残高を転記している。
また、図21−2、図21−3に示すように、資金収支計算書を作成するための科目振替仕訳が表示されている。ここでは、図21−1において入力された金額を、資金収支計算書を作成するための項目に振り替える。例えば、内容「資金支出」について、貸方の勘定科目「貸付金」、「有価証券」、「出資金」、「財政調整基金」、「減債基金」、「その他の基金・積立金」、「その他の投資」の金額に対して、図21−1の資金支出の各勘定科目の金額を転記する。そして、これらの合計を、内容「資金支出」、借方の勘定科目「長期金融資産形成支出」の金額「8,153,962」として入力する。
図22−1〜図22−4を用いて、非金融資産に関する情報を入力するための非金融資産明細表について説明する。図22−1〜図22−4は、非金融資産明細表の一例を示す図である。非金融資産明細表では、図22−1に示すように、決算書の「固定資産明細書」より作成される基礎データと、図22−2に示すように、勘定科目から基準モデル科目へ組み替えるデータと、図22−3および図22−4に示すように、資金収支計算書を作成するための科目振替仕訳とを表示する。
図22−1に示す表では、黄色く表示されたセルに金額をユーザに入力させることで、基礎データを作成する。図22−1に示すように、インフラ資産として、「水道」の決算書科目および「簡易水道」の決算書科目に対応する、繰越した「取得価格」、繰越した「償却累計」、「増加」、「減価償却費」、減少した「取得価格」、減少した「償却累計」の各セルを黄色く表示し、ユーザに金額を入力させる。なお、この表を使用するか否かは任意である。
図22−2に示す表では、黄色く表示されたセルに金額を入力させることで、勘定科目から基準モデル科目へ組替する。例えば、図22−1に示すように、各勘定科目(「土地」、「立木竹」・・・)に対応する各項目(「有償取得」、「無償取得」・・・)の各セルを黄色く表示し、ユーザに金額を入力させる。
図22−3に示す表では、図22に入力された各金額を、資金収支計算書を作成するための科目に振り分ける。例えば、図22−3に示すように、貸方の勘定科目「事業用資産」の金額は、図22−2の「有形固定資産」に対応する「増加」、「有償取得」の合計の金額「296,285,058」と、「無形固定資産」に対応する「増加」、「有償取得」の合計の金額「0」との合計金額「296,285,058」が転記されたものである。この「事業用資産」は、貸借対照表の勘定科目である。
また、図22−4に示す表では、黄色く表示されたセルに、決算書の内訳表を参考にユーザに金額を入力させることで、データを作成する。なお、この表を使用するか否かは任意である。
図23を用いて、公債・借入金に関する情報を入力するための公債・借入金明細表について説明する。図23は、公債・借入金明細表の一例を示す図である。図23の例では、公債・借入金明細表には、上段、下段にそれぞれ表が表示されている。まず、上段の表ついて説明する。図23に示すように、ユーザが入力するセルを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。また、貸借対照表から繰越と残高の金額を緑色のセルに転記する。また、合計の金額等を算出し、ベージュのセルに合計金額等を入力する。
次に、下段の表について説明する。図23の下段に示す表では、上段の表に入力された金額を、資金収支計算書を作成するための科目に振り分ける。例えば、借方の勘定科目「借入金(短期)」の金額は、図23の上段の表の「借入金」、「流動」に対応する「増加」、「振替」の金額「195,081,500」が転記されたものである。この「事業用資産」は、貸借対照表の勘定科目である。
次に、図24を用いて、引当金に関する情報を入力するための引当金明細表について説明する。図24は、引当金明細表の一例を示す図である。図24の上段に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目である「貸倒引当金」、「賞与引当金」、「退職給付引当金」および「その他の引当金」が表示される。各項目に対応する繰越の金額は、後述する貸借対照表において、予め入力された前年度の各項目の金額を転記したものである。
また、各項目について、「増加」、「繰入」の列に対応する各セル、「増加」、「その他」の列に対応する各セルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。また、勘定科目である「退職給付引当金」および「その他の引当金」について、「減少」、「目的取崩」の列に対応する各セルをそれぞれ黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。
また、図24の中段に、「目的取崩の内訳」として、「税等未収金」、「貸付金」、「未収金」、「その他の債権」が、図20に例示した債権債務等明細表および図21―1〜図21−3に例示した金融資産明細表に入力された金額が転記されており、各金額の合計を表示している。この金額の合計を、勘定科目である「貸倒引当金」の行、「減少」、「目的取崩」の列に対応するセルに入力する。また、勘定科目である「賞与引当金」の行、「減少」、「目的取崩」の列に対応するセルに、「賞与引当金」の行、「繰越」の列に対応するセルに入力された金額を入力する。
また、図24の下段に示す表では、上段の表に入力された金額を、資金収支計算書を作成するための科目に振り分ける。例えば、借方の勘定科目「貸倒引当金」の金額は、図24の上段の表の「貸倒引当金」に対応する「増加」、「繰入」の金額「106,834」が転記されたものである。この「貸倒引当金」は、貸借対照表の勘定科目である。
