JP2004069965A - 不揮発性表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】表示内容のセキュリティを守り、プライバシーを保護することができる不揮発性表示装置を提供する。
【解決手段】不揮発性表示装置１に、外部装置７からの給電が停止しても表示内容を維持する表示デバイス２と、表示デバイス２の表示を制御する表示制御手段３と、外部装置７からの給電の停止を検出する給電停止検出手段５とを設け、給電停止検出手段５が外部装置７からの給電の停止を検出したとき、表示制御手段３が表示デバイス２の表示内容を消去するようにしている。外部装置７が故障して給電が停止すると、表示デバイス２の表示は消去され、また、外部装置７が故障しても不揮発性表示装置１への給電が続いているときは、外部装置７から電池を抜いて電源を絶てば、表示デバイス２の表示は消去される。
【選択図】　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源を切っても表示内容が保持される電子ペーパー等の不揮発性表示装置に関し、特に、電源オフ後も残る表示データから情報漏洩が発生する事故を防止するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ＰＤＡ（携帯情報端末）等のディスプレーには、液晶パネルが広く使用されている。しかし、液晶パネルは、表示内容を維持するために電源を供給し続ける必要があり、また、白黒のコントラストが低いためにバックライト等を使用してコントラストを高める必要がある。その結果、多くの電力が消費される。
【０００３】
近年、液晶パネルに代わる表示装置として、電子ペーパーの開発が進められている。この電子ペーパーは、例えば、正の電荷に帯電した白い粉と負に帯電した黒い粉とを封じ込めたカプセルを敷き詰め、このカプセルの上部と下部とに透明電極を配置して構成されている。正の電極側には黒い粉が、また、負の電極側には白い粉が引き寄せられので、液晶パネルと同様に電極を格子状に形成し、表示する図形に合わせて、各位置の上部電極及び下部電極の正負を選択することにより、文字や画像の表示が可能になる。一度引き寄せられた粉は、電極の正負が反転しない限り同じ状態を保ち、電源を切っても静電気の力でそのままの状態が維持される。
この電子ペーパーに表示された文字は、紙に印字した文字と同じように鮮明であり、印刷物を読むように電子ペーパーの表示を見ることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この電子ペーパーのように、電源を切っても表示内容が保持される不揮発性表示装置をＰＤＡ等のディスプレーとして用いる場合には、次のような不都合が生じる。
ＰＤＡから顧客データ等の秘密を要するデータを入力すると、ＰＤＡのディスプレーには、入力されたデータが表示され、ディスプレーが電子ペーパーで構成されていると、このデータは、別のデータが入力されるまで、たとえ電源を切ってもディスプレー画面に表示され続けることになる。
そのため、機械の故障等で入力ができない状態が発生すると、最後に表示したデータが長時間画面上に残ることになり、そのデータが顧客データ等、秘密を要するデータであると、情報漏洩の虞れが心配される。
【０００５】
本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、表示した情報のセキュリティを守り、プライバシーを保護することができる不揮発性表示装置を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、不揮発性表示装置に、外部装置からの給電が停止しても表示内容を維持する表示デバイスと、表示デバイスの表示を制御する表示制御手段と、外部装置からの給電が一定時間以上途絶えたときに外部装置からの給電の停止を検出する給電停止検出手段とを設け、給電停止検出手段が外部装置からの給電の停止を検出したとき、表示制御手段が表示デバイスの表示内容を消去するように構成している。
【０００７】
この不揮発性表示装置では、外部装置が故障して給電が停止すると、不揮発性の表示デバイスに表示されている表示内容が消去される。また、外部装置が故障して操作できないが、外部装置から不揮発性表示装置への給電が続いているような場合には、外部装置から電池を抜くなど、外部装置の電源を絶てば、表示デバイスの表示は消去されることになる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態における不揮発性表示装置１は、図１に示すように、制御装置７（即ち、ＰＤＡ等の装置本体）とコネクタ接続し、この制御装置７から電源供給線８を通じて電力が供給され、また、制御信号線９を通じて画像データ信号が入力する。