図25−1〜図25−3を用いて、純資産の変動を整理するための表である純資産変動整理表について説明する。図25−1〜図25−3は、純資産変動整理表の一例を示す図である。図25−1に示すように、各勘定科目として、「純経常費用への財源措置」、「固定資産形成財源措置」としての「事業用資産形成」および「インフラ資産形成」、「長期金融資産への財源措置」、「その他の財源の使途」としての「直接資本減耗」および「その他の財源措置」がそれぞれ表示される。各勘定科目について、「合計額」、「財源別金額」として「財源余剰」および「未実現財源消費」が表示される。
図25−1〜図25−3に示すように、ユーザが入力する項目として、各勘定科目に対応する「合計額」の列における緑色のセルに入力された金額は、他の表から金額を転記したものである。例えば、「事業用資産形成への財源措置」、「土地」の行、「合計額」の列に対応するセルに入力された金額「0」は、非金融資産明細表における「事業用資産」、「有形固定資産」、「土地」の行、「増加」、「有償取得」の列に対応するセルに入力された金額「0」を転記したものである。
また、各勘定科目に対応する「財源別金額」がユーザに入力される。具体的には、図25−1〜図25−3に示すように、財源別金額として、「税収」、「社会保険料」、「移転収入」、「公債等」、「その他収入」の列における黄色のセルは、黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。例えば、「事業用資産形成への財源措置」、「土地」の行について、「税収」の列に対応するセルには「0」が入力され、「社会保険料」の列に対応するセルには「0」が入力され、「移転収入」の列に対応するセルには、「0」が入力され、「公債」の列に対応するセルには、「0」が入力され、「その他収入」の列に対応する列には、「0」が入力されている。
図26を用いて、純資産明細表について説明する。図26は、純資産明細表の一例を示す図である。この純資産明細表は、決算書より作成される純資産についての明細表である。図26に示すように、ユーザが入力する項目として、勘定科目「自己資本金」、「借入資本金」、「国庫補助金」、「他会計補助金」、「他会計負担金」、「工事負担金」、「
繰入金」、「受贈財産評価額」、「減債積立金」、「利益積立金」、「建設改良積立金」、「当年度未処分利益剰余金」が表示される。
各勘定科目について、「繰越」、「資金受入」、「受贈益」、「借入」、「当期純利益」、「振替」、「返済」、「振替」の列に対応するセルを黄色く表示し、ユーザに該当する金額を入力させる。また、各列、各行の合計金額等を算出して、算出した合計金額等をセルに入力して、純資産明細表を作成する。
実施例2に係る情報処理装置10の算出部13bは、図27〜図29−4に例示する仕訳帳および精算表を用いて、図18〜図26に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。具体的には、算出部13bは、受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目の発生主義会計および現金主義会計に基づく金額と受け付けられた発生主義に基づく金額とを用いて、現金主義会計に基づく金額を算出する。
図27を用いて、財源変動表示のための仕訳帳について説明する。図27は、財源変動表示のための仕訳帳の一例を示す図である。図27に示すように、仕訳帳は、(1)財源変動仕訳のうち、「金融資産の資金増加仕訳」、「金融資産の資金減少仕訳」、「非金融資産の資金増加仕訳」、「非金融資産の非資金減少仕訳」で仕訳の種別を分けており、図21−1〜図22−4に例示した表において入力された金額を財務書類に沿った科目に分類している。
例えば、「金融資産の資金増加仕訳」において、図21−1に例示した金融資産明細表の「増加」、「資金支出」の列の合計金額「8,153,962」を、「借方」の勘定科目「長期金融資産形成への財源措置」の金額に分類する。純資産変動計算書の「長期金融資産形成への財源措置」の本年度(23年度)の金額として、純資産変動計算書の作成の際に利用される。
次に、図28を用いて、純資産変動計算書作成のための精算表について説明する。図28は、純資産変動計算書作成のための精算表の一例を示す図である。図28の示すように、純資産変動計算書の各勘定科目について、「NWM(純資産変動計算書)処理分の仕訳」の借方・貸方、「財源変動仕訳」の借方・貸方に、他の表に入力された金額を分類し、さらに分類した金額を用いて「残高」の借方と、「残高」の貸方とを算出して入力する。
例えば、図22−2の非金融資産明細表の勘定科目「有形固定資産」における「有償取得」に対応する合計金額「296,285,058」と、勘定科目「有形固定資産」の「有償取得」に対応する合計金額「0」とを加算した金額「296,285,058」を、図28の純資産変動計算書の「財源の使途」、「固定資産形成への財源措置」、「事業用資産」における「財源変動仕訳」の「借方」に分類する。そして、その金額「296,285,058」を「財源の使途」、「固定資産形成への財源措置」、「事業用資産」における「残高」、「借方」のセルに転記する。
次に、図29−1〜図29−4を用いて、資金収支計算書作成のための精算表について説明する。精算表は、図18〜図26に例示した表において入力された金額を財務書類(貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書)に沿った科目に分類し、資金収支計算書作成に沿った科目に金額を算出するための表である。
図29−1、図29−2に示すように、貸借対照表の勘定科目について、「23年3月期」、「22年3月期」、「増減」の借方・貸方が表示される。例えば、勘定科目「資金」に対応する「23年3月期」のセルの金額「462,470,270」は、後述する賃貸対照表における「23年度末」の勘定科目「資金」の金額を転記したものであり、勘定科目「資金」に対応する「22年3月期」のセルの金額「296,022,923」は、後述する貸借対照表における「22年度末」の勘定科目「資金」の金額を転記したものである。そして、勘定科目「資金」に対応する「増減」、「借方」のセルの金額「166,447,347」は、「23年3月期」のセルの金額「462,470,270」から「22年3月期」のセルの金額「296,022,923」を減算した金額である。
また、貸借対照表の勘定科目について、「発生主義から現金主義への修正仕訳」の借方・貸方に金額が入力される。この「発生主義から現金主義への修正仕訳」の借方・貸方には、発生主義会計に基づく金額が入力する。具体的には、「発生主義から現金主義への修正仕訳」には、図20下段の仕訳番号「1」〜「12」の金額、図21−1〜図21−3の金融資産明細表の金額、図22−1〜図22−4の非金融資産明細表の金額を転記する。例えば、勘定科目「未収金」に対応する「発生主義から現金主義への修正仕訳」における発生主義仕訳の貸方のセルの金額「405,944」は、図20下段の仕訳番号「2」の金額を転記したものである。
また、貸借対照表の勘定科目について、「PL・NWMからCFへの振替仕訳」、「CF用残高」に金額が入力される。例えば、勘定科目「純経常費用」に対応する「PL・NWMからCFへの振替仕訳」の貸方に対応するセルには、「23年3月期」のセルの金額「87,217,124」を転記する。この「PL・NWMからCFへの振替仕訳」に入力される金額は、発生主義の金額である。また、例えば、勘定科目「未収金」に対応する「CF用残高」の借方に対応するセルには、「増減」、「借方」の金額「405,944」から「発生主義から現金主義への修正仕訳」「発生主義から現金主義への修正仕訳」、「借方」の金額「405,944」を減算した金額「0」が入力される。この「CF用残高」に入力される金額は、現金主義に基づく金額である。
また、図29−3に示すように、行政コスト計算書の勘定科目について、「23年3月期」、「発生主義から現金主義への修正仕訳」の借方・貸方、「PL・NWMからCFへの振替仕訳」、「CF用残高」に金額が入力される。この「23年3月期」に入力される金額は、発生主義会計に基づく金額と現金主義会計に基づく金額とを含むものである。例えば、勘定科目「職員給料」に対応する「23年3月期」のセルの金額「186,615,560」は、後述する行政コスト計算書における「23年度」の勘定科目「職員給料」の金額を転記したものである。また、「発生主義から現金主義への修正仕訳」には、図20下段の仕訳番号「1」〜「12」の金額、図21−1〜図21−3の金融資産明細表の金額、図23の公債・借入金明細表の金額を転記する。
また、図29−4に示すように、資金収支計算書の勘定科目についても、「発生主義から現金主義への修正仕訳」の借方・貸方、「PL・NWMからCFへの振替仕訳」、「CF用残高」に金額が入力される。例えば、「発生主義から現金主義への修正仕訳」には、図20下段の仕訳番号「1」〜「12」の金額、図21−1〜図21−3の金融資産明細表の金額、図22−1〜図22−4の非金融資産明細表の金額、図23の公債・借入金明細表の金額を転記する。また、「PL・NWMからCFへの振替仕訳」には、同一行の金額を転記した金額、または、同一行の金額を用いて算出した金額が入力される。
具体例を挙げて説明すると、勘定科目「人件費支出」に対応する「PL・NWMからCFへの振替仕訳」には、図29−3に示した勘定科目「人件費」の「PL・NWMからCFへの振替仕訳」の各金額「0」、「186,615,560」、「0」、「43,722,788」および「274,717,291」の合計金額「505,055,639」が入力され、その金額「505,055,639」を「CF用残高」に転記する。
作成部13cは、算出部13bによって算出された財務書類に沿った科目に対応する金額に基づいて、財務書類を作成する。また、作成部13cは、算出部13bによって分類された財務書類に沿った科目に対応する金額、および、算出部13bによって算出された現金主義会計に基づく金額に基づいて、財務書類を作成する。具体的には、作成部13cは、財務書類として、貸借対照表と、行政コスト計算書、純資産変動計算書および資金収支計算書を作成する。
例えば、作成部13cは、図18の貸借対照表の科目組替表に入力された値と、図32−1〜図32−3に例示する純資産変動計算書に入力された値を用いて、貸借対照表を作成する。図30−1、図30−2の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、貸借対照表の23年度末「未収金」の金額には、図18の貸借対照表の科目組替表の「未収金」における「固定資産」と「流動資産」の合計金額「46,072,781」が自動的に入力される。また、例えば、貸借対照表の23年度末「財源」の金額には、図15に例示する純資産変動計算書における「当期末残高」の行、「財源合計」の列に対応するセルに入力された金額「451,369,461」が自動的に入力される。
このように、作成部13cは、各勘定科目の23年度末の金額を自動で入力する。さらに、作成部13cは、入力された金額を用いて22年度末と23年度末との金額の差を示す増減金額や各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、貸借対照表を作成する。
また、作成部13cは、損益計算書と純資産の部の科目組替表に入力された値を用いて、行政コスト計算書を作成する。図31の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、行政コスト計算書の23年度「職員給料」の金額には、図31の損益計算書と純資産の部の科目組替表の勘定科目「議員歳費」における「販管費」の金額「186,615,560」が自動的に入力される。