【０００９】
この不揮発性表示装置１は、電子ペーパーから成る表示デバイス２と、制御装置７から入力する画像データ信号に基づいて表示デバイス２の表示を制御する表示コントローラ３と、制御装置７から電源供給線８を通じて供給される電力を蓄電して表示コントローラ３に出力する蓄電装置４と、制御装置７からの電源供給の停止を検出する電源オフ検出回路５と、制御装置７とのコネクタ接続が外れたことを検出するコネクタ抜け検出回路６とを備えている。
【００１０】
この表示コントローラ３、蓄電装置４、電源オフ検出回路５及びコネクタ抜け検出回路６は、表示デバイス２と一体化され、耐タンパー性を有している。そのため、表示デバイス２を破壊せずに表示デバイス２だけを取り外すことはできない。
蓄電装置４は大容量のコンデンサで構成され、制御装置７から供給される電力を蓄電して表示コントローラ３に出力し、制御装置７からの給電が停止した場合は、蓄電している電力を表示コントローラ３に放電する。
【００１１】
電源オフ検出回路５は、制御装置７からの電源供給が停止している時間を計時するタイマであり、制御装置７からの給電が一定時間（Ｔａ）以上途絶える、表示コントローラ３に検知信号を出力する。
コネクタ抜け検出回路６は、不揮発性表示装置１と制御装置７とのコネクタ接続が外れると、それを検知して表示コントローラ３に検知信号を出力する。
制御装置７は、表示コントローラ３に表示デバイス２への描画を行わせる際に電源供給線８から給電し、制御信号線９から画像データ信号を転送する。表示デバイス２に画像が表示された後は一定時間（Ｔｂ：但し、Ｔｂ＜Ｔａ）の間隔を空けて間歇的に電源供給線８を通じて不揮発性表示装置１に電力を供給する。
【００１２】
表示コントローラ３は、制御装置７から画像データ信号が入力すると、表示デバイス２に画像を表示する。また、表示コントローラ３は、制御装置７からの給電が停止したり、制御装置７とのコネクタ接続が外れたりして、電源オフ検出回路５またはコネクタ抜け検出回路６から検知信号が入力すると、表示デバイス２の表示を消去する。この時、表示コントローラ３の消去動作は、蓄電装置４から放電される電力で行われる。
【００１３】
図２は、この装置の動作を表すタイムチャートを示している。図２（ａ）は制御装置７から電源供給線８を通じて入力する電源信号、図２（ｂ）は制御装置７から制御信号線９を通じて入力する画像データ信号、図２（ｃ）は電源オフ検出回路５から出力される検知信号、図２（ｄ）は表示コントローラ３から表示デバイス２に出力される描画信号、そして、図２（ｅ）は、表示デバイス２の表示画面を示している。
【００１４】
制御装置７は、不揮発性表示装置１に画像を表示する際、電源（ａ）をオンにし、続いて画像データ（ｂ）を表示コントローラ３に送る。これを受けて表示コントローラ３は、描画信号（ｄ）を表示デバイス２に出力し、表示画面（ｅ）に、画像が表示される。
不揮発性である表示デバイス２は、制御装置７が電源（ａ）をオフしても表示内容が維持される。しかし、電源オフの時間がＴａ時間以上継続すると、電源オフ検出回路５が電源オフを検知し、表示コントローラ３が表示デバイス２の画像を消去してしまう。これを避けるため、制御装置７は、表示デバイス２に画像を表示した後は、Ｔｂ（＜Ｔａ）時間が経過するごとに、電源信号（ａ）のパルスを不揮発性表示装置１に供給する。電源オフ検出回路５は、電源信号のパルスが入力すると、その度にタイマのカウントをリセットする。そのため、電源オフ検出回路５から検知信号（ｃ）は出力されず、表示画面（ｅ）には、画像の表示が維持される。
【００１５】
制御装置７に障害が発生し、あるいは、電源ボタンがオフにされて、制御装置７から不揮発性表示装置１への電源信号パルスの入力が停止すると、電源オフ検出回路５は、前回の電源信号パルスの入力からＴａ時間が経過しても次の電源信号が入力しない場合に、電源オフの検知信号（ｃ）を表示コントローラ３に出力する。これを受けて表示コントローラ３は、表示画面の表示を一面黒（あるいは白）にする描画信号（ｄ）を表示デバイス２に出力し、表示画面（ｅ）に表示されている画像を消去する。この時の表示コントローラ３の動作は、蓄電装置４に未だ蓄電されている電力を用いて行われる。
【００１６】
また、不揮発性表示装置１と制御装置７とのコネクタ接続が外れて制御装置７から不揮発性表示装置１への給電が停止する場合は、コネクタ抜け検出回路６が、コネクタが抜かれたことを検出して検知信号を表示コントローラ３に出力し、表示コントローラ３は、これを受けて描画信号（ｄ）を表示デバイス２に出力し、表示画面（ｅ）に表示されている画像を消去する。