さらに、作成部13cは、入力された金額を用いて22年度と23年度との金額の差を示す増減金額や各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、行政コスト計算書を作成する。
また、図28の純資産変動計算書作成のための精算表に入力された値と、図30−1、図30−2の貸借対照表に入力された値と、図31の行政コスト計算書に入力された値と、図25−1〜図25−3の純資産変動整理表に入力された値とを用いて、純資産変動計算書を作成する。図32−1〜図32−3の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、純資産変動整理表の23年度の純資産合計に対応する「前期末残高」の金額には、図30−1、図30−2の貸借対照表の純資産合計の金額「594,775,052」が自動的に入力される。また、純資産変動整理表の23年度の純資産合計に対応する「純経常費用への財源措置」の金額には、図28の純資産変動計算書作成のための精算表の純経常費用の金額「-87,217,124」が自動的に入力される。また、純資産変動整理表の23年度の未実現財源消費に対応する「事業用資産形成」の金額には、図28の純資産変動整理表の勘定科目「事業用資産形成」における「未実現財源消費」の金額「0」が自動的に入力される。
このように、作成部13cは、各セルに金額を入力するとともに、入力された金額を用いて各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、純資産変動計算書を作成する。
また、作成部13cは、図29−1〜図29−4の資金収支計算書作成のための精算表に入力された値や、図30−1、図30−2の貸借対照表に入力された値を用いて、資産収支計算書を作成する。図33−1、図33−2の例を挙げて具体的に説明すると、例えば、資産収支計算書の勘定科目「人件費支出」の23年度の金額には、資金収支計算書作成のための精算表の勘定科目「人件費支出」の「CF用残高」の金額「505,055,639」が自動的に入力される。
このように、作成部13cは、各セルに金額を入力するとともに、入力された金額を用いて各項目の合計金額を算出し、算出した金額を入力することで、資産収支計算書を作成する。
このように、実施例2に係る情報処理装置は、発生主義会計に基づいた財務に関する複数の項目を含む表を表示し、該各表における各項目に対応する金額の入力を受け付ける。そして、受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目の発生主義会計および現金主義会計に基づく金額と受け付けられた発生主義に基づく金額とを用いて、現金主義会計に基づく金額を算出し、分類された財務書類に沿った科目に対応する金額、および、算出された現金主義会計に基づく金額に基づいて、財務書類を作成する。このため、発生主義により決算書を作成している団体または法人等(例えば、水道事業等公営企業法適用法人・財団法人等第3セクタ)に係る決算書から、財務書類を簡易に作成することが可能である。
ところで、上記実施例1では、財務書類を自動的に作成する処理について説明したが、この財務書類に基づく指標を設定し、確定値に基づく中長期計画の補正を行うようにしてもよい。
そこで、以下の実施例3では、財務書類に基づく指標の設定を受け付け、確定値に基づく中長期計画の補正を行う場合として、実施例3における情報処理装置10Aの構成と処理について説明する。図34は、実施例3に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図34に示すように、情報処理装置10Aは、図1に示した情報処理装置10と比較して、制御部13が予測算出部13dを新たに備え、記憶部14が予測財務書類記憶部14cを新たに備える点が相違する。
予測財務書類記憶部14cは、図35〜図51に例示する各表を記憶する。具体的には、予測財務書類記憶部14cは、平成22年〜26年の精算表と、22年〜26年の歳出組替表と、22年〜26年の歳入組替表を記憶する。また、上記の平成22年〜26年の精算表と、22年〜26年の歳出組替表と、22年〜26年の歳入組替表に金額を入力することで作成される予測財務書類および財政指標を記憶する。また、図35−1〜図49−2に例示する表について、手入力を行うセルは、黄色く表示されているものとする。
受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表を表示し、該表における各項目に対応する金額の入力を受け付けるとともに、各項目に対応する金額についての将来の増減率の入力を受け付ける。具体的には、受付部13aは、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表として、図35−1〜図49−2に例示する表を表示し、該表における各項目に対応する金額の入力を受け付けるとともに、各項目に対応する金額についての将来の増減率の入力を受け付ける。なお、図35−1〜図49−2の表のうち、いずれの表を表示するかは、ユーザが選択可能となっている。また、図35−1〜図49−2に例示する各表について、各セルに金額がすでに入力されている状態であるが、金額が入力される前の状態では、各セルに「0」の値が表示されるものとする。
例えば、受付部13aは、図35−1、図35−2に例示する22年度歳出組替表、および、図36に例示する22年度歳入組替表の各項目に対応する補正額(予算額)の金額を受け付ける。また、例えば、受付部13aは、図38−1、図38−2に例示する23年度歳出組替表、および、図39−1、図39−2に例示する34年度歳入組替表の各項目に対応する予算額に対して、予想される増減率の入力を受け付ける。
また、算出部13bは、受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。例えば、算出部13bは、図35−1、図35−2に例示する22年度歳出組替表の「報酬」に対応する補正額(予算額)の金額が入力されると、該金額を行政コスト計算書の「人件費」に分類する。また、算出部13bは、人件費に分類された全ての金額の合計を、歳出合計として算出する。
例えば、図35−1、図35−2に例示するように、22年歳出組替表では、ユーザが入力する項目として、報酬、給料、職員手当等、共済費、災害補償費、恩給及び退職年金、賃金、報償費、旅費、交際費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料、工事請負費、原材料費、公有財産購入費、備品購入費、負担金・補助交付費、扶助費、貸付金、補償補填及び賠償金、償還金利子及び割引料、投資及び出資金、積立金、寄付金、公課費および繰出金が歳出組替表に表示される。そして、各項目に対応する「当初予算額」、「補正額」の列に、ユーザの手入力により金額がそれぞれ入力される。また、図35−2に示すように、「細説:負担金」、「細節:公債元本償還金」とコメントが付されたセルを黄色く表示し、ユーザに負担金および公債元本償還金の金額をそれぞれ入力させる。
そして、「節」予算額の列には、各項目に対応する「当初予算額」、「補正額」の金額の合計が自動的に入力される。そして、「節」予算額の金額を、行政コスト計算書または貸借対照表に沿った内容で分類する。例えば、図35−1に示すように、「報酬」、「給料」、「職員手当等」、「共済費」、「災害補償費」、「恩給及び退職年金」、「賃金」に対応する「節」予算額の金額を、「行政コスト計算書」の「人件費」に分類する。
また、例えば、図35−1に示すように、「役務費」に対応する「節」予算額の金額を、「行政コスト計算書」の「物件費」および「経費」に分類する。ここで、物件費と経費には、「役務費」に対応する「節」予算額の金額の半分の金額を入力するものとする。
次に、図35−3を用いて、22年の非金融資産の見積計上額の計算書について説明する。図35−3に示すように、「節合計額」の列に対応するセルと、「事業用資産」の「計上額」の列に対応するセルと、「インフラ用資産」の「計上額」の列に対応するセルを黄色く表示し、ユーザに金額を入力させる。なお、ここでは、23年度を基準としているため、N年度とは、22年度のことを示す。このため、N−1年度とは、21年度であり、N−2年度とは、20年度であり、N−3年度とは、19年度を示す。
図35−3の例を挙げて具体的に説明すると、節科目「委託料」について、N−1年度(22年度)の「節合計額」として「22,995」が入力され、「事業用資産」の「計上額」として、「958」が入力され、「インフラ用資産」の「計上額」として、「903」が入力されている。そして、「物件費・経費・その他」の計上額として、「節合計額」の「22,995」から「事業用資産」の「計上額」の「958」と「インフラ用資産」の「計上額」の「903」とを減算した金額「21,134」を算出して、自動的に入力する。また、節合計額に対する各計上額の割合を算出して、「%」のセルに自動的に入力する。
次に、図36を用いて、22年歳入組替表について説明する。図36に示すように、ユーザが入力する項目として、地方税、地方譲与税、利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、自動車取得税交付金、軽油取引税交付金、国有提供施設等所在市町村、地方特例交付金、地方交付税、交通安全対策交付金、分担金負担金、使用料・手数料、国庫支出金、県支出金、財産収入、寄付金、繰入金、繰越金、諸収入、地方債が歳入組替表に表示される。そして、各項目に対応する「決算額」の列に、金額がそれぞれ入力される。そして、各項目に対応する「当初予算額」、「補正額」の列に、ユーザの手入力により金額がそれぞれ入力される。また、図36に示すように、「細説:他会計繰入金」、「細節:貸付金元本収入(但し、利子は除く)」とコメントが付されたセルを黄色く表示し、ユーザに他会計繰入金および貸付金元本収入の金額をそれぞれ入力させる。
そして、「節」予算額の列には、各項目に対応する「当初予算額」、「補正額」の金額の合計が自動的に入力される。そして、「節」予算額の金額を、純資産変動計算書、行政コスト計算書、または貸借対照表に沿った内容で分類する。例えば、図36に示すように、「地方税」、「地方譲与税」、「利子割交付金」、「配当割交付金」、「株式等譲渡所得割交付金」、「地方消費税交付金」、「ゴルフ場利用税交付金」、「自動車取得税交付金」、「軽油取引税交付金」、「国有提供施設等所在市町村」に対応する「節」予算額の金額を、「純資産変動計算書」の「税収」に分類する。
次に、図37−1、図37−2を用いて、22年歳入・歳出組替表に入力された金額から作成される22年精算表について説明する。図37−1に示すように、「開始時残高」の借方・貸方に対応するセル、および「発生主義仕訳」の借方・貸方に対応するセルの一部のセルを黄色く表示し、該当する金額をユーザに入力させる。なお、発生主義仕訳のセルには、「3年毎土地再評価損益」や「原価償却費」などと記載されたコメントが表示しており、ユーザが入力する金額の種別を分かりやすくしている。
また、「組替後歳入歳出データ」の借方・貸方に、22年歳入・歳出組替表に入力された金額を転記する。例えば、勘定科目「資金」の行、「組替後歳入歳出データ」の列に対応するセルには、図36の「節」予算額の差引の金額「164,110」が転記される。また、各勘定科目の残高や合計金額を算出して、該当するセルに金額を入力する。