【００１７】
このように、本発明の実施形態の不揮発性表示装置は、この不揮発性表示装置を装着した機器からの給電が途絶えると、その表示を自発的に消去するようにしているため、その機器が故障した場合でも、最後の表示が長時間に渡って残り続けることは無い。
また、この給電が一定時間（Ｔａ）内に復旧しない場合に表示を消去するようにしているため、給電をＴａ時間より短い時間間隔（Ｔｂ）で間歇的に続けることにより、表示の消去を免れることができ、不揮発性表示装置に費やす消費電力を削減することができる。
【００１８】
この一定時間（Ｔａ）を外部から設定できるようにすれば、省電力の程度を外部から調整することが可能になる。
また、不揮発性表示装置と機器とのコネクタ接続が外れた場合には、この不揮発性表示装置に表示されていた情報を直ちに消去するようにしているため、悪意を持つ人が、機密情報などが表示された不揮発性表示装置を機器から取り外し、他の機器にコネクタ接続して電源供給を再開しても、機密情報を表示させることはできない。
【００１９】
なお、この不揮発性表示装置では、表示コントローラ３、蓄電装置４、電源オフ検出回路５及びコネクタ抜け検出回路６を表示デバイス２と一体化し、表示デバイス２だけを取り外すことが容易にできないように構成しているが、さらに安全性を高めるため、表示デバイス２が切り離されたときに、表示デバイス２の上部電極の全てを正に、下部電極の全てを負に設定するような手段を設け、表示デバイス２が無理に切断されたときに、表示デバイス２の表示を消去するようにしても良い。
また、蓄電装置の代わりに電池を設け、この電池から、表示コントローラ３が表示デバイス２の表示を消去する際の電力を供給するようにしても良い。
【００２０】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の不揮発性表示装置は、この不揮発性表示装置を装着した機器が故障した場合でも、最後に表示した情報が長時間に渡って残り続けることが無い。そのため、その表示によりセキュリティが損なわれたり、プライバシーが侵されたりする事態を回避できる。
また、本発明の不揮発性表示装置は、この表示した情報のセキュリティやプライバシーの保護を、機器側の回路やソフトウェアに大幅に負担を掛けずに実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態における不揮発性表示装置の構成を示すブロック図
【図２】本発明の実施形態における不揮発性表示装置の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
１　不揮発性表示装置
２　表示デバイス
３　表示コントローラ
４　蓄電装置
５　電源オフ検出回路
６　コネクタ抜け検出回路
７　制御装置
８　電源供給線
９　制御信号線

Claims (6)

1. 外部装置からの給電が停止しても表示内容を維持する表示デバイスと、
   前記表示デバイスの表示を制御する表示制御手段と、
   前記外部装置からの給電が一定時間以上途絶えたときに前記外部装置からの給電の停止を検出する給電停止検出手段と
   を備え、前記給電停止検出手段が前記外部装置からの給電の停止を検出したとき、前記表示制御手段が前記表示デバイスの表示内容を消去することを特徴とする不揮発性表示装置。
2. 前記外部装置からの給電の停止時期を規定する前記一定時間が、前記外部装置から設定可能であることを特徴とする請求項１に記載の不揮発性表示装置。
3. 前記外部装置との接続の切り離しを検出する切離検出手段を具備し、前記切離検出手段が前記外部装置との接続の切り離しを検出したとき、前記表示制御手段が前記表示デバイスの表示内容を消去することを特徴とする請求項１または２に記載の不揮発性表示装置。
4. 前記外部装置からの給電により蓄電される蓄電手段を具備し、前記表示制御手段が、前記蓄電手段から放電される電力を用いて前記表示デバイスの表示内容を消去することを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の不揮発性表示装置。
5. 前記表示制御手段、給電停止検出手段、切離検出手段、及び、蓄電手段が、前記表示デバイスと一体化されて耐タンパー性を有していることを特徴とする請求項４に記載の不揮発性表示装置。
6. 一体化されている前記表示デバイスを切り離したとき、前記表示デバイスの表示を消去する手段を具備することを特徴とする請求項５に記載の不揮発性表示装置。

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