図34の説明に戻って、予測算出部13dは、受付部13aによって受け付けられた各項目に対応する金額および将来の増減率を用いて、該金額の予測金額を算出し、算出した予測金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する予測金額を算出する。具体的には、予測算出部13dは、23年度以降の歳出組替表および歳入組替表の各項目に対応する予算額に対して、予想される増減率の入力を受け付けると、前年度の「節」予算額に増減率を乗算して、「節」予測額を算出する。そして、予測算出部13dは、算出した「節」予測額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を歳出・歳入合計として算出する。
次に、図38−1〜図49−2を用いて、23年度以降の歳出組替表、歳入組替表および精算表について説明する。23年度以降の歳出組替表および歳入組替表では、主に、地方公共団体の財務に関する複数の項目に対して予測される増減率の入力を受け付ける。
図38−1に示すように、22年歳出組替表では、ユーザが入力する項目として、報酬、給料・・・繰出金が歳出組替表に表示される。そして、各項目に対応する「22年度「節」予算額」の列には、図35−1に例示する22年度歳出組替表において入力された各項目の「節」予算額の金額を転記する。また、各項目に対応する「増減率」の列には、ユーザの手入力により、予測される予算額の増減率が入力される。この増減率は、「100%」であれば、前年度と予算額が変わらないと予測していることを示し、「100%」よりも値が大きければ、前年度よりも予算額が高くなることを予測していることを示し、「100%」よりも値が小さければ、前年度よりも予算額が低いことを予測していることを示す。
次に、各項目に対応する「「節」予測額」の列には、「22年度「節」予算額」の金額に、入力された「増減率」を乗じた金額を自動的に入力する。また、「当初予算額への「手修正額」」および「補正予算額への「手修正額」」の列には、手修正を行った場合には、手修正により修正した金額を適宜入力する。そして、「「節」予測額」の金額に対して各手修正額による修正を行った金額を、「「節」見積額」として自動的に入力する。
そして、「節」見積額に入力された金額を、行政コスト計算書または貸借対照表に沿った内容で分類する。例えば、図38−2に示すように、「報酬」、「給料」、「職員手当等」、「共済費」、「災害補償費」、「恩給及び退職年金」、「賃金」に対応する「節」予算額の金額を、「行政コスト計算書」の「人件費」に分類する。
次に、図38−3を用いて、23年度の非金融資産の見積計上額の計算書について説明する。図38−3に示すように、「節合計額」の列に対応するセルと、「事業用資産」の「計上額」の列に対応するセルと、「インフラ用資産」の「計上額」の列に対応するセルを黄色く表示し、ユーザに金額を入力させる。
また、上記の22年歳出組替表とともに、図38−3に例示する非金融資産の見積計上額の計算書も一緒に表示される。図38−3に例示する非金融資産の見積計上額の計算書は、前述した図35−3と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
次に、図39−1、図39−2を用いて、22年歳入組替表について説明する。図39−1に示すように、ユーザが入力する項目として、地方税、地方譲与税・・・地方債が歳入組替表に表示される。そして、各項目に対応する「22年度「節」予算額」の列には、図36に例示する22年度歳入組替表において入力された各項目の「節」予算額の金額を転記する。また、各項目に対応する「増減率」の列には、ユーザの手入力により、予測される予算額の増減率が入力される。この増減率は、「100%」であれば、前年度と予算額が変わらないと予測していることを示し、「100%」よりも値が大きければ、前年度よりも予算額が高くなることを予測していることを示し、「100%」よりも値が小さければ、前年度よりも予算額が低いことを予測していることを示す。
次に、各項目に対応する「「節」予測額」の列には、「22年度「節」予算額」の金額に、入力された「増減率」を乗じた金額を自動的に入力する。また、「当初予算額への「手修正額」」および「補正予算額への「手修正額」」の列には、手修正を行った場合には、手修正により修正した金額を適宜入力する。そして、「「節」予測額」の金額に対して各手修正額による修正を行った金額を、「「節」見積額」として自動的に入力する。
そして、「節」見積額に入力された金額を、行政コスト計算書または貸借対照表に沿った内容で分類する。例えば、図36に示すように、「地方税」、「地方譲与税」、「利子割交付金」、「配当割交付金」、「株式等譲渡所得割交付金」、「地方消費税交付金」、「ゴルフ場利用税交付金」、「自動車取得税交付金」、「軽油取引税交付金」、「国有提供施設等所在市町村」に対応する「節」予算額の金額を、「純資産変動計算書」の「税収」に分類する。
次に、図40−1、図40−2を用いて、22年精算表、および23年歳入・歳出組替表に入力された金額から作成される23年精算表について説明する。図40−1に示すように、「開始時残高」の借方・貸方に対応するセルには、22年精算表に入力された各勘定科目の残高の借方・貸方の金額が入力される。なお、発生主義仕訳のセルには、「3年毎土地再評価損益」や「原価償却費」などと記載されたコメントが表示しており、ユーザが入力する金額の種別を分かりやすくしている。
また、「組替後歳入歳出データ」の借方・貸方に、23年歳入・歳出組替表に入力された金額を転記する。例えば、勘定科目「資金」の行、「組替後歳入歳出データ」の列に対応するセルには、図39−1の「「節」予算額」の差引の金額「164,110」が転記される。また、各勘定科目の残高や合計金額を算出して、該当するセルに金額を入力する。
また、N+2年(24年)歳出組替表(図41−1、図41−2)、N+3年(25年)歳出組替表(図44−1、図44−2)、N+4年(26年)歳出組替表(図47−1、図47−2)についても、上述した図38−1、図38−2に例示する23年度歳出組替表と同様に、地方公共団体の財務に関する複数の項目に対して予測される増減率の入力を受け付けるものであり、詳細な説明は省略する。また、N+2年〜N+4年の各非金融資産の見積計上額の計算書についても、図38−3と同様であるため、説明を省略する。
また、N+2年(24年)歳入組替表(図42−1、図42−2)、N+3年(25年)歳入組替表(図45−1、図45−2)、N+4年(26年)歳入組替表(図48−1、図48−2)についても、上述した図39−1、図39−2に例示する23年度歳入組替表と同様に、地方公共団体の財務に関する複数の項目に対して予測される増減率の入力を受け付けるものであり、詳細な説明は省略する。また、24年精算表(図43−1、図43−2)、25年精算表(図46−1、図46−2)、26年精算表(図49−1、図49−2)についても、上述した図40−1、図40−2に例示する23年精算表と同様に、各年度の歳入・歳出組替表に入力された金額から作成される精算表であり、詳細な説明は省略する。
そして、予測算出部13dは、算出部13bによって算出された財務書類に沿った科目に対応する金額と、予測算出部13dによって算出された財務書類に沿った科目に対応する予測金額に基づいて、財務書類に沿った科目に対応する金額の変動を示す予測財務書類を作成する。具体的には、予測算出部13dは、22年度の精算表と、23年度〜26年度の精算表とを用いて、図50−1〜図50−4に例示する予測財務書類を作成する。その後、予測算出部13dは、図51に例示するように、予測財務書類の金額を用いて、向こう5年の財政指標を表示する。
図50−1〜図50−4を用いて、予測財務書類について説明する。図50−1〜図50−4は、予測財務書類の一例を示す図である。ここで、図50−1は、22年度以降5年間の予測貸借対照表であり、図50−2は、22年度以降5年間の予測行政コスト計算書であり、図50−3は、22年度以降5年間の予測純資産変動計算書であり、図50−4は、22年度以降5年間の予測資金収支計算書である。
まず、図50−1に示すように、予測貸借対照表の項目として、「金融資産」(資金、金融資産)、「非金融(公共)資産」(事業用資産、インフラ用資産)、「流動負債」(公債、その他)、「非流動」(固定)負債(公債、引当金、その他)を表示する。また、各項目について、21年度末の「実績」、22年度末の「予測」、23年度末の「予測」および「予測前年比較」、24年度末の「予測」および「予測前年比較」、25年度末の「予測」および「予測前年比較」、26年度末の「予測」に対応する各セルに、金額および比率が入力される。ここで、「比率」とは、資産または負債の部の合計金額に対する該当する項目の金額の割合を示すものであり、自動的に計算されて入力される値である。
各項目の21年度末の「実績」、「金額」に対応するセルのうち、黄色で表示されたセルには、ユーザが金額を入力する。また、各項目の22年〜26年度末の「予測」、「金額」に対応するセルの緑色で表示されたセルには、前述した22年〜26年精算表に入力された金額が入力される。例えば、項目「資金」の22年度末の「予測」、「金額」に対応するセルには、図37−1に例示する22年精算表の勘定科目「資金」の「残高」、「借方」に対応する金額「7,396」が自動的に入力される。また、この金額「7,396」から資産の部合計「788,991」を除算して比率「1%」(小数点以下四捨五入)を求め、「比率」のセルに入力する。同様に、23年度末〜24年度末についても、各年度の精算表の金額を「予測」、「金額」に対応するセルに入力するとともに、比率を計算して入力する。
また、図50−2に示すように、予測行政コスト計算書の項目として、「経常費用 計(行政コスト総額)」、「人件費」、「物件費」、「経費」、「業務関連費用」、「移転支出」、「他会計への移転支出」、「補助金等移転支出」、「社会保障関係費等移転支出」、「その他の移転支出」、「経常収益 計」、「業務収益」、「業務関連収益」、「純行政コスト」を表示する。また、各項目について、21年度末の「実績」、22年度末の「予測」、23年度末の「予測」および「予測前年比較」、24年度末の「予測」および「予測前年比較」、25年度末の「予測」および「予測前年比較」、26年度末の「予測」に対応する各セルに、金額および比率が入力される。ここで、「比率」とは、「経常費用 計(行政コスト総額)」に対する該当する項目の金額の割合を示すものであり、自動的に計算されて入力される値である。
また、図50−3に示すように、予測純資産変動計算書の項目として、「前期末残高」、「財源変動の部」、「財源の使途」、「純経常費用への財源措置」、「固定資産形成への財源措置」、「長期金融資産形成への財源措置」、「その他の財源の使途」、「財源の調達」、「税収・社会保険料」、「補助金等の移転収入」、「その他の財源の調達」、「資産形成充当財源変動の部」、「固定資産の変動」、「長期金融資産の変動」、「評価・換算差額等の変動」、「その他の純資産変動の部」、「少数株主持分の変動」、「開始時未分析残高の変動」、「その他の純資産の変動」、「当期変動額合計」、「当期末残高」を表示する。また、各項目について、21年度末の「実績」、22年度末の「予測」、23年度末の「予測」および「予測前年比較」、24年度末の「予測」および「予測前年比較」、25年度末の「予測」および「予測前年比較」、26年度末の「予測」に対応する各セルに、金額および比率が入力される。ここで、「比率」とは、「前期末残高」に対する該当する項目の金額の割合を示すものであり、自動的に計算されて入力される値である。
また、図50−4に示すように、予測資金収支計算書の項目として、「経常的収支区分」、「経常的支出」、「経常的収入」、「資本的収支区分」、「資本的支出」、「資本的収入」、「基礎的財政収支」、「財政的収支区分」、「財務的支出」、「財務的収入」、「当期資金収支」、「期首資金残高」、「期末資金残高」、「公債・借入金支払利息支出」を表示する。また、各項目について、21年度末の「実績」、22年度末の「予測」、23年度末の「予測」および「予測前年比較」、24年度末の「予測」および「予測前年比較」、25年度末の「予測」および「予測前年比較」、26年度末の「予測」に対応する各セルに、金額が入力される。
次に、図51に示す財政指標について説明する。図51は、向こう5年間野財政指標の一例を示す図である。図51の例では、財政指標として、「金融資産残高割合」、「公債等償還可能年数」、「現役世代収支」、「将来世代収支」および「純資産比率」を表示している。なお、各財政指標については、財政計画に応じて適宜変更することが可能である。
例えば、財政指標として、緊急時のために備えておくべく資金ポジションである金融資産残高割合の指標(財政経営の健全化の指標)「30%」が表示されている。この金融資産残高割合は、「資金+金融資産」から「経常的支出」を除算することで求められる数値である。図51の例では、22年度末〜26年度末に対応する「資金+金融資産」および「経常的支出」を転記するとともに、22年度末〜26年度末それぞれの金融資産残高割合を算出し、表示している。例えば、図22年度末は、「資金+金融資産」として、図50−1に例示する予測財務書類の「金融資産」における「22年度末」、「予測」、「金額」に対応するセルに入力された金額「32,025」を転記し、また、「経常的支出」として、図50−4に例示する予測財務書類の「経常的支出」における「22年度末」、「予測」に対応するセルに入力された金額「132,265」を転記する。そして、資金+金融資産「32,025」から「132,265」を除算した値である金融資産残高割合「24%」を表示する。
また、財政指標として、公債等利子控除後のプライマリーバランスを原資とした場合、公債等を何年で償還できる財政状態にあるのかを示す公債等償還可能年数の指標(財政経営の健全化の指標)「50年」が表示されている。この公債等償還可能年数は、「短期公債プラス公債」から「基礎的財政収支−公債等利子」を除算することで求められる数値である。図51の例では、22年度末〜26年度末に対応する「短期公債(流動負債の公債(翌年度償還予定額))+公債(非流動負債の公債)」および「基礎的財政収支−公債等利子(公債・借入金支払利息支出)」を予測財務書類から転用して算出するとともに、22年度末〜26年度末それぞれの公債等償還可能年数を算出し、表示している。
また、財政指標として、税収等で現役世代コストが賄えているかを示す「財源変動の部」を分解した「現役世代収支」の指標(財政経営の効率性の指標)「100%」が表示されている。この現役世代収支は、「純経常費用への財源措置+その他の財源の使途(直接資本減耗)」から「税収等+移転収入」を除算することで求められる数値である。図51の例では、22年度末〜26年度末に対応する「純経常費用への財源措置+その他の財源の使途(直接資本減耗)」および「税収等(税収・社会保険料)+移転収入(補助金等の移転収入)」を予測財務書類から転用して算出するとともに、22年度末〜26年度末それぞれの現役世代収支を算出し、表示している。
また、財政指標として、減価償却費等のキャッシュフローに対して、どの程度将来世代への財源措置を行っているかを示す「財源変動の部」を分解した「将来世代収支」の指標(財政経営の効率性の指標)「50%」が表示されている。この将来世代収支は、「固定資産形成への財源措置+長期金融資産形成への財源措置」から「その他の財源の調達(減価償却費・直接資本減耗相当額等)」を除算することで求められる数値である。図51の例では、22年度末〜26年度末に対応する「固定資産形成への財源措置+長期金融資産形成への財源措置」および「その他の財源の調達(減価償却費・直接資本減耗相当額等)」を予測財務書類から転用して算出するとともに、22年度末〜26年度末それぞれの将来世代収支を算出し、表示している。
また、財政指標として、形成された資産が、現役世代以前でどの程度賄われてきたのかを示す純資産比率の指標(世代間の公平性の指標)「80%」が表示されている。この純資産比率は、「純資産」から「総資産」を除算することで求められる数値である。図51の例では、22年度末〜26年度末に対応する「純資産(純資産の部合計)」および「総資産(負債・純資産の部合計)」を予測財務書類から転用するとともに、22年度末〜26年度末それぞれの純資産比率を算出し、表示している。
つまり、各財政指標を表示するとともに、向こう5年で予測される金融資産残高割合、公債等償還可能年数、現役世代収支、将来世代収支および純資産比率を計算して数値を表示するので、財政指標と予測数値とを見比べて、ユーザに財政経営が健全になされているか否かを把握させ、財政計画が立ちやすくさせることが可能である。
このように、実施例3に係る情報処理装置は、地方公共団体の財務に関する複数の項目を含む表を表示し、該表における各項目に対応する金額の入力を受け付けるとともに、各項目に対応する金額についての将来の増減率の入力を受け付け、受け付けられた金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する金額を算出する。そして、受け付けられた各項目に対応する金額および将来の増減率を用いて、該各項目に対応する予測金額を算出し、該予測金額を財務書類に沿った科目に分類し、同一科目に分類された金額同士を用いて、財務書類に沿った科目に対応する予測金額を算出する。このため、財務書類に沿った科目に対応する予測金額を算出して表示することで、財務に関する金額の動きを把握することが可能であり、予測金額の増減から指標を明確にして財政計画を立てることが可能となる